説明

検測枠の製造方法および検測枠ならびに法面保護工法

【課題】少ない労力で作業性の良好な検測枠ならびに法面保護工法を提供する。
【解決手段】法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、膨出体形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の第1略Λ部9への接続部8の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第1略Λ部9の形成工程、次の第2略Λ部11への接続部10の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第2略Λ部11の形成工程、次の第3傾斜部13への接続部12の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体M形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検測枠の製造方法および検測枠ならびに法面保護工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
法面に配置した鉄筋の上に被せるように法面上に配置した検測枠に前記鉄筋を固定し、その鉄筋にモルタルまたはコンクリートを吹き付けて法枠を形成するために使用される、法枠の形状寸法を規制するための検測枠として、下記特許文献1に示すものがある。
【0003】
これは、所定の高さと幅とを有し、かつ正面視ほぼ弓形状の一対の第1部材(目安部材)と、この第1部材どうしを連結する第2部材を備えるとともに、第1部材の高さ方向中間部において第2部材上に鉄筋を浮設保持する鉄筋保持部材を二本、長さ方向に直角な方向に横設したもので、第1部材は、長さ方向に適宜の間隔をおいて鉄筋を跨いで配置される。これら第1部材、第2部材、鉄筋保持部材は、例えば防錆加工を施した適宜太さの針金を含む鉄線材等の鋼製線材よりなる。そして、第1部材と第2部材とは、溶接またはハンダ付けによって連結(接続)されている。また、二本の鉄筋保持部材は、それぞれ一対の第2部材上に架け渡すように溶接により連結(接続)されている。
【0004】
また、法枠の形状寸法を規制するとともに、鉄筋を浮設保持する検測枠として、下記特許文献2に示す閉曲線状に形成されたものがある。これは、一本の線材を湾曲または折曲することにより形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2748262号公報
【特許文献2】特許第3689800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている検測枠は、例えば格子状法枠の各辺に一つ設けてあればよく、少ない労力で配置作業を容易に行えるけれども、多数本の鉄線材等の鋼製線材を溶接するなどの連結(接続)手段を用いて所望する形状としており、線材連結(接続)工程が必要な分コストがかかるといった課題がある。すなわち、一対の第1部材(目安部材)と、一対の第2部材と、一対の鉄筋保持部材との計6個の鋼製線材が必要で、かつこれら鋼製線材の溶接等の連結(接続)箇所が8箇所も必要である。また、特許文献2に記載されている検測枠は、特許文献1に記載されている検測枠に比べて長さ方向に極めて短い寸法を有するので、法枠の形状寸法を規制する機能と鉄筋を浮設保持する機能を発揮させるには、すなわち、所定形状寸法および所定強度の法枠を確実に形成するには、例えば格子状法枠の各辺に少なくとも二つ設ける必要があり、配置に関して特許文献1に記載されている検測枠に比べて作業性(施工性)が悪いといった課題がある。また、特許文献2に記載されている検測枠は、所望する形状をうるために一本の線材を閉曲線状に形成する作業が、その3次元に入り組んだ形状から線材加工機では不可能であり、実用化されていない。
【0007】
この発明は、溶接などの線材接続工程を不要あるいは極力少なくすることができ、必要最小限の材料でコスト安に得ることができるとともに、少ない労力で作業性の良好な、法面の凹凸に良くなじませることができる検測枠の製造方法および検測枠ならびに法面保護工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明は、法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、
膨出体形状の目安となる第1傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部の形成工程、次の略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記略Λ部の形成工程、次の第3傾斜部への接続部の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第2略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部の形成工程を有する検測枠の製造方法を提供する(請求項1)。
また、この発明は、別の観点から、法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、
膨出体形状の目安となる第1傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部の形成工程、次の第1略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第1略Λ部の形成工程、次の第2略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第2略Λ部の形成工程、次の第3傾斜部への接続部の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第2略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部の形成工程を有する検測枠の製造方法を提供する(請求項2)。
この発明における芯材は、鉄筋、高張力繊維などを含む。前記高張力繊維として、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維を挙げることができる。
この発明の検測枠として、例えば、三つの異なるタイプの検測枠を挙げることができる。第1のタイプは、図1〜7,10(第1〜4の実施形態)に示されている。また、第2のタイプは、図9(第5の実施形態)に示されている。さらに、第3のタイプは、図11〜22(第6〜13の実施形態)に示されている。
いずれのタイプの検測枠においても、
(1)膨出体形状の目安となる第1,2傾斜部と第3,4傾斜部が検測枠の長さ方向(両矢印Dで示す方向)に適宜間隔をおいて対向配置されるとともに、一本の上側芯材を載置するための第1略V部および第2略V部はそれぞれ第1,2傾斜部間および第3,4傾斜部間に形成されており、前記上側芯材は、検測枠の長さ方向(両矢印Dで示す方向)に平行な状態で第1略V部と第2略V部間にわたり載置可能であり、また、
(2)一本の下側芯材を浮設保持するための略Λ部は、前記下側芯材と上側芯材が平面視において重なるように形成されるのが好ましい。
また、前記第1のタイプ、前記第2のタイプのいずれにおいても、一本の下側芯材を浮設保持するための第1略Λ部および第2略Λ部がそれぞれ第1,2傾斜部側および第3,4傾斜部側に位置するよう、第1略Λ部および第2略Λ部が形成されている。
さらに、前記第1のタイプでは、第1略Λ部9と第2略Λ部11を接続する接続部10は、例えば図1に示すように下側芯材4の下方に位置した状態でD方向に平行に形成されており、また、図1に示すように前記接続部10は平面視において下側芯材4と平行であるのが好ましい。
一方、前記第2のタイプにおいては、図9に示すように、第1略Λ部9と第2略Λ部11を接続する接続部10は、下側芯材4の下方に位置しているが、D方向に平行ではなく、傾斜して形成されている(平面視において接続部10と下側芯材4は交差する)。
次に、第3のタイプにおいては、図11〜22に示すように、1個の検測枠1に1個の略Λ部9’を設けて下側芯材を浮設保持するように構成してもよい。この場合、
(1)例えば図12,16に示すように、上下2段の芯材3,4が検測枠の中央を横切るようにするため前記略Λ部9’前後の接続部10’,10’’が平行になるように形成するとともに、前記略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fと仮想の垂直面F,F’が平行になるように前記略Λ部9’を形成するのが好ましく、また、
(2)例えば図14,18に示すように、仮想の対角線G上に、略Λ部9’の前後に延設された前記直線状の両接続部10’,10’’と前記略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fが位置するよう形成し、そして、前記仮想の面fと仮想の垂直面F,F’とのなす角度が、鋭角θになるよう前記略Λ部9’を形成するのが好ましい。
この発明における膨出体は、縦方向のみ、横方向のみ、斜め方向のみ、格子状、斜め格子状などに例えばモルタルなどの硬化材(後述する)を吹き付けるなどして盛って形成したものを含む。このように前記膨出体は、縦方向のみ、横方向のみ、斜め方向のみ、格子状、斜め格子状など、斜面(法面)の保護形態のニーズに合わせて適宜選択可能であるが、図1,2,4,5ではそのうち格子状の膨出体を示している。
この発明における線材は、金属線材、合成樹脂を線状に成型した線材などを含む。
