説明

植物用抗菌剤

【課題】主として針葉樹葉から得られる含酸素セスキテルペン類を有効成分としてなる植物用抗菌剤の開発。
【解決手段】各種針葉樹葉から分離した成分には植物病原菌に対する抗菌性成分が脂溶性部分にあり、脂溶性部分の中でも更に極性の低い部分に集中していることに着目し、この極性の低い部分に含まれる含酸素セスキテルペンであるα−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの3種の化合物を有効成分とする抗菌剤により、数種類の植物病原菌に対して強い抗菌力を持つことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として針葉樹葉に含まれる植物病原菌に対する抗菌物質を含有する植物用抗菌剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
針葉樹葉は時に魚介類と一緒に用いたりして、食品に対する抗菌力を期待されて経験的に使われている。針葉樹葉の抗菌性に関するものが特許出願されているが、樹皮を粉砕してそのまま素材に練りこむ方法で用いるもの(特許文献1参照)であって、抗菌成分には言及していない。一方、α−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールを含む精油を利用したものが特許出願されているが、それらは殺ダニ剤(特許文献2参照)、忌避剤(特許文献3参照)に関する特許であり、上記含酸素セスキテルペン類の植物病原菌に対する抗菌性については触れていない。また、刊行物(非特許文献1)には針葉樹葉ではなく針葉樹材に含まれるセスキテルペン類の抗菌性について一部記載があるが、α−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの3種の含酸素セスキテルペン類の抗菌性についての記述はない。更に植物病原菌に対する抗菌性の記載もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−62349号公報
【特許文献2】特開平6−239714号公報
【特許文献3】特開2008−120782号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】木材保存Vol.28−6(2002)P.224−235
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
伐採・製材工程で大量に破棄されている主には針葉樹葉成分を用いて、天然成分で効果の強い植物抗菌剤を得ること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、各種針葉樹葉から分離した成分には植物病原菌に対する抗菌性成分が脂溶性部分にあり、脂溶性部分の中でも更に極性の低い部分に集中していることに着目し、この極性の低い部分に含まれる含酸素セスキテルペンであるα−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの3種の化合物を有効成分とする抗菌剤により、数種類の植物病原菌に対して強い抗菌力を持つことを特徴とするものである。上記化合物の抽出原料としては針葉樹葉に限定されるものではなく、上記化合物を含む植物であれば利用可能である
【0007】
特に作用の強かった植物病原菌は、Phytophthora infestans(ジャガイモ・トマト疫病菌)、Pseudoperonospora cubensis(キュウリべと病)、Botorytis cinerea(灰色カビ病菌)であるが、抗菌作用はこれら病原菌に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、主として針葉樹葉より得られる含酸素セスキテルペン混合物、α−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールを使い、効果の強い植物抗菌剤を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の植物用抗菌剤は主に針葉樹葉の脂溶性部分、その中に含まれる更に極性の低い部分から得られる含酸素セスキテルペン類を有効成分として含有する物である。以下に針葉樹葉としてヒノキ葉から含酸素セスキテルペンを取り出す方法について説明する。
【0010】
先ずヒノキ葉を乾燥し、適当な大きさに粉砕し、常圧下あるいは減圧下で水蒸気蒸留を行い精油成分を得る。また、異なる方法として、溶媒抽出を行い数回の液液分配を経て精油等を主成分とする分画を得る。上記した精油及び精油等を主成分とする分画をシリカゲル、もしくは中性アルミナを用いたカラムで分離し、目的の含酸素セスキテルペン3種を得る。また、含酸素セスキテルペン単体の分離手段として分取液体クロマトグラフィーを用いてもよい。
【0011】
以下に実施例を挙げて本発明について説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
第1の実施例として、乾燥ヒノキ葉100g(生葉換算400g)を粉砕し、含水メタノール(水15%を含む)1500mLで1時間還流・抽出を行い、ろ過して抽出液を得てこの抽出液をエバポレータで溶媒を留去し、約200mLに濃縮した。次にこの濃縮液200mLを酢酸エチル400mLで2回抽出し、酢酸エチルをエバポレータを用いて留去して油状物8.1gを得た。得られた油状物8.1gを取りシリカゲル(200mesh)200gを充填したカラムにのせn−ヘキサン(500mL)、酢酸エチル(500mL)を用いて順次溶出をした。TLCでチェックをしながら分画の一部からα−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの3種類のセスキテルペンを成分とする分画1.15gを得た。
【0013】
第2の実施例として、更に上記3種の化合物を単離すべく分画物0.5gを液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけた。HPLCの使用条件;機種 TOSOH、 カラムYMC−Pack、溶媒 含水メタノール(水15%)。数度に分けて分取した結果、収量はエルモール0.053g、α−オイデスモール0.301g、β−オイデスモール0.090gであった。
【0014】
第3の実施例として、乾燥ヒノキ葉100g(生葉換算400g)を用いて水蒸気蒸留を常圧下で60分実施し精油成分3.2gを得た。
【0015】
第4の実施例として、得られた精油3.2gをシリカゲル(300mesh)200gを充填したカラムにのせn−ヘキサン(600mL)、エチルエーテル(600mL)を用いて順次溶出した。分画について液体クロマトグラフィーでチェックしたところ、含酸素セスキテルペンのそれぞれを主成分とする分画が得られた。収量はアルファーオイデスモール0.83g、ベーターオイデスモール0.26g、エレモール0.19gであった。
【0016】
試験例1:α−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの抗菌作用の測定(in vitro)
(1)供試病原菌
・Botorytis cinerea(灰色カビ病菌)
【0017】
(2)試験方法
病原菌の調整
罹病トマトの被害部を滅菌水で十分に洗浄し、5mm四方に切断し70%エタノールで数秒間、直ちに3%次亜塩素酸ナトリウム液で2分間表面殺菌を行い、最後に滅菌水でその組織片を洗浄した。次いで300ppmのストレプトマイシン硫酸塩を含むPDA培地に、その組織片を静置した。20℃で4日間培養して生育した菌糸をすぐに新鮮PDA培地に移植して灰色カビ病菌を23℃で培養した。
【0018】
上記の操作を何度か繰り返して単離操作を行い、菌糸の先端がシャーレの壁面から1cmくらいまで生育した時、BLB照射を行った。BLB照射は、シャーレの蓋を閉めたままで光源から30〜40cm下に並べて3日間静置した。照射の後、23℃のインキュベータ内で培養して、胞子形成をさせた。
【0019】
ペーパーディスク法による検定
胞子濃度106〜107個/mLに調整した胞子懸濁PS液50μLをPSA培地の中央に滴下した。その上に、抗生物質検定用のペーパーディスク(ADVANTEC)を接着させた。その上に、実施例1の方法で得た3種類の含酸素セスキテルペン混合物、そして実施例2の方法で得た3つの成分を微量の界面活性剤を用いて可溶化後、蒸留水で適宜希釈して滴下した。その後、シャーレの蓋をして湿度を保ち、23℃で2〜3日間培養した。
培養後、発病度(阻止円の大きさ(cm2))を計測した。
【0020】
(3)結果
ペーパーディスク法による検定結果を表1に示した。
α−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの抗菌作用
【表1】

