検眼装置
【課題】測定ヘッドを一方の眼から他方の眼に向かって移動させ、他方の眼のアライメント作業の迅速化をより一層早く図る検眼装置を提供する。
【解決手段】本発明の検眼装置1は、上下左右前後方向に可動される測定ヘッド3、被検眼像を表示する表示画面25を有するモニタ部10、測定ヘッド3を駆動する駆動制御回路部8、画面上の瞳孔中心を検出する瞳孔中心検出回路部24を備え、駆動制御回路部8は、測定ヘッド3の左右方向の機械中心位置MOから測定ヘッド3を一方の眼に向けて移動させるべき所定移動量X、測定ヘッド3を所定移動量Xだけ移動させたときの画面上の基準位置G0から画面上の瞳孔中心位置までのずれ量Δを測定ヘッド3のずれ量に換算したときの換算ずれ量Δ’を記憶し、一方の眼の測定後、一方の眼に対向する位置から他方の眼に対向する位置に向けて測定ヘッド3を、換算ずれ量Δ’と所定移動量Xとの和の2倍の移動量分だけ駆動する。
【解決手段】本発明の検眼装置1は、上下左右前後方向に可動される測定ヘッド3、被検眼像を表示する表示画面25を有するモニタ部10、測定ヘッド3を駆動する駆動制御回路部8、画面上の瞳孔中心を検出する瞳孔中心検出回路部24を備え、駆動制御回路部8は、測定ヘッド3の左右方向の機械中心位置MOから測定ヘッド3を一方の眼に向けて移動させるべき所定移動量X、測定ヘッド3を所定移動量Xだけ移動させたときの画面上の基準位置G0から画面上の瞳孔中心位置までのずれ量Δを測定ヘッド3のずれ量に換算したときの換算ずれ量Δ’を記憶し、一方の眼の測定後、一方の眼に対向する位置から他方の眼に対向する位置に向けて測定ヘッド3を、換算ずれ量Δ’と所定移動量Xとの和の2倍の移動量分だけ駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の両眼検査の効率化を図ることのできる検眼装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検者の一方の被検眼の検査(例えば、右眼の検査)を行った後、他方の被検眼の検査(例えば、左眼の検査)を行うために、光学系を内蔵する測定ヘッドを左右方向に自動的に移動させることが可能な検眼装置が知られている。
【0003】
この種の検眼装置では、例えば、右眼の検査が終了すると、検眼終了直後の右眼位置情報に対応する測定ヘッドの位置情報を記憶し、予め記憶されている左右方向機械中心位置情報と右眼の検眼終了直後の測定ヘッドの位置情報とから左右方向機械中心位置から右眼に対応する測定ヘッドの位置までの距離を演算する。
【0004】
ついで、左眼を検眼するために、他眼の操作スイッチを操作すると、その右眼に対応する測定ヘッドの位置から機械中心までの距離に基づいて、演算部により測定ヘッドを右眼に対応する位置から他眼に対応する位置までに移動させるのに要する距離、いわゆる瞳孔間距離に相当する距離が演算される。ついで、駆動部により測定ヘッドが右眼に対向する位置から左眼に対向する位置に自動的に移動される。
【0005】
その後、左眼に対する測定ヘッドのアライメントが実行され、この左眼に対する測定ヘッドのアライメント完了後に左眼の検査が自動的に実行される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このものによれば、一方の被検眼の検査終了後に他方の被検眼の位置の近くに自動的に測定ヘッドを移動させることができるので、他方の被検眼に対するアライメントを短時間で行うことができ、ひいては、両眼の検査効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3610133号の段落番号「0025」、「0026」、図2参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、被検眼に対するアライメントの許容範囲が広い検眼装置では、表示画面上の瞳孔中心位置と表示画面上の基準位置とがずれた状態で、被検眼の測定が実行されることがあり得るので、アライメント完了後の一方の被検眼に対応する測定ヘッドの位置と測定ヘッドの機械中心位置との間の距離を用いて、測定ヘッドを一方の被検眼から他方の被検眼に向かって移動させることにすると、他方の被検眼の表示画面上の瞳孔中心が表示画面上の基準位置から大きくずれる場合があり、アライメント作業にかえって時間がかかるという不都合がある。
【0009】
本発明の目的は、上記の事情に鑑みて為されたもので、測定ヘッドを一方の被検眼から他方の被検眼に向かって移動させて、他方の被検眼のアライメント作業の迅速化をより一層早く図ることのできる検眼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の検眼装置は、被検者に対面して上下左右前後方向に可動されかつ被検眼像を光学系を介して観察しつつ検査を行う測定ヘッドと、前記被検眼像を少なくとも提示可能な表示画面を有するモニタ部と、前記測定ヘッドを前記上下左右前後方向に駆動する駆動制御回路部と、前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出する瞳孔中心検出回路部とを備え、
