説明

植物の加工装置、及び、植物の加工方法

【課題】 簡単かつ確実に、植物にコーティングを施すことができる植物の加工方法を提供する。
【解決手段】 ケース111内に支持棚120を配設し、ケース111内に加熱部130を設置し、加熱部130にワックス槽150を載せ、ワックス槽150にワックス2を投入する。支持棚120に花材3を載せた状態で、加熱部130によりワックス槽150を加熱することによりワックス2を気化させて、ケース111内にワックス2を充満させ、花材3にワックス2をコーティングする。気化したワックス2は、加熱部130による排熱とともにケース111の壁面に穿設された通気口115から所定量ずつ外へ排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の加工装置、及び、この植物の加工装置を用いた植物の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、花や草木等の植物を保存するための方法としては、ドライフラワーや押し花等が知られている。ドライフラワーや押し花は、生の植物を乾燥させて保存性を高める手法である。しかしながら、乾燥した植物であっても、再び吸湿して劣化することがあり、注意して保存する必要があった。
【0003】
そこで、より保存性に優れた植物の保存方法として、植物にコーティングを施す方法が提案された(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−247402号公報
【0005】
特許文献1に開示されたコーティング方法は、自然界で採集した昆虫、草木、落ち葉等の色艶を失わせないようにするため、発泡スチロール樹脂を溶剤に溶解させ、上記の昆虫、草木、落ち葉等に刷毛で塗布するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
植物をコーティングする場合、植物の表面のうちコーティング剤により被覆されない部分があると、そこから吸湿してしまう等の不具合が生じるので、できるだけ表面全体にくまなくコーティング剤を付着させる必要がある。
ところが、刷毛によってコーティング剤を塗布する方法では、完全かつ均一なコーティングを施すことが難しいという問題があった。例えば、花には花弁の隙間や花弁とがくの隙間等、非常に狭い隙間がある。これらの隙間は花のサイズに関係なく多数存在するが、その奥まで刷毛が届かないことが多く、また、全ての隙間にくまなく塗布を行う作業はあまりに負担が大きい。このため、コーティング剤を植物の表面全体に行き渡らせるのは非常に困難であった。
【0007】
この問題を解決する方法としては、植物をコーティング剤に浸して全体にコーティング剤を付着させる方法があるが、この方法では、上述した隙間にコーティング剤が浸透しないことが多く、コーティング剤を植物の表面全体に行き渡らせるのは、非常に困難であった。また、コーティング剤を完全に浸潤させようとして植物を長く浸したり、何度も浸したりすると、多量のコーティング剤が付着してしまい、美観を損なってしまうという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、簡単かつ確実に、植物にコーティングを施すことができる植物の加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明の植物の加工装置は、複数の面により構成されるケースに、コーティング剤を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留されたコーティング剤を気化させる気化部とを備え、前記ケース内において植物を支持する支持部を配置したことを特徴とする。
【0010】
ここで、植物とは、花、草木及びこれらの一部を指し、生花等の生の植物、及び、ドライフラワーやプリザーブドフラワー等の加工された植物を含む。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の植物の加工装置において、前記コーティング剤としてワックスを用い、前記気化部は、前記貯留部に貯留されたワックスを加熱する加熱部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の植物の加工装置において、前記ケースを構成する面のうち最も前記加熱部から離れた面に、通気口が設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の植物の加工装置において、前記ワックスとして、融点がセ氏100度以下のワックスを用いることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項2から4のいずれかに記載の植物の加工装置において、前記支持部は、前記植物が前記加熱部の真上から外れる場所に位置するように前記植物を支持することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の植物の加工装置において、前記コーティング剤として、香料を含むものを用いることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明の植物の加工方法は、複数の面により構成されるケース内において植物を支持し、前記ケース内でコーティング剤を気化させることを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の植物の加工方法において、前記コーティング剤としてワックスを用い、このワックスを前記ケース内で加熱することにより気化させることを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の植物の加工方法において、前記ケースを構成する面のうち前記ワックスを加熱する部分から最も離れた面に通気口を設けた前記ケースを用いることを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の植物の加工方法において、前記ワックスとして、融点がセ氏100度以下のワックスを用いることを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項8から10のいずれかに記載の植物の加工方法において、前記植物を、前記ワックスの真上から外れる場所に位置するように前記植物を支持することを特徴とする。