説明

植物栽培具連結体及びその関連技術

【課題】 支持体上に植物生育用マットが積層した複数の植物栽培具を対象面上に隣接させた状態で簡便且つ効果的に連結させて形成することができ、以って風やその他の要因による植物栽培具の飛散等を有効に防止することができる。
【解決手段】 支持体30上に植物生育用マット20を積層し、マット結合用貫通孔28と支持体結合用孔39を上下連通させる。マット結合用貫通孔28の上開口から結合体40を挿入して支持体30と植物生育用マット20を積層結合して植物栽培具Mを形成する。必要数の植物栽培具Mを、隣接する植物栽培具の辺同士が接するように載置面C上に載置する。4つの植物栽培具の隅部同士の集合位置毎に、結合体40の大径平頭部40aに対し連結具Lの各連結板L2を上側から押圧して固定することにより、結合体40の上端部同士を連結して植物栽培具連結体Jを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、コンクリートやアスファルト等の人工地盤、庭園、公園、ゴルフ場、サッカー場、テニスコート等の競技場の表面緑化に使用される植物栽培具連結体及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
屋上等の表面緑化に使用される植物栽培マット体として、特開2003−230316号公報(特許文献1)に、すのこ状部を備えた支持体上に繊維マットが積層してなる植物栽培マット体であって、繊維マットにおける複数箇所に、その厚さ方向のマット結合用貫通孔を有すると共に、支持体におけるマット結合用貫通孔に対応する箇所に、その厚さ方向の支持体結合用孔を有し、支持体における支持部上に植物生育用マットが積層することにより上下に連通した状態の互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に、植物生育用マットと支持体とを上下に結合させる結合材が挿入されて両者が上下に結合したものが開示されている。
【0003】
この種の植物栽培マット体は、製造、運搬、施工等の便宜等のため、方形(好ましくは正方形)等のブロック状をなすものとして製造してそのまま施工現場へ運搬し、現場において必要数のブロック状の植物栽培マット体を載置して固定するのが通常である。
【0004】
特開2003−230316号公報には、植物栽培マット体を構成する支持体の外周部に、支持体同士を相互に隣接連結し得る連結部を設け、その連結部により施工現場において支持体同士を連結するという手段が開示されている。このように連結することにより、風やその他の要因による植物栽培マット体同士の分離並びに各植物栽培マット体の飛散や損傷等を防ぐことができる。
【0005】
しかしながら、施工現場において繊維マットの下側の支持体同士の外周部を連結部により連結する作業は、広い面積に対する施工においては相当な労力を要するため、より簡便且つ効果的に植物栽培マット体同士の連結作業を行い得る手段が望まれていた。
【特許文献1】特開2003−230316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、支持体上に植物生育用マットが積層した複数の植物栽培具を対象面上に隣接させた状態で簡便且つ効果的に連結させて形成することができ、以って風やその他の要因による植物栽培具の飛散等を有効に防止することができる植物栽培具連結体並びにその植物栽培具連結体を形成するための植物栽培具連結体形成材及び植物栽培具連結体形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の植物栽培具連結体は、
複数の植物栽培具が隣接連結されてなる植物栽培具連結体であって、
前記複数の植物栽培具は、それぞれ、すのこ状部を備えた支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に植物生育用マットが積層した状態でその支持体と植物生育用マットが結合体により結合されてなるものであり、且つ、
前記複数の植物栽培具は、隣接する各植物栽培具の結合体同士が、各植物生育用マットの上側から連結具により連結されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明の植物栽培具連結体形成材は、
複数の植物栽培具を隣接連結して植物栽培具連結体を形成するための植物栽培具連結体形成材であって、
すのこ状部を備えた支持体と、植物生育用マットと、前記支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に植物生育用マットが積層した状態でその支持体と植物生育用マットを結合して前記植物栽培具を形成するための結合体と、複数の植物栽培具を隣接させた状態で、隣接する各植物栽培具の結合体同士を、各植物生育用マットの上側から連結するための連結具を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の植物栽培具連結体形成方法は、
複数の植物栽培具を隣接連結して植物栽培具連結体を形成する方法であって、
すのこ状部を備えた支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に植物生育用マットを積層させた状態でその支持体と植物生育用マットを結合体により結合させて前記植物栽培具を形成し、複数の植物栽培具を隣接させた状態で、隣接する各植物栽培具の結合体同士を、各植物生育用マットの上側から連結具により連結することを特徴とする。
