説明

検体検査装置

【課題】装置の小型化を図ることが可能な検体検査装置を提供する。
【解決手段】この血液分析装置1(検体検査装置)は、サンプル容器100を収容可能なラック101を供給する送出部41と、ラック101に収容されたサンプル容器100中の検体を取り込んで検査を行う第1測定ユニット2および第2測定ユニット3と、検体の取り込みが行われたサンプル容器100を収容するラック101を保管するための滞留部432と、送出部41から滞留部432へと向かう順方向と、その逆方向とにラック101を搬送可能であり、送出部41と滞留部432との間でラック101を搬送可能に構成された搬送路431と、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3による検体の取り込みが行われたラック101を、搬送路431によって送出部41と滞留部432との間に搬送して保管するための回収部42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体検査装置に関し、特に、検体容器を収容するラックを搬送するための搬送路を備えた検体検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体が収容された検体容器を搬送する搬送装置を備えた検体検査装置が知られている。このような検体検査装置においては、検体が検査装置に取り込まれて検査された結果、その検体について再検査が必要になる場合がある。再検査が必要か否かの判断は、検体が取り込まれてから検査装置による検査の結果が出た後に判明するため、取り込み済みの検体を再検査の要否が判明するまで搬送路上で待機させていると、後続の検体を回収部に移動させることができずに検体の搬送が停滞してしまい、効率的に検体を処理することができない。
【0003】
そこで、検体を効率的に処理することを可能とした検体検査装置として、特許文献1には、検体の分析を行う分析部と、検体がそれぞれ収容された複数の検体容器を保持するラックを分析部に搬送する搬送装置とを備えた自動分析装置が開示されている。この自動分析装置の搬送装置は、検体容器を複数保持したラックを搬送する搬送ラインと、分析部による測定後の検体を保持するラックを搬送ラインから搬送ラインと直交する方向に取り込むとともに再検査の要否の判定が出るまで待機させるための待機部と、搬送ラインとは別個に設けられ、再検査対象の検体を保持するラックを搬送ラインの上流側に送るための帰還ラインとを含んでいる。搬送ラインを搬送されるラックは、分析部により各検体容器の検体の取り込みが行われた後、待機部に取り込まれて、再検査の要否が判定されるまで保持される。そして、再検査が必要と判定された検体を保持するラックは、待機部から帰還ラインを通って搬送ラインの上流側(搬送開始位置)に戻されるように構成されている。このように構成することで、再検査の要否判定待ちの検体が保持されているラックについては待機部に待機させておくことができ、その間に再検査が不要と判定された後続のラックを回収部に回収させることができるため、ラックの搬送が停滞することなく、効率的に処理を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−213586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の自動分析装置では、搬送ラインは一方向にラックを搬送できるのみであるため、ラックを分析部から待機部または回収部に搬送することはできても、再検査が必要な検体が保持されているラックを待機部から分析部に搬送することはできない。そのため、ラックを待機部から搬送ラインの上流側に搬送するための帰還ラインを搬送ラインとは別個に設ける必要があり、装置が大型化するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、装置の小型化を図ることが可能な検体検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における検体検査装置は、検体容器を収容可能なラックを供給するラック供給部と、ラックに収容された検体容器中の検体を取り込んで検体の検査を行う検査ユニットと、検査ユニットによる検体の取り込みが行われた検体容器を収容するラックを保管するための第1ラック保管部と、ラック供給部から第1ラック保管部へと向かう順方向と、その逆方向とにラックを搬送可能であり、検査ユニットにより検体が取り込まれる位置を含む、ラック供給部と第1ラック保管部との間でラックを搬送可能に構成された搬送路と、検査ユニットによる検体の取り込みが行われた検体容器を収容するラックを、搬送路によってラック供給部と第1ラック保管部との間に搬送して保管するための第2ラック保管部とを備える。
【0008】
この発明の一の局面による検体検査装置では、上記のように、ラック供給部から第1ラック保管部へと向かう順方向と、その逆方向とにラックを搬送可能であり、検査ユニットにより検体が取り込まれる位置を含む、ラック供給部と第1ラック保管部との間でラックを搬送可能に構成された搬送路と、検査ユニットによる検体の取り込みが行われた検体容器を収容するラックを、搬送路によってラック供給部と第1ラック保管部との間に搬送して保管するための第2ラック保管部とを備えることによって、測定後の検体に対して再検査を行うか否かの判定が出されるまでの間、第1ラック保管部または第2ラック保管部でラックを保管することができる。そして、検体の再検査が必要な場合には、再検査が必要な検体が保持されているラックを第1ラック保管部または第2ラック保管部から検査ユニットにより検体が取り込まれる位置まで逆方向に搬送することができる。これにより、ラックを逆方向に送り戻す専用の帰還ラインを別途設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
【0009】
上記一の局面による検体検査装置において、好ましくは、第1ラック保管部は、ラックを一時的に保管する滞留部であり、第2ラック保管部は、ラックを回収する回収部である。このように構成すれば、再検査の要否判定待ちの検体容器を収容するラックを滞留部に一時的に保管し、再検査が不要と判定された検体容器を収容するラックを、ラック供給部と滞留部との間の回収部で回収することができる。
【0010】
上記一の局面による検体検査装置において、好ましくは、第2ラック保管部は、ラックを一時的に保管する滞留部であり、第1ラック保管部は、ラックを回収する回収部である。このように構成すれば、再検査の要否判定待ちの検体容器を収容するラックをラック供給部と回収部との間の滞留部に一時的に保管し、再検査が不要と判定された検体容器を収容するラックを、滞留部から順方向側に搬送して回収部で回収することができる。
【0011】
上記第1ラック保管部および第2ラック保管部の一方が滞留部であり、他方が回収部である構成において、好ましくは、搬送路を制御する制御部をさらに備え、制御部は、検査ユニットの検査結果に基づき、ラックに収容された検体容器中の検体について再検査の要否の判定を行うとともに、要否判定の結果に応じて、滞留部に待機中のラックを、再検査のために滞留部から検査ユニットに搬送するか、または、回収するために回収部に搬送するように搬送路を制御する。このように構成すれば、各検体の再検査判定の結果に応じて、再検査の必要がなければラックを回収部まで搬送し、再検査の必要があればラックを検査ユニットまで搬送することができる。
【0012】
この場合において、好ましくは、制御部は、ラックに収容された全ての検体容器中の検体について再検査不要と判定した場合には、滞留部に待機中のラックを回収部に搬送するように搬送路を制御する。このように構成すれば、検査が終了したラックを回収して、後続のラックのために滞留部を使用可能な状態にすることができる。
【0013】
上記制御部がラックに収容された全ての検体容器中の検体について再検査不要と判定した場合にラックを回収部に搬送する構成において、好ましくは、制御部は、ラックに収容された検体容器中の検体について再検査が必要と判定した場合には、滞留部に待機中のラックを検査ユニットに搬送し、再検査のために再び取り込みが行われたのち、回収部まで搬送するように搬送路を制御する。このように構成すれば、再検査の必要なラックを検査ユニットに搬送し、再検査も含めた全ての検査が終了したラックを回収部で回収することができる。
【0014】
上記搬送路を制御する制御部を備える構成において、好ましくは、搬送路は、順方向および逆方向にラックを搬送するための搬送ベルトを備える。このように構成すれば、比較的簡単な構成で順方向および逆方向にラックを搬送することができる。
【0015】
上記搬送路を制御する制御部を備える構成において、好ましくは、搬送路は、先行して搬送される第1ラックと、第1ラックに後続して搬送される第2ラックとを、搬送路上で順方向および逆方向にそれぞれ独立して搬送可能に構成されている。このように構成すれば、第1ラックが滞留部に待機している状態で、検査ユニットの取込位置まで後続する第2ラックを搬送して検体容器から検体を取り込むことができるので、より効率良く検体の検査を行うことができる。
【0016】
この場合において、好ましくは、搬送路は、2つのラックを順方向および逆方向にそれぞれ独立して搬送するための2つの搬送ベルトを備える。このように構成すれば、2つの搬送ベルトを用いることにより、第1ラックおよび第2ラックのそれぞれを容易に独立して搬送することができる。
【0017】
上記搬送路が2つの搬送ベルトを備えるにおいて、好ましくは、制御部は、第2ラックに収容された全ての検体容器中の検体について、再検査が不要と判定した場合で、かつ、第1ラックが再検査の判定を待つために滞留部に待機している場合には、第2ラックを回収部へ搬送するように搬送路を制御するように構成されている。このように構成すれば、再検査のために第1ラックの処理に時間がかかる場合にも、第1ラックに先行して処理が終了した第2ラックを回収部へ送り出し、第2ラックに後続するラックの処理を開始することができる。これにより、さらに効率良く検体の処理を行うことができる。
【0018】
上記搬送路を制御する制御部を備える構成において、好ましくは、制御部は、ラックに収容された検体容器中の検体が検査ユニットによって所定の取込順序で取り込まれるようにラックを搬送するように搬送路を制御可能であり、かつ、ラックに収容された検体容器中の検体の再検査が必要と判定した場合には、その検体が取込順序に割り込んで取り込まれるようにラックを搬送するように搬送路を制御可能に構成されている。このように構成すれば、再検査を割り込み的に行うことができるので、再検査を迅速に行うことができる。
【0019】
上記一の局面による検体検査装置において、好ましくは、検査ユニットは、第1検査ユニットと第2検査ユニットとを含み、搬送路は、検体容器中の検体が第1検査ユニットおよび第2検査ユニットのいずれによっても取り込まれるようにラックを搬送可能に構成されている。このように構成すれば、第1検査ユニットおよび第2検査ユニットのうち、より迅速に取り込み可能な検査ユニットまでラックを搬送することができるので、より効率良く検体の処理を行うことができる。
【0020】
この場合において、好ましくは、第2ラック保管部は、第1検査ユニットによる第1検体取り込み位置と第2検査ユニットによる第2検体取り込み位置との間に搬送されたラックを保管する。このように構成すれば、第1検査ユニットおよび第2検査ユニットの一方に搬送されたラックに収容された検体の処理が終了した場合に、他方の検査ユニットによる検査を妨げることなく、処理の終了したラックを第2ラック保管部に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2〜図9は、それぞれ、図1に示した一実施形態による血液分析装置の各部の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、検体検査装置の一例である血液分析装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0023】
