説明

植生用の多孔性表面を有する基材

本発明は、表面、例えば壁を再植生するためのモジュールに関するもので、相互連結した空孔(1)を含む少なくとも1つの多孔質面を含み、該多孔質面は水及び空気の循環を可能にし、植物の種を播きそして該植物の根を空孔に固定するために用いられ、該根は該空孔を通過した後基材(7)内で成長する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パネル、建築用ブロック、タイル又は煉瓦の形態で使用されてもよい植生(vegetation)用基材に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、相互連結した空孔を持つ多孔性の壁と植生用の支持体としての基材の並置、特に垂直位にそして都市環境における並置、を可能にするモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
植生用の基材、例えばモジュールは、一般に、従来技術で知られている。
【0004】
例えば、公報の特許文献1は、都市景観のため及び騒音遮蔽、隔壁、建設現場を囲うフェンスなどを作るために設計された植生が備わった壁の構造に関する。前記の公報は、より詳細には、並置及び/又は上積を提供する角柱形の箱を開示しており、それぞれの箱は、高度に穴が空けられ、そして例えば、堆肥中に植えられた植生の根が成長できる堆肥で満たされている。それぞれの箱は、金網又はチェーン・リンクの面を有し、その前面及び後面の内側に、穿孔(perforation)又はスリットが付けられた、そしてそれを通して堆肥中に植生が植えられる、マット又は織物で裏打ちされる。より詳細には、少なくともその箱の前面及び後面は、内側がホチキス留め又は接着で固定されたマット又は織物で覆われ、それが栽植基材の保持を確実にする。植物は、その根が栽植基材中に成長するように、マット又は織物の打ち抜き穴又はスリットを通して置かれる。
【0005】
前記のマット又は織物は、さまざまな役割を果たしてもよい。即ち、堆肥の保持は別として、水又は湿度の保持、防護、所定のパターンに従った植生植え付けのための視覚誘導、飾り付け、照明支援などがある。
【0006】
この既知の構造によると、植生はこのように基材即ち堆肥に直接植えられ、マット又は織物は、上に示した役割を果たすだけである。
【0007】
公報の特許文献2は、さらなる基材システムを開示している。この場合、それは、土が入れられそこに植物を直接生やすことができる2つの区画を有する建築用ブロックから成る。
【0008】
公報の特許文献3は、支持体と組み合わせて植物を生育させるための成形されたセラミック多孔性部分を含むセラミック煉瓦を開示している。植物は、基材を使うこと無く、多孔性セラミックに直接植えられる。
【0009】
文献の特許文献4は、垂直にフックに掛けてもよいフレームに植物を生育させるさらなるシステムを開示している。
【0010】
公報の特許文献5は、植物を生育するためのチューブの形態をしたシステムを開示している。チューブは中空であり、植物のための基材を含む。チューブはさらに、植物がチューブから生えることを可能にする穴を含み、前記の植物は基材に播種される。
【0011】
公報の特許文献6は、植物を生やすための容器と結合した柱の形態のさらなるシステムを図示している。その容器は土を収容する形をしており、例えば、それらの外表面は、植物が通過できる穴を含む。
【0012】
公報の特許文献7、特許文献8及び特許文献9は、植生用基材のさらなる例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開公報第2006/010846号A1
【特許文献2】国際公開公報第2004/061255号A1
【特許文献3】米国特許第2008/0003445号A1
【特許文献4】ドイツ特許第3932644号
【特許文献5】米国特許第2004/0010971号
【特許文献6】米国特許第2003/0196376号
【特許文献7】ドイツ特許第102005063133号A1
【特許文献8】英国特許第2412558号A
【特許文献9】ドイツ特許第202004000438号U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、既知のシステムを改善することである。
【0015】
より詳細には、本発明の目的は、例えば、都市環境、ビルディングの熱的特性、雨水のコントロール、音響及び汚染のコントロールに影響を与える壁/パーティションなどの、植生を備えたエレメントを形成するための簡単なシステムを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、無機物又は植物を含む多孔性で、混合型の材料、及び/又は合成、又は壁に適用され、種子を含んでもよい土壌混合の形の材料で作られる、あらゆる高さのファサード(facade)に有用である。これは、「播種された壁」として知られる。