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項7から11のいずれかに記載の植物の加工方法において、前記コーティング剤として香料を含むものを用いることを特徴とする。
【0022】
ここで、ワックスとは、動物由来(蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋、スクワラン、ラノリン等)、植物由来(カルナバ蝋、木蝋、ライスワックス、キャンデリラワックス等)、石油由来(パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等)及び鉱物由来(モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等)の天然ワックスの他、合成ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス等)、油脂系合成ワックス(エステル、ケトン類、アミド等)、水素硬化ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等)、変性ワックス(酸化ワックス、配合ワックス、変性モンタンワックス等)、ナフサン等を含み、上記ワックスのうち1以上を含む混合物をも含む。また、その物理的性状は任意であり、常温で固体であっても、液体であっても、ペースト若しくはエマルジョンであっても良く、融点、粘度等についても特に制限されない。なお、ワックスとしては、常温で気体でない物が好適であり、かつ、常温より高い所定温度まで加熱されることで蒸発し、当該所定温度以下の温度で液化又は固化するものが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
請求項1及び7記載の発明によれば、複数の面により構成されるケースに、コーティング剤を貯留する貯留部と、貯留部に貯留されたコーティング剤を気化させる気化部とを備え、このケース内において植物を支持する支持部を配置したので、ケース内において気化したコーティング剤が植物の表面に付着し、植物にコーティングを施すことができる。このコーティングによれば植物の表面が隙間なくコーティングされるので、植物が湿気や酸素の影響をほとんど受けなくなる。このため、コーティングされた植物については、湿気や酸素による花の劣化(変色・褪色等)が極めて起こりにくく、長期間の保存が可能となる。特に、ドライフラワー等の加工された植物にコーティングを施した場合、劣化の最大の原因となる吸湿を確実に防止できるので、保存性を著しく高めることができる。
【0024】
また、本発明によって植物にコーティングを施した場合、植物の表面に付着するコーティング剤はほぼ必要最小限の量まで抑えることができる。この量は、例えば植物を液状のコーティング剤に浸してコーティングを施す場合に比べ、比較にならないほど少ない。このため、コーティング剤の塊が形成されてしまったり、コーティング剤のムラが生じたりする等の、植物に付着するコーティング剤が多すぎることによる不具合は一切生じない。
その上、コーティング剤が極めて少量のみ植物に付着するので、植物の外観の変化がほとんど発生せず、見た目ではコーティングを施したことが分からない程の自然な仕上がりを得ることができる。
【0025】
さらに、コーティング剤を気化させて植物に付着させるので、コーティング剤が植物の細かい隙間の奥等の隅々まで十分に到達し、付着する。これにより、より完全に近いコーティングを施すことができるので、上述したように植物の保存性を著しく高める効果がある上、植物の破損を防止する効果が得られる。例えば、花において花弁と花托の境目等を完全にコーティングすると、コーティング剤が結着剤としての機能を果たし、花弁の脱落や割れ等の破損を防止することができる。
【0026】
また、本発明によってドライフラワーにコーティングを施した場合、通常のドライフラワーとは異なる柔軟性を与え、極めて破損しにくく取り扱い性に優れたドライフラワーを得ることができる。ドライフラワーは、乾燥の度合いが高いほど固く柔軟性に欠けるため、花弁の破損(割れ等)が生じやすい。このため、例えばドライフラワーを用いてコサージュを製作した場合、花と衣服とが擦れ合う毎に花が壊れてしまい、コサージュの美観が損なわれる上、衣服に破片が付着する等の不具合を生じることがあった。また、これらの問題から、ドライフラワーの取り扱いには細心の注意を払う必要があった。
本発明によれば、コーティング剤の一部が花に浸透し、ドライフラワーが柔軟性を獲得するので、物理的な力による破損を防止することができ、コサージュを含めて様々な製品にドライフラワーを利用できる。コーティング剤として揮発・消失しにくいものを用いれば、長期にわたって花の柔軟性が持続する。これにより、ドライフラワーを用いたアクセサリ等の製作工程やドライフラワーの輸送時において、ドライフラワーの取り扱いが容易になる。さらに、輸送時の特別な配慮を必要としないため、低コストで輸送可能となる。
