説明

検査自動機及び検査自動機システム

【課題】利用者がリアルタイムで検査結果を知ることができる検査自動機を提供する。
【解決手段】検査自動機1は、筐体3と、物品収納保管部9と、物品投出機構11と、検査器通信インターフェース37と、印字出力部19とを備えている。物品収納保管部9は、筐体3に設けられ、複数の検査キット61を収容する。物品投出機構11は、検査キット61を筐体3から投出する。検査器通信インターフェース37は、検査器と通信する。印字出力部19は、検査結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査自動機及び検査自動機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活習慣病の代表的なものとして、糖尿病がある。糖尿病患者の健康管理のためには、血糖値を定期的に測定することが必要である。医療機関における血糖値の検査では、例えば、人間ドックにおいて経口的糖負荷試験が知られている。
【0003】
血糖値等の各種測定を病院の外で患者が自ら行うことができるようにした従来技術が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この従来技術に記載された健康検査システムは、主に、自動販売機1と、検査センター2と、運営サーバ3aとを有している。自動販売機1は、検査キットが収納された検査キット缶9を販売する。検査センター2は、検査キットを用いて利用者が採取した血液、尿、大便などの検体を郵送で受け取って、それら検体を検査する。運営サーバ3aは、自動販売機1で購入した検査キットに付された申し込み登録用の個別の取引番号を受信して登録するとともに、検査センター2の検査結果を配信する。運営サーバ3aは、取引番号を受信する際に利用者識別情報も受信しており、その受信した利用者識別情報ごとに検査結果をファイル化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−90466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の健康検査システムでは、利用者は検査キットを検査センターに郵送する必要がある。したがって、利用者にとっては検査結果をリアルタイムに知ることができず、そのため生活習慣病の改善のためにはあまり有効ではなかった。
本発明の課題は、利用者がリアルタイムで検査結果を知ることができる検査自動機及び検査自動機システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る検査自動機は、筐体と、キット収納部と、キット投出機構と、検査器通信インターフェース部と、検査結果出力部とを備えている。キット収納部は、筐体に設けられ、複数の検査キットを収容する。キット投出機構は、検査キットを筐体から投出する。検査器通信インターフェース部は、検査器と通信する。検査結果出力部は、検査結果を出力する。
この検査自動機では、キット投出機構が検査キットを取り出し可能な状態にすれば、利用者が検査キットを利用して検体を採取する。次に、利用者は検体を検査器にセットする。すると、検査器は検体を用いて検査を行う。検査結果出力部は、検査器から受信した検査結果を出力する。検査結果出力部は、検査器から受信した検査結果を出力する。検査結果出力部は、特に限定されず、例えば、プリンタ、パソコン、携帯電話であってもよい。
この検査自動機は複数の利用者によって利用可能であるので、各利用者は容易に検査を行うことができる。また、この検査自動機では、装置の管理、検査キット等の消耗品の管理、情報及びデータの管理が容易になる。
【0008】
検査自動機は、利用者を特定するID情報を受け付けるID情報受付部をさらに備えていてもよい。
この検査自動機では、ID情報受付部がID情報を受け付けるので、利用者を確実に特定でき、そのため利用者に関連する検査結果履歴又は他の情報を利用者に提供することができる。
【0009】
検査自動機は、検査結果を外部と送受信可能な外部通信インターフェース部をさらに備えていてもよい。
この検査自動機では、外部通信インターフェース部は、検査結果を受け取り、検査結果をネットワーク経由で例えばデータセンターに転送できる。また、外部通信インターフェース部が設けられているので、検査自動機が、その時に測定した検査結果のみならず検査結果履歴又は検査結果に関連する他の情報を受信することができる。この結果、利用者にとっては検査結果及び他の有用な情報をリアルタイムで得ることができる。
【0010】
検査自動機は、筐体内に固着して設けられ、検査キットを用いて得られた利用者の検体を受け入れて検査を行う検査器をさらに備えていてもよい。
この検査自動機では、検査器が筐体内に設けられているので、利用者が検査器そのものを取り扱う必要がない。したがって、検査器の取り扱いに起因する事故又は故障が生じにくい。
【0011】
検査自動機は、筐体内に取り出し可能に設けられ、検査キットを用いて得られた利用者の検体を受け入れて検査を行う検査器をさらに備えていてもよい。
この検査自動機では、利用者は検査器を筐体から取り出すことができる。したがって、利用者は検査自動機から離れた場所で検査を行うことができる。例えば、職場の食堂に検査自動機が設置されている場合、利用者は検査器と検査キットを職場の自分の机又は自宅その他の場所まで持って行って、そこで検体の採取・検査を実行できる。
【0012】
検査自動機は、入金受付部と、制御部とをさらに備えていてもよい。入金受付部は、入金を受け付ける。制御部は、入金受付部が所定の入金を受け付ければ、キット投出機構に検査キットを筐体から投出させる。
この検査自動機は、検査キットの自動販売機として機能している。
【0013】
本発明の他の見地に係る検査自動機システムは、ID情報受付部と、筐体と、収納部と、操作部と、検査器と、検査結果受取部と、検査結果履歴記憶部と、検査結果出力部と、を備えている。ID情報受付部は、利用者を特定するID情報を受け付ける。収納部は、筐体に設けられ、複数の検査キットを収容する。操作部は、利用者による操作に用いられる表示画面と入力部とを有する。検査器は、検査キットを用いて得られた利用者の検体を受け入れて検査を行う。検査結果受取部は、検査器による検査結果を受け取る。検査結果履歴記憶部は、検査結果受取部で得られた検査結果に基づいて、ID情報毎に検査結果履歴を記憶する。検査結果出力部は、検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴を出力する。
このシステムでは、ID情報受付部がID情報を受け付ける。利用者は、検査キットを用いて、検査用検体を採取して、それを検査器に提供する。すると、検査器が検査を行う。検査結果受取部が検査結果を受け取り、さらに検査結果履歴記憶部が検査結果受取部で得られた検査結果に基づいてID情報毎に検査結果履歴を記憶する。検査結果出力部は、検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴を出力する。
以上に述べたように検査結果出力部が検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴を出力するので、利用者は自己の検査結果履歴を得ることができる。
さらに、このシステムでは、利用者は、その時に測定した検査結果のみならず検査結果履歴又は検査結果に関連する他の情報をリアルタイムで得ることができる。
なお、検査結果受取部及び検査結果履歴記憶部は、筐体内に設けられていてもよいし、筐体から離れた他の装置であってもよい。
【0014】
検査自動機システムは、検査キットを筐体から投出するキット投出機構をさらに備えていてもよい。このシステムでは、キット投出機構が、検査キットを筐体から投出する。
【0015】
検査自動機システムは、使用済みとなった検査キットを回収する回収箱をさらに備えていてもよい。このシステムでは、使用済みの検査キットが再利用される危険性を排除できる。
【0016】
収納部は、複数の検査器がそれぞれ収納された複数の錠付き収納庫を有していてもよい。その場合、検査自動機システムは、錠を開くことで利用者が検査器を収納庫から取り出すことを許容する収納庫開閉部をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、利用者は検査器を筐体内の収納庫から取り出すことができる。したがって、利用者は検査自動機から離れた場所で検査を行うことができる。例えば、職場の食堂に検査自動機が設置されている場合、利用者は検査自動機から入手した検査器と検査キットを職場の自分の机又は自宅その他の場所まで持って行って、そこで検体の採取・検査を実行できる。
