植物鉢
【課題】植物鉢を移動する際、植物鉢が変形する虞がなく、植え替え等の手入れが容易であり、さらに組み立ても容易である花瓶としても使用できる植物鉢を提供する。
【解決手段】この植物鉢は、鉢本体1を複数の縦方向の分割線13で切断することにより形成した複数個の分割片14、15と、複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具とを有する。固定具は、分割片のそれぞれの分割線に沿って複数設けた掛止部41a、41b、41c、42a、42b、42cと、隣り合う分割片の掛止部と係合し、分割線13を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具43a、43b、43cとを備える。
【解決手段】この植物鉢は、鉢本体1を複数の縦方向の分割線13で切断することにより形成した複数個の分割片14、15と、複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具とを有する。固定具は、分割片のそれぞれの分割線に沿って複数設けた掛止部41a、41b、41c、42a、42b、42cと、隣り合う分割片の掛止部と係合し、分割線13を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具43a、43b、43cとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花の器、植木鉢に使用できる植物鉢に係り、特に分割可能で組立も解体も容易な植物鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
観賞用の植物は、一定期間ごとに植え替え等の手入れをする必要がある。
【0003】
既存の植物鉢、たとえば、直径30cm程度の中型植木鉢で植物を植え替える場合、植物の種類によっては根が植木鉢の内壁面にへばり着くことがある。この場合、植物を植木鉢から引き抜くのに苦労するばかりか、引き抜くときにしばしば根や花や葉の観賞部分を痛めることがある。特に直径50cm以上の大型植木鉢の場合、植物の根が植木鉢の内壁面にへばり着かなくても、植木鉢から植物を取り出して手入れをするのに、その重さから苦痛を伴うのが普通である。
【0004】
そこで、鉢本体を中心から縦に二分割した分割片を合体させて1個の植木鉢を構成し、この植木鉢に締付枠を嵌め合わせて一体的に組み立てる、下記特許文献1に記載されているような植木鉢が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−61474号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の植木鉢は、単純な縦の直線により鉢本体を左右に二分割した構造である。このため、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、組み立てられた植木鉢に植物の根部と土壌を投入し、植木鉢を移動する際、合体させた分割片が重力で上下に滑って植木鉢が変形する虞がある。作業者は、移動する際、植木鉢が変形しないように取り扱いに注意を払う必要がある。また、分割片を合体させて1個の植木鉢に組み立てる際においても、分割片同士が上下に滑りやすく、組み立て難い。
【0008】
また、従来の植木鉢は、花の器、すなわち花瓶として使用したくとも、二分割した構造であるために、分割面の水密性に問題が生じ、花瓶としては使用することができない。
【0009】
本発明は、上述した従来の植木鉢の不具合を解消するためになされたもので、植物鉢を移動する際、植物鉢が変形する虞がなく、植え替え等の手入れが容易であり、さらに組み立ても解体も容易であり、花瓶としても使用できる植物鉢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の植物鉢は、鉢本体を複数の縦方向の分割線で切断することにより形成した複数個の分割片と、複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具とを有する。
【0011】
固定具は、分割片のそれぞれの分割線に沿って1箇所または複数箇所設けた掛止部と、隣り合う分割片の掛止部と係合し、分割線を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具とを備える。掛止具を掛止部に係合することによってすべての分割片が横方向に分離されないようになり、鉢本体が一体的となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の植物鉢は、複数に分割した分割片を組み合わせて鉢本体を形成したときに、固定具を構成する掛止具を掛止部に係合することによって分割片同士を容易かつ確実に固定することができ、一体的となった鉢本体を得ることができる。
【0013】
掛止具は植物鉢を立てたままで掛止部に着脱できる。このため、植物鉢の組み立ても解体も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る植物鉢を示す展開斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図である。
【図3】図1に示した分割片同士の結合構造を示す図である。
【図4】図2に示した分割片のA−A断面図である。
【図5A】は、隣接する分割片同士の付き合せ面に形成される合わせ面の構造の一例を示す図である。
【図5B】は、隣接する分割片同士の付き合せ面に形成される合わせ面の構造の一例を示す図である。
【図6A】本発明の第2実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図である。
【図6B】本発明の第2実施形態に係る植物鉢の他方の分割片の正面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る植物鉢の上側掛止具および下側掛止具の構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る植物鉢に収容される水槽の上面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る植物鉢の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を、第1実施形態から第3実施形態に分けて説明する。なお、図面の説明において同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る植物鉢を示す展開斜視図である。図2は本発明の第1実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図である。図3は図1に示した分割片同士の結合構造を示す図である。図4は図2に示した分割片のA−A断面図である。
【0016】
本実施形態に係る植物鉢は、鉢本体を複数の縦方向の分割線で切断することにより形成した複数個の分割片と、複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具と、を有し、固定具は、分割片のそれぞれの分割線に沿って複数設けた掛止部と、隣り合う分割片の掛止部と係合し、前記分割線を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具と、を備え、掛止具を掛止部に係合することによって分割片が横方向に分離されないようにするものである。
【0017】
図1に示す植物鉢は強化ガラス製であるが、セラミックや合成樹脂製とすることもできる。
【0018】
