説明

検査対象受体

【課題】余剰部に溜まった液体の流出を防止できる検査対象受体を実現すること。
【解決手段】検査対象受体1の板状部材2には、所定深さに掘り下げられた凹部からなる第一液溜め部5、当該第一液溜め部5から流出する液体を所定量計り取る計量部14、計量部14で計り取った残りの液体が流れる流路11、流路11の先に設けられ計量部14で計り取った残りの液体溜まる余剰部10、余剰部10の奥の部分で液体を貯溜する貯溜部13、計量部14で計り取った液体が流入する受け部17及び受け部17に注入する試薬や液体等が溜まる第二液溜め部6が形成されている。計量部14で量り取った液体を計量部14から流出させるように検査対象受体1を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、重力方向において、余剰部10は、計量部14の上端部より下側に位置するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象受体に関し、例えば、化学的、医学的、生物学的な検査を行うための検査対象受体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化学的、医学的、生物学的な検査の分野で、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)や酵素、抗原、抗体、タンパク質、ウィルス、細胞などの生体物質、及び化学物質等を検知、定量する場合に使用するマイクロチップ又は検査チップと呼ばれる検査対象受体が提案されている。この検査対象受体では、内部の液体供給路に検査対象の液体を注入して、当該検査対象受体を水平に保持して公転させて、当該公転により生じる遠心力を利用して、検査対象受体内に形成された流路内の複数の混合槽に液体を移動させ検査を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。この検査対象受体では、試料計量室(本願の「計量部」に相当)で液体を所定量計量して、残りの液体が溢流室(本願の「余剰部」に相当)に流れ込むようになっている。また、試料計量室で計量された液体はキュペット室(本願の「受け部」に相当)に流入して他の液体や試薬と混合されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−238760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体回路が形成されている検査対象受体は、マイクロタス(μ−TAS)と言われるように、微量な液体を用いるので、その構成は略長方形で薄い基板上となっていることが一般的である。特許文献1に記載の発明の検査対象受体は、遠心力を発生する検査装置のホルダに水平方向に挿入して使用するようになっている。検査装置が一度に検査できる処理能力を向上させるためには、搭載できる検査対象受体の数をより多くする必要があるが、検査対象受体を特許文献1のように、水平円盤上の所定の円周上に流体回路面を上にして配置するよりも、検査対象受体の流体回路面を重力と平行な「縦」方向に挿入するように構成した検査装置の方が、検査対象受体の薄い厚さ方向に集積することで多数の検査対象受体を実装することができる。また、検査装置を小型化することができる。しかしながら、検査対象受体における余剰部の配置によっては遠心力や重力の影響で余剰部に溜まった液体が、受け部側に流れ出すという問題点があった。この場合には、計量部で正しく計量された量以外の液体が受け部の液体に混ざるので、検査結果が正しく出ないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、余剰部に溜まった液体の流出を防止できる検査対象受体を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の検査対象受体では、公転により生じる遠心力の方向に対して、自転により複数の所定の回転角度に順次保持されて、検査対象の液体を内部で移動させて検査する用途に用いられる検査対象受体であって、前記液体を注入する注入口と、前記注入口から注入された液体を溜める液溜め部と、当該液溜め部に溜まった液体を流入させて所定量を量り取る計量部と、当該計量部で所定量を量り取った残りの液体が流入する余剰部とを備え、前記液溜め部から前記計量部に前記液体を流入させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、重力方向において、前記余剰部は、前記計量部より下流側に位置し、前記計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、重力方向において、前記余剰部は、前記計量部の上端部より下側になるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成の検査対象受体では、計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する場合に、重力方向において、前記余剰部は、前記計量部より下流側に位置しているので、余剰部から液体が流れ出すことを防止できる。
【0008】
また、前記検査対象受体を所定角度自転させて、重力方向において前記余剰部の入り口を前記計量部より上にした状態で、前記余剰部には、当該余剰部の入り口より下方に延設された貯溜部が設けられていても良い。この場合には、検査対象受体を所定角度自転させて、重力方向において余剰部を計量部より上にした状態でも、余剰部に流れ込んだ液体は貯溜部に溜まっているので、余剰部から液体が流れ出すことを防止できる。