本実施形態による血液分析装置1は、図1に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の2つの測定ユニットと、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の前面側(矢印Y1方向側)に配置された検体搬送装置(サンプラ)4と、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置5とを備えている。また、血液分析装置1は、制御装置5によりホストコンピュータ6(図2参照)に接続されている。
【0024】
また、図1〜図3に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、実質的に同種類の測定ユニットであり、互いに隣接して配置されている。具体的には、本実施形態では、第2測定ユニット3は、第1測定ユニット2と同じ測定原理を使用して、同一の測定項目について検体を測定する。また、図2に示すように、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、それぞれ、検体である血液をサンプル容器(試験管)100から吸引する検体吸引部21および31と、検体吸引部21および31により吸引した血液から検出用試料を調製する試料調製部22および32と、試料調製部22および32により調製された検出用試料から血液の血球を検出する検出部23および33とを含んでいる。
【0025】
また、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3は、図2に示すように、それぞれ、検体吸引部21および31や試料調製部22および32などを内部に収容するユニットカバー24および34と、サンプル容器100をユニットカバー24および34の内部に取り込み、検体吸引部21および31による吸引位置600および700までサンプル容器100を搬送するサンプル容器搬送部25および35と、吸引位置600および700でサンプル容器100を固定保持する固定保持部26および36とをさらに含んでいる。
【0026】
検体吸引部21(31)は、図2に示すように、ピアサ211(311)を含んでいる。ピアサ211(311)は、先端がサンプル容器100の後述する密閉蓋100a(図4参照)を貫通(穿刺)可能なように形成されている。また、ピアサ211(311)は、図示しないピアサ駆動部により鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動されるように構成されている。
【0027】
検出部23(33)は、RBC検出(赤血球の検出)およびPLT検出(血小板の検出)をシースフローDC検出法により行うとともに、HGB検出(血液中の血色素の検出)をSLS−ヘモグロビン法により行うように構成されている。また、検出部23(33)は、WBC検出(白血球の検出)を半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うようにも構成されている。また、検出部23(33)で得られた検出結果は、検体の測定データ(測定結果)として、制御装置5に送信される。なお、この測定データは、ユーザに提供される最終的な分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)のもととなるデータである。
【0028】
サンプル容器搬送部25(35)は、図3に示すように、サンプル容器100を把持することが可能なハンド部251(351)と、ハンド部251(351)を開閉させる開閉部252(352)と、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に直線移動させる鉛直移動部253(353)と、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に振り子状に移動させる攪拌部254(354)とを有している。さらに、サンプル容器搬送部25(35)は、図2に示すように、サンプル容器100を矢印Y1およびY2方向に水平移動させるサンプル容器移送部255(355)と、バーコード読取部256(356)とを有している。
【0029】
ハンド部251(351)は、検体搬送装置4が搬送するラック101の搬送路の上方に配置されている。また、ハンド部251(351)は、検体搬送装置4により後述する第1取込位置43aおよび第2取込位置43b(図2参照)にサンプル容器100が搬送されると、下方(矢印Z2方向)に移動した後、開閉部252および352により開閉されてラック101に収容されたサンプル容器100を把持するように構成されている。
【0030】
また、ハンド部251(351)は、把持したサンプル容器100を上方(矢印Z1方向)に移動することによりラック101からサンプル容器100を取り出し、その後、攪拌部254(354)により振り子状に移動される(たとえば、10往復)ように構成されている。これにより、ハンド部251(351)は、把持するサンプル容器100内の血液を攪拌することが可能である。また、攪拌終了後、ハンド部251(351)は、下方(矢印Z2方向)に移動した後、開閉部252(352)によりサンプル容器100の把持を開放するように構成されている。具体的には、ハンド部251(351)は、サンプル容器移送部255(355)により検体セット位置610(710)(図2参照)に移動された第1検体セット部255a(355a)に、サンプル容器100をセットするように構成されている。なお、図2に示すように、平面的に見て、第1取込位置43aと検体セット位置610とは、重なるように配置されているとともに、第2取込位置43bと検体セット位置710とは、重なるように配置されている。
【0031】
開閉部252(352)は、図3に示すように、エアシリンダ252a(352a)による動力により、サンプル容器100を把持するようにハンド部251(351)を開閉するように構成されている。
【0032】
鉛直移動部253(353)は、ステッピングモータ253a(353a)による動力により、レール253b(353b)に沿ってハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動するように構成されている。
【0033】
攪拌部254(354)は、図示しないステッピングモータによる動力により、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に振り子状に移動するように構成されている。
【0034】
サンプル容器移送部255(355)は、図1および図3に示すように、第1検体セット部255a(355a)を有し、第1検体セット部255a(355a)を測定処理の動作に応じた所定の位置に移動させることが可能である。具体的には、サンプル容器移送部255(355)により、各検体セット部を、図2に示す吸引位置600(700)と、検体セット位置610(710)とに配置させることが可能である。
【0035】
バーコード読取部256(356)は、各サンプル容器100に貼付された図4に示すバーコード100bを読み取るように構成されている。また、各サンプル容器100のバーコード100bは、各検体に固有に付されたものであり、各検体の分析結果の管理などに使用される。
【0036】
固定保持部26(36)は、吸引位置600(700)に移送されたサンプル容器100を固定保持するように構成されている。具体的には、固定保持部26(36)は、図2に示すように、一対のチャック部261(361)を有し、一対のチャック部261(361)が互いに近接移動してサンプル容器100を挟持するように構成されている。
【0037】
また、図2および図3に示すように、検体搬送装置4は、分析が行われる前の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を供給することが可能な送出部41と、分析が行われた後の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保管することが可能な回収部42と、ラック101を矢印X1およびX2方向に水平に直線移動するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、サンプル容器100の有無を検知する有無検知センサ45と、回収部42内にラック101を移動するラック排出部46と、サンプル容器100に収容された検体の残量を検知する残量検知部47(図2参照)とを含んでいる。
【0038】
送出部41は、ラック送出部411を有し、ラック送出部411が矢印Y2方向に移動することによって、送出部41に保持されたラック101を1つずつラック搬送部43の後述する搬送路431上に送り出すように構成されている。ラック送出部411は、送出部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動するように構成されている。また、送出部41は、ラック搬送部43近傍に規制部412(図3参照)を有し、一度ラック搬送部43上に押し出されたラック101が送出部41内に戻されないようにラック101の移動を規制するように構成されている。
【0039】
回収部42は、送出部41とラック搬送部43の後述する滞留部432との間に配置され、ラック排出部46によりラック搬送部43から押し出されたラック101を回収するように構成されている。ラック搬送部43の近傍に規制部421(図3参照)を有し、一度回収部42内に移動されたラック101がラック搬送部43側に戻されないようにラック101の移動を規制するように構成されている。ラック101の回収は、図2に示すように、第1取込位置43aと第2取込位置43bとの間の回収位置43e(ラック形状の破線により図示)において行われるように構成されている。なお、回収部42は、本発明の「第2ラック保管部」の一例である。
【0040】
また、ラック搬送部43は、図2に示すように、搬送路431と滞留部432とを有し、送出部41から送り出されたラック101を搬送することにより、所定の位置にラック101を配置するように構成されている。このラック搬送部43の搬送路431は、送出部41側から滞留部432側へと向かう順方向(X1方向)と、滞留部432側から送出部41側に向かう逆方向(X2方向)とに2つのラック101をそれぞれ独立して搬送可能に構成されている。なお、滞留部432は、本発明の「第1ラック保管部」の一例である。
【0041】
搬送路431は、図2に示すように、X方向に沿って延びるように直線状に設けられており、ラック101に保持されたサンプル容器100の第1取込位置43a、第2取込位置43bおよび検体検知位置43cへの搬送と、送出位置43d(ラック形状の破線により図示)における送出部41からのラック101の受け取りと、回収位置43e(ラック形状の破線により図示)における回収部42へのラック101の排出と、滞留部432の後述する待機位置43f(ラック形状の破線により図示)への搬送とが可能なように構成されている。第1取込位置43aおよび第2取込位置43bは、送出部41と、滞留部432との間に配置されている。なお、検体検知位置43cにおいては、有無検知センサ45によるサンプル容器100の有無確認と、バーコード読取部44によるサンプル容器100のバーコード100b(図4参照)の読み取りと、残量検知部47によるサンプル容器100中の検体の残量確認とを行うことが可能なように構成されている。また、第1取込位置43aは、図2に示すように、回収部42の順方向(X1方向)側の端部よりも、順方向側に配置されている。これにより、第1取込位置43aは、回収位置43eの順方向(X1方向)側の端部よりも、順方向側に配置される。