また、この発明では、前記複数の工程において、最初の工程の前、最後の工程の後、または前後する2工程に、記載していない工程を挿入してもよい。
【0009】
この発明では、前記線材は、前記第2傾斜部から前記第3傾斜部に至る間の位置で分割された複数の線材部分よりなり、前記各形成工程の後に、前記分割位置で線材部分同士を連結して一本の線材とする連結工程を有する請求項1または2に記載の検測枠の製造方法を提供する(請求項3)。また、この発明では、法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、
膨出体形状の目安となる第1傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部の形成工程、次の第1略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第1略Λ部の形成工程、線材部分同士の接続部の形成工程を有する形成方法にて2つの線材部分を形成した後、線材部分同士の接続部を連結する検測枠の製造方法を提供する(請求項4)。また、この発明では、前記検測枠の端部の折曲工程を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の検測枠の製造方法を提供する(請求項5)。検測枠は、線材端部を折曲することにより、引っ掛けて仮設置し易くできるとともに、土壌硬度が低い法面では線材端部の沈み込み防止効果が得られる。すなわち、検測枠が動いても法面に展開する例えば金網のような被覆材(後述する)に、折曲工程が施された各線材端部の折曲部分(図2〜4参照)が引っ掛かるので、検測枠を設置し易くできるとともに、法面が盛土であるような場合、検測枠が法面に沈み込むことが防止される。そして、沈み込み防止のため最初の工程(図4参照)と最後の工程(図示せず)で線材端部の折曲工程を施すのが好ましい。
【0010】
また、この発明では、線材折曲げ装置を用いて前記各工程を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の検測枠の製造方法を提供する(請求項6)。そして、この発明では、加工機械に応じて、線材の断面は円形状、楕円形状、矩形形状、H形、T形、L形、U形など適宜選択可能である。図1〜30においては断面円形状の線材を示している。
【0011】
また、この発明は別の観点から、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法で製造した検測枠を提供する(請求項7)。
【0012】
また、この発明はさらに別の観点から、法面に間隔を空けて下側芯材を配置する工程、下側芯材の上から請求項7に記載の検測枠を設置する工程、下側芯材を検測枠の略Λ部に固定する工程、検測枠の略V部に上側芯材を載置し固定する工程、検測枠の形状を目安にしながら検測枠および芯材を内包するように硬化材を盛って膨出体を形成する工程を有する法面保護工法を提供する(請求項8)。この場合、上側芯材は、検測枠設置前に予め法面上に配置しておいてもよいし、そうでなくともよい。この発明における硬化材とは、モルタル、コンクリート、接着剤を混合した砂などをいう。なお、芯材として鉄筋を用い、モルタルまたはコンクリートによる膨出体を形成する際には、検測枠の線材としては金属製(金属線材)が好ましいが、芯材として軽量な繊維を用い、接着剤を用いてセメントを含まない硬化材を使用する場合は、合成樹脂製の検測枠を用いることが好ましい。そして、検測枠を合成樹脂製とする場合は、ポリプロピレンやポリエチレン等、成形し易い任意の原料を使用可能である。
【0013】
さらに、この発明は、最初に、法面に被覆材を展開する工程を有する請求項8に記載の法面保護工法を提供する(請求項9)。この発明における被覆材とは、金網、樹脂ネット、簾状の高張力繊維など地山を直接被覆するものをいう。法面は平滑ではなく凹凸があることが多く、その場合、図2,4,5に示すように金網(被覆材の一例)は少し(例えば1〜2cm程度)浮いた状態となる。なお、被覆材は法面に当接してもよいし、法面から適当間隔空けて張設されてもよい。また、法面の勾配が緩いなど、法表面が比較的安定している場合等には、前記被覆材(被覆体)を省略することもできる。
【0014】
また、この発明は、膨出体を形成する工程の後に、膨出体と膨出体の間の法面を、硬化材、間詰材、植生基材から選ばれる1種以上で覆う工程を有する、請求項8または9に記載の法面保護工法を提供する(請求項10)。また、この発明は、検測枠の形状を目安にしながら検測枠および前記上側、下側芯材を内包するように硬化材を盛って膨出体を形成する工程の前に、硬化材が付着しないように膨出体と膨出体の間の地山を保護するシートを設置する工程を有する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の法面保護工法を提供する(請求項11)。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、以下の効果を奏する。
(1)請求項1の発明では、線材に、第1傾斜部、第1略V部、第2傾斜部、次の略Λ部への接続部、前記略Λ部、次の第3傾斜部への接続部、前記第3傾斜部、第2略V部、前記第4傾斜部を形成する工程を有している。また、請求項2の発明では、線材に、第1傾斜部、第1略V部、第2傾斜部、第1略Λ部への接続部、第1略Λ部、第2略Λ部への接続部、第2略Λ部、第3傾斜部への接続部、第3傾斜部、第2略V部および第4傾斜部を形成する工程を有している。一方、特許文献1に記載された従来の検測枠(以下、従来技術という)では、1本の芯材を固定(浮設保持)する機能を有する検測枠において、鋼製線材が6本も必要で、しかもこれら鋼製線材の溶接等の線材連結(接続)箇所が8箇所にも及んでおりコスト高となる。一方、本発明では、少なくとも上側1本、下側1本の芯材を固定する機能を有するのに前記従来技術のように6本もの多数の鋼製線材を必要とせず、例えば1本の線材から検測枠を製造できるため、コストダウンが達成できる。また、所定形状寸法および所定強度の膨出体を確実に形成することができる検測枠を得るために必要な線材量が、一例として前記従来技術では245cmのところ、本発明で得られる検測枠では195cmと約20%少なく済み、使用材料の面からもコストダウンが達成できる。
【0016】
(2)例えば図11〜18に示すように、1個の検測枠には、前記二つの接続部10’,10’’を介して膨出体形状の目安となる第1,2傾斜部(5,7)と第3,4傾斜部(13,15)が検測枠の長さ方向(両矢印Dで示す方向)に適宜間隔をおいて対向配置されることになる。また、例えば図1,3,6,7,9に示すように、第2略Λ部と第3略Λ部を接続する接続部の存在により、膨出体形状の目安となる第1,2傾斜部と第3,4傾斜部が検測枠の長さ方向(両矢印Dで示す方向)に適宜間隔をおいて対向配置されることになる。そして、例えば図1,3,6,7,9に示すものにおいては、対向するこれら傾斜部に、それぞれ、第1略V部および第2略V部を設け、対向するこれら傾斜部の側に、それぞれ、第1略Λ部、第2略Λ部および第3略Λ部、第4略Λ部を設けている。そのため、例えば格子状の膨出体を形成する際、格子状芯材の一辺にこの発明の検測枠を1個設置するだけで、1本の上側芯材を第1略V部と第2略V部の二箇所で固定(位置決め)することができるので、また、2本の下側芯材もそれぞれ第1略Λ部〜第4略Λ部のいずれか二箇所で固定(位置決め)することができるので、例えば一個の検測枠の設置で例えば上側1本、下側2本の芯材がそれぞれ一箇所で固定(位置決め)されるような検測枠に比べて硬化材の盛りつけ作業をし易くできるとともに、例えば上側1本、下側2本の芯材をそれぞれ二箇所で固定(位置決め)することができるので、所定形状寸法および所定強度の膨出体を確実に形成することができる。
【0017】
(3)そして、格子状芯材の一辺が長くなっても、その長さに応じて、例えば図1,3,6,7,9に示すものでは、第1略Λ部と第2略Λ部を接続する接続部を辺方向に沿って適宜の長さに設定することができることから、格子状芯材の一辺に検測枠を複数個設ける必要はなく、その分経済的である。また、図11〜18に示すものにおいては、前記二つの接続部10’,10’’を適宜の長さに設定することができることから、格子状芯材の一辺に検測枠を複数個設ける必要はなく、その分経済的である。
【0018】
(4)また、この発明では、1本の下側芯材を浮設保持するための1個の略Λ部9’を含む前記二つの接続部10’,10’’の存在により、あるいは、第1略Λ部と第2略Λ部を接続する接続部の存在により、芯材の結束・固定作業を行う作業空間が開放されており、作業空間を広く確保することができる。この場合、前記1個の略Λ部9’を含む前記二つの接続部10’,10’’を例えば金網などの被覆材に接するような低い位置に形成することにより、あるいは、第1略Λ部と第2略Λ部を接続する接続部を例えば金網などの被覆材に接するような低い位置に形成することにより、検測枠内の作業空間をさらに広く確保することができる。
【0019】
(5)また、上記特徴的構成の製造方法によって得られる、上下2段の芯材を固定する二本配筋用の検測枠は、嵩張らないので、収容スペースをとらず、持ち運びや搬送作業も容易で、現地での取り扱い作業性にも優れているという利点を有する。
(6)また、本発明によるいずれの検測枠も、法面の凹凸に応じて検測枠の中間部分となる1本の線材を屈曲させるだけで、容易に法面の凹凸に良くなじませることができ、後に盛りつける硬化材の無駄を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1の実施形態と、拡大した格子状鉄筋固定状態とを示す斜視図である。