【0017】
検査自動機システムは、収納庫内に検査器が有るか否かを検出する検知部をさらに備えていてもよい。収納庫開閉部は、検知部により検査器が収納庫に戻されたことが分かれば収納庫の錠を閉じる。
このシステムでは、検査器が戻されると収納庫の錠が閉じられるので、関係のない人が利用者の検査器を取り出すことが防止されている。
【0018】
検査自動機システムは商品情報通知部をさらに備えていてもよい。商品情報通知部は、ID情報と、当該ID情報に関連する検査結果履歴とに基づいて、当該ID情報が特定する利用者の健康促進を目的とする商品情報を通知する。
このシステムでは、商品情報通知部が利用者の健康促進を目的とする商品情報を通知するので、利用者の健康促進が図られる。
【0019】
検査結果履歴記憶部は、複数の検査自動機から検査結果履歴を収集することが可能であってもよい。
このシステムでは、利用者がいずれの検査自動機を用いても、検査結果履歴は検査結果履歴記憶部に保存される。つまり、利用者による検査自動機の利用自由度が高くなっている。
【0020】
検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴は、WEB閲覧可能であってもよい。
このシステムでは、利用者はパーソナルコンピュータ又は携帯電話などの通信機器を用いてインターネット経由で検査結果履歴を閲覧できる。
【0021】
検査自動機システムは、検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴を利用者にメール配信するメール配信部をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、メール配信部によって、検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴が利用者に配信される。
【0022】
検査検体は体液であってもよい。体液とは、血液、尿、汗、唾液等を含む。
【0023】
検査自動機システムは、利用者の栄養情報と食事時間情報とを含む食事情報を受け付け可能な食事情報受付部と、食事情報の履歴を記憶する食事情報履歴記憶部をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、食事情報受付部によって利用者の食事情報が受け付けられ、さらに食事情報履歴記憶部が食事情報の履歴を記憶する。このシステムでは、利用者は、検査結果履歴とともに食事情報履歴を利用できるようになる。その結果、利用者は食事と検査結果との関連性を的確に把握することができ、そのため食事療法による健康改善が実現される。
【0024】
検査自動機システムは、食事情報履歴記憶部に記憶された食事情報履歴を出力する食事情報履歴出力部をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、食事情報履歴出力部が、食事情報履歴を出力する。したがって、利用者は食事情報履歴を容易に知ることができる。食事情報履歴出力部は、検査結果履歴出力部と兼用であってもよい。
【0025】
食事情報受付部は、筐体に設けられ、利用者による食事情報の入力を受け付けてもよい。
このシステムでは、利用者が食事情報を入力する。
【0026】
検査自動機システムは、食堂レジシステムをさらに備えていてもよい。食事情報受付部は、食堂レジシステムと接続されており、食堂レジシステムからの食事情報の入力を受け付ける。
このシステムでは、食堂レジシステムによって食事情報が入力される。したがって、利用者の入力ミス及び入力負担が低減され、さらには正確な検査予定時間が自動的に告知又は参照されるようにできる。また、メールにより検査時間になったことを喚起することもできる。
【0027】
食事情報受付部は携帯電話のWEB経由で食事情報の入力を受け付けることができ、及び/又は、食事情報履歴出力部が携帯電話であってもよい。
このシステムでは、携帯電話を用いて利用者が食事情報を入力することができ、及び/又は食事情報履歴を入手できる。このようにして、利用者が容易に食事情報を管理できる。
【0028】
検査自動機システムは、操作部の表示画面に検査方法を表示する検査方法教示部をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、検査方法教示部が操作部の表示画面に検査方法を教示するので、利用者はその教示に従って検査を正確かつ精度よく行うことができる。
【0029】
検査自動機システムは、利用者を監視するカメラと、カメラによって撮影された映像を筐体から離れた地点で表示可能な映像表示装置と、をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、カメラが利用者の状況を監視して、さらに離れた地点で映像表示装置が映像を表示するので、第三者が利用者の状況を知ることができる。これにより第三者が検査自動機の操作方法又は検査キットの使用方法を利用者に教示できる。また、監視者は、作業台等の汚れを確認したときに、保守作業を依頼することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る検査自動機及び検査自動機システムでは、利用者がリアルタイムで検査結果を知ることができる。したがって、利用者が自己の健康状態を十分に把握することができ、それにより健康改善が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】検査自動機の概略斜視図。
【図2】検査キットの中身を示す平面図。
【図3】検査自動機の制御ブロック図。
【図4】検査自動機システムの概略構成を示すブロック図。
【図5】検査自動機の制御フローチャート。
【図6】検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例。
【図7】検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例。
【図8】検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例。
【図9】検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例。
【図10】血液採取方法を表示した表示画面の一例。
【図11】血液採取方法を表示した表示画面の一例。
【図12】血液採取方法を表示した表示画面の一例。
【図13】検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例。
【図14】食事情報と血糖値情報とを併記した表。
【図15】摂取エネルギーと血糖値とを併記したグラフ。
【図16】第2実施形態に係る検査自動機システムの概略構成を示すブロック図。
【図17】第2実施形態に係る食堂オートレジシステムの制御構成を示すブロック図。
【図18】食堂オートレジシステムの一部示した斜視図。
【図19】検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例。
【図20】第3実施形態に係る検査自動機の概略斜視図。
【図21】第3実施実施形態に係る検査キット及び検査器の中身を示す平面図。
【図22】検査自動機の制御フローチャート。
【図23】第4実施形態に係る返却物品検査確認部の斜視図。
【図24】第5実施形態に係る表示画面に表示された製品選択用メニュー。
【図25】第6実施形態に係る糖尿病患者に食物繊維が多いお茶をお勧めする商品情報を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
1.第1実施形態
(1)検査自動機
図1を用いて、本発明の一実施形態としての検査自動機1を説明する。図1は、検査自動機の概略斜視図である。
【0033】