前記駆動制御回路部は、前記測定ヘッドの左右方向の機械中心位置から前記測定ヘッドを一方の被検眼に向けて移動させるべき所定移動量と前記測定ヘッドを前記所定移動量だけ移動させたときの表示画面上の基準位置から前記表示画面上における瞳孔中心までのずれ量を前記測定ヘッドのずれ量に換算したときの換算ずれ量として記憶する記憶部を有し、
前記駆動制御回路部は、一方の被検眼の測定後、該一方の被検眼に対向する位置から他方の被検眼に対向する位置に向けて前記測定ヘッドを、前記記憶部に記憶された換算ずれ量と前記所定移動量との和の2倍の移動量分だけ駆動することを特徴とする。
【0011】
表示画面がタッチパネル式であり、前記瞳孔中心検出回路部は前記表示画面上の被検眼像の瞳孔像に対応する箇所がタッチされたときに、タッチ箇所を前記表示画面上での瞳孔中心とみなして前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出する構成としても良い。
駆動制御回路部は、一方の被検眼の測定後、自動的に他方の被検眼に向けて前記測定ヘッドを移動させる構成としても良い。
【0012】
表示画面にタッチすると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始される構成としても良い。
測定開始ボタンを操作すると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始される構成としても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一方の被検眼の測定完了前に、表示画面上の基準位置から表示画面上の瞳孔中心までのずれ量に基づいて、他方の被検眼に向けての測定ヘッドの移動量を求めることにしたので、被検眼に対するアライメントの許容範囲が広い検眼装置でも、一方の被検眼の測定完了から他方の被検眼の測定に移行する際に、一方の被検眼に臨む位置から他方の被検眼に臨む位置に測定ヘッドを迅速に移動させることができる。
特に、一方の被検眼の測定実行前に、被検眼の瞳孔間距離の中心位置と測定ヘッドの機械中心位置とが大幅にずれているかいないかを事前に検出できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は検者が検眼装置を介して被検者に向かい合って検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための検眼装置の外観図であり、(a)はモニタ部の表示画面が検者の側に向けられている状態を示す側面図であり、(b)は(a)に示す矢印A方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す説明図である。
【図2】図2は被験者の側に検者が立って検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための検眼装置の外観図であり、(a)はモニタ部の表示画面が被検者の側に向けられている状態を示す側面図であり、(b)は(a)に示す矢印B方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す説明図である。
【図3】図3は検眼装置の側面側に検者が立った状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を示す外観図であり、(a)は(b)に示す矢印C方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す検眼装置の側面図であり、(b)は被験者側から見てモニタ部の表示画面が右側に向けられている状態を示す説明図である。
【図4】図4は検眼装置の側面側に検者が座った状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を示す外観図であり、(a)は(b)に示す矢印D方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す検眼装置の側面図であり、(b)は被験者側から見てモニタ部の表示画面が右側に向けられている状態を示す説明図である。
【図5】図5は検眼装置の側面側に検者が座った状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を示す外観図であり、(a)は(b)に示す矢印E方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す検眼装置の側面図であり、(b)は被験者側から見てモニタ部の表示画面が左側に向けられている状態を示す説明図である。
【図6】図6は図1ないし図5に示す取付部の内部の概略構造を示す斜視図である。