【0017】
本発明はまた、植物を垂直に又は類似の位置に栽培できるようにするシステムに関する。
【0018】
本発明によると、「容器モジュール」は、例えば、コンクリート又は他の無孔性の材料で構成される。モジュールは、少なくとも1つの多孔質面又は壁を含み、その空孔又は空孔は相互連結している。多孔質面は、新しい又は既存のファサードに植生を提供するために、(無機及び/又は有機)基材と組み合わせられる。モジュールは異なる形態、例えば、特に、本申請書に詳細に開示される実施態様による建築用ブロック、タイル、パネル又は煉瓦の形態をとってもよい。
【0019】
本発明に記載のモジュールは、堅い殻を含み、それは固体で自己支持型であり、上記のように、少なくとも1つの、根の定着を可能にする相互連結した空孔又は空孔を含む多孔質面又は壁を含む。モジュールへ中の植生の提供は、空孔又は空孔中の播種によって行われ、植物は、孔が相互連結している堅い表面内に直接根を下し、そしてそれは多孔な表面に多量の根の結びつき及び根が生育し水が基材内を循環する環境を形成する。その結果、従来技術で行われることとは対照的に、根は、基材内の水及び糧(food)を見つける前に、例えば2〜3cmの(多孔質面の厚さに応じて)不活性エレメントを、通過する。例えば上に引用した、植生が堆肥内に直接植えられる国際公開公報第2006/010846号A1を参照されたい。従って、本発明に記載のモジュールは、そこに植えられる植生によって多孔質面の空孔及び空孔を集落化する方法を提示する。
【0020】
植生は、モジュールの面の空孔に自然に生育する。空孔のサイズが、前述の表面に木質植物の種子の発芽を許容しない。
【0021】
好ましくは、本発明に記載の多孔質面を持つモジュールは、次のような特徴を有する:
−その面又は複数の面、又は多孔な壁又は多孔な壁は、化学的に不活性である(環境と化学的相互作用が無い);
−その壁又は複数の壁は、耐凍害性(即ち、凍結及び解凍のサイクルに抵抗性の)材料から成り、そして耐熱性の、例えばセラミック又は他の同等の材料である;
−それは、多孔質な表面中に根の定着を可能にする表面を含む。それは、(少なくとも)1つの面又は壁が透過性、即ち相互連結した空孔又はマクロ空孔を含んでなる面であるエレメントを形成し、該面は、前記の多孔性部分を形成する相互連結した空孔を備えた多孔性でない材料から形成される;
−例えば、それは、無機基材上に植生の壁を構築するために使われる;
−それは、固体で自立した5mmより大きな堅い殻で形成される;
−基材の透過性は、殻の透過性よりも大きい;
−それはモジュールを形成し、層構造及びその素材が騒音防止壁として働く。
【0022】
好ましくは、空孔(空孔)のサイズは1〜3mmであり、それは、内側から外側に(逆は無い)に向かって生じる毛管作用の結果として、空孔における根の定着及び望ましい根の選択を可能にする。状況によって、他の空孔のサイズは、当然あり得る。
【0023】
好ましくは、モジュールは完全に無機質の固体であり、相互連結した空孔は、厚さの最初の2〜3センチメートルの間はより小さくそして最後の4〜5センチメートルの間はより広く、そしてそれは気孔率勾配を形成する。
【0024】
図8に図示した前記の気孔率勾配は、植物が空孔のより小さい最初の層に固定され、そして水が後方に循環し、空孔がより広い層の空孔を通る根に灌漑することを可能にする。
【0025】
気孔率勾配の原理は、基材を固体の自由排水材料に置き換えることに拡大されてもよく、上記の材料は、多孔質面を形成するのに使われるのと同じだがより大きな空孔を持つ材料である。典型的には、本発明のそのような実施態様を製造するためにプレート(例えば、セラミックプレート)が並置され、該プレートは空孔又は気孔率勾配を有する。
【0026】
本発明に記載のこの完全無機モジュールの利点は、以下の通りである:
−それは、単一の材料から形成される;
−水は、空孔又は空孔の凹状領域に保持される;
−水耕システム;
−無土壌システム(自由排水固体材料の場合)。
【0027】
有利なことに、モジュールは灌水システムと組み合わせられる。好ましくは、灌水システムは、基材と直接接触せずにそれから(例えば、土壌から約5mm)離れている。従って、根は、給水システムの滴下供給を閉塞しない。当然、根によって水流が遮断されることを回避するための、他の同等の手段を使うことは可能である。
【0028】
基材内を循環する水は、堅い殻を通して水蒸気の形でだけ逃げる。
【0029】
本発明に記載のモジュールの利点は、多数ある:
−モジュールは、UV、カビ及び藻類に対して抵抗性である;
−表層水は全然無いが、これは土壌又は堆肥(基材)に存在する;
−維持管理が容易である;
−給水は、例えば灌水システムによって、モジュールに含まれる基材で行われ、相互連結した空孔を持つ面は通気したまま、従って乾燥のままである;
−それは軽量であるが、剛性を保持する;
−市場の他のシステムよりも短期間の配送を可能にする;
−それは、市場の他のシステムと比較して、特に植物の輸送無しでの低い輸送費に関係する;