検査自動機1は、血糖値を測定するための検査キット61を複数の利用者に提供するための装置である。検査自動機1は、図1において、筐体3から構成されている。筐体3は、上部筐体5と、下部筐体7とを有している。上部筐体5内には、物品収納保管部9が設けられている。物品収納保管部9は複数の収納庫9aを有しており、各収納庫9aが検査キット61を収納している。上部筐体5には、物品収納保管部9から検査キット61を投出する物品投出機構11が設けられている。物品投出機構11は、物品移動通路等を有している。物品投出機構11は、タバコの自動販売機の投出機構を使用できる。なお、この投出機構に代えて、貸しロッカーの施錠・解錠機構を使用してもよい。物品投出機構11は、さらに、検査キット61が投出される投出口11aを有している。さらに、上部筐体5の前部上面には、監視カメラ部13が設けられている。監視カメラ部13は、利用者が採血作業台35(後述)上で行う採血作業又は利用者が検査自動機1を操作する作業を撮影するための装置である。
【0034】
下部筐体7の前面には、表示ガイダンス部15、コイン投入口17、紙幣投入口18と、出力印字部19と、おつり返還口21、ID受付部23、及び乾燥部51が設けられている。表示ガイダンス部15は、機器の操作方法、検査方法及び検査結果を表示するための装置であり、具体的には液晶パネルである。コイン投入口17は、硬貨の投入を可能とする部分である。出力印字部19は、検査結果を印刷するための装置であり、具体的にはサーマルプリンタである。ID受付部23は、利用者のID情報を取得するための装置であり、具体的にはカードリーダ・ライタである。IDカードは、社員証、診察券、クレジットカード、デビットカード、住基カード等のいずれであってもよい。また、RFICタグを用いた非接触型のICカードでもよいし、磁気カード等の接触型のものでもよい。乾燥部51は、消毒後の指を乾燥させるための装置であり、具体的には送風可能である。
【0035】
下部筐体7の前面には、さらに、セット部29、検査キット回収口33、及び採血作業台35が設けられている。セット部29は、下部筐体7内に配置された検査器27に検査器通信インターフェース37を介して接続されている。検査器27は、検査チップ67に回収された血液を検査する装置である。この検査自動機1では、検査器27が筐体3内に固着されてつまり利用者によっては取り出し不可能に設けられているので、検査器27の取り扱いに起因する事故又は故障が生じにくい。検査器通信インターフェース37は、検査器27と通信するための装置である。検査キット回収口33は、下部筐体7内に配置された返却物品収納保管部31の開口部である。返却物品収納保管部31は、使用済みの物品(後述)を回収するためのものであり、具体的には回収ボックスである。返却物品収納保管部31は、図1に示すように、筐体3に脱着可能である。返却物品収納保管部31は、図示しないが、検査キット回収口33を開閉自在な蓋及び蓋を駆動する機構を有している。
なお、返却物品収納保管部31の内部には、返却物品検査確認部45が設けられている。返却物品検査確認部45は、返却物品収納保管部31に返却された物品を検査及び確認するための装置であり、具体的に重量秤である。返却物品検査確認部45は確認後に返却された物品を下方に落とすように移動可能である。採血作業台35は、その上で利用者が採血作業を行うための台である。
【0036】
下部筐体7の最下部、つまり利用者の足下には、入力選択部53が設けられている。入力選択部53は、フット・スイッチ式の入力装置であって、右側ペダル55と左側ペダル57とから構成されている。表示ガイダンス部15には左右一対の選択肢が表され、利用者は右側ペダル55を踏むことで右側の選択肢を選択でき、左側ペダル57を踏むことで左側の選択肢を選択できる。このようにフット・スイッチ式を入力手段として採用しているので、利用者が筐体3を手で触れる可能性が少なくなっている。したがって、利用者の指から出血していても筐体3を汚しにくい。なお、入力手段としては、入力選択部53以外の装置が用意されていててもよい。例えば、表示ガイダンス部15を構成する表示装置には、入力手段としてタッチパネル(図示せず)が設けられている。
【0037】
(2)検査キット
図2を用いて、検査キット61の内容について説明する。図2は、検査キットの中身を示す平面図である。
【0038】
検査キット61内には、穿刺針63、キャピラリ65、検査チップ67が収納されている。検査キット61には、穿刺針63、キャピラリ65、検査チップ67の1回分セットが入っている。そして、1回の投出において、検査キット61は1個投出される。なお、検査キット61には、清浄綿、絆創膏が入っていてもよい。
【0039】
以下、検査キット61の利用方法を概略説明する。利用者は、最初に、穿刺針63の先端を指の腹に当てて軽く刺す。続いて、利用者は、キャピラリ65を用いて血液を吸い込む。続いて、利用者は、キャピラリ65を検査チップ67内に挿入する。以上の動作は、採血作業台35上で行われる。次に、利用者は、検査チップ67をセット部29にセットする。これにより、検査器27が血液の検査を行う。利用者は、検査終了後に、使用済みの穿刺針63、キャピラリ65、及び検査チップ67を検査キット回収口33に投げ入れる。なお、検査器には、市販されている血液分析装置を用いることができる。
【0040】
(3)制御構成
図3を用いて、検査自動機1の制御構成を説明する。図3は、検査自動機の制御ブロック図である。
【0041】
図3に示すように、複数の構成が本体制御部41に接続されている。本体制御部41は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)によって構成される。CPUは、種々の演算を行い、プログラムを実行できる。ROMには、CPUが動作するために必要なプログラム及びデータが格納されている。RAMには、プログラムの実行に際して作成される一時的なデータ及びプログラムが格納されている。CPUがROM等の記憶媒体内のプログラムを読み出して実行することによって、本体制御部41の様々な機能が実現され、検査自動機1を構成する各部が制御される。
【0042】
本体制御部41には、ID受付部23、出力印字部19、返却物品収納保管部31、物品投出機構11、返却物品検査確認部45、返却物品収納保管部31、温度制御部47が接続されている。本体制御部41には、さらに、外部通信部49、監視カメラ部13,表示ガイダンス部15、乾燥部51、入力選択部53、及び検査器27が接続されている。
温度制御部47は、検査チップ67及び検査器27の温度管理が必要な場合に、筐体3内部が適切な温度になるように制御する。
外部通信部49は、本体制御部41と広域ネットワーク71(後述)とを通信可能にする装置である。
【0043】
検査自動機1は、さらに、硬貨及び/又は紙幣を受け付ける入金受付部95を有している。入金受付部95は投入された現金の額を認識する装置である。検査自動機1は、さらに、利用者のID情報を基に検査結果を記憶する検査結果履歴記憶部97を有している。
【0044】
(4)ネットワーク構成
図4を用いて、検査自動機1を一部に有する検査自動機システム69を説明する。図4は、検査自動機システムの概略構成を示すブロック図である。
検査自動機システム69は、広域ネットワーク71を有している。検査自動機システム69を構成する他のコンピュータ・システムは、広域ネットワーク71に接続されている。広域ネットワーク71は、インターネットであっても良いし、専用回線及び無線その他の通信方法を用いたネットワークであってもよい。
【0045】
広域ネットワーク71には、検査自動機1以外に、管理サーバ75と、データセンター79と、保守管理会社77、健康管理支援企業81、医療支援機関83、及び設置運営事業者85のコンピュータとが接続されている。また、広域ネットワーク71には、端末93が接続されている。端末93は、職場のパソコン、自宅のパソコン、携帯電話、スマートフォン等である。なお、検査自動機1及び端末93は、図では1台しか示されていないが、実際にはそれぞれ多数が広域ネットワーク71に接続されている。
【0046】
管理サーバ75は、広域ネットワーク71を介して検査自動機1及びデータセンター79の記憶データを管理している。管理サーバ75は、具体的には、利用者の支払いに関する情報、連絡先、Eメールアドレス情報、各種履歴を管理している。
保守管理会社77は、広域ネットワーク71を介して検査自動機1から保守に必要な情報を受信して、遠隔操作によって必要な保守を行う。例えば、保守管理会社77は、検査自動機1における検査キット61の在庫量を得ると、それを検査器・補充物品メーカー87に通知する。また、保守管理会社77は、検査自動機1において物品の廃棄量を得ると、それを回収事業者89に通知する。さらに、保守管理会社77は、監視カメラ部13を用いて、利用者の採血作業又は機器操作作業を監視して、利用者の作業を遠隔支援可能である。