【図7】図7は被検眼に対する測定ヘッドのアライメント完了時の被検眼像の表示状態の説明図である。
【図8】図8は被検眼に対する測定ヘッドのアライメント完了前の被検眼像の表示状態の説明図である。
【図9】図9は測定ヘッドの移動量の説明図であり、(a)は被検者の右眼に対向する位置に測定ヘッドが移動した状態を示す説明図であり、(b)は被検者の左眼に対向する位置に測定ヘッドが移動した状態を示す説明図である。
【図10】図10は測定ヘッドを一方の被検眼である右眼に向けて測定ヘッドを所定移動量移動させた際の表示画面上の瞳孔中心位置と表示画面上の基準位置とのずれ量を模式的に示す説明図である。
【図11】図11は図10に示す位置関係に一方の被検眼と測定ヘッドとがあるときの表示画面上に映っている被検眼像に基づき、瞳孔中心位置の検出の一例を示す模式図である。
【図12】図12は検眼動作手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0015】
図1ないし図5において、1は検眼装置である。この検眼装置1は、ベース部2と測定ヘッド3と、顎受け部4とから概略構成されている。その顎受け部4にはこれと一体に額当て5が設けられている。
被検者は、顎受け部4に顎を置き、額当て5に額を当てた状態で検査を受ける。
【0016】
測定ヘッド3の内部には、図1(a)、図2(a)等に破線で示すようにCCD等の撮像素子を有する公知の観察・撮影用の光学系6が設けられている。この光学系6により、被検者の前眼部、被検眼の角膜、眼底等が観察・撮影可能である。例えば、この光学系6には、特開2010−131286号公報に開示のものを用いることができる。
【0017】
測定ヘッド3の被検者に対面する側には、図2(b)等に示すように、前眼部照明用の光源7が輪環状に配置されている。この光源7は、角膜形状を測定する測定光源としても用いられる。
【0018】
ベース部2には、図1(a)、図2(a)等に破線で示すように測定ヘッド3を駆動する駆動制御回路部8が設けられている。
駆動制御回路部8の駆動機構には、例えば、特開2010−131286号公報に開示の技術を用いて製作でき、駆動モータには例えば、公知のステッピングモータが用いられる。
測定ヘッド3は、被検眼に対して上下左右前後方向に駆動される。その測定ヘッド3の頂部9には、図1ないし図5に示すように、モニタ部10が設けられる。
【0019】
その測定ヘッド3の頂部9には、図6に拡大して示すように、取付部11が設けられている。
この取付部11は、板金製の垂直軸受け部材12と板金製の水平軸受け部材13とから大略構成されている。垂直軸受け部材12は台座部12aと固定板部12b、12bとから概略構成されている。
【0020】
固定板部12b、12bはネジ等の固定部材により測定ヘッド3の頂部9に固定される。その台座部12aには垂直筒部14が形成されている。水平軸受け部材13は、図6に示すように、水平板部13aと一対の支承板部13b、13bとから構成されている。
【0021】
一対の支承板部13b、13bは、水平板部13aから起立されている。その水平板部13aには、その中央に円形開口(図示を略す)が形成されている。垂直筒部14はこの円形開口に挿通される。
【0022】
水平板部13aは垂直筒部14に支承され、抜け止めリング部材15’と摩擦リング板(図示を略す)により垂直軸方向に適宜の圧力を受けつつ垂直筒部14の軸回り方向に適宜の力を受けて回動可能とされ、その垂直軸回り方向適宜の位置で停止状態を維持可能とされている。
【0023】
その支承板部13b、13bには、図6に示すように、支持アーム部材13dが回動可能に支承される。支持アーム部材13dは一対のアーム板部13e、13fと取付けブラケット板部13gとから大略構成されている。
【0024】
アーム板部13eには水平軸部13hが設けられている。アーム板部13fには円形開口13jが形成されている。
水平軸部13hは支承板部13bの一方に水平軸回り方向に回動可能に支承されている。その水平軸部13hには公知のトルクヒンジ部材が用いられる。
【0025】
支承板部13bの他方には、円形開口13jに対向する円形開口13kが形成されている。その円形開口13j、13kには、図6に示すように中空筒部19が挿通される。
この中空筒部19は支承板部13bの他方に固定され、支持アーム部材13dはこの中空筒部19と水平軸部13hとにより水平軸回りに回動可能とされている。
【0026】
その中空筒部19には、例えば、軸方向に間隔を開けて環状溝20が形成されている。この環状溝20には軸方向の抜け止めリング部材としてのC形止め輪21が装着される。これにより、中空筒部19は支承板部13bに対する軸方向の抜け止めが図られている。
【0027】
その中空筒部19の貫通穴19a、垂直筒部14の貫通穴14aを通じて、モニタ部10と測定ヘッド3とを電気的に接続するリード線16bが引き出される。これにより、モニタ部10の回動操作に伴うリード線16bのねじれが防止される。
