説明

植物体健康組成物

本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iを有するアミド化合物(化合物I)で植物体珠芽を処理することを含む。本発明は、また、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iを有するアミド化合物(化合物I)と、さらなる殺菌剤II(化合物II)、さらなる殺菌剤III(化合物IIb)及び殺虫剤III(化合物III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含んでいる混合物で植物体珠芽を処理することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式I
【化1】

【0002】
[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイト(anellated)されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
で表されるアミド(化合物I)で植物体珠芽を処理することを含む。
【0003】
加えて、本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iのアミド(化合物I)及びさらなる殺菌剤II(化合物II)又は殺虫剤(化合物III)を含んでいる二成分混合物で植物体珠芽を処理することを含む。
【0004】
本発明は、また、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iのアミド(化合物I)及びさらなる殺菌剤II(化合物II)並びに第3成分としてさらなる殺菌剤III(化合物IIb)又は殺虫剤(化合物III)を含んでいる三成分混合物で植物体珠芽を処理することを含む。
【0005】
本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための式Iを有するアミド(化合物I)の使用にも関する。
【背景技術】
【0006】
作物保護では、植物体の健康を改善する組成物に対する継続したニーズがある。より健康な植物体は、中でも、より良い作物収量、及び/又はより良い植物体、植物体部分及び/又は植物体産生物の品質をもたらすので、望ましい。より健康な植物体は、非生物的ストレスにもより耐える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記で略述された問題を解決する、そして、特には、植物体健康を改善するであろう殺害虫剤組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
意外なことに、本発明者は、この目的が、式I
【化2】

【0009】
[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル、又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイト(anellated)されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
で表されるアミド(化合物I)で植物体珠芽を処理することで達成されることを見出した。
【0010】
本発明の方法においては、ある種のさらなる殺菌剤(化合物II又はIIb)又は殺虫剤(化合物III)との混合物は植物体健康相乗作用効果を示すことも見出された。そのような混合物の内で、相乗作用活性を有する相乗作用混合物も見出された。
【0011】
国際公開第01/82701号パンフレットには、ストロビルリン型活性化合物を繰り返して適用することによる、ウイルス感染に対する植物体の抵抗性を引き出す方法が開示されている。しかしながら、殺菌剤の繰り返しの適用は、有害菌類の抵抗性個体群を選抜し得る。
【0012】
PCT/EP/2008/051672には、ある種のアニリドはウイルス耐性を引き出すことが開示されている。
【0013】
国際公開第07/104658号パンフレットには、植物体にアニリド化合物と共にストロビルリン系化合物を適用することにより、細菌症に対する植物体の耐性を引き出す方法が含まれている。
【0014】
国際公開第05/018324号パンフレットにはある種のアニリド化合物の植物体健康効果が開示されている。式Iで表される特定のアニリド化合物はそこには明確には開示されていない。
【0015】
式Iで表される特定のアミドとストロビルリン系殺菌剤とを含んでいる組み合わせが国際公開第07/017416号パンフレットに開示されている。しかしながら、この公報は、植物体健康効果の可能性について何も言及していない。
【0016】
いくつかの殺菌剤と式Iのアミドとの組み合わせが国際公開第07/017416号パンフレット、PCT/EP2008/051331、PCT/EP2008/051375、国際公開第08/000377号パンフレット、国際公開第07/128756号パンフレット、欧州特許出願第08152059.5号、欧州特許出願第08155881.9号、欧州特許出願第07119858.4号及びPCT/EP2008/051955に開示されている。しかしながら、これらの公報においては、植物体健康相乗作用効果に向けての示唆は何も書かれていない。
【0017】
さらに、これらの文献は、いずれも、冒頭に定義されている混合物の植物体健康相乗作用効果を開示することはなく、殺菌剤相乗作用混合物を詳細に記載している。
【0018】
式Iのアミド(化合物I)は殺菌剤として公知である(例えば、欧州特許出願公開第545099号明細書、欧州特許出願公開第589301号明細書、欧州特許出願公開第737682号明細書、欧州特許出願公開第824099号明細書、国際公開第99/09013号パンフレット、国際公開第03/010149号パンフレット、国際公開第03/070705号パンフレット、国際公開第03/074491号パンフレット、国際公開第04/005242号パンフレット、国際公開第04/035589号パンフレット、国際公開第04/067515号パンフレット、国際公開第06/087343号パンフレットを参照されたい)。式Iのアミド(化合物I)は、これらの文献に記載されている方法で、調製され得る。
【0019】
さらなる殺菌剤(化合物II又はIIb)又は殺虫剤(化合物III)並びにそれらの殺害虫作用及びそれらの製造方法は、一般に、公知である。例えば、市販の化合物は、数ある他の刊行物の中でも、The Pesticide Manual, 13th Edition, British Crop Protection Council (2003)に見出され得る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
化合物(I)、(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物並びに化合物(I)、(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物を含んでいるそれぞれの混合物の好ましい実施形態、それらの好ましい使用及びそれらを用いる方法についての以下の見解は、それぞれがそれ自体で又は好ましくは互いとの組み合わせで理解すべきである。
【0021】
好ましい実施形態では、アミド(化合物I)は、式Ia
【化3】

【0022】
で表される化合物である。この化合物は、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、以下の本明細書では「Ia」と呼ばれる。
【0023】
もう1つの好ましい実施形態によれば、アミド(化合物I)は、式Ib
【化4】

【0024】
で表される化合物である。この化合物は、N−[2−(4’−トリフルオロメチルチオ)−ビフェニル]−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、以下の本明細書では「Ib」と呼ばれる。
【0025】
さらなる好ましい実施形態によれば、アミド(化合物I)は、式Ic
【化5】

【0026】
で表される化合物である。この化合物は、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ビキサフェン)であり、以下の本明細書では「Ic」と呼ばれる。
【0027】
さらなる好ましい実施形態によれば、アミド(化合物I)は、式Id
【化6】

【0028】
で表される化合物である。この化合物は、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、以下の本明細書では「Id」と呼ばれる。
【0029】
さらなる好ましい実施形態によれば、アミド(化合物I)は、式Ie
【化7】

【0030】
で表される化合物である。この化合物は、N−(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、この化合物はそのシス−異性体及びトランス−異性体で見出され得る(一般名:セダキサン)。
【0031】
さらなる好ましい実施形態によれば、アミド(化合物I)は、式If
【化8】

【0032】
で表される化合物である。この化合物は、N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:イソピラザム)であり、以下の本明細書では「If」と呼ばれる。
【0033】
さらなる好ましい実施形態によれば、アミド(化合物I)は、式Ig
【化9】

【0034】
で表される化合物である。この化合物は、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)であり、以下の本明細書では「Ig」と呼ばれる。
【0035】
より好ましい実施形態では、化合物(I)は、Ia、Ic、If及びIgからなる群から選択される。
【0036】
もう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)は、Ia、Id、Ie及びIgからなる群から選択され、最も好ましくは化合物(I)は化合物Iaである。
【0037】
冒頭で言及したように、本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法にも関し、その方法は、特定されている混合物で植物体珠芽を処理することを含む。一実施形態では、この混合物は、植物体健康相乗作用有効量で、
(1)式Iのアミド(化合物I);及び
(2)さらなる殺菌剤II(化合物II)[この場合、化合物(II)は、
(i)アゾキシストロビン(S1)、ジモキシストロビン(S2)、フルオキサストロビン(S3)、クレソキシム−メチル(S4)、メトミノストロビン(S5)、オリサストロビン(S6)、ピコキシストロビン(S7)、ピラクロストロビン(S8)、トリフロキシストロビン(S9)、エネストロブリン(S10)、ピリベンカルブ(S11)、(E)−2−[2−(2,5−ジメチル−フェノキシメチル)−フェニル]−3−メトキシ−アクリル酸メチルエステル(S12)及び2−{2−[(E)−3−(2,6−ジクロロ−フェニル)−1−メチル−プロプ−2−エン−(E)−イリデンアミノオキシメチル]−フェニル}−2−[(E)−メトキシイミノ]−N−メチル−アセトアミド(S13)から選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、イプコナゾール(A7)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)、プロクロラズ(A13)、エタボキサム(A14)、トリアゾキシド(A15)、テトラコナゾール(A16)、トリアジメホン(A17)、トリアジメノール(A18)、トリチコナゾール(A19)、ウニコナゾール(A20)、1−(4−クロロ−フェニル)−2−([1,2,4]トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール(A21)、アザコナゾール(A22)、ビテルタノール(A23)、ブロムコナゾール(A24)、シフェノコナゾール(A25)、ジニコナゾール(A26)、ジニコナゾール−M(A27)、フェンブコナゾール(A28)、ヘキサコナゾール(A29)、イミベンコナゾール(A30)、ミクロブタニル(A31)、オキスポコナゾール(A32)、パクロブトラゾール(A33)、ペンコナゾール(A34)、シメコナゾール(A35)、イマザリル(A36)、ペフラゾエート(A37)、トリフルミゾール(A38)、エトリジアゾール(A39)、ヒメキサゾール(A40)及び2−(4−クロロ−フェニル)−N−[4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−イソオキサゾール−5−イル]−2−プロプ−2−イニルオキシ−アセトアミド(A41)から選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル(V1)、メタラキシル−M(メフェノキサム)(V2)、シルチオファム(V3)、ピリメタニル(V4)、ジメトモルフ(V5)、イプロジオン(V6)、フルジオキソニル(V7)、チラム(V8)、チオファネート−メチル(V9)、カルベンダジム(V10)、フォセチル−アルミニウム(V11)、亜リン酸及びその塩(V12)、メチラム(V13)、マンコゼブ(V14)、ファモキサドン(V15)及びフェナミドン(V16)から選択される、他の化合物;
からなる群から選択される];
(3)並びに場合により第3の成分としてさらなる殺菌剤III(化合物IIb)[この場合、化合物(IIb)は、
(ii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、イプコナゾール(A7)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)、プロクロラズ(A13)、エタボキサム(A14)、トリアゾキシド(A15)、テトラコナゾール(A16)、トリアジメホン(A17)、トリアジメノール(A18)、トリチコナゾール(A19)、ウニコナゾール(A20)、1−(4−クロロ−フェニル)−2−([1,2,4]トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール(A21)、アザコナゾール(A22)、ビテルタノール(A23)、ブロムコナゾール(A24)、シフェノコナゾール(A25)、ジニコナゾール(A26)、ジニコナゾール−M(A27)、フェンブコナゾール(A28)、ヘックス−アコナゾール(A29)、イミベンコナゾール(A30)、ミクロブタニル(A31)、オキスポコナゾール(A32)、パクロブトラゾール(A33)、ペンコナゾール(A34)、シメコナゾール(A35)、イマザリル(A36)、ペフラゾエート(A37)、トリフルミゾール(A38)、エトリジアゾール(A39)、ヒメキサゾール(A40)及び2−(4−クロロ−フェニル)−N−[4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−イソオキサゾール−5−イル]−2−プロプ−2−イニルオキシ−アセトアミド(A41)から選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル(V1)、メタラキシル−M(メフェノキサム)(V2)、シルチオファム(V3)、ピリメタニル(V4)、ジメトモルフ(V5)、イプロジオン(V6)、フルジオキソニル(V7)、チラム(V8)、チオファネート−メチル(V9)、カルベンダジム(V10)、フォセチル−アルミニウム(V11)、亜リン酸及びその塩(V12)、メチラム(V13)、マンコゼブ(V14)、ファモキサドン(V15)及びフェナミドン(V16)から選択される、他の化合物;
からなる群から選択される];
(4)又は場合により第3の成分として殺虫剤(化合物III)[この場合、化合物(III)は、クロラントラニリプロール(Ch)、フィプロニル(Fip)及びエチプロール(Ethi)からなる群から選択される];
を含んでいる。
【0038】
用語「植物体健康有効量」とは、以下の本明細書に定義されている植物体健康効果を達成するのに十分である、化合物(I)、又は化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との混合物の量を意味する。量についてのより例示的な情報、適用の方法、及び用いられるべき適する比は、以下に記載されている。とにかく、当業者なら、そのような量は、広い範囲で変わり得るものであり、さまざまな要因、例えば処理される栽培植物体又は物質及び気候条件によって左右されるものであるという事実をよく知っているものである。
【0039】
用語「相乗作用」とは、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを同時に(すなわち一緒に又は別々に)適用することにより、又は化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを順次に適用することにより、個々の化合物で達成可能な植物体健康効果に比較して、向上した植物体健康効果がもたらされることを意味する。
【0040】
好ましくは、化合物(II)は、
(i)アゾキシストロビン(S1)、ジモキシストロビン(S2)、フルオキサストロビン(S3)、クレソキシム−メチル(S4)、メトミノストロビン(S5)、オリサストロビン(S6)、ピコキシストロビン(S7)、ピラクロストロビン(S8)、トリフロキシストロビン(S9)及びエネストロブリン(S10)から選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、イプコナゾール(A7)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)、プロクロラズ(A13)、エタボキサム(A14)、トリアゾキシド(A15)、トリアジメノール(A18)、トリチコナゾール(A19)、ミクロブタニル(A31)、イマザリル(A36)及びヒメキサゾール(A40)から選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル(V1)、メタラキシル−M(メフェノキサム)(V2)、シルチオファム(V3)、ピリメタニル(V4)、ジメトモルフ(V5)、イプロジオン(V6)、フルジオキソニル(V7)、チラム(V8)、チオファネート−メチル(V9)、カルベンダジム(V10)、フォセチル−アルミニウム(V11)、亜リン酸及びその塩(V12)、メチラム(V13)、マンコゼブ(V14)、ファモキサドン(V15)及びフェナミドン(V16)から選択される、他の化合物;
からなる群から選択される。
【0041】
もう1つの実施形態では、化合物(II)は、好ましくは、
(i)アゾキシストロビン(S1)、フルオキサストロビン(S3)、オリサストロビン(S6)、ピコキシストロビン(S7)、ピラクロストロビン(S8)、トリフロキシストロビン(S9)及びエネストロ−ブリン(S10)から選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、イプコナゾール(A7)、メトコナゾール(A8)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、プロクロラズ(A13)、エタボキサム(A14)、トリアジメノール(A18)、トリチコナゾール(A19)、ミクロブタニル(A31)、イマザリル(A36)及びヒメキサゾール(A40)から選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル(V1)、メタラキシル−M(メフェノキサム)(V2)、シルチオファム(V3)、ピリメタニル(V4)、ジメトモルフ(V5)、イプロジオン(V6)、フルジオキソニル(V7)、チラム(V8)、チオファネート−メチル(V9)、カルベンダジム(V10)、フォセチル−アルミニウム(V11)、亜リン酸及びその塩(V12)、メチラム(V13)及びマンコゼブ(V14)から選択される、他の化合物;
からなる群から選択される。
【0042】
より好ましくは、化合物(II)は、アゾキシストロビン(S1)、オリサストロビン(S6)、ピラクロストロビン(S8)、トリフロキシストロビン(S9)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、メトコナゾール(A8)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、プロクロラズ(A13)、トリチコナゾール(A19)、メタラキシル(V1)、メタラキシル−M(メフェノキサム)(V2)、シルチオファム(V3)、ピリメタニル(V4)、ジメトモルフ(V5)、フルジオキソニル(V7)、チラム(V8)、チオファネート−メチル(V9)、フォセチル−アルミニウム(V11)及び亜リン酸及びその塩(V12)からなる群から選択される。
【0043】
最も好ましくは、化合物(II)は、アゾキシストロビン(S1)、オリサストロビン(S6)、ピラクロストロビン(S8)、及びトリフロキシストロビン(S9)からなる群から選択され、この場合、オリサストロビン(S6)がもっとも好ましい殺菌剤IIである。
【0044】
本発明の用語では、「混合物」は、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含んでいる物理的混合物に限られるものではなく、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とのあらゆる調製物形態も言及しており、その使用は、時間的及び場所的に関わるものである。本発明の一実施形態においては、「混合物」は、化合物(I)(=1種の化合物I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物(=定義されている特定の殺菌剤群IIの内の1種又は特定の殺菌剤群IIbの内の1種又は殺虫剤群IIIの内の1種)との物理的混合物を言及している。
【0045】
本発明のもう1つの実施形態では、「混合物」は、化合物(I)と、1種の化合物(II)と、化合物(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物とを含んでいる三成分混合物を言及している。
【0046】
本発明のもう1つの実施形態では、「混合物」は、別々に製剤化されているが同じ植物体珠芽に時間的な関係で(すなわち同時に又は順次に)適用される1種の化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを言及しており、順次の適用は、それら化合物の組み合わせの作用を可能にする時間間隔を置いて行われる。
【0047】
本発明のもう1つの実施形態では、式Iのアミド化合物(化合物I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる化合物とは、植物体珠芽に、同時に(混合物としてか又は別々に)又は順次に適用される。
【0048】
さらに、キットの部剤又は二成分混合物の各部剤のような本発明による混合物の個々の化合物は、ユーザー自身によってスプレータンク中で混合され得、適切であれば、さらなる補助剤が加えられ得る(タンクミックス)。これは、三成分混合物のケースにも当てはまり、本発明に従って用いられる。
【0049】
もう1つの実施形態では、そのような混合物は、植物体健康相乗作用有効量で、
(1)式Iのアミド(化合物I)
及び
(2)クロラントラニリプロール(Ch)、フィプロニル(Fip)及びエチプロール(Ethi)からなる群から選択される殺虫剤(化合物III)
を含んでいる。
【0050】
好ましい殺虫剤(化合物III)は、フィプロニル(Fip)又はクロラントラニリプロール(Ch)である。
【0051】
好ましくは、上記で言及した混合物は、全て、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If又はIgを化合物(I)として含んでいる。より好ましくは、これらの混合物は、Ia、Id、Ie又はIgを化合物(I)として含んでいる。最も好ましくは、そのような混合物は、Ia、Id又はIeを含んでいる。特に好ましい実施形態では、そのような混合物は、Iaを化合物(I)として含んでいる。
【0052】
つまり、本発明の方法でのそのような混合物の意図される使用に関しては、1種の化合物(I)と1種の化合物(II)又は1種の化合物(III)とを含む、表1に掲載されている以下の二成分混合物は、本発明の好ましい実施形態である。
【0053】
表1
【表1】