−それは、一次エネルギー(コンクリート)の観点で、基材に対する環境保護システムを形成する。
【0030】
本発明に記載のモジュールは、多くの方途(ways)に、例えば壁を形成するために、使われてもよい。前記の壁を形成するために、結局、望ましい数の本発明に記載のモジュールが積重ねられ、後により詳細に開示される灌水システムがそこに付加される。
【0031】
当然のことながら、前記の実施態様及び寸法は、限定されない例として提供されるものであり、そしてさらなる実施態様は異なる形態を有するが本発明と同じ原理を使うことはあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】透視図法で本発明の原理の分解図を示す。
【図2】本発明の原理の断面の部分光景を図示する。
【図3】図3A〜Dは、本発明に記載の建築用ブロックを用いた壁の実施態様を図示し、図3Cは図3BのA−A軸に沿った断面図であり、そして図3Dは図3BのB−B軸に沿った断面図である。
【図4】図4A〜Dは、タイルの形態の実施態様を図示し、図4Cは図4BのA−A軸に沿った断面図であり、そして図4Dは図4BのB−B軸に沿った断面図である。
【図5】図5A〜Dは、パネルの形態の実施態様を図示し、図5Cは図5BのA−A軸に沿った断面図であり、そして図5Dは図5BのB−B軸に沿った断面図である。
【図6】本発明における空孔の原理を図示する。
【図7】本発明における水の配給の原理を図示する。
【図8】外側と内側(基材側)の間の気孔率勾配を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の原理は、図1及び2を参照して開示する。モジュールは、例として図示するように、建築用ブロックの形状を有する。本発明に記載のモジュールは、従って、図1に示すように6つの面1、2、3、4、5、及び6を含む。第1の面1は、相互連結した多孔質の材料で形成される。好ましくは、面2及び3は、透過性であるが容器(基材7用)として働き、面2はさらに水平な給水をサポートすることができる。面4、5及び6(図1の背面及び垂直な側面)は、密閉され、そして違う種類のものでもよい。例えば、面5(又は6又は両者)は、垂直な給水を含んでもよい。
【0034】
変形によると、2つの面(例えば、面1及び4の場合)に植生を提供する場合、前述の面1及び4は、本発明の原理による多孔質の相互連結した材料で形成される。
【0035】
多孔質の材料の面を製造するために、材料は、水、空気の循環及び根の固定を可能にする相互連結した空孔(例えば、2〜3mm)を持つものが使われる。
【0036】
そのような相互連結した多孔質の材料を製造するために、セラミック・パウダーを後に取り除かれる第2の材料と混ぜ合わせて使うことが可能であり、このようにしてこの相互連結した多孔質の構造を形成させる。そのような多孔質面を製造するために、例えば、次の公報の教示を参照してもよい:欧州特許第1140731号、米国特許第4,024,212号及び国際公開公報第2006/018537。
【0037】
一旦、多孔質面/壁が製造されると、多孔質部分の空孔に前記のコンクリートを注入することによって、それを(例えば)コンクリートエレメントと繋ぎあわせることができる。多孔質面又は壁は、従って、目的とする使用に応じて役立つ又は必要な如何なる形状を有してもよく、それをモジュールの残りを形成する部分に空孔又は空孔を使って固定することができる。当然ながら、さらなる同等の固定手段はあり得る。
【0038】
さらに、本発明によると、多孔質面には、種がまかれる。従って、空孔は、種を発芽させる。水及び空気が循環する凹型の領域は、植物がこの面に定着することを可能にし、次に根は、空孔又は相互連結した空孔を辿って基材7の水及び栄養を探し求める。
【0039】
本発明によると、面1の空孔は、植物が根付くために十分な大きさとなるような、しかし自然に起こる木の植生(根が建物の構造を破損する可能性のある木及び灌木)を阻止する大きさである。
【0040】
本発明によると、モジュールの基本構造は、次の3つのエレメントを含む(図2を参照):
1.植物を固定させそして基材7を保持することができる相互連結した多孔質面(例えば、図1及び2における1)を形成する、多孔質な材料;
2.植物の生育に必要な空気、栄養素及び水の循環が可能な基材7;
3.利用できる基材の量、気候、景観、垂直状況及び利用できる水に好適な植物8。
【0041】
この構造は、植生が自然に、健康にそして長期間生きることを可能にする。それは環境ストレス(風、霜及び熱など)に抵抗し、そして音響的及び熱的特性を有する。
【0042】
当然ながら、材料のサイズ及び形状並びに植え付けは、場所(配向性及び植え付けの理由、構図など)の要求に適応すればよい。
【0043】
本発明に記載の構造の利点は、上に既に述べたことに加え、多数ある:
−製品の工業的製造;
−製品は容易に取り扱うことができる(例えば、建築用ブロック又は他の同等のエレメントの形態で);