【0047】
データセンター79は、複数の検査自動機1からの検査データを利用者のID単位で記憶する記憶管理装置である。データセンター79は、制御部と、データ送受信部と、データ記憶部とを有している。
【0048】
制御部は、コンピュータであり、データセンター全体の動作を管理するとともに、必要に応じて新たなデータを作成できる。なお、制御部の機能の一部は、管理サーバ75によっても実現可能である。
データ送受信部は、検査自動機1からの検査結果を受信可能である。データ送受信部は、利用者によって端末93から送信されたデータを受信することもできる。データ送受信部は、さらに、データ記憶部に記憶されたデータを外部に送信可能である。データ送受信部は、データを検査自動機1に送信することができ、さらにデータ送受信部は、登録されたメールアドレス宛のEメールにデータを添付して送信できる。それにより、利用者は端末93においてデータを閲覧できる。
データ記憶部は、データ送受信部によって受信された検査結果を各利用者のIDごとの検査結果履歴として記憶できる。データ記憶部は、検査結果履歴に食事情報を関連づけて記憶することもできる。
利用者は、データセンター79内のデータに対して、検査自動機1又は端末93を用いることで、アクセス可能である。アクセス時には、データセンター79がIDとパスワードの入力を要求する。
データセンター79の制御部は、利用者閲覧用のパーソナルコンピュータ用データ及び携帯用データを作成することができる。例えば、制御部は、得られた数字から表又はグラフを作成できる(図14及び図15を参照。)。さらに、制御部は、データ履歴及び健康管理支援企業81からの商品情報に基づいて、広告販促データを作成可能である。
なお、登録利用者のみならず登録閲覧者も、データセンター79内のデータを閲覧可能である。
【0049】
健康管理支援企業81は、データセンター79に記憶された検査結果履歴に基づいて、各利用者用の健康向上のためのアドバイスを作成して提供できる。このアドバイスは例えばEメールによって利用者の端末93に送信される。健康管理支援企業81は、さらに、各利用者用の健康向上のためのアドバイスとして、広告・販促物品メーカー91から提供された商品情報を提供できる。商品情報は、検査自動機1の画面に表示されてもよいし、印字されてもよい。また、商品情報はEメールによって利用者の端末93に送信されてもよい。さらに、商品情報は音声によって利用者に伝えられてもよい。
【0050】
医療支援機関83に所属する医者又は栄養士は、例えば、データセンター79内の検査結果履歴及び食事情報履歴を見ることで、各利用者用に生活指導などのアドバイスを提供できる。このアドバイスは、検査結果履歴の出力と同時に行われてもよいし、後日別の方式で利用者に報告されてもよい。報告手段は、Eメールであってもよいし、利用者がWEB閲覧できるようにしてもよい。また、医療支援機関83に所属する医者又は栄養士は、広域ネットワーク71を利用した対話によって利用者にアドバイスを提供してもよく、その場合に利用者は検査自動機1を利用してもよい。
設置運営事業者85は、管理サーバ75からの検査自動機1の稼働状況を取得して、必要に応じて検査自動機1自体をメンテナンスする。
【0051】
(5)検査自動機の制御動作
図5を用いて、検査自動機1の制御動作を説明する。図5は、検査自動機の制御フローチャートである。以下の説明において、各プロセスは主に本体制御部41によって実行される。また、本体制御部41が検査自動機システム69の他の装置と信号をやり取りする際には、外部通信部49が広域ネットワーク71を介して他の装置と通信を行う。
【0052】
初期状態では、図6に示すように、利用者にIDカードをID受付部23に接触させるように促すメッセージが、表示ガイダンス部15に表示される。なお、このときに、返却物品収納保管部31の蓋は閉じられている。
【0053】
ステップS1では、利用者がIDカードをID受付部23にタッチするのを待つ。本体制御部41は、ID受付部23からID情報を受信すると、そのID情報が予め登録されたものであるか否かを管理サーバ75に問い合わせる。ID情報が予め登録されていれば、プロセスはステップS2に移行する。以上に述べたようにID受付部23がID情報を受け付けるので、利用者を確実に特定でき、そのため利用者に関連する検査結果履歴又は他の情報を利用者に提供することができる。
【0054】
ステップS2では、本体制御部41は、利用者が直近の食事情報を入力するのを待つ。このとき、図7に示すように、食事情報入力ヘルプ画面が表示ガイダンス部15に表示される。利用者は食事終了時刻を入力し、さらに食事メニューを選択し、次の画面に移行する。このとき、利用者はタッチパネルのような入力手段を用いてもよい。なお、食事情報がICカードに記憶されている場合は、利用者はICカードを用いて食事情報を入力してもよい。また、食事情報が紙媒体等に2次元コードで記録されている場合は、2次元コードを読み取らせることで食事情報を入力してもよい。さらには、外部通信部49が携帯電話のWEB経由で食事情報の入力を受け付けてもよい。
【0055】
ステップS3では、本体制御部41は、図8に示すように、表示ガイダンス部15に検査メニューを表示させる。このとき、検査メニューは、検査メニュー名とその検査結果出力方法を含んでいる。利用者は、この画面に基づいて、検査の種類を選択する。
【0056】
ステップS4では、本体制御部41は、利用者がメニューから検査を選択するのを待つ。このとき、利用者は入力選択部53又は他の入力手段を用いていずれか一つの検査を選択する。以下の説明では、利用者は、メニュー1「食後の血糖値が気になる方」を選択したとする。
【0057】
ステップS5では、本体制御部41は、利用者から検査実行の指示が入力されるのか、又は検査中止の指示が入力されるのかを判断する。このとき、図9に示すように、検査時刻として適切であることの表示と、直前の食事情報の詳細(栄養素及びカロリー)が表示される。利用者は入力選択部53を用いて検査を始めるか否かを選択する。検査実行が指示されれば、プロセスはステップS6に移行する。検査中止が指示されれば、プロセスはステップS1に戻る。
【0058】
ステップS6では、本体制御部41は、検査の種類に応じた入金指示(図示せず)を表示ガイダンス部15に表示する。
ステップS7では、本体制御部41は、入金受付部95の検出結果を参照しながら、入金が適切に行われるのを待つ。入金は現金であってもよいし、カード支払いであってもよい。
ステップS8では、本体制御部41は、入金処理(おつりの返還、入金済みの表示)を行う。
ステップS9では、本体制御部41は、物品投出機構11に指示して、物品収納保管部9の収納庫9aから検査キット61を投出口11aに投出させる。
【0059】
ステップS10では、本体制御部41は、図10、図11、図12に示すように、表示ガイダンス部15に指示して、血液採取方法及び検査方法を表示させる。これにより、利用者はガイドに従って自ら血液採取・検査を行うことができる。図10は、指の消毒及び乾燥を指示している。図11は、穿刺針を用いた出血及びキャピラリを用いた採血を指示している。図12は、キャピラリを検査チップへ装着すること、検査チップの装着、検査チップ等の回収を指示している。
また、血液採取を採血作業台35上で行うことで、監視カメラ部13からの映像情報が保守管理会社77に送られ、そこでの映像表示装置(図示せず)に表示される。その結果、不適切な状況を保守管理会社77の監視員が発見した場合は、音声又は画面表示によって警告又は指示を利用者に伝えることができる。
【0060】
ステップS11では、本体制御部41は、検査チップ67がセット部29に装着されるのを待つ。
ステップS12では、検査器27が検体を検出して血糖値を測定する。検査器27は、測定結果を本体制御部41に出力する。本体制御部41は、検査器通信インターフェース37を介して受信した検査結果を検査結果履歴記憶部97に保存する及び/又は外部通信部49を介してデータセンター79に送信する。
ステップS13では、本体制御部41は、返却物品収納保管部31の蓋を開かせる。
ステップS14では、本体制御部41は、図12に示すように、表示ガイダンス部15に、使用済みの穿刺針63、キャピラリ65、検査チップ67を廃棄させるための指示を表示させる。
