説明

植込み型補綴

生物学的に適合性があり、且つ好ましくは完全に吸収可能な材料を含む補綴具は、組織浸潤可能部分と第2の部分とを含む。2つの部分は異なる吸収速度を有し得る。内方成長部分は複数の開口を含み、組織の内方成長及び血管新生を促進し得る。第2の部分は、内方成長部分より強度が高く、器具の固定位置を提供し得る。この部分は、吸収性接着剤、縫合糸又は他の構造物を用いて取り付けられ、完全に吸収可能な補綴とされ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
本発明は、補綴具と、組織、筋肉又は器官の壁における欠損又は脆弱部を修復、再建、支柱形成、又は増強するためのかかる器具の使用方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]
腹壁を補強したり、腹壁欠損を閉鎖したりするための様々な補綴修復材料が提案されている。脆弱化した腹壁を修復又は補強するための一般的な手法の一つでは、多孔質の編み上げられた合成物質のメッシュインプラントが用いられる。かかる可撓性で多孔質のインプラントは、特に腹腔において、組織を補強し、組織欠損を閉鎖するための強度を提供するとともに、本来の組織の内方成長を補助するのに十分な開口を材料内に維持する。しかしながら、特定の手技では、補綴メッシュは敏感な腹部内臓と直接接触することもあり、メッシュと、例えば腹腔内容物、すなわち、腸間膜、腸及び腸管との間に術後癒着を引き起こす可能性がある。
【0003】
[0003]
補綴メッシュ材料の使用に起因する術後癒着の発生を低下させるための様々な手法が、先行技術によって提案されている。公知の一手法では複合補綴が用いられ、これは、多孔質の編み上げられたメッシュ層がバリア材料と組み合わされたものである。典型的には、多孔質層は組織の内方成長を補助し、それが欠損にかけ渡されたときの機械的強度を提供する一方、バリア層は、主に耐荷重性のないものであってもよく、腸管癒着症の可能性を低下させる。
【0004】
[0004]
初期の複合補綴は完全に合成物質であったため、結果としてインプラントは永久的なものであった。最近では、体内における外来物質の存在量を低下させる取り組みにより、少なくとも部分的に生物学的なインプラントの開発に至っており、そこでは生物学的成分が徐々に体内に吸収される。かかる生物学的インプラントの1つが、Murray Hill, New JerseyのC.R.Bard, Inc.から入手可能なCOLLAMEND(商標)インプラントである。COLLAMEND(商標)材料は、凍結乾燥され、架橋された無細胞ブタ真皮の単一層から形成されるもので、軟部組織の補強及び組織欠損の修復に必要な強度及び耐久性を呈する完全に吸収可能なインプラントである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]
本発明の一態様は、組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具を含み、この補綴具は、植込み後に迅速に酵素分解可能で、リモデリング可能で、且つ組織を内方成長させるように構成された生物学的組織の第1の部分を含み、第1の部分は、欠損を被覆又は填塞するような構造及び構成を有する。補綴具はまた、植込み後に緩徐に酵素分解可能で、且つ、組織を内方成長させるようには構成されていない生物学的組織の第2の部分も含み、第2の部分は、その第2の部分を介して補綴具を固定可能とするのに十分な引抜き強度を有する。
【0006】
[0006]
本発明の別の態様は、組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具を含み、この補綴具は、生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分を含み、この部分は、欠損を被覆又は填塞するような構造及び構成を有する。補綴具はまた、生物学的組織の架橋された部分も含み、これは、この第2の部分を介して補綴具を固定可能とするのに十分な引抜き強度を有する。
【0007】
[0007]
本発明の別の態様は、組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具を含み、この補綴具は、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮の第1の部分を含み、第1の部分のうち少なくとも50%は、植込み後12週間未満のうちに吸収可能であり、第1の部分は組織を内方成長させるように構成される。補綴具はまた、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮の第2の部分も含み、第2の部分のうち少なくとも50%は植込み後52週間以上経ってから吸収可能となり、第2の部分は、組織を内方成長させるようには構成されず、ここで第2の部分は、補綴具用の到達可能な固定位置を提供するような構成を有する。
【0008】
[0008]
本発明の別の態様は、組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具を含み、この補綴具は、組織を内方成長させるように構成された生物学的組織の第1の部分を有し、第1の部分は、あるボール破裂強度を有する。補綴具はまた、生物学的組織の第2の部分も含み、第2の部分は、第1の部分のボール破裂強度より大きいボール破裂強度を有し、ここで第2の部分は第1の部分の少なくとも一側面を取り囲む。
【0009】
[0009]