【0042】
また、本実施形態では、滞留部432は、搬送路431を順方向(X1方向)に直線状に延長するように設けられ、搬送路431と連続して一体的に形成されている。滞留部432は、図6に示すように、回収部42の順方向(X1方向)側の端部および第1取込位置43aよりも順方向(X1方向)側の領域において、少なくとも1つのラック101を配置することが可能な長さLを有する。この滞留部432では、ラック101を待機位置43f(図2においてラック形状の破線により図示)に配置することにより、測定された検体の再検査が必要か否かの判定がされるまで、ラック101を一時的に退避させておくことが可能なように構成されている。
【0043】
ここで、図5に搬送路431および滞留部432と、第1取込位置43a、第2取込位置43b、検体検知位置43c、送出位置43d、回収位置43eおよび待機位置43fとの位置関係を示す。なお、図5において、ラック101に保持されたサンプル容器100のそれぞれを円内の数字により示す。図4に示すように、1つのラック101は、最大10本のサンプル容器100を保持することが可能である。図5(A)に示すように、第1取込位置43aおよび第2取込位置43bにおいて、ラック101の保持されたサンプル容器100がそれぞれ1本ずつ取り出され、各測定ユニットに取り込まれる。同様に、検体検知位置43cにおける検体の有無検知、バーコード読み取りおよび残量検知もラック101に保持されたサンプル容器100の1本ずつについて行われる。
【0044】
また、本実施形態では、搬送路431上にラック2つが配置された場合には、図5(B)に示すように、後続するラック(後行ラック)101が送出位置43dに配置された状態で、先行するラック(先行ラック)101に保持された検体のうち、4本(7〜10本目)のサンプル容器100を第2取込位置43bに配置することが可能なように構成されている。したがって、搬送路431に2つのラックが配置された場合でも、先行ラック101について、第1取込位置43aに全ての検体を搬送可能であるとともに、第2取込位置43bに4本(7〜10本目)の検体を搬送可能である。また、図5(C)に示すように、先行ラック101が滞留部432の待機位置43fに配置された状態で、後行ラック101に保持された検体のうち、第1測定ユニット2で4本(11〜14本目)の検体を第1取込位置43aに配置して測定(再検査)することが可能である。したがって、搬送路431および滞留部432に2つのラックが配置された場合でも、後行ラック101について、第1取込位置43aに4本(11〜14本目)の検体を搬送可能であるとともに、第2取込位置43bに全て(10本)の検体を搬送可能である。つまり、ラック搬送部43(搬送路431および滞留部432)上に2つのラックが配置された場合にも、先行ラック101および後行ラック101の少なくともそれぞれ4本の検体について、両方の測定ユニットで検体の測定(再検査)を行うことが可能である。
【0045】
また、図6に示すように、ラック搬送部43の搬送路431は、互いに独立して動くことが可能な第1ベルト433および第2ベルト434の2つのベルトを有している。また、第1ベルト433および第2ベルト434の矢印Y1およびY2方向の幅b1およびb2は、それぞれラック101の矢印Y1およびY2方向の幅Bの半分以下の大きさである。これにより、搬送路431がラック101を搬送する際に、第1ベルト433および第2ベルト434は、ともにラック101の幅Bからはみ出ないように並列に配置される。また、図7および図8に示すように、第1ベルト433および第2ベルト434は、環状に形成されており、それぞれローラ433a、433b、433c、および、ローラ434a、434b、434cを取り囲むように配置されている。また、第1ベルト433および第2ベルト434の外周部には、ラック101の矢印X1およびX2方向の幅Wよりも若干(たとえば、約1mm)大きい内幅w1(図7参照)およびw2(図8参照)を有するように突起片433dおよび434dがそれぞれ2つずつ形成されている。第1ベルト433は、突起片433dの内側にラック101を保持した状態において、ステッピングモータ433e(図3参照)によりローラ433a〜433cの外周を移動されることによって、ラック101を矢印X1およびX2方向に移動するように構成されている。また、第2ベルト434は、突起片434dの内側にラック101を保持した状態において、ステッピングモータ434e(図3参照)によりローラ434a〜434cの外周を移動されることによって、ラック101を矢印X1およびX2方向に移動するように構成されている。また、第1ベルト433および第2ベルト434は、搬送路431上でそれぞれ、互いに独立してラック101を移動することが可能なように構成されている。
【0046】
本実施形態では、図6に示すように、第1ベルト433および第2ベルト434は、一直線状に連続して形成された搬送路431および滞留部432の全体に渡って設けられている。これにより、搬送路431の逆方向(X2方向)側の端部(送出位置43d)から滞留部432の順方向(X1方向)側の端部(待機位置43f)までの間を、各ラック101を連続的に搬送することが可能である。
【0047】
バーコード読取部44は、図4に示したサンプル容器100のバーコード100bを読み取るとともに、ラック101に貼付されたバーコード101aを読み取るように構成されている。また、バーコード読取部44は、図示しない回転装置によって対象のサンプル容器100をラック101に収容したまま水平方向に回転させながらバーコード100bを読み取るように構成されている。これにより、サンプル容器100のバーコード100bがバーコード読取部44に対して反対側に貼付されている場合にも、バーコード100bをバーコード読取部44側に向けることが可能である。また、ラック101のバーコード101aは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。バーコード読取部44により取得されたバーコード情報は、制御装置5に送信され、各検体の分析項目などを規定した分析オーダと照合される。各測定ユニットは、この分析オーダに基づいて検体毎に所定の分析項目について測定を行うように構成されている。
【0048】
有無検知センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片451(図3参照)、光を出射する発光素子(図示せず)および受光素子(図示せず)を有している。有無検知センサ45は、接触片451が検知対象の被検知物に当接されることにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片451により反射されて受光素子に入射されるように構成されている。これにより、有無検知センサ45の下方をラック101に収容された検知対象のサンプル容器100が通過する際に、接触片451がサンプル容器100により屈曲されて、サンプル容器100の有無を検知することが可能である。
【0049】
ラック排出部46は、ラック搬送部43を挟んで回収部42に対向するように配置されており、矢印Y1方向に水平に移動するように構成されている。また、ラック排出部46は、矢印Y1方向に水平移動することによって、ラック搬送部43の回収部42とラック排出部46とに挟まれた回収位置43eに配置されたラック101を回収部42側に押し出すように構成されている。
【0050】
残量検知部47は、図示しない発光部および受光部を有し、検体検知位置43c(図2参照)に配置されたサンプル容器100に収容された検体の残量を検知する機能を有する。発光部からの光の照射高さが所定量(1回の測定に必要な量)だけサンプル容器100に検体が収容されたときの液面高さに設定されており、受光部により光が受光された場合に検体の残量が所定量未満であることが検知されるように構成されている。なお、残量検知部47は、図3では図示を省略している。
【0051】
制御装置5は、図1、図2および図9に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部51(図9参照)と、表示部52と、入力デバイス53とを含んでいる。また、表示部52は、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
【0052】
また、制御装置5は、図9に示すように、制御部51と、表示部52と、入力デバイス53とから主として構成されたコンピュータ500によって構成されている。制御部51は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク51dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
【0053】
CPU51aは、ROM51bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム54a、54bおよび54cをCPU51aが実行することにより、コンピュータ500が制御装置5として機能する。
【0054】
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0055】
RAM51cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM51cは、ROM51bおよびハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
【0056】
ハードディスク51dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。第1測定ユニット2用の測定処理(1)プログラム54a、第2測定ユニット3用の測定処理(2)プログラム54bおよび検体搬送装置4用のサンプラ動作処理プログラム54cも、このハードディスク51dにインストールされている。CPU51aにより、これらのアプリケーションプログラム54a〜54cを実行することによって、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4の各部の動作が制御される。また、ハードディスク51dには、測定結果データベース54dもインストールされている。
【0057】
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、アプリケーションプログラム54a〜54cが格納されており、コンピュータ500がその可搬型記録媒体54からアプリケーションプログラム54a〜54cを読み出し、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0058】
なお、上記アプリケーションプログラム54a〜54cは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ500と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム54a〜54cがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ500がアクセスして、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
【0059】
また、ハードディスク51dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム54a〜54cは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0060】
入出力インタフェース51fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース51fには、入力デバイス53が接続されており、ユーザがその入力デバイス53を使用することにより、コンピュータ500にデータを入力することが可能である。