さらに、コーティング後のドライフラワーの固さは、コーティング剤の種類を適宜選択することによって任意の固さにすることができる。例えば、コーティング剤として、常温で固体であって、かつ固いワックス(又は当該ワックスを含有する混合物)を用いれば、コーティング加工後の花は固く仕上がり、常温で柔らかく或いは常温で液体のワックス(又は当該ワックスを含有する混合物)を用いれば、コーティング加工後の花は柔軟性に富む仕上がりとなる。
【0027】
請求項2及び8記載の発明によれば、コーティング剤としてワックスを用い、貯留されたワックスを加熱することによってケース内でワックスを気化させるので、ワックスを用いて手軽にコーティングを行える。一般に、ワックスは防水性及び防湿性に優れているので、本発明によってコーティングを施すことにより、植物を劣化させることなく長期に保存することが可能となる。また、食品工業分野において広く利用されているワックスを用いることが可能なため、加工後の植物に直接手を触れても何ら問題は無く、高い安全性及び信頼性を確保できる。さらに、本発明はワックスを加熱するという単純な構成によって、手軽に、かつ安価に実現可能である。
【0028】
請求項3及び9記載の発明によれば、ケースにおいて、ケースを構成する面のうち最も加熱部から離れた面に通風口が設けられるので、加熱により気化したコーティング剤が、加熱部から通風口に至る長い経路を流動する。これにより、ケース内部にコーティング剤が充満するので、ケース内において支持された植物の表面にコーティング剤が十分に付着する。
【0029】
請求項4及び10記載の発明によれば、ワックスとして、融点がセ氏100度以下のワックスを用いるので、加熱部は、ワックスをセ氏100度又はセ氏100度をわずかに超える程度しか加熱しない。このため、ケース内が過度の高温になることを防止できるので、植物の熱による劣化を防止し、或いは劣化の促進を防止できる。
【0030】
請求項5及び11記載の発明によれば、支持部は、植物が加熱部の真上から外れる場所に位置するように植物を支持するので、加熱部により加熱された空気が植物にあたらない。これにより、ケース内において支持された植物を必要以上の高温にさらすことがないので、植物の熱による劣化を防止し、或いは劣化の促進を防止できる。
【0031】
請求項6及び12記載の発明によれば、コーティング剤として、香料を含むものを用いるので、花の一部に香料を吹き付ける等の方法とは異なり、花全体にまんべんなく芳香成分を付着させることができる。また、芳香成分はコーティング剤に溶解しているので、香りが長期にわたって持続する。
さらに、例えばアルコール系の溶媒等に香料を溶解させた溶液を花に直接吹き付ける方法では、吹き付けられた箇所だけ植物が変色したり、ムラになったりする可能性があるが、本発明の方法では、変色等を生じることなく、花全体にムラなく芳香成分を付着させることができる。さらに、市販されている芳香材料(エッセンシャルオイル等)を含む各種香料の多くは油溶性であり、本願のコーティング剤、特にワックスとは親和性が高い。従って、幅広い香料を利用できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0033】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態としての加工装置100の構成を示す断面図である。
図1に示すように、加工装置100は、略箱形のケース111に各部を収容して構成される。ケース111内部には、図中右側の底部に加熱部130が設置される。加熱部130にはワックス槽150が載せられ、ワックス槽150にはワックス2が投入される。
【0034】
ケース111の図中左側には支持棚120が配設される。支持棚120は、ほぼ鉛直に延びる2枚の側板122と、これら2枚の側板122に跨るように配設される複数(図1の例では5枚)の棚板121とから構成される棚である。なお、棚板121及び側板122は、後述する気化したワックス2の流通を妨げないように、例えば網で構成すると好ましい。支持棚120の棚板121には、複数の花材3が並べて載せられる。
【0035】
さらに、ケース111には、加熱部130が設置された場所から最も離れた壁面において、1又は複数の通気口115が穿設される。通気口115の数は任意であって、ワックス2の物性、加熱部130による加熱温度、加工装置100の設置場所における気温、棚板121のサイズ、或いは一度に加工しようとする花材3の数等に基づいて、適宜決定すれば良い。
【0036】
なお、ケース111において加熱部130及び支持棚120を設置する場所について特に制限は無いが、加熱部130は通気口115から離れた位置にあることが好ましい。これは、後述するように気化したワックス2がケース111内を移動して通気口115から排出されるまでに、最も長い距離を移動することになるからである。換言すれば、ケース111において通気口115が穿設された面は、加熱部130から最も離れた面であると、より好ましい。
また、支持棚120は、棚板121が加熱部130の真上に位置しないことが好ましい。これは、加熱部130が発する熱により花材3が劣化するのを防止できるからである。
【0037】