【0028】
取付けブラケット板部13gは、図6に示すように、一対のアーム板部13e、13fに跨って配置されている。その取付けブラケット板部13gには、回路基板23が配設されている。この回路基板23はその裏側が制御回路ユニット24の配設部とされ、その表側が図1(b)、図2(b)、図3(a)、図4(a)、図5(a)に示す表示画面25とされている。
【0029】
アーム板部13eと支承板部13bとには、モニタ部10の水平軸回りの回動を検出する検出センサー25a、25bが設けられている。
この検出センサ−25a、25bは、例えば、モニタ部10が水平状態のときにオンし、水平状態から所定角度を超えたときに、オフする構成とされている。
なお、取付部11は、図1ないし図5に示すカバー部材28aによって被覆される。
【0030】
制御回路ユニット24は、その検出センサー25a、25bと協働してモニタ部10が水平軸回りに回動されて、その表示画面25が逆さまになる前と逆さまになったときとで、被検眼像と操作ボタンとの見た目上の位置が同じ位置となるようにかつ表示画面25に表示される画像情報が上下左右反転するように制御する。
【0031】
制御回路ユニット24は、例えば、その検出センサー25a、25bによる出力信号の立ち上がりと立ち下がりを検出すると、その表示画面25による画像情報が上下左右反転するように制御する。
その表示画面25に表示される操作ボタンの詳細については、説明を省略する。
【0032】
被検眼像等表示領域には、観察中の前眼部像の他、測定結果やその他検査に関連する文字、記号、符号等の他、図形等の画像が適宜表示される。
その図7には、ここでは、被検者の前眼部像(被検眼像)Gfと測定結果S,C、Aが表示され、その図7において、Gf’は虹彩像、Gf”は瞳孔像である。また、P1は角膜輝点像、P2はアライメント指標像である。
【0033】
制御回路ユニット24は、例えば、タッチパネルによる操作モードで、かつ、前眼部像Gfの観察モードのときに、検者が指等でその被検眼像等表示領域25cをタッチすると、タッチ箇所tpに対応する画像部位が画面中央に位置するように、測定ヘッド3を上下左右に駆動し、これにより、被検眼像の瞳孔像Gf”が画面中央に位置するように制御される。
【0034】
すなわち、制御回路ユニット24は、例えば、図8に示すように、表示画面上の基準位置G0としての画面中心からタッチ箇所tpまでの表示画面上での距離Lを演算し、この距離Lに基づいて左右方向ステッピングモータと上下方向ステッピングモータとを駆動制御することにより、被検眼に対して測定ヘッド3を左右上下に移動させる。
【0035】
制御回路ユニット24は、目標エリアマーク25gの近傍かつその外側に瞳孔中心位置PDOが位置して、角膜輝点像P1が検出されると、図7に示すように、角膜輝点像P1の検出位置と画面中心との距離に基づいて自動的に測定ヘッド3が上下左右方向に駆動されると共に、角膜輝点像P1のピントが合焦するように、測定ヘッド3が前後方向に駆動され、角膜輝点像P1が目標エリアマーク25g内に入りかつ輝点像P1の出力値が所定値を超えると測定が自動的に実行される。
なお、光てこ方式の場合には、光軸方向の角膜輝点像P1の出力値の変化を検出するZセンサ(図示を略す)を用いて角膜輝点像P1の出力値の変化を検出し、制御回路ユニット24により、Zセンサ(図示を略す)の出力範囲内にあるときに測定を実行する構成としても良い。
【0036】
モニタ部10の姿勢が図1に示す姿勢の状態から図2に示す姿勢になるようにモニタ部10を回動させると、又は、モニタ部10の姿勢が図3、図4に示す姿勢の状態から図5に示す姿勢の状態になるようにモニタ部10を回動させると、モニタ部10が水平軸回りに回動されて表示画面25が逆さまになる前と逆さまになったときとで被検眼像と操作ボタンとの見た目上の位置が同じ位置となるようにかつ表示画面25に表示される画像情報が上下左右反転するように制御され、結果として、図1、図3、図4に示すモニタ部10の姿勢のときの表示画面25と図2、図5に示す姿勢のときの表示画面25とは、図7、図8に示すように見た目上同じとなる。
【0037】
この検眼装置1は、両眼測定モードで駆動させることもでき、この場合には、制御回路ユニット24は瞳孔中心検出回路部としても機能し、測定ヘッド3は、この制御回路ユニットと駆動制御回路部8との協働により所定の動作手順に従って図9(a)、(b)に示すように一方の被検眼から他方の被検眼に向かって自動的に駆動される。その動作手順の詳細については、後述することとし、次に、動作の概略と瞳孔中心検出の一例とを図10、図11を参照しつつ説明する。
【0038】
図10、図11は表示画面上での瞳孔中心検出の一例を示す説明図である。
測定ヘッド3は、図10に示すように、機械中心位置MOから一方の被検眼位置(右眼Erの位置)に向かって所定移動量Xだけ移動されて一旦停止されているものとする。