本発明の別の態様は、組織、筋肉又は器官の欠損を補綴具によって修復又は増強する方法を含み、この補綴具は、植込み後に迅速に酵素分解可能で、且つ組織を内方成長させるように構成された生物学的組織の第1の部分と、植込み後に緩徐に酵素分解可能で、且つ組織を内方成長させるようには構成されていない生物学的組織の第2の部分とを有する。この方法は、第1の部分が欠損を被覆又は填塞するように補綴具を位置決めする工程と、欠損に対して適切な位置で第1の部分を動かないように第2の部分を固定する工程とを含む。
【0010】
[0010]
本発明の別の態様は、脆弱化した、又は損傷した筋肉、組織又は器官の壁を修復又は補強するための補綴具であり、本来の組織の内方成長を抑制する微孔質で耐癒着性の吸収可能なバリア材料の層と、多孔質の組織浸潤可能層とを含み、この多孔質層がバリア層と結合して複合構造を形成する。多孔質層はまた吸収可能であってもよく、2つの層は異なる吸収速度を有し得る。
【0011】
[0011]
本発明の別の態様は、架橋されたブタ真皮の第1の層と架橋されていないブタ真皮の第2の層とを含む植込み型補綴であり、第2の層は、本来の組織を内方成長させるのに十分なサイズの複数の開口を有する。
【0012】
[0012]
別の例示的実施形態において、補綴具は、シートの形態であり得る組織浸潤可能層を含み、この層は、ヒンジ式タブを形成する複数の離間された弓形スルーカットを有し、これらのタブは、層の平面から外側に折り返し可能であり、それによって対応するスルーホールを層に画定する。
【0013】
[0013]
他の態様、利点及び新規の特徴が、添付の図面と併せて考慮したとき、以下の本発明の実施形態の詳細な説明からさらに明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
[0014]
【図1】本発明の一実施形態に係る二層からなる吸収可能な複合補綴の説明図である。
【図2】図1の切断線2−2に沿った拡大断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る二層からなる吸収可能な補綴の説明図である。
【図4】図3の切断線4−4に沿った拡大断面図である。
【図5】図3及び図4に示される補綴の底面側の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0019]
本発明の態様は、脆弱化した、又は損傷した組織壁、筋肉又は器官(すなわち、欠損)を修復又は増強するための補綴具と、脆弱化した、又は損傷した組織壁、筋肉又は器官を補綴具により修復又は増強する方法とを含む。本補綴の実施形態は、鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、裂孔ヘルニア、腹壁ヘルニア、切開創ヘルニア及び再発ヘルニア、胸壁又は腹壁の再建及び増強が関わる手技、及びその他の、肥満患者に起こり得るような大きい欠損の処置に特に適し得る。補綴具は特定の構成に限定されず、例えば、パッチ、プラグ、パッチとプラグとの組み合わせ、又は他の装置の形態であってよい。補綴具は、開放手技、腹腔鏡下手技、ハイブリッドの開放又は腹腔鏡下手技、並びに他の外科手術法において用いられてもよく、腹壁に対する手技に関しては、腹膜前にも、又は腹腔内にも施行され得る。
【0016】
[0020]
ある実施形態において、補綴具は、ヒト及び/又は動物組織などの生物学的組織の1つ又は複数の部分又は層を含み、生物学的組織は、ヒト又は動物に植え込むために処理されていてもよく、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮が特に好適な材料である。補綴具の一部の態様か、又は全てが、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る:酵素分解可能である、リモデリング可能である、架橋されている、及び/又は組織を内方成長させるように構成されている。前述の特性のいずれも、それが提供されている場合には、補綴具の全体にわたって一様に存在してもよく、又はそうではなく、インプラントの各位置によって異なってもよい。さらに、補綴具の強度は様々な領域の間で実質的に異なってもよく、かかる強度は、例えばボール破裂強度によって特徴付けることが可能である。補綴具は、麻酔薬、抗生物質、薬剤又は他の製剤を添加されているか、コーティングされているか、含浸されていてもよく、又はその他の方法を含み得る。
【0017】
[0021]
図1及び図2に示される本発明の一実施形態に従えば、補綴10は、生物学的組織(例えば、自家移植片、同種移植片、異種移植片、又は前述のいずれかの組み合わせ)の第1の部分又は層12を含み、これは、植込み後の組織浸潤及び血管新生を可能にするように構成される。第1の部分又は層は、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮から形成され、約0.3mm〜0.5mmの厚さを有し得る。第1の層又は部分は、組織の内方成長を促進するよう多孔質であってもよく、及び/又は、穿孔されるか、打抜きされるか、若しくはその他の方法で貫通形成された複数の穴16を含んでもよい。穴は約0.060〜0.094インチの直径を有し、約0.047〜0.94インチの材料ウェブ18を介して離間され得る。穴の正確なサイズ、数、有無、位置及び間隔は、所望の性能特性を実現するよう変更され得ることは理解されるであろう。それに代えて、又はそれに加えて、内方成長層の表面を擦過するか、刻み目を付けるか、又はその他の方法で処理することにより、組織の内方成長を促進する表面テクスチャを提供してもよい。