【0061】
ステップS15では、本体制御部41は、図12に示すように、利用者が入力選択部53を用いてクローズ指示を選択するのを待つ。
ステップS16では、本体制御部41は、返却物品検査確認部45からの出力に基づいて、使用済み物品が回収されたか否かを判断する。回収されたと判断されればプロセスはステップS17に移行し、回収されていないと判断されればプロセスはステップS14に戻る。
ステップS17では、本体制御部41は、返却物品収納保管部31の蓋を閉じさせる。
【0062】
ステップS18では、本体制御部41は、出力用データの取得を行う。本体制御部41は、検査結果履歴記憶部97からデータを取り出す。あるいは、本体制御部41は、外部通信部49を介して、データセンター79に出力用データを要求して、データセンター79から出力用データを受信する。
【0063】
ステップS19では、本体制御部41は、出力印字部19に検査結果を印刷させる。このときに検査結果は、1回分の検査結果であってもよいし、検査結果履歴であってもよい。さらに、検査結果とともに直近の食事情報又は食事情報履歴が検査結果ともに出力されてもよい。なお、検査結果の出力は、ディスプレイ表示であってもよいし、利用者のアドレスに対するEメール送信でもよい。
また、本体制御部41は、図13に示すように、利用者に検出結果を持って帰るようにとの指示を表示ガイダンス部15に表示させる。
【0064】
以上に述べたように検査自動機1に外部通信部49が設けられているので、検査結果を他の装置に提供することができる。また、外部通信部49が設けられているので、検査自動機1が、その時に測定した検査結果のみならず検査結果履歴又は検査結果に関連する他の情報を入手することができる。この結果、利用者にとっては検査結果及び他の有用な情報をリアルタイムで得ることができる。
【0065】
(6)食事及び血糖値測定データ
血糖値を検査内容とする例について、図14及び図15を用いて、食事及び血糖値測定データを説明する。図14は、食事情報と血糖値情報とを併記した表である。図15は、摂取エネルギーと血糖値とを併記したグラフである。図14及び図15の内容は、検査結果履歴及び食事情報履歴であり、例えば各種記憶装置に保存されたり、出力部によって出力されたりする内容である。
【0066】
図14には、4日間の昼ご飯のメニュー、栄養価、食後血糖値、測定時刻、食後経過時間、食前血糖値が表示されている。図15には、昼食の総エネルギー(Kcal)が棒グラフで示され、食後血糖値が折れ線グラフで示されている。なお、空腹時血糖値は通常は100mg/dl未満である。さらに、食後2時間以内の血糖値は、140mg/dlを超えると境界型糖尿病である可能性が高くなり、200mg/dlを超えると糖尿病の可能性があると判断される。
7月15日及び7月16日には、食後1時間後、食後2時間後、食後4時間後の3回の測定が行われている。7月17日には、食後1時間後と食後2時間後の2回の測定が行われている。7月18日には、食後2時間後の1回の測定が得られている。図から明らかなように、昼食後に時間が経過するにつれて血糖値は低下している。7月15日と7月16日において食後血糖値が高いのは、休暇中の不規則な食生活及び運動不足が原因と考えられる。そこで、利用者は、7月16日と7月17日の夕食にビールを飲まなかった。その結果、7月16日と7月17日の食後2時間後の血糖値が低くなっている。このように、利用者は昼食後2時間ほど経過した時点で血糖値を測定することで、毎日の食生活の内容と血糖値との関係を知ることができる。以上の結果、利用者は食事と検査結果との関連性を的確に把握することができ、そのため食事療法による健康改善が実現される。より具体的には、利用者は食生活が自分の健康にどのように影響するのかをリアルタイムで実感できるので、積極的に各種療法に取り組む意欲が出る。
【0067】
(7)検査自動機としての効果
検査自動機1は、会社、病院、公共施設における食堂に設けられていることが好ましい。その理由は、食前食後の測定が容易になるからである。また、検査自動機1は、駅の構内のように決まった時間に利用者が通りかかるような箇所に設けられていることが好ましい。その場合は、利用者は概ね定まった時刻に検査をすることができる。
この検査自動機は複数の利用者によって利用可能であるので、利用者にとっての利便性が向上しており、その結果、各利用者は容易に検査を行うことができる。また、この検査自動機では、装置の管理、検査キット等の消耗品の管理、情報及びデータの管理が容易になる。
【0068】
(8)生活習慣病改善における効果
糖尿病は生活習慣病であるので、治療のためには食事療法及び運動療法といった生活改善が重要である。また、糖尿病に進行する可能性がある病気として、境界型糖尿病が知られている。境界型糖尿病は、食事療法、運動療法はもちろんのこと経口血糖降下薬によって治療が可能である。境界型糖尿病であるかどうかを診断するには、空腹時血糖値と75gOGTT2時間値が必要である。したがって、境界型糖尿病の可能性がある利用者は、食前食後において血糖値を自ら測定する必要がある。ところが、従来は、食後の血糖値を食後1時間半〜2時間の間に測定しなければならないが、通常の人にとっては生活習慣の中で継続的に血糖値を測定することは困難であった。したがって、境界型糖尿病患者を見付ける試みは行われていなかった。本実施形態における検査自動機1では、上記の問題を解決することで、利用者が継続的に血糖値を測定することが容易になる。そのため、境界型糖尿病の早期発見が可能となり、さらに生活習慣病に関係した適切な療法を継続的に施すことができる。
【0069】
2.第2実施形態
本発明に係る第2実施形態として、食事情報の入力手段として、食堂オートレジシステム73を検査自動機システム69に組み込んだ実施形態を説明する。以下、前記実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0070】
図16を用いて、第2実施形態に係る検査自動機システム69を説明する。図16は、検査自動機システムのブロック構成図である。
図16に示すように、検査自動機システム69には、食堂オートレジシステム73が設けられている。食堂オートレジシステム73は、広域ネットワーク71を介して他の装置と通信可能である。
【0071】
食堂オートレジシステム73は、企業又は病院等の食堂に導入されているシステムであって、食器に装着されたICタグからデータを読み取ることで自動的に清算可能とするシステムである。また、食堂オートレジシステム73は、利用者の食事情報を記憶し、それを広域ネットワーク71経由でデータセンター79に送信可能である。食事情報は、栄養情報と食事時間情報とから構成されており、栄養情報はカロリー情報と栄養素情報とから構成されている。
【0072】
図17を用いて、食堂オートレジシステム73について説明する。図17は、食堂オートレジシステムの制御構成を示すブロック図である。
食堂オートレジシステム73は、制御部101と、記憶部103と、ID受付部105と、タグデータ読取部107と、通信部109と、表示部111と、操作部113と、複数の光学センサ115とを有している。制御部101は、CPUからなり、プログラムを実行することで各種制御を行う。記憶部103は、RAM及びROMからなり、食事情報を記憶する。また、記憶部103は、例えばメニュー毎の栄養情報を予め有している。ID受付部105は、カードリーダ・ライタであり、食堂用IDカードの情報を読み取り、さらに食堂用IDカードに金銭情報を書き込む。タグデータ読取部107は、食堂において利用者が返却する食器に貼られたIDタグに記憶された食器のIDを読み取る。読み取ったID情報から別途記憶している食事情報及び価格情報を読み出す。通信部109は、制御部101からの指示にしたがって食事情報を送受信する。表示部111は、各種情報を表示する。操作部113は利用者からの操作を受け付ける。複数の光学センサ115はトレイ置き台117(後述)の複数個所に設けられており、これによりトレイ119(後述)の位置が検出される。なお、記憶部103は、食事情報履歴を記憶してもよい。また、食堂用IDカードと検査用IDカードは共用であってもよいし、それらは例えば社員証又は診察券と共用であってもよい。
【0073】