【0009】
また、前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量は、前記余剰部の容積から前記貯溜部の容積を引いた量より小さく、且つ、前記計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、前記余剰部において液体が溜まる部分の容積は、前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量より大きくしても良い。この条件を満たすことにより、余剰部から液体が流れ出すことを防止できる。
【0010】
また、前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量は、前記余剰部の容積から前記貯溜部の容積を引いた量より小さく、且つ、前記計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、前記余剰部において遠心力方向の壁部から遠心力方向に延設され、液体が溜まる貯溜部の容積は、前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量より大きくしても良い。この条件を満たすことにより、余剰部から液体が流れ出すことを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】検査装置30の平面図である。
【図2】検査対象受体1の正面図である。
【図3】検査対象受体1の図2のX−X線に於ける矢視方向断面図である。
【図4】検査対象受体1を初期の角度から90度反時計回りに自転させた状態の正面図である。
【図5】検査対象受体1を初期の角度から90度反時計回りに自転させ、さらに遠心力を加えた状態の正面図である。
【図6】検査対象受体1を初期の角度に戻し、遠心力により計量部から液体を受け部に流れ込ませる状態の正面図である。
【図7】検査対象受体1を初期の角度から90度時計回りに自転させた状態の正面図である。
【図8】式1の説明のため検査対象受体1を初期の角度から90度反時計回りに自転させた状態の正面図である。
【図9】式1及び式2の説明のため検査対象受体1を初期の角度に戻した状態の正面図である。
【図10】式1及び式3の説明のため検査対象受体1を初期の角度に戻した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第一実施形態について説明する。本実施の形態では、検査対象受体1は、図1に示す検査装置30に当該検査対象受体1の底面が重力方向(図1の紙面方向)と平行にして装着されて公転されて遠心力が付加される。先ず、図1を参照して、検査装置30の構造を簡単に説明する。図1に示すように、検査装置30の上板32上には、回転する円盤状のターンテーブル33が設けられている。また、当該ターンテーブル33上には、ホルダ角度変更機構34が設けられている。ホルダ角度変更機構34には、検査対象受体1が挿入され固定されて、所定角度自転するホルダ47が一対設けられている。また、上板32の下方には、図示外のモータが設けられ、ターンテーブル33を回転駆動するようになっている。ターンテーブル33がその中心部分35を軸心として回転することにより各ホルダ47に各々挿入された検査対象受体1には、矢印A方向に遠心力が各々働くようになっている。また、ホルダ角度変更機構34の動作によりホルダ47が自転されて、検査対象受体1に働く遠心力の方向を変化させることができるようになっている。
【0013】
ここで、図2の状態の検査対象受体1を初期状態という。図2では、重力方向は下方(矢印B方向)である。例えば、図5に示すように、検査対象受体1が初期状態から90度反時計回りに自転された状態で公転されると、検査対象受体1には図5に示す矢印A方向に重力よりも大きな力で遠心力が付与される。その遠心力により、検査対象受体1内に注入された検査対象の液体が移動する。
【0014】
まず、検査対象受体1の構造について図2及び図3を参照して説明する。図2は、検査対象受体1を検査装置30に装着する場合の正面図であり、検査対象受体1の正面及び背面が重力方向(図2に於ける下方向)と平行になっている。図2及び図3に示すように、検査対象受体1は、所定の厚みを有する板状部材2から構成され、下端部22、上端部25、左端部23及び右端部24から構成される正面視長方形の板状の部材である。板状部材2の材質としては、一例として合成樹脂を用いることができる。
【0015】
図2及び図3に示すように、検査対象受体1の板状部材2には、所定深さに掘り下げられた凹部からなる第一液溜め部5、当該第一液溜め部5から流出する液体を所定量計り取る計量部14、計量部14で計り取った残りの液体が流れる流路11、流路11の先に設けられ計量部14で計り取った残りの液体が溜まる余剰部10、余剰部10の奥の部分で液体を貯溜する貯溜部13と、計量部14で計り取った液体が流入する受け部17及び受け部17に注入する試薬や液体等が溜まる第二液溜め部6が形成されている。
【0016】
また、図2及び図3に示すように、検査対象受体1には、その表面側に検査対象受体1の表面を覆うカバー部材3が貼り付けられている。このカバー部材3が第一液溜め部5、第二液溜め部6、流路11、計量部14、余剰部10及び受け部17を封止する。カバー部材3は、正面視、板状部材2と同一形状の長方形の合成樹脂の透明の薄板から構成されている。また、カバー部材3には、第一液溜め部5に検査対象の液体や試薬等を注入する注入口15及び第二液溜め部6に検査対象の液体や試薬等を注入する注入口16が形成されている。
【0017】