組織の内方成長部分又は層としては他の生物学的材料もまた企図され、例えば、COLLAMEND(商標)、ALLOMAX(商標)、又はULTRAFOAM(商標)スポンジが挙げられ、これらはいずれもMurray Hill, New JerseyのC.R. Bard, Inc.から入手可能である。内方成長層又は部分としては、編み上げられたポリプロピレン又はポリエステルフィラメントを含め、吸収可能な、吸収可能でない、及び部分的に吸収可能な合成材料もまた企図される。組織浸潤可能層又は部分の特定の実施形態は、架橋されてもよい;例えば、ブタ真皮は、EDAC(1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)を用いて架橋され得る。或いは、組織浸潤可能層12は全く架橋されなくともよく、又は最小限だけ架橋されてもよい。
【0018】
[0022]
複合補綴の第2の部分又は層14もまた、生物学的組織から形成され得る。第2の部分又は層は、組織を内方成長させるようには構成されなくともよい;すなわち、生物学的組織は実質的に非多孔質であってもよく、付加的に形成されたいかなる貫通開口も含まないか、又はその他の形で、植え込んだ後、初めは組織浸潤を受け入れないものであり得る(しかしながら、時間が経ち、酵素の作用を受けると、第2の部分は最終的には組織の内方成長を受け易くなる)。第2の部分又は層は、植え込まれても癒着形成を刺激しないバリア部の形態であり得る。第2の部分又は層がバリア部を含むか、又はバリア部の形態である適用において、バリア部は、組織浸潤可能な第1の部分又は層を、それと接触し得る敏感な組織及び器官と隔離し、補綴具による術後癒着の発生を抑えるように位置決めされ得る。特定の寸法に限定されないが、ある実施形態において第2の部分又は層は、約0.7mm〜1.4mmの範囲の厚さを有し得る。
【0019】
[0023]
第2の部分又は層は、外科手技で用いられ得るアンカー用の縫合糸、タック、又は他の固定構造物が無用に引き抜かれることを防止するのに十分な強度を有し得る。第2の部分又は層は組織浸潤可能部分又は層より実質的に強度が高くてもよく、第1の部分又は層の破裂強度より少なくとも2倍、3倍、又は4倍大きい破裂強度によって特徴付けられ得る。第2の部分又は層は、凍結乾燥され、架橋された無細胞ブタ真皮(COLLAMEND(商標)など)から形成され得る。この特定の構造は内臓癒着を受け入れないため、これはバリア部として機能し得る。また、第2の部分又は層は、1つ又は複数のスルーカット又は他の開口を含んでもよく、それにより第1の層と第2の層との間に体液が溜まる可能性を低下させる。バリア層としては他の自家組織、他家組織及び異種組織もまた企図され、いくつか例を挙げれば、ヒト又は動物(例えば、ウシ、ブタ)の真皮、心膜及び小腸粘膜下組織などである。第2の部分又は層は、架橋されても、最小限だけ架橋されても、又は全く架橋されなくともよい。ある実施形態においては、架橋以外の他の手法を用いて第2の部分又は層の強度が高められ得る。
【0020】
[0024]
補綴10の2つの部分又は層は、手術部位に別個に置かれてもよく、又は植え込み前に合体した形態(例えば、医療器具会社から無菌形態で供給されるまま)であってもよい。2つの部分又は層の接続は、好ましくは、吸収性縫合糸材料、例えば、PDO又はポリジオキサノンを用いる縫着20による。タック留め、ステープル留め、接着剤による接着及び化学的結合などの、2つの部分又は層を接続する他の機構もまた、供される補綴が所望の性能特性を提供する限り、本発明の範囲内である。ある実施形態において、吸収速度は組織浸潤可能層又は部分と第2の層又は部分との間で異なってもよく、組織浸潤可能層又は部分のほうがより速やかに吸収される。例えば、限定なしに、組織浸潤可能部分又は層の少なくとも50%が植込み後12週間未満のうちに吸収可能であり得る一方、第2の部分又は層の少なくとも50%は52週間以上経ってから吸収可能となり得る。他の実施形態において、第2の部分又は層は、組織浸潤可能部分又は層の吸収速度より少なくとも10倍遅い、又は20倍遅い吸収速度を有し得る。吸収性、又は吸収速度は、当業者には明らかであるはずの様々な方法で評価され得る。代表的な手法としては、重量又は厚さのいずれかの変化を評価すること、並びに組織学的な観察によることが挙げられる。
【0021】
[0025]
図に示されるとおり、2つの層又は部分は、両端面を突き合わせて接合され得る。他の実施形態において、2つの層又は部分は、両縁端を突き合わせて接合されてもよく、ここでつなぎ合わされる縁端は外側の縁端同士であり、又は外側の縁端が内側の縁端に隣接してもよい(例えば、第2の部分又は層が第1の部分又は層を取り囲む場合)。両縁端を突き合わせる配置では、隣接する縁端は連続していなくともよい;それらの縁端は重複していてもよく、又はそれら縁端の間に介在構造が提供されてもよい。同様に、両端面を突き合わせる実施形態においても、介在構造が組織浸潤可能層又は部分と第2の層又は部分とを分離してもよい。その他の2つの層又は部分の並べ方も企図される。
【0022】
[0026]