【図2】上記実施形態を示す正面図である。
【図3】上記実施形態を示す斜視図である。
【図4】この発明の第2の実施形態を示す正面図である。
【図5】この発明の第3の実施形態を示す正面図である。
【図6】上記第3の実施形態を示す斜視図である。
【図7】(A)は、この発明の第4の実施形態を示す斜視図である。(B)は、上記第4の実施形態における法面上への配置を示す斜視図である。
【図8】この発明の検測枠の構成部分の変形例を示す要部平面図である。
【図9】この発明の第5の実施形態を示す斜視図である。
【図10】上記第3の実施形態の変形例であり、プレス機を用いた工程を示す図である。
【図11】この発明の第6の実施形態を示す斜視図である。
【図12】上記第6の実施形態を示す概略平面図である。
【図13】この発明の第7の実施形態を示す斜視図である。
【図14】上記第7の実施形態を示す概略平面図である。
【図15】この発明の第8の実施形態を示す斜視図である。
【図16】上記第8の実施形態を示す概略平面図である。
【図17】この発明の第9の実施形態を示す斜視図である。
【図18】上記第9の実施形態を示す概略平面図である。
【図19】この発明の第10の実施形態であり、図12の変形例を示す概略平面図である。
【図20】この発明の第11の実施形態であり、図12の別の変形例を示す概略平面図である。
【図21】この発明の第12の実施形態であり、図16の変形例を示す概略平面図である。
【図22】この発明の第13の実施形態であり、図16の別の変形例を示す概略平面図である。
【図23】この発明において、線材の折曲げ方の一例を示す構成説明図である。
【図24】この発明において、線材の折曲げ方の異なる例を示す構成説明図である。
【図25】この発明の第14の実施形態を用いて得られた検測枠を示す斜視図である。
【図26】上記第14の実施形態を示す分解斜視図である。
【図27】この発明の第15の実施形態を用いて得られた検測枠を示す斜視図である。
【図28】上記第15の実施形態を示す分解斜視図である。
【図29】この発明の第16の実施形態を用いて得られた検測枠を示す斜視図である。
【図30】この発明の第17の実施形態を用いて得られた検測枠を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜3は、一本の連続した鋼製線材などの金属線材による二本配筋用の検測枠を得るようにしたこの発明の第1の実施形態を示す。この実施形態では、芯材として鉄筋を用い、硬化材としてモルタルなどを用い、膨出体を格子状法枠とし、線材として一本の金属線材を用い、被覆材として例えば菱形金網を用いている。図1〜3において、検測枠1は、法面2上で、上下2段の鉄筋(芯材の一例)3,4を固定できるとともに、上側鉄筋3、下側鉄筋4を内包した格子状法枠M(膨出体の一例)を形成する際に格子状法枠Mの形状寸法を規制するために使用するものである。具体的に、検測枠1は、法面2に金網(被覆材の一例)Kを敷設した後、この金網K上に鉄筋3,4を格子状に配置し、その鉄筋3,4の上に被せるように法面2上に配置した検測枠1に前記鉄筋3,4を固定し、その格子状鉄筋3,4にモルタルなど17を吹き付けて格子状法枠Mを形成するために使用されるものであって、格子状法枠Mの形状寸法を規制するためのものである。検測枠1は一本の連続した鋼製線材などの金属線材(線材の一例)Rよりなる。そして、一本の金属線材Rに複数の工程を施して検測枠1が得られる。検測枠1の製造方法は、格子状法枠M形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程(第一工程)、上側鉄筋3を載置するための第1略V部6の形成工程(第二工程)、格子状法枠M形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程(第三工程)、次の第1略Λ部9への接続部8の形成工程(第四工程)、下側芯材4を浮設保持するための前記第1略Λ部9の形成工程(第五工程)、次の第2略Λ部11への接続部10の形成工程(第六工程)、下側芯材4を浮設保持するための前記第2略Λ部11の形成工程(第七工程)、次の第3傾斜部13への接続部12の形成工程(第八工程)、格子状法枠M形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程(第九工程)、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程(第十工程)、格子状法枠M形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程(第十一工程)を主として含むとともに、第一工程、第二工程・・・第十工程および第十一工程の順序で行われて検測枠1が製造される。そして、一本の金属線材Rは、例えば防錆加工を施した適宜太さ(例えば直径4mm)の針金よりなり、線材折曲げ装置(図示せず)を用いて、第一工程、第二工程・・・第十工程および第十一工程が順次行われ、所望形状の検測枠1が形成される。
【0022】
そして、得られた検測枠1の一方の目安部を構成する第1,2傾斜部(5,7)と他方の目安部を構成する第3,4傾斜部(13,15)は同一形状をなすとともに、検測枠1の長さ方向(両矢印Dで示す方向)の各端部に互いに対向配置する状態で形成されている。第1傾斜部5と第2傾斜部7と第3傾斜部13と第4傾斜部15は同一寸法である。そして、第1,2傾斜部(5,7)によって形成される仮想の垂直面Fと第3,4傾斜部(13,15)によって形成される仮想の垂直面F’は平行であるのが好ましく、この場合、D方向に直角であるのが好ましい。さらに、それら目安部(5,7),(13,15)は、第1略Λ部9への接続部8、第1略Λ部9、第2略Λ部11への接続部10、第2略Λ部11、そして第3傾斜部13への接続部12を介して同一面上に位置するよう形成されている。その目安部(5,7)および(13,15)はそれぞれ、所定の高さH(例えば14cm)と幅W(例えば34cm)とを有する縦断面(正面視)上凸形状でほぼ円弧形状(ほぼ弓形状)の線材部分からなる円弧形状部分Aを有する。
【0023】
なお、目安部(5,7)および(13,15)の形状として、正面視台形状、三角形状、多角形状、M字形状、凹多角形状など適宜選択できる。
【0024】
また、目安部(5,7)および(13,15)はそれぞれ金網Kの目合い(例えば、5cm)を通る大きさの一対の脚(20,21)および(22,23)を円弧形状部分Aの両端に有する。脚20と脚22は同一形状をなす。脚21と脚23も同一形状をなす。例えば脚20は、第1傾斜部5の下端を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは垂直面F内に位置するように内側に折曲げられた上方開放の凹状部24とこれより内側に連設された水平辺部25を含む。ここで、少なくとも凹状部24は金網Kの目合いを通る大きさに形成される。同様に、脚22は、第4傾斜部15の下端を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは垂直面F’内に位置するように内側に折曲げられた上方開放の凹状部24’とこれより内側に連設された水平辺部25’を含む。ここで、少なくとも凹状部24’は金網Kの目合いを通る大きさに形成される。また、目安部(5,7)は、第2傾斜部7の下端を前記凹状部24と同じ所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは垂直面F内に位置するように内側に折曲げられた上方開放の凹状部24’’と、これより内側に前記水平辺部25とは向き合うように、かつ前記水平辺部25とは同一水平面に位置するように連設された水平辺部30を含む。ここで、凹状部24’’は金網Kの目合いを通る大きさに形成される。そして、脚21は前記凹状部24’’で構成される。同様に、目安部(13,15)は、第3傾斜部13の下端を前記凹状部24’と同じ所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは垂直面F’内に位置するように内側に折曲げられた上方開放の凹状部24’’’と、これより内側に前記水平辺部25’とは向き合うように、かつ前記水平辺部25’とは同一水平面に位置するように連設された水平辺部30’を含む。そして、脚23は前記凹状部24’’’で構成される。ここで、凹状部24’’’は金網Kの目合いを通る大きさに形成される。さらに、前記凹状部24,24’,24’’,24’’’が法面2に接した状態では好ましくは水平辺部25,25’と水平辺部30,30’が金網Kの上面iに接する位置にくるよう検測枠1の脚(20,21)および(22,23)が構成されている。なお、前記凹状部24、24’、24’’、24’’’を金網Kの目合いを通らない大きさ(金網Kを法面2に抑えつけうる大きさ)に形成してもよい。
【0025】
さらに、図2において、紙面向かって右側の前記水平辺部30は、紙面向かって左側の水平辺部25よりも長く連設されている。同様のことが前記水平辺部30’と水平辺部25’についても言える。前記水平辺部30、水平辺部25は目安部(5,7)の底辺を形成する。前記水平辺部30’、水平辺部25’は目安部(13,15)の底辺を形成する。また、円弧形状部分AおよびAの頂上位置にはそれぞれ、上側鉄筋3を挿通させこれを結束線P(図1参照)で固縛固定(位置決め)する前記第1略V部6および前記第2略V部14が一つ形成されている。一方、前記接続部10におけるD方向両端9a,11aにはそれぞれ、下側鉄筋4を挿入させこれを結束線P(図1参照)で固縛固定(位置決め)する前記第1略Λ部9および第2略Λ部11が一つ形成されている。すなわち、前記第1略V部6および前記第2略V部14はそれぞれ目安部(5,7)および(13,15)の中央、すなわち、D方向に直角な水平方向における中央に位置している。また、前記第1略Λ部9と第2略Λ部11も前記水平方向における中央に位置している。