鉢本体1は、周方向に沿った複数位置で縦方向の分割線13により複数個の分割片に分割されている。ここでは径の中心で第1の分割片14と第2の分割片15の2つに分割されている。従って各分割片14、15は図2に示すように半円筒形状をしている。
【0019】
鉢本体1は、図1および図2に示すように、円筒状の胴部4と、その内部下端に形成した排水孔5a付きの底板部5と、胴部4の外周の上端すなわち鉢本体1の外周上端に外周面から半径方向外側に張り出すように形成した移動用の取手部分6とからなる。
【0020】
取手部分6は、外向フランジ部7と、その半径方向外側縁から起立する起立壁部8からなり、外向フランジ部7と起立壁部8の断面は、L字状をしている。
【0021】
起立壁部8には、図1および図2に示すように、2箇所に固定具40a、40bが形成されている。固定具40a、40bは、分割片14、15の分割線13同士を突合せることによって鉢本体1を形成したときに、隣り合う分割片14、15同士を固定する。
【0022】
固定具40a、40bは、分割片14と分割片15が接合される分割線13を中心に分割線13を挟む位置に分割線13を跨ぐように設けられる。固定具40a、40bは、分割線13が伸延する方向に一定の深さでかつ起立壁部8の周方向に一定の幅で形成された切欠状の掛止部41a、42a、41b、42bを有する。
【0023】
掛止具43aは、弾性を有するたとえば樹脂や金属を材料として形成され、固定具40aの掛止部41a、42aに係合する突起を有し、掛止具43bは、同じく樹脂を材料として形成され、固定具40bの掛止部41b、42bに係合する突起を有している。
【0024】
固定具40aと40bは、掛止具43a、43bを分割線13の伸延方向から掛止部41a、42aおよび掛止部41b、42bにそれぞれ係合することによって、鉢本体1の上部を堅固に固定し、分割片14、15が横方向に分離されないようにする。
【0025】
なお、本実施形態では、掛止具43a、43bを起立壁部8の分割線13方向上側から掛止部41a、42a、41b、42bに差し込んで分割片14と分割片15を固定する形態を例示した。しかし、本発明では、掛止部41a、42a、41b、42bを起立壁部8の側面に形成し、掛止具43a、43bを起立壁部8の横側から掛止部41a、42a、41b、42bに差し込んで分割片14と分割片15を固定するようにしても良い。さらに、掛止具43a、43bをいずれの方向から差し込むようにするかは、分割片の形状や固定具40a、40bによる分割片14と分割片15の固定強度に依存させるようにしてもよい。
【0026】
このように、掛止具43a、43bを起立壁部8の上側から差し込んで分割片14と分割片15の固定ができるようにすれば、鉢本体1を横に倒すことなく立てたままで容易に組み立ておよび分解できる。
【0027】
次に、胴部4の下端の外周面10において分割線13を挟む位置に固定具40c、40d(図示せず)が、それぞれ分割線13を中心に設けられている。固定具40cは、分割線13に沿う方向に一定の幅で形成された、掛止部41c、42c、図面上は裏側に存在する掛止部41d、42dを有する。掛止部41c、42c、41d、42dは胴部4の内部方向に向けて一定の長さの溝が形成されている。
【0028】
掛止具43cは、掛止具43a、43bと同じく樹脂を材料として形成され、固定具40cの掛止部41c、42cに係合する突起を有している。
【0029】
固定具40cには、掛止具43c、43d(図示せず)が分割線13を挟むように胴部4の外側から内側に向けて差し込まれる。これによって、鉢本体1の下部を堅固に固定し、分割片14、15が横方向に分離されないようにする。
【0030】
なお、本実施形態では、掛止具43c、43dを胴部4の横側から差し込んで分割片14と分割片15を固定する形態を例示した。このように、掛止具43c、43dを胴部4の横側から差し込んで分割片14と分割片15を固定するようにすれば、分割片14と分割片15の組み立ておよび分解が鉢本体1を横に倒すことなく立てたままで容易にできる。また、分割片14と分割片15との分割線13に沿う縦方向のズレを防ぐことができる。
【0031】
なお、本実施形態では、掛止部を分割片14と分割片15の上部と下部に2箇所ずつ設けた場合を例示したが、掛止部は、少なくとも分割線13の中心から縦方向に離れた位置に1箇所または複数箇所以上設けるようにしても良い。
【0032】
図1から図3に示すように、胴部4の下端に形成した底板部5の下側には、2つの分割片14、15を組み合わせて鉢本体1を形成したときに、分割片14、15の上下方向のズレを防止するために相互に嵌合する凸部44と凹部45が形成されている。
【0033】
すなわち、図3に示すように、隣り合う一方の分割片14は隣り合う他方の分割片15の付き合せ方向に突出する少なくとも1つの凸部44が形成され、隣り合う他方の分割片15は隣り合う一方の凸部44と嵌り合う少なくとも1つの凹部45が形成される。分割片14、15の分割線13同士を突合せることによって鉢本体1を形成したときに、一方の分割片14の凸部44が他方の分割片15の凹部45と嵌り合い、正しく上下の位置決めがなされ、一体的な鉢本体1に組み立てられる。また、各分割片14、15が分割線13方向に沿って上下に移動することを防止する。分割片同士が相互補完形状の凹凸の嵌合部で嵌り合っていると、重力で上下に滑って鉢が変形したりずれ落ちたりすることがない。このため、鉢本体1の形が崩れる虞がなく、鉢の移動や植物の手入れ時の苦労が激減する。
【0034】
凹部45と凸部44が胴部4の付き合せ面16を基準に形成されている。本実施形態では、凹部45と凸部44の数を胴部4の下側1箇所としたが、凹部45と凸部44の数はこれに限られず1箇所または複数箇所に設けるようにしても良い。複数箇所に設けた方が、分割片14、15の形崩れが少なくできるからである。
【0035】
上記構造の鉢本体1は、周方向に沿った複数位置で縦方向の分割線13により複数個の分割片に分割されている。本実施形態では径の中心で第1の分割片14と第2の分割片15の2つに分割されている。従って各分割片14、15は図2に示すように半円筒形状をしている。そして、隣り合う分割片14、15の付き合せ面16には、図5Aまたは図5Bに示すように互いに嵌り合う相互補完形状の嵌合部17が形成されている。
【0036】
図5Aおよび図5Bは分割片14、15の付き合せ面16を分割線13に沿って上側から見た図である。ここで相互補完形状の嵌合部17とは、互いに嵌り合う関係にある接続構造をいう。
【0037】
すなわち、図5Aの場合、隣り合う両方の分割片14、15の分割線13に沿って、隣り合う分割片14、15同士が付き合わされることになる両方の分割片の付き合せ面16の半面側から段差を持つ相互補完形状のI字形状の合わせ面18a、18bが分割片14、15の厚み方向に互い違いにそれぞれの分割片14、15の付き合せ方向に伸び、両方の分割片14、15のI字形状の合わせ面18a、18bによって前記鉢本体の密封性を高めるようにしている。
【0038】
また、図5Bの場合、隣り合う一方の分割片14の分割線13に沿って、隣り合う分割片14、15同士が付き合わされることになる一方の分割片13の付き合せ面16から凸形状の合わせ面18cが他方の分割片15の付き合せ方向に伸びる。また、隣り合う他方の分割片15の分割線13に沿って、隣り合う分割片同士14、15が付き合わされることになる他方の分割片15の付き合せ面16に一方の分割片14の凸形状の合わせ面18cに勘合する凹形状の合わせ面18dが形成され、一方の分割片14の凸形状の合わせ面18cと他方の分割片15の凹形状の合わせ面18dによって鉢本体1の密封性を高めるようにしている。
【0039】
仮に、鉢本体1を二分割した各分割片14、15の付き合せ面16に嵌合部17が形成されていないとすると、次のような不都合が生じる。すなわち、組み立てられた植物鉢に植物の根と土壌を投入し、植物鉢を移動した場合、組み合わせた分割片14、15の側面が滑り、植物鉢が変形して土壌が漏洩し移動が困難になる。