【0010】
複数の植物栽培具の隣接連結は、植物栽培具同士が隣接するように載置面上に各植物栽培具の支持体を載置した状態で、隣接する各植物栽培具の結合体同士を、各植物生育用マットの上側から連結具により連結することにより行うことができるので、植物生育用マットの下の支持体同士を直接連結する場合に比し、連結作業を容易且つ円滑に行うことができる。各植物栽培具は、支持体における支持部上に植物生育用マットが積層した状態でその支持体と植物生育用マットが結合体により結合されてなるものであるから、連結具により結合体同士が連結されることにより、隣接植物栽培具の各植物生育用マット及び支持体が効果的に連結された植物栽培具連結体が得られ、これにより、風やその他の要因による植物栽培具同士の分離並びに各植物栽培具の飛散や損傷等を有効に防止することができる。
【0011】
上記本発明の植物栽培具連結体は、上記植物生育用マットに、その厚さ方向のマット結合用貫通孔を有し、そのマット結合用貫通孔に上記結合体が挿通されているものとすることができる。
【0012】
この場合、植物生育用マットの厚さ方向のマット結合用貫通孔に上記結合体が挿通されることにより、両者の結合が効果的に行われる。
【0013】
この植物栽培具連結体は、上記支持体と結合体と連結具が別部材であり、上記マット結合用貫通孔内に結合体が挿入され、その結合体の上端部が植物生育用マットの上側に位置する状態で支持体と植物生育用マットが結合されており、
隣接する各植物栽培具における前記結合体の上端部同士が、各植物生育用マットの上側から連結具により連結されているものとすることができる。
【0014】
この場合、支持体における支持部上に植物生育用マットが積層した状態で上方からマット結合用貫通孔内に結合体を挿入することにより、結合作業を容易且つ円滑に行うことができ、支持体と植物生育用マットが結合された状態において結合体の上端部が植物生育用マットの上側に位置するので、隣接する各植物栽培具における結合体の上端部同士の連結具による連結作業を、より容易且つ円滑に行うことができる。
【0015】
上記本発明の植物栽培具連結体は、
下方に開口する接着剤保持凹部を備えた載置面接着用部材を有し、
その載置面接着用部材は、支持体が載置面上で載置された状態において前記接着剤保持凹部を囲繞する外周側部分の下端部が載置面に接し得るように、支持体及び植物生育用マットと共に結合体により結合されるものであり、
その結合体は、上下開口の連通孔を有し、載置面接着用部材と支持体と植物生育用マットを結合体により結合した状態において、前記連通孔の上部開口からその連通孔を介して接着剤を前記接着剤保持凹部に導き得るものとすることができる。
【0016】
載置面接着用部材と支持体と植物生育用マットを結合体により結合し、支持体が載置面上で載置された状態において、載置面接着用部材の下方開口の接着剤保持凹部を囲繞する外周側部分の下端部が載置面に接する。この状態において、結合体の連通孔の上部開口からその連通孔を介して接着剤を前記接着剤保持凹部に導き得るので、結合体の上部開口から連通孔に接着剤を導入することにより、連通孔を介して接着剤を接着剤保持凹部に配送することができる。これにより、接着剤保持凹部において各植物栽培具を載置面に接着固定することができる。
【0017】
また上記本発明の植物栽培具連結体は、
上記支持体におけるすのこ状部が、上記植物生育用マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る上方開口の透孔を上記支持部のほぼ全上面部にわたり有すると共に、前記支持部の下方に空間形成部を有し、
その空間形成部は、前記支持体を載置面上に載置した状態において、前記透孔を通じて支持部の下方に伸びた植物の根が張ることができ、支持体の側方外部との間に空気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口するものとすることができる。
【0018】
植物生育用マットは支持体におけるすのこ状部の支持部上に積層されており、その支持部のほぼ全上面部にわたり、植物生育用マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る上方開口の透孔を有する。その支持部の下方には空間形成部を有し、その空間形成部は、支持体を載置面上に載置した状態において、透孔を通じて支持部の下方に伸びた植物の根が張ることができる。また、空間形成部は、支持体の側方外部との間に空気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口する。そのため、植物生育用マットにおいて生育を開始した植物の根が透孔を通って支持部の下方の空間形成部において及び支持体の側方外部に縦横に張ることが可能であり、植物の生育が進むことにより、各植物栽培具における植物生育用マットと支持体との結合が漸次強化される。また、その空間形成部が、前記支持体を載置面上に載置した状態において、前記透孔を通じて支持部の下方に伸びた植物の根が支持体の側方外部へも伸び得るように支持体の側方外部に開口するものとすれば、植物の生育が進むことにより隣接植物栽培具同士の連結が漸次強化される。
【0019】