ワックス2は、本発明のコーティング剤の一例として用いるものである。ワックス2としては、動物由来(蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋、スクワラン、ラノリン等)、植物由来(カルナバ蝋、木蝋、ライスワックス、キャンデリラワックス等)、石油由来(パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等)及び鉱物由来(モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等)の天然ワックスの他、合成ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス等)、油脂系合成ワックス(エステル、ケトン類、アミド等)、水素硬化ワックス等)、変性ワックス(酸化ワックス、配合ワックス、変性モンタンワックス等)、ナフサン等のいずれをも用いることが可能であり、上記ワックスのうち1以上を含む混合物を用いることも勿論可能である。また、ワックスの性状は任意であり、常温で固体であっても、液体であっても、ペースト若しくはエマルジョンであっても良く、融点、粘度等の物性についても特に制限されない。
なお、ワックス2としては、常温で気体でない物が好適であり、かつ、常温より高い所定温度まで加熱されることで蒸発し、当該所定温度以下の温度で液化又は固化するものが好ましい。
さらに、融点がセ氏100度以下のワックスを用いると、ワックスを加熱する温度は最高でもセ氏100度またはセ氏100度を少し超える温度に抑えられるので、加工される花が高温により劣化(変色・褪色等)する恐れがなく、より好ましい。
【0038】
花材3は、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花等の加工された花、若しくは生花である。なお、花材3に代えて、葉や茎等の植物の一部を用いることも勿論可能であり、ここではあくまで一例として、花材3を用いる場合について説明する。
【0039】
図1に示すように構成される加工装置100を用いた加工方法について、説明する。
まず、ケース111に設置された支持棚120において、所望の数の花材3を棚板121に載せる。このときの花材3の向きは任意であるが、花弁が開放している側を上または下に向けると良い。
続いて、ワックス槽150にワックス2を入れて加熱部130に載せ、加熱部130による加熱を開始する。
【0040】
加熱部130により加熱されたワックス槽150内においては、加熱によりワックス2が気化し、ワックス槽150から蒸発してケース111内を流動する。また、ケース111には通気口115が設けられており、気化したワックス2は、最終的に通気口115から外に排出される。従って、ケース111内においては、ワックス槽150において気化したワックス2が、ケース111内に充満し、通気口115から所定量ずつ排出される。
【0041】
ケース111内において、花材3はワックス槽150の真上から外れた位置にあるので、加熱部130によってワックス槽150を室温以上に加熱した場合、花材3の温度は気化したワックス2の温度よりも低い。従って、気化したワックス2は、花材3の表面に触れることによって液化又は固化し、花材3の表面全体がワックス2によってコーティングされる。
そして、加熱部130による加熱を所定の時間継続して行うことにより、花材3の表面が十分にコーティングされる。
なお、ケース111内における加熱部130の排熱は、気化したワックス2とともに通気口115から外へ排出されるので、ケース111内に熱がこもってしまうことはない。
【0042】
以上の方法により、花材3の表面をワックス2によって確実にコーティングすることができる。このコーティングによれば、花材3の表面が隙間なくコーティングされるので、花材3が湿気や酸素の影響をほとんど受けなくなる。このため、コーティングされた花材3については、湿気や酸素による花の劣化(変色・褪色等)が極めて起こりにくく、長期間の保存が可能となる。特に、花材3にドライフラワー等の加工された植物を用いた場合、劣化の最大の原因となる吸湿を確実に防止できるので、保存性を著しく高めることができる。
【0043】
また、花材3の表面に付着するワックス2の量は、ほぼ必要最小限の量まで抑えることができる。この量は、例えば花材3を液状のコーティング剤に浸してコーティングを施す場合に比べ、比較にならないほど少なく、花材3に付着するワックス2が多すぎることによる不具合は全く生じない。その上、極めて少量のワックス2のみが花材3に付着するので、花材3の外観の変化がほとんど発生せず、見た目ではコーティングを施したことが分からない程の自然な仕上がりを得ることができる。
【0044】
さらに、ワックス2を気化させて花材3に付着させるので、ワックス2が花材3の細かい隙間の奥まで十分に到達する。これにより、より完全に近いコーティングを施すことができるので、上述したように花材3の保存性を著しく高める効果がある上、花材3の破損を防止する効果が得られる。例えば、花において花弁と花托の境目等を完全にコーティングすると、ワックス2が結着剤としての機能を果たし、花弁の脱落や割れ等の破損を防止することができる。
【0045】
また、花材3としてドライフラワーを用いた場合、通常のドライフラワーとは異なる柔軟性を与え、極めて破損しにくく取り扱い性に優れたドライフラワーを得ることができる。ドライフラワーは、乾燥の度合いが高いほど固く柔軟性に欠けるため、花弁の破損(割れ等)が生じやすい。このため、例えばドライフラワーを用いてコサージュを製作した場合、花と衣服とが擦れ合う毎に花が壊れてしまい、コサージュの美観が損なわれる上、衣服に破片が付着する等の不具合を生じることがあった。また、これらの問題から、ドライフラワーの取り扱いには細心の注意を払う必要があった。本第1の実施の形態によれば、ワックス2の一部が花に浸透して、ドライフラワーが柔軟性を獲得するので、物理的な力による破損を防止することができ、コサージュを含めて様々な製品にドライフラワーを利用できる。ワックス2として揮発・消失しにくいものを用いれば、長期にわたって花の柔軟性が持続する。これにより、ドライフラワーを用いたアクセサリ等の製作工程やドライフラワーの輸送時において、ドライフラワーの取り扱いが容易になる。さらに、輸送時の特別な配慮を必要としないため、低コストで輸送可能となる。さらに、コーティング後のドライフラワーの固さは、ワックス2の種類を適宜選択することによって任意の固さにすることができる。