*1:実施例1の方法で得られた混合物
結果として、3種混合物が単一の成分よりも防除効果は高かった。また、 5μg/mLの濃度では培養3日目にはプレートの8割に灰白色の菌叢がみられ灰色カビ病菌が蔓延したが、50μg/mLでは7割程度の発病抑制効果が確認された。
【0021】
試験例2:ジャガイモの疫病菌、キュウリべと病菌に対する抗菌作用の測定(リーフディスク法)
(1)供試作物
・ジャガイモ(Solnum tuberosum L.) 品種:キタアカリ
・キュウリ(Cucumis satirus L.) 品種:ときわ
【0022】
(2)供試病原菌
・ Phytophthora属 Phytophthora infestans(ジャガイモ疫病菌)
・ Pseudoperonospora属 Pseudoperonospora cubensis(キュウリべと病菌)
【0023】
(3)試験方法
接種源の調製
a)疫病菌の調製
ジャガイモの罹病葉を湿らせたろ紙を敷いた大型シャーレ内(直経9cmに入れ、15〜17℃、暗所で5〜7時間インキュベートし、遊走子嚢を形成させた。この遊走子嚢を白金耳で軽く掻き取り、1.5mL容マイクロチューブに1.5mLの滅菌蒸留水を入れて、懸濁した。遊走子嚢の濃度を104〜105個/mLに調整し、5℃で2〜3時間インキュベートし、遊走子を放出させた。
【0024】
b)べと病菌の調製
キュウリの罹病葉の葉裏を上にして、湿らせたろ紙を敷いた大型シャーレ内(直径9cm)に入れ、20℃、2000〜4000Lux、12時間照明下に保持する。2日後に遊走子嚢が形成されたのを確認し、白金耳で軽く掻きとり、1.5mL容マイクロチューブに1mL滅菌蒸留水と共に懸濁した。遊走子嚢の濃度は、104〜105個/mLに調整した。
【0025】
供試植物の調整
・疫病フリーの感受性ジャガイモの新鮮な若葉を用いた。
・コルクボーラーで直径15mmのディスクを打ち抜いて、試験に供した。
・ベと病フリーの感受性キュウリの新鮮な若葉を用いた。
【0026】
含酸素セスキテルペン混合物の調整
実施例1の方法で得られた3種類の含酸素セスキテルペン混合物を成分とする分画を用いた。微量の活性剤を使用し、可溶化後500μg/mL、50μg/mL、5μg/mLの濃度に蒸留水で希釈して用いた。
【0027】
(4)検定方法(リーフディスク法)
含酸素セスキテルペン混合物に対するポジティブコントロールとして、ベンチアバリカルブイソプロピル(単剤:マモロット顆粒水和剤)を使用し、この薬剤をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、調整した。この時、溶媒の終濃度は1%以下になるようにした。
【0028】
このベンチアバリカルブイソプロピルを滅菌蒸留水で希釈して0、0.01、0.03、0.1、0.3ppmに調製し、疫病フリーのジャガイモ苗及びべと病菌フリーのキュウリ苗(本葉2葉期)に噴霧した。風乾後、新鮮な若葉からコルクボーラーで直径15mmのリーフディスクを作製し、直径9cmのシャーレに予め滅菌蒸留水4mLで湿らせたろ紙に、各シャーレにつき10枚ずつ葉裏を上にして静置した。
【0029】
各リーフディスクに調製した遊走子嚢懸濁液を10μLずつ点滴接種し、20℃で7日間(4000Luxで12時間照射)にてインキュベートした。
【0030】
上記「含酸素セスキテルペン混合物の調整」で調整した各濃度の含酸素セスキテルペン混合物を直径9cmのシャーレ3枚に10mLずつ分注し、この抽出液の上にリーフディスクを葉裏が上になるように5枚ずつ(計15枚/濃度)浮かべた。
そして、ジャガイモ疫病菌及びキュウリべと病菌の遊走子嚢懸濁液10μLをマイクロピペットにて各リーフディスクの葉脈間に滴下した。シャーレの蓋をして、17℃、16時間照射条件にて7日間培養を行った。
【0031】
(5)調査と判定
各リーフディスクの発病程度を以下の指数で調査し、EC50(50%阻止濃度)及びMIC(最小生育阻止濃度)値を求めた。
・発病指数⇒0:無病徴または小黒点のみ、1:壊死、2:リーフディスク上で遊走子嚢形成面積が5%未満、3:5〜20%、4:20〜50%、5:>50%
・発病度=(N1+2N2+3N3+4N4+5N5)×100/(調査総数×5)
【0032】
(6)病菌・べと病菌に対する結果
各防除剤の発病抑制率(%)の結果
【表2】