また、植物生育用マットにおける余分な水は、支持体の支持部のほぼ全上面部にわたり有する上方開口の透孔を通じて空間形成部に流下し、空間形成部は、支持体を載置面上に載置した状態において、支持体の側方外部との間に空気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口する。そのため、余分な水は支持体の側方外部に排水可能であると共に新しい水が支持体の側方外部から空間形成部内に流入し得、また、空間形成部は通気性が維持されるため、空間形成部において縦横に張った根は、根腐れすることが防がれて植物の生育に好適な環境が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の植物栽培具連結体、植物栽培具連結体形成材及び植物栽培具連結体形成方法によれば、複数の植物栽培具の隣接連結を、載置面上に各植物栽培具の支持体を載置した状態で、隣接する各植物栽培具の結合体同士を、各植物生育用マットの上側から連結具により連結することにより行うことができるので、植物生育用マットの下の支持体同士を直接連結する場合に比し、連結作業を容易且つ円滑に行うことができる。各植物栽培具は、支持体における支持部上に植物生育用マットが積層した状態でその支持体と植物生育用マットが結合体により結合されてなるものであるから、連結具により結合体同士が連結されることにより、隣接植物栽培具の各植物生育用マット及び支持体が効果的に連結された植物栽培具連結体が得られ、風やその他の要因による植物栽培具同士の分離並びに各植物栽培具の飛散や損傷等を有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態を、図1乃至図7を参照しつつ説明する。
【0022】
図1乃至図9は、何れも本発明の実施の形態としての植物栽培具連結体、植物栽培具連結体形成材及び植物栽培具連結体形成方法に関するものであって、図1は要部分解斜視図、図2は要部拡大断面組立図、図3は要部拡大断面図、図4は別の例の要部拡大断面図、図5は結合体の斜視図、図6は長脚結合体の斜視図、図7は支持体の平面概略図、図8は植物生育用マットの平面概略図、図9は植物栽培具の平面概略図、図10は植物栽培具連結体の要部平面図である。
【0023】
植物栽培具連結体Jは、複数の植物栽培具Mが隣接する状態で連結されたものである。各植物栽培具Mは、支持体30と植物生育用マット20が結合体40により結合され、それらの植物栽培具Mは連結具Lにより連結されている。
【0024】
植物生育用マット20は、ポリエステル系合成繊維を約80%含む繊維で編み組みされた織布の廃棄屑を開繊して繊維状に加工したものを主材料とし、これに、全体の約20重量%の低融点のポリエステル繊維をバインダー繊維として混合分散させ、更に繊維の集合体中に肥料及び土壌改良材(ゼオライト等)を分散させたものを用いて製造したものである。すなわち、これらの繊維を所定の厚さに方向性なく立体的に集合させた繊維の集合体に肥料及び土壌改良材を分散させたものを、バインダー繊維が溶融する温度まで加熱した後、集合した状態の厚さに対して約20乃至50mmの厚さとなるようプレスし、バインダー繊維を冷却・硬化させて繊維同士を結合させ繊維の間に無数の空隙を形成させることにより、繊維の空隙に肥料及び土壌改良材が添加された植物生育用マット20が得られた。平面視正方形状(形状はこれに限らない)の植物生育用マット20の四隅部にはそれぞれ軸線方向が厚さ方向である円柱形状のマット結合用貫通孔28が設けられている。
【0025】
植物生育用マット20と実質上同一の平面視正方形状(形状はこれに限らない)をなす支持体30は、合成樹脂の射出成形により一体成形されたものであり、全体がすのこ状部で、その上面部を形成する支持部32は、ほぼ碁盤目状の格子状をなす。縦横それぞれ2目の正方形状の4目毎に、その4目の中央の格子点は、他の格子点に比し拡大され、円形状をなす。支持部32の全上面部にわたり多数満遍なく形成されている上方開口の透孔34は、支持部32上に積層結合された植物生育用マット20において生育した植物の根が挿通し得るものであり、何れも平面視において略方形状(透孔の形状はこれに限るものでなく、例えば三角形、正方形、長方形、その他の多角形、円形、楕円形等を任意に採用し得る。)をなす。支持部32の上面部は、透孔34及び支持体30の四隅部に設けられた支持体側凸部35を除いた部分がほぼ一定高さである。支持部32における前記正方形状の4目毎の円形状の格子点の下側には、それぞれ円柱形状の支柱部36が形成されている。支柱部36は、支持体30を載置面C上に載置した状態において支持部32を支持するものであり、各支柱部36の下端位置(載置面位置)と支持部32との間の空間のうち各支柱部36を除く部分が空間形成部38である。
【0026】
支持体側凸部35は、植物生育用マット20におけるマット結合用貫通孔28に対応する箇所に設けられている。支持体側凸部35は、非圧縮状態の植物生育用マット20の厚さの約3分の1に相当する高さだけ支持部32から上方に突出した円筒形状をなし、その外径はマット結合用貫通孔28の内径よりやや小さい。支持体側凸部35の内周側は、支持部32を上下に貫通する支持体結合用孔39の上部を構成する。支持体結合用孔39の下端部は、やや内径が拡大した拡径部39aに形成されている。
【0027】