【0040】
しかし、第1実施形態では、分割片14、15の付き合せ面16に互いに嵌りあう補間形状を持つ凹凸の嵌合部17を設け、相互に嵌め合わせているため、分割片14、15による強固な鉢本体1が形成される。このため、鉢に重量物が投入されても、鉢本体1を移動しても上下方向には変形しない。
【0041】
なお、図5Aおよび図5Bに示した突合せ接続部18a〜18dの形状は一例であって、鉢本体1内の土壌や水分が容易に鉢表面に漏出できないような構造であれば、これらの構造以外に種々の構造を採用することができる。
【0042】
本実施形態の場合、図1および図2に示すように、分割片14の付き合せ面16には、その辺方向(縦方向)の下部に長方形に突出する凸部44が形成され、分割片15の付き合せ面16の凸部44に対向する位置に凹部45が形成された形状となっている。凸部44の形状は長方形に限られず三角形など他の形状でも良い。もちろん凹部45の形状は対応する凸部44の形状と整合するものでなければならない。さらに、凸部44が複数設けられている場合、すべての凸部44の形状を異なる形状としても良い。
【0043】
また、分割片14と分割片15とは図3に示すように掛止具43b、43cによって胴部4の上部と下部とが堅固に固定される。しかしながら、分割片14と分割片15の分解をするときには、掛止具43a、43b、43c、43dを指で取り外しさえすれば良いので、植物鉢を立てたままで容易に分解が可能である。なお、掛止具43a、43b、43c、43dに取り外しが容易なように、爪を引っ掛ける部分を設けておけば、さらに分解が容易になる。
【0044】
このように、分割片14と分割片15の付き合せ面16を図1、図5Aまたは図5Bに示すようにして突合せ、凹部45に凸部44を勘合させ、掛止具43a、43b、43c、43dを掛止部40a、40b、40c、40dに差し込んで、胴部4の上部の固定部40aと40bを固定することによって、分割片14と分割片15を一体化させて、植物鉢に組み立てることができる。逆に掛止具43a、43b、43c、43dを掛止部40a、40b、40c、40dから取り外しさえすれば、植物鉢を簡単に分割片14と分割片15に分解することができる。
【0045】
なお、第1実施形態では、鉢本体1を円筒形として説明したが、多角形断面など、任意の形状の断面の筒状に形成することができる。また、その鉢本体1の外周面には、様々な印刷を施すことができる。例えば、木目模様や大理石模様、キャラクタ模様などの印刷を施すことができ、これにより観賞用の植物園芸をより一層楽しむことができる。また、植物が植えられていない状態であっても、鉢本体1を置物などのインテリアとして楽しむこともできる。
【0046】
そして、植物鉢の鉢本体1の底部に、鉢本体1の底部の周形状に合致する形状の受け皿(水受け)が取り付けられても良い。
【0047】
また、第1実施形態では、鉢本体1を構成する分割片の数が2つである場合を例にして説明したが、3個またはそれ以上の複数個の分割片で鉢本体1を構成することもできる。
【0048】
また鉢本体1の胴部4は、上端部と下端部が同一径の筒型であるとして示したが、上端部の径を下端部の径より大きくした形状またはその逆の形状の筒型や、樽型、箱型、楕円筒型、皿型、椀型、逆円錐型、角型などにすることもできる。
【0049】
さらに、第1実施形態では植物鉢の全体を合成樹脂製としたが、鉢本体1については、素焼きや陶器などの焼き物、または強化ガラスにより構成することもできる。また、上側環状固定具2や下側環状固定具3については、嵌着部に可撓性を付与できる材料であれば良く、合成樹脂の他、金属その他の材料で構成することができる。
【0050】
また、相互補完形状の凹凸の嵌合部17は長方形の凹部と凸部として形成したが、三角形状または鋸歯状の凹部と凸部や、台形の凹部と凸部や、波状の凹部と凸部など、差込式に嵌合しあう他の形状に形成することができる。また、この凸部と凹部は、第1実施形態では1組設けているだけであるが、2組以上の凹部と凸部を設けることもできる。
【0051】
本実施形態の植物鉢は、従来の植木鉢に比較して次のような特徴を有する。
【0052】
本実施形態の植物鉢は、従来の植木鉢に比較すれば、組み立て、分解が簡単にできるようになる。長年にわたって植物が植えられていた植木鉢を分解することは思った以上に大変な作業になる。植木鉢内で植物の根が張ると、植木鉢内の圧力は予想以上の力になるからである。
【0053】
本実施形態では、従来の植木鉢のこのような不具合を解消するために、植物鉢に植えられていた植物が大きく成長した場合であっても、鉢本体1の分解を容易にすることができるように上記のような工夫を凝らしている。
[第2実施形態]
第2実施形態も、第1実施形態と同様に分割片を組み立てて植物鉢を形成する。第2実施形態では、植物鉢の形状が第1実施形態のように円筒形ではなく瓢箪形となっていることに大きな違いがある。
【0054】
図6Aは第2実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図であり、図6Bは第2実施形態に係る植物鉢の分割片の正面図であり、図7は、第2実施形態に係る植物鉢の上側および下側固定具である。
【0055】
図6Aおよび図6Bに示すように、2分割された一方の分割片52と他方の分割片54の形状は瓢箪形の花瓶を縦割りしたような形状である。第2実施形態の植物鉢も、第1実施形態の植物鉢と同様に、植物鉢の上部と下部に固定具が設けられ、固定具は、掛止部と掛止具とで形成される。固定具の基本的な構成は、第1実施形態に記載したものと同一であるので、固定具についての具体的な説明は省略する。
【0056】
第2実施形態の植物鉢は、強化ガラスで形成されているが、セラミックスや合成樹脂で形成しても良い。したがって、掛止部に差し込まれる掛止具は、弾性を有する樹脂や金属またはゴムで形成されている。
【0057】
本実施形態でも、固定具を設ける場所は、分割片に沿って1箇所または複数箇所設けることが望ましい。分割片同士の連結が密着して行われることになり、分割片同士の付き合せ面のシール性が向上するからである。
【0058】
図6Aに示した分割片52の付き合せ面53は、図5Bのように中央部のみが突出した凸形状を有しており、図6Bに示した分割片52と合体される分割片54の付き合せ面55は、図6Bのように中央部のみが窪んだ凹形状になっている。分割片52の付き合せ面53の突出した部分と分割片54の付き合せ面55の窪んだ部分は、分割片52と分割片54の付き合せ面の形状に沿って互いに嵌り合い、一体化された鉢本体が形成される。
【0059】
本実施形態の植物鉢は、付き合せ面の形状が瓢箪形になっているので、分割片52と分割片54の突合せ面53と55を係合させるだけで、形状が固定する。そして、両分割片52と54を固定具で連結させると、上下方向にも左右方向にも突合せ面53と55が外れることがない。また、突合せ面53と55は凹凸部が互いに嵌め合わさった構造になっているので、内部の土砂や水分が漏洩することがない。
【0060】
第1実施形態の場合、円筒状の植物鉢であったので、分割片14、15が上下方向にズレないように、付き合せ面から凸部44および凹部45を形成しておく必要があった。本実施形態の場合、突合せ面の形状が弧を描くような形状であるので、この形状自体が凸部44および凹部45の上下方向のズレ防止機能を有する。
【0061】
第2実施形態の植物鉢は、図7に示すように、掛止部56a、56b、56c、56dが植物鉢の上部と下部に植物鉢の横方向から開口され、その掛止部56a、56bおよび56c、56dに掛止具57a、57bが取り付けられる。なお、掛止部は鉢本体の上部と下部だけではなく、さらに鉢本体の中央部分に設けてもよい。