表2に示したように含酸素セスキテルペン混合物は2種類の植物病原菌に対して、50μg/mLでも効果を示している。
ポジティブコントロールとして供試したベンチアバリカルブイソプロピルと含酸素セスキテルペン混合物の防除効果を比較すると、やや含酸素セスキテルペン混合物の効果は劣るものの、散布回数や濃度調製を検討すれば、ベンチアバリカルブイソプロピルと同等の効果が得られると考えられた。従って、この結果を踏まえて圃場での散布試験を行った(後述)。
【0033】
試験例3:ポット苗を利用した抗菌作用評価試験
(1)供試作物
・イチゴ(Fragaria) 品種:エラン
(2)供試病原菌
・Botorytis cinerea(灰色カビ病菌)
【0034】
(3)試料調整
Botorytis cinereaに罹病したイチゴ果実5個を取り粉砕後1Lの滅菌水に懸濁し、ろ過した溶液を健全なイチゴに噴霧し、菌に感染した状態のイチゴ株を作り実験に供した。これらの株を4群にわけ、それぞれの群に水、<実施例1>含酸素セスキテルペン混合物の50μg/mL希釈液、<実施例2>含酸素セスキテルペン混合物5μg/mL希釈液、農薬(アミスターフロアブル20)1500倍希釈の散布を行い、経時的に観察を実施した。観察はBotorytis cinerea懸濁液散布後4日目と11日目に罹病しているイチゴ果実の数を調べた。
【0035】
(4)結果
散布試験結果
【表3】