なお、駆動制御回路部8は測定ヘッド3の左右方向の機械中心位置MOを記憶する記憶部を有し、機械中心位置MOの検出には特開2010−131286号公報に開示の技術を用いることができる。
【0039】
その図10、図11において、Δは表示画面上での基準位置G0から表示画面上での瞳孔中心位置PDOまでのずれ量であり、その図10において、Δ’はずれ量Δを測定ヘッド3の移動量に換算した換算ずれ量であり、図10にはずれ量Δと換算ずれ量Δ’とが等しいものとして示されている。
【0040】
測定ヘッド3が図10に示すように実線で示す位置にあるときには図11に模式的に示すように表示画面25には、右眼Erの被検眼像Gfが映し出されている。
制御回路ユニット24は、測定ヘッド3の機械中心位置MOから所定移動量Xの移動後、瞳孔中心検出処理を実行する。
【0041】
制御回路ユニット24は、例えば、図11に模式的に示すように、撮像素子の各画素を走査線S1…Sn毎に走査して輝度信号の変化を検出する。
瞳孔像Gf”は虹彩像Gf’よりも暗いので、撮像素子の走査により、明暗変化を有する輝度信号SPが得られる。
【0042】
例えば、この輝度信号SPの立ち上がり箇所SP1と立ち下がり箇所SP2との画素番号と画素のサイズとにより、瞳孔像の存在箇所が検出され、かつ、立ち上がり箇所SP1と立ち下がり箇所SP2とにより表示画面上での瞳孔中心位置PDOが求められる。
【0043】
制御回路ユニット24は、表示画面上での瞳孔中心位置PDOと表示画面上での基準位置G0とに基づいて、表示画面上での基準位置G0から表示画面上での瞳孔中心位置PDOまでのずれ量Δを演算し、このずれ量Δから換算ずれ量Δ’が求められ、これを位置情報として機械中心位置MOの情報を記憶している記憶部に例えば記憶させる。
【0044】
駆動制御回路部8は、その後、一方の被検眼Erに対するアライメントを実行する。これにより、測定ヘッド3が図10に破線で示す位置に駆動され、アライメント完了後、一方の被検眼Erに対する測定を実行する。
【0045】
すると、駆動制御回路部8は記憶部から所定移動量Xの情報と換算ずれ量Δ’の情報とを読み出し、所定移動量Xと換算ずれ量Δ’との和の2倍の距離だけ、測定ヘッド3を一方の被検眼Erから他方の被検眼Elに向けて駆動する。
【0046】
以下に、一方の被検眼Erの検眼測定から他方の被検眼Elの検眼測定に至るまでの一連の動作手順の詳細を図12に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
ここでは、両眼測定モードが設定されているものとして説明する。
【0047】
検眼装置1の電源をオンすると(S.1)、測定ヘッド3が図10に示すように機械中心位置MOから、一方の被検眼Erに向かって予め定められた所定移動量Xだけ移動される(S.2)。所定移動量Xは図示を略す設定スイッチにより、26mm、32mm、38mm等の所定移動量Xの中から適宜選択することもできる。
駆動制御回路部8は、ここでは、設定変更を行うか否かを判断する判断ステップ(S.3)を有するが、この判断ステップS.3はなくとも良い。
【0048】
ついで、被検者は顎受け4に顎を載せ、額当て5に額を当てて顔を固定する(S.4)。検者は顎受けの高さを操作ボタンB3を操作して適宜調整し、被検者に固視標を固視させる(S.5)。
【0049】
これにより、被検者の一方の被検眼Er(右眼)が表示画面25に映し出される(S.6)。ここでは、表示画面25に被検眼が映し出されると同時に瞳孔中心位置PDOの検出処理が開始されるが(S.7)、検者が指で表示画面25の瞳孔近傍が表示されている箇所にタッチすると、制御回路ユニット24が瞳孔中心位置PDOを検出する検出処理を開始する構成としても良い。
【0050】
制御回路ユニット24は表示画面25の基準位置G0から瞳孔中心位置PDOまでのずれ量Δを演算し、このずれ量を測定ヘッド3の換算ずれ量Δ’に換算する(S.9)。
ついで、制御回路ユニット24は機械中心位置MOからの所定移動量Xと換算ずれ量Δ’との和(X+Δ’)を求め、これを表示画面25に表示した後、この和が20mm以上かつ40mm以内であるか否かを判断する(S.10)。
なお、和(X+Δ’)は表示画面25に表示してもしなくても良い。
【0051】
和が20mm以下又は40mm以上のときには、機械中心位置MOに対して瞳孔間距離PDL(図10参照)の中心PDLOが大きくずれているとして、一方の被検眼Erの測定を中断する(S.11)。
この和(X+Δ’)が20mm以下のときには、検者から見て被検者の顔が機械中心位置MOに対して右に偏り過ぎており、逆に、40mm以上のときには、検者から見て被検者の顔が機械中心位置MOに対して左に偏り過ぎていると判断されるからである。
従って、検者は顔が顎受け4に正しく載るように被検者を指導できる。この場合、S.1又はS.3又はS.4のステップから再度実行しても良い。なお、図10には、瞳孔間距離PDLの中心PDLOと機械中心位置MOとが一致している状態が示されている。