【0046】
また、ワックスは一般に防水性及び防湿性に優れ、本第1の実施の形態の方法によってコーティングを施すことで、花材3を劣化させることなく長期に保存することが可能となる。また、食品工業分野において広く利用されているワックスを用いることが可能なため、加工後の花材3に直接手を触れても何ら問題は無く、高い安全性及び信頼性を確保できる。さらに、加工装置100は単純な構成によって、手軽に、かつ安価に実現可能である。
【0047】
なお、上記方法を実施する際に、花材3を棚板121に載せて所定の時間だけ加熱部130による加熱を行った後、さらに、花材3を裏返して、或いは複数の花材3の位置を交換して、再び加熱部130による加熱を行っても良い。この場合、花材3が様々な向き若しくは位置においてコーティングされるので、花材3の向きや位置によるムラの発生を防止し、花材3にまんべんなくコーティングを施すことができる。
【0048】
[第2の実施の形態]
図2は、本発明を適用した第2の実施の形態としての加工装置101の構成を示す断面図である。なお、図2に示す加工装置101において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0049】
図2に示す加工装置101は、縦長のケース112に各部を収容して構成される。ケース112内部においては、底部に加熱部130が設置され、加熱部130にはワックス槽150が載せられる。
また、ワックス槽150の上方には棚板123が配設される。棚板123は、上記第1の実施の形態における棚板121と同様に、例えば網で構成すると良い。棚板123は、ケース112の側壁に固定され、棚板123には花材3が載せられる。
そして、ケース112の上面には、1又は複数の通気口115が穿設される。通気口115からは、気化したワックス2とともに加熱部130の排熱が排出されるので、ケース112内に熱がこもってしまうことはない。
【0050】
図2に示す加工装置101を用いた加工方法においては、まず、ケース112の棚板123に、所望の数の花材3を載せる。このときの花材3の向きは任意であるが、花弁が開放している側を上または下に向けると良い。
続いて、ワックス槽150にワックス2を入れて加熱部130に載せ、加熱部130による加熱を開始する。
【0051】
加熱部130により加熱されたワックス槽150においては、ワックス2が加熱されて気化し、ケース112内を上昇する。ケース112の上面には通気口115が設けられており、気化したワックス2は、最終的に通気口115から外に排出される。
ワックス槽150において気化したワックス2がケース112内を上昇することにより、花材3の周囲にワックス2が充満した状態が作り出される。気化したワックス2は通気口115から排出されるが、加熱部130により適宜加熱を続けることで、ワックス槽150から気化したワックス2が供給され続けるため、花材3の周囲にワックス2が充満する状態が保たれる。そして、気化したワックス2が花材3の表面に触れ、液化又は固化することにより、花材3の表面全体がワックス2によってコーティングされる。
【0052】
ここで、加熱部130による加熱を所定の時間継続して行うことにより、花材3の表面がワックス2によって十分にコーティングされる。
【0053】
以上の方法により、花材3の表面をワックス2によって確実にコーティングすることができ、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、本第2の実施の形態においては、花材3が加熱部130の真上に位置する構成となっているが、ケース112が縦長であることから、加熱部130が発する熱により花材3が劣化する恐れはない。
さらに、ケース112は縦長のケースであるから、小さな面積に設置することができるので、より容易に設置・使用可能である。
【0054】
なお、上記方法を実施する際に、花材3を棚板123に載せて所定の時間だけ加熱部130による加熱を行った後、さらに、花材3を裏返して、或いは複数の花材3の位置を交換して、再び加熱部130による加熱を行っても良い。この場合、花材3が様々な向き若しくは位置においてコーティングされるので、花材3の向きや位置によるムラの発生を防止することができ、花材3にまんべんなくコーティングを施すことができる。
【0055】
[第3の実施の形態]
図3は、本発明を適用した第3の実施の形態としての加工装置102の構成を示す断面図である。なお、図3に示す加工装置102において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0056】
図3に示すケース113は、図1に示すケース111を幅広に構成したケースである。ケース113の底部のほぼ中央には加熱部130が設置され、加熱部130にワックス槽150が載せられる。
そして、加熱部130の両側部に、2つの支持棚120が配設される。また、それぞれ2つの支持棚120の側方に相当するケース113の2つの壁面には、複数の通気口115が穿設される。
【0057】