結合体40は、合成樹脂製(生分解性合成樹脂を用いることもできる)であって、マット結合用貫通孔28の外径より外径が大きな円環板状をなす大径平頭部40aの中央部下方に、ほぼ円筒を縦に分割した二股状をなす脚部40bを有し、各脚部40bの下端部に、下方を向く尖頭状をなし、上側が脚部40bよりも拡開した鉤状をなす抜止尖頭部40cを有する。脚部40bにおける大径平頭部40aの下側に、外方に突出する一対のストッパ部40dが設けられている。大径平頭部40aの中央部には連通孔40eが設けられて上下に開口する。
【0028】
載置面接着用部材Bは、下方に開口する接着剤保持凹部B1を備え、その接着剤保持凹部B1の中央部上方に、結合用環状部B2が形成され、その結合用環状部B2の上部は内外径共に縮径された縮径部B3に形成され、その縮径部B3の中央に上下貫通の結合用孔B4を有する。
【0029】
載置面接着用部材Bを用いる場合(図2、図3)、支持体30の支持部32上に、各支持体側凸部35が対応するマット結合用貫通孔28の下部に嵌合するように植物生育用マット20を積層すると共に、支持体結合用孔39の下端部の拡径部39aに対し、載置面接着用部材Bの上部の縮径部B3を内嵌する。これにより、植物生育用マット20を支持体30における支持部32上に水平方向に位置決めし、互いに対応するマット結合用貫通孔28と支持体結合用孔39並びに載置面接着用部材Bの結合用環状部B2が、上下に連通した状態とすることができる。このようにして上下に連通したマット結合用貫通孔28と支持体結合用孔39と結合用環状部B2に、マット結合用貫通孔28の上開口から抜止尖頭部40cを下向きにして結合体40を挿入すると、支持体結合用孔39及び載置面接着用部材Bの縮径部B3を通過する際に両抜止尖頭部40c同士がその支持体結合用孔39及び載置面接着用部材Bの内周部により内方に押圧されて脚部40b同士が互いに内方にたわんだ状態でその両抜止尖頭部40cが支持体結合用孔39及び縮径部B3を通過した後、載置面接着用部材Bの結合用環状部B2において両脚部40bが外方に拡がって両抜止尖頭部40cも外方に復元する。すると、抜止尖頭部40cの拡開した上側部は、結合用環状部B2における縮径部B3の下端に掛止され、大径平頭部40aが植物生育用マット20の上面に掛止され、支持体30に対する植物生育用マット20の位置決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い、植物栽培具Mを形成し得る。また、このようにして、結合体40の連通孔40eを介して接着剤を連通孔40eの上部開口から接着剤保持凹部B1に配送することができる状態となる。結合体40が(例えばその上を人が踏むこと等により)過度に下方に押し込まれることは、ストッパ部40dの下端が支持体側凸部35の上端に当接することにより防がれる。なお、マット結合用貫通孔28のうち上部を大径平頭部40aが挿通し得る大内径部とすることにより、大径平頭部40aがマット結合用貫通孔28内の前記大内径部の下端部に掛止されるものとすることができる。
【0030】
この植物栽培具Mを支持体30において載置面C上に載置すると、載置面接着用部材Bの接着剤保持凹部B1を囲繞する外周側部分の下端部が載置面Cに接する状態となる。この状態において、結合体40の連通孔40eの上部開口から液状の接着剤を注入することにより、連通孔40eを介して接着剤を接着剤保持凹部B1に配送することができる。これにより、接着剤保持凹部B1において植物栽培具Mを載置面に接着固定することができる。なお、接着剤としては、液状、ペースト又はゼリー状等の流動体状又は半流動体状の接着剤のほか、粉末、粒状等の固体状接着剤等も使用を妨げられない。
【0031】
載置面接着用部材Bを用いない場合(図4)、支持体30の支持部32上に、各支持体側凸部35が対応するマット結合用貫通孔28の下部に嵌合するように植物生育用マット20を積層すると、植物生育用マット20を支持体30における支持部32上に水平方向に位置決めし、互いに対応するマット結合用貫通孔28と支持体結合用孔39が上下に連通した状態とすることができる。このように上下に連通したマット結合用貫通孔28と支持体結合用孔39に、マット結合用貫通孔28の上開口から抜止尖頭部40cを下向きにして結合体40を挿入すると、支持体結合用孔39通過の際に両抜止尖頭部40c同士がその支持体結合用孔39の内周部により内方に押圧されて脚部40b同士が互いに内方にたわんだ状態でその両抜止尖頭部40cが支持体結合用孔39を通過した後、両脚部40bが外方に拡がって両抜止尖頭部40cも外方に復元する。すると、抜止尖頭部40cの拡開した上側部は、支持体結合用孔39の下端の拡径部39aの上端面に掛止され、大径平頭部40aが植物生育用マット20の上面に掛止され、支持体30に対する植物生育用マット20の位置決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い、植物栽培具Mを形成し得る。
【0032】
連結具Lは、正方形の4辺及び2対角線に対応する細長平板状の連結腕L1により、正方形の各頂点に位置する略円板状の4つの連結板L2が連結されてなるものである。各連結板L2は、その外周部下側の等中心角毎に、下方に突出して下端部に内向きの爪部L31を備えた保持片L3を有する。また各連結板L2は、中央部に上下に貫通する貫通孔L4を有する。結合体40の大径平頭部40aに対し、連結板L2を上側から押圧して、連結板L2の保持片L3の爪部L31が大径平頭部40aの下側に掛止されるように保持片L3を大径平頭部40a外嵌させることにより、連結具Lの各連結板L2が結合体40の大径平頭部40aに固定される。