【0062】
掛止具57a、57bは、掛止部56a、56bおよび56c、56dにそれぞれ係合して分割片52と分割片54を付き合せ面側に引き寄せるようにして鉢本体上部と下部でしっかりと固定する。
【0063】
図7に示すように、掛止具57a、57bに装飾を施しておくと、外部からは掛止具とは思われないために、体裁がよく装飾性に優れた植物鉢を提供することができる。たとえば、掛止具57a、57bは、動物、花、キャラクタの形状であるか、動物、花、キャラクタの模型が取りつけられる。
【0064】
本実施形態の鉢本体の底部に、鉢本体の底部の周形状に合致する形状の受け皿70を取り付けると、植物鉢内で残留した水の排水を、植物鉢を載せる載置台を汚すことなくできるようになる。また、鉢本体の底部を受け皿70の内周部分で固定できるようになる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1および第2実施形態の植物鉢を花瓶としても使えるようにしたものである。
【0065】
図8は第3実施形態に係る植物鉢に収容される水槽の上面図である。図9は第3実施形態に係る植物鉢の断面図である。
【0066】
第1および第2実施形態の植物鉢を花瓶として使えるようにするために、本実施形態では鉢本体の内部に水槽60を収容する。水槽60の高さは、鉢本体1の底面に水槽60を載置したときに、水槽60の上面の開口部が鉢本体1の開口面から若干突き出す程度の高さである。生け花をしやすいからである。
【0067】
水槽60の形状は円筒状または角筒状であることが、生け花の作業性から好ましい。しかし、水槽60の形状はこれらの形状に限られるものではない。水槽60の大きさは植物鉢に収容できる大きさでなければならないことはもちろんである。しかし、水槽60の外周の少なくとも一部が鉢本体1の内周に接触できる程度の大きさを有していることが好ましい。水槽60が鉢本体1内で安定して収容できるようにするためである。
【0068】
水槽60は、図8および図9に示すように深さ方向に伸びる複数の仕切によって間仕切りされている。生け花の安定性を良くし、生け花のボリュームを大きく見せることができるようにするためである。このため、本実施形態では、図8に示すように、同心円状の仕切65a、65b、65cとこれらの仕切りとの間を掛け渡す仕切り、たとえば、65d、65e、65fを水槽60に設けている。
【0069】
これらの仕切りは、水槽60の底部に向かって伸びているが、水槽60の底部に達する途中で途切れている。このように仕切りを底部まで延ばさないことによって、水槽60の底部で水が循環し、各間仕切りに存在する水の高さが花の種類による水の吸い上げ量の相違に関わらず一定にすることができる。
【0070】
なお、間仕切りの仕方は、図8のような形態に関わらず、生け花の種類などに応じて適宜変更しても良い。
【0071】
本実施形態の鉢本体の底部に、鉢本体の底部の周形状に合致する形状の受け皿70を取り付けると、水槽60からこぼれた水の排水を、植物鉢を載せる載置台を汚すことなくできるようになる。また、鉢本体の底部を受け皿70の内周部分で固定できるようになる。
【0072】
なお、第1実施形態から第3実施形態の植物鉢は、その表面に動物や人物、風景、キャラクタの写真を曲面印刷の技法を適用してプリントしたり、絵を描いたりすることによって、実用的な植木鉢だけでなく、インテリアとしての植物鉢としても使用することができる。
【0073】
また、第1実施形態から第3実施形態の植物鉢の内部に水槽を置くことによって花瓶としても使用することができる。
【0074】
実施形態1から実施形態3では、分割片の材質を強化ガラス、セラミックや合成樹脂としたものを例示したが、植物鉢の大きさに応じて、陶器など他の材料で構成するようにしても良い。また、分割片を強固に連結する掛止具は、樹脂に限られず、植物鉢の大きさに応じて、分割片同士をしっかりと固定できるある程度の弾性を有している材料であれば、他の材料を用いても良い。
【符号の説明】
【0075】
1 鉢本体、
4 胴部、
5 底板部、
6 取手部分、
7 外向フランジ部、
8 起立壁部、
10 外周面、
13 分割線、
14 第1の分割片、
15 第2の分割片、
16 突合せ面、
17 嵌合部、
18a、18b、18c、18d 合わせ面、
40a、40b、40c 固定具、
41a、41b、41c、41d 掛止部、
43a、43b、43c、43d 掛止具、
44 凸部、
45 凹部、
52、54 分割片、
60 水槽、
65a〜65f 仕切。
【技術分野】
【0001】
本発明は花の器、植木鉢に使用できる植物鉢に係り、特に分割可能で組立も解体も容易な植物鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
観賞用の植物は、一定期間ごとに植え替え等の手入れをする必要がある。
【0003】
既存の植物鉢、たとえば、直径30cm程度の中型植木鉢で植物を植え替える場合、植物の種類によっては根が植木鉢の内壁面にへばり着くことがある。この場合、植物を植木鉢から引き抜くのに苦労するばかりか、引き抜くときにしばしば根や花や葉の観賞部分を痛めることがある。特に直径50cm以上の大型植木鉢の場合、植物の根が植木鉢の内壁面にへばり着かなくても、植木鉢から植物を取り出して手入れをするのに、その重さから苦痛を伴うのが普通である。
【0004】
そこで、鉢本体を中心から縦に二分割した分割片を合体させて1個の植木鉢を構成し、この植木鉢に締付枠を嵌め合わせて一体的に組み立てる、下記特許文献1に記載されているような植木鉢が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−61474号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の植木鉢は、単純な縦の直線により鉢本体を左右に二分割した構造である。このため、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、組み立てられた植木鉢に植物の根部と土壌を投入し、植木鉢を移動する際、合体させた分割片が重力で上下に滑って植木鉢が変形する虞がある。作業者は、移動する際、植木鉢が変形しないように取り扱いに注意を払う必要がある。また、分割片を合体させて1個の植木鉢に組み立てる際においても、分割片同士が上下に滑りやすく、組み立て難い。
【0008】
また、従来の植木鉢は、花の器、すなわち花瓶として使用したくとも、二分割した構造であるために、分割面の水密性に問題が生じ、花瓶としては使用することができない。
【0009】
本発明は、上述した従来の植木鉢の不具合を解消するためになされたもので、植物鉢を移動する際、植物鉢が変形する虞がなく、植え替え等の手入れが容易であり、さらに組み立ても解体も容易であり、花瓶としても使用できる植物鉢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の植物鉢は、鉢本体を複数の縦方向の分割線で切断することにより形成した複数個の分割片と、複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具とを有する。
【0011】
固定具は、分割片のそれぞれの分割線に沿って1箇所または複数箇所設けた掛止部と、隣り合う分割片の掛止部と係合し、分割線を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具とを備える。掛止具を掛止部に係合することによってすべての分割片が横方向に分離されないようになり、鉢本体が一体的となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の植物鉢は、複数に分割した分割片を組み合わせて鉢本体を形成したときに、固定具を構成する掛止具を掛止部に係合することによって分割片同士を容易かつ確実に固定することができ、一体的となった鉢本体を得ることができる。