図3に示すケース113を用いた場合、上記第1の実施の形態と同様の方法により、花材3にワックス2によるコーティングを施すことができる。
さらに、ケース113は幅広であって2つの支持棚120を設置することが可能なため、ケース111に比べて一度に多くの花材3を加工することができる。これにより、短時間で多量の花材3にコーティング加工を施することができるという利点がある。
【0058】
[第4の実施の形態]
図4は、本発明を適用した第4の実施の形態における加工装置103の構成を示す分解斜視図である。また、図5は加工装置103を上から見た図である。図4及び図5に示す加工装置103において、上記第1の実施の形態と同様に構成される各部については、同符号を付して説明を省略する。
【0059】
図4に示すように、加工装置103は、筒状のケース114内に各部を収容して構成される。
ケース114は上端面に開口部116を有する中空のケースであって、蓋114aにより開口部116を塞ぐことができる。
ケース114の下部には、前面開口部117が設けられる。
【0060】
さらに、ケース114の下方には加熱部130が配置される。即ち、加熱部130の上にケース114が載せられ、ケース114の底面が加熱部130により外側から加熱される構成となっている。
【0061】
ケース114内部には、下から順にワックス槽台網136、ワックス槽150、支持棒124、支持網125、及び花材3が収容される。
ワックス槽台網136は網により構成され、ケース114の底部に配置される。このワックス槽台網136の上にワックス槽150が載せられ、ワックス槽150にはワックス2が投入される。なお、ワックス2については図示を省略する。
【0062】
また、ケース114の上部においては、ケース114の側壁に支持棒固定孔126が穿設される。支持棒固定孔126は、後述するように支持棒124を突き通して保持するための孔であって、支持棒124の数に応じて穿設される。図4及び図5に示す例では、支持棒124を2本用いるので、支持棒固定孔126は少なくとも4個必要である。図4に示す例では、ケース114には、4個を一組として、高さ位置の異なる2組の支持棒固定孔126(合計8個)が設けられている。
【0063】
図5に示すように、ケース114に設けられた2組の支持棒固定孔126のうち、いずれか1組の支持棒固定孔126に支持棒124を突き通すと、当該支持棒固定孔126の高さ位置において2本の支持棒124が保持される。
この状態で、支持棒124の上に支持網125が載せられる。支持網125の真下にはワックス槽150が位置することになる。支持網125の上には、花材3が載せられる。
【0064】
以上のように構成される加工装置103を用いた加工方法について説明すると、まず、ケース114に設置された支持網125に、所望の数の花材3を載せる。このときの花材3の向きは任意であるが、花弁が開放している側を上または下に向けると良い。
続いて、ワックス槽150にワックス2を入れて加熱部130に載せ、加熱部130による加熱を開始する。
なお、加熱部130による加熱を開始した後に、花材3を支持網125に並べるようにしても良い。
【0065】
ワックス槽150は、ケース114の底面及びワックス槽台網136を介して加熱部130により加熱され、ワックス槽150の内部においては、加熱によりワックス2が気化し、ワックス槽150から蒸発してケース114内を上昇する。ケース114の上面には開口部116が開口しており、気化したワックス2は最終的に開口部116から外に排出される。
【0066】
ワックス槽150において気化したワックス2がケース114内を上昇することにより、花材3の周囲に十分な量のワックス2が充満する。気化したワックス2は開口部116から外へ排出されるが、加熱部130による加熱を適宜継続することで、ワックス槽150から継続的に気化したワックス2が供給されるため、花材3の周囲にワックス2が充満した状態が保たれる。そして、気化したワックス2が花材3の表面に触れ、液化又は固化することにより、花材3の表面全体がワックス2によってコーティングされる。
【0067】
ここで、加熱部130による加熱を所定の時間継続して行うことにより、花材3の表面がワックス2によって十分にコーティングされる。
【0068】
なお、上記方法を実施する際に、花材3を支持網125に載せて所定の時間だけ加熱部130による加熱を行った後、さらに、花材3を裏返して、或いは複数の花材3の位置を交換して、再び加熱部130による加熱を行っても良い。この場合、花材3が様々な向き若しくは位置においてコーティングされるので、花材3の向きや位置によるムラの発生を防止することができ、花材3にまんべんなくコーティングを施すことができる。
また、前面開口部117を塞ぐことも可能であるが、加熱部130により発せられる熱によりケース114の内部が過度の高温となることを防ぐことができるという点から、前面開口部117を開放したまま花材3の加工を行う方が好ましい。
【0069】
以上の方法により、花材3の表面をワックス2によって確実にコーティングすることができ、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、ケース114は筒状のケースであって、ケース114内においては必要な各部を高さ方向に配置した構成となっている。このため、ケース114を設置するために必要な面積は非常に小さいので、狭い場所であっても問題なく設置し、使用することができる。
【0070】