【0033】
植物栽培具連結体Jを形成する場合、載置面接着用部材Bを用いる場合も用いない場合も、図10に示すように、必要数の植物栽培具Mを、隣接する植物栽培具Mの辺同士が接するように碁盤目状に載置面上に載置する。4つの植物栽培具Mの隅部同士の集合位置毎に、各植物栽培具Mの隅部に位置する結合体40の上端部である大径平頭部40aに対し、連結具Lの各連結板L2を上側から押圧し大径平頭部40aに固定することにより、結合体40の上端部同士が連結具Lにより連結され、4つの植物栽培具Mが連結される。植物栽培具連結体Jの周縁部において2つの植物栽培具Mの隅部同士が集合する位置においては、細長平板状の連結腕L1により2つの連結板L2が連結されてなる周縁部用連結具LAを用いて両植物栽培具Mの結合体40の上端部同士を連結することにより、両植物栽培具Mを同様に連結することができる。従って、植物生育用マット20の下の支持体30同士を直接連結する場合に比し、植物栽培具Mの連結作業を容易且つ円滑に行うことができる。而も、各植物栽培具Mは、支持体30における支持部上に植物生育用マット20が積層した状態でその支持体30と植物生育用マット20が結合体40により結合されてなるものであるから、連結具Lにより結合体40同士が連結されることにより、隣接植物栽培具Mの各植物生育用マット20及び支持体30(並びに、載置面接着用部材Bを用いている場合はその載置面接着用部材B)が効果的に連結された植物栽培具連結体Jが得られる。
【0034】
このようにして形成された植物栽培具連結体Jにおける各植物生育用マット20上に載置された芝苗の生育が進むと、その根が植物生育用マット20に張り、更に、透孔34を通じて支持部32の下方に伸びて空間形成部38にも根が張ることになる。任意の隣り合う透孔34をそれぞれ通じて支持部32の下方に伸びた根同士は、空間形成部38において側方に張ることにより交錯し合い得る。また、何れの透孔34も、空間形成部38を介して支持体30の側方外部と通じる。透孔34を通じて支持部32の下方に伸びた根が、空間形成部38において多方向に伸びてできるだけ自在に張ることができるので、芝苗の生育上望ましく、植物生育用マット20と支持体30との結合も強化される。
【0035】
また、空間形成部38は、下方に開放されており、支持体30の側方外部に開口している。従って支持体30の側方外部との間に空気及び水が流通し得、空間形成部38から側方外部への排水性にも優れる。更に、各植物生育用マット20において生育した根は、空間形成部38において側方外部に張ることにより、隣接空間形成部38同士の間で根が交錯して隣接植物栽培具M同士の連結が漸次強化され得る。
【0036】
支持体30は、実質上のたわみ又は破壊を生じることなく支持部32上に少なくとも成人を支持し得る剛性及び強度を備える。従って、植物栽培具M上を歩行することにより透孔34を通って空間形成部38に張った根を損傷させることがないので芝苗等の植物の育成を妨げず、植物栽培具M上を歩行する際の歩行性も良い。
【0037】
なお、支持体と植物生育用マットが結合体により結合した状態において、結合体は、例えば、前記例と同様に結合体の上部が植物生育用マットの上側に露出する態様の他、植物生育用マットの上端に開口する上下通路内(例えば前記上下通路としてのマット結合用貫通孔内の上下中間位置等)に結合体の上端が位置するものとすることもできる。後者の場合、連結具による隣接植物栽培具の連結は、植物生育用マットの上下通路内で結合体と連結具が連結することにより行われるものとすることができる。
【0038】
連結具は、上記態様に限るものではなく、強度及び剛性等を確保することができるならば、例えば前記連結具における連結腕を2対角線のみとして4つの連結板を連結したものとすることができる。また、連結具と結合体の結合機構についても、上記態様に限るものではなく、種々の嵌合機構等から適宜選択して採用することができる。連結具は、各植物栽培具における結合体のみと連結するものに限らず、各植物栽培具における結合体と連結すると共に植物生育用マット等とも何らかの連結が行われるものであってもよい。
【0039】
また、連結具に結合体を一体的に設けたものを用いると、隣接させた支持体上にそれぞれ植物生育用マットを載置して前記連結具に一体的に設けた結合体により各支持体と各植物生育用マットを結合すると、同時に、連結具により植物栽培具が連結され、植物栽培具連結体が形成される。
【0040】
また、結合体の上端開口から連通孔に接着剤を導入することにより、連通孔及び下端開口を介して接着剤を接着剤保持凹部に配送し、接着剤保持凹部において植物栽培具を載置面に接着固定する場合に、連結具を結合体に連結した状態で結合体の上端開口が上方に通じ、接着剤を上端開口に導入可能なように連結具を構成すること(例えば上記例において、各連結板の透孔を通じて結合体の上端開口から連通孔に接着剤を導入し得るように構成すること)も可能である。
【0041】
また、載置面接着用部材を支持体に一体的に形成する(例えば上記例において支持体結合用孔39の下端部に載置面接着用部材が連続して形成する)ことも可能である。
【0042】