補綴具はパッチの形態として図示及び説明されるが、特定の構成に限定されるものではない。企図される他の装置としては、限定なしに、プラグ及びパッチ/プラグの組み合わせが挙げられる。一実施形態において、組織浸潤可能層又は部分がプラグの形態であってもよく、及び第2の部分又は層が、下敷き材、上敷き材又は下敷き材及び上敷き材の双方の形態であってもよい。プラグは円筒形状、円錐形状、又は他の三次元形状を有し得る一方、下敷き材及び/又は上敷き材は、実質的に平面形状、凸面形状、凹面形状、又は他の形状を有するか、又はそれを有するような構成であり得る。プラグは、最小限だけ架橋されるか、又は全く架橋されなくともよく、一方、下敷き材及び/又は上敷き材は架橋され得る。かかるプラグとパッチとの組み合わせは、プラグが欠損に備わるとともに、上敷き材が(それが提供されている場合には)欠損の入口にわたって延在し、且つ下敷き材が(それが提供されている場合には)欠損の出口にわたって延在するように外科的に留置され得る。本明細書に記載される任意の実施形態において、補綴具には、必要に応じて可撓性が付与され得る;これは、例えば、操作性を高めるため、欠損の形状に適合させるため、及び/又は植込み後に患者が器具を気に留めにくいようにするためである。
【0023】
[0027]
ある実施形態において、組織浸潤可能部分又は層12は第2の部分又は層14よりサイズが小さく、第2の部分又は層の周囲22は、組織浸潤可能部分又は層の最外側の縁端24を十分に越えて延在する。例えば、より小さい組織浸潤可能部分又は層は、第2の部分又は層の直径28の約3分の1〜2分の1の直径26を有し得る。このように構成されるとき、中央又はその他の位置に置かれた組織浸潤可能部分又は層が、組織間隙又はヘルニア欠損を覆って位置決めされ、架橋組織の内方成長を加速するための基質を提供し得る。同時に、第2の部分又は層が間隙の縁部を十分に越えて延在し、接着剤又は固定構造物を用いた周囲組織への確実な取付けを可能とする到達可能な固定位置を提供し得る。第2の部分又は層は、修復部位に、又は修復部位を覆って動かないようにされると、その修復部に機械的な統合性及び強度を提供する。ある実施形態において、より強度の高い第2の部分又は層は、より軟弱な組織浸潤可能部分又は層が寄り合わさったり、皺になったり又は丸まったりする(組織浸潤可能部分又は層が、それ単独で欠損を取り囲む組織に直接取り付けられる場合に起こり得るような)傾向を補償する。時間が経つと、浸潤可能部分又は層、第2の部分又は層、及び吸収性縫合糸又は他の固定機構は体内に吸収され、本来の組織のみが残って欠損は永久的に修復される。
【0024】
[0028]
ある実施形態において、第2の部分又は層は、組織浸潤可能部分又は層の最大幅の少なくとも約2倍の最大幅を有する。他の実施形態において、組織浸潤可能部分又は層及び第2の部分又は層は、各々、実質的に一様な厚さを有し、及び第2の部分又は層は、組織浸潤可能部分又は層の厚さの少なくとも約2倍である。
【0025】
[0029]
ここで、本発明に従い、組織浸潤可能部分又は層がシートの形態であり、且つ第2の部分又は層もまたシートの形態であって、2枚のシートが両端面を突き合わせて接合される場合における、二重層の補綴を形成するための代表的な手順が説明される。Murray Hill, New JerseyのC.R. Bard, Inc.から市販されているCOLLAMEND(商標)ブタ真皮の断片を打ち抜いて組織内方成長シートを形成する。打抜型を用いて1.375インチの材料円板を切断し、間隔を置いた複数の0.094インチ直径の穴を形成する。これらの穴は、0.047〜0.60インチのウェブで離間される。次に、COLLAMEND(商標)材料の第2の断片を3.5インチの直径に打ち抜く。この層には穴は開けない。小さいほうの内方成長層を大きいほうの層上の中央に置くか、又はずらして置き、それらの層を、PDOなどの市販の吸収性縫合糸を用いて共に縫着する。
【0026】
[0030]
複合インプラントの代表的な実施形態は、微孔質で吸収可能な強化層及び/又はバリア層に取り付けられた、最小限に架橋されるか、又は架橋されていない有窓性の吸収可能な内方成長層を含む。完全に架橋された強化層及び/又はバリア層は、3.5インチの直径及び0.039インチの厚さを有する。内方成長層は、1.375インチの直径及び0.012インチの厚さを有する。材料、架橋の程度、メッシュ直径、厚さ、穴径、位置及び間隔は、前述の例のなかで、特定の必要性に合わせて変更され得ることは理解されるであろう。
【0027】
[0031]
図3〜図5に示される本発明の別の実施形態に従えば、補綴インプラント110は、ブタ真皮材料から形成された内方成長層112を含み、このブタ真皮材料は、無細胞且つ凍結乾燥状態に処理されるか、又はその他の方法でヒト又は動物に植え込むのに好適な状態にされ得る。ヒンジ式タブ119が打ち抜かれるか、又はその他の方法で内方成長層の厚さを貫通して形成される。次にタブ119を内方成長層の平面から外側に折り返すか、又は回転させることにより、組織を内方成長させるための開口116が形成される。タブは、組織欠損の平面に突き出るように位置決めされ、欠損の縁部が完全には接近していない領域における内方成長の付加的な足場を提供し得る。図示される実施形態において、タブ119は弓形又は半円形の外形を有する。有利には、内方成長層に開口116が設けられることで、本来の組織の内方成長及び血管新生が促進される一方、術後に漿液腫が形成される可能性が低下する。タブのサイズ、構成、間隔及び向きは、特定の必要性に応じて変更され得ることは理解されるであろう。この補綴具、及び本明細書に記載される他の器具のいずれも、さらに、抗生物質、麻酔剤、薬剤、又は他の製剤によって含浸されるか、コーティングされるか、又はその他の方法で構成されてもよい;それにより、例えば薬剤溶出補綴具となり得る。
【実施例】
【0028】
[0032]
以下の実施例は例示に過ぎず、本発明の範囲を制限する意図はない。破裂強度特性を試験した。試験法及び結果を以下に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