なお、上記第1〜第4の実施の形態においては、加熱部130による加熱の程度やワックス2の物性については、任意に変更可能であるが、ケース111,112,113,114の内部において、花材3の周囲の温度が、花材3の劣化を招かない(或いは、劣化を著しく促進することのない)温度以下に保たれることが好ましい。一般に、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花等の加工された植物及び生の植物(生花等)は、セ氏約60度を超える温度において劣化が顕著になる。従って、ケース111,112,113,114内部において花材3の周囲の温度がセ氏60度を超えない状態で、花材3を加工することが好ましいといえる。花材3の周囲の温度は、ケース111,112,113,114のサイズや材質、花材3から加熱部130までの距離等により影響されるが、ワックス2の融点が低ければ、加熱部130から発する熱が少なくて済むため、花材3の周囲の温度を低く保つのに効果的である。従って、ワックス2の融点が、例えば融点がセ氏100度以下であると、花材3の劣化を防止する上で非常に好ましい。
【0071】
さらに、ワックス2が常温において透明なもの、或いは完全に透明でなくとも透明度が比較的高いものであれば、花材3の表面にコーティングされたワックス2が目立たないため、コーティングされたこと自体が分からないほどの自然な仕上がり・風合いを得ることができる。
【0072】
また、ケース111,112,113,114の材質については任意であるが、ステンレス等の金属製であると、耐熱性等の面における信頼性が高いという利点がある。また、加熱部130の発熱部分のサイズが、ケース111,112,113,114及び加熱部130のサイズに適合していると、無駄なく加熱部130を加熱できるので、好ましい。さらに、加熱部130の材質は、加熱部130による加熱に耐え得る耐熱性を有するものであれば何を用いても良いが、熱伝導性が高いものであれば加熱部130が発する熱を迅速にワックス2に伝達し、ワックス2を速やかに気化させることができるので、好ましい。さらに、ケース111,112,113における通気口115、及び、ケース114における開口部116のサイズについては、ワックス2の物性や加熱部130のサイズ及び発熱量に応じて任意に決定すれば良い。
【0073】
さらに、ワックス2に芳香成分(一般的な香料、フレグランスオイル、精油等)を混合させたものをワックス槽150に投入して花材3にコーティングすれば、ケース111,112,113,114の内部に芳香成分が充満して花材3に付着し、或いは、芳香成分がワックス2のワックス成分とともに気化して、当該ワックス成分にとけ込んだ状態で花材3の表面に付着するので、花材3に芳香を付することができる。この場合、植物に香料を吹き付ける等の方法とは異なり、花材3の全体にまんべんなく芳香成分を付着させることができる。また、芳香成分がワックス2に溶解しているので、香りが長期にわたって持続する。さらに、例えばアルコール系の溶媒等に香料を溶解させた溶液を植物に直接吹き付ける方法では、吹き付けられた箇所だけ植物が変色したり、ムラになったりする可能性があるが、ワックス2に芳香成分を混合させて加熱する方法では、変色等を生じることなく、植物全体にムラなく芳香成分を付着させることができる。さらに、市販されている芳香材料の多くは油溶性であり、ワックス2とは極めて親和性が高く、幅広い香料を利用できるという利点がある。
【0074】
さらに、上記実施の形態において用いる加熱部130は、ワックス槽150を直接または間接的に加熱する機能を有する物であれば良く、例えば、ガスコンロや電熱器を用いることが可能であるが、加熱部130に温度調節機能を持たせることも可能である。この場合について、以下、変形例として説明する。
【0075】
[変形例]
図6は、上記第1〜第4の実施の形態において用いた加熱部130に代えて利用可能な、温度制御加熱部131の構成を示す機能ブロック図である。
図6に示す温度制御加熱部131は、ヒーター132、制御部133、温度センサ134、及び電源部135の各部を備えて構成される。
【0076】
ヒーター132は、電源の供給を受けて発熱する発熱体(ニクロム線、セラミックヒーター等)である。
制御部133は、予め設定された加熱温度と温度センサ134により測定された温度とを比較することにより、ヒーター132による発熱の可否を所定時間毎に決定し、ヒーター132の発熱が必要な場合に、電源部135により供給される直流または交流電圧をヒーター132に供給する。
温度センサ134は、ヒーター132の温度若しくはヒーター132の近傍における温度を測定し、測定結果を制御部133に出力するセンサである。
電源部135は、ヒーター132に対して所定の直流または交流電圧を供給するものであり、家庭用または業務用電灯線に接続される構成としても良いし、バッテリを搭載する構成としても良い。
【0077】
以上のように構成される温度制御加熱部131を、加熱部130に代えて用いることにより、ワックス槽150の温度、すなわちワックス2の温度を適切な温度に保つことができるので、温度調節の手間が無くなる。これにより、長時間にわたって加工装置100,101,102,103を使用する場合の作業負担を著しく軽減することができる。
また、温度制御加熱部131による加熱温度をワックス2の物性に合わせた温度に設定しておけば、同じ組成からなるワックス2を使用する限りにおいて、温度制御加熱部131における温度調節は不要になる。このため、極めて簡単な操作により、花材3にコーティングを施すことができる。
【0078】
次に、上記第4の実施の形態における加工装置103を実際に使用した場合の詳細な手順及び各種条件等について、実施例として記載する。
【実施例】
【0079】