本発明における植物生育用マットとしては、上記例以外に、例えば、合成繊維を含む繊維が立体的に集合され、所定の圧力でプレスされて前記繊維の間に無数の空隙ができる状態で前記繊維の交点がバインダーで結合されてなるものを採用することができる。植物生育用マットを構成する主材料は、合成繊維を含む繊維である。合成繊維と天然繊維が混合したものでもよく、合成繊維のみでもよい。合成繊維としては、ポリエステル系合成繊維、たとえばテトロン(登録商標)が適している。ポリエステル系合成繊維は、強靭で耐久性に富み、而も耐薬品性に優れているので、長期間安定して使用することができる。従って、50重量%以上のポリエステル系合成繊維を含むものとすることが好ましい。さらに好ましくは70重量%以上、最適には80重量%以上である。尤も、ポリアミド系合成繊維やポリアクリル系合成繊維等の他種の合成繊維であってもよい。バインダーとしては、植物生育用マットを構成する主材料としての繊維よりも融点の低い繊維を用いることが好ましい。このような繊維としては、低融点のポリエステル繊維等の低融点の合成繊維を用いることが好ましいが、これに限るものではない。バインダーの他の例としては、未硬化の状態では液状又はペースト状のバインダーを挙げることができる。植物生育用マットの厚さは、例えば1乃至20cmとすることができる。その場合、例えば図6に示す長脚結合体41のように、必要に応じ結合体の長さを長くしたものを用いることになる。長脚結合体41は、大径平頭部41aの中央部下方に、下部が二股状をなす円筒状の脚部41bを有し、各脚部41bの下端部に、下方を向く尖頭状をなし、上側が脚部41bよりも拡開した鉤状をなす抜止尖頭部41cを有する。脚部41bにおける抜止尖頭部41cよりもやや上方に、外方に突出する一対のストッパ部41dが設けられている。大径平頭部41aの中央部から脚部41b内の上下中間部にわたり、上下に開口する連通孔41eが形成されている。
【0043】
このような植物生育用マットは、合成繊維を含む繊維が立体的に集合され、所定の圧力でプレスして繊維の間に無数の空隙ができる状態で繊維の交点をバインダーで結合してなるものであるから、内部に無数の空隙を設けて優れた保水性と吸水性を実現し、植物を快適な環境で生育させることができる。なお、植物生育用マットの上面部に、植物栽培具連結体の上面部に送水又は散水用の可撓性又は非可撓性のパイプその他の設備を配設するためのパイプ等収容溝を設けることもできる。
【0044】
植物栽培具連結体を載置する載置面は、一般的には平坦面であるが、傾斜面とすることもできる。植物の生育は、例えば芝苗等の苗を植物生育用マット上に載せて生育させたり、植物生育用マットに植物の種子を蒔き又は埋め込み、それを発芽させて生育させることができる。植物生育用マットに直接に種子を蒔いた場合、その上から土や紙等を載せた後に散水して種子を発芽させることが好ましい。
【0045】
本発明における支持体は、全体がすのこ状部であるものとすることができるほか、すのこ状部でない部分を有していてもよい。すのこ状部の上面部は、透孔を除いた部分がほぼ一定高さであるものすることができるほか、例えば、凸部及び凹部の両方又は一方を有するものとすることもできる。平面視において、すのこ状部の上面部の面積に対する透孔の総面積の割合は、例えば35乃至95%とすることができるが、好ましくは70乃至95%、より好ましくは80乃至95%である。透孔は支持体の上面部において偏りなく満遍なく有することが望ましい。
【0046】
支持部の下方に空間形成部を有する場合、その空間形成部の高さは、例えば5乃至100mmとすることができるが、好ましくは10乃至60mm、より好ましくは15乃至40mmである。空間形成部は、支持体の側方外部との間に空気及び水が流通し得るように(好ましくは栽培植物の根も側方外部へ伸び得るように)支持体の側方外部に開口している部分を含めて、下方に開放されていることが好ましい。この場合、空間形成部から側方外部への排水性に優れる。
【0047】
支持体と植物生育用マットを結合体により結合するための支持体結合用孔を支持体に設ける場合、支持体結合用孔は貫通孔とするのが一般的であるが、上端が開口し下端部が閉塞したものであってもよい。
【0048】
植物生育用マットにマット結合用貫通孔を設ける場合、例えば、植物生育用マットの外周部付近における間隔をおいた位置(例えば植物生育用マットが平面方形状である場合における四隅等)に設けるものとすることができる。支持体結合用孔はそれに対応する位置である。マット結合用貫通孔及び支持体結合用孔の水平断面形状は、円形とするのが最も一般的であるが、これに限らず例えば多角形状とすることもできる。尤も、植物生育用マットと支持体とを結合体により結合する上で、植物生育用マットに貫通孔を設けることは必ずしも要しない。植物生育用マットと支持体とを、必要に応じ植物生育用マットの外周部に上下方向の溝状部を設ける等して、外周部において結合体により結合することも可能である。
【0049】