[0033]
COLLAMEND(商標)材料の5段階の架橋(0mM〜40mM)におけるボール破裂強度を、穴有り及び穴無しについて調べた。結果は、少なくとも5つの供試材の平均値を表す。
【0031】
[0034]
全ての供試材は、試験前に0.9%の規定の滅菌生理食塩水中で24時間水和させた。穴は全て、直径0.094インチであった。穴は供試材の中央に形成し、周囲に沿って約0.60〜0.74インチの間隔で5つの穴を配置した。供試材は1.5インチの円形であった。ボール破裂試験は、基本的に、ASTM D3787−01に掲載される手順に従い、インストロン試験機における供試材の破裂には3/8インチロッドを使用した。
【0032】
【表2】

【0033】
[0035]
本発明は例示的実施形態に関して説明されているが、それに限定されるものではない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲及び等価物の範囲から逸脱することなく当業者によって行われ得る本発明の他の変形例及び実施形態を含むよう、広義に解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具であって、
植込み後に迅速に酵素分解可能で、リモデリング可能で、且つ組織を内方成長させるように構成された生物学的組織の第1の部分であって、欠損を被覆又は填塞するような構造及び構成を有する第1の部分と、
植込み後に緩徐に酵素分解可能で、且つ、組織を内方成長させるようには構成されていない生物学的組織の第2の部分であって、前記第2の部分を介して前記補綴具を固定可能とするのに十分な引抜き強度を有する第2の部分と、
を含む、補綴具。
【請求項2】
前記生物学的組織の第1の部分が、架橋されていないか、又は最小限だけ架橋されている、請求項1に記載の補綴具。
【請求項3】
前記生物学的組織の第2の部分が架橋されている、請求項1に記載の補綴具。
【請求項4】
前記生物学的組織の第2の部分が、引抜き強度を高める結果となるよう処理された生物学的組織を含む、請求項1に記載の補綴具。
【請求項5】
前記生物学的組織の第1の部分の少なくとも50%が、植込み後12週間未満のうちに吸収可能である、請求項1に記載の補綴具。
【請求項6】
前記生物学的組織の第2の部分の少なくとも50%が、52週間以上経ってから吸収可能となる、請求項1に記載の補綴具。
【請求項7】
前記生物学的組織の第1の部分が、約0.3mm〜0.5mmの厚さを有する、請求項1に記載の補綴具。
【請求項8】
前記生物学的組織の第2の部分が、約0.7mm〜1.4mmの厚さを有する、請求項1に記載の補綴具。
【請求項9】
前記生物学的組織の第1の部分及び前記生物学的組織の第2の部分が、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮である、請求項1に記載の補綴具。
【請求項10】
前記生物学的組織の第1の部分が第1の表面と第2の表面とを有し、且つ前記第1の表面から前記第2の表面まで延在する穴であって、組織を内方成長させるように構成された穴を含む、請求項1に記載の補綴具。
【請求項11】
前記生物学的組織の第1の部分が、組織を内方成長させるようテクスチャ加工された表面を含む、請求項1に記載の補綴具。
【請求項12】
前記生物学的組織の第1の部分及び前記生物学的組織の第2の部分が、パッチの形態である、請求項1に記載の補綴具。
【請求項13】
前記パッチが、前記生物学的組織の第1の部分のシートの少なくとも一側面を取り囲む前記生物学的組織の第2の部分のシートを含む、請求項12に記載の補綴具。
【請求項14】
前記生物学的組織の第1の部分の前記シートが、前記生物学的組織の第2の部分の前記シートに当接して位置決めされる、請求項13に記載の補綴具。
【請求項15】
前記生物学的組織の第1の部分の前記シートが、前記生物学的組織の第2の部分の前記シートと両端面を突き合わせるか、又は両縁端を突き合わせるか、そのいずれかで位置決めされる、請求項14に記載の補綴具。
【請求項16】
前記生物学的組織の第1の部分の前記シートが、吸収性材料によって前記生物学的組織の第2の部分の前記シートに取り付けられる、請求項15に記載の補綴具。
【請求項17】
前記生物学的組織の第2の部分が、前記生物学的組織の第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約2倍のボール破裂強度を有する、請求項1に記載の補綴具。
【請求項18】
前記生物学的組織の第2の部分が、前記生物学的組織の第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約3倍のボール破裂強度を有する、請求項17に記載の補綴具。
【請求項19】
前記生物学的組織の第2の部分が、前記生物学的組織の第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約4倍のボール破裂強度を有する、請求項17に記載の補綴具。
【請求項20】
プラグの形態である、請求項1に記載の補綴具。
【請求項21】
前記生物学的組織の第1の部分がプラグの形態であり、且つ前記生物学的組織の第2の部分がパッチの形態である、請求項1に記載の補綴具。
【請求項22】
組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具であって、