第一液溜め部5は、注入口15から注入された検査対象の液体や試薬を溜める部分であり、板状部材2に対して、正面視五角形で所定深さ掘り下げられている。また、第二液溜め部6は、注入口16から注入された検査対象の液体や試薬を溜める部分であり、板状部材2に対して、正面視五角形で所定深さ掘り下げられている。
【0018】
図2に於ける第一液溜め部5の下方には、計量部14が設けられている。計量部14は板状部材2に対して、所定深さ、所定幅及び所定長さを有する溝であり、図2に示す検査対象受体1の左端部23方向に傾斜して延設されている。流路11は、板状部材2に形成された所定幅、所定深さ及び所定長さを有する溝であり、図2に示すように逆L字形状に屈曲している。即ち、流路11の上部で斜め左下方向へ傾斜した上流部111は、図2に示す検査対象受体1の下端部22に対してやや斜めに下がるように延設されており、流路11の下流部112は、図2に示す検査対象受体1の左端部23と平行に延設されている。また、流路11の下流部112の先には、第一液溜め部5から流れ出し、計量部14で所定量計り取られた残りの液体が溜まる余剰部10が設けられている。余剰部10は、所定深さ、所定幅及び所定長さを有する溝であり、検査対象受体1の下端部22と平行に延設される正面視長方形の溝となっている。また、図2に示すように、余剰部10の貯溜部13は、計量部14の直下まで延設されている。
【0019】
また、受け部17は、板状部材2に対して所定深さ掘り下げられており、底部18、右壁部19、左壁部26を備えている。この受け部17には、計量部14で所定量計り取られた液体が流入して、第二液溜め部6から流入する試薬や液体と混合される。
【0020】
次に、図2から図7を参照して、上記検査対象受体1の使用方法について説明する。まず、注入口15から検査対象の液体が第一液溜め部5に注入され、注入口16から試薬が第二液溜め部6に注入される。次いで、図2に示すように、検査対象受体1は、左端部23及び右端部24を重力方向と平行にし、上端部25及び下端部22を重量方向と直交する状態で、図1に示す検査装置30のターンテーブル33のホルダ47に保持される。次いで、この状態から検査対象受体1が反時計回りに90度自転されると図4に示す状態になる。この時、検査対象受体1の左端部23及び右端部24が、図1に示す検査装置30のターンテーブル33の直径方向と平行になっている。ここで、重力は図4において、下端部22及び上端部25と平行に下方向(図4の矢印B方向)に働いている。この状態で、検査対象受体1が検査装置30により公転されると、図5の矢印A方向に遠心力が働く。すると、第一液溜め部5に溜まっていた検査対象の液体は、遠心力方向に流れ出し、計量部14に流れ込み、溢れた分は流路11を流れて余剰部10に入るが遠心力により、図5に示すように、検査対象受体1の下端部22側に引きつけられる。
【0021】
また、第二液溜め部6に溜まっていた試薬は、遠心力方向に流れ出し、受け部17に流れ込む。ここで、図5に示すように、遠心力が矢印A方向に働いているので、受け部17内の試薬は底部18側に引きつけられる。この状態で、余剰部10は計量部14より、重力方向において下側になっている。即ち、計量部14に検査対象の液体を注入する際の遠心力を付与する方向に検査対象受体1を自転させて向きを設定した場合に、余剰部10は計量部14より重力方向において下側になっているので、余剰部10から液体が流れ出すことを防止できる。
【0022】
次いで、図5に示す状態から、検査対象受体1が時計回りに90度自転されると図6に示す状態になる。この時、検査対象受体1の下端部22及び上端部25が、検査装置30のターンテーブル33の直径方向と平行になっている。ここで、重力は図6において、左端部23及び右端部24と平行に下方向(矢印B方向)に働いている。この状態で、検査対象受体1が検査装置30により公転されると、図6の矢印A方向に遠心力が働く。すると、計量部14に溜まっていた検査対象の液体は、遠心力の分力により計量部14の傾斜した壁部141を登り受け部17に流れ込む。この状態で、図6に示すように、余剰部10は、計量部14の上面側より、重力方向において下側にある。
【0023】
次いで、図6に示す状態から、検査対象受体1が時計回りに90度自転されると図7に示す状態になる。この時、検査対象受体1の左端部23及び右端部24が、検査装置30のターンテーブル33の直径方向と平行になっている。ここで、重力は図7において、下端部22及び上端部25と平行に下方向(矢印B方向)に働いている。この状態で、受け部17において、第二液溜め部6から受け部17に流れ込んだ試薬と計量部14から受け部17に流れ込んだ検査対象の液体とが混合されることになる。この状態で、余剰部10の貯溜部13は、重力方向において下側に窪んでいる状態となる。また、図7に示すように、貯溜部13は、重力方向(矢印B方向)において、余剰部10の入り口よりも下方に所定幅、所定深さ、所定長さで延設された貯溜部となっている。従って、余剰部10の液体は、貯溜部13に流れ込んでいるので、受け部17側に余剰部10から液体が流れ込むことがない。この後、受け部17で混合された液に光をあてて調べる光学等の方法で測定する。
【0024】
ここで、図8に示すように、検査対象受体1の下端部22及び上端部25が、重力方向(矢印B)と平行になり、左端部23が重力方向の下側、右端部24が重力方向の上側となっている場合に、第一液溜め部5の容積をA、計量部14の容積をB、流路11と余剰部10の壁部101より重力方向における下の部分20の容積をCとし、図9に示すように、図8に示す検査対象受体1が時計回りに90度自転された状態のとき(左端部23及び右端部24が重力方向(矢印B方向)と平行になったとき)に、第一液溜め部5の容積をA、計量部14の容積をB、余剰部10の壁部102より重力方向における下の部分21の容積をDとした場合には、以下の式1及び式2の関係の何れも満たすように、検査対象受体1の第一液溜め部5、計量部14及び余剰部10の容積が定められている。