結合体は、例えば、マット側抜止部(例えばマット結合用貫通孔の周囲に拡開する平頭部等の拡開部)と支持体側抜止部(例えば支持体結合用孔の周囲に拡開する尖頭形の鉤状部)を備え、上下に連通した状態の互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に結合体を挿入すると、挿入時にマット結合用貫通孔及び支持体結合用孔を通過し得、挿入完了時にはマット結合用貫通孔又は支持体結合用孔からの離脱が阻止されるものとすることができ、特に、マット側抜止部と支持体側抜止部の間を例えば棒状又は板状の連結部又は脚部としたものとすることができる。なお、マット結合用貫通孔又は支持体結合用孔に、挿入時は結合体の挿入を許し、挿入完了時には結合体の離脱を阻止する機構、例えば一定方向に結合体を挿入する際には拡開し、逆方向には拡開しない(又は拡開しにくい)弁状又は舌片状の抜け止め機構(例えば支持体結合用孔内又は支持体結合用孔の下部若しくは下方に、下向きに結合体を挿入する際に下方に屈曲しつつ内端部が外向きに開き、上方には屈曲しないか又は屈曲しにくい内方突出の複数の舌片部[例えば合成樹脂製のもの]からなるもの)を有するものとすることもできる。
【0050】
下向き(一定方向の一例)に結合体を挿入する際には拡開し、逆方向には拡開しにくい抜け止め機構としては、例えば前記のような舌片部の場合、舌片部自体の機能として上向きには屈曲しにくいもの、舌片部自体は上下に同様に屈曲し得るが舌片部が上向きに屈曲しようとすると当接する屈曲防止部を上側に設けたもの、舌片部自体は上向きにも下向きにも同様に屈曲し得るが、結合体の先端部が例えば上側が外方に拡がった形状の尖頭形の鉤状部となっていて結合体を下向きに挿入する際には舌片部が下向きに屈曲して拡開し易いが、一旦、尖頭形の鉤状部が通過して舌片部の屈曲が解除されて舌片部が元の位置に復元すると、外方に拡がった鉤状部の上側部分によって舌片部を上向きに屈曲させることが困難なもの等を挙げることができる。
【0051】
結合体は合成樹脂又はその他の材料からなるものとすることができ、再生材料を用いることが好ましい。また結合体は、生分解性材料からなるものとすることもできる。この場合、例えば、結合体が分解されるまでに、栽培植物の根が透孔を通じて支持部の下方に伸び、空間形成部において張ることにより、支持体と植物生育用マットの積層結合を維持するものとすることができる。なお、栽培した植物が枯れたり植物を変更したりする場合に、植物生育用マットを交換する際、結合体が分解していれば交換が容易である。また例えば、上下に連通した状態の互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に、挿入して硬化するこにより植物生育用マットと支持体とを上下に結合させる充填接着剤、好ましくは硬化状態において弾力性を有する充填接着剤を結合体とすることもできる。
【0052】
また本発明における植物栽培具は、位置決め用のマット側凹部および/またはマット側凸部を植物生育用マットの下面側に有し、前記マット側凹部に嵌合する位置決め用の支持体側凸部および/または前記マット側凸部に嵌合する位置決め用の支持体側凹部を支持体における支持部の上面側に有するものとすることができる。支持体における支持部上に植物生育用マットを積層して互いに対応するマット側凹部と支持体側凸部および/またはマット側凸部と支持体側凹部を嵌合させることにより、植物生育用マットを支持体における支持部上に水平方向に位置決めして、互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔が上下に連通した状態とすることができる。このようにして上下に連通したマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に結合体を挿入することにより、位置決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い得る。
【0053】
更に、上記支持体側凸部は、上記支持体結合用孔の外周部が支持体における支持部の上面から上方に突出するよう形成されてなるものであり、上記マット側凹部が上記マット結合用貫通孔であるものが好ましい。支持体における支持部上に植物生育用マットを積層して互いに対応するマット側凹部に支持体側凸部を嵌合させることにより、植物生育用マットを支持体における支持部上に水平方向に位置決めし、互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔が上下に連通した状態とすることができ、その上下に連通したマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に結合体を挿入することにより、位置決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い得る。支持体側凸部を、支持体結合用孔の外周部が支持体における支持部の上面から上方に突出するよう形成したものとすることにより、マット側凹部と支持体側凸部を別に設ける必要がなくなる。
【0054】
以上の実施の形態についての記述における上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜のためのものであって、実際の使用状態等を限定するものではない。また以上の実施の形態についての記述における構成部品の寸法、個数、材質、形状、その相対配置などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】要部分解斜視図である。
【図2】要部拡大断面組立図である。
【図3】要部拡大断面図である。
【図4】別の例の要部拡大断面図である。
【図5】結合体の斜視図である。