【0052】
和(X+Δ’)が20mm以上かつ40mm以内の場合には、この和(X+Δ’)を駆動制御回路部8の記憶部に記憶するか、換算ずれ量Δ’を記憶部に記憶させる(S.12)。
ついで、駆動制御回路部8は、測定ヘッド3をアライメント駆動し(S.13)、これにより、測定ヘッド3は瞳孔中心位置PDOと基準位置G0が一致するように移動され、被検眼に対する測定ヘッド3のアライメントが実行される(S.14)。
【0053】
ついで、瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在するか否かが判断される。この瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在するか否かは、角膜輝点像P1により判断しても良いし、アライメント指標像P2により判断しても良いし、表示画面上の瞳孔中心位置PDOを演算により検出して求めても良い。
【0054】
駆動制御回路部8は、瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在しかつ角膜輝点像P1の出力値が所定の閾値以上のときに、被検眼に対する上下左右前後方向のアライメントが完了したとして(S.14)、一方の被検眼Erに対する測定を実行する(S.15)。アライメントが完了していない場合には、S.13、S.14の処理を繰り返す。 なお、光てこ方式の場合には、Zセンサ(図示を略す)の出力範囲内にあるときに測定を実行する。
【0055】
駆動制御回路部8は、一方の被検眼Erの測定実行後、一方の被検眼Erの測定が終了したか否かを判断する(S.16)。ここでは、検眼装置1は複数回の測定を行うことができるようにされており、測定回数は適宜の手段により設定可能である。なお、この判断ステップ(S.16)は、1回のみの測定の場合には、なくとも良い。
【0056】
繰り返し測定を行う場合には、S.13ないしS.16の処理を繰り返す。
駆動制御回路部8は、一方の被検眼Erの測定が終了すると、和(X+Δ’)又は換算ずれ量Δ’を読み出し(S.17)、測定ヘッド3を一方の被検眼Erに対向する位置から他方の被検眼Elに対向する位置に向かって駆動する(S.18)。
【0057】
これにより、他方の被検眼Elの瞳孔中心位置PDOが表示画面上の基準位置G0の近傍に位置される。
ついで、駆動制御回路部8は瞳孔中心位置PDOの検出処理を実行し、瞳孔中心位置PDOが基準位置G0に一致するように測定ヘッド3がアライメント駆動され、他方の被検眼Elに対する測定ヘッド3のアライメントが実行される(S.19)。
【0058】
駆動制御回路部8は、瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在しかつ角膜輝点像P1の出力値が所定の閾値以上のときに、被検眼Elに対する上下左右前後方向のアライメントが完了したとして(S.20)、他方の被検眼Elに対する測定を実行する(S.21)。アライメントが完了していない場合には、S.19、S.20の処理を繰り返す。
他方の被検眼Elについて複数回の測定を行う場合には、一方の被検眼Erの測定と同様の処理が実行される。
【0059】
他方の被検眼Elの全ての測定が終了すると、全測定結果が表示画面25に表示される(S.22)。ついで、全測定結果がプリントアウトされ(S.23)、測定が終了する(S.24)。
【0060】
以上実施例においては、表示画面25にタッチパネル式のものを用いて説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、本願発明は、ジョイスティック、コントロールレバー等を用いて測定ヘッド3を可動させる構成の検眼装置1にも適用でき、例えば、ジョイスティックを用いて測定ヘッド3を可動させる構成の検眼装置の場合には、ジョイスティックの頂部に設けられた操作ボタンを用いて、一方の被検眼Erから他方の被検眼Elに向けて測定ヘッド3の可動を開始させる構成としても良い。
【0061】
また、この実施例では、制御回路ユニット24により自動的に表示画面上での瞳孔中心位置PDOを検出する構成として説明したが、表示画面上の被検眼像の瞳孔像Gf”がタッチされたときに、タッチ箇所tpを表示画面上での瞳孔中心とみなして被検眼の表示画面上での瞳孔中心位置PDOを検出する構成としても良い。
【0062】
また、駆動制御回路部8は、一方の被検眼Erの測定終了後、自動的に一方の被検眼Erに対向する位置から他方の被検眼Elに対向する位置に向かって測定ヘッド3を移動させる構成として説明したが、表示画面25にタッチすると、一方の被検眼Erから他方の被検眼Elに向けて自動的に測定ヘッド3の可動を開始させる構成としても良い。
【0063】
また、この実施例では、説明の便宜上、駆動制御回路部8と制御回路ユニット24とを別々の構成として分けて説明したが、駆動制御回路部8と制御回路ユニット24の回路部はCPU等により一体構成とすることができる。