本実施例においては、図4及び図5に示す加工装置103を用い、花材3にはドライフラワーを用いた。
また、ワックス槽150としては、ステンレス製、底部の直径が8.5センチメートル、平底のトレーを用いた。本実施例で用いたワックス2の特性は図7の図表に示す通りであり、常温で固体であった。なお、図7に示すワックス2は、パラフィンにナフサンを混合したものである。ワックス槽150には26グラムのワックス2を投入した。
以下、室温セ氏24度の室内において花材3を加工した場合の変化を述べる。
【0080】
加熱開始3分後、ワックス槽150内のワックス2が溶け始め、加熱開始10分後にワックス2の全量が溶解し、気化が始まった。
加熱開始12分後、支持網125に花材3を載せた。このとき、花材3の向きは、花弁が開放する側を下に向けることとした。
加熱開始15分後、ワックス2の気化の勢いが最適な状態となった。
1時間経過後、加熱を終了し、自然放冷させた後に花材3を取り出した。この時点におけるワックス2の量は20グラムであった。
【0081】
以上の条件により、花材3にワックス2によるコーティングを施すことができた。コーティングの状態は、花材3全体にまんべんなくワックス2が付着し、非常に良好であった。このようにして加工された花材3は、湿度60%〜70%の室内に放置した場合に、1ヶ月以上劣化が見られなかった。ドライフラワーや生花が数日乃至数週間で著しく劣化するのに比べ、極めて高い保存性を有することが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態における加工装置100の構成を示す断面図である。
【図2】本発明を適用した第2の実施の形態における加工装置101の構成を示す断面図である。
【図3】本発明を適用した第3の実施の形態における加工装置102の構成を示す断面図である。
【図4】本発明を適用した第4の実施の形態における加工装置103の構成を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示す加工装置103を上面から見た図である。
【図6】図1から図4に示す加熱部130に代えて利用可能な温度制御加熱部131の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図4及び図5に示す加工装置103を用いた一実施例において用いたワックス2の分析結果を示す図表である。
【符号の説明】
【0083】
100,101,102,103 加工装置
111,112,113,114 ケース
115 通気口
116 開口部
117 前面開口部
120 支持棚
121,123 棚板
122 側板
124 支持棒
125 支持網
126 支持棒固定孔
130 加熱部
150 ワックス槽
2 ワックス
3 花材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の面により構成されるケースに、コーティング剤を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留されたコーティング剤を気化させる気化部とを備え、前記ケース内において植物を支持する支持部を配置したことを特徴とする植物の加工装置。
【請求項2】
前記コーティング剤としてワックスを用い、
前記気化部は、前記貯留部に貯留されたワックスを加熱する加熱部を備えることを特徴とする請求項1記載の植物の加工装置。
【請求項3】
前記ケースを構成する面のうち最も前記加熱部から離れた面に、通気口が設けられることを特徴とする請求項2記載の植物の加工装置。
【請求項4】
前記ワックスとして、融点がセ氏100度以下のワックスを用いることを特徴とする請求項2または3記載の植物の加工装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記植物が前記加熱部の真上から外れる場所に位置するように前記植物を支持することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の植物の加工装置。
【請求項6】
前記コーティング剤として、香料を含むものを用いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の植物の加工装置。
【請求項7】
複数の面により構成されるケース内において植物を支持し、前記ケース内でコーティング剤を気化させることを特徴とする植物の加工方法。
【請求項8】
前記コーティング剤としてワックスを用い、このワックスを前記ケース内で加熱することにより気化させることを特徴とする請求項7記載の植物の加工方法。
【請求項9】
前記ケースを構成する面のうち前記ワックスを加熱する部分から最も離れた面に通気口を設けた前記ケースを用いることを特徴とする請求項8記載の植物の加工方法。
【請求項10】
前記ワックスとして、融点がセ氏100度以下のワックスを用いることを特徴とする請求項8または9記載の植物の加工方法。
【請求項11】
前記植物を、前記ワックスの真上から外れる場所に位置するように前記植物を支持することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の植物の加工方法。
【請求項12】
前記コーティング剤として香料を含むものを用いることを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の植物の加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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