【図6】長脚結合体の斜視図である。
【図7】支持体の平面概略図である。
【図8】植物生育用マットの平面概略図である。
【図9】植物栽培具の平面概略図である。
【図10】植物栽培具連結体の要部平面図である。
【符号の説明】
【0056】
20 植物生育用マット
28 マット結合用貫通孔
30 支持体
32 支持部
34 透孔
35 支持体側凸部
36 支柱部
38 空間形成部
39 支持体結合用孔
39a 拡径部
40 結合体
40a 大径平頭部
40b 脚部
40c 抜止尖頭部
40d ストッパ部
40e 連通孔
41 長脚結合体
41a 大径平頭部
41b 脚部
41c 抜止尖頭部
41d ストッパ部
41e 連通孔
B 載置面接着用部材
B1 接着剤保持凹部
B2 結合用環状部
B3 縮径部
B4 結合用孔
C 載置面
J 植物栽培具連結体
L 連結具
L1 連結腕
L2 連結板
L3 保持片
L31 爪部
L4 貫通孔
LA 周縁部用連結具
M 植物栽培具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の植物栽培具が隣接連結されてなる植物栽培具連結体であって、
前記複数の植物栽培具は、それぞれ、すのこ状部を備えた支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に植物生育用マットが積層した状態でその支持体と植物生育用マットが結合体により結合されてなるものであり、且つ、
前記複数の植物栽培具は、隣接する各植物栽培具の結合体同士が、各植物生育用マットの上側から連結具により連結されていることを特徴とする植物栽培具連結体。
【請求項2】
上記植物生育用マットに、その厚さ方向のマット結合用貫通孔を有し、そのマット結合用貫通孔に上記結合体が挿通されている請求項1記載の植物栽培具連結体。
【請求項3】
上記支持体と結合体と連結具が別部材であり、上記マット結合用貫通孔内に結合体が挿入され、その結合体の上端部が植物生育用マットの上側に位置する状態で支持体と植物生育用マットが結合されており、
隣接する各植物栽培具における前記結合体の上端部同士が、各植物生育用マットの上側から連結具により連結されている請求項2記載の植物栽培具連結体。
【請求項4】
下方に開口する接着剤保持凹部を備えた載置面接着用部材を有し、
その載置面接着用部材は、支持体が載置面上で載置された状態において前記接着剤保持凹部を囲繞する外周側部分の下端部が載置面に接し得るように、支持体及び植物生育用マットと共に結合体により結合されるものであり、
その結合体は、上下開口の連通孔を有し、載置面接着用部材と支持体と植物生育用マットを結合体により結合した状態において、前記連通孔の上部開口からその連通孔を介して接着剤を前記接着剤保持凹部に導き得るものである請求項1、2又は3記載の植物栽培具連結体。
【請求項5】
上記支持体におけるすのこ状部が、上記植物生育用マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る上方開口の透孔を上記支持部のほぼ全上面部にわたり有すると共に、前記支持部の下方に空間形成部を有し、
その空間形成部は、前記支持体を載置面上に載置した状態において、前記透孔を通じて支持部の下方に伸びた植物の根が張ることができ、支持体の側方外部との間に空気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口するものである請求項1乃至4の何れかに記載の植物栽培具連結体。
【請求項6】
複数の植物栽培具を隣接連結して植物栽培具連結体を形成するための植物栽培具連結体形成材であって、
すのこ状部を備えた支持体と、植物生育用マットと、前記支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に植物生育用マットが積層した状態でその支持体と植物生育用マットを結合して前記植物栽培具を形成するための結合体と、複数の植物栽培具を隣接させた状態で、隣接する各植物栽培具の結合体同士を、各植物生育用マットの上側から連結するための連結具を備えることを特徴とする植物栽培具連結体形成材。
【請求項7】
複数の植物栽培具を隣接連結して植物栽培具連結体を形成する方法であって、
すのこ状部を備えた支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に植物生育用マットを積層させた状態でその支持体と植物生育用マットを結合体により結合させて前記植物栽培具を形成し、複数の植物栽培具を隣接させた状態で、隣接する各植物栽培具の結合体同士を、各植物生育用マットの上側から連結具により連結することを特徴とする植物栽培具連結体形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−312605(P2007−312605A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142353(P2006−142353)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(301050555)アースコンシャス株式会社 (6)
【出願人】(000178583)山崎産業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】