【0054】
表1の混合物内では、以下の混合物が特に好ましい:
M−1、M−2、M−3、M−4、M−5、M−6、M−7、M−8、M−9、M−10、M−11、M−12、M−13、M−14、M−15、M−16、M−17、M−18、M−19、M−20、M−21、M−22、M−23、M−24、M−25、M−43、M−44、M−45、M−46、M−64、M−65、M−66、M−67、M−85、M−86、M−87、M−88、M−89、M−90、M−91、M−92、M−93及びM−97。
【0055】
このサブセット内では、以下の混合物が好ましい:
M−1、M−2、M−3、M−4、M−22、M−23、M−24、M−25、M−43、M−44、M−45、M−46、M−64、M−65、M−66、M−67、M−85、M−86、M−87、M−88、M−89、M−90、M−91及びM−92。
【0056】
以下の混合物がより好ましい:
M−1、M−2、M−3、M−4、M−22、M−23、M−24、M−25、M−43、M−44、M−45、M−46、M−64、M−65、M−66及びM−67。
【0057】
以下の混合物が最も好ましい:
M−1、M−22、M−43及びM−64。
【0058】
最高に好ましいのは混合物M1である。
【0059】
表1の混合物内では、以下の混合物も特に好ましい:
M−101、M−102、M−103、M−104、M−112、M−122、M−123、M−126、M−127、M−128、M−129、M−137、M−147及びM−148。
【0060】
このサブセット内では、以下の混合物が好ましい:
M−101、M−102、M−103、M−104、M−126、M−127、M−128及びM−129。
【0061】
このサブセット内では、以下の混合物がより好ましい:
M−101、M−102、M−126及びM−127。
【0062】
本発明の方法内での本発明混合物の意図される使用に関しては、1種の化合物(I)と1種の化合物(II)と第3の成分としての1種の化合物(IIb)又は1種の化合物(III)とを含んでいる、表2に掲載されている以下の三成分混合物は、本発明の好ましい実施形態である。
【0063】
表2に開示されている混合物は、本発明のさらなる実施形態でもある。
【0064】
表2
【表2】






















