説明

植物病害の予防方法

【課題】(RS)−N−[2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名ペンチオピラド)を有効成分として含有する組成物を植物種子に適用することを特徴とする、各種作物の複数の病原菌に対する予防方法を提供し、かつ現在顕在化している耐性菌に対する予防方法を提供する。
【解決手段】ペンチオピラドを含有する組成物を植物種子に接触することを特徴とする植物病害の予防方法。
【効果】各種作物の複数の病原菌に対して予防効果を示し、かつ現在顕在化している耐性菌に対しても予防効果を示す植物病害の方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は(RS)−N−[2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名ペンチオピラド)を有効成分として含有する組成物を植物種子に適用して植物病害を予防する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペンチオピラドは殺菌性化合物として種子消毒、茎葉散布処理などの施用方法でイネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、斑葉病(Pyrenophora graminea)、雪腐病(Typhula sp,)、裸黒穂病(Ustilago tritici)、ブドウのうどんこ病(Uncinula necator)、リンゴのうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、ウリ類のうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)などに効果を示すことが特開平9−235282号公報に記載されているが、植物種子への吹き付け処理、塗沫処理、浸漬処理または粉衣処理などの適用方法にて病害を予防することを示す記載はなされていない。
【0003】
また、従来植物種子に適用することで植物病害を予防する薬剤としては、ベノミル剤、チオファネートメチル剤、プロクロラズ剤、ペフラゾエート剤などがあり、それらは種子への吹き付け処理、塗沫処理、浸漬処理または粉衣処理などで効果を発揮することが知られている。しかし、これらの剤のうち、ベノミル剤やチオファネートメチル剤においてはイネいもち病菌やごま葉枯病菌などの一部の病原菌には防除効果が低下していることが報告されている。プロクロラズ剤は種子処理において、イネいもち病、ごま葉枯病、ばか苗病、チューリップ球根腐敗病、ラッキョウ乾腐病に適用があるものの、その他の病害を予防できるという報告はない。同様に、ペフラゾエート剤は種子処理において、イネいもち病、ごま葉枯病、ばか苗病、コムギ紅色雪腐病、チューリップ球根腐敗病に適用があるものの、その他の病害を予防できるという報告はない。
【特許文献1】特開平9−235282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、各種植物の病原菌に対して複数の病害スペクトラムを有し、かつ現在顕在化している耐性菌に対しても効果を示す、新しい植物の病害を予防する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らはかかる状況を鑑み鋭意検討した結果、ペンチオピラドを有効成分とする組成物が、低薬量で複数の病害に高い予防効果を示し、かつ上記耐性菌に対しても安定した予防効果を示す方法を見出し、本発明に至った。
【0006】
即ち本発明はペンチオピラドを有効成分とすることを特徴とする植物の病害を予防する新しい方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のペンチオピラドを有効成分とする組成物による予防方法は、植物に発生する病害に対し高い予防効果を発揮すると共に、既存の組成物に対する耐性菌に対しても安定した予防効果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のペンチオピラドを有効成分とする組成物の植物種子への吹き付け処理、塗沫処理、浸漬処理または粉衣処理などは、植物に発生する病害を予防することができる。
【0009】
防除することができる病害の具体例としては、イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ムギ類の斑葉病(Pyrenophora graminiea)、裸黒穂病(Ustilago nuda、Ustilago tritici、Ustilago nigra、Ustilago avenae)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries、Tilletia pancicii)、堅黒穂病(Ustilago hordei、Ustilago kolleli)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Lepttosphaeria nodorum)、紅色雪腐病(Microdochium nivale),赤かび病(Fusarium graminearum、Fusarium culmorum、Fusarium avenaceum、Microdochium nivale)、黒目粒(Helminthosporium sativum)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、条斑病(Cephalosporium gramineum)、網斑病(Dreschlera teres)、トウモロコシの黒穂病(Ustilago mydis)、豆類の苗立枯病(Rhizoctionia solani)、菌核病(Sclerothinia sclerotorium)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、リゾクトニア根腐病(Rhizoctonia solani)、テンサイの根腐病(Rhizotconia solani)、アブラナの根朽病(Leptospheria maculans)、黒斑病(Alternaria brassicae)、トマト、キュウリ、ダイコン、スイカ、ナス、ピーマン、ホウレンソウなど各種野菜の苗立枯病(Rhizoctonia solani)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
本発明が適用できる植物種子とは、幼植物が発芽するための栄養分を蓄え農業上繁殖に用いられるものをいう。例えば、トウモロコシ、大豆、綿、稲、サトウダイコン、小麦、大麦、ヒマワリ、トマト、キュウリ、ナス、ホウレンソウ、サヤエンドウ、カボチャ、サトウキビ、タバコ、ピーマンおよびセイヨウアブラナなどの種子やサトイモ、ジャガイモ、サツマイモ、コンニャクなどの種芋、食用ゆり、チューリップなどの球根やラッキョウなどの種球などが挙げられる。これらの植物種子は形質転換を受けたものでもよい。形質転換植物とは、遺伝子等を人工的に操作することにより生み出された植物であり自然界に元来存在するものではないものをいう。例えば、除草剤耐性を付与した大豆、トウモロコシ、綿など、寒冷地適応したイネ、タバコなど、殺虫物質生産能を付与したトウモロコシ、綿、バレイショなどが挙げられる。
【0011】
本発明のペンチオピラドはそのまま使用することも可能であるが、通常は担体と混合して用いられ、必要に応じて界面活性剤、湿潤剤、固着剤、増粘剤、防腐剤、着色剤、安定剤等の製剤用補助剤を添加して、水和剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、粉剤、乳剤等一般的に知られた方法によって適時製剤化して用いられる。これらの製剤中の有効成分としてペンチオピラドの含有量は、通常重量比で0.01〜99%、好ましくは0.1〜70%の範囲である。
【0012】