−使用するのが容易;
−必要な維持費が少ない;
−土壌の特性が保存され、空気及び水が透過可能な前記の材料は、植物の根を固定させるが、一方、重力の影響から土壌を解放する。
【0044】
システムのさまざまな使用及び解釈は組み合わせてもよい:
−動的展開システム:植生は、気候、その外観(日陰又は日当たりが良い)及び管理のタイプ(広域的又は集中的)に従って選択される。従って、植物、基材の厚さ及び水の消費量は変わる;
−「広域的/自立的」システム:少量の基材を持つ多孔質材料。水要求性が非常に低く維持費が非常に少ない。軽量システム。
−多孔質材料は、定着させるための水及び維持費に関する要求が少ないある種の植物にとって十分であると考えることもできる。
−「蒸発散」システム:多孔質材料及びより大きな基材層。植物のより広い選択、及び都市気候に対してより効果的に影響(蒸発散作用)を及ぼす能力を可能にする。
【0045】
前述のとおり、本発明に記載のシステムは、好ましくは、モジュールの形態であると想定され、それぞれのモジュールは独立して用いることができる。それは、その上に植生をもたらすために必要なすべてのエレメント、即ち:予測される使用に応じた、基材と接続した多孔質面及び植生並びに構造、を有する。
【0046】
構造システムは、基材はモジュールに含まれるが、さらに水が循環できることを規定する。
【0047】
異なるサイズは、特に、計画的使用に利用可能であればよい。
【0048】
それは、異なる変形に従って異なる方法で、異なる植物を用いて使われることが可能である。
【0049】
それは、種は工場又は苗床で播かれそしてそのまま取り付けられて、工業的に製造される。
【0050】
限定されない例として、本発明のモジュールは次の形をとってもよい:
【0051】
建築用ブロック(例えば、図1及び2を参照)の表面材の1つ、面1又は面1及び4は、全ての空孔方向に相互連結した空孔を持つ多孔質材料で形成される。「建築用ブロック」は、容易に取り扱われ、重ねられそして並置される。内部体積は上部から底部まで連続している。その剛性は、それに構造機能をもたらす。図3Aは、本発明に記載の建築用ブロック20で形成される壁の原理を示す。
【0052】
より具体的には、図3Aは、建築用ブロック20で構成された壁の部分の正面図であり、それには水の配給が一点鎖線で概略的に図示される。図3Bは、壁の一部分の立面図であり、図3Cは、水平面A−Aに沿った断面図であり、そして3Dは、垂直面B−Bに沿った断面図である。
【0053】
より具体的には、図3C及び3Dは、多孔質面21、基材22、例えば図1の面3〜6に相当する容器23、及び水平及び垂直の両者である灌水システム(図3A〜3Dの一点鎖線を参照)を示す。
【0054】
図4A〜4Dは、前面が全ての空孔方向に相互連結した空孔を持つ多孔質材料で構成され、壁にくっ付くシステムを持つタイル30の形態での実施態様を図示する。本発明の原理によると、タイルは、多孔質面31、基材32、容器33及び灌水システム34(図4A〜4D及び4Cの一点鎖線を参照)を含む。
【0055】
図5A〜5Dは、壁にホチキス留めされたパネル40の形態、又は全ての空孔方向に相互連結した空孔を持つ多孔質材料で形成された面41を含むかもしれない中間体構造の実施態様を図示する。本発明の実施態様によると、パネルは、基材42、容器43及び灌水システム44(図5A〜5Dに一点鎖線で概略的に示される)をさらに含む。
【0056】
前述のとおり、モジュールは、独立に、その用途及び上で開示された異なる実施態様に応じて片面又は両面に植生が提供されればよい。
【0057】
好ましくは、滴下型灌水システムが原理に組み込まれる。水は基材の深部内を循環し、過剰分は集めて再使用され、そしてそれは無駄を抑える。灌水システムは、説明したように、上に開示した図に概略的に示され、例えば、灌漑手段(例えば、水)の基材内へ通過を可能にする穴(例えば、スロット)24、34、44の付いた、例えば、パイプ又は水路を含む。さらなる同等のシステムは、当然ながら想定できる。
【0058】
図6は、本発明に記載のモジュール内の空孔の原理を図示する。見て分かるように、空気の流れ(概略的に矢印で示される)は全ての方向に循環してもよい。
【0059】
図7は、水の配給の原理を図示する(図3A〜3D、4A〜4D及び5A〜5Dにも示される通り)。表示したように、配給は2つの直角な(又は大よそ直角な)面で、即ち水平面と垂直面で行われる。当然、モジュールの位置に応じて(その実施態様が何であれ)、前記の面は、厳密に水平及び垂直でなくてもよい。
【0060】
システムは、ファサードの断熱材の改良を可能にし、防熱(夏及び冬両者の)及び、その結果として、エネルギーの省力化を可能にする。
【0061】
構成エレメント(基材の厚さ、植生の選択、水流、等々)は、壁の配向性又は美観及び環境上の要件に従って選択される。
【0062】