【符号の説明】
【0064】
3…測定ヘッド
6…光学系
8…駆動制御回路部
10…モニタ部
24…制御回路ユニット(瞳孔中心検出回路部)
25…表示画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の両眼検査の効率化を図ることのできる検眼装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検者の一方の被検眼の検査(例えば、右眼の検査)を行った後、他方の被検眼の検査(例えば、左眼の検査)を行うために、光学系を内蔵する測定ヘッドを左右方向に自動的に移動させることが可能な検眼装置が知られている。
【0003】
この種の検眼装置では、例えば、右眼の検査が終了すると、検眼終了直後の右眼位置情報に対応する測定ヘッドの位置情報を記憶し、予め記憶されている左右方向機械中心位置情報と右眼の検眼終了直後の測定ヘッドの位置情報とから左右方向機械中心位置から右眼に対応する測定ヘッドの位置までの距離を演算する。
【0004】
ついで、左眼を検眼するために、他眼の操作スイッチを操作すると、その右眼に対応する測定ヘッドの位置から機械中心までの距離に基づいて、演算部により測定ヘッドを右眼に対応する位置から他眼に対応する位置までに移動させるのに要する距離、いわゆる瞳孔間距離に相当する距離が演算される。ついで、駆動部により測定ヘッドが右眼に対向する位置から左眼に対向する位置に自動的に移動される。
【0005】
その後、左眼に対する測定ヘッドのアライメントが実行され、この左眼に対する測定ヘッドのアライメント完了後に左眼の検査が自動的に実行される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このものによれば、一方の被検眼の検査終了後に他方の被検眼の位置の近くに自動的に測定ヘッドを移動させることができるので、他方の被検眼に対するアライメントを短時間で行うことができ、ひいては、両眼の検査効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3610133号の段落番号「0025」、「0026」、図2参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、被検眼に対するアライメントの許容範囲が広い検眼装置では、表示画面上の瞳孔中心位置と表示画面上の基準位置とがずれた状態で、被検眼の測定が実行されることがあり得るので、アライメント完了後の一方の被検眼に対応する測定ヘッドの位置と測定ヘッドの機械中心位置との間の距離を用いて、測定ヘッドを一方の被検眼から他方の被検眼に向かって移動させることにすると、他方の被検眼の表示画面上の瞳孔中心が表示画面上の基準位置から大きくずれる場合があり、アライメント作業にかえって時間がかかるという不都合がある。
【0009】
本発明の目的は、上記の事情に鑑みて為されたもので、測定ヘッドを一方の被検眼から他方の被検眼に向かって移動させて、他方の被検眼のアライメント作業の迅速化をより一層早く図ることのできる検眼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の検眼装置は、被検者に対面して上下左右前後方向に可動されかつ被検眼像を光学系を介して観察しつつ検査を行う測定ヘッドと、前記被検眼像を少なくとも提示可能な表示画面を有するモニタ部と、前記測定ヘッドを前記上下左右前後方向に駆動する駆動制御回路部と、前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出する瞳孔中心検出回路部とを備え、
前記駆動制御回路部は、前記測定ヘッドの左右方向の機械中心位置から前記測定ヘッドを一方の被検眼に向けて移動させるべき所定移動量と前記測定ヘッドを前記所定移動量だけ移動させたときの表示画面上の基準位置から前記表示画面上における瞳孔中心までのずれ量を前記測定ヘッドのずれ量に換算したときの換算ずれ量として記憶する記憶部を有し、
前記駆動制御回路部は、一方の被検眼の測定後、該一方の被検眼に対向する位置から他方の被検眼に対向する位置に向けて前記測定ヘッドを、前記記憶部に記憶された換算ずれ量と前記所定移動量との和の2倍の移動量分だけ駆動することを特徴とする。
【0011】
表示画面がタッチパネル式であり、前記瞳孔中心検出回路部は前記表示画面上の被検眼像の瞳孔像に対応する箇所がタッチされたときに、タッチ箇所を前記表示画面上での瞳孔中心とみなして前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出する構成としても良い。
駆動制御回路部は、一方の被検眼の測定後、自動的に他方の被検眼に向けて前記測定ヘッドを移動させる構成としても良い。
【0012】
表示画面にタッチすると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始される構成としても良い。
