説明

植物活性液

【課題】十分な量の沃素に加えて海草のミネラルに糖が加った栄養素を有するため、植物のホルモン分泌が旺盛になるとともに、十分な栄養摂取によって植物活性化の効果を驚異的に高めることが可能な植物活性剤を提供すること。
【解決手段】海草を成分の煮出しに必要な量の水で煮沸して煮出液を取り、この煮出液に重量比で1/40〜1/60の沃素を混合し、該混合液へ重量比で1/2〜1/4の糖を溶入させて原液を調製し、この原液を適当に稀釈して植物へ施用すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物に施用して植物を活性化させる植物活性化液に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物活性剤として、月桃精油から得られた精油を、海草分などのゲル化剤と混合してゲル状に形成して、この活性化剤を土壌に施用して根から吸収させることにより植物の活性化を図ろうとするものは知られている。(例えば特許文献参照)
【特許文献1】特開2000−7515号公報(第2頁)
【0003】
しかしながら、上記植物活性剤は、沃素の含有量が極微小であって、糖を含有していないため、ミネラル、クロレラエキス、ビタミン等を補足しても、ホルモンの分泌を促進することはできないので、植物を活性化する効果に乏しい問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点を解消し、十分な量の沃素に加えて海草のミネラルに糖が加わった栄養素を有するため、植物のホルモン分泌が旺盛になるとともに、十分な栄養摂取によって植物活性化の効果を驚異的に高めることが可能な植物活性剤を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解消するため、下記の構成を採用することを特徴とする。
海草を成分の煮出しに必要な量の水で煮沸して煮出液を取り、この煮出液に重量比で1/40〜1/60の沃素を混合し、該混合液へ重量比で1/2〜1/4の糖を溶入させて原液を調製し、この原液を300〜800倍に稀釈して植物へ施用すること。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の効果 海草の煮出液に沃素と糖を加えて原液を調整し、この原液を適度に稀
釈して植物に施用する植物活性液は、十分な量の沃素を有するため植物のホルモン分泌が
旺盛に行なわれるとともに、マグネシウム、カリウム等のミネラル成分に糖が加わった成
熟に必要な栄養素が豊富に供給されるので、光合成も助長されて植物は最適の生育環境を
得ることになり、徒長することなく速やかに成熟を遂げるので、収穫される作物の品位が
著しく向上して、収穫量も大幅に増加されるものであって、しかも、沃素の強い酸化力で
通常は3年間は残留するといわれる農薬が1年で殆ど認められない状態にすることが可能
であり、また、日照不足で作物が凶作のとき、干ばつで凶作のときも、その影響が殆どな
くて平年並みの収穫を確実に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明に係る植物活性液の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0008】
本発明に係る植物活性液は、海草を煮沸して煮出液を取り、この煮出液に沃素を混合し
て、この混合液へ更に糖を溶入させて原液を調製する。そして、この原液を作物に応じて適当に稀釈して植物へ施用して植物を活性化するものである。
【0009】
この植物活性液の主原料となる海草は、総ての海草を利用することができるが、かじめ
、昆布が好ましく、これ等の食用には適さない根の部分を利用することが経済的である。例えば、かじめを用いる場合、かじめとその重量の300倍〜600倍の水を釜等に入れて煮沸する。そして、水が沸騰したら釜の加熱を止めて蒸らしを行い、海草の成分が湯中へ十分に溶出したら、海草を湯中より引き上げると釜にはかじめの煮出液が残る。尚、この煮出しに際して、水に重曹等を加えてアルカリ水にすると煮出し効果が高まって好ましい。
【0010】
上記したかじめの釜よりの引き上げは、かじめを網へ収容して釜にいれて煮沸を行い、成分が煮出されたら網を釜より引き上げるようにすれば、かじめを残さず釜から取り出す操作を速やかに行うことができる。