上記製剤に使用される担体としては、通常農薬製剤に使用されるものであるならば固体または液体のいずれでも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、固体担体としては、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリナイト、珪藻土、白土、タルク、クレー、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリカゲル、硫安等の無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉、乳糖、ショ糖、ぶどう糖等の植物性有機物質および尿素等が挙げられる。液体担体としては、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類およびナフテン類、n−パラフィン、iso−パラフィン、流動パラフィン、ケロシン、鉱油、ポリブテン等のパラフィン系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒および水等が挙げられる。
【0013】
更に本発明化合物の効力を増強するために、製剤の剤型、処理方法等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独に、または組み合わせて次のような補助剤を使用することもできる。補助剤として通常農薬製剤に乳化、分散、拡展、湿潤などの目的で使用される界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキルフェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、高級アルコールのポリオキシアルキレン付加物およびポリオキシエチレンエーテルおよびエステル方型シリコンおよびフッ素系界面活性剤などの非イオン性界面活性剤、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーサルフェート、パラフィンスルホネート、アルカンスルホネート、AOS、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、ジアルキルナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネートのホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、リグニンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステル、脂肪酸塩、N−メチル−脂肪酸サルコシネート、樹脂酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーホスフェート、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールイミン、アルキルホスフェート、トリポリ燐酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、アクリル酸とアクリロニトリル、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸から導かれるポリアニオン型高分子界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、メチルポリオキシエチレンアルキルアンモニウムクロライド、アルキルN−メチルピリジニウムブロマイド、モノメチル化アンモニウムクロライド、ジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、アルキルペンタメチルプロピレンアミンジクロライド、アルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドなどのカチオン性界面活性剤、ジアルキルジアミノエチルベンタイン、アルキルジメチルベンジルベンタインなどの両性界面活性剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0014】
結合剤としては、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、CMCナトリウム、ベントナイトなどがあげられる。崩壊剤としてCMCナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、安定剤としてはヒンダードフェノール系の酸化防止剤やベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤等があげられる。pH調整剤としてリン酸、酢酸、水酸化ナトリウムを用いたり、防菌防黴のために1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の工業用殺菌剤、防菌防黴剤等を添加することもできる。増粘剤としてはキサンタンガム、グアーガム、CMCナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、モンモリロナイトなどを使用することもできる。消泡剤としてシリコーン系化合物、凍結防止剤としてプロピレングリコール、エチレングリコール等を必要に応じて使用しても良い。
【0015】
本発明のペンチオピラドを有効成分とする組成物を植物種子に接触させる場合、そのまま植物種子を組成物に浸漬してもかまわない。また、使用する組成物を適当な担体に適当な濃度に希釈した後、植物種子に浸漬、粉衣、吹き付け、塗沫処理して用いることができる。適当な担体とは、水またはエタノールなどの有機溶媒の液体担体やベントナイト、モンモリロナイト、カオリナイト、珪藻土、白土、タルク、クレー、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリカゲル、硫安等の無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉、乳糖、ショ糖、ぶどう糖等の植物性有機物質および尿素等の固体担体が挙げられるが、特に限定されるものではない。粉衣・吹き付け・塗沫処理する場合の使用量は、通常、乾燥植物種子重量の0.05〜5%程度が適当であるが、このような使用量は、これら範囲の限定されるものではなく、製剤の形態や処理対象となる植物種子の種類により変わりうる。
【実施例】
【0016】
以下の実施例及び試験例で本発明を詳しく説明する。
実施例1 (粉剤)
ペンチオピラド5部及びクレー94.5部、ドリレスB(三共株式会社)0.5部を均一に混合粉砕し、有効成分5%を含有する粉剤を得た。
【0017】
実施例2 (水和剤)
ペンチオピラド50部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ホワイトカーボン5部及び珪藻土44部を混合粉砕して、有効成分50%を含有する水和剤を得た。
【0018】
実施例3 (フロアブル剤)
ペンチオピラド20部、プロピレングリコール5部、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル5部、ポリオキシエチレンジアリルエーテルスルフェート5部、シリコン系消泡剤0.2部、及び水64.8部をサンドグラインダーで湿式粉砕し、有効成分20%のフロアブル剤を得た。
【0019】
実施例4(乳剤)
ペンチオピラド10部、シクロヘキサン10部、キシレン60部、及びソルポール(東邦化学製界面活性剤)20部を均一に溶解混合し、有効成分10%を含有する乳剤を得た。
【0020】
実施例5 (顆粒水和剤)
ペンチオピラド20部、CMCナトリウム3部、アルキル硫酸エステル5部、クレー72部を均一に混合後、加水混練、造粒、乾燥、整粒を行い、有効成分20%を含有する顆粒水和剤を得た。
【0021】
試験例1 コムギなまぐさ黒穂病菌防除効果
コムギ種子(品種:農林61号)に対し、罹病穂から採取したコムギなまぐさ黒穂病胞子0.3%量をポリエチレン袋の中でよく混和し、病原菌を接種した。接種2日後、病原菌を接種した種子と実施例1で作成した粉剤または市販種子殺菌剤(トリフミン水和剤)を加えてよく混合し、粉衣処理した。処理翌日、10mの圃場2箇所に薬剤処理した種子と薬剤処理していない種子をそれぞれ150粒ずつ播種し生育させた。成熟期に、全ての穂について発病の有無を肉眼で調査し、下記計算式(数1)により発病穂率を算出した。また、薬害発生の有無も肉眼で調査した。結果を第1表(表1)に示す。
【0022】
【数1】