【0013】
掛止具は植物鉢を立てたままで掛止部に着脱できる。このため、植物鉢の組み立ても解体も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る植物鉢を示す展開斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図である。
【図3】図1に示した分割片同士の結合構造を示す図である。
【図4】図2に示した分割片のA−A断面図である。
【図5A】は、隣接する分割片同士の付き合せ面に形成される合わせ面の構造の一例を示す図である。
【図5B】は、隣接する分割片同士の付き合せ面に形成される合わせ面の構造の一例を示す図である。
【図6A】本発明の第2実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図である。
【図6B】本発明の第2実施形態に係る植物鉢の他方の分割片の正面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る植物鉢の上側掛止具および下側掛止具の構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る植物鉢に収容される水槽の上面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る植物鉢の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を、第1実施形態から第3実施形態に分けて説明する。なお、図面の説明において同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る植物鉢を示す展開斜視図である。図2は本発明の第1実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図である。図3は図1に示した分割片同士の結合構造を示す図である。図4は図2に示した分割片のA−A断面図である。
【0016】
本実施形態に係る植物鉢は、鉢本体を複数の縦方向の分割線で切断することにより形成した複数個の分割片と、複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具と、を有し、固定具は、分割片のそれぞれの分割線に沿って複数設けた掛止部と、隣り合う分割片の掛止部と係合し、前記分割線を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具と、を備え、掛止具を掛止部に係合することによって分割片が横方向に分離されないようにするものである。
【0017】
図1に示す植物鉢は強化ガラス製であるが、セラミックや合成樹脂製とすることもできる。
【0018】
鉢本体1は、周方向に沿った複数位置で縦方向の分割線13により複数個の分割片に分割されている。ここでは径の中心で第1の分割片14と第2の分割片15の2つに分割されている。従って各分割片14、15は図2に示すように半円筒形状をしている。
【0019】
鉢本体1は、図1および図2に示すように、円筒状の胴部4と、その内部下端に形成した排水孔5a付きの底板部5と、胴部4の外周の上端すなわち鉢本体1の外周上端に外周面から半径方向外側に張り出すように形成した移動用の取手部分6とからなる。
【0020】
取手部分6は、外向フランジ部7と、その半径方向外側縁から起立する起立壁部8からなり、外向フランジ部7と起立壁部8の断面は、L字状をしている。
【0021】
起立壁部8には、図1および図2に示すように、2箇所に固定具40a、40bが形成されている。固定具40a、40bは、分割片14、15の分割線13同士を突合せることによって鉢本体1を形成したときに、隣り合う分割片14、15同士を固定する。
【0022】
固定具40a、40bは、分割片14と分割片15が接合される分割線13を中心に分割線13を挟む位置に分割線13を跨ぐように設けられる。固定具40a、40bは、分割線13が伸延する方向に一定の深さでかつ起立壁部8の周方向に一定の幅で形成された切欠状の掛止部41a、42a、41b、42bを有する。
【0023】
掛止具43aは、弾性を有するたとえば樹脂や金属を材料として形成され、固定具40aの掛止部41a、42aに係合する突起を有し、掛止具43bは、同じく樹脂を材料として形成され、固定具40bの掛止部41b、42bに係合する突起を有している。
【0024】
固定具40aと40bは、掛止具43a、43bを分割線13の伸延方向から掛止部41a、42aおよび掛止部41b、42bにそれぞれ係合することによって、鉢本体1の上部を堅固に固定し、分割片14、15が横方向に分離されないようにする。
【0025】
なお、本実施形態では、掛止具43a、43bを起立壁部8の分割線13方向上側から掛止部41a、42a、41b、42bに差し込んで分割片14と分割片15を固定する形態を例示した。しかし、本発明では、掛止部41a、42a、41b、42bを起立壁部8の側面に形成し、掛止具43a、43bを起立壁部8の横側から掛止部41a、42a、41b、42bに差し込んで分割片14と分割片15を固定するようにしても良い。さらに、掛止具43a、43bをいずれの方向から差し込むようにするかは、分割片の形状や固定具40a、40bによる分割片14と分割片15の固定強度に依存させるようにしてもよい。
【0026】
このように、掛止具43a、43bを起立壁部8の上側から差し込んで分割片14と分割片15の固定ができるようにすれば、鉢本体1を横に倒すことなく立てたままで容易に組み立ておよび分解できる。
【0027】
次に、胴部4の下端の外周面10において分割線13を挟む位置に固定具40c、40d(図示せず)が、それぞれ分割線13を中心に設けられている。固定具40cは、分割線13に沿う方向に一定の幅で形成された、掛止部41c、42c、図面上は裏側に存在する掛止部41d、42dを有する。掛止部41c、42c、41d、42dは胴部4の内部方向に向けて一定の長さの溝が形成されている。
【0028】
掛止具43cは、掛止具43a、43bと同じく樹脂を材料として形成され、固定具40cの掛止部41c、42cに係合する突起を有している。
【0029】
固定具40cには、掛止具43c、43d(図示せず)が分割線13を挟むように胴部4の外側から内側に向けて差し込まれる。これによって、鉢本体1の下部を堅固に固定し、分割片14、15が横方向に分離されないようにする。
【0030】
なお、本実施形態では、掛止具43c、43dを胴部4の横側から差し込んで分割片14と分割片15を固定する形態を例示した。このように、掛止具43c、43dを胴部4の横側から差し込んで分割片14と分割片15を固定するようにすれば、分割片14と分割片15の組み立ておよび分解が鉢本体1を横に倒すことなく立てたままで容易にできる。また、分割片14と分割片15との分割線13に沿う縦方向のズレを防ぐことができる。
【0031】
なお、本実施形態では、掛止部を分割片14と分割片15の上部と下部に2箇所ずつ設けた場合を例示したが、掛止部は、少なくとも分割線13の中心から縦方向に離れた位置に1箇所または複数箇所以上設けるようにしても良い。
【0032】
図1から図3に示すように、胴部4の下端に形成した底板部5の下側には、2つの分割片14、15を組み合わせて鉢本体1を形成したときに、分割片14、15の上下方向のズレを防止するために相互に嵌合する凸部44と凹部45が形成されている。
【0033】