【0061】
通信インタフェース51gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ500は、その通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して第1測定ユニット2、第2測定ユニット3、検体搬送装置4およびホストコンピュータ6との間でデータの送受信が可能である。
【0062】
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部52に出力するようになっている。表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示するように構成されている。
【0063】
制御部51は、上記した構成により、所定の順序でラック101に保持されたサンプル容器100の検体の測定を行うように、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4を制御するように構成されている。そして、制御部51は、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3から送信された測定結果を用いて分析対象の成分を解析するとともに、分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)を取得するように構成されている。また、制御部51は、受信した測定結果に基づき、測定された検体について再検査の要否判定(再検査判定)を行うように構成されている。再検査が必要と判断された検体は、再度測定ユニットに搬送され、再検査が行われる。
【0064】
ラック101には、図4に示すように、10本のサンプル容器100を一列に収容可能なように10個の容器収容部101bが形成されている。また、各容器収容部101bには、それぞれ、収容したサンプル容器100のバーコード100bが視認可能なように開口部101cが設けられている。
【0065】
図10は、本発明の一実施形態による血液分析装置の測定処理プログラムによる測定処理動作を説明するためのフロー図である。次に、図10を参照して、本実施形態による血液分析装置1の測定処理プログラム54aおよび54bによる測定処理動作を説明する。なお、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3では、それぞれ同様に分析対象の成分が測定されるので、以下では第1測定ユニット2により分析対象の成分を測定する場合について説明し、第2測定ユニット3による測定処理動作の説明は省略する。
【0066】
まず、ステップS1において、吸引位置600(図2参照)まで搬送されたサンプル容器100から検体吸引部21により検体の吸引が行われる。そして、ステップS2において、吸引した検体から試料調製部22により検出用試料が調製され、ステップS3で、検出用試料から分析対象の成分が検出部23により検出される。そして、ステップS4で、測定データが、第1測定ユニット2から制御装置5に送信される。その後、ステップS5において、第1測定ユニット2から送信される測定結果に基づいて、制御部51により分析対象の成分が解析される。このステップS5により、検体の分析が完了され、動作が終了される。
【0067】
図11および図12は、本発明の一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される先行ラックの動作を説明するためのフロー図である。また、図13〜図15は、本発明の一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される後行ラックの動作を説明するフロー図である。また、図16〜図21は、それぞれ、本発明の一実施形態による血液分析装置のサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。次に、図11、図12、図16〜図20を参照して、本実施形態による血液分析装置1の検体搬送装置4により搬送される先行ラック101の動作を説明する。なお、先行ラック101とは、送出部41からラック搬送部43に先に送り出されたラック101のことであり、後行ラック101とは、ラック搬送部43(搬送路431または滞留部432)に先行ラック101がある状態で、ラック搬送部43に送り出された後続するラック101のことである。また、本実施形態による血液分析装置1は、測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54bおよびサンプラ動作処理プログラム54cに基づき、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3および検体搬送装置4が共同して動作するものである。このため、各ラック101が状況や分析項目に応じて複雑に動作するので、以下の説明では詳細を省き、典型的な動作の例のみを説明する。
【0068】
まず、図11に示すように、ユーザにより血液分析装置1が起動されると、ステップS11において、検体搬送装置4の初期化が行われる。この際、第1ベルト433の突起片433dが所定の位置に移動され、第1ベルト433の原点位置としてセットされる。2つの突起片433dが送出位置43dに対応する位置まで移動され、1〜10本目までのサンプル容器100を保持する先行ラック101が第1ベルト433の2つの突起片433dの間に送り込まれる。この際、先行ラック101は、図16の状態1に示すように、送出位置43dに配置される。
【0069】
ステップS12(図16の状態2参照)において、先行ラック101が第1測定ユニット2方向(順送り方向)に移動され、検体検知位置43cで有無検知センサ45、バーコード読取部44および残量検知部47により先行ラック101に収容された1本目のサンプル容器100の有無検知、バーコード100bの読み取りおよび検体の残量検知が行われる。図16の状態3に示すように、同様に2本目〜10本目までのサンプル容器100が順次検体検知位置43cに配置されることにより、先行ラック101に保持された全てのサンプル容器100についての有無検知、バーコード100bの読み取りおよび検体の残量検知が行われる。なお、有無検知センサ45および残量検知部47により検知された検知結果、バーコード読取部44により読み取られたバーコード情報は、制御装置5を介して随時ホストコンピュータ6に送信される。
【0070】
ステップS13では、制御装置5の制御部51により検体の取り込みを第1測定ユニット2で行うか否かが判断される。ここで、ラックに保持された各検体は、原則として先行ラック101の順方向側(X1方向)に保持された検体から順に取り込まれる。すなわち、図16に示した各サンプル容器100に付した番号順に取り込みが行われる。また、各検体の取り込みは、第1測定ユニット2から優先的に行われる。したがって、後述する割り込み再検査が行われない場合には、原則として第1測定ユニット2で奇数番目のサンプル容器100が取り込まれ、第2測定ユニット3で偶数番目のサンプル容器100が取り込まれることとなる。したがって、ステップS13では、上記の原則に基づき、次の検体取り込みが第1測定ユニット2で行われるか否かが判断される。なお、実際には、測定順は各検体の分析項目を規定する分析オーダなどに基づき決定され、複雑になるが、ここでは簡略化して説明している。
【0071】
ステップS13において、検体取り込みが第1測定ユニット2で行われると判断された場合には、ステップS14に移行し、第1測定ユニット2へ向けて先行ラック101が搬送される。図16の状態3に示すように、1本目のサンプル容器100の取り込みを行うため、第1測定ユニット2に向けて順方向(X1方向)へ先行ラック101が搬送される。一方、ステップS13において、第1測定ユニット2で取り込みを行わない場合には、ステップS15へ移行する。
【0072】
次に、ステップS16において、制御部51により移動先の測定ユニットに取り込み済みの検体があるか否かが判断される。取り込み済みの検体がある場合には、ステップS17へ移行し、先行ラック101の取り込み済みの検体の収容位置が取込位置に位置するように先行ラック101が搬送され、先行ラック101にサンプル容器100が戻される。移動先の測定ユニットに取り込み済みの検体がない場合には、ステップS18に移行する。図16の状態3に示すように、検体が取り込まれていない状態では、ステップS18へ移行する。
【0073】
ステップS18では、制御部51により、先行ラック101に保持されたサンプル容器100の中に、再検査対象の検体があるか否かが判断される。この際、制御部51は、各測定ユニットから受信した測定結果を用いて分析対象の成分を解析することにより、測定された検体に対して再検査を行うか否かを判定する。再検査対象の検体が先行ラック101に存在する場合には、ステップS19に移行して、再検査対象の検体の測定を測定順に割り込ませて行われる。この場合、測定予定の検体は、次回以降の測定に変更される。なお、各測定ユニットによる検体の測定および再検査判定は、所定の時間間隔で行われる。たとえば、測定ユニットによる検体の取り込みが36秒間隔で行われ、再検査判定が測定ユニットへの検体取り込みから75秒後に行われる。この場合、2本後の検体が取り込まれた後に再検査判定の結果が判明する。すなわち、1本目の検体の再検査判定の結果は、3本目の検体取り込み後に判明する。
【0074】
一方、ステップS18において、先行ラック101に再検査対象の検体がない場合には、ステップS20に移行して、取り込まれる検体の収容位置が測定ユニットの取込位置に位置するように先行ラック101が搬送される。この結果、図16の状態4に示すように、先行ラック101の1番目のサンプル容器100の収容位置が第1取込位置43aに配置され、1本目の検体が第1測定ユニット2に取り込まれる。
【0075】
1本目の検体が取り込まれると、ステップS21に移行して、制御部51により、取り込みを行う検体の有無が判断される。次取り込み検体が先行ラック101内にある場合には、ステップS13に戻り、次取り込み検体がなくなるまで順次取り込み動作が実行される。次取り込み検体がない場合には、ステップS22に移行する。したがって、先行ラック101に収容された全て(10本)の検体が取り込まれるまで、上記ステップS13〜S21までが繰り返される。
【0076】
具体的には、先行ラック101の2本目の検体取り込みの際には、ステップS13において、1本目の検体が第1測定ユニット2に取り込まれたため、ステップS15に移行する。そして、ステップS15において第2測定ユニット3に向けて先行ラック101が搬送される。その後、1本目と同様の処理を経て、ステップS20に移行する。この結果、ステップS20において、図16の状態5に示すように、先行ラック101の2本目のサンプル容器100の収容位置が第2取込位置43bに配置され、2本目の検体が第2測定ユニット3に取り込まれる。
【0077】
3本目の検体取り込みでは、ステップS13において、3本目の検体が第1測定ユニット2により取り込まれると判断される。そして、ステップS14に移行して第1測定ユニット2へ向けて先行ラック101が搬送される。このとき、図16の状態5に示すように、第1測定ユニット2には1本目の検体が取り込まれているので、ステップS16において、第1測定ユニット2に取り込み済み検体ありと判断されることにより、ステップS17に移行する。そして、ステップS17において、取り込み済みの1本目のサンプル容器収容位置が第1取込位置43aに位置するように先行ラック101が搬送される。そして、図17の状態6に示すように、測定終了後の1本目の検体(サンプル容器100)が先行ラック101に戻される。1本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻されると、ステップS18に移行し、再検査の検体がなければ1本目のサンプル容器100と同様にして、第1測定ユニット2に取り込まれる。以上の処理を繰り返すことにより、順次検体の取り込みが行われる。