【0011】
海草の煮出液が取れたら、この煮出液が冷めないうちに沃素を加える。この沃素を加える量は、重量比で煮出液の1/40〜1/60とし、この量の沃素が煮出液へ混合した煮出液と沃素との混合液を得る。
【0012】
混合液が得られたら、この混合液へ糖を加えるものであって、糖は価格面から砂糖が適当であるが、砂糖に限定されるものではなく、他の糖を用いても差し支えない。例えば、砂糖の場合は、重量比で混合液の1/2〜1/4を加えてよく攪拌することにより、混合液へ溶け込ませて原液を調製する。
【0013】
原液が調製されたら、この原液を稀釈して植物へ施用するものであり、稀釈する濃度は作物に応じて300倍〜800倍にして施用液を作る。この施用液を施用するには、植物の葉面へ噴霧器等を用いて散布するものであって、散布された液は一部は葉面へはかからずに土壌へ落ちて土壌へ吸収される。
【0014】
施用液を葉面へ散布する時期的な条件は、植物には生育の休止期があるので、この休止期に散布することが効果的であり、例えば、果樹類の場合は、発芽したとき1回、果実がある程度成長したとき1回、その1週間後に1回散布し、野菜類の場合は、草勢が衰えたとき、一週間以内に1日1回ずつ3回〜5回散布することが好ましく。1日中の施用適期は夕方である。
【0015】
以下に本発明の植物活性液を施用した実験例を示す。
【0016】
(実験例1)
山梨県東八代郡の某農家で、桃畠と葡萄畠にそれぞれ実験区域を設けて、この実験区域では、発芽したとき1回、着果してある程度成長したとき1回、その一週間後に1回、植物活性液の原液を500倍に稀釈した施用液を葉面へ散布した。そして、桃と葡萄の収穫期に一般のものと、実験区域のものを5個ずつ取って、糖度の測定比較を行なった。その結果、実験区域外の桃の平均糖度は14度、葡萄の平均糖度は15度であったが、実験区域の桃の平均糖度は18度、葡萄の平均糖度は19度であって、何れも4度という高い糖度の増加を示した。
【0017】
(実験例2)
三重県の四日市市の某農家で、茶樹へ芽吹いたとき1回、芽が繁ってきたとき1回、収穫の1週間前に1回、植物活性液の原液を500倍に稀釈した施用液を葉面へ散布した。そして、収穫期に茶葉を収穫して収量を計ると、800Kgあって例年の収量400Kgに比べて2倍の収量増加が認められた。
【0018】
(実験例3)
奈良県の当麻町の某農家で、田植えをする前の苗へ1回、植え付けた苗が分けつする頃に1回、花が散った頃に1回、稲へ植物活性液の原液を500倍に稀釈した施用液を葉面散布した。そして、収穫期に収穫をした結果、日照不足による凶作年であるため、近隣の農家は軒並み2〜3俵の減収を訴えたが、この農家は昨年の収量が7俵であったのに対して9俵と2俵増加していて日照不足の影響を受けないことが実証された。
【0019】
(実験例4)
岡山県の上房郡の某農家で、続けてきた農薬使用栽培を無農薬栽培に切り替えた年に、田植えをする前の苗へ1回、植え付けた苗が分けつする頃に1回、花が散った頃に1回、稲に植物活性液の原液を500倍に稀釈した施用液を葉面散布した。そして、収穫期に収穫をし、残留農薬の検査を受けた結果、残留農薬の痕跡すら認められないので、検査官より10年以上無農薬栽培を続けた田の米と同じであるというと評価を得た。
【産業上の利用可能性】
【0020】
各種農作物の栽培において植物を活性化することにより収穫する作物の品位と収量と安
全性を高めるのに利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海草を成分の煮出しに必要な量の水で煮沸して煮出液を取り、この煮出液に重量比で1/40〜1/60の沃素を混合し、該混合液へ重量比で1/2〜1/4の糖を溶入させて原液を調製し、この原液を300〜800倍に稀釈して植物へ施用する
ことを特徴とした植物活性液。

【公開番号】特開2006−28121(P2006−28121A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211607(P2004−211607)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(304004328)
【出願人】(503446084)
【Fターム(参考)】