【0026】
さらに、図3に示すように、前記目安部(5,7)の側には、前記第1略V部6(上側鉄筋3を結束線Pで固縛固定する箇所)と、前記第1略Λ部9(下側鉄筋4を挿入させこれを結束線Pで固縛固定する箇所)とを、検測枠1の内側で前記D方向に沿った状態で適宜長さdだけ内側にずらせるために、検測枠1内側で、水平辺部30の下流端部mから第1略Λ部9の上流端部nに至るよう連設された連設部分7aが線材折曲げ装置(図示せず)によって形成されている。同様に、目安部(13,15)の側にも、前記第2略V部14(上側鉄筋3を結束線Pで固縛固定する箇所)と、前記第2略Λ部11(下側鉄筋4を挿入させこれを結束線Pで固縛固定する箇所)とを、検測枠1の内側で前記D方向に沿った状態で適宜長さdだけ内側にずらせるために、検測枠1内側で、第1略Λ部11の下流端部n’から水平辺部30’の上流端部m’に至るよう連設された連設部分7a’が線材折曲げ装置(図示せず)によって形成されている。すなわち、前記第1略V部6および第2略V部14はそれぞれ前記垂直面F,F’内に位置する一方、前記第1略Λ部9および第2略Λ部11は、それぞれ、前記垂直面F,F’の位置から好ましくは直角でD方向に適宜長さdだけ検測枠1内側にずらせた位置に形成されている。ずらす方向はD方向に沿っている。前記連設部分7aおよび7a’はそれぞれ、水平辺部30および30’と同一水平面に位置している。
【0027】
そして、前記接続部8は、水平辺部30と連設部分7aとから構成され、前記接続部12は、水平辺部30’と連設部分7a’とから構成されている。また、第1略Λ部9は、連設部分7aの下流端部nからD方向に直角な方向で、脚20の側に折曲して上方斜めに連設され、水平辺部30と連設部分7aが形成されている同じ水平位置よりも所定長さeだけ高い位置にある頂点Tを経て、さらに前記脚20の側に折曲して下方斜めに至るよう連設される。一方、第2略Λ部11は、連設部分7a’の前記端部n’からD方向に直角な方向で、脚22の側に折曲して上方斜めに連設され、水平辺部30’と連設部分7a’が形成されている同じ水平位置よりも所定長さeだけ高い位置にある頂点T’を経て、さらに前記脚22の側に折曲して下方斜めに至るよう連設される。この第1略Λ部9および第2略Λ部11それぞれによって囲まれる仮想の三角形状の面fおよびf’は、円弧形状部分A,Aによって囲まれる前記垂直面F,F’と平行である。さらに、前記接続部10は、一本の水平な直線状に形成されており、これは第1略Λ部9の下流端側の裾端9aと、第2略Λ部11の上流端側の裾端11aを繋いでいる(接続している)。
【0028】
この実施形態では、前記接続部10は、水平辺部30,30’、水平辺部25,25’および連設部分7a,7a’と同一水平面に位置させてあり、金網Kの上面iに接する(当接する)ような低い位置に形成してある。
【0029】
而して、線材折曲げ装置において、一本の線材Rを前記第一工程、第二工程・・・第十工程および第十一工程の順序で折曲して、所望形状の検測枠1をうる。そして、予め整形された法面2に目合いが例えば5〜6cm程度の菱形金網Kなどの被覆材を敷設し、アンカー(図示せず)を適宜の間隔で法面2に打ち込んで金網Kを法面2に固定する。次に、金網Kの上に、直径が例えば6〜10mm程度の鉄筋3,4を一辺Lが1〜2m程度の略正方形の格子状に組み合わせて配置する。そして、鉄筋3,4からなる格子状の各辺のほぼ中央に線材折曲げ装置で得られた検測枠1を、その円弧形状部分A,Aが鉄筋3,4を跨ぐようにして、金網Kの上に配置する。この実施形態では、脚20の凹状部24、脚21の凹状部24’、脚21、脚23は法面2に載った状態で、前記接続部10、水平辺部30,30’、水平辺部25,25’および連設部分7a,7a’が金網Kの上面iに接しながら検測枠1が配置されるが、場合に応じて検測枠1の配置の仕方は適宜変わりうる。この検測枠1は、モルタルなど17を吹き付け幅および吹き付け幅高さの目安となるものであるから、格子枠の各辺に少なくとも一つ設けてあればよく、この実施形態のように、辺の長さL(図1参照)が1〜2m、検測枠1の長さQが40〜50cmのときは、各辺に一つの検測枠1を設けるだけでよい。また、前記辺の長さLがより大きいときは、検測枠1の長さQをより大きくすればよい。すなわち、前記接続部10の長さをより大きくした検測枠1を用いればよい。そして、この実施形態では、前記接続部10を金網Kの上面iに接するような低い位置に形成してあり、結束・固定作業を行う作業空間が開放されているため、検測枠1内に作業者は手を入れやすく鉄筋3および4それぞれの前記第1略V部6,第2略V部14および第1略Λ部9、第2略Λ部11への挿入および挿入された鉄筋3および4の前記第1略V部6,第2略V部14および第1略Λ部9、第2略Λ部11への固定等の挿入・結束・固定作業が容易になる。以上のように構成した格子状鉄筋3,4に、例えば含水率が7〜8%程度の低スランプのモルタルなど17をモルタルガン機などの土木用吹付機によって吹き付ける。この場合、鉄筋3,4によって形成される格子枠の各辺には、モルタルなど17の吹き付け幅および吹き付け高さの目安となる検測枠1を設けてあるので、この検測枠1にしたがってモルタルなど17の吹き付けを行うだけで、所定寸法のモルタルなど17よりなる格子状法枠Mを容易に形成することができる。すなわち、この実施形態においては、下端幅35cm、高さ15cm程度の格子状法枠Mを形成することができ、所定寸法および所定強度の格子状法枠Mを確実に形成することができる。続いて、格子状法枠Mの枠内に植生材料を動力吹付け機などを用いて吹き付けて植生層J(法面2から3〜5cm程度の厚み)を形成することにより、岩盤法面などにも植生を導入することが可能となり、法面2の景観の向上および植生の根や茎などによる法面2の恒久的安定に寄与するところが大きい。この場合、格子状法枠Mを形成するモルタルなど17の吹き付けを行う前に、枠内の地山(法面)2にモルタルなど17が付着しないように保護するシートを設置しておき、格子状法枠Mを形成後、植生材料を吹き付ける前に前記シートを撤去することにより、吹き付け導入した植生の地山(法面)2への活着が良好となる。また、格子状法枠Mの枠内の緑化が必要とされない場合は、枠内にモルタルなど17を吹き付けたり、砕石などの間詰材で覆うことにより、法枠間の地山(法面)2の保護が可能である。
【0030】
この実施形態では、検測枠1を得るため最初と最後の工程で、それぞれ線材端部(用いる一本の金属線材Rの一方端部と他方端部)の折曲工程を有するように構成した。その際、この実施形態では、最初の工程で脚20が形成され、最後の工程で脚22を形成した。
【0031】
図4は、検測枠1を得るための最初と最後の工程として、それぞれ線材端部(用いる一本の金属線材Rの一方端部と他方端部)の折曲工程を有するように構成し、検測枠1が法面2に沈み込むことを防止する沈み込み防止効果の機能を金属線材Rの一方端部と他方端部に持たせたこの発明の第2の実施形態を示す。図4において、図1〜3に示した符号と同一のものは同一または相当物である。図4において、検測枠1を得るための最初の工程において、例えば格子状法枠M形状の目安となる第1傾斜部5を形成する前に一本の直線状の金属線材Rの一方端部S(図3参照)を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは以後に形成される垂直面F内に位置可能なように所定長さΔだけ折曲げて水平辺部40を形成する。前記所定長さΔは、金網Kの目合いを水平辺部40が支障無く通過可能な長さである。一方、検測枠1を得るための最後の工程において、格子状法枠M形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程(第十一工程)の後、前記線材Rの他方端部S’(図3参照)を水平辺部40と同じ所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは垂直面F’内に位置可能なように所定長さΔ’(=Δ)だけ水平辺部40と同じ方向(D方向に直角な方向)に折曲げて、水平辺部40と同一水平面上に位置するよう水平辺部(図示せず)を形成する。得られた検測枠1においては、第1傾斜部5の最上流端および第4傾斜部15の最下流端にそれぞれ前記水平辺部40および前記水平辺部(図示せず)が形成されており、前記水平辺部40および前記水平辺部(図示せず)を法面2に載せることから、その存在により、法面2が盛土であるような場合、検測枠1が法面2沈み込むことが防止される。この実施形態では、金属線材Rの一方端部Sに形成した水平辺部40と、金属線材Rの他方端部S’に形成した水平辺部(図示せず)を法面2に載せた状態で、前記接続部10、水平辺部30,30’および連設部分7a,7a’(図3参照)を金網Kの上面iに載せながら検測枠1が配置される。
【0032】
上記第2の実施形態では、検測枠1を得るための最初の工程で形成した前記水平辺部40と、最後の工程で形成した前記水平辺部(図示せず)を法面2に載せるよう構成していた。また、上記各実施形態では第2傾斜部7の形成後に脚21を形成し、水平辺部30’の形成後に脚23(24’’’)を形成した。
【0033】