A−B<C ・・・・・(式1)
A−B<D ・・・・・(式2)
【0025】
即ち、Aの容積からBの容積を引いた差は、第一液溜め部5に溜まった液体が計量部14に流れ込んで溢れた液体の容積である。ここで、式1及び式2の関係を満たすように、余剰部10の形状及び容積が定められていれば、検査対象受体1を所定角度に順次自転させて公転により遠心力を付与する場合にも、重力の影響により、余剰部10から液体が漏れてしまうことを防止できる。
【0026】
また、図10に示すように、図8に示す検査対象受体1が時計回りに90度自転された状態のとき(左端部23及び右端部24が重力方向(矢印B方向)と平行になったとき)に、第一液溜め部5の容積をA、計量部14の容積をB、余剰部10の壁部101より右側(図10に於ける)の部分27の容積をEとした場合には、以下の式3の関係を満たすように、検査対象受体1の第一液溜め部5、計量部14及び余剰部10の容積が定められても良い。
A−B<E ・・・・・(式3)
ここで、式1及び式3の関係を満たすように、余剰部10の形状及び容積が定められていれば、検査対象受体1を所定角度に順次自転させて公転により遠心力を付与する場合にも、重力の影響により、余剰部10から液体が漏れてしまうことを確実に防止できる。
【0027】
尚、本発明は、上記実施形態に限られず、各種の変形ができる。例えば、検査対象受体1の材質は特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート樹脂(PAR)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)、ポリブタジエン樹脂(PBD)、生分解性ポリマー(BP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの有機材料を用いることができる。また、シリコン、ガラス、石英等の無機材料を用いても良い。また、検査対象受体1では、液体の注入口は2つ設けているが、1つ、3つ、4つ等適宜設けても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 検査対象受体
2 板状部材
3 カバー部材
5 第一液溜め部
6 第二液溜め部
10 余剰部
11 流路
13 貯溜部
14 計量部
15 注入口
16 注入口
17 受け部
30 検査装置
32 上板
33 ターンテーブル
34 ホルダ角度変更機構
35 中心部分
47 ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公転により生じる遠心力の方向に対して、自転により複数の所定の回転角度に順次保持されて、検査対象の液体を内部で移動させて検査する用途に用いられる検査対象受体であって、
前記液体を注入する注入口と、
前記注入口から注入された液体を溜める液溜め部と、
当該液溜め部に溜まった液体を流入させて所定量を量り取る計量部と、
当該計量部で所定量を量り取った残りの液体が流入する余剰部と
を備え、
前記液溜め部から前記計量部に前記液体を流入させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、重力方向において、前記余剰部は、前記計量部より下流側に位置し、
前記計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、重力方向において、前記余剰部は、前記計量部の上端部より下側になるように構成されていることを特徴とする検査対象受体。
【請求項2】
前記検査対象受体を所定角度自転させて、重力方向において前記余剰部の入り口を前記計量部より上にした状態で、前記余剰部には、当該余剰部の入り口より下方に延設された貯溜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の検査対象受体。
【請求項3】
前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量は、前記余剰部の容積から前記貯溜部の容積を引いた量より小さく、
且つ、前記計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、前記余剰部において液体が溜まる部分の容積は、前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量より大きいことを特徴とする請求項2に記載の検査対象受体。
【請求項4】
前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量は、前記余剰部の容積から前記貯溜部の容積を引いた量より小さく、
且つ、前記計量部で量り取った液体を当該計量部から流出させるように前記検査対象受体を所定角度自転させて公転により遠心力を付加する状態で、前記余剰部において遠心力方向の壁部から遠心力方向に延設され、液体が溜まる貯溜部の容積は、前記液溜め部の容積から前記計量部の容積を引いた量より大きいことを特徴とする請求項2に記載の検査対象受体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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