生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分であって、欠損を被覆又は填塞するような構造及び構成を有する部分と、
生物学的組織の架橋された部分であって、前記第2の部分を介して前記補綴具を固定可能とするのに十分な引抜き強度を有する生物学的組織の架橋された部分と、
を含む、補綴具。
【請求項23】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分の少なくとも50%が、植込み後12週間未満のうちに吸収可能である、請求項22に記載の補綴具。
【請求項24】
前記生物学的組織の架橋された部分の少なくとも50%が、植込み後52週間以上経ってから吸収可能となる、請求項22に記載の補綴具。
【請求項25】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分が、約0.3mm〜0.5mmの厚さを有する、請求項22に記載の補綴具。
【請求項26】
前記生物学的組織の架橋された部分が、約0.7mm〜1.4mmの厚さを有する、請求項22に記載の補綴具。
【請求項27】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分及び前記生物学的組織の架橋された部分が、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮である、請求項22に記載の補綴具。
【請求項28】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分が、第1の表面と第2の表面とを有し、且つ前記第1の表面から前記第2の表面まで延在する穴であって、組織を内方成長させるように構成された穴を含む、請求項22に記載の補綴具。
【請求項29】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分が、組織を内方成長させるようにテクスチャ加工された表面を含む、請求項22に記載の補綴具。
【請求項30】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分及び前記生物学的組織の架橋された部分が、パッチの形態である、請求項22に記載の補綴具。
【請求項31】
前記パッチが、前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のシートの少なくとも一側面を取り囲む前記生物学的組織の架橋された部分のシートを含む、請求項30に記載の補綴具。
【請求項32】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のシートが、前記生物学的組織の架橋された部分のシートに当接して位置決めされる、請求項31に記載の補綴具。
【請求項33】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のシートが、前記生物学的組織の架橋された部分のシートと両端面を突き合わせるか、又は両縁端を突き合わせるか、そのいずれかで位置決めされる、請求項32に記載の補綴具。
【請求項34】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のシートが、吸収性材料によって前記生物学的組織の架橋された部分のシートに取り付けられる、請求項33に記載の補綴具。
【請求項35】
前記生物学的組織の架橋された部分が、前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のボール破裂強度の少なくとも約2倍のボール破裂強度を有する、請求項22に記載の補綴具。
【請求項36】
前記生物学的組織の架橋された部分が、前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のボール破裂強度の少なくとも約3倍のボール破裂強度を有する、請求項32に記載の補綴具。
【請求項37】
前記生物学的組織の架橋された部分が、前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分のボール破裂強度の少なくとも約4倍のボール破裂強度を有する、請求項36に記載の補綴具。
【請求項38】
プラグの形態である、請求項22に記載の補綴具。
【請求項39】
前記生物学的組織の、架橋されていない、又は最小限だけ架橋された部分がプラグの形態であり、且つ前記生物学的組織の架橋された部分がパッチの形態である、請求項22に記載の補綴具。
【請求項40】
組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具であって、
凍結乾燥された無細胞ブタ真皮の第1の部分であって、前記第1の部分の少なくとも50%が植込み後12週間未満のうちに吸収可能であり、前記第1の部分は組織を内方成長させるように構成される、第1の部分と、
凍結乾燥された無細胞ブタ真皮の第2の部分であって、前記第2の部分の少なくとも50%が植込み後52週間以上経ってから吸収可能となり、前記第2の部分は組織を内方成長させるようには構成されていない、第2の部分と、
を含み、前記第2の部分が、前記補綴具用の到達可能な固定位置を提供するような構成を有する、補綴具。
【請求項41】
前記第1の部分が、約0.3mm〜0.5mmの厚さを有する、請求項40に記載の補綴具。
【請求項42】
前記第2の部分が、約0.7mm〜1.4mmの厚さを有する、請求項40に記載の補綴具。
【請求項43】