表3に示したように、<実施例2>の50μg/mL希釈液、<実施例2>の5μg/mL希釈液はBotorytis cinereaに対して、50μg/mL希釈液でも農薬(アミスタ-フロアブル20)1500倍液に対し同等以上の効果が測定できた。
【0036】
試験例4:イチゴの灰色カビ病菌及びジャガイモ、トマト疫病菌に対する圃場での抗菌作用試験
【0037】
(1)供試作物
・イチゴ(Fragaria) 品種:エラン
・ジャガイモ(Solnum tuberosum L.) 品種:キタアカリ
・トマト(Lypcopersicum esculentu)品種:ホーム桃太郎
【0038】
(2)供試病原菌
・Botorytis属 Botorytis cinerea
(灰色カビ病菌)
・Phytophthora属 Phytophthora i
・nfestans (ジャガイモ、トマト疫病菌)
【0039】
(3)試料調整
接種源の調製(供試菌株)
a)Botorytis cinerea (灰色カビ病菌)
Botorytis cinereaに罹病したイチゴ果実5個を採取して粉砕後1Lの滅菌水に懸濁し、ガーゼでろ過をした。その後、菌液の濃度を分光光度計にて測定し、1×105〜106個/mLの濃度になるように適宜滅菌水にて調整した。
b)Phytophthora infestans(ジャガイモ、トマト疫病菌)
ジャガイモ及びトマトの罹病葉を湿らせたろ紙を敷いた大型シャーレに別々に入れ、15〜17℃、暗所で5〜7時間インキュベートし、遊走子嚢を形成させた。この遊走子嚢を白金耳で軽く掻き取り、1.5mL容マイクロチューブに1mLの滅菌蒸留水を入れて、懸濁した。遊走子嚢の濃度を105〜106個/mLに調整し、5℃で2〜3時間インキュベートし、遊走子を放出させた。
*上記のイチゴ、ジャガイモ、トマト3種類の菌懸濁液を5mL/株の割合でそれぞれの作物の株全体に噴霧接種した。
【0040】
散布剤の調整
含酸素セスキテルペン混合物は<実施例2>の方法で得たものを使用した。微量の活性剤を使用し、可溶化後に含酸素セスキテルペン混合物を500μg/mL、50μg/mL、5μg/mLの濃度に蒸留水で希釈して用いた。
【0041】
(4)試験方法
栽培条件
・試験圃場:(株)アイエイアイ 尾羽圃場(北緯35度3分10秒、東経138度29分36秒)
イチゴハウス(丸屋根型、閉鎖系ビニル温室、天窓全開、養液土耕高設栽培)
トマト畑(雨よけ、黒マルチ)
ジャガイモ畑(黒マルチ)
*各作物の栽培方法、作付体系については標準的な方法に従って行った。
【0042】
試験区
a)イチゴ
1区:25株、3反復にて行った。
含酸素セスキテルペン混合物500μg/mL、50μg/mL、5μg/mL、ネガティブコントロール区(水)、ポジティブコントロール区(アミスターフロアブル20:1500倍希釈)
b)ジャガイモ
1区:10株 3反復にて行った。
含酸素セスキテルペン混合物を500μg/mL、50μg/mL、5μg/mL、ネガティブコントロール区(水)、ポジティブコントロール区(ベンチアバリカルブイソプロピル:2000倍希釈)
c)トマト
1区:10株 3反復にて行った。
含酸素セスキテルペン混合物を500μg/mL、50μg/mL、5μg/mL、ネガティブコントロール区(水)、ポジティブコントロール区(ベンチアバリカルブイソプロピル:2000倍希釈)
【0043】
(5)結果
各防除剤の発病抑制率(%)の結果
【表4】

−:対照となる化学農薬ではない為、試験なし
表4に示したように、含酸素セスキテルペン混合物の50μg/mL、5μg/mLはイチゴの灰色カビ病菌(Botorytis cinerea)に対してアミスターフロアブル20と同等、ジャガイモ・トマトの疫病菌( Phytophthora infestans)に対してベンチアバリカルブイソプロピルと同等の防除効果がみられた。これらの結果より含酸素セスキテルペン混合物の至適散布濃度は50μg/mL〜5μg/mLであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含酸素セスキテルペン類、即ちα−オイデスモール、β−オイデスモール、エレモールの3種を任意の比率で含む植物抗菌剤


【公開番号】特開2012−102022(P2012−102022A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249138(P2010−249138)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(391008515)株式会社アイエイアイ (107)
【Fターム(参考)】