【0078】
また、3本目のサンプル容器100の取り込み以降では、測定済み検体の再検査判定の結果が確定する。ここで、6本目の検体の再検査判定がされた場合を例に説明する。図17の状態7に示すように、6本目の検体の再検査要否は、2本後の8本目の検体が第2測定ユニット3に取り込まれた後に判定される。
【0079】
ここで、6本目の検体の再検査を行う場合、図17の状態8に示すように、ステップS17において、第1測定ユニット2に取り込まれた7本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻されると、ステップS18において、制御部51により再検査対象の検体ありと判断される。そして、図17の状態9に示すように、ステップS19において、9本目の検体が取り込まれる前に、再検査対象の6本目の検体が割り込み的に取り込まれる。この場合には、測定順が変更され、9本目の検体の取り込みが次回以降に繰り下げられる。
【0080】
この後、状態10に示すように、第2測定ユニット3から8本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻されると、再検査対象の検体の有無が判断され、再検査対象の検体がない場合には、図18の状態11に示すように、9本目の検体が第2測定ユニット3に取り込まれる。
【0081】
状態11以降、再検査対象の検体がない場合には、状態12に示すように、再検査を行った6本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻される。そして、状態13に示すように、10本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2に取り込まれる。この結果、先行ラック101に収容された10本全ての検体が測定ユニットに取り込まれたことにより、図11のステップS21において、次取り込み検体なしと判定されてステップS22へ移行する。なお、再検査対象の6本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻された図18の状態12の時点で後行ラック101が送出部41からラック搬送部43に送り出されているが、後行ラック101の動作については、後述する。
【0082】
図12に示すように、ステップS22において、各測定ユニットに取り込み済みの検体がないか判断される。先行ラック101に収容されたサンプル容器100が全て測定ユニットから戻されている場合には、ステップS23へ移行する。一方、図18の状態13に示すように、10本目のサンプル容器100が取り込まれた時点では9本目および10本目のサンプル容器100がそれぞれの測定ユニットに取り込まれていることから、ステップS24に移行する。
【0083】
ステップS24では、先行ラック101の取り込み済みのサンプル容器収容位置が測定ユニットの取込位置に位置するように、先行ラック101が搬送される。この結果、図18の状態14に示すように、9本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻された後、状態15に示すように、10本目のサンプル容器100も先行ラック101に戻される。これにより、先行ラック101の全てのサンプル容器100が測定ユニットから先行ラック101に戻され、図12のステップS23へ移行する。
【0084】
ステップS23では、先行ラック101に収容された全ての検体について、再検査の可能性があるか否かが判断される。10本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻された状態15の時点では、9本目および10本目の検体に対する再検査判定は出ていないので、ステップS25へ移行する。
【0085】
ステップS25において、先行ラック101は搬送路431によりX1方向に搬送され、滞留部432の待機位置43fまで移動される。この際、図19の状態16に示すように、先行ラック101は待機位置43fに待機状態となる。そして、図12のステップS26において、再検査判定の結果、先行ラック101に再検査対象の検体があるか否かが判断される。ここで、再検査対象の検体がない場合には、ステップS23に戻り、再度先行ラック101に収容された全ての検体について、再検査の可能性があるか否かが判断される。したがって、再検査判定の出ていない全ての検体について再検査判定が出されるまで、ステップS23、S25およびS26が繰り返され、その間先行ラック101は滞留部432の待機位置43fに待機する。
【0086】
再検査判定の結果、9本目および10本目を含む全ての検体が再検査済みまたは再検査不要とされた場合には、ステップS23において、先行ラック101の全検体について再検査の可能性なしと判断され、ステップS24に移行する。そして、ステップS24において、図19の状態17に示すように、全ての処理が終了した先行ラック101が回収部42へ向けて逆方向(X2方向)に搬送される。そして、先行ラック101が回収位置43eに配置されると、ラック排出部46によって回収部42に押し出される。これにより、状態18に示すように、先行ラック101が回収部42に回収され、先行ラック101の全ての処理が終了する。
【0087】
一方、たとえば10本目の検体の再検査が必要と判定された場合には、ステップS26において、先行ラック101に再検査対象の検体ありと判断され、ステップS27に移行する。ステップS27では、再検査対象の10本目の検体を測定順に割り込ませるとともに、再度10本目のサンプル容器100を取り込むため、先行ラック101が測定ユニットへ搬送される。この際、図19の状態16に示すように、第2測定ユニット3から後行ラック101の1本目の検体(測定順11本目)が後行ラック101に戻されると、状態19に示すように、先行ラック101が滞留部432の待機位置43fから第2取込位置43bに搬送され、10本目の検体が第2測定ユニット3に取り込まれる。
【0088】
その後、図20の状態20に示すように、先行ラック101は、10本目の検体が取出可能となるまで再度滞留部432の待機位置43fに搬送され待機状態となる。その後、ステップS22およびS24の処理により、図20の状態21に示すように、第2測定ユニット3に取り込まれた10本目の検体が先行ラック101に戻される。そして、図20の状態22に示すように、収容された全ての検体についての再検査判定がされた先行ラック101は、ステップS23で再検査の可能性なしと判断され、ステップS24で回収部42に回収される。
【0089】
以上により、検体搬送装置4により搬送される先行ラック101の一連の動作が終了する。
【0090】
次に、図13〜図21を参照して、本実施形態による血液分析装置1の検体搬送装置4により搬送される後行ラック101の動作を説明する。
【0091】
図13に示すように、まず、ステップS31において、各検体の再検査判定の結果、先行ラック101の6本目の検体まで再検査不要と判定されたか否かが判断される。なお、本実施形態においては、再検査は1回に限り行うものとして説明する。このため、再検査済みの検体についても、再検査不要と判断される。先行ラック101の6本目の検体までに再検査の可能性がある場合には、繰り返しこの判断が行われる。ここで、図20の状態23に示すように、先行ラック101の6本目の検体の再検査が不要と判断された場合には、ステップS32に移行して、後行ラック101がラック搬送部43の送出位置43dに送り出される。この際、第2ベルト434の突起片434dが所定の位置に移動され、第2ベルト434の原点位置としてセットされる。2つの突起片434dが送出位置43dに対応する位置まで移動され、11〜20本目までの10本のサンプル容器100を保持する後行ラック101が第2ベルト434の2つの突起片434dの間に送り込まれる。
【0092】
また、ステップS31において、図17の状態9に示すように、先行ラック101の6本目の検体の再検査を行う場合には、6本目の検体の再検査が8本目の測定と9本目の測定との間に割り込まれる。このため、状態10に示すように、第2測定ユニット3に取り込み済みの8本目の検体が先行ラック101に戻されるとともに、図18の状態11に示すように9本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3に取り込まれた後、状態12で6本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2から先行ラック101に戻される。6本目の検体が先行ラック101に戻されると、ステップS31において、先行ラック101の6本目の検体までの再検査が不要と判断され、ステップS32に移行する。そして、状態12に示すように、後行ラック101が搬送路431の送出位置43dに送り出される。このように、ステップS31の判断の結果、後行ラック101は、先行ラック101の再検査判定の結果に応じて供給部41から搬送路431へ送り出される。
【0093】
後行ラック101が搬送路431に送り出されると、ステップS33において、後行ラック101が先行ラック101の動作の妨げとなるか否かが判断され、妨げとならない場合にはステップS34に移行して、後行ラック101が検体検知位置43cに搬送される。図18の状態13に示すように、10本目のサンプル容器100が先行ラック101から第1測定ユニット2に取り込まれる場合には、後行ラック101が検体検知位置43cに配置された場合にも、先行ラック101からのサンプル容器100の取り込み動作の妨げとはならないので、ステップS34において、後行ラック101が第1測定ユニット2方向(順送り方向)に移動される。これにより、検体検知位置43cで有無検知センサ45、バーコード読取部44および残量検知部47により後行ラック101に収容された11本目のサンプル容器100の有無検知、バーコード100bの読み取りおよび検体の残量検知が行われる。
【0094】
一方、図18の状態14に示すように、9本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3から先行ラック101に戻される場合、先行ラック101の9本目のサンプル容器収容位置が第2取込位置43bに配置される。この場合、後行ラック101が先行ラック101の移動の妨げとなるため、ステップS35へ移行して、後行ラック101が搬送路431の送出位置43d近傍まで逆方向(X2方向)に搬送されることにより、後行ラック101が先行ラック101の移動を妨げない位置まで移動される。
【0095】
ステップS36において、後行ラック101の全て(11〜20本目)のサンプル容器100の有無検知、バーコード読み取り、および残量検知が終了したか否かが判断される。そして、後行ラック101の全て(11〜20本目)のサンプル容器100の有無検知、バーコード読み取り、および残量検知が終了するまで、ステップS33〜S36までの処理が繰り返される。このようにして、先行ラック101の移動を妨げることなく後行ラック101に収容された全てのサンプル容器100の有無検知、バーコード読み取り、および残量検知が行われる。
【0096】