前記第1の部分が第1の表面と第2の表面とを有し、且つ前記第1の表面から前記第2の表面まで延在する穴であって、組織を内方成長させるように構成された穴を含む、請求項40に記載の補綴具。
【請求項44】
前記第1の部分が、組織を内方成長させるようにテクスチャ加工された表面を含む、請求項40に記載の補綴具。
【請求項45】
前記第1の部分及び前記第2の部分がパッチの形態である、請求項40に記載の補綴具。
【請求項46】
前記パッチが、前記第1の部分のシートの少なくとも一側面を取り囲む前記第2の部分のシートを含む、請求項45に記載の補綴具。
【請求項47】
前記第1の部分の前記シートが、前記第2の部分の前記シートに当接して位置決めされる、請求項46に記載の補綴具。
【請求項48】
前記第1の部分の前記シートが、前記第2の部分の前記シートと両端面を突き合わせるか、又は両縁端を突き合わせるか、そのいずれかで位置決めされる、請求項47に記載の補綴具。
【請求項49】
前記第1の部分の前記シートが、吸収性材料によって前記第2の部分の前記シートに取り付けられる、請求項46に記載の補綴具。
【請求項50】
前記第2の部分が、前記第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約2倍のボール破裂強度を有する、請求項40に記載の補綴具。
【請求項51】
前記第2の部分が、前記第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約3倍のボール破裂強度を有する、請求項50に記載の補綴具。
【請求項52】
前記第2の部分が、前記第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約4倍のボール破裂強度を有する、請求項51に記載の補綴具。
【請求項53】
プラグの形態である、請求項40に記載の補綴具。
【請求項54】
前記第1の部分がプラグの形態であり、前記第2の部分がパッチの形態である、請求項40に記載の補綴具。
【請求項55】
組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強するための補綴具であって、
組織を内方成長させるように構成された生物学的組織の第1の部分であって、あるボール破裂強度を有する第1の部分と、
生物学的組織の第2の部分であって、前記第1の部分のボール破裂強度より大きいボール破裂強度を有する第2の部分と、
を含み、前記第2の部分が前記第1の部分の少なくとも一側面を取り囲む、補綴具。
【請求項56】
前記生物学的組織の第1の部分が、架橋されていないか、又は最小限だけ架橋されている、請求項55に記載の補綴具。
【請求項57】
前記生物学的組織の第2の部分が架橋されている、請求項55に記載の補綴具。
【請求項58】
前記生物学的組織の第2の部分が、ボール破裂強度を高める結果となるよう処理された生物学的組織を含む、請求項55に記載の補綴具。
【請求項59】
前記生物学的組織の第1の部分の少なくとも50%が、植込み後12週間未満のうちに吸収可能である、請求項55に記載の補綴具。
【請求項60】
前記生物学的組織の第2の部分の少なくとも50%が、52週間以上経ってから吸収可能となる、請求項55に記載の補綴具。
【請求項61】
前記生物学的組織の第1の部分が、約0.3mm〜0.5mmの厚さを有する、請求項55に記載の補綴具。
【請求項62】
前記生物学的組織の第2の部分が、約0.7mm〜1.4mmの厚さを有する、請求項55に記載の補綴具。
【請求項63】
前記生物学的組織の第1の部分及び前記生物学的組織の第2の部分が、凍結乾燥された無細胞ブタ真皮である、請求項55に記載の補綴具。
【請求項64】
前記生物学的組織の第1の部分が第1の表面と第2の表面とを有し、且つ前記第1の表面から前記第2の表面まで延在する穴であって、組織を内方成長させるように構成された穴を含む、請求項55に記載の補綴具。
【請求項65】
前記生物学的組織の第1の部分が、組織を内方成長させるようにテクスチャ加工された表面を含む、請求項55に記載の補綴具。
【請求項66】
前記生物学的組織の第1の部分及び前記生物学的組織の第2の部分がパッチの形態である、請求項55に記載の補綴具。
【請求項67】
前記パッチが、前記生物学的組織の第1の部分のシートの少なくとも一側面を取り囲む前記生物学的組織の第2の部分のシートを含む、請求項66に記載の補綴具。
【請求項68】
前記生物学的組織の第1の部分の前記シートが、前記生物学的組織の第2の部分の前記シートに当接して位置決めされる、請求項67に記載の補綴具。
【請求項69】
前記生物学的組織の第1の部分の前記シートが、前記生物学的組織の第2の部分の前記シートと両端面を突き合わせるか、又は両縁端を突き合わせるか、そのいずれかで位置決めされる、請求項68に記載の補綴具。
【請求項70】
前記生物学的組織の第1の部分の前記シートが、吸収性材料によって前記生物学的組織の第2の部分の前記シートに取り付けられる、請求項68に記載の補綴具。
【請求項71】
前記生物学的組織の第2の部分が、前記生物学的組織の第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約2倍のボール破裂強度を有する、請求項55に記載の補綴具。
【請求項72】
前記生物学的組織の第2の部分が、前記生物学的組織の第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約3倍のボール破裂強度を有する、請求項71に記載の補綴具。
【請求項73】