【0065】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物が特に好ましい:
N−1、N−2、N−3、N−4、N−5、N−6、N−7、N−8、N−9、N−10、N−11、N−12、N−13、N−14、N−15、N−16、N−17、N−18、N−19、N−20、N−21、N−22、N−23、N−24、N−25、N−26、N−27、N−28、N−29、N−30、N−31、N−32、N−33、N−34、N−35、N−36、N−37、N−38、N−39、N−40、N−41、N−42、N−43、N−44、N−45、N−46、N−47、N−48、N−49、N−50、N−51、N−52、N−53、N−54、N−55、N−56、N−57、N−58、N−59、N−60、N−61、N−62、N−63、N−64、N−65、N−66、N−67、N−68、N−69、N−70、N−71、N−72、N−73、N−74、N−75、N−76、N−77、N−78、N−79、N−80、N−81、N−82、N−83、N−84、N−85、N−86、N−87、N−88、N−89、N−90、N−91、N−92、N−93、N−94、N−95、N−96、N−97、N−98、N−99、N−100、N−101、N−102、N−103、N−104、N−105、N−106、N−107、N−108、N−109、N−110、N−111、N−112、N−113、N−114、N−115、N−116、N−117、N−118、N−119、N−120、N−121、N−122、N−123、N−124、N−125、N−126、N−127、N−128、N−129、N−130、N−131、N−132、N−133、N−134、N−135、N−136、N−137、N−138、N−139、N−140、N−141、N−142、N−143、N−144、N−577、N−578、N−579、N−580、N−581、N−582、N−583、N−584、N−585、N−586、N−587、N−588、N−589、N−590、N−591、N−592、N−593、N−594、N−595、N−596、N−597、N−598、N−599、N−600、N−601、N−602、N−603、N−604、N−605、N−606、N−607、N−608、N−609、N−610、N−611、N−612、N−613、N−614、N−615、N−616、N−617、N−618、N−619、N−620、N−621、N−622、N−623、N−624、N−625、N−626、N−627、N−628、N−629、N−630、N−631、N−632、N−633、N−634、N−635、N−636、N−637、N−638、N−639、N−640、N−641、N−642、N−643、N−644、N−645、N−646、N−647、N−648、N−649、N−650、N−651、N−652、N−653、N−654、N−655、N−656、N−657、N−658、N−659、N−660、N−661、N−662、N−663、N−664、N−665、N−666、N−667、N−668、N−669、N−670、N−671、N−672、N−673、N−674、N−675、N−676、N−677、N−678、N−679、N−680、N−681、N−682、N−683、N−684、N−685、N−686、N−687、N−688、N−689、N−690、N−691、N−692、N−693、N−694、N−695、N−696、N−697、N−698、N−699、N−700、N−701、N−702、N−703、N−704、N−705、N−706、N−707、N−708、N−709、N−710、N−711、N−712、N−713、N−714、N−715、N−716、N−717、N−718、N−719、N−720、N−1153、N−1154、N−1155、N−1156、N−1157、N−1158、N−1159、N−1160、N−1161、N−1162、N−1163、N−1164、N−1165、N−1166、N−1167、N−1168、N−1169、N−1170、N−1171、N−1172、N−1173、N−1174、N−1175、N−1176、N−1177、N−1178、N−1179、N−1180、N−1181、N−1182、N−1183、N−1184、N−1185、N−1186、N−1187、N−1188、N−1189、N−1190、N−1191、N−1192、N−1193、N−1194、N−1195、N−1196、N−1197、N−1198、N−1199、N−1200、N−1201、N−1202、N−1203、N−1204、N−1205、N−1206、N−1207、N−1208、N−1209、N−1210、N−1211、N−1212、N−1213、N−1214、N−1215、N−1216、N−1217、N−1218、N−1219、N−1220、N−1221、N−1222、N−1223、N−1224、N−1225、N−1226、N−1227、N−1228、N−1229、N−1230、N−1231、N−1232、N−1233、N−1234、N−1235、N−1236、N−1237、N−1238、N−1239、N−1240、N−1241、N−1242、N−1243、N−1244、N−1245、N−1246、N−1247、N−1248、N−1249、N−1250、N−1251、N−1252、N−1253、N−1254、N−1255、N−1256、N−1257、N−1258、N−1259、N−1260、N−1261、N−1262、N−1263、N−1264、N−1265、N−1266、N−1267、N−1268、N−1269、N−1270、N−1271、N−1272、N−1273、N−1274、N−1275、N−1276、N−1277、N−1278、N−1279、N−1280、N−1281、N−1282、N−1283、N−1284、N−1285、N−1286、N−1287、N−1288、N−1289、N−1290、N−1291、N−1292、N−1293、N−1294、N−1295、N−1296、N−1297、N−1298、N−1299、N−1300、N−1301、N−1302、N−1303、N−1304、N−1305、N−1306、N−1307、N−1308、N−1309、N−1310、N−1311、N−1312、N−1313、N−1314、N−1315、N−1316、N−1317、N−1318、N−1319、N−1320、N−1321、N−1322、N−1323、N−1324、N−1325、N−1326、N−1327、N−1328、N−1329、N−1330、N−1331、N−1332、N−1333、N−1334、N−1335、N−1336、N−1337、N−1338、N−1339、N−1340、N−1341、N−1342、N−1343、N−1344、N−1345、N−1346、N−1347、N−1348、N−1349、N−1350、N−1351、N−1352、N−1353、N−1354、N−1355、N−1356、N−1357、N−1358、N−1359、N−1360、N−1361、N−1362、N−1363、N−1364、N−1365、N−1366、N−1367、N−1368、N−1369、N−1370、N−1371、N−1372、N−1373、N−1374、N−1375、N−1376、N−1377、N−1378、N−1379、N−1380、N−1381、N−1382、N−1383、N−1384、N−1385、N−1386、N−1387、N−1388、N−1389、N−1390、N−1391、N−1392、N−1393、N−1394、N−1395、N−1396、N−1397、N−1398、N−1399、N−1400、N−1401、N−1402、N−1403、N−1404、N−1405、N−1406、N−1407、N−1408、N−2182及びN−2191。
【0066】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物がさらにより好ましい:
N−81、N−82、N−83、N−84、N−85、N−86、N−87、N−88、N−89、N−90、N−91、N−92、N−93、N−94、N−95、N−96、N−113、N−114、N−115、N−116、N−117、N−118、N−119、N−120、N−121、N−122、N−123、N−124、N−125、N−126、N−127、N−128、N−657、N−658、N−659、N−660、N−661、N−662、N−663、N−664、N−665、N−666、N−667、N−668、N−669、N−670、N−671、N−672、N−689、N−690、N−691、N−692、N−693、N−694、N−695、N−696、N−697、N−698、N−699、N−700、N−701、N−702、N−703、N−704、N−2182、N−2184、N−2192及びN−2193。
【0067】
表2の三成分混合物内では、以下の混合物が好ましい:
N−81、N−82、N−83、N−84、N−85、N−86、N−87、N−88、N−89、N−90、N−91、N−92、N−93、N−94、N−95、N−96、N−113、N−114、N−115、N−116、N−117、N−118、N−119、N−120、N−121、N−122、N−123、N−124、N−125、N−126、N−127及びN−128。
【0068】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物が好ましい:
N−657、N−658、N−659、N−660、N−661、N−662、N−663、N−664、N−665、N−666、N−667、N−668、N−669、N−670、N−671、N−672、N−689、N−690、N−691、N−692、N−693、N−694、N−695、N−696、N−697、N−698、N−699、N−700、N−701、N−702、N−703及びN−704。
【0069】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物が好ましい:
N−2182、N−2184、N−2192及びN−2193。
【0070】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物が好ましい:
N−81、N−82、N−83、N−84、N−85、N−86、N−87、N−88、N−89、N−90、N−91、N−92、N−93、N−94、N−95、N−96、N−657、N−658、N−659、N−660、N−661、N−662、N−663、N−664、N−665、N−666、N−667、N−668、N−669、N−670、N−671及びN−672。
【0071】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物が好ましい:
N−113、N−114、N−115、N−116、N−117、N−118、N−119、N−120、N−121、N−122、N−123、N−124、N−125、N−126、N−127、N−128、N−689、N−690、N−691、N−692、N−693、N−694、N−695、N−696、N−697、N−698、N−699、N−700、N−701、N−702、N−703及びN−704。
【0072】
表2の三成分混合物内では、本発明によれば以下の混合物が好ましい:
N−1393、N−1394、N−1395、N−1396、N−1397、N−1398、N−1399、N−1400、N−1401、N−1402、N−1403、N−1404、N−1405、N−1406、N−1407、N−1408、N−2264及びN−2280。
【0073】
本発明の方法に従って用いられる全ての混合物においては、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)から選択される化合物の少なくとも1つとは、相乗効果を生じる量で用いられる。化合物(I)対化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物の重量比は、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、特には20:1〜1:20である。最高に好ましい比は、1:10〜10:1である。重量比とは、混合物中の化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物との全体重量に対してのことである。
【0074】
上記で開示された混合物は全て本発明の実施形態でもある。
【0075】
上記で開示された混合物の実施形態は全て本明細書以下では「本発明による混合物」と呼ばれる。
【0076】
先に記載したように、化合物(I)又は本発明による混合物は、植物体珠芽に適用されて、植物体の健康を改善するのに用いられる。
【0077】
つまり、本発明は、植物体が生育してくる植物体珠芽を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む、植物体の健康を改善するための方法に関する。
【0078】
この本発明の方法で本発明による混合物が用いられる場合は、植物体珠芽は、式Iのアミド化合物(化合物I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物とで同時に(一緒に又は別々に)又は順次に好ましくは処理される。
【0079】
当然、順次の適用は、適用される各化合物の組み合わせの作用を可能にする時間間隔で行われる。好ましくは、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物との順次の適用のための時間間隔の範囲は、数秒から3ヶ月まで、好ましくは数秒から1ヶ月まで、より好ましくは数秒から2週間まで、さらにより好ましくは数秒から3日まで、特には1秒から24時間までである。
【0080】
用語「BBCH基本成長段階(BBCH principal growth stage)」とは、拡張されたBBCH−スケールのことをいい、これは、全ての単子葉−及び双子葉−植物種について植物生長期的に同じような成長段階を同一にコードする方式のことであって、この方式では植物体の全体成長周期が明確に認識可能な、また区別可能なより長く続く成長期に小区分化されている。略語BBCHは、iologische undesanstalt,Bundessortenamt and Chemical industryから来ている。
【0081】
用語「珠芽(propagule)」又は「植物体珠芽」は、植物体の繁殖に用いられ得る、種子のような植物体のあらゆる繁殖性部分並びに切り枝及び根塊(例えばジャガイモ)のような植物体栄養成長期産生物を意味すると理解すべきである。そのようなものとしては、種子、根、果実、根塊、球根、根茎、若芽、新芽及び植物体の他の部分が挙げられる。発芽した後又は土壌から出現した後に移植されることになる苗木及び若木も含まれ得る。これらの植物体繁殖産生物は、植え付けの時かその前又は移植の時かその前に植物体保護化合物で予防的に処理され得る。好ましい実施形態では、用語「珠芽」又は「植物体珠芽」は、種子を意味している。
【0082】
当然のこととして、化合物(I)と、混合物が用いられる場合は化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物とは、有効且つ植物非有害量で用いられる。これは、化合物は、所望の効果を得ることを可能にする量であるが処理された植物体又は処理された珠芽もしくは処理された土壌から生長した植物体にはなんら植物有害症状を生じない量で用いられることを意味する。
【0083】
処理されることになる植物体は、一般には、経済的価値のある植物体及び/又は人が育てた植物体である。つまり、植物体は、好ましくは、農場植物、森林植物及び観葉植物から選択され、より好ましくは農場植物から選択される。
【0084】
一般には用語「植物体」には、品種改良、突然変異又は遺伝子工学によって改変されている植物体も含まれる。遺伝子改変された植物体は、組み換えDNA手法を用いることによって遺伝物質が改変されている植物体である。組み換えDNA手法を用いると、自然状況下での交雑育種、突然変異又は自然組み換えによっては容易に得られ得ない改変が可能になる。
【0085】
つまり、本明細書で言及されている好ましいダイズも、例えば伝統的な品種改良によって得られるような非遺伝子組み換え植物であり得るが、そうでなければ少なくとも1つの遺伝子組み換え事象を有し得る。一実施形態においては、ダイズ植物体は、好ましくは、殺害虫剤に対する抵抗性(好ましくは除草剤グリホサートに対する抵抗性)を賦与する遺伝子組み換え事象を有している遺伝子組み換え植物体であるのが好ましい。つまり、遺伝子組み換え植物体は、グリホサート抵抗性を賦与する遺伝子組み換え事象を有する植物体であるのが好ましい。グリホサート抵抗性を賦与する遺伝子組み換え事象を有するそのような好ましい遺伝子組み換え植物体のいくつかの例は、米国特許第5,914,451号明細書、米国特許第5,866,775号明細書、米国特許第5,804,425号明細書、米国特許第5,776,760号明細書、米国特許第5,633,435号明細書、米国特許第5,627,061号明細書、米国特許第5,463,175号明細書、米国特許第5,312,910号明細書、米国特許第5,310,667号明細書、米国特許第5,188,642号明細書、米国特許第5,145,783号明細書、米国特許第4,971,908号明細書及び米国特許第4,940,835号明細書に記載されている。より好ましくは、遺伝子組み換えダイズ植物体は、「Roundup−Ready」(RR)遺伝子組み換えダイズの特徴を有する植物体である(Monsanto Company(St.Louis、Mo.)から入手可能)。
【0086】
本発明の用語の「森林植物」は、木であり、より具体的には森林再生又は工業的大農園で用いられている木である。工業的大農園は、一般に、木材、パルプ、紙、ゴム、クリスマスツリー、あるいは造園目的の若木のような森林産物を商業的に生産するのに役立っている。森林植物の例は、松(特にはピヌス属種(Pinus spec.))、モミ及びトウヒのような針葉樹、ユーカリの木、チーク等の熱帯木、ゴムの木、アブラヤシ、ヤナギ(Salix)(特にはサリックス属種(Salix spec.))、ポプラ(ハコヤナギ)(特にはポプルス属種(Populus spec.))、ブナ(特にはファグス属種(Fagus spec.))、カバ及びオークである。
【0087】
本発明のもう1つの実施形態では、化合物(I)又は本発明混合物での処理によって健康が改善されることになる植物体は、観葉植物である。「観葉植物」は、例えば公園、庭園及びバルコニーにおける造園で一般的に用いられている植物体である。例は、膨大な数ある観葉植物の中でほんの2〜3例を挙げると、シバ、ゼラニウム、ペラルゴニア、ペチュニア、ベゴニア、及びフクシアである。
【0088】
「農場植物」は、一部(例えば種子)又は全部が商業規模で収穫又は栽培される植物体、つまり飼料、食料、繊維(例えば、ワタ、アサ)、可燃物(例えば、木材、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオマス)又は他の化学化合物の重要な源として役立つ植物である。農場植物には、園芸植物、すなわち、一部の果樹及び野菜のような、(農場ではなく)菜園で成育されている植物体も含まれ得る。好ましい農場植物は、例えば、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ、モロコシ又はイネ)、テンサイ(例えば、サトウテンサイ又は飼料テンサイ);梨果、石果又は軟果のような、果樹、例えばリンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、チェリー、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー又はグズベリー;マメ科植物、例えば、レンズ豆、エンドウ、アルファルファ又は大豆;油植物、例えば、アブラナ、ナタネ、カノーラ、アマニ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ豆、ヒマシ油植物、アブラヤシ、落花生又はダイズ;ウリ科植物、例えばスカッシュ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えばワタ、アマ、アサ又はジュート;柑橘類果樹、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はミカン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ又はパプリカ;クスノキ科植物、例えばアボカド、シナモン又はショウノウ;エネルギー及び原材料植物、例えばトウモロコシ、ダイズ、アブラナ、カノーラ、サトウキビ又はアブラヤシ;トウモロコシ;タバコ;ナッツ;コーヒー;チャ;バナナ;匍匐植物(食用ブドウ及びグレープジュース匍匐植物);ホップ;シバ;天然ゴムの木又は観葉及び森林植物、例えば花木、潅木、広葉樹又は常緑樹(例えば針葉樹);及び植物体繁殖産物に関しては例えば種子並びにこれらの植物体作物産物;である。
【0089】
より好ましい農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビのような農作物;観葉植物;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュ;であり、最も好ましい農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリであり、最高に好ましい植物体は、ダイズである。
【0090】
最も好ましい実施形態では、植物体の健康を改善するための上記した方法は、遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えのジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリからなる群から選択される農場植物の植物体珠芽(好ましくは種子)を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む(この場合ダイズが最高に好ましい)。
【0091】
「植物体健康」とは、いくつかの外観単独又は互いの組み合わせで決定される植物体健康状態を意味する。
【0092】
植物体の健康状態についての1つの指標(指標1)は収量であり、これは作物及び/又は果実収量である。「作物」及び「果実」とは、収穫の後さらに利用されるあらゆる植物体産生物、例えば、植物体によって産生される少しは経済的価値のある、本来の意味での果実、野菜、ナッツ、禾穀類、種子、木材(例えば森林植物のケースでの)、花(例えば、園芸植物、観葉植物のケースでの)他と理解されるべきである。
【0093】
植物体の健康状態についてのもう1つの指標(指標2)は、植物体の活力である。植物体の活力も、いくつかの外観で明らかになるものであり、そのようなもののいくつかは、目で見る外観(例えば、葉の色、果実の色及び外観)、枯れた根出葉の量、及び/又は葉身の長さ、植物体重さ、植物体高さ、植物体節の長さ(倒状性(lodging))、若芽又は枝の数、強さ及び繁殖力、円錐花序の長さ、結実、根系の長さ、根の強さ、根粒形成の(特には根粒菌による根粒形成の)程度、発芽の時点、出現の時点、作物樹立の時点、開花の時点、穀粒成熟及び/又は老化の時点、タンパク質含有量、糖含有量等である。
【0094】
植物体の健康状態についてのもう1つの指標(指標3)は、非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性である。非生物的ストレス(特に長い期間に亘っての)は、植物体に対して有害な影響を有し得る。非生物的ストレスは、例えば、熱気又は寒気のような極端な温度や温度の激しい変動あるいは季節外れの温度、日照り、洪水のような極端な水分つまり水湿気、嫌気性状態、高い塩分、照射(例えばオゾン保護層が減少していることから来るUV照射の増大)、オゾン濃度の増大、及び有機物による公害(例えば植物に有害な量の殺害虫剤による)又は無機物による公害(例えば重金属を含む汚染物質による)によって引き起こされる。結果として、ストレスを受けた植物体、その作物及び果実の量と質は低下する。質に関しては、生殖発生が通常深刻な影響を受け、果実又は種子にとって重要である作物体に影響がある。タンパク質の合成、蓄積及び貯蔵は温度によって最も大きく影響を受け;成長はほとんど全てのストレスによって遅延され;組織及び貯蔵多糖類合成は低下させられるか又は改変させられ;これらの影響はバイオマスの減少及びその産物の栄養的価値の変化をもたらす。
【0095】
好ましい一実施形態において、本発明は、植物体の、好ましくは農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の収量を増大させるための化合物(I)又は本発明による混合物の使用を提供する。
【0096】
本発明は、さらに、植物体の、好ましくは農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の収量を増大させるための方法を提供する。
【0097】
より好ましい実施形態では、前記した植物体の収量を増大させるための方法は、植物体珠芽、より好ましくは農作物の種子、例えばジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビ;観葉植物;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュ;(より好ましくは農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリである)を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0098】
特に好ましい実施形態では、前記した植物体の収量を増大させるための方法は、植物体珠芽、より好ましくは遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えダイズの種子を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0099】
本発明によれば、植物体の、特には農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の、「収量増大」とは、それぞれの植物体の産物の収量が、同じ条件下だが本発明の組成物の適用なしに産生された植物体の同じ産物の収量より測定可能な量だけ増大されていることを意味する。
【0100】
本発明によれば、収量は、少なくとも0.5%、より好ましくは少なくとも1%、さらにより好ましくは少なくとも2%、なおより好ましくは少なくとも4%だけ増大されているのが好ましい。
【0101】
本発明による収量増大の改善とは、特に、先に言及した植物体特性のいずれの1つ又はそのいくつかもしくは全ての改善も、化合物(I)又は本発明による混合物の殺害虫作用とは独立に改善されることを意味する。
【0102】
もう1つの好ましい実施形態において、本発明は、植物体の、例えば農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の、収量を増大させるための及び/又はその活力を改善させるための化合物(I)又は本発明による混合物の使用を提供する。
【0103】
本発明は、さらに、植物体の、好ましくは農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の、収量を増大させるための及び/又は活力を改善させるための方法を提供する。
【0104】
より好ましい実施形態では、前記した植物体の活力を増大又は改善させるための方法は、植物体珠芽、より好ましくは農作物の種子、例えばジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビ;観葉植物;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュ;(より好ましくは農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリである)を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0105】
特に好ましい実施形態では、前記した植物体の活力を増大させるための方法は、植物体珠芽、より好ましくは遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えダイズの種子を式Iの化合物(化合物I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0106】
本発明によれば、「植物体活力の改善」とは、ある種の作物特性が、同じ条件下だが本発明の組成物の適用なしに産生された植物体の同じ要素特性より測定可能又は認識可能な量だけ増大又は改善されていることを意味する。
【0107】
植物体活力の改善は、特に、以下の植物体諸特性の改善の少なくとも1つによって特徴付けられ得る:
・植物体活力の改善、
・植物体及び/又は植物体産生物の質の改善、例えば、タンパク質含有量の増大、
・目で見る外観の改善、
・老化の遅れ、
・根成長の増大及び/又はより成長した根系、
・根粒形成の増大、特には根粒菌による根粒形成、
・より長い円錐花序、
・より大きい葉身、
・より少ない枯れた根出葉、
・木立ち密度の増大又は改善、
・より小さい植物体節(倒状性(lodging))、
・植物体重さの増大、
・植物体高さの増大、
・若芽の増加、
・より強い及び/又はより繁殖力ある若芽、
・より少ない貧繁殖力若芽、
・光合成活動の増大及び/又は色素含有量の増大つまりより緑色の葉色、
・より早いまた改善された発芽、
・発芽及び樹立の改善、
・新芽成長の増大、
・より早い開花、
・より早い結実、
・より早い穀粒成熟、
・必要とされるより少ない肥料、
・必要とされるより少ない種子。
【0108】
本発明による植物体活力の改善とは、特に、先に言及した植物体特性のいずれの1つ又はそのいくつかもしくは全ての改善も、化合物(I)又は本発明による混合物の殺害虫作用とは独立に改善されることを意味する。
【0109】
本発明のより好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、植物体活力の改善を増大させるために用いられる。
【0110】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、植物体及び/又は植物体産生物の質の改善(例えばタンパク質含有量の改善)のために用いられる。
【0111】
本発明のもう1つのより好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、植物体の根成長を増大させるために及び/又はより発達した根系の形成を誘発させるために用いられる。
【0112】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、根粒形成(特には根粒菌による根粒形成)を増大させるために用いられる。
【0113】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、より大きい葉身のために用いられる。
【0114】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、より少ない枯れた根出葉のために用いられる。
【0115】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、植物体の木立密度の増大又は改善のために用いられる。
【0116】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、植物体重さの増大のために用いられる。
【0117】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、植物体高さの増大のために用いられる。
【0118】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、より強い及び/又はより繁殖力ある若芽のために用いられる。
【0119】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、光合成活動の増大及び/又は色素含有量の増大つまりより緑色の葉色のために用いられる。
【0120】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、より早いまた改善された発芽のために用いられる。
【0121】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、発芽及び植物体樹立の改善のために用いられる。
【0122】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、新芽成長の増大のために用いられる。
【0123】
本発明の最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明による混合物は、植物体活力の改善を増大させるために用いられる。
【0124】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、植物体の根成長を増大させるために及び/又はより発達した根系の形成を誘発させるために用いられる。
【0125】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、根粒形成(特には根粒菌による根粒形成)を増大させるために用いられる。
【0126】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、より大きい葉身のために用いられる。
【0127】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、より少ない枯れた根出葉のために用いられる。
【0128】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、植物体の木立密度の増大又は改善のために用いられる。
【0129】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、植物体重さの増大のために用いられる。
【0130】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、植物体高さの増大のために用いられる。
【0131】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、より早いまた改善された発芽のために用いられる。
【0132】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、新芽成長の増大のために用いられる。
【0133】
なおもう1つの好ましい実施形態において、本発明は、非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための式Iの化合物又は本発明の混合物の使用を提供する。
【0134】
本発明は、さらに、植物体珠芽(好ましくはその植物体の種子)を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む、非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための方法を提供する。
【0135】
より好ましい実施形態では、前記した非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための方法は、植物体珠芽、より好ましくは農作物の種子、例えばジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビ;観葉植物;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュ;(より好ましくは農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリである)を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0136】
特に好ましい実施形態では、前記した非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための方法は、植物体珠芽、より好ましくは遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えダイズの種子を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0137】
非生物的ストレス因子は先に定義されている。
【0138】
本発明によれば、「非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性の増強」とは、(1.)非生物的ストレスによって引き起こされるある種のネガティブな要素が、同じ条件に曝されたが本発明の組成物で処理されていない植物体に比較して測定可能又は認識可能な量だけ減少させられており、(2.)そのネガティブな影響が、ストレス因子に対する組成物の直接的な作用によって(例えば微生物又は害虫を直接破壊するその殺菌又は殺害虫作用によって)減少させられるのではなく、むしろそのようなストレス因子に対する植物体自体の防衛的な反応を刺激することによって減少させられることを意味する。
【0139】
非生物的ストレスによって引き起こされるネガティブな要素もよく知られており、多くの場合、植物体活力の低下(上記を参照されたい)、例えば、ほんの2〜3の例を挙げると、斑点のついた葉[dotted leaves]、「焼けた葉(burned leaves)」、成長の低下、より少ない花、より少ないバイオマス、より少ない作物収量、作物の栄養的価値の低下、より遅い作物成熟、として観察され得る。
【0140】
好ましい実施形態では、非生物的ストレス因子の耐性及び/又は非生物的ストレス因子に対する抵抗性が、増強される。つまり、本発明のさらなる実施形態によれば、本発明の組成物は、極端な温度(例えば、熱気又は寒気あるいは温度の激しい変動又は季節外れの温度)、日照り、極端な水分、高い塩分、照射(例えばオゾン保護層が減少していることから来るUV照射の増大)、オゾン濃度の増大、有機物による公害(例えば植物に有害な量の殺害虫剤による)及び/又は無機物による公害(例えば重金属を含む汚染物質による)のような非生物的ストレスに対する植物体自体の防衛的な反応を刺激するのに用いられる。
【0141】
より好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明による混合物は、非生物的ストレス因子が、極端な温度、日照り及び極端な水分から好ましくは選択される、非生物的ストレスに対する植物体自体の防衛的な反応を刺激するのに用いられる。
【0142】
本発明の特に好ましい実施形態では、寒気ストレスに対する耐性が、増強される。
【0143】
本発明の期間中に、先に記載されている本発明による混合物から選択されるある種の混合物が、先行技術にはまだ明確に記載されていないことが見出された。この混合物は、しかしながら、本明細書中先に記載されている植物体健康相乗作用効果を有するだけでなく、殺菌相乗作用効果ももたらす。
【0144】
つまり、本発明者は、菌類、その生息地、繁殖地、その所在場所、又は菌類の攻撃から保護されるべき植物体、土壌もしくは種子がこの混合物の殺害虫有効量で処理される、植物病原性菌類の防除方法も見出したのである。
【0145】
「所在場所」とは、害虫が成育している又は成育し得る植物体、種子、土壌、土地、物質又は環境を意味する。
【0146】
一般には、「殺害虫有効量」とは、成長に対する観察可能な効果(壊死の効果、死の効果、遅延の効果、予防の効果が挙げられる)、さらには標的生物の除去、破壊、又はそうでなければ発生及び活動の減少を達成するのに必要とされる本発明混合物又はその混合物を含んでいる組成物の量を意味する。殺害虫有効量は、本発明で用いられるさまざまな混合物/組成物に応じて変わり得る。混合物/組成物の殺害虫有効量は、所望殺害虫効果とその期間、天候、標的種、所在場所、適用の方式、等のようなその時の条件に応じても変わるものである。
【0147】
この混合物は、
(1)式Iのアミド(化合物I);及び
(2)イポコナゾール、エタボキサム、メフェノキサム、メタラキシル、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、ミクロブタニル、ヒメキサゾール、トリアジメノール、ファモキサドン、フェナミドン及びフォセトリ−アルミニウムからなる群から選択されるさらなる殺菌剤II(化合物II);
を含んでいる。
【0148】
この混合物サブセットは、以下の本明細書中、「本発明による新規な混合物」と定義される。当然、このサブセットは、本発明による混合物に含まれる。つまり、この用語は、このサブセットが区別して指定される必要がある場合にのみ、言及される。
【0149】
化合物(I)対化合物(II)の重量比は、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、特には20:1〜1:20である。最高に好ましい比は、1:10〜10:1である。重量比は、混合物中の化合物(I)+化合物(II)の全体重量に対してのことである。
【0150】
この混合物の意図される使用に関しては、以下にある表3に掲載されている化合物(I)+化合物(II)の以下の二成分混合物は、特に好ましい。
【0151】
表3
【表3】