図18は、食堂オートレジシステムの一部を示した斜視図である。図において、トレイ置き台117が設けられ、その下部にタグデータ読取部107が組み込まれている。利用者は食器を載せたトレイ119をトレイ置き台117に置くと、光学センサ115によりトレイ119を置かれたことが検出され、トレイ119に乗った食器121に埋め込まれたIDタグのID情報が次つぎと読み出されて接続されたオートレジ管理サーバ(図示せず)にID情報が送られ、代わって食事情報および価格情報が返送され、オートレジに取得される。読取られた食事情報および価格情報は表示部111に表示される。その後、利用者が確認し、OKならばIDカードをID受付部105にかざすことにより、利用者IDに基づいた支払い処理が行われるとともに、食事情報がデータセンター79に設けられた記憶部に登録される。料金は後日既に登録してある銀行口座から1ヶ月の利用分を纏めて引き降ろしたり、給料天引きや、プリペイド方式で先に支払った金額から引き落とされるものであってもよい。支払いの為の情報のやり取りが終了したらOKランプ113が点灯がするので、利用者は支払い処理を完了して先に進むことが出来る。
【0074】
このときに利用者が使用するIDカードが検査自動機を利用するときに使うIDカードと兼用に使用できるものであってしかもICカードを用いるものであれば、オートレジでの支払い処理の際に食事時間と食事情報をICカードに記録させておいて、検査自動機1を使用するときに食事情報をICカードから入力させることもできる。
【0075】
この実施形態では、食事情報を検査自動機1に入力する動作は、食堂オートレジシステム73で得られた食事情報が検査自動機1に送信されことで行われる。つまり、図5のステップS2では、本体制御部41は、対応ID情報に対応する利用者の食事情報があるか否かを食堂オートレジシステム73又はデータセンター79に問い合わせる。食事情報がある場合は、本体制御部41は、食堂オートレジシステム73又はデータセンター79から食事情報を受け取る。この場合の食事情報は直近の食事情報であってもよいし、食事情報履歴であってもよい。
図19を用いて、食堂オートレジシステムから検査自動機1に送られてきて表示される情報を説明する。図19は、検査自動機の操作方法を表示した表示画面の一例である。さらに、本体制御部41は、図19に示すように、表示ガイダンス部15において、食事情報を表示するとともに、直前登録の食事時間、推奨検査予定時刻(食後1時間後及び食後2時間後)を示す。これにより、利用者は自分が直前にとった食事の内容を確認することができ、さらに推奨検査予定時刻を知ることができる。さらに、図9と同様に、現在の日時及び推奨検査時刻か否かを示してもよい。
【0076】
以上に述べたように食堂オートレジシステム73を検査自動機1に組み合わせて用いることで、利用者が食事情報を検査自動機1に入力する手間が省ける。このように利用者の負担及び入力ミスが減ることにより、利用者が検査自動機1をより日常的に使用するようになる。さらには正確な検査予定時間が自動的に告知されるようになるので、正確な検査が実現されやすくなる。また、検査自動機1が食堂に置かれる場合には、検査自動機1と食堂オートレジシステム73とを直接交信可能に接続してもよい。
【0077】
3.第3実施形態
(1)検査自動機
図20を用いて、本発明の一実施形態としての検査自動機201を説明する。図20は、第3実施形態に係る検査自動機の概略斜視図である。この実施形態では、可搬型の検査器が採用されている。
【0078】
検査自動機201は、血糖値を測定するための検査キット261及び検査器227を提供するための装置である。検査自動機201は、図20において、筐体203から構成されている。筐体203は、上部筐体205と、下部筐体207とを有している。上部筐体205内には、物品収納保管部209が設けられている。物品収納保管部209は複数の検査キット261を収納している。この実施形態では、物品収納保管部209は、可搬型の検査器227も取り出し可能に収納している。
より具体的には、物品収納保管部209は、複数の収納庫209aを有している。各収納庫209aは自動開閉可能な錠付きである。つまり、この実施形態では、前記実施形態とは異なり、収納庫209aはロッカー方式であり、前面に開閉自在な蓋が付いている。この蓋は本体制御部41の制御によって開閉可能となっている。
さらに、上部筐体205の前部上面には、監視カメラ部213が設けられている。監視カメラ部213は、利用者が検査自動機201を操作する作業を撮影するための装置である。
【0079】
下部筐体7の前面には、表示ガイダンス部215、コイン投入口217、紙幣投入口218、出力印字部219と、おつり返還口221、ID受付部223とが設けられている。表示ガイダンス部215は、機器の操作方法、検査方法及び検査結果を表示するための装置であり、具体的には液晶パネルである。コイン投入口217は、硬貨の投入を可能とする部分である。出力印字部219は、検査結果を印刷するための装置であり、具体的にはサーマルプリンタである。ID受付部223は、利用者のID情報を取得するための装置であり、具体的にはカードリーダ・ライタである。
【0080】
下部筐体207の前面には、さらに、検査器情報読取部229と、検査キット回収口233とが設けられている。検査器情報読取部229は、検査器227が当てられると、検査器227と通信を行って、その結果検査結果を受信する。つまり、検査器方法読取部229は、検査器通信インターフェース部として機能している。検査キット回収口233は、下部筐体207内に配置された返却物品収納保管部231の開口部である。返却物品収納保管部231は、使用済みの検査キット261の穿刺針263及び検査チップ267を回収するためのものであり、具体的には回収ボックスである。返却物品収納保管部231は、図20に示すように、筐体203に脱着可能である。返却物品収納保管部231は、検査キット回収口を開閉自在な蓋及び蓋を駆動する機構を有している。
なお、返却物品収納保管部231の内部には、返却物品検査確認部245が設けられている。返却物品検査確認部245は、返却物品収納保管部231に返却された物品を検査及び確認するための装置であり、具体的に重量秤である。返却物品検査確認部245は確認後に返却された物品を下方に落とすように移動可能である。
【0081】
(2)検査キット及び検査器
図21を用いて、検査キット261、穿刺部材265及び検査器227の内容について説明する。図21は、検査キット及び検査器の中身を示す平面図である。
検査キット261内には、穿刺針263、検査チップ267の複数セットが収納されている。穿刺針263は穿刺部材265に装着されて利用される。なお、検査キット261には、清浄綿、絆創膏が入っていてもよい。
検査器227は、図から明らかなように、表示部227aを有している。表示部227aは、検査結果及び検査時刻を表示する装置である。検査器227は、図示しないが、内部に、測定検査部、記憶部、制御部、及び通信部を有している。記憶部は、所定回数の検査結果を記憶可能となっている。
【0082】
以下、検査キット261及び検査器227の利用方法を説明する。利用者は、最初に、穿刺部材265を操作して穿刺針263の先端を指の腹に軽く刺す。続いて、利用者は検査チップ267を検査器227に装着する。その状態で、利用者は、検査器227を操作することで、検査チップ267に血液を吸い込む。検査器227は、検査チップ267にある血液を検出して、検査を実行する。次に、利用者は、検査器227を操作して、検査結果を知る。図21から明らかなように、検査器227の表示部227aに、検査結果である血糖値が示される。
【0083】
利用者は、検査器227を検査器情報読取部229に装着することもできる。その場合、検査器情報読取部229は検査器227の検査結果を読み出す。利用者は、検査終了後に、使用済みの穿刺針263、検査チップ267を検査キット回収口233に投げ入れる。また、利用者は、穿刺部材265及び検査器227を収納庫209aに戻してもよいし、手元に持っていてもよい。
【0084】
(3)検査及びデータ登録
この検査自動機201では、利用者は検査器227を筐体203内の収納庫209aから取り出すことができる。したがって、利用者は検査自動機1から離れた場所で検査を行うことができる。例えば、職場の食堂に検査自動機1が設置されている場合、利用者は検査器227と検査キット261を仕事部屋の自分の机又は自宅その他の場所まで持って行って、そこで検体の採取・検査を実行できる。