前記生物学的組織の第2の部分が、前記生物学的組織の第1の部分のボール破裂強度の少なくとも約4倍のボール破裂強度を有する、請求項71に記載の補綴具。
【請求項74】
プラグの形態である、請求項55に記載の補綴具。
【請求項75】
前記生物学的組織の第1の部分がプラグの形態であり、且つ前記生物学的組織の第2の部分がパッチの形態である、請求項55に記載の補綴具。
【請求項76】
植込み後に迅速に酵素分解可能で、且つ組織を内方成長させるように構成された生物学的組織の第1の部分と、植込み後に緩徐に酵素分解可能で、且つ組織を内方成長させるようには構成されていない生物学的組織の第2の部分とを有する補綴具によって、組織、筋肉又は器官の欠損を修復又は増強する方法であって、
前記第1の部分が欠損を被覆又は填塞するように前記補綴具を位置決めする工程と、
前記欠損に対して適切な位置で前記第1の部分を動かないように前記第2の部分を固定する工程と、
を含む、方法。
【請求項77】
前記修復又は増強が、腹腔内手技である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記固定が、第2の部分の縫合、ステープル留め、又は接着剤による結合のうちの1つ又は複数を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記位置決めする工程が、前記第1の部分により軟部組織欠損を填塞し、且つ前記第2の部分により軟部組織欠損を被覆することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記組織欠損が入口と出口とを有し、前記被覆が、前記第2の部分により前記入口又は前記出口の一方又は双方を被覆することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記組織欠損が入口と出口とを有し、前記被覆が、前記第1の部分により前記入口又は前記出口の一方を被覆することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項82】
前記修復又は増強が腹腔鏡下で施行される、請求項76に記載の方法。
【請求項83】
微孔質構造を有する生物学的に適合性のある吸収性材料の第2の層であって、本来の組織の内方成長を抑制する第2の層と;前記第2の層に取り付けられた生物学的に適合性のある吸収性材料の第1の層とを含む補綴修復パッチであって、前記第1の層と前記第2の層とが異なる吸収速度を有し、且つ前記第1の層は、本来の組織の内方成長及び血管新生を可能にする複数の開口を含む、補綴修復パッチ。
【請求項84】
前記第1の層と前記第2の層とが、吸収性縫合糸で共に縫い合わされる、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項85】
前記第2の層がある最大幅を有し、且つ前記第1の層がある最大幅を有し、前記第2の層の最大幅が、前記第1の層の最大幅の少なくとも約2倍である、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項86】
前記第2の層が実質的に一様な厚さを有し、且つ前記第1の層が実質的に一様な厚さを有し、前記第2の層の厚さが、前記第1の層の厚さの少なくとも約2倍である、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項87】
前記第2の層が、前記第1の層の吸収速度より少なくとも約10倍遅い吸収速度を有する、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項88】
前記第2の層が、前記第1の層の吸収速度より少なくとも約20倍遅い吸収速度を有する、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項89】
前記第1の層及び前記第2の層が、ブタ真皮で作製される、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項90】
一方の層のみが架橋されている、請求項89に記載の補綴修復ファブリック。
【請求項91】
前記第1の層が上面と底面とを有し、且つ前記上面から前記底面まで延在する少なくとも1つの開口を含む、請求項83に記載の補綴修復パッチ。
【請求項92】
架橋されたブタ真皮の第2の層と、架橋されていないブタ真皮の第1の層とを含む植込み型補綴であって、前記第1の層が、本来の組織を内方成長させるのに十分なサイズの複数の開口を有する、植込み型補綴。
【請求項93】
前記層の平面から外側に折り返し可能なヒンジ式タブであって、それにより対応するスルーホールを前記層に画定するヒンジ式タブを形成する複数の離間されたスルーカットを有する吸収可能層を含む植込み型補綴。
【請求項94】
前記吸収可能層がブタ真皮から形成される、請求項93に記載の植込み型補綴。
【請求項95】
前記スルーカットが弓形である、請求項93に記載の植込み型補綴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−505904(P2011−505904A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536937(P2010−536937)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/013414
【国際公開番号】WO2009/075786
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】