変形によると、多孔質材料又はモジュールのさらなる面を着色することができる。半透明の材料を使用することによって、発光ダイオード又は他の同等な手段によるファサードの照明が可能になる。
【0063】
外部の多孔質な表面は、平面でも成形されてもよい。
【0064】
モジュールは、垂直に、斜めに又は水平に用いられてもよい。
【0065】
当然ながら、上に示した例は説明のためであり、本発明の範囲を限定すると理解されてはならず、これに対する変形は可能である。異なる実施態様は、例えば用途によって決められる、例えば任意のサイズであってもよい。
【0066】
モジュールの多孔質部分を定義するために使われる面又は壁の概念は、モジュールの全体の面又は壁とそれ以外にもモジュールの部分的な面又は壁の両者を対象とすると理解されなければならない。この場合、所定の面又は壁は、多孔質部分(本発明に記載の、即ち植生を含む)及び無孔性の部分を有すればよい。
【0067】
上記に開示したように、モジュールは、2つ以上の本発明に記載の多孔質面又は壁を有してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面、例えば壁、に植生を提供するためのモジュールであって、相互連結した空孔(1)を含んでなる少なくとも1つの多孔質面を含んでなり、該多孔質面は水及び空気の循環を可能にし、植物の種を播きそして該植物の根を該空孔中に固定するために用いられ、該根は該空孔を通過した後基材(7)内で成長する、上記モジュール。
【請求項2】
前記多孔質面が気孔率勾配を含み、それに従って相互連結した空孔がモジュールの外側でより小さく、モジュールの内側でより幅広い、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモジュールであって、コンクリート又は任意の他の同等な材料から形成される、上記モジュール。
【請求項4】
空孔のサイズが少なくともほぼ0.5mm程度にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項5】
空孔のサイズが1〜3mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項6】
2つ又はそれ以上の多孔質面を含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項7】
基材が、土壌及び/又は堆肥、又は固体の自然排水材料から形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のモジュールであって、固体の自然排水材料が多孔質面を形成するために使われるものと同じであり、該固体の自然排水材料が相互連結した空孔を含んでなる、上記モジュール。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のモジュールであって、前記の固体の自然排水材料の相互連結した空孔が多孔質面のそれよりも大きく、モジュールはエレメントの並置によって形成され、その空孔は異なるサイズである、上記モジュール。
【請求項10】
灌水システムと組み合わせた、請求項1〜9のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項11】
灌水システムが大よそ直角をなす2つの方向に作動する、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のモジュールであって、灌水システムは開口部を備えたパイプを含み、該パイプは、根によって閉塞されることを回避するように基材から約5mmの距離をおいて位置する、上記モジュール。
【請求項13】
6つの面(1、2、3、4、5、6)を持つ建築用ブロックの形状を有し、該面の少なくとも1つが相互連結した空孔(1)を備えた該面を形成し、そして基材が上記建築用ブロックの内部に配置される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項14】
タイルの形を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項15】
パネルの形を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1つのモジュールを含む建造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−516979(P2013−516979A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548522(P2012−548522)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050152
【国際公開番号】WO2011/086518
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512183482)
【Fターム(参考)】