すなわち、図3に示すように、隣り合う一方の分割片14は隣り合う他方の分割片15の付き合せ方向に突出する少なくとも1つの凸部44が形成され、隣り合う他方の分割片15は隣り合う一方の凸部44と嵌り合う少なくとも1つの凹部45が形成される。分割片14、15の分割線13同士を突合せることによって鉢本体1を形成したときに、一方の分割片14の凸部44が他方の分割片15の凹部45と嵌り合い、正しく上下の位置決めがなされ、一体的な鉢本体1に組み立てられる。また、各分割片14、15が分割線13方向に沿って上下に移動することを防止する。分割片同士が相互補完形状の凹凸の嵌合部で嵌り合っていると、重力で上下に滑って鉢が変形したりずれ落ちたりすることがない。このため、鉢本体1の形が崩れる虞がなく、鉢の移動や植物の手入れ時の苦労が激減する。
【0034】
凹部45と凸部44が胴部4の付き合せ面16を基準に形成されている。本実施形態では、凹部45と凸部44の数を胴部4の下側1箇所としたが、凹部45と凸部44の数はこれに限られず1箇所または複数箇所に設けるようにしても良い。複数箇所に設けた方が、分割片14、15の形崩れが少なくできるからである。
【0035】
上記構造の鉢本体1は、周方向に沿った複数位置で縦方向の分割線13により複数個の分割片に分割されている。本実施形態では径の中心で第1の分割片14と第2の分割片15の2つに分割されている。従って各分割片14、15は図2に示すように半円筒形状をしている。そして、隣り合う分割片14、15の付き合せ面16には、図5Aまたは図5Bに示すように互いに嵌り合う相互補完形状の嵌合部17が形成されている。
【0036】
図5Aおよび図5Bは分割片14、15の付き合せ面16を分割線13に沿って上側から見た図である。ここで相互補完形状の嵌合部17とは、互いに嵌り合う関係にある接続構造をいう。
【0037】
すなわち、図5Aの場合、隣り合う両方の分割片14、15の分割線13に沿って、隣り合う分割片14、15同士が付き合わされることになる両方の分割片の付き合せ面16の半面側から段差を持つ相互補完形状のI字形状の合わせ面18a、18bが分割片14、15の厚み方向に互い違いにそれぞれの分割片14、15の付き合せ方向に伸び、両方の分割片14、15のI字形状の合わせ面18a、18bによって前記鉢本体の密封性を高めるようにしている。
【0038】
また、図5Bの場合、隣り合う一方の分割片14の分割線13に沿って、隣り合う分割片14、15同士が付き合わされることになる一方の分割片13の付き合せ面16から凸形状の合わせ面18cが他方の分割片15の付き合せ方向に伸びる。また、隣り合う他方の分割片15の分割線13に沿って、隣り合う分割片同士14、15が付き合わされることになる他方の分割片15の付き合せ面16に一方の分割片14の凸形状の合わせ面18cに勘合する凹形状の合わせ面18dが形成され、一方の分割片14の凸形状の合わせ面18cと他方の分割片15の凹形状の合わせ面18dによって鉢本体1の密封性を高めるようにしている。
【0039】
仮に、鉢本体1を二分割した各分割片14、15の付き合せ面16に嵌合部17が形成されていないとすると、次のような不都合が生じる。すなわち、組み立てられた植物鉢に植物の根と土壌を投入し、植物鉢を移動した場合、組み合わせた分割片14、15の側面が滑り、植物鉢が変形して土壌が漏洩し移動が困難になる。
【0040】
しかし、第1実施形態では、分割片14、15の付き合せ面16に互いに嵌りあう補間形状を持つ凹凸の嵌合部17を設け、相互に嵌め合わせているため、分割片14、15による強固な鉢本体1が形成される。このため、鉢に重量物が投入されても、鉢本体1を移動しても上下方向には変形しない。
【0041】
なお、図5Aおよび図5Bに示した突合せ接続部18a〜18dの形状は一例であって、鉢本体1内の土壌や水分が容易に鉢表面に漏出できないような構造であれば、これらの構造以外に種々の構造を採用することができる。
【0042】
本実施形態の場合、図1および図2に示すように、分割片14の付き合せ面16には、その辺方向(縦方向)の下部に長方形に突出する凸部44が形成され、分割片15の付き合せ面16の凸部44に対向する位置に凹部45が形成された形状となっている。凸部44の形状は長方形に限られず三角形など他の形状でも良い。もちろん凹部45の形状は対応する凸部44の形状と整合するものでなければならない。さらに、凸部44が複数設けられている場合、すべての凸部44の形状を異なる形状としても良い。
【0043】
また、分割片14と分割片15とは図3に示すように掛止具43b、43cによって胴部4の上部と下部とが堅固に固定される。しかしながら、分割片14と分割片15の分解をするときには、掛止具43a、43b、43c、43dを指で取り外しさえすれば良いので、植物鉢を立てたままで容易に分解が可能である。なお、掛止具43a、43b、43c、43dに取り外しが容易なように、爪を引っ掛ける部分を設けておけば、さらに分解が容易になる。
【0044】
このように、分割片14と分割片15の付き合せ面16を図1、図5Aまたは図5Bに示すようにして突合せ、凹部45に凸部44を勘合させ、掛止具43a、43b、43c、43dを掛止部40a、40b、40c、40dに差し込んで、胴部4の上部の固定部40aと40bを固定することによって、分割片14と分割片15を一体化させて、植物鉢に組み立てることができる。逆に掛止具43a、43b、43c、43dを掛止部40a、40b、40c、40dから取り外しさえすれば、植物鉢を簡単に分割片14と分割片15に分解することができる。
【0045】
なお、第1実施形態では、鉢本体1を円筒形として説明したが、多角形断面など、任意の形状の断面の筒状に形成することができる。また、その鉢本体1の外周面には、様々な印刷を施すことができる。例えば、木目模様や大理石模様、キャラクタ模様などの印刷を施すことができ、これにより観賞用の植物園芸をより一層楽しむことができる。また、植物が植えられていない状態であっても、鉢本体1を置物などのインテリアとして楽しむこともできる。
【0046】
そして、植物鉢の鉢本体1の底部に、鉢本体1の底部の周形状に合致する形状の受け皿(水受け)が取り付けられても良い。
【0047】
また、第1実施形態では、鉢本体1を構成する分割片の数が2つである場合を例にして説明したが、3個またはそれ以上の複数個の分割片で鉢本体1を構成することもできる。
【0048】
また鉢本体1の胴部4は、上端部と下端部が同一径の筒型であるとして示したが、上端部の径を下端部の径より大きくした形状またはその逆の形状の筒型や、樽型、箱型、楕円筒型、皿型、椀型、逆円錐型、角型などにすることもできる。
【0049】
さらに、第1実施形態では植物鉢の全体を合成樹脂製としたが、鉢本体1については、素焼きや陶器などの焼き物、または強化ガラスにより構成することもできる。また、上側環状固定具2や下側環状固定具3については、嵌着部に可撓性を付与できる材料であれば良く、合成樹脂の他、金属その他の材料で構成することができる。
【0050】
また、相互補完形状の凹凸の嵌合部17は長方形の凹部と凸部として形成したが、三角形状または鋸歯状の凹部と凸部や、台形の凹部と凸部や、波状の凹部と凸部など、差込式に嵌合しあう他の形状に形成することができる。また、この凸部と凹部は、第1実施形態では1組設けているだけであるが、2組以上の凹部と凸部を設けることもできる。
【0051】
本実施形態の植物鉢は、従来の植木鉢に比較して次のような特徴を有する。
【0052】
本実施形態の植物鉢は、従来の植木鉢に比較すれば、組み立て、分解が簡単にできるようになる。長年にわたって植物が植えられていた植木鉢を分解することは思った以上に大変な作業になる。植木鉢内で植物の根が張ると、植木鉢内の圧力は予想以上の力になるからである。
【0053】