【0152】
表3の混合物内では、以下の混合物が特に好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−27、O−28、O−29、O−30、O−31、O−32、O−33、O−34、O−35、O−36、O−37、O−38、O−39、O−40、O−41、O−42、O−43、O−44、O−45、O−46、O−47、O−48、O−49、O−50、O−51、O−52、O−53、O−54、O−55、O−56、O−57、O−58、O−59、O−60、O−61、O−62、O−63、O−64、O−65、O−66、O−67、O−68、O−69、O−70、O−71、O−72、O−73、O−74、O−75、O−76、O−77、O−78、O−79、O−80、O−81、O−82、O−83、O−84、O−85、O−86、O−87、O−88、O−89、O−90、O−91、O−92、O−99、O−106、O−94、O−101、O−108、O−95、O−102、O−109、O−96、O−103、O−110、O−97、O−104、O−111、O−98、O−105、O−112。
【0153】
このサブセット内では、以下の混合物が好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−40、O−41、O−42、O−43、O−44、O−45、O−46、O−47、O−48、O−49、O−50、O−51、O−52、O−53、O−54、O−55、O−56、O−57、O−58、O−59、O−60、O−61、O−62、O−63、O−64、O−65、O−79、O−80、O−81、O−82、O−83、O−84、O−85、O−86、O−87、O−88、O−89、O−90、O−91、O−92、O−99、O−106、O−92、O−99、O−106、O−95、O−102、O−109、O−96、O−103、O−110、O−98、O−105。
【0154】
以下の混合物はより好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−40、O−41、O−42、O−43、O−44、O−45、O−46、O−47、O−48、O−49、O−50、O−51、O−52、O−53、O−54、O−55、O−56、O−57、O−58、O−59、O−60、O−61、O−62、O−63、O−64及びO−65、O−92、O−99、O−106、O−92、O−99、O−106、O−95、O−102、O−109、O−96、O−103。
【0155】
以下の混合物が最も好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−92、O−99及びO−106。
【0156】
最高に好ましいのは、O−11、O−92、O−99及びO−106である。
【0157】
本発明において、本発明者は、化合物(I)と化合物(II)との同時の(すなわち一緒の又は別々の)適用又は化合物(I)と化合物(II)との順次の適用は、個々の化合物で可能である防除効果に比較して、植物体有害病原を意味する害虫の増強された防除を可能にすることを見出した(相乗作用混合物)。
【0158】
有利には、本発明混合物は、以下の植物体病原を防除するのに適している:
アルブゴ属菌[Albugo spp.](白さび病[white rust]):観葉植物、野菜(例えばアルブゴ・カンジダ[A. candida])及びヒマワリ(例えばアルブゴ・トラゴポゴニス[A. tragopogonis])につく;アルテルナリア属菌[Alternaria spp.](アルテルナリア黒斑病[Alternaria leaf spot]):野菜、アブラナ(アルテルナリア・ブラシッコラ[A. brassicola]又はブラシッカエ[brassicae]、サトウテンサイ(同・テヌイス[A. tenuis])、果物類、イネ、ダイズ、ジャガイモ(例えば同・ソラニ[A. solani]又は同・アルテルナタ[A. alternata])、トマト(例えば同・ソラニ[A. solani]又は同・アルテルナタ[A. alternata])及びコムギにつく;アファノミセス属菌[Aphanomyces spp.]:サトウテンサイ及び野菜につく;アスコキタ属菌[Ascochyta spp.]:禾穀類及び野菜につく、例えば同・トリチシ[A. tritici](炭疽病[anthracnose]):コムギにつく、及び同・ホルデイ[A. hordei]:オオムギにつく;ビポラリス[Bipolaris]及びドレクスレラ属菌[Drechslera spp.](テレオモルフ:コクリオボルス属菌[Cochliobolus spp.]):トウモロコシ(例えば同・マイジス[D. maydis]、禾穀類(例えば同・ソロキニアナ[B. sorokiniana]:斑点病[spot blotch])、イネ(例えば同・オリザエ[B. oryzae])及びシバにつく;ブルメリア[Blumeria](以前はエリシフェ[Erysiphe])・グラミニス[graminis](うどん粉病[powdery mildew]):禾穀類(例えば:コムギ又はオオムギ)につく;ボトリチス・シネレア[Botrytis cinerea](テレオモルフ:ボトリオチニア・フッケリアナ[Botryotinia fuckeliana]:灰色カビ病[grey mold]):果物類及びベリー(例えばイチゴ)、野菜(例えばレタス、ニンジン、セロリ及びキャベツ)、アブラナ、草花、匍匐植物、森林植物及びコムギにつく;ブレミア・ラクツカエ[Bremia lactucae](ベト病[downy mildew]):レタスにつく;セラトシスチス(別名オフィオストマ)属菌[Ceratocystis(syn. Ophiostoma)spp.](腐敗病[rot]又は青枯病[wilt]):広葉樹及び常緑樹につく、例えば同・ウルミ[C. ulmi](オランダニレ病[Dutch elm disease]):ニレにつく;セルコスポラ属菌[Cercospora spp.](セルコスポラ葉斑点病[Cercospora leaf spots]):トウモロコシ、イネ、サトウテンサイ(例えば同・ベチコラ[C. beticola])、サトウキビ、野菜、コーヒーの木、ダイズ(例えば同・ソジナ[C. sojina]又は同・キクチイ[C. kikuchii])及びイネにつく;クラドスポリウム属菌[Cladosporium spp.]:トマト(例えば同・フルブム[C. fulvum]:葉カビ病[leaf mold])及び禾穀類(例えば同・ヘルバルム[C. herbarum](黒耳病[black ear]):コムギにつく)につく;クラビセプス・プルプレア[Claviceps purpurea](麦角病[ergot]):禾穀類につく;コクリオボルス(アナモルフ:ビポラリスのヘルミトスポリウム)属菌[Cochliobolus(anamorph:Helminthosporium of Bipolaris)spp.](葉斑点病[leaf spots]):トウモロコシ(同・カルボヌム[C. carbonum])、禾穀類(例えば同・サチブス[C. sativus]、アナモルフ:同・ソロキニアナ[B. sorokiniana])及びイネ(例えば同・ミヤベアヌス[C. miyabeanus]、アナモルフ:同・オリザエ[H. oryzae])につく;コレトトリクム(テレオモルフ:グロメレラ)属菌[Colletotrichum (teleomorph:Glomerella)spp.](炭疽病):ワタ(例えば同・ゴッシピイ[C. gossypii])、トウモロコシ(例えば同・グラミニコラ[C. graminicola])、軟果実、ジャガイモ(例えば同・コッコデス[C. coccodes]:黒点病[black dot])、インゲンマメ(例えば同・リンデムチアヌム[C. lindemuthianum])及びダイズ(例えば同・トルンカツム[C. truncatum]又は同・グロエオスポリオイデス[C. gloeosporioides])につく;コルチシウム属菌[Corticium spp.]、例えば同・ササキイ[C. sasakii](紋枯病[sheath blight]):イネにつく;コリネスポラ・カッシイコラ[Corynespora cassiicola](葉斑点病):ダイズ及び観葉植物につく;シクロコニウム属菌[Cycloconium spp.]、例えば同・オレアギヌム[C. oleaginum]:オリーブの木につく;シルインドロカルポン属菌[Cylindrocarpon spp.](例えば果樹胴枯病[fruit tree canker]又は幼若匍匐植物衰弱病[young vine decline]、テレオモルフ:ネクトリア[Nectria]又はネオネクトリア[Neonectria]属菌):果樹、匍匐植物(例えば同・リリオデンドリ[C. liriodendri]、テレオモルフ:ネオネクトリア・リリオデンドリ[Neonectria liriodendri]:黒脚病[Black Foot Disease])及び観葉植物につく;デマトホラ[Dematophora](テレオモルフ:ロセリニア[Rosellinia])・ネカトリキス[necatrix](根及び幹腐敗病[root and stem rot]):ダイズにつく;ジアポルト属菌[Diaporthe spp.]、例えば同・ファセオロルム[D. phaseolorum](苗立枯病[damping off]):ダイズにつく;ドレクスレラ(別名ヘルミントスポリウム、テレオモルフ:ピレノホラ)属菌[Drechslera(syn. Helminthosporium, teleomorph:Pyrenophora)spp.]:トウモロコシ、禾穀類(例えばオオムギ(例えば同・テレス[D. teres]、網斑病[net blotch])及びコムギ(例えば同・トリチシ-レペンチス[D. tritici-repentis]:褐斑点病[tan spot]))、イネ及びシバにつく;黒色麻疹病[Esca](立ち枯病[dieback]、枝枯病[apoplexy]):匍匐植物につく(ホルミチポリア(別名フェリヌス)[Formitiporia(syn. Phellinus)])プンクタタ[punctata]、同・ムジテラネア[F. mediterranea]、ファエオモニエラ・クラミドスポラ[Phaeomoniella chlamydospora](以前はファエオアクレモニウム・クラミドスポルム[Phaeoacremonium chlamydosporum])、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム[Phaeoacremonium aleophilum]及び/又はボトリオスファエリア・オブツサ[Botryosphaeria obtusa]によって引き起こされる);エルシノ属菌[Elsinoe spp.]:梨果果樹(同・ピリ[E. pyri])、軟果果樹(同・ベネタ[E. veneta]:炭疽病)及び匍匐植物(同・アンペリナ[E. ampelina]:炭疽病)につく;エンチルオマ・オリザエ[Entyloma oryzae](葉スス病[leaf smut]):イネにつく;エピコックム属菌[Epicoccum spp.](黒カビ病[black mold]):コムギにつく;エリシフェ属菌[Erysiphe spp.](うどん粉病):サトウテンサイ(同・ベタエ[E. betae])、野菜(例えば同・ピシ[E. pisi])、例えばウリ科植物(例えば同・シコラセアルム[E. cichoracearum])、キャベツ、アブラナ(例えば同・クルシフェラルム[E. cruciferarum])につく;オイチパ・ラタ[Eutypa lata](オイチパ 胴枯病又は立ち枯病、アナモルフ:シトスポリナ・ラタ[Cytosporina lata]、別名リベルテラ・ブレファリス[Libertella blepharis]):果樹、匍匐植物及び観葉植物林につく;エキッセロヒルム[Exserohilum](別名ヘルミントスポリウム[Helminthosporium])属菌:トウモロコシ(例えば同・ツルシクム[E. turcicum])につく;フサリウム[Fusarium](テレオモルフ:ジベレラ[Gibberella])属菌(青枯病、根腐敗病又は幹腐敗病):さまざまな植物につく、例えば同・グラミネアルム[F. graminearum]又は同・クルモルム[F. culmorum](根腐敗病、かさぶた病[scab]又は頭枯病[head blight]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)につく、同・オキシスポルム[F. oxysporum]:トマトにつく、同・ソラニ[F. solani]:ダイズにつく、及び同・ベルチシリオイデス[F. verticillioides]:トウモロコシにつく;ガオイマンノミセス・グラミニス[Gaeumannomyces graminis](立ち枯病[take-all]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)及びトウモロコシにつく;ジベレラ属菌[Gibberella spp.]:禾穀類(例えば同・ゼアエ[G. zeae])及びイネ(例えば同・フジクロイ[G. fujikuroi]:ばか苗病[Bakanae disease])につく;グロメレラ・シングラタ[Glomerella cingulata]:匍匐植物、梨果果樹及び他の植物につく、及び同・ゴッシピイ[G. gossypii]:ワタにつく;グレインステイニング複合菌[Grainstaining complex]:イネにつく;グイグナルジア・ビドウェリイ[Guignardia bidwellii](黒腐敗病[black rot]):匍匐植物につく;ギムノスポランギウム属菌[Gymnosporangium spp.]:バラ科植物及びビャクシンにつく、例えば同・サビナエ[G. sabinae](さび病[rust]):ナシにつく;ヘルミントスポリウム属菌[Helminthosporium spp.](別名ドレクスレラ[Drechslera]、テレオモルフ:コクリオボルス[Cochliobolus]):トウモロコシ、禾穀類及びイネにつく;ヘミレイア属菌[Hemileia spp.]、例えば同・バスタトリキス[H. vastatrix](コーヒーの木葉さび病[coffee leaf rust]):コーヒーの木につく;イサリオプシス・クラビスポラ[Isariopsis clavispora](別名クラドスポリウム・ビチス[Cladosporium vitis]):匍匐植物につく;マクロホミナ・ファセオリナ[Macrophomina phaseolina](別名ファセオリ[phaseoli])(根及び幹腐敗病):ダイズ及びワタにつく;ミクロドキウム[Microdochium](別名フサリウム[Fusarium])ニバレ[nivale](桃色雪カビ病[pink snow mold]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)につく;ミクロスファエラ・ジフサ[Microsphaera diffusa](うどん粉病):ダイズにつく;モニリニア属菌[Monilinia spp.]、例えば同・ラキサ[M. laxa]、同・フルクチコラ[M. fructicola]及び同・フルクチゲナ[M. fructigena](花及び枝枯病[bloom and twig blight]、茶腐敗病):石果果樹及び他のバラ科植物につく;ミコスファエレラ属菌[Mycosphaerella spp.]:禾穀類、バナナ、軟果実及びラッカセイにつく、例えば同・グラミニコラ[M. graminicola](アナモルフ:セプトリア・トリチシ[Septoria tritici]、セプトリア斑点病[Septoria blotch]):コムギにつく、又は同・フィジエンシス[M. fijiensis](黒シガトカ病[black Sigatoka disease]):バナナにつく;ペロノスポラ属菌[Peronospora spp.](ベト病):キャベツ(例えば同・ブラッシカエ[P. brassicae])、アブラナ(例えば同・パラシチカ[P. parasitica])、タマネギ(例えば同・デストルクトル[P. destructor])、タバコ(同・タバシナ[P. tabacina])及びダイズ(例えば同・マンシュリカ[P. manshurica])につく;ファコプソラ・パキリジ[Phakopsora pachyrhizi]及び同・メイボミアエ[P. meibomiae](ダイズさび病):ダイズにつく;フィアロホラ属菌[Phialophora spp.]例えば:匍匐植物(例えば同・トラケイフィラ[P. tracheiphila]及び同・テトラスポラ[P. tetraspora])及びダイズ(例えば同・グレガタ[P. gregata]:幹腐敗病)につく;ホマ・リンガム[Phoma lingam](根及び幹腐敗病):アブラナ及びキャベツにつく、及び同・ベタエ[P. betae](根腐敗病、葉斑点病及び苗立枯病):サトウテンサイにつく;ホモプシス属菌[Phomopsis spp.]:ヒマワリ、匍匐植物(例えば同・ビチコラ[P. viticola]:カン[can]及び葉斑点病[can and leaf spot])及びダイズ(例えば幹腐敗病:同・ファセオリ[P. phaseoli]、テレオモルフ:ジアポルト・ファセオロルム[Diaporthe phaseolorum])につく;フィソデルマ・マイジス[Physoderma maydis](茶斑点病):トウモロコシにつく;フィトフトラ属菌[Phytophthora spp.](青枯病、根腐敗病、葉腐敗病、果実腐敗病及び幹腐敗病):さまざまな植物、例えばパプリカ及びウリ科植物(例えば同・カプシシ[P. capsici])、ダイズ(例えば同・メガスペルマ[P. megasperma]、別名同・ソジャエ[P. sojae])、ジャガイモ及びトマト(例えば同・インフェスタンス[P. infestans]:疫病[late blight])並びに広葉樹(例えば同・ラモルム[P. ramorum]:オーク突然死病[sudden oak death])につく;プラスモジオホラ・ブラッシカエ[Plasmodiophora brassicae](棒状組織腐敗病[club root]):キャベツ、