さらに、利用者は検査器227を手元に持っているので、所定期間は検査自動機1を利用することなく検査を実行できる。つまり、この場合は、利用者は毎日定まった時刻に検査自動機1の場所に行って検査を行うという負担から解放される。その場合、検査結果は検査器227の記録部に蓄積されていく。
【0085】
以上の場合、検査結果の登録方法は複数ある。
第1の登録方法では、利用者が検査器227を検査自動機1にセットすると、検査器227の記憶部内の検査結果履歴が検査自動機201の記憶部に記憶され及び/又は広域ネットワーク経由でデータセンターに記憶される。
【0086】
第2の登録方法では、利用者は、検査終了後に、検査結果を図2の端末93(例えば、パソコン又は携帯電話)を通じてデータセンターに送信する。この場合、利用者は検査結果を自ら入力してもよいし、又は携帯電話の通信機能によって検査結果を検査器227から受け取って、携帯電話によってデータセンターに送信してもよい。また、利用者は端末93(例えば、パソコン又は携帯電話)を通じて、自己の検査結果履歴及び食事情報履歴を閲覧できる。さらに、データセンターは、登録されたメールアドレス宛に検査結果履歴及び食事情報履歴を送信することができる。このように、利用者は、都合の良いときにデータ送信をすることができ、また特別に気にすることなくデータ受信をすることができる。したがって、検査の実行及びその内容の確認の負担が低減され、その結果、利用者が生活習慣病の治療のために検査が活用されることになる。
【0087】
(4)検査器の収納
この実施形態では、既に説明したように、検査器227又は穿刺部材265のような非消耗品も、検査自動機1の収納庫209a内に取り出し可能に収納されている。この場合、ID毎に非消耗品の収納庫209aが定められており、ID情報と支払額に応じて特定の収納庫209aのみが開閉するようになっている。これにより、利用者は専用の検査器227又は穿刺部材265を利用することができる。
【0088】
検査自動機201は、収納庫209a内に検査器227が有るか否かを検出する検知部(図示せず)をさらに備えている。検知部は、例えば、重量秤である。
【0089】
(5)検査自動機の制御動作
図22を用いて、検査自動機1の制御動作を説明する。図22は、検査自動機の制御フローチャートである。以下の説明において、各プロセスは主に本体制御部41(図3参照)によって実行される。
【0090】
ステップS1では、利用者がIDカードをID受付部223にタッチするのを待つ。本体制御部41は、ID受付部223からID情報を受信すると、そのID情報が予め登録されたものであるか否かを管理サーバ75に問い合わせる。ID情報が予め登録されていれば、プロセスはステップS31に移行する。
【0091】
ステップS31では、本体制御部41は、利用者が検査器227の貸し出し及び検査キット261の購入を求めているのか、それとも検査器227の返却を求めているのかを判断する。検査器227の貸し出しを求めているのならばプロセスはステップS2に移行し、検査器227の返却を求めているのならばプロセスはステップ34に移行する。
【0092】
ステップS2〜S8までは第1実施形態同様であるので説明を省略する。ステップS8が終了すると、プロセスはステップS32に移行する。
ステップS32では、本体制御部41は、特定の収納庫209aのロックを解錠し、ランプ等で知らせる。これにより、利用者は検査器227等を取り出せるようになる。
【0093】
ステップS33では、本体制御部41は、図示しない検知部の検出結果に基づいて検査器227等が取り出されるのを待つ。この実施形態では、利用者は検査キット261ととともに検査器227を取り出して、検査自動機1の前又は別の場所で検体の採取及び検査を実行する。なお、検査器227等が収納庫209aから取り出されてからは、収納庫209aの錠を一定時間は開いた状態にしており、その後にロックされる。
ステップS34では、本体制御部41は、読取ガイダンスを表示する。読取ガイダンスとは、図示しないが、検査器227を検査器情報読取部229にセットして検査器227のデータを読み取らせる方法を示している。
ステップS35では、本体制御部41は、検査器情報読取部229が検査器227のデータを読み取るのを待つ。
ステップS36では、本体制御部41は、ID等に基づいて、返却先である収納庫209aをランプ等の点灯によって表示し、さらに解錠する。
ステップS37では、本体制御部41は、検査器227が収納庫209aに返却されるのを待つ。
ステップS38では、本体制御部41は、検査器227等が戻されたことが検知部によって分かると、収納庫209aを施錠する。したがって、関係のない人が利用者の検査器227等を取り出すことが防止されている。
ステップS38が終了すると、プロセスは、ステップS13に移行する。ステップS13〜ステップS17は第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0094】
この実施形態では検査キット261と検査器227は収納庫209aに収納されていたが、両者は収納方法も取り出し方法も互いに異なっていてもよい。例えば、検査キット261は第1実施形態のように投出機構により投出口に投出され、検査器227は第3実施形態のようにロッカー式収納庫から取り出されるようになっていてもよい。
【0095】
4.第4実施形態
図23を用いて、返却物品検査確認部の変形例を説明する。図23は、返却物品検査確認部の斜視図である。
返却物品検査確認部275は、回収確認用トレイ277と、カメラ部279とを有している。回収確認用トレイ277は、平板形状であり、上面に複数の収納部281を有している。各収納部281は、穿刺針283又は検査用センサ285を収容するための凹部である。カメラ部279は、回収確認用トレイ277の上方に配置され、回収確認用トレイ277の上面を撮影可能である。カメラ部279が撮影した画像データは本体制御部に送信される。本体制御部は、画像処理を行い、その結果に基づいて使用済み物品が間違いなく返却されたか否かを判断する。
なお、変形例として、回収確認用トレイを重量計によって支持する構成にして、測定された重量によって返却物品を確認するようにしてもよい。
【0096】
5.第5実施形態
検査自動機201から取り出し可能になる検査キットは、複数の種類があってもよい。例えば、15セット入り又は30セット入りの2種類があってもよい。その場合は、利用者は操作によっていずれかを選択する。さらに、消耗品以外の部材が入った検査キットが用意されていてもよい。
図24を用いて、利用者が購入可能な製品を説明する。図24は、表示画面に表示された製品選択用メニューである。図から明らかなように、検査キットのみ、検査キットと検査器の組み合わせ、検査器のみをそれぞれ購入可能になっている。つまり、これら種類に対応して、収納庫209aには各種類の物品セットが用意されている。例えば、図24の表示内容は、図22のステップS3〜S4における検査メニューの選択の後に表示される。
このように、利用者の要望に応じて複数種類の製品が購入可能なので、利用者にとっての利便性が向上している。
さらに、1回目又は検査器ユニットを返却若しくは処分した後は検査器ユニットが取り出されるようになっており、それ以外は検査キットのみが取り出されるようになっていてもよい。
【0097】
6.第6実施形態
検査結果出力時に、検査結果及び食事情報に基づいて、利用者の健康促進に貢献する商品情報を出力してもよい。これにより、利用者の健康促進が図られる。商品情報は、検査結果とともに印字されてもよいし、液晶画面に表示されてもよい。さらに、商品情報はEメールによって利用者に直接送信されてもよい。また、商品情報は、利用者が検査自動機システムの各種データベースにアクセスする際に表示されてもよい。
なお、商品情報は、健康管理支援企業又は広告・販促物品メーカーによって作成される。
図25を用いて、具体的な商品情報の表示を説明する。図25は、糖尿病患者に食物繊維が多いお茶をお勧めする商品情報を示している。
このように利用者は、検査結果及び食事情報に基づいて、適切な商品情報を知らせられるので、これら商品を積極的に摂取することができる。その結果、利用者の健康改善が行われる。
さらに、商品を販売する自動販売機が検査自動機1の近傍に設けられていても良い。自動販売機は広域ネットワークに接続されていてもよく、その場合は自動販売機の情報を検査自動機1に送信することができ、利用者は自動販売機の商品情報を検査自動機1にて知ることができる。なお、自動販売機は検査自動機1と直接接続されていてもよい。