本実施形態では、従来の植木鉢のこのような不具合を解消するために、植物鉢に植えられていた植物が大きく成長した場合であっても、鉢本体1の分解を容易にすることができるように上記のような工夫を凝らしている。
[第2実施形態]
第2実施形態も、第1実施形態と同様に分割片を組み立てて植物鉢を形成する。第2実施形態では、植物鉢の形状が第1実施形態のように円筒形ではなく瓢箪形となっていることに大きな違いがある。
【0054】
図6Aは第2実施形態に係る植物鉢の一方の分割片の正面図であり、図6Bは第2実施形態に係る植物鉢の分割片の正面図であり、図7は、第2実施形態に係る植物鉢の上側および下側固定具である。
【0055】
図6Aおよび図6Bに示すように、2分割された一方の分割片52と他方の分割片54の形状は瓢箪形の花瓶を縦割りしたような形状である。第2実施形態の植物鉢も、第1実施形態の植物鉢と同様に、植物鉢の上部と下部に固定具が設けられ、固定具は、掛止部と掛止具とで形成される。固定具の基本的な構成は、第1実施形態に記載したものと同一であるので、固定具についての具体的な説明は省略する。
【0056】
第2実施形態の植物鉢は、強化ガラスで形成されているが、セラミックスや合成樹脂で形成しても良い。したがって、掛止部に差し込まれる掛止具は、弾性を有する樹脂や金属またはゴムで形成されている。
【0057】
本実施形態でも、固定具を設ける場所は、分割片に沿って1箇所または複数箇所設けることが望ましい。分割片同士の連結が密着して行われることになり、分割片同士の付き合せ面のシール性が向上するからである。
【0058】
図6Aに示した分割片52の付き合せ面53は、図5Bのように中央部のみが突出した凸形状を有しており、図6Bに示した分割片52と合体される分割片54の付き合せ面55は、図6Bのように中央部のみが窪んだ凹形状になっている。分割片52の付き合せ面53の突出した部分と分割片54の付き合せ面55の窪んだ部分は、分割片52と分割片54の付き合せ面の形状に沿って互いに嵌り合い、一体化された鉢本体が形成される。
【0059】
本実施形態の植物鉢は、付き合せ面の形状が瓢箪形になっているので、分割片52と分割片54の突合せ面53と55を係合させるだけで、形状が固定する。そして、両分割片52と54を固定具で連結させると、上下方向にも左右方向にも突合せ面53と55が外れることがない。また、突合せ面53と55は凹凸部が互いに嵌め合わさった構造になっているので、内部の土砂や水分が漏洩することがない。
【0060】
第1実施形態の場合、円筒状の植物鉢であったので、分割片14、15が上下方向にズレないように、付き合せ面から凸部44および凹部45を形成しておく必要があった。本実施形態の場合、突合せ面の形状が弧を描くような形状であるので、この形状自体が凸部44および凹部45の上下方向のズレ防止機能を有する。
【0061】
第2実施形態の植物鉢は、図7に示すように、掛止部56a、56b、56c、56dが植物鉢の上部と下部に植物鉢の横方向から開口され、その掛止部56a、56bおよび56c、56dに掛止具57a、57bが取り付けられる。なお、掛止部は鉢本体の上部と下部だけではなく、さらに鉢本体の中央部分に設けてもよい。
【0062】
掛止具57a、57bは、掛止部56a、56bおよび56c、56dにそれぞれ係合して分割片52と分割片54を付き合せ面側に引き寄せるようにして鉢本体上部と下部でしっかりと固定する。
【0063】
図7に示すように、掛止具57a、57bに装飾を施しておくと、外部からは掛止具とは思われないために、体裁がよく装飾性に優れた植物鉢を提供することができる。たとえば、掛止具57a、57bは、動物、花、キャラクタの形状であるか、動物、花、キャラクタの模型が取りつけられる。
【0064】
本実施形態の鉢本体の底部に、鉢本体の底部の周形状に合致する形状の受け皿70を取り付けると、植物鉢内で残留した水の排水を、植物鉢を載せる載置台を汚すことなくできるようになる。また、鉢本体の底部を受け皿70の内周部分で固定できるようになる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1および第2実施形態の植物鉢を花瓶としても使えるようにしたものである。
【0065】
図8は第3実施形態に係る植物鉢に収容される水槽の上面図である。図9は第3実施形態に係る植物鉢の断面図である。
【0066】
第1および第2実施形態の植物鉢を花瓶として使えるようにするために、本実施形態では鉢本体の内部に水槽60を収容する。水槽60の高さは、鉢本体1の底面に水槽60を載置したときに、水槽60の上面の開口部が鉢本体1の開口面から若干突き出す程度の高さである。生け花をしやすいからである。
【0067】
水槽60の形状は円筒状または角筒状であることが、生け花の作業性から好ましい。しかし、水槽60の形状はこれらの形状に限られるものではない。水槽60の大きさは植物鉢に収容できる大きさでなければならないことはもちろんである。しかし、水槽60の外周の少なくとも一部が鉢本体1の内周に接触できる程度の大きさを有していることが好ましい。水槽60が鉢本体1内で安定して収容できるようにするためである。
【0068】
水槽60は、図8および図9に示すように深さ方向に伸びる複数の仕切によって間仕切りされている。生け花の安定性を良くし、生け花のボリュームを大きく見せることができるようにするためである。このため、本実施形態では、図8に示すように、同心円状の仕切65a、65b、65cとこれらの仕切りとの間を掛け渡す仕切り、たとえば、65d、65e、65fを水槽60に設けている。
【0069】
これらの仕切りは、水槽60の底部に向かって伸びているが、水槽60の底部に達する途中で途切れている。このように仕切りを底部まで延ばさないことによって、水槽60の底部で水が循環し、各間仕切りに存在する水の高さが花の種類による水の吸い上げ量の相違に関わらず一定にすることができる。
【0070】
なお、間仕切りの仕方は、図8のような形態に関わらず、生け花の種類などに応じて適宜変更しても良い。
【0071】
本実施形態の鉢本体の底部に、鉢本体の底部の周形状に合致する形状の受け皿70を取り付けると、水槽60からこぼれた水の排水を、植物鉢を載せる載置台を汚すことなくできるようになる。また、鉢本体の底部を受け皿70の内周部分で固定できるようになる。
【0072】
なお、第1実施形態から第3実施形態の植物鉢は、その表面に動物や人物、風景、キャラクタの写真を曲面印刷の技法を適用してプリントしたり、絵を描いたりすることによって、実用的な植木鉢だけでなく、インテリアとしての植物鉢としても使用することができる。
【0073】
また、第1実施形態から第3実施形態の植物鉢の内部に水槽を置くことによって花瓶としても使用することができる。
【0074】
実施形態1から実施形態3では、分割片の材質を強化ガラス、セラミックや合成樹脂としたものを例示したが、植物鉢の大きさに応じて、陶器など他の材料で構成するようにしても良い。また、分割片を強固に連結する掛止具は、樹脂に限られず、植物鉢の大きさに応じて、分割片同士をしっかりと固定できるある程度の弾性を有している材料であれば、他の材料を用いても良い。
【符号の説明】
【0075】
1 鉢本体、
4 胴部、
5 底板部、
6 取手部分、
7 外向フランジ部、
8 起立壁部、
10 外周面、
13 分割線、
14 第1の分割片、
15 第2の分割片、
16 突合せ面、
17 嵌合部、
18a、18b、18c、18d 合わせ面、
40a、40b、40c 固定具、
41a、41b、41c、41d 掛止部、
43a、43b、43c、43d 掛止具、
44 凸部、
45 凹部、
52、54 分割片、
60 水槽、
65a〜65f 仕切。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉢本体を複数の縦方向の分割線で切断することにより形成した複数個の分割片と、