アブラナ、テンサイ及び他の植物につく;プラスモパラ属菌[Plasmopara spp.]、例えば同・ビチコラ[P. viticola](ブドウの木ベト病):匍匐植物につく、及び同・ハルストジイ[P. halstedii]:ヒマワリにつく;ポドスファエラ属菌[Podosphaera spp.](うどん粉病):バラ科植物、ホップ、梨果及び軟果果樹につく、例えば同・ロイコトリカ[P. leucotricha]:リンゴにつく;ポリミキサ属菌[Polymyxa spp.]:例えば禾穀類(例えばオオムギ及びコムギ)(同・グラミニス[P. graminis])及びサトウテンサイ(同・ベタエ[P. betae])につく、及びそれらによって伝染されるウイルス性病原;プソイドセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス[Pseudocercosporella herpotrichoides](眼紋病[eyespot]、テレオモルフ:タペシア・ヤルンダエ[Tapesia yallundae]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)につく;プソイドペロノスポラ属菌[Pseudoperonospora spp.](ベト病):さまざまな植物につく、例えば同・キュベンシス[P. cubensis]:ウリ科植物につく、又は同・フミリ[P. humili]:ホップにつく;プソイドペジクラ・トラケイフィラ[Pseudopezicula tracheiphila](赤火傷病[red fire disease]又はロットブレナー[rotbrenner]、アナモルフ:フィアロホラ[Phialophora]):匍匐植物につく;プッシニア属菌[Puccinia spp.](さび病):さまざまな植物につく、例えば同・トリチシナ[P. triticina]([茶さび病又は葉さび病])、同・ストリイホルミス[P. striiformis](筋又は黄さび病[stripe or yellow rust])、同・ホルデイ[P. hordei](小さび病[dwarf rust])、同・ラミニス[P. graminis](幹及び黒さび病[stem and black rust])又は同・レコンジタ[P. recondita](茶又は葉さび病):例えばコムギ、オオムギ又はライ麦等の禾穀類につく、及びアスパラガス(例えば同・アスパラギ[P. asparagi])につく;ピレノホラ[Pyrenophora](アナモルフ:ドレクスレラ[Drechslera])トリチシ-レペンチス[tritici-repentis](褐斑点病):コムギにつく、又は同・テレス[P. teres](網斑病):オオムギにつく;ピリクラリア属菌[Pyricularia spp.]、例えば同・オリザエ[P. oryzae](テレオモルフ:マグナポルト・グリセア[Magnaporthe grisea]、イネいもち病[rice blast]):イネにつく、及び同・グリセア[P. grisea]:シバ及び禾穀類につく;ピチウム属菌[Pythium spp.](苗立枯病[damping-off]):シバ、イネ、トウモロコシ、コムギ、ワタ、アブラナ、ヒマワリ、ダイズ、サトウテンサイ、野菜及びさまざまな他の植物につく(例えば同・ウルチムム[P. ultimum]又は同・アファニデルマツム[P. aphanidermatum]);ラムラリア属菌[Ramularia spp.]、例えば同・コロ-シグニ[R. collo-cygni](ラムラリア葉斑点病、非生物的病原性葉斑点病[Physiological leaf spots]):オオムギにつく、及び同・ベチコラ[R. beticola]:サトウテンサイにつく;リゾクトニア属菌[Rhizoctonia spp.]:ワタ、イネ、ジャガイモ、シバ、トウモロコシ、アブラナ、ジャガイモ、サトウテンサイ、野菜及びさまざまな他の植物につく、例えば同・ソラニ[R. solani]([根及び幹腐敗病]):ダイズにつく、同・ソラニ[R. solani](紋枯病):イネにつく、又は同・セレアリス[R. cerealis](リゾクトニア春枯病[Rhizoctonia spring blight]):コムギ又はオオムギにつく;リゾプス・ストロニフェル[Rhizopus stolonifer](黒色カビ病[black mold]、軟腐敗病[soft rot]):イチゴ、ニンジン、キャベツ、匍匐植物及びトマトにつく;リンコスポリウム・セカリス[Rhynchosporium secalis](火傷病[scald]):オオムギ、ライ麦及びライ小麦につく;サロクラジウム・オリザエ[Sarocladium oryzae]及び同・アッテヌアツム[S. attenuatum](鞘腐敗病[sheath rot]):イネにつく;スクレロチニア属菌[Sclerotinia spp.](茎腐敗病又は白色カビ病):野菜及び農場作物、例えばアブラナ、ヒマワリ(例えば同・スクレロチオルム[S. sclerotiorum])及びダイズ(例えば同・ロルフシイ[S. rolfsii]又は同・スクレロチオルム[S. sclerotiorum])につく;セプトリア属菌[Septoria spp.]:さまざまな植物につく、例えば同・グリシネス[S. glycines](茶斑点病[brown spot]):ダイズにつく、同・トリチシ[S. tritici](セプトリア斑点病[Septoria blotch]):コムギにつく、及び同(別名スタゴノスポラ[Stagonospora])ノドルム[nodorum](スタゴノスポラ斑点病[Stagonospora blotch]):禾穀類につく;ウンシヌラ[Uncinula](別名エリシフェ[Erysiphe])ネカトル[necator](うどん粉病、アナモルフ:オイジウム・ツッケリ[Oidium tuckeri]):匍匐植物につく;セトスパエリア属菌[Setospaeria spp.](葉斑点病):トウモロコシ(例えば同・ツルシクム[S. turcicum]、別名ヘルミントスポリウム・ツルシクム[Helminthosporium turcicum])及びシバにつく;スファセロテカ属菌[Sphacelotheca spp.](スス病[smut]):トウモロコシにつく(例えば同・レイリアナ[S. reiliana]:頭部スス病)、モロコシ及びサトウキビにつく;スファエロテカ・フリギネア[Sphaerotheca fuliginea](うどん粉病):ウリ科植物につく;スポンゴスポラ・スブテラネア[Spongospora subterranea](うどん粉かさぶた病):ジャガイモにつく、及びそれらによって伝染されるウイルス性の病原菌;スタゴノスポラ属菌[Stagonospora spp.]:禾穀類につく、例えば同・ノドルム[S. nodorum](スタゴノスポラ斑点病、テレオモルフ:レプトスファエリア[Leptosphaeria](別名ファエオスファエリア[Phaeosphaeria])ノドルム[nodorum]):コムギにつく;シンキトリウム・エンドビオチクム[Synchytrium endobioticum]:ジャガイモ(ジャガイモ疣贅病[potato wart disease])につく;タフリナ属菌[Taphrina spp.]、例えば同・デホルマンス[T. deformans](葉巻病[leaf curl disease]):モモにつく、及び同・プルニ[T. pruni](袋実病[plum pocket]):プラムにつく;チエラビオプシス属菌[Thielaviopsis spp.](黒根腐敗病):タバコ、梨果果樹、野菜、ダイズ及びワタにつく、例えば同・バシコラ[T. basicola](別名カララ・エレガンス[Chalara elegans]);チレチア属菌[Tilletia spp.](汎黒穂病[common bunt]又は悪臭スス病[stinking smut]):禾穀類につく、例えば同・トリチシ[T. tritici](別名同・カリエス[T. caries]、小麦黒穂病)及び同・コントロベルサ[T. controversa](萎縮黒穂病):コムギにつく;チフラ・インカルナタ[Typhula incarnata](灰色雪カビ病[grey snow mold]):オオムギ又はコムギにつく;ウロシスチス属菌[Urocystis spp.]、例えば同・オックルタ[U. occulta](幹スス病):ライ麦につく;ウロミセス属菌[Uromyces spp.](さび病):野菜、例えばインゲンマメ(例えば同・アッペンジクラツス[U. appendiculatus]、別名同・ファセオリ[U. phaseoli])及びサトウテンサイ(例えば同・ベタエ[U. betae])につく;ウスチラゴ属菌[Ustilago spp.](裸黒穂病[loose smut]):禾穀類(例えば同・ヌダ[U. nuda]及び同・アバエナエ[U. avaenae])、トウモロコシ(例えば同・マイジス[U. maydis]:トウモロコシスス病)及びサトウキビにつく;ベンツリア属菌[Venturia spp.](かさぶた病):リンゴ(例えば同・イナエクアリス[V. inaequalis])及びナシにつく;及びベルチシリウム属菌[Verticillium spp.](萎凋病[wilt]):さまざまな植物、例えば果物類及び観葉植物、匍匐植物、軟果実、野菜さらには農場作物につく、例えば同・ダーリアエ[V. dahliae]:イチゴ、アブラナ、ジャガイモ及びトマトにつく。
【0159】
本発明混合物は、物質(例えば木、紙、塗料ディスパージョン、繊維又は布地)の保護における、また貯蔵産物の保護における有害菌類の防除にも適している。木材及び建材の保護に関しては、以下の有害菌類:オフィオストマ属の菌[Ophiostoma spp.]、セラトシスチス属の菌[Ceratocystis spp.]、アウレオバシジウム・プルランス[Aureobasidium pullulans]、スクレロホマ属の菌[Sclerophoma spp.]、カエトミウム属の菌[Chaetomium spp.]、フミコラ属の菌[Humicola spp.]、ペトリエラ属の菌[Petriella spp.]、トリクルス属の菌[Trichurus spp.]等のアスコミセテス[Ascomycetes;子嚢菌]の類;コニオホラ属の菌[Coniophora spp.]、コリオルス属の菌[Coriolus spp.]、グロエオフィルム属の菌[Gloeophyllum spp.]、レンチヌス属の菌[Lentinus spp.]、プロイロツス属の菌[Pleurotus spp.]、ポリア属の菌[Poria spp.]、セルプラ属の菌[Serpula spp.]及びチロミセス属の菌[Tyromyces spp.]等のバシジオミセテス[Basidiomycetes;担子菌]の類;アスペルギルス属の菌[Aspergillus spp.]、クラドスポリウム属の菌[Cladosporium spp.]、ペニシリウム属の菌[Penicillium spp.]、トリコルマ属の菌[Trichorma spp.]、アルテルナリア属の菌[Alternaria spp.]、パエシロミセス属の菌[Paecilomyces spp.]等のデュウテロミセテス[Deuteromycetes;不完全菌]の類;及びムコル属の菌[Mucor spp.]等のジゴミセテス[Zygomycetes:接合菌]の類;が特に注目に値し、加えて貯蔵産物の保護では以下の酵母菌の類:カンジダ属の菌[Candida spp.]及びサッカロマイセス・セレヴィシエ[Saccharomyces cerevisae];が注記に値する。
【0160】
本発明混合物は、例えば、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ又はイネ);テンサイ(たとえばサトウテンサイ又は飼料テンサイ);梨果、石果又は軟果等の果物(例えばリンゴ、西洋ナシ、プラム、桃、アーモンド、サクランボ、イチゴ、キイチゴ、ブラックベリー又はグースベリー);レンズ豆、エンドウ、アルファルファ又は大豆等のマメ科植物;菜種、マスタード、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ豆、ヒマシ油植物、アブラヤシ、グランドナッツ又は大豆等の油性植物;スカッシュ、キュウリ又はメロン等のウリ科植物;綿、亜麻、麻又はジュート等の繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツ又はミカン等の柑橘類果物;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ又はパプリカ等の野菜;アボカド、シナモン又は樟脳等のクス科植物;コーン、大豆、菜種、サトウキビ又はアブラヤシ等のエネルギー及び原材料植物;トウモロコシ;タバコ;クルミ;コーヒー;茶;バナナ;匍匐植物(テーブルワインブドウの木及びグレープジュースブドウの木);ホップ;芝;天然ゴムの木又は観葉及び森林植物、例えば花、潅木、広葉樹又は常緑植物(例えば針葉樹);等の各種の栽培植物につく、さらには、種子等の植物体繁殖物並びにこれらの植物体の収穫物につく、さまざまな菌類を防除するのに特に重要である。
【0161】
好ましくは、本発明混合物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、カノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、コーヒーの木、サトウキビ;果樹;匍匐植物;観葉植物;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、タマネギ、リーキ、レタス、インゲンマメ又はスコッシュ;等の、農作物につくさまざまな菌類の防除に用いられる。
【0162】
式Iの化合物又は本発明の本発明による混合物で植物体又はその生育場所又はその繁殖産物(例えば種子)を処理するのは、さまざまな方法でなされ得る。成分(I)及び(II又はIII)は、直接、珠芽(特には種子)に、及び/又は種子が植えつけられることになる土壌に(又は植え付け又は移植の前に)、あるいは、例えば、植え付けの時に種子と一緒に(例えば鋤溝中への適用)に適用され得る。
【0163】
化合物(I)又は本発明による混合物は、また、溶媒又は固体担体を含んでいてよく、化合物(I)、及び、混合物が用いられる場合は、化合物(II)、(IIb)及び(III)(及び/又はそれらの塩)は、一緒に又は別々に、慣用のタイプの農薬製剤、例えば、溶液剤、エマルジョン剤、懸濁液剤、粉末剤、粉粒剤、ペースト剤及び顆粒剤に変換され得る。製剤タイプは、その特定の意図される目的によって決まるものであるが、それぞれのケースにおいては、本発明による化合物の微細で均質な分布を確保するものでなければならない。
【0164】
製剤タイプについての例は、懸濁液剤(SC、OD、FS)、ペースト剤、固形燻蒸剤、水和性粉粒剤又は粉末剤(WP、SP、SS、WS、DP、DS)又は顆粒剤(GR、FG、GG、MG)(これらは水可溶性又は水和性であり得る)並びに種子等の植物体繁殖物処理用ゲル剤(GF)である。
【0165】
通常、製剤タイプ(例えばSC、OD、FS、WG、SG、WP、SP、SS、WS、GF)は希釈して用いられる。DP、DS、GR、FG、GG及びMG等の製剤タイプは、通常、希釈せずに用いられる。
【0166】
製剤は、公知の方法で調製される(参照:米国特許第3,060,084号明細書、欧州特許出願公開第707445号明細書(液剤[liquid concentrates]について);Browning: "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48;Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, S. 8-57;国際公開第91/13546号パンフレット、米国特許第4,172,714号明細書、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書、米国特許第5,208,030号明細書、英国特許第2,095,558号明細書、米国特許第3,299,566号明細書;Klingman:Weed Control as a Science (J. Wiley & Sons, New York, 1961);Hance et al.: Weed Control Handbook (8th Ed., Blackwell Scientific, Oxford, 1989);及びMollet, H. and Grubemann, A.: Formulation technology(Wiley VCH Verlag, Weinheim, 2001)。
【0167】
農薬製剤は、農薬製剤で慣用されている補助剤も含み得る。用いられる補助剤は、その特定の適用剤形及び活性物質にそれぞれ依存するものである。
【0168】
適する補助剤についての例は、溶媒、固体担体、分散剤又は乳化剤(さらなる可溶化剤、保護コロイド、界面活性剤、結着剤等)、有機及び無機増粘剤、静菌剤、凍結防止剤、消泡剤、適切であれば着色剤、並びに粘着付与剤つまり結着剤(例えば種子処理用製剤)である。
【0169】
適する溶媒は、水、有機溶媒、例えば中〜高沸点の鉱油留分(例えばケロシン又はディーゼルオイル)さらにはコールタールオイル及び植物又は動物由来のオイル、脂肪族、環状及び芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン又はその誘導体)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール)、グリコール、ケトン(例えばシクロヘキサノン及びガンマ−ブチロラクトン)、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸及び脂肪酸エステル並びに強極性溶媒(例えばN−メチルピロリドンのようなアミン)である。
【0170】
固体担体は、鉱物質土類(例えば、ケイ酸塩、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等)、さらには栽培植物由来の産物(例えば、禾穀類殻粉、樹皮挽き粉、木材挽き粉、及び堅果殻引き粉)、セルロース粉末、及び他の固体担体である。
【0171】
適する界面活性剤(補佐剤、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤)は、芳香族スルホン酸、例えば、リグニンスルホン酸(Borresperse(登録商標)タイプ、Borregard、ノルウェー)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel、米国)、ジブチルナフタレン−スルホン酸(Nekal(登録商標)タイプ、BASF、独国)、のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩、並びに脂肪酸、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルファート、ラウリルエテルスルファート、脂肪アルコールスルファート、及び硫酸化ヘキサ−、ヘプタ−、及びオクタ−デカノラート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらにはナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシ−エチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン−亜硫酸塩廃液さらには蛋白、変性蛋白、多糖類(例えばメチルセルロース)、疎水変性されたスターチ、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant、スイス)、ポリカルボキシラート(Sokolan(登録商標)タイプ、BASF、独国)、ポリアルコキシラート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF、独国)、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマーである。
【0172】
増粘剤(すなわち、改変された流動性、すなわち静的条件下では高粘度及び撹拌の間には低粘度を製剤に賦与する化合物)についての例は、多糖類、有機質及び無機質クレイ、例えば、キサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、米国)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia、仏国)、Veegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt、米国)又はAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp.、NJ、米国)である。
【0173】
静菌剤は、製剤を防腐するため及び安定化させるために加えられ得る。適する静菌剤についての例は、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールをベースにするもの(ICI社から販売のProxel(登録商標)又はThor Chemie社から販売のActicide(登録商標)RS及びRohm & Haas社から販売のKathon(登録商標)MK)、イソチアゾリノン誘導体例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノンをベースにするもの(Thor Chemie社から販売のActicide(登録商標)MBS)である。