図5,6は、前記脚21および脚23、ならびに、前記脚20および脚22を無くすとともに、検測枠1を得るための最初の工程で形成した水平辺部40’と、最後の工程で形成した水平辺部40’’を接続部10、水平辺部30,30’および連設部分7a,7a’と同様に金網Kの上面iに載せて検測枠1自体を金網Kの上面iに配置するように構成したこの発明の第3の実施形態を示す。図5,6において、図1〜4に示した符号と同一のものは同一または相当物である。図5,6において、目安部(5,7)および(13,15)はそれぞれ、所定の高さH(例えば14cm)と幅W(例えば34cm)とを有する縦断面(正面視)上凸形状でほぼ円弧形状(ほぼ弓形状)の線材部分からなる円弧形状部分AおよびAと、各円弧形状部分Aの両下端a,bを適宜長さで互いに向き合う方向(D方向に直角な方向)で同一水平面に位置するように折曲して形成された左右一対の水平辺部(40’,30)(40’’,30’)を含む。なお、目安部(5,7)および(13,15)の形状として、正面視台形状、三角形状、多角形状、M字形状、凹多角形状など適宜選択できる。そして、図5において、紙面向かって右側の水平辺30は、紙面向かって左側の水平辺部40’よりも長く連設されている。水平辺部40’,30は目安部(5,7)の底辺を形成する。同様に、水平辺部30’,40’’は目安部(13,15)の底辺を形成する。図5に示すように、検測枠1は、水平辺部(40’,30)(30’,40’’)を介して金網K上に載置可能である。この実施形態では、水平辺部40’と、水平辺部40’’と、接続部10と、水平辺部30,30’および連設部分7a,7a’が金網Kの上面iに接する状態で検測枠1が金網Kの上面iに配置される。
【0034】
上記各実施形態では、第1略V部6と第1略Λ部9とを、また、第2略V部14と第2略Λ部11とを、それぞれ検測枠1の内側でD方向に沿った状態で適宜長さdだけずらせるため連設部分7a,7a’を形成していた。
【0035】
図7は、二本配筋用の検測枠における上記第3の実施形態の変形例(第4の実施形態)であり、検測枠1から連設部分7a,7a’を取り去る代わりに、水平辺部30,30’の長さを上記第3実施形態における水平辺部30,30’よりも長くして二本配筋用の検測枠1をD方向に引き延ばし可能に構成したこの発明の第4の実施形態を示す。図7において、図1〜6に示した符号と同一のものは同一または相当物である。この実施形態では、上記第1〜3の実施形態において設けていた連設部分7a,7a’を検測枠1から取り去っており、その代わりに、この実施形態の水平辺部30,30’の長さを上記第1〜3の実施形態における水平辺部30,30’よりも長くしている。そのため、法面2に金網Kを敷設した後、この金網K上で格子状に配置された二本の鉄筋3,4を、法面2上に配置した二本配筋用の検測枠1に固定するにあたり、二本配筋用の検測枠1を図7(A)に示す状態から図7(B)に示す状態のように、例えば一方の目安部(5,7)および他方の目安部(13,15)をそれぞれ掴みながら作業者が矢印D’およびD’’で示す方向に引っ張ることにより、二本の鉄筋3,4の上に引き延ばされた状態の前記検測枠1を被せるように配置することができる。すなわち、作業者が例えば目安部(5,7)(13,15)を引っ張ることにより、円弧形状部分AおよびAのそれぞれ一方の端bを支点にして水平辺部30および30’が矢印NおよびN’で示す方向に変位する。
【0036】
なお、上記各実施形態において、前記接続部10を、図8に示すように、多数の屈曲部分gを有するものとしてもよい。また、上記各実施形態において、前記接続部10に、下側鉄筋4を浮設保持するための略Λ部を追加して設けてもよい。また、前記接続部10を上向きに若干山形に屈曲(図示なし)しておく、または検測枠1の設置時に前記接続部10を上向きに若干山形に屈曲することで、法面2の凸部に前記接続部10が位置しても検測枠1の安定した設置が可能となる。また、前記接続部10を逆に曲げた際には法面2の凹部にフィットさせることができる。この場合、前記接続部10を下向きに若干山形に屈曲(図示なし)しておく、または検測枠1の設置時に前記接続部10を下向きに若干山形に屈曲する。すなわち、特許文献1に記載されている検測枠では、上述したように、湾曲部(前記第1部材)の両サイドが2本の線材(2本の前記第2部材)で溶接するなどして強固に連結(接続)されていた。しかし、本発明は目安部を構成する第1,2傾斜部(5,7)と他方の目安部を構成する第3,4傾斜部(13,15)同士が1本の線材、すなわち、前記接続部10で繋がっているだけなので、施工現場条件(法面2表面の凹凸の状態)によって、検測枠1の設置時に前記接続部9を容易に上向きあるいは下向きに屈曲させることができ、検測枠1をより法面2の凹凸に沿って設置させることができる。
【0037】
そして、図9は、この発明の第5の実施形態であり、検測枠1を上面視で点対称の形状としてある。検測枠1を上面視で点対称の形状とすると、検測枠1の設置時に横枠では検測枠1の上下、縦枠では検測枠1の左右を気にせずに設置することができる。なお、図9において、図1〜8に示した符号と同一のものは同一または相当物である。検測枠1の製造方法は、格子状法枠M形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程、上側鉄筋3を載置するための第1略V部6の形成工程、格子状法枠M形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の第1略Λ部9への接続部8の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記第1略Λ部9の形成工程、次の第2略Λ部11への接続部10の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記第2略Λ部11の形成工程、次の第3傾斜部13への接続部12の形成工程、格子状法枠M形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、格子状法枠M形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程を主として含む。
【0038】
上記各実施形態では、線材折曲げ装置を用いて各工程を行う例を示したが、この発明では、各工程の1または複数の工程を、1回または複数回に分けてプレス機を用いて行うようにしてもよく、この発明の検測枠(一例として図6に示す検測枠1)の別の製造方法として、プレス機を用いて行う方法を図10に基づいて説明する。図10において、黒三角B〜Bは線材Rのプレスポイントを示す。材料として、予め必要な長さに切断した線材Rを用意する〔図10(A)参照〕。そして、まず、図10(A)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、線材Rの中央に形成される、第1略Λ部9と第2略Λ部11の接続部10を成形する〔図10(B)参照〕。次に、図10(B)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、第1略Λ部9と第2略Λ部11を成形する〔図10(C)参照〕。次に、図10(C)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、図10(D)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、第2傾斜部7と第1略Λ部9の接続部8(30,7a)と、第3傾斜部13と第2略Λ部11の接続部12(7a’,30’)を成形する〔図10(E)参照〕。次に、図10(E)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、第2傾斜部7と第3傾斜部13を成形する〔図10(F)参照〕。次に、図10(F)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、第1略V部6と第2略V部14を成形するとともに、第1傾斜部5と第4傾斜部15を成形する〔図10(G)参照〕。ここで完成としてもよいが、好ましくは、図10(G)に示すように、プレスによりプレスポイントB,Bで折曲げて、線材端部S,S’の水平辺部40’および水平辺部40’’を成形し〔図10(H)参照〕、完成となる。上記プレス成形は、連続して一度でプレス可能な装置の場合は一度で成形可能であるが、複数工程に分けても製造可能である。
【0039】
また、この発明の検測枠のさらに別の製造方法として、合成樹脂成型(成形)加工機を用いて行う場合は、例えば図6に示す検測枠1の形状の金型を作成し、ポリプロピレンやポリエチレン等を原料として射出成形にて製造する。この製造方法によると、「膨出体形状の目安となる第1傾斜部5の形成、上側芯材を載置するための第1略V部6の形成、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成、次の第1略Λ部9への接続部8の形成、下側芯材を浮設保持するための前記第1略Λ部9の形成、次の第2略Λ部11への接続部10の形成、下側芯材を浮設保持するための前記第2略Λ部11の形成、次の第3傾斜部13への接続部12の形成、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成、上側芯材を載置するための第2略V部14の形成、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成」の全工程、または線材端部S,S’の水平辺部40’と水平辺部40’’も含めた全工程を同時に行うことが可能である。
【0040】