その後、後行ラック101の全て(11〜20本目)のサンプル容器100の有無検知、バーコード読み取り、および残量検知が終了すると、ステップS37へ移行する。ステップS37において、後行ラック101が先行ラック101の移動の妨げとなるか否かが判断される。先行ラック101の移動の妨げとなる場合には、ステップS39に移行して、搬送路431を逆方向(X2方向)に搬送され、先行ラック101の移動の妨げとならない位置まで移動される。図18の状態14に示すように、第2測定ユニット3から先行ラック101に9本目のサンプル容器100が戻される際には、後行ラック101が先行ラック101の移動の妨げとなるため、後行ラック101は搬送路431の送出位置43d近傍の先行ラック101と干渉しない位置まで逆方向(X2方向)に搬送される。一方、先行ラック101の移動の妨げとならない場合には、ステップS38に移行して検体の取り込み動作が行われる。状態15では、第1取込位置43aにおいて第1測定ユニット2から10本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻される。この場合には、後行ラック101が先行ラック101の移動の妨げとならないため、先行ラック101の移動に併せて後行ラック101が順方向(X方向)に搬送される。
【0097】
なお、ステップS38およびステップS40〜S46の検体の取り込み動作は、図11のステップS13〜S20に示す先行ラック101の動作と同様である。したがって、ステップS38、S40およびS41においていずれの測定ユニットで次の検体取り込みを行うかを判断した後、取り込みを行う測定ユニットへの移動が開始される。次に、ステップS42で移動先の測定ユニットに取り込み済みの検体があるかが判断されて、ステップS43において、移動先の測定ユニットに収容されたサンプル容器100がラック100に戻される。そして、ステップS44〜S46において、再検査対象の検体の有無が判断されるとともに、後行ラック101に再検査対象の検体が存在する場合には、測定順に割り込み、再検査対象のサンプル容器100が測定ユニットに取り込まれる。一方、後行ラック101に再検査対象の検体がない場合には、測定順通りに検体の取り込みが行われる。したがって、図18の状態15において、先行ラック101が第1取込位置43aに配置され、10本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻される際には、後行ラック101が第2取込位置43bに配置され、11本目(後行ラック101の1本目)のサンプル容器100が第2測定ユニット3に取り込まれる。
【0098】
その後、図14に示すように、ステップS47で次の取り込み検体の有無が判断される。次取り込み検体がある場合にはステップS37へ戻り、再度後行ラック101が先行ラック101の移動の妨げとなるか判断される。このステップS37〜ステップS47を繰り返すことにより、検体の測定が行われる。図19の状態16において、先行ラック101が滞留部432の待機位置43fに配置されて再検査判定の待機状態に入ると、後行ラック101は第1取込位置43aに配置され、12本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3に取り込まれる。そして、状態17において、先行ラック101が滞留部432から移動を開始すると、ステップS39に移行して、後行ラック101は先行ラック101の移動を妨げない位置まで移動する。ここで、状態17および状態18に示すように、先行ラック101が滞留部432から回収部42へ向かう場合には、後行ラック101は第2取込位置43bに搬送され、第2測定ユニット3から11本目のサンプル容器100が後行ラック101に戻されるとともに13本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3に取り込まれる。
【0099】
また、10番目の検体の再検査を行う場合には、状態17に示すように、再検査対象の10番目の検体を測定順に割り込ませるため、第2取込位置43bで第2測定ユニット3から11本目のサンプル容器100が後行ラック101に戻されると、先行ラック101が第2取込位置43bに移動を開始する。このため、図14のステップS39において、後行ラック101が搬送路431の送出位置43d近傍まで逆方向(X2方向)に搬送され、先行ラック101の移動を妨げない位置に配置される。その後、図19の状態19に示すように、先行ラック101の10本目のサンプル容器収容位置が滞留部432の待機位置43fから第2取込位置43bに搬送され、10本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3に再度取り込まれる。
【0100】
そして、状態20に示すように、先行ラック101は、10本目の検体の再検査が終了するまで再度滞留部432の待機位置43fに搬送され待機状態となる。この先行ラック101の順方向(X1方向)の移動に伴い、後行ラック101は第1取込位置43aに配置され、12本目のサンプル容器100が後行ラック101に戻される。そして、13本目のサンプル容器100が後行ラック101から第1測定ユニット2に取り込まれる。なお、図7に示すように、先行ラック101が滞留部432の待機位置43fに待機している状態では、10本目〜14本目(後行ラックの1本目〜4本目)のサンプル容器100は第1測定ユニット2および第2測定ユニット3のいずれにも取り込ませることが可能である。
【0101】
その後、図20の状態21に示すように、先行ラック101が滞留部432の待機位置43fから第2取込位置43bに移動を開始すると、後行ラック101を再度、先行ラック101の移動の妨げとならない位置(送出部43d近傍)まで移動する。そして、第2測定ユニット3に取り込まれた10本目のサンプル容器100が先行ラック101に戻ると、状態22に示すように、先行ラック101は回収部42に回収される。この際、後行ラック101は第2取込位置43bに配置され、14本目のサンプル容器100が第2測定ユニット3に取り込まれる。
【0102】
そして、図20の状態22に示すように、収容された全ての検体についての再検査判定がされた先行ラック101が回収部42に回収されると、搬送路431上では後行ラック101単独となるため、以降の動作は原則として先行ラック101と同様となる。
【0103】
すなわち、11〜20本目の全てのサンプル容器100(検体)が各測定ユニットに取り込まれると、ステップS48に移行して、取り込み済み検体の有無が判断される。取り込み済み検体がある場合には、ステップS50において、取り込み済みのサンプル容器収容位置が測定ユニットの取込位置に配置されることにより取り込まれたサンプル容器100が後行ラック101に戻される。図20の状態24に示すように、取り込み済みの検体が全て後行ラック101に戻されると、ステップS49に移行する。
【0104】
ステップS49では、後行ラック101の全検体について、再検査の可能性があるか否かが判断される。後行ラック101に再検査判定がされていないサンプル容器100が存在する場合には、ステップS52へ移行して、滞留部432または搬送路431上で再検査判定がされるまで待機状態となる。なお、20本目までの全てのサンプル容器100が後行ラック101に戻された時点では、少なくとも19本目と20本目の検体の再検査判定は出ていないため、先行ラック101と同様、後行ラック101は原則として待機状態に入る。
【0105】
ここで、図20の状態25に示すように、先行ラック101が回収部42に回収済みの場合には、後行ラック101は滞留部432の待機位置43fで待機状態となる。一方、図21の状態26に示すように、後行ラック101の全ての検体(11〜20本目)の測定が終了した時点で先行ラック101が滞留部432で待機中の場合には、後行ラック101は搬送路431上で待機する。
【0106】
その後、ステップS54において、再検査判定の結果、後行ラック101に再検査対象の検体があるか否かが判断される。ここで、再検査対象の検体がない場合には、ステップS49に戻り、再度先行ラック101に収容された全ての検体について、再検査の可能性があるか否かが判断される。再検査対象の検体が存在する場合には、先行ラック101と同様に、割り込み再検査が行われる。
【0107】
ステップS49において、後行ラック101の全検体について再検査の可能性なしと判断された場合には、ステップS51に移行して、後行ラック101が回収部42へ向けて搬送される。後行ラック101が回収位置43eに配置されると、ラック排出部46によって回収部42に押し出される。これにより、後行ラック101が回収部42に回収され、先行ラック101の全ての処理が終了する。
【0108】
なお、状態26に示すように、先行ラック101が滞留部432の待機位置43fで待機中に、ステップS49において、後行ラック101の全ての検体の再検査の可能性なしと判断された場合には、後行ラック101は先行ラック101を追い越して回収部42に回収されることが可能である。この場合には、状態27に示すように、搬送路431上で待機していた位置から後行ラック101が回収位置43eへ搬送され、回収部42へ押し出される。
【0109】
以上のようにして、検体搬送装置4による後行ラック101の搬送動作が行われる。
【0110】
図22は、図1に示した一実施形態による血液分析装置の制御装置による各測定ユニットおよび検体搬送装置の制御を説明するためのフロー図である。次に、図22を参照して、図1に示した一実施形態による血液分析装置1の制御装置5による各測定ユニットおよび検体搬送装置4の制御処理について説明する。
【0111】
まず、図22に示すように、ステップS61において、制御装置5のCPU51aにより、ハードディスク51dに格納されたサンプラ動作処理プログラム54cの所定の移動条件に基づき、上述したラック101の搬送動作が実行される。具体的には、第1ベルト433の突起片433dが所定の位置に移動され、第1ベルト433の原点位置としてセットされ、検体搬送装置4の初期化が行われる。その後、図16の状態1〜3に示すように、ラック101が送出部41から搬送路431に送り出されるとともに、搬送路431を順方向(X1方向)に搬送される。そして、ラック101に収容された各サンプル容器100が順次検体検知位置43cに配置され、有無検知センサ45、バーコード読取部44および残量検知部47によりラック101に収容された各サンプル容器100の有無検知、バーコード100bの読み取りおよび検体の残量検知が行われる。有無検知センサ45および残量検知部47により検知された検知結果、および、バーコード読取部44により読み取られたバーコード情報は、通信インタフェース51gを介して制御装置5のCPU51aに送信される。
【0112】
ステップS62において、有無検知センサ45による検体(サンプル容器100)の有無情報、バーコード読取部44により読み取られたバーコード情報および残量検知部47により検知された検体の残量情報が取得されたか否かが判断される。これらの有無情報、バーコード情報および残量情報が取得されるまでは、検体検知位置43cへの搬送動作とともに、ステップS62の判断が繰り返される。なお、バーコード情報および残量情報は、有無検知センサ45によりサンプル容器100の存在が検知された場合にのみ取得される。
【0113】
有無情報、バーコード情報および残量情報が取得されると、ステップS63に移行し、CPU51aによりバーコード情報と各検体の分析項目を規定した分析オーダとが照合される。具体的には、取得したサンプル容器100のバーコード情報に基づき、該当する検体の分析オーダがホストコンピュータ6から通信インタフェース51gを介して取得される。この分析オーダから、読み取られたバーコード100bを有するサンプル容器100に収容された検体の分析項目が取得される。
【0114】
ステップS64において、取得した測定対象の検体の分析項目と、残量検知部47とにより検出された残量情報に基づき、分析項目に沿った測定を行うために十分な残量がサンプル容器100中の検体に残っているか否かが判断される。残量情報に基づき、サンプル容器100中の検体の十分な残量が確認されると、ステップS65に移行する。分析項目に沿った測定を行うのに必要な量の検体が存在しない場合には、ステップS66に移行して、画像出力インタフェース51hを介し、表示部52に検体の残量が不十分なため測定を行うことができないことを示すエラー表示がされ、ステップS71へ移行する。