【0174】
適する凍結防止剤についての例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0175】
消泡剤についての例は、シリコーンエマルジョン(例えばSilikon(登録商標)SRE(Wacker、独国)又はRhodorsil(登録商標)(Rhodia、仏国)等)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、フルオロ有機化合物、及びこれらの混合物である。
【0176】
適する着色剤は、低水溶解度の顔料(ピグメント)、及び水溶性染料である。例としてはローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベイシックバイオレット10、ベイシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベイシックレッド10、ベイシックレッド108表記のものが言及される。
【0177】
粘着付与剤つまり結着剤についての例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタート、ポリビニルアルコール及びセルロースエーテル(Tylose(登録商標)(Shin−Etsu、日本))である。
【0178】
粉粒剤、散布剤及び粉末剤は、化合物I(及び場合により化合物II)及び適切ならさらなる活性物質を、少なくとも1種の固体担体と混合又は同時粉砕することで調製され得る。
【0179】
顆粒剤、例えば被覆顆粒剤、含浸顆粒剤及び均質顆粒剤は、活性物質を固体担体に結着させることで調製され得る。固体担体の例は、鉱物質土類(例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アッタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等)、さらには栽培植物由来の産物(例えば、禾穀類殻粉、樹皮挽き割り粉、木材挽き割り粉、及び堅果殻引き割り粉)、セルロース粉末、及び他の固体担体である。
【0180】
製剤タイプについての例には、以下がある:
【0181】
1.水で希釈する製剤タイプ
【0182】
i)液剤(Water-soluble concentrates)(SL、LS)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)10重量部が90重量部の水又は水溶性溶媒に溶解される。別法としては、湿潤剤又は他の助剤が加えられる。水で希釈すると活性物質は溶解する。このようにして、活性物質の含有量が10重量%である製剤が得られる。
【0183】
ii)分散製剤(Dispersible concentrates)(DC)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)20重量部が10重量部の分散剤(例えばポリビニルピロリドン)が加えられた70重量部のシクロヘキサノンに溶解される。水で希釈するとディスパージョンが得られる。活性物質の含有量は20重量%である。
【0184】
iii)乳剤(Emulsifiable concentrates)(EC)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)15重量部がドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレートが加えてある(それぞれのケースで5重量部)75重量部のキシレンに溶解される。水で希釈するとエマルションが得られる。この製剤の活性物質の含有量は15重量%である。
【0185】
iv)エマルション製剤(Emulsions)(EW、EO、ES)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)25重量部がドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレートが加えてある(それぞれのケースで5重量部)35重量部のキシレンに溶解される。乳化装置(Ultraturax)を用いてこの混合物が30重量部の水に導入され、均質なエマルションが作出される。水で希釈するとエマルションが得られる。この製剤の活性物質の含有量は25重量%である。
【0186】
v)懸濁製剤(Suspensions)(SC、OD、FS)
撹拌下にあるボールミル中で、本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)20重量部が10重量部の分散剤+湿潤剤及び70重量部の水又は有機溶媒を加えて粉砕され、微細活性物質懸濁液が得られる。水で希釈すると活性物質の懸濁液が得られる。この製剤の活性物質含有量は20重量%である。
【0187】
vi)顆粒水和剤及び顆粒水溶剤(Water-dispersible granules and water-soluble granules)(WG、SG)
専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床)を用いて本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)50重量部が50重量部の分散剤+湿潤剤を加えて細かく粉砕され、顆粒水和剤又は顆粒水溶剤として調製される。水で希釈すると活性物質の安定なディスパージョン又は溶液が得られる。この製剤の活性物質含有量は50重量%である。
【0188】
vii)粉粒水和剤及び粉粒水溶剤(Water-dispersible powders and water-soluble powders)(WP、SP、SS、WS)
ローター・ステーター・ミル中で本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)75重量部が25重量部の分散剤+湿潤剤+シリカゲルを加えて粉砕される。水で希釈すると活性物質の安定なディスパージョン又は溶液が得られる。この製剤の活性物質の含有量は75重量%である。
【0189】
viii)ゲル剤(GF)
撹拌ボールミル中で、本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)20重量部が、分散剤10重量部、ゲル化湿潤剤1重量部、及び水又は有機溶媒70重量部を加えて共に粉砕されて、活性物質の微細懸濁液が得られる。水で希釈すると活性物質の安定な懸濁液が得られ、これにより活性物質が20%(w/w)の製剤が得られる。
【0190】
2.希釈せずに適用する製剤タイプ
【0191】
ix)粉粒剤(Dustable powders)(DP、DS)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)5重量部が細かく粉砕され、95重量部の微粉砕カオリンと緊密に混合される。これにより、活性物質の含有量が5重量%の散粉可能製剤が得られる。
【0192】
x)顆粒剤(Granules)(GR、FG、GG、MG)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)0.5重量部が細かく粉砕され、95.5重量部の担体と組み合わせられる。最新の方法は、押し出し、噴霧乾燥又は流動床である。これにより、活性物質の含有量が0.5重量%である希釈せずに適用される顆粒剤が得られる。
【0193】
xi)ULV溶液剤(ULV solutions)(UL)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される1種の化合物)10重量部が90重量部の有機溶媒(例えばキシレン)に溶解される。これにより、活性物質の含有量が10重量%である希釈せずに適用される製剤が得られる。
【0194】
農薬製剤は、一般には、0.01〜95%(重量)、好ましくは0.1〜90%(重量)、最も好ましくは0.5〜90%(重量)の活性物質を含んでいる。活性物質は、90%〜100%(好ましくは95%〜100%)(NMRスペクトルによる)の純度で用いられる。
【0195】
植物体繁殖産物処理(特には種子処理)の目的に特に有用である、組成物は、例えば、
A 液剤(SL、LS)
D エマルジョン製剤(EW、EO、ES)
E 懸濁製剤(SC、OD、FS)
F 顆粒水和剤及び顆粒水溶剤(WG、SG)
G 粉粒水和剤及び粉粒水溶剤(WP、SP、WS)
H ゲル剤(GF)
I 粉粒剤(DP、DS)
である。
【0196】
これらの組成物は、植物体繁殖産物(特には種子)に、希釈して又は希釈せずに適用され得る。
【0197】
これらの組成物は、2〜10倍希釈すると、0.01〜60重量%(好ましくは0.1〜40重量%)の活性物質濃度を、使用準備ができた調製物中にもたらす。適用は、播種の前又は播種の間に行われ得る。植物体繁殖物(特には種子)に、農薬化合物、その組成物を、適用又は処置する方法は、当技術分野では、それぞれ、公知であって、繁殖物をドレッシングする適用方法、コーティングする適用方法、ペレッティングする適用方法、ダスティングする適用方法及びソーキングする適用方法が挙げられる(さらには鋤溝中処置も)。好ましい実施形態では、化合物又はその組成物は、それぞれ、発芽が含まれないような方法で、例えば、種子ドレッシングにより、ペレッティングにより、コーティングにより、及びダスティングにより、植物体繁殖物に適用される。
【0198】
式Iの化合物又は本発明の化合物混合物は、そのままで、あるいはその製剤の形態で(例えば、直接噴霧可能な溶液剤、粉粒剤、懸濁液剤、ディスパージョン剤、エマルジョン剤、オイルディスパージョン剤、ペースト剤、散粉可能製剤、散布用物質剤、又は顆粒剤の形態で)、噴霧、霧化、散粉、散布、ブラシ塗り、浸漬、又は注液により用いられ得る。施用剤形は、完全に、その意図される目的によって決まるものであるが、いずれのケースにおいても、式Iの化合物又は本発明の化合物混合物の可能な限りの微細な分布が確保されるよう図られる。
【0199】
水性の施用形態は、エマルジョン製剤、ペースト剤又は水和性粉粒剤(噴霧可能粉粒剤、オイルディスパージョン剤)から、水を加えることにより調製され得る。エマルジョン剤、ペースト剤又はオイルディスパージョン剤を調製するためには、式Iの化合物又は本発明の化合物混合物は、そのままであるいはオイル又は溶媒に溶解させて、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤の助けを借りて水に均質化され得る。別の形態としては、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤、及び適切であれば溶媒及びオイルからなる製剤が調製され得、そしてそのような製剤は水で希釈するのに適している。
【0200】
使用準備ができた調製物中の活性物質濃度は、比較的広い範囲内で変わり得るものである。一般には、濃度は、0.0001〜10重量%(好ましくは0.001〜1重量%)の式Iの化合物又は本発明の化合物混合物である。
【0201】
化合物(I)又は本発明の化合物混合物は、超低量法(ULV:ultra-low-volume process)でもうまく用いられ得るものであり、95重量%超の活性物質を含んでいる組成物を適用すること、あるいは添加剤なしの活性物質を適用することさえ、可能である。
【0202】
もう1つの実施形態では、本発明による本発明組成物は、植物有害量の殺害虫剤(例えば殺菌剤)、除草剤及び/又は殺虫剤によって植物体に引き起こされる傷害を低減又は阻止するのに用いられる。
【0203】
本発明による組成物は、化合物(I)の植物体健康有効量を含んでいるか、又は、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とが植物体健康相乗作用効果をもたらす、そのような化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との植物体健康有効量を含んでいる。
【0204】
本発明による新規な混合物を含んでいる本発明による組成物は、化合物(I)と(II)とが殺害虫相乗作用効果をもたらす、そのような化合物(I)と化合物(II)との殺害虫有効量を含んでいる。
【0205】
本発明による方法では、本発明による新規な混合物の適用量は、化合物の種類及び所望効果にもよるが、0.3g/ha〜2000g/ha、好ましくは5g/ha〜2000g/ha、より好ましくは20〜1000g/ha、特には20〜500g/haである。
【0206】
植物体珠芽(好ましくは種子)の処理では、化合物(I)の適用量は、一般には、250kgの植物体珠芽(好ましくは種子)当たり0.001〜1000g、好ましくは100kgの植物体珠芽(好ましくは種子)当たり0.01〜500g、特には100kgの植物体珠芽(好ましくは種子)当たり0.1g〜250gである。
【0207】
活性物質又は活性物質を含んでいる組成物にはさまざまなタイプのオイル、湿潤剤、補佐剤、除草剤、殺菌剤、他の殺菌剤、及び/又は殺害虫剤が、適切であれば使用直前に加えられ得る(タンクミックス)。そのような添加剤は、1:100〜100:1(好ましくは1:10〜10:1)の重量比で化合物I又は本発明による本発明による混合物と混ぜ合わせられ得る。
【0208】
用いられ得る補佐剤は、特には、有機変性ポリシロキサン例えばBreak Thru S240(登録商標);アルコールアルコキシラート例えばAtplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)及びLutensol ON 30(登録商標);EO/PO ブロックポリマー、例えばPluronic RPE 2035(登録商標)及びGenapol B(登録商標);アルコールエトキシラート例えばLutensol XP 80(登録商標);ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム例えばLeophen RA(登録商標);である。
【0209】
殺菌剤としての使用剤形にある本発明による化合物(I)又は本発明による混合物は、他の活性物質(例えば、除草剤、殺虫剤、成長調節剤、殺菌剤)と一緒にあるいはそうでなければ肥料又は播種原と一緒に、プレミックスとして(又は適切であれば使用直前に(タンクミックス))存在していてもよい。
【0210】
本発明による混合物が用いられる場合、本発明による組成物を調製するためには化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される化合物とは個々に又は既に部分的又は完全に互いとが混合されて用いられ得る。各化合物をパックして、さらに部剤キットのような組み合わせ組成物として用いることも可能である。
【0211】
本発明の一実施形態では、キットには、例えば農薬製剤の形態にある組成物を調製するのに用いられ得る1種又はそれ以上の(全部を含めて)成分が含まれ得る。そのようなキットには、化合物(I)及び/又は補佐剤成分及び/又は殺虫剤成分及び/又は生長調節剤成分及び/又は除草剤及び/又は播種原が含まれ得る。1種又はそれ以上の各成分は、既に一緒に組み合わせられていてもよいし、あるいは予備的に製剤化されていてもよい。キット中に3種以上の成分が提供されている実施形態では、各成分は既に一緒に組み合わせられていてよく、そのまま1個の収容器(例えばバイアル、ボトル、缶、パウチ、バッグ又はキャニスター)にパックされる。他の実施形態では、3種以上の成分からなるキットは、別々に、すなわち、予備的に処方化されずに、パックされ得る。そのようなことなので、キットには、1又は複数個の別々の収容器(例えばバイアル、カン、ボトル、パウチ、バッグ又はキャニスター)が含まれ得、それぞれの収容器には、農薬組成物用の別々の成分が含有されている。いずれの形態でも、キットの成分は、さらなる成分とは別々に、又はそれと一緒に、あるいは本発明による組成物を調製するための本発明による組み合わせ組成物の成分として、適用され得る。
【0212】
ユーザーは、通常、事前調剤装置、ナップザック式噴霧器、噴霧タンク、又は噴霧飛行機から本発明による組成物を適用する。この場合、農薬組成物は、水及び/又は緩衝液で所望適用濃度に作り上げられ、適切であれば、さらなる補助剤を加えることが可能であり、そうして使用準備が整った噴霧液つまり本発明による農薬組成物がこのようにして得られる。通常、農場として使っている面積1ヘクタール当たり、50〜500リットル(好ましくは80〜400リットル)の使用準備が整った噴霧液が適用される。
【0213】
一実施形態によれば、本発明による製剤の個々の成分、例えば、キットの部剤又は二成分あるいは三成分混合物の部剤が、ユーザー自身によって噴霧タンク中で混合され得、適切であれば、さらなる補助剤が加えられ得る(タンクミックス)。
【0214】
以下の実施例は本発明を例示するものであって、限定を加えるものではない。
【実施例】
【0215】
(実施例1)
1000ml/100kg種子の全体スラリー量でトウモロコシ(Zea maydis品種M314A10)種子をHege11種子処理機で処理した。処理には、
1)水(対照);
2)ピラクロストロビン(S8)(2.5g a.i./100kg);
3)化合物Ia(1g a.i./100kg);
4)ピラクロストロビン(S8)(2.5g a.i./100kg)+化合物Ia(1g a.i./100kg);
が含まれる。
【0216】
CF Clear Binder(19ml/100kg種子)及びカラーコートブルー(13ml/100kg種子)をチェック用も含めた全ての処理液に加えた。種子を処理した後、種子を一晩乾燥させた。種子をプラスチック製ポット(10cm×10cm×12cm)に植え付けた。自然土壌(砂壌土(原産NC、米国))を使って実験を行った。完全無作為構成でポットを温室内部に入れ置いた。苗木を、生育段階10(子葉鞘を貫く第1葉、BBCHスケール)に到達するまで25℃にて生育させる。生育段階10で、苗木を完全無作為構成で低温度インキュベーター(Thermo Electron Corporation)に入れ置き、3時間の間−5℃に曝した。寒気曝露の時点では、ポットは圃場容水量[field capacity]であった。それぞれの処理についての苗木の枯死の割合(率)を寒気処理の後3日記録した。
【0217】
未処理対照に比較しての各処理の誘起寒気耐性の有効性(E)を苗木枯死率の%減少として計算した:
E=1−a/b・100
a 処理された植物体の苗木枯死率(%)に対応している。
b 処理されていない(対照)植物体の苗木枯死率(%)に対応している。
【0218】
有効性が0とは、処理された植物体の苗木枯死率が処理されていない対照植物体のそれと一致していることを意味し;有効性が100とは、処理された植物体が100%の苗木枯死率の減少を見せたことを意味する。
【0219】
コルビーの式(Colby, S.R., Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations, Weeds, 15, pp. 20-22, 1967)を用いて各活性化合物組み合わせの予測有効性を推算し、実測された有効性と比較した。
【0220】
コルビーの式: E=x+y−x・y/100
E 濃度a及びbにある活性化合物A及びBの混合物を用いた場合の、無処理対照の%で表される、予測有効性。
x 濃度aにある活性化合物Aを用いた場合の、無処理対照の%で表される、有効性。
y 濃度bにある活性化合物Bを用いた場合の、無処理対照の%で表される、有効性。
【0221】
表4:寒気温度に曝露した後の苗木の枯死率(%)
【表4】