【0098】
7.他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。以下、他の実施形態を説明する。
【0099】
(a)前記実施形態では主に糖尿病を対象にしたが、検査自動機1の検査対象は、糖尿病以外に、高脂血症などの生活習慣病であれば特に優れた効果を発揮する。
(b)前記実施形態では利用者を特定する手段として専用のIDカードが用いられていたが、他の手段であってもよい。例えば、診察券、食堂オートレジシステムのIDカード、携帯電話を用いてもよい。
(c)前記実施形態では入金方法としては現金を用いていたが、クレジットカード、デビットカード、携帯電話のお財布携帯機能を用いてもよい。その場合、ID確認と入金とを一つの手段で兼用してもよい。
(d)前記実施形態では検査自動機は入金受付手段を有していたが、検査自動機は入金処理を行わない装置であってもよい。課金処理は全く行われなくてもよいし、又は検査自動機が検査実績を管理サーバに送信し、管理サーバがクレジットカードの引き落とし、銀行口座等から引き落とし等の課金処理を行ってもよい。
(e)前記実施形態では利用者が穿刺針及び検査チップを返却しなかった場合は回収箱の蓋を開けたまま返却を促したが、他の手段によって返却を確実にするようにしてもよい。例えば、利用者が適切な返却を行わずに検査自動機1を離れれば、そのときに警告が出されるようにしてもよいし、次回の利用時に前回返却が行われていないことを知らせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、検査自動機及び検査自動機システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0101】
1 検査自動機
3 筐体
9 物品収納保管部
11 物品投出機構
23 ID受付部
27 検査器
37 検査器通信インターフェース
41 本体制御部
47 温度制御部部
61 検査キット
63 穿刺針
65 キャピラリ
67 検査チップ
69 検査自動機システム
71 広域ネットワーク
73 食堂オートレジシステム
79 データセンター
93 端末
95 入金受付部
97 検査結果履歴記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられ、複数の検査キットを収容するキット収納部と、
前記検査キットを前記筐体から投出するキット投出機構と、
検査器と通信するための検査器通信インターフェース部と、
前記検査結果を出力する検査結果出力部と、
を備えた検査自動機。
【請求項2】
利用者を特定するID情報を受け付けるID情報受付部をさらに備えている、請求項1に記載の検査自動機。
【請求項3】
検査結果を外部と送受信可能な外部通信インターフェース部をさらに備えている、請求項1又は2に記載の検査自動機。
【請求項4】
前記筐体内に固着して設けられ、前記検査キットを用いて得られた利用者の検体を受け入れて検査を行う検査器をさらに備えている、請求項1〜3のいずれかに記載の検査自動機。
【請求項5】
前記筐体内に取り出し可能に設けられ、前記検査キットを用いて得られた利用者の検体を受け入れて検査を行う検査器をさらに備えている、請求項1〜3のいずれかに記載の検査自動機。
【請求項6】
入金を受け付ける入金受付部と、
前記入金受付部が所定の入金を受け付ければ、前記キット投出機構に前記検査キットを前記筐体から投出させる制御部とをさらに備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の検査自動機。
【請求項7】
利用者を特定するID情報を受け付けるID情報受付部と、
筐体と、
前記筐体に設けられ、複数の検査キットを収容する収納部と、
利用者による操作に用いられる表示画面と入力部とを有する操作部と、
前記検査キットを用いて得られた利用者の検体を受け入れて検査を行う検査器と、
前記検査器による検査結果を受け取る検査結果受取部と、
前記検査結果受取部で得られた検査結果に基づいて、ID情報毎に検査結果履歴を記憶する検査結果履歴記憶部と、
前記検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴を出力する検査結果出力部と、
を備えた検査自動機システム。
【請求項8】
前記検査キットを前記筐体から投出するキット投出機構をさらに備える、請求項7に記載の検査自動機システム。
【請求項9】
使用済みとなった検査キットを回収する回収箱をさらに備える、請求項7又は8に記載の検査自動機システム。
【請求項10】
前記収納部は、前記複数の検査器がそれぞれ収納された複数の錠付き収納庫を有しており、
前記錠を開くことで利用者が前記検査器を前記収納庫から取り出すことを許容する収納庫開閉部をさらに備える、請求項7に記載の検査自動機システム。
【請求項11】
前記収納庫内に前記検査器が有るか否かを検出する検知部をさらに備え、
前記収納庫開閉部は、前記検知部により前記検査器が前記収納庫に戻されたことが分かれば前記収納庫の錠を閉じる、請求項10に記載の検査自動機システム。
【請求項12】
前記ID情報と、当該ID情報に関連する検査結果履歴とに基づいて、当該ID情報が特定する利用者の健康促進を目的とする商品情報を通知する商品情報通知部をさらに備えている、請求項7〜11のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項13】
前記検査結果履歴記憶部は、複数の検査自動機から検査結果履歴を収集することが可能である、請求項7〜12のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項14】
前記検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴は、WEB閲覧可能である、請求項7〜13のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項15】
前記検査結果履歴記憶部に記憶された検査結果履歴を利用者にメール配信するメール配信部をさらに備えている、請求項7〜14のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項16】
前記検体は体液である、請求項7〜15のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項17】
利用者の栄養情報と食事時間情報とを含む食事情報を受け付け可能な食事情報受付部と、前記食事情報の履歴を記憶する食事情報履歴記憶部をさらに備えている、請求項7〜16のいずれか記載の検査自動機システム。
【請求項18】
前記食事情報履歴記憶部に記憶された食事情報履歴を出力する食事情報履歴出力部をさらに備えている、請求項17に記載の検査自動機システム。
【請求項19】
前記食事情報受付部は、前記筐体に設けられ、利用者による前記食事情報の入力を受け付ける、請求項17又は18に記載の検査自動機システム。
【請求項20】
食堂レジシステムをさらに備え、
前記食事情報受付部は、前記食堂レジシステムと接続されており、前記食堂レジシステムからの前記食事情報の入力を受け付ける、請求項17又は18に記載の検査自動機システム。
【請求項21】
前記食事情報受付部は、携帯電話のWEB経由で前記食事情報の入力を受け付けることができ、及び/又は食事情報履歴出力部が携帯電話である、請求項17〜20のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項22】
前記操作部の前記表示画面に検査方法を教示する検査方法教示部をさらに備えている、請求項7〜21のいずれかに記載の検査自動機システム。
【請求項23】
利用者を監視するカメラと、
前記カメラによって撮影された映像を前記筐体から離れた地点で表示可能な映像表示装置と、をさらに備えている、請求項7〜22のいずれかに記載の検査自動機システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−68155(P2012−68155A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214100(P2010−214100)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】