図11,12は、膨出体形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程、上側芯材3を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の略Λ部9’への接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程を主として有し、検測枠1を上面視で点対称の形状としてあるこの発明の第6の実施形態を示す。図11,12において、図1〜10に示した符号と同一のものは同一または相当物である。図11,12に示すように、検測枠1の製造方法は、一本の直線状の金属線材Rの一方端部Sを所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは後に形成される垂直面F内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’を形成する工程、格子状法枠形状の目安となる目安部を構成する第1傾斜部5の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の略Λ部9’への直線状の接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への直線状の接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程、一本の直線状の金属線材Rの他方端部S’を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは第3傾斜部13と第4傾斜部15によって形成される垂直面F’内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’’を形成する工程を含む。そして、上記各実施形態と同様に、仮想の垂直面F,F’が平行になるよう目安部(5,7)と目安部(13,15)が所定間隔B(図12参照)を有して対向配置されている。そして、例えば前記接続部10’,10’’’は平行な直線に形成されている。
【0041】
さらに、この実施形態では、図12に示すように、前記略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fと、仮想の垂直面Fと、仮想の垂直面,F’が平行になるように前記略Λ部9’が形成されている。なお、Tは略Λ部9’の頂点を示し、32および33は、略Λ部9’の両端点を示す。また、34は、第1略V部6の頂点を示し、35および36は、第1略V部6の両端点を示すとともに、34’は、第2略V部14の頂点を示し、35’および36’は、第2略V部14の両端点を示す。便宜上、図12には、頂点T,34,34’と両端点35,36、35’,36’をドットで示している。
【0042】
図13,14は、上記第6の実施形態と同様、膨出体形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程、上側芯材3を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の略Λ部9’への接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程を主として有し、検測枠1を上面視で点対称の形状としてあるとともに、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fの向きを、平行な仮想の垂直面F,F’に対して上記第6の実施形態の場合とは異ならせたこの発明の第7の実施形態を示す。図13,14において、図1〜12に示した符号と同一のものは同一または相当物である。図13,14に示すように、検測枠1の製造方法は、一本の直線状の金属線材Rの一方端部Sを所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは後に形成される垂直面F内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’を形成する工程、格子状法枠形状の目安となる目安部を構成する第1傾斜部5の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の略Λ部9’への直線状の接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への直線状の接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程、一本の直線状の金属線材Rの他方端部S’を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは第3傾斜部13と第4傾斜部15によって形成される垂直面F’内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’’を形成する工程を含む。そして、上記各実施形態と同様に、仮想の垂直面F,F’が平行になるよう目安部(5,7)と目安部(13,15)が所定間隔B(図14参照)を有して対向配置されている。そして、例えば前記接続部10’,10’’’は平行な直線に形成されている。
【0043】
さらに、この実施形態では、図14に示すように、好ましくは仮想の対角線G上に、前記直線状の両接続部10’,10’’と、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fとが位置するよう形成されている。そして、前記仮想の面fと仮想の垂直面F,F’とのなす角度が、鋭角θになるよう略Λ部9’が形成されている。
【0044】
図15,16は、膨出体形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程、上側芯材3を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の略Λ部9’への接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程を主として有し、検測枠1を上面視で点対称の形状としてあるこの発明の第8の実施形態を示す。図15,16において、図1〜14に示した符号と同一のものは同一または相当物である。図15,16に示すように、検測枠1の製造方法は、一本の直線状の金属線材Rの一方端部Sを所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは後に形成される垂直面F内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’を形成する工程、格子状法枠形状の目安となる目安部を構成する第1傾斜部5の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、第2傾斜部7の下流端7aより内側に前記水平辺40’とは向き合うように、かつ前記水平辺40’とは同一水平面に位置するように連設された水平辺部30の形成工程、水平辺部30の下流端30aから次の略Λ部9’へ至る直線状の接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への直線状の接続部10’’の形成工程、接続部10’’の下流端10’aより外側に後に形成される水平辺40’’とは向き合うように、かつ前記水平辺40’’とは同一水平面に位置するように連設された水平辺部30’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程、一本の直線状の金属線材Rの他方端部S’を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは第3傾斜部13と第4傾斜部15によって形成される垂直面F’内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’’を形成する工程を含む。そして、上記各実施形態と同様に、仮想の垂直面F,F’が平行になるよう目安部(5,7)と目安部(13,15)が所定間隔B(図16参照)を有して対向配置されている。そして、例えば前記接続部10’,10’’’は平行な直線に形成されている。
【0045】
図17,18は、上記第8の実施形態と同様、膨出体形状の目安となる第1傾斜部5の形成工程、上側芯材3を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、次の略Λ部9’への接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程を主として有し、検測枠1を上面視で点対称の形状としてあるとともに、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fの向きを、平行な仮想の垂直面F,F’に対して上記第6の実施形態の場合とは異ならせたこの発明の第7の実施形態を示す。図17,18において、図1〜16に示した符号と同一のものは同一または相当物である。図17,18に示すように、検測枠1の製造方法は、一本の直線状の金属線材Rの一方端部Sを所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは後に形成される垂直面F内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’を形成する工程、格子状法枠形状の目安となる目安部を構成する第1傾斜部5の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部6の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部7の形成工程、第2傾斜部7の下流端7aより内側に前記水平辺40’とは向き合うように、かつ前記水平辺40’とは同一水平面に位置するように連設された水平辺部30の形成工程、水平辺部30の下流端30aから次の略Λ部9’へ至る直線状の接続部10’の形成工程、下側芯材4を浮設保持するための前記略Λ部9’の形成工程、次の第3傾斜部13への直線状の接続部10’’の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部13の形成工程、上側芯材3を載置するための第2略V部14の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部15の形成工程、一本の直線状の金属線材Rの他方端部S’を所定の大きさの曲げ径を有して好ましくは第3傾斜部13と第4傾斜部15によって形成される垂直面F’内に位置可能なように所定長さだけ折曲げて水平辺40’’を形成する工程を含む。そして、上記各実施形態と同様に、仮想の垂直面F,F’が平行になるよう目安部(5,7)と目安部(13,15)が所定間隔B(図18参照)を有して対向配置されている。そして、例えば前記接続部10’,10’’’は平行な直線に形成されている。