【0222】
表4に見られるように、化合物Iaを適用した後、植物体活力の指標としての、苗木枯死率は、有意に減少していた。これは、本発明に記載の植物体健康を増進することについての化合物Iaの適用性を例証するものである。
【0223】
ピラクロストロビン(S8)と化合物Iaとの混合物(これは先に定義した表1中の混合物M−2に対応している)は、それぞれの成分個々によるよりもさらにより大きい寒気温度(非生物的ストレス)に対する保護を賦与した(表4及び5)。ピラクロストロビン(S8)と化合物Iaとの組み合わせ(混合物)をベースにして実測された寒気温度に対する保護(寒気ストレス耐性の増大)は、コルビーの式をベースにして予測された値よりも大きいものであった。つまり、殺菌剤混合物(S8+化合物Ia)の植物体健康相乗作用効果を例証するものである。
【0224】
表5:寒気温度曝露した後の寒気耐性の有効性(%)
【表5】

【0225】
(実施例2)
2008年にRondonopolis地域(Mato Grosso、ブラジル)で大豆を生育した。45kg/haの播種量で品種TMG 103 RRを植え付けた。試験は4反復で無作為ブロック構成として設定した。1区画サイズは10mであった。植え付けの前に、ダイズ種子を、オリサストロビン(S6)、化合物Iaで処理するか、又は処理しないままでおいた(対照)。化合物IaはFS製剤(100g a.i./L)として500ml/100kg種子(50g a.i./100kg)の薬量で用いた。オリサストロビン(S6)はFS製剤(250g a.i./L)として300ml/100kg種子(75g a.i./100kg)の薬量で用いた。化合物Iaとオリサストロビンとの組み合わせ処理では、それぞれの製剤は、順次で適用された。各製剤は、600ml/100kg種子の全体スラリー量で適用された。
【0226】
植物体生命力及び植物体活力の指標としての、作物発芽及び作物樹立に対する各化合物の実測された有効性(E)は、植え付け後12日及び33日に5mの距離の列中にある植物体を計数することにより測定された。
【0227】
殺菌剤処理の有効性は、各処理の対照に比較しての植物体の数の増加として計算された(%):
E=(a/b−1)・100
a 処理された区画にある植物体の数に対応しており、
b 処理されていない(対照)区画にある植物体の数に対応している。
【0228】
活性化合物組み合わせの予測された有効性は、コルビーの式を用いて推算された(先の実施例1を参照されたい)。
【0229】
表6に見られるように、化合物Iaを適用した後、植物体活力の指標としての植物体数は、有意に増大していた。これは、本発明に記載の植物体健康を増進することについての化合物Iaの適用性を例証するものである。
【0230】
オリサストロビンと化合物Iaとの組み合わせ(混合物)(これは先に定義されている表1中の混合物M−1に対応している)は、それぞれの成分個々よりもさらにより大きい作物発芽(植え付け12日後の植物体の数)及び作物樹立(植え付け33日後の植物体の数)をもたらした(表6)。
【0231】
オリサストロビンと化合物Iaとの混合物についての、植物体活力の指標としての、作物発芽に対する実測された有効性は、コルビーの式に基づいて予測された値よりも大きいものであった。つまり、本発明による殺菌剤混合物の相乗作用効果を例証するものである(表7)。
【0232】
表6:植物体個体密度として測定された発芽及び作物樹立
【表6】