【0023】
【表1】

【0024】
試験例2 イネいもち病防除効果
実施例5で作成した顆粒水和剤の50倍、100倍、200倍希釈液または市販種子殺菌剤(トリフミン水和剤)300倍希釈液を自然感染したイネもみ(品種:コシヒカリ)にそれぞれ48時間浸漬処理した。浸種(15℃、3日間)、催芽(30℃、24時間)の後、プラスチック製ポットに、薬剤処理した種子と薬剤処理していない種子をそれぞれポット当たり100粒ずつ播種し、各区3反復にて温室内で生育させた。栽培20日後に、全ての苗について発病の有無を肉眼で調査し、下記計算式(数2)により発病苗率を算出した。また、薬害発生の有無も肉眼で調査した。結果を第2表(表2)に示す。
【0025】
【数2】

【0026】
【表2】

【0027】
試験例3 大豆リゾクトニア根腐病防除効果
実施例3で作成したフロアブル剤または市販種子殺菌剤(トリフミン水和剤)7.5倍希釈液をダイズ種子(品種:タチナガハ)に塗沫処理し、バットに広げて播種時まで風乾させた。また、フスマ培地にて、25℃、7日間培養したリゾクトニア菌培養物を粉砕した後、蒸気殺菌土壌と重量比で0.1%になるよう混合し、プラスチック製ポットに充填した。薬剤処理したダイズ種子、薬剤処理していないダイズ種子それぞれポット当たり5粒を計20ポットに播種し、温室内で生育させた。播種7日後に未出芽数を、また14日後に苗立枯数を肉眼にて調査し、下記計算式(数3)により苗立枯率を算出した。また、薬害の有無も肉眼にて調査した。結果を第3表(表3)に示す。
【0028】
【数3】

【0029】
【表3】

【0030】
試験例4 イネ馬鹿苗病防除効果
ベノミル耐性のイネ馬鹿苗病で汚染されたイネもみ(品種:短銀坊主)と実施例2で作成した水和剤またはベノミルを有効成分とする市販種子消毒剤(ベンレート水和剤)を加えてよく混合し粉衣処理した。浸種(15℃、3日間)、催芽(28℃、1日間)の後、プラスチック製ポットに、薬剤処理した種子と薬剤処理していない種子をそれぞれポット当たり100粒ずつ播種し、各区3反復にて温室内で生育させた。栽培20日後、全ての苗について発病の有無を肉眼にて調査し、下記計算式(数4)により発病苗率を算出した。また、薬害の有無も肉眼で調査した。結果を第4表(表4)に示す。
【0031】
【数4】

【0032】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(RS)−N−[2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名ペンチオピラド)を有効成分として含有する組成物を植物種子に適用することを特徴とする植物病害の予防方法。
【請求項2】
ペンチオピラドを含有する組成物を植物種子に接触させることを特徴とする植物病害の予防方法。
【請求項3】
植物種子への接触方法が、種子への吹き付け処理、塗沫処理、浸漬処理または、粉衣処理である請求項2記載の予防方法。
【請求項4】
植物種子が、トウモロコシ、大豆、綿、稲、サトウダイコン、小麦、大麦、ヒマワリ、トマト、キュウリ、ナス、ホウレンソウ、サヤエンドウ、カボチャ、サトウキビ、タバコ、ピーマンおよびセイヨウアブラナの種子、サトイモ、ジャガイモ、サツマイモ、コンニャクの種芋、食用ゆり、チューリップの球根である請求項1記載の方法。
【請求項5】
植物種子が形質転換された植物の種子である請求項4記載の方法。
【請求項6】
ペンチオピラドを含有する組成物を適用した植物種子。

【公開番号】特開2008−127335(P2008−127335A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314311(P2006−314311)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】