【0046】
さらに、この実施形態では、図18に示すように、好ましくは仮想の対角線G上に、前記直線状の両接続部10’,10’’と、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fとが位置するよう形成されている。そして、前記仮想の面fと仮想の垂直面F,F’とのなす角度が、鋭角θになるよう略Λ部9’が形成されている。
【0047】
図19は、上記第6の実施形態(図11,12参照)の変形例であり、この発明の第10の実施形態を示す。図19において、図1〜18に示した符号と同一のものは同一または相当物である。この実施形態では、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fが、仮想の垂直面F,F’と平行ではなく、上面視において右下がりに傾斜している。
【0048】
図20は、上記第6の実施形態(図11,12参照)の別の変形例であり、この発明の第11の実施形態を示す。図20において、図1〜19に示した符号と同一のものは同一または相当物である。この実施形態では、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fが、仮想の垂直面F,F’と平行ではなく、上面視において右上がりに傾斜している。
【0049】
図21は、上記第8の実施形態(図15,16参照)の変形例であり、この発明の第12の実施形態を示す。図21において、図1〜20に示した符号と同一のものは同一または相当物である。この実施形態では、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fが、仮想の垂直面F,F’と平行ではなく、上面視において右下がりに傾斜している。
【0050】
図22は、上記第8の実施形態(図15,16参照)の変形例であり、この発明の第13の実施形態を示す。図22において、図1〜21に示した符号と同一のものは同一または相当物である。この実施形態では、略Λ部9’内に形成される正面視三角形の仮想の面fが、仮想の垂直面F,F’と平行ではなく、上面視において右上がりに傾斜している。
【0051】
なお、この発明では、例えば金属線材を例えば第1傾斜部5、第1略V部6、第2傾斜部7に加工するにあたり、図4(上記第2の実施形態)に示すような所定の曲率を有する円弧形状の曲線Aに限りなく近づけて仕上げる工程だけではなく、図23に示すように、金属線材を順次所定の回数だけ折曲げて複数の傾斜した直線部5aおよび水平な直線部5bよりなる前記曲線に近い形状の多角形を形成するような金属線材の折曲げ方をも含む。この際、図23に示すように、第1傾斜部5、第1略V部6、第2傾斜部7を形成したときと同様の傾斜した直線部5aおよび水平な直線部5bを用いて例えば脚24’’(21)、水平辺40、第1略V部6、第1略Λ部9を加工することができる。図23において、複数のドットは、折曲げポイントを示している。また、図23においては、例えば第1略Λ部9の三角形の頂点、第1略V部6の逆三角形の最下端点を水平な直線部5bとした例を示しているが、図24に示すように、傾斜した直線部5aと傾斜した直線部5aの交点にしてもよい。
【0052】
上記各実施形態では、1本の線材で検測枠を構成する場合を示したが、本発明はこれに限られず第2傾斜部から第3傾斜部に至る間の位置で分割された複数の線材部分より構成し、前述した各形成工程の後に、前記分割位置で線材部分同士を溶接やかしめ管などにより連結して一本の線材とするようにしてもよい。例えば図25〜図28は、そのようにしたこの発明の第14の実施形態、第15の実施形態を示す。図25〜図28において、図1〜24に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
【0053】
まず始めに、図25、図26は、検測枠を構成する線材を、第2傾斜部から第3傾斜部に至る間の位置で2分割された二つの線材部分より構成しているこの発明の第14の実施形態を示している。図25において、黒三角Zは二つの線材部分R,Rの接続部となる溶接ポイント(分割位置)を示しており、1’は、この溶接ポイントZで溶接された後に得られる検測枠である。そして、この実施形態では、図26に示すように、互いにほぼ面対称である形状の二つの線材部分R,Rを用いており、得られた検測枠1’は接続部10の中央箇所に前記溶接ポイントZを有している。10aおよび10bはそれぞれ線材部分Rおよび線材部分Rの一端であり、これらが線材部分R,R同士の接続部となる溶接箇所である。すなわち、上記第1の実施形態では、図3に示すように、一本の金属線材Rに線材折曲げ装置(図示せず)を用いて、第一工程、第二工程・・・第十工程および第十一工程が順次行われ、所望形状の検測枠1を形成していたが、この第14の実施形態では、例えば前記線材折曲げ装置を用いて、予め互いにほぼ面対称である形状の線材部分R,Rを形成しておき、その後、前記一端10aおよび10b同士を溶接やかしめ管などで線材部分R,Rを連結し、一本の線材としている。そして、上記第1の実施形態のように、線材折曲げ装置を用いて連続で製造すると、自重による形状の歪みを補正するために製造工程後半は製造スピードを落とす必要が生じるが、この実施形態のように一つの検測枠1’を得るのに二つの線材部分(2分割した部品)R,Rを用いれば線材部分(2分割した部品)R,Rの製造スピードを落とす必要が無くなって総じて製造スピードを上げることができ、また、線材部分(2分割した部品)R,Rの形状が歪み難いという利点を有する。すなわち、この実施形態では、2分割した部品R,Rの形成後に、両者R,Rを溶接して接続し、それによって一つの検測枠1’を得るので、連続して一つの検測枠1を製造するより、製造スピードと形状の安定性を上げることができ、最終的な形状の修正作業が少なく済むといった利点を有する。また、この実施形態では、線材折曲げ装置を用いて互いに面対称である形状の部品R,Rを製造するので、異なる形状の多数の部品を用いて一つの検測枠1’をうる場合に比べて生産効率を上げることができる。なお、この発明では、溶接ポイントZを接続部10の中央箇所に限定されるものではなく溶接ポイントZは第2傾斜部7から第3傾斜部13に至る間の位置であればよい。
【0054】
次に、図27、図28は、検測枠を構成する線材を、第2傾斜部から第3傾斜部に至る間の位置で3分割された三つの線材部分より構成しているこの発明の第15の実施形態を示している。この実施形態では、図28に示すように、三つの線材部分R’,R’,R’を用いており、得られた検測枠1’は、第1略Λ部9への接続部8の水平辺部30における適宜の箇所と第3傾斜部13への接続部12の水平辺部30’における適宜の箇所の二箇所に溶接ポイントZを有している。図28において、8aおよび12aはそれぞれ線材部分R’および線材部分R’の一端であり、8bおよび12bはそれぞれ線材部分R’の一端および他端であり、これらが溶接箇所である。検測枠1’は、前記溶接ポイントZで溶接された後に得られる検測枠である。この実施形態でも、上記第14の実施形態と同様の利点を有する。すなわち、例えば前記線材折曲げ装置を用いて予め三つの線材部分R’,R’,R’を形成しておき、その後、線材部分R’の両端8bおよび12bにそれぞれ線材部分R’の一端8aおよび線材部分R’の一端12aを溶接して三者R’,R’,R’を連結し、一本の線材としている。そして、上記第1の実施形態のように、線材折曲げ装置を用いて連続で製造するより、この実施形態のように一つの検測枠1’を得るのに三つの線材部分(3分割した部品)R’,R’,R’を用いる方が各線材部分(3分割した各部品)R’,R’,R’の製造スピードを上げることができ、また、線材部分(3分割した部品)R’,R’,R’の形状が歪み難いという利点を有する。すなわち、この実施形態では、3分割した部品R’,R’,R’の形成後に、三者R’,R’,R’を溶接して接続し、それによって一つの検測枠1’を得るので、連続して一つの検測枠1を製造する上記第1の実施形態より、製造スピードと形状の安定性を上げることができ、最終的な形状の修正作業が少なく済むといった利点を有する。なお、この発明では、溶接ポイントZを水平辺部30,30’の箇所に限定されるものではなく溶接ポイントZは第2傾斜部7から第3傾斜部13に至る間の位置であればよく、また、溶接ポイントZを3以上に設定してもよい。
【0055】