前記複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって前記鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具と、を有し、
前記固定具は、前記分割片のそれぞれの分割線に沿って1箇所または複数箇所設けた掛止部と、隣り合う分割片の掛止部と係合し、前記分割線を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具と、を備え、
前記掛止具を前記掛止部に係合することによって前記分割片が横方向に分離されないようにすることを特徴とする植物鉢。
【請求項2】
前記掛止部は、少なくとも前記分割線の中心から縦方向に離れた位置に1箇所または複数箇所設けたことを特徴とする請求項1に記載の植物鉢。
【請求項3】
前記掛止具は、動物、花、キャラクタの形状であるか、動物、花、キャラクタの模型が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の植物鉢。
【請求項4】
前記隣り合う一方の分割片は前記隣り合う他方の分割片の付き合せ方向に突出する少なくとも1つの凸部が形成され、前記隣り合う他方の分割片は前記隣り合う一方の凸部と嵌り合う少なくとも1つの凹部が形成され、
前記複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって前記鉢本体を形成したときに、一方の分割片の凸部が他方の分割片の凹部と嵌り合い、各分割片が分割線方向に沿って移動することを防止できるようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の植物鉢。
【請求項5】
前記隣り合う一方の分割片の分割線に沿って、隣り合う分割片同士が付き合わされることになる一方の分割片の付き合せ面から段差を持つ相互補完形状のI字形状の合わせ面が他方の分割片の付き合せ方向に伸び、前記隣り合う他方の分割片の分割線に沿って、隣り合う分割片同士が付き合わされることになる他方の分割片の付き合せ面に前記一方の分割片のI字形状の合わせ面に段差による突合せ接続がされるI字形状の合わせ面が形成され、一方の分割片のI字形状の合わせ面と他方の分割片のI字状の合わせ面とが段差により突合せ接続されることによって前記鉢本体の密封性を高めるようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の植物鉢。
【請求項6】
前記隣り合う両方の分割片の分割線に沿って、隣り合う分割片同士が付き合わされることになる両方の分割片の付き合せ面の半面側から凸形状の合わせ面が前記分割片の厚み方向に互い違いにそれぞれの分割片の付き合せ方向に伸び、両方の分割片の凸形状の合わせ面によって前記鉢本体の密封性を高めるようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の植物鉢。
【請求項7】
前記請求項1から6のいずれかに記載の植物鉢の鉢本体の底部には、前記鉢本体の底部の周形状に合致する形状の受け皿が押し込まれていることを特徴とする植物鉢。
【請求項8】
前記請求項1から7のいずれかの鉢本体の内部に水槽が収容されていることを特徴とする植物鉢。
【請求項9】
前記水槽は、深さ方向に伸びる複数の仕切によって間仕切りされていることを特徴とする請求項8に記載の植物鉢。
【請求項10】
前記間仕切りを構成する複数の仕切りは、水槽の底部に達する途中で切れていることを特徴とする請求項9に記載の植物鉢。
【請求項1】
鉢本体を複数の縦方向の分割線で切断することにより形成した複数個の分割片と、
前記複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって前記鉢本体を形成したときに、隣り合う分割片同士を固定する固定具と、を有し、
前記固定具は、前記分割片のそれぞれの分割線に沿って1箇所または複数箇所設けた掛止部と、隣り合う分割片の掛止部と係合し、前記分割線を跨いで隣り合う分割片同士を固定する掛止具と、を備え、
前記掛止具を前記掛止部に係合することによって前記分割片が横方向に分離されないようにすることを特徴とする植物鉢。
【請求項2】
前記掛止部は、少なくとも前記分割線の中心から縦方向に離れた位置に1箇所または複数箇所設けたことを特徴とする請求項1に記載の植物鉢。
【請求項3】
前記掛止具は、動物、花、キャラクタの形状であるか、動物、花、キャラクタの模型が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の植物鉢。
【請求項4】
前記隣り合う一方の分割片は前記隣り合う他方の分割片の付き合せ方向に突出する少なくとも1つの凸部が形成され、前記隣り合う他方の分割片は前記隣り合う一方の凸部と嵌り合う少なくとも1つの凹部が形成され、
前記複数個の分割片の分割線同士を突合せることによって前記鉢本体を形成したときに、一方の分割片の凸部が他方の分割片の凹部と嵌り合い、各分割片が分割線方向に沿って移動することを防止できるようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の植物鉢。
【請求項5】
前記隣り合う一方の分割片の分割線に沿って、隣り合う分割片同士が付き合わされることになる一方の分割片の付き合せ面から段差を持つ相互補完形状のI字形状の合わせ面が他方の分割片の付き合せ方向に伸び、前記隣り合う他方の分割片の分割線に沿って、隣り合う分割片同士が付き合わされることになる他方の分割片の付き合せ面に前記一方の分割片のI字形状の合わせ面に段差による突合せ接続がされるI字形状の合わせ面が形成され、一方の分割片のI字形状の合わせ面と他方の分割片のI字状の合わせ面とが段差により突合せ接続されることによって前記鉢本体の密封性を高めるようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の植物鉢。
【請求項6】
前記隣り合う両方の分割片の分割線に沿って、隣り合う分割片同士が付き合わされることになる両方の分割片の付き合せ面の半面側から凸形状の合わせ面が前記分割片の厚み方向に互い違いにそれぞれの分割片の付き合せ方向に伸び、両方の分割片の凸形状の合わせ面によって前記鉢本体の密封性を高めるようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の植物鉢。
【請求項7】
前記請求項1から6のいずれかに記載の植物鉢の鉢本体の底部には、前記鉢本体の底部の周形状に合致する形状の受け皿が押し込まれていることを特徴とする植物鉢。
【請求項8】
前記請求項1から7のいずれかの鉢本体の内部に水槽が収容されていることを特徴とする植物鉢。
【請求項9】
前記水槽は、深さ方向に伸びる複数の仕切によって間仕切りされていることを特徴とする請求項8に記載の植物鉢。
【請求項10】
前記間仕切りを構成する複数の仕切りは、水槽の底部に達する途中で切れていることを特徴とする請求項9に記載の植物鉢。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−24463(P2011−24463A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172346(P2009−172346)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(390011811)コデン株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(390011811)コデン株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]