【0233】
表7:各処理の有効性
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法であって、式I
【化1】

[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイトされたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
で表されるアミド(化合物I)で植物体珠芽を処理することを含む方法。
【請求項2】
式Iのアミド(化合物I)が、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−[2−(4’−トリフルオロメチルチオ)−ビフェニル]−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ビキサフェン)、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:セダキサン)、N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:イソピラザム)及びN−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式Iのアミド(化合物I)が、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ビキサフェン)、N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:イソピラザム)及びN−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式Iのアミド(化合物I)が、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:セダキサン)及びN−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式Iのアミド化合物(化合物I)と、さらなる殺菌剤II(化合物II)との混合物が、植物体健康相乗作用有効量で適用され、化合物(II)が、
(i)アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、エネストロブリン、ピリベンカルブ,(E)−2−[2−(2,5−ジメチル−フェノキシメチル)−フェニル]−3−メトキシ−アクリル酸 メチルエステル及び2−{2−[(E)−3−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチル−プロプ−2−エン−(E)−イリデンアミノオキシメチル]−フェニル}−2−[(E)−メトキシイミノ]−N−メチル−アセトアミドから選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム、トリアゾキシド、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、1−(4−クロロ−フェニル)−2−([1,2,4]トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、ミクロブタニル、オキスポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、シメコナゾール、イマザリル、ペフラゾエート、トリフルミゾール、エトリジアゾール、ヒメキサゾール及び2−(4−クロロ−フェニル)−N−[4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−イソオキサゾール−5−イル]−2−プロプ−2−イニルオキシ−アセトアミドから選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル、メタラキシル−M(メフェノキサム)、シルチオファム、ピリメタニル、ジメトモルフ、イプロジオン、フルジオキソニル、チラム、チオファネート−メチル、カルベンダジム、フォセチル−アルミニウム、亜リン酸及びその塩、メチラム、マンコゼブ、ファモキサドン及びフェナミドンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
化合物(II)が、
(i)アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン及びエネストロブリンから選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム、トリアゾキシド、トリアジメノール、トリチコナゾール、ミクロブタニル、イマザリル及びヒメキサゾールから選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル、メタラキシル−M(メフェノキサム)、シルチオファム、ピリメタニル、ジメトモルフ、イプロジオン、フルジオキソニル、チラム、チオファネート−メチル、カルベンダジム、フォセチル−アルミニウム、亜リン酸及びその塩、メチラム、マンコゼブ、ファモキサドン及びフェナミドンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
化合物(II)が、オリサストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリチコナゾール、プロクロラズ、メタラキシル、メタラキシル−M(メフェノキサム)、シルチオファム、ピリメタニル、ジメトモルフ、フルジオキソニル、チラム、チオファネート−メチル、フォセチル−アルミニウム、亜リン酸及びその塩からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
化合物(II)が、オリサストロビン、ピラクロストロビン、アゾキシストロビン及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
化合物(II)が、オリサストロビンである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
さらに、
(ii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム、トリアゾキシド、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、1−(4−クロロ−フェニル)−2−([1,2,4]トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、ミクロブタニル、オキスポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、シメコナゾール、イマザリル、ペフラゾエート、トリフルミゾール、エトリジアゾール、ヒメキサゾール及び2−(4−クロロ−フェニル)−N−[4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−イソオキサゾール−5−イル]−2−プロプ−2−イニルオキシ−アセトアミドから選択される、アゾール系化合物;
(iii)メタラキシル、メタラキシル−M(メフェノキサム)、シルチオファム、ピリメタニル、ジメトモルフ、イプロジオン、フルジオキソニル、チラム、チオファネート−メチル、カルベンダジム、フォセチル−アルミニウム、亜リン酸及びその塩、メチラム、マンコゼブ、ファモキサドン及びフェナミドンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される、さらなる殺菌剤III(化合物IIb)を含んでいる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
さらに、クロラントラニリプロール、フィプロニル及びエチプロールからなる群から選択される、殺虫剤(化合物III)を含んでいる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
植物体が、農場植物、森林植物及び観葉植物から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
250kg種子あたり0.001g〜1000gの量のアミド化合物(I)を植物体珠芽に適用することを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
式Iのアミド化合物(化合物I)と、化合物(II)、(IIb)及び(III)からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる化合物とが、植物体珠芽に、同時に(混合物として又は別々に)又は順次に適用される、請求項5〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための請求項1に定義されている式Iで表されるアミド(化合物I)の使用。
【請求項16】
相乗作用有効量で
(I)式I
【化2】

[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル、又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイトされたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
で表されるアミド(化合物I);及び
(II)イポコナゾール、エタボキサム、メフェノキサム、メタラキシル、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、ミクロブタニル、ヒメキサゾール、トリアジメノール、ファモキサドン、フェナミドン及びフォセチル−アルミニウムからなる群から選択されるさらなる殺菌剤II(化合物II);
を含んでいる、殺菌剤混合物。
【請求項17】
害虫、その生息地、繁殖地、その所在場所、又は害虫の攻撃から保護されるべき植物体、土壌もしくは種子を請求項16に定義されている混合物の有効量で処理する、害虫の防除方法。
【請求項18】
250kgの種子当たり0.001〜1000gの量で請求項16に定義されている混合物を含んでいる、種子。

【公表番号】特表2011−511033(P2011−511033A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545455(P2010−545455)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/051255
【国際公開番号】WO2009/098223
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】