【0115】
その後、上述したように、ラック101に収容された10本のサンプル容器100が第1測定ユニット2の第1取込位置43aと、第2測定ユニット3の第2取込位置43bとに、順次搬送され、各測定ユニット内に取り込まれる。まず、図16の状態4に示すように、1本目のサンプル容器100が第1測定ユニット2に取り込まれ、バーコード読取部256により、1本目のサンプル容器100のバーコード100bが読み取られる。読み取られたバーコード情報は、第1測定ユニット2から通信インタフェース51gを介して制御装置5のCPU51aに送信される。
【0116】
第1測定ユニット2からバーコード情報を受信すると、ステップS65において、CPU51aにより、受信したバーコード情報に対応する分析オーダに基づき、検体の分析項目が通信インタフェース51gを介して第1測定ユニット2に送信される。これにより、第1測定ユニット2によって1本目のサンプル容器100に収容された検体の測定動作が開始される。
【0117】
ステップS67では、第1測定ユニット2からの測定結果が受信されたか否かが判断される。測定結果が受信されない場合には、判断を繰り返して、第1測定ユニット2からの受信待ちの状態となる。第1測定ユニット2により、1本目のサンプル容器100の検体についての測定が終了して測定結果が受信されると、ステップS68に移行する。測定が終了すると、図17の状態6に示すように、ラック101の1本目のサンプル容器収容位置が第1取込位置43aに配置され、第1測定ユニット2から1本目のサンプル容器100がラック101に戻される。なお、この間に第2測定ユニット3では2本目のサンプル容器100に収容された検体の測定が行われているが、説明を省略する。
【0118】
ステップS68において、受信した測定結果に基づき、1本目のサンプル容器100に収容された検体の再検査判定が行われる。すなわち、図10のステップS5に示したように、第1測定ユニット2から送信される測定結果に基づいて、制御部51により分析対象の成分が解析されることにより、再検査の要否が判定される。なお、これにより、検体の分析が完了され、第1測定ユニット2の1本目の検体に対する動作が終了される。
【0119】
再検査判定がされると、ステップS69において、1本目の検体について、再検査が必要か否かが判断され、再検査が必要な場合にはステップS70に移行する。一方、再検査が不要と判断された場合には、1本目の検体についての全ての処理が終了し、ステップS71に移行する。
【0120】
ステップS70では、CPU51aにより、測定ユニットおよび検体搬送装置4に対して、割り込み再検査の指示が通信インタフェース51gを介して行われる。この割り込み指示に基づいて、図11のステップS18よび19に示したように、再検査対象の検体の有無が判断されるとともに、割り込み再検査が行われる。
【0121】
そして、ステップS71において、次の測定対象の検体の有無が判断される。次の検体がある場合には、ステップS62に移行して、次の検査対象の検体の測定処理を実行する。この際、ステップS70において再検査の指示がされている場合には、測定順が変更され、再検査対象の検体が次の検体として処理される。一方、ラック101に収容された全ての検体の測定および再検査が終了して、次の検体が存在しないと判断されると、ラック101が回収部42に搬送され、処理が終了する。なお、上記のフローでは第1測定ユニット2により行われる1本の検体の測定処理について説明したが、実際には第1測定ユニット2と第2測定ユニット3とにおいて、同様の測定処理が並行して行われる。
【0122】
本実施形態では、上記のように、送出部41から滞留部432へと向かう順方向と、その逆方向とにラック101を搬送可能であり、第1取込位置43aおよび第2取込位置43bを含む、送出部41と滞留部432との間でラック101を搬送可能に構成された搬送路431と、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3による検体の取り込みが行われたサンプル容器100を収容するラック101を、搬送路431によって送出部41と滞留部432との間に搬送して保管するための回収部42とを備えることによって、測定後の検体に対して再検査を行うか否かの判定が出されるまでの間、滞留部432でラック101を保管することができる。そして、検体の再検査が必要な場合には、再検査が必要な検体が保持されているラック101を滞留部432から第1取込位置43aまたは第2取込位置43bまで逆方向に搬送することができる。これにより、ラック101を逆方向に送り戻す専用の帰還ラインを別途設ける必要がないので、血液分析装置1の小型化を図ることができる。
【0123】
また、本実施形態では、制御装置5を、第1測定ユニット2および第2測定ユニット3の検査結果に基づき、ラック101に収容されたサンプル容器100中の検体について再検査の要否の判定を行うとともに、要否判定の結果に応じて、滞留部432に待機中のラック101を、再検査のために滞留部432から第1測定ユニット2および第2測定ユニット3のいずれかに搬送するか、または、回収するために回収部42に搬送するように搬送路431を制御するように構成することによって、各検体の再検査判定の結果に応じて、再検査の必要がなければラック101を回収部42まで搬送し、再検査の必要があればラック101を各測定ユニットまで搬送することができる。
【0124】
また、本実施形態では、滞留部432を、第1取込位置43aよりも順方向(X1方向)側の領域に、少なくともラック101の1つ分の長さLを有するように設けることによって、滞留部432に再検査判定待ちの先行ラック101を待機させた状態で、後行ラック101からサンプル容器100の取り込みを行うことができるので、検体の処理を効率よく行うことができる。
【0125】
また、本実施形態では、検体搬送装置4を、滞留部432に先行ラック101が配置され、搬送路431上に後行ラック101が送り出された状態で、先行ラック101の再検査対象のサンプル容器100(7〜10本目)を第1取込位置43aおよび第2取込位置43bのいずれの位置にも搬送可能なように構成することによって、後行ラック101の検体の測定が開始されている状態でも、滞留部432に待機中の先行ラック101の検体の再検査判定がされ次第、すぐに測定を開始することが可能な測定ユニットの取込位置(第1取込位置43aまたは第2取込位置43b)へ先行ラック101の再検査対象のサンプル容器100(7〜10本目)を搬送することができるので、より効率良く検体の処理を行うことができる。
【0126】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0127】
たとえば、本実施形態では、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットの2つの測定ユニットを備える血液分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、1つまたは3つ以上の測定ユニットを備える血液分析装置であってもよい。
【0128】
また、本実施形態では、再検査の判定が終わるまでラックを待機させるための滞留部432を搬送路431の延長線上に配置し、再検査の要否の判定が終了したラック101を回収するための回収部42を送出部41と滞留部432との間に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、ラックを一時的に待機させるための滞留部を、本実施形態における回収部42の位置に配置し、ラックを回収するための回収部を、本実施形態における滞留部432の位置に配置した構成であってもよい。このように構成した場合には、滞留部432に先行ラックが取り込まれることにより搬送路431の直線上にラック一つ分のスペースが生じるため、後行ラックのさらに後続のラックを送り込んで処理を開始することもできる。
【0129】
また、本実施形態では、検体の取り込みに際して、ハンド部251によってラック101からサンプル容器100を取り出し、測定ユニット内でピアサ211によって取り出されたサンプル容器100に収容されている血液を吸引することで検体を取り込むように構成した例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、サンプル容器100をラック101から取り出さずに、ラック101に収容されたサンプル容器100から検体を吸引することで検体を取り込むように構成してもよい。つまり、検体の取り込み位置が吸引位置と同じである変形例も、本発明に含まれる。
【0130】
また、本実施形態では、制御装置のCPUにより搬送制御、検体の取込制御および再検査判定を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、搬送制御、検体の取込制御および再検査判定をそれぞれ別個に設けられた制御部により行う構成であってもよい。この際、搬送制御を行う制御部を搬送装置に設けるとともに、検体の取込制御を行う制御部を各測定ユニットに設ける構成であってもよい。そして、再検査判定を行う制御部を別途設けるように構成してもよい。
【0131】
また、本実施形態では、第1ベルト433および第2ベルト434により、搬送路431の逆方向(X2方向)側の端部(送出位置43d)から滞留部432の順方向(X1方向)側の端部(待機位置43f)に渡って各ラック101を連続的に搬送することが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、第1ベルトおよび第2ベルトとは異なる他の搬送機構部によってラックを搬送するように構成してもよい。たとえば、ボールネジおよびボールナットからなる搬送機構部や、リニアモータからなる搬送機構部により、ラックを搬送するように構成してもよい。
【0132】
また、本実施形態では、搬送路431と滞留部432とを共通の搬送機構(第1ベルト433および第2ベルト434)によって構成した例を示したが、本発明はこれ限らず、搬送路431用の搬送ベルトと、滞留部432用の搬送ベルトとを用いて、別々の搬送機構によってラック101を搬送可能に構成してもよい。
【0133】
また、本実施形態では、滞留部432を、少なくとも1つのラック101(幅W)を配置することが可能な長さLを有するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、滞留部の長さを、ラックの長さよりも短くしてもよいし、また、ラック2つ分の長さよりも大きい長さを有するように構成してもよい。
【0134】
また、本実施形態では、検体搬送装置4は、検体を収容するサンプル容器100が保持された複数のラック101を搬送するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、ラックを用いることなく検体容器を1本ずつ搬送するように構成してもよい。
【0135】
また、本実施形態では、測定された各検体に対する再検査は1回に限り行われるものとして説明したが、本発明はこれに限らず、再検査を複数回行うように構成してもよい。
【0136】
また、本実施形態では、搬送路431および滞留部432上にラック2台が配置された場合に、先行ラック101に保持された4本の検体(7〜10番目)を両方の測定ユニットで測定(再検査)可能に構成し、後行ラック101に保持された4本の検体(11〜14番目)を両方の測定ユニットで測定(再検査)することが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、3本以下または5本以上の検体を両方の測定ユニットで測定可能となるように構成してもよい。また、この場合、後行ラックの送り出しの条件を、先行ラックの6本目までの検体の再検査判定ではなく、両方の測定ユニットで測定可能となる検体の本数に合わせた異なる条件に設定してもよい。