図29は、上記第14の実施形態と同様に、検測枠1’を構成する線材を、第2傾斜部7から第3傾斜部13に至る間の位置で2分割された二つの線材部分R’’,R’’より構成しているこの発明の第16の実施形態を示している。図29において、図1〜28に示した符号と同一のものは同一または相当物であり、黒三角Zは二つの線材部分R’’,R’’の溶接ポイント(分割位置)を示し、1’は、この溶接ポイントZで溶接された後に得られる検測枠である。そして、この実施形態では、溶接ポイントZの位置からも分かるように、互いに面対称である形状の二つの線材部分R’’,R’’を用いており、得られた検測枠1’は略Λ部9’の中央箇所に前記溶接ポイントZを有している。9’aおよび9’bはそれぞれ、図25に示した線材部分Rおよび線材部分Rの一端10aおよび10bと同様に、線材部分R’’および線材部分R’’の一端であり、これらが溶接箇所である。すなわち、上記第8の実施形態では、図15に示すように、一本の金属線材Rに線材折曲げ装置(図示せず)を用いて、複数の加工工程が順次行われ、所望形状の検測枠1を形成していたが、この第16の実施形態では、一つの検測枠1’を得るにあたり、例えば前記線材折曲げ装置を用いて予め二つの線材部分R’’,R’’を形成しておき、その後、前記一端9’aおよび9’b同士を溶接して線材部分R’’,R’’を連結し、一本の線材としている。そして、上記第1の実施形態のように、線材折曲げ装置を用いて連続で製造するより、この実施形態のように一つの検測枠1’を得るのに二つの線材部分(2分割した部品)R’’,R’’を用いる方が線材部分(2分割した部品)R’’,R’’の製造スピードを上げることができ、また、線材部分(2分割した部品)R’’,R’’の形状が歪み難いという利点を有する。すなわち、この実施形態では、2分割した部品R’’,R’’の形成後に、両者R’’,R’’を溶接して接続し、それによって一つの検測枠1’を得るので、連続して一つの検測枠を製造するより、製造スピードと形状の安定性を上げることができ、最終的な形状の修正作業が少なく済むといった利点を有する。また、この実施形態では、線材折曲げ装置を用いて互いに面対称である形状の部品R’’,R’’を製造するので、異なる形状の多数の部品を用いて一つの検測枠をうる場合に比べて生産効率を上げることができる。なお、この発明では、溶接ポイントZを略Λ部9’の中央箇所に限定されるものではなく溶接ポイントZは第2傾斜部7から第3傾斜部13に至る間の位置であればよい。
【0056】
図30は、検測枠を構成する線材を、第2傾斜部から第3傾斜部に至る間の位置で3分割された三つの線材部分より構成しているこの発明の第17の実施形態を示している。この実施形態では、三つの線材部分R’’’,R’’’,R’’’を用いており、得られた検測枠1’は、略Λ部9’への接続部10’の水平辺部30における適宜の箇所と第3傾斜部13への接続部10’’の水平辺部30’における適宜の箇所の二箇所に溶接ポイントZを有している。図30において、10’aおよび10’’aはそれぞれ線材部分R’’’および線材部分R’’’の一端であり、10’bおよび10’’bはそれぞれ線材部分R’’’の一端および他端であり、これらが溶接箇所である。1’は、前記溶接ポイントZで溶接された後に得られる検測枠である。この実施形態でも、上記第14〜16の実施形態と同様の利点を有する。すなわち、例えば前記線材折曲げ装置を用いて予め三つの線材部分R’’’,R’’’,R’’’を形成しておき、その後、線材部分R’’’の両端10’bおよび10’’bにそれぞれ線材部分R’’’の一端10’aおよび線材部分R’’’の一端10’’aを溶接して三者R’’’,R’’’,R’’’を連結し、一本の線材としている。そして、上記第1の実施形態のように、線材折曲げ装置を用いて連続で製造するより、この実施形態のように一つの検測枠1’を得るのに三つの線材部分(3分割した部品)R’’’,R’’’,R’’’を用いる方が線材部分(3分割した部品)R’’’,R’’’,R’’’の製造スピードを上げることができ、また、線材部分(3分割した部品)R’’’,R’’’,R’’’の形状が歪み難いという利点を有する。すなわち、この実施形態では、3分割した部品R’’’,R’’’,R’’’の形成後に、三者R’’’,R’’’,R’’’を溶接して接続し、それによって一つの検測枠1’を得るので、連続して一つの検測枠を製造する上記第1の実施形態より、各部品R’’’,R’’’,R’’’の製造スピードと形状の安定性を上げることができ、最終的な形状の修正作業が少なく済むといった利点を有する。なお、この発明では、溶接ポイントZを水平辺部30,30’の箇所に限定されるものではなく溶接ポイントZは第2傾斜部7から第3傾斜部13に至る間の位置であればよく、また、溶接ポイントZを3以上に設定してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 検測枠
2 法面
3 上側鉄筋(上側芯材)
4 下側芯材(下側芯材)
5 第1傾斜部
6 第1略V部
7 第2傾斜部
8 接続部
9 第1略Λ部
10 接続部
11 第2略Λ部
12 接続部
13 第3傾斜部
14 第2略V部
15 第4傾斜部
M 格子状法枠(膨出体形状)
R 一本の線材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、
膨出体形状の目安となる第1傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部の形成工程、次の略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記略Λ部の形成工程、次の第3傾斜部への接続部の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第2略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部の形成工程を有する検測枠の製造方法。
【請求項2】
法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、
膨出体形状の目安となる第1傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部の形成工程、次の第1略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第1略Λ部の形成工程、次の第2略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第2略Λ部の形成工程、次の第3傾斜部への接続部の形成工程、膨出体形状の目安となる前記第3傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第2略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第4傾斜部の形成工程を有する検測枠の製造方法。
【請求項3】
前記線材は、前記第2傾斜部から前記第3傾斜部に至る間の位置で分割された複数の線材部分よりなり、前記各形成工程の後に、前記分割位置で線材部分同士を連結して一本の線材とする連結工程を有する請求項1または2に記載の検測枠の製造方法。
【請求項4】
法面上で、上下2段の芯材を固定できるとともに、その芯材を内包した膨出体を形成する際に膨出体の形状寸法を規制するために使用する、線材による検測枠の製造方法であって、
膨出体形状の目安となる第1傾斜部の形成工程、上側芯材を載置するための第1略V部の形成工程、膨出体形状の目安となる第2傾斜部の形成工程、次の第1略Λ部への接続部の形成工程、下側芯材を浮設保持するための前記第1略Λ部の形成工程、線材部分同士の接続部の形成工程を有する形成方法にて2つの線材部分を形成した後、線材部分同士の接続部を連結する検測枠の製造方法。
【請求項5】
前記検測枠の端部の折曲工程を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の検測枠の製造方法。
【請求項6】
線材折曲げ装置を用いて前記各工程を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の検測枠の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法で製造した検測枠。
【請求項8】
法面に間隔を空けて下側芯材を配置する工程、下側芯材の上から請求項7に記載の検測枠を設置する工程、下側芯材を検測枠の略Λ部に固定する工程、検測枠の略V部に上側芯材を載置し固定する工程、検測枠の形状を目安にしながら検測枠および芯材を内包するように硬化材を盛って膨出体を形成する工程を有する法面保護工法。
【請求項9】
最初に、法面に被覆材を展開する工程を有する請求項8に記載の法面保護工法。
【請求項10】
膨出体を形成する工程の後に、膨出体と膨出体の間の法面を、硬化材、間詰材、植生基材から選ばれる1種以上で覆う工程を有する、請求項8または9に記載の法面保護工法。
【請求項11】
検測枠の形状を目安にしながら検測枠および前記上側、下側芯材を内包するように硬化材を盛って膨出体を形成する工程の前に、硬化材が付着しないように膨出体と膨出体の間の地山を保護するシートを設置する工程を有する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の法面保護工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−207522(P2012−207522A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60431(P2012−60431)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000231431)日本植生株式会社 (88)
【Fターム(参考)】