【0137】
また、本実施形態では、先行ラック101および後行ラック101の動作をそれぞれ図11〜図15までのフローチャートにより説明したが、本実施形態において説明した動作は、あくまで説明のための典型例を示したにすぎない。このため、先行ラックおよび後行ラックは上述の動作と異なる搬送動作を行うように構成してもよい。
【0138】
また、本実施形態では、第1取込位置43aを、回収部42の順方向(X1方向)側の端部よりも、順方向側に配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、第1取込位置を回収部の順方向側の端部よりも逆方向側に配置してもよい。
【0139】
また、本実施形態では、ラックに収容された全てのサンプル容器の有無検知、バーコード読み取りおよび残量検知を行ってから測定ユニットへのサンプル容器の取り込みを行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、サンプル容器の有無検知、バーコード読み取りおよび残量検知と、測定ユニットによるサンプル容器の取り込みとを、並行して行うように構成してもよい。すなわち、1本目のサンプル容器の有無検知、バーコード読み取りおよび残量検知を行うと、1本目のサンプル容器を第1測定ユニットに取り込む。その後、2本目のサンプル容器の有無検知、バーコード読み取りおよび残量検知行うとともに、2本目のサンプル容器を第2測定ユニットに取り込むように構成してもよい。
【0140】
また、本実施形態では、検体の再検査判定がされるまでの間、先行ラックを滞留部に待機させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、検体搬送装置や測定ユニットの状態に基づいて、先行ラックを滞留部に待機させるように構成してもよい。たとえば、検体搬送装置において、制御装置との間で同期障害が発生してラックの位置を監視することができなくなった場合や、測定ユニットにおいて、サンプル容器の取り込み動作に失敗した場合など、先行ラックを所定位置に退避させる必要がある場合には、検体搬送装置および測定ユニットにおいて上記のような状態が解消されるまで、先行ラックを滞留部に待機させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す概略図である。
【図3】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器を示す斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置の位置関係を説明するための模式図である。
【図6】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための平面図である。
【図7】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による血液分析装置の制御装置を説明するためのブロック図である。
【図10】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定処理プログラムによる測定処理動作を説明するためのフロー図である。
【図11】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される先行ラックの動作を説明するためのフロー図である。
【図12】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される先行ラックの動作を説明するためのフロー図である。
【図13】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される後行ラックの動作を説明するためのフロー図である。
【図14】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される後行ラックの動作を説明するためのフロー図である。
【図15】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置により搬送される後行ラックの動作を説明するためのフロー図である。
【図16】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックに収容されたサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図17】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックに収容されたサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図18】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックに収容されたサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図19】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックに収容されたサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図20】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックに収容されたサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図21】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックに収容されたサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図22】図1に示した一実施形態による血液分析装置の制御装置による制御の内容を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0142】
1 血液分析装置(検体検査装置)
2 第1測定ユニット(検査ユニット、第1検査ユニット)
3 第2測定ユニット(検査ユニット、第2検査ユニット)
5 制御装置(制御部)
41 送出部(ラック供給部)
42 回収部(第2ラック保管部)
43a 第1取込位置(第1検体取り込み位置)
43b 第2取込位置(第2検体取り込み位置)
431 搬送路
432 滞留部(第1ラック保管部)
433 第1ベルト(搬送ベルト)
434 第2ベルト(搬送ベルト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器を収容可能なラックを供給するラック供給部と、
前記ラックに収容された前記検体容器中の検体を取り込んで検体の検査を行う検査ユニットと、
前記検査ユニットによる検体の取り込みが行われた前記検体容器を収容する前記ラックを保管するための第1ラック保管部と、
前記ラック供給部から前記第1ラック保管部へと向かう順方向と、その逆方向とに前記ラックを搬送可能であり、前記検査ユニットにより検体が取り込まれる位置を含む、前記ラック供給部と前記第1ラック保管部との間で前記ラックを搬送可能に構成された前記搬送路と、
前記検査ユニットによる検体の取り込みが行われた前記検体容器を収容する前記ラックを、前記搬送路によって前記ラック供給部と前記第1ラック保管部との間に搬送して保管するための第2ラック保管部とを備える、検体検査装置。
【請求項2】
前記第1ラック保管部は、前記ラックを一時的に保管する滞留部であり、前記第2ラック保管部は、前記ラックを回収する回収部である、請求項1に記載の検体検査装置。
【請求項3】
前記第2ラック保管部は、前記ラックを一時的に保管する滞留部であり、前記第1ラック保管部は、前記ラックを回収する回収部である、請求項1に記載の検体検査装置。
【請求項4】
前記搬送路を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記検査ユニットの検査結果に基づき、前記ラックに収容された前記検体容器中の検体について再検査の要否の判定を行うとともに、要否判定の結果に応じて、前記滞留部に待機中の前記ラックを、再検査のために前記滞留部から前記検査ユニットに搬送するか、または、回収するために前記回収部に搬送するように前記搬送路を制御する、請求項2または3に記載の検体検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ラックに収容された全ての前記検体容器中の検体について再検査不要と判定した場合には、前記滞留部に待機中の前記ラックを前記回収部に搬送するように前記搬送路を制御する、請求項4に記載の検体検査装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ラックに収容された前記検体容器中の検体について再検査が必要と判定した場合には、前記滞留部に待機中の前記ラックを前記検査ユニットに搬送し、再検査のために再び取り込みが行われたのち、前記回収部まで搬送するように前記搬送路を制御する、請求項5に記載の検体検査装置。
【請求項7】
前記搬送路は、順方向および逆方向に前記ラックを搬送するための搬送ベルトを備える、請求項4〜6のいずれか1項に記載の検体検査装置。
【請求項8】
前記搬送路は、先行して搬送される第1ラックと、前記第1ラックに後続して搬送される第2ラックとを、前記搬送路上で順方向および逆方向にそれぞれ独立して搬送可能に構成されている、請求項4〜7のいずれか1項に記載の検体検査装置。
【請求項9】
前記搬送路は、2つの前記ラックを順方向および逆方向にそれぞれ独立して搬送するための2つの搬送ベルトを備える、請求項8に記載の検体検査装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2ラックに収容された全ての前記検体容器中の検体について、再検査が不要と判定した場合で、かつ、前記第1ラックが前記再検査の判定を待つために前記滞留部に待機している場合には、前記第2ラックを前記回収部へ搬送するように前記搬送路を制御するように構成されている、請求項9に記載の検体検査装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ラックに収容された前記検体容器中の検体が前記検査ユニットによって所定の取込順序で取り込まれるように前記ラックを搬送するように前記搬送路を制御可能であり、かつ、前記ラックに収容された前記検体容器中の検体の再検査が必要と判定した場合には、その検体が前記取込順序に割り込んで取り込まれるように前記ラックを搬送するように前記搬送路を制御可能に構成されている、請求項4〜10のいずれか1項に記載の検体検査装置。
【請求項12】
前記検査ユニットは、第1検査ユニットと第2検査ユニットとを含み、
前記搬送路は、前記検体容器中の検体が前記第1検査ユニットおよび前記第2検査ユニットのいずれによっても取り込まれるように前記ラックを搬送可能に構成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の検体検査装置。
【請求項13】
前記第2ラック保管部は、前記第1検査ユニットによる第1検体取り込み位置と前記第2検査ユニットによる第2検体取り込み位置との間に搬送された前記ラックを保管する、請求項12に記載の検体検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−156602(P2010−156602A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334774(P2008−334774)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】