測定開始ボタンを操作すると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始される構成としても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一方の被検眼の測定完了前に、表示画面上の基準位置から表示画面上の瞳孔中心までのずれ量に基づいて、他方の被検眼に向けての測定ヘッドの移動量を求めることにしたので、被検眼に対するアライメントの許容範囲が広い検眼装置でも、一方の被検眼の測定完了から他方の被検眼の測定に移行する際に、一方の被検眼に臨む位置から他方の被検眼に臨む位置に測定ヘッドを迅速に移動させることができる。
特に、一方の被検眼の測定実行前に、被検眼の瞳孔間距離の中心位置と測定ヘッドの機械中心位置とが大幅にずれているかいないかを事前に検出できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は検者が検眼装置を介して被検者に向かい合って検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための検眼装置の外観図であり、(a)はモニタ部の表示画面が検者の側に向けられている状態を示す側面図であり、(b)は(a)に示す矢印A方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す説明図である。
【図2】図2は被験者の側に検者が立って検査を行う場合のモニタ部の姿勢を説明するための検眼装置の外観図であり、(a)はモニタ部の表示画面が被検者の側に向けられている状態を示す側面図であり、(b)は(a)に示す矢印B方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す説明図である。
【図3】図3は検眼装置の側面側に検者が立った状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を示す外観図であり、(a)は(b)に示す矢印C方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す検眼装置の側面図であり、(b)は被験者側から見てモニタ部の表示画面が右側に向けられている状態を示す説明図である。
【図4】図4は検眼装置の側面側に検者が座った状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を示す外観図であり、(a)は(b)に示す矢印D方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す検眼装置の側面図であり、(b)は被験者側から見てモニタ部の表示画面が右側に向けられている状態を示す説明図である。
【図5】図5は検眼装置の側面側に検者が座った状態で検査を行う場合のモニタ部の姿勢を示す外観図であり、(a)は(b)に示す矢印E方向からモニタ部の表示画面を見た状態を示す検眼装置の側面図であり、(b)は被験者側から見てモニタ部の表示画面が左側に向けられている状態を示す説明図である。
【図6】図6は図1ないし図5に示す取付部の内部の概略構造を示す斜視図である。
【図7】図7は被検眼に対する測定ヘッドのアライメント完了時の被検眼像の表示状態の説明図である。
【図8】図8は被検眼に対する測定ヘッドのアライメント完了前の被検眼像の表示状態の説明図である。
【図9】図9は測定ヘッドの移動量の説明図であり、(a)は被検者の右眼に対向する位置に測定ヘッドが移動した状態を示す説明図であり、(b)は被検者の左眼に対向する位置に測定ヘッドが移動した状態を示す説明図である。
【図10】図10は測定ヘッドを一方の被検眼である右眼に向けて測定ヘッドを所定移動量移動させた際の表示画面上の瞳孔中心位置と表示画面上の基準位置とのずれ量を模式的に示す説明図である。
【図11】図11は図10に示す位置関係に一方の被検眼と測定ヘッドとがあるときの表示画面上に映っている被検眼像に基づき、瞳孔中心位置の検出の一例を示す模式図である。
【図12】図12は検眼動作手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0015】
図1ないし図5において、1は検眼装置である。この検眼装置1は、ベース部2と測定ヘッド3と、顎受け部4とから概略構成されている。その顎受け部4にはこれと一体に額当て5が設けられている。
被検者は、顎受け部4に顎を置き、額当て5に額を当てた状態で検査を受ける。
【0016】
測定ヘッド3の内部には、図1(a)、図2(a)等に破線で示すようにCCD等の撮像素子を有する公知の観察・撮影用の光学系6が設けられている。この光学系6により、被検者の前眼部、被検眼の角膜、眼底等が観察・撮影可能である。例えば、この光学系6には、特開2010−131286号公報に開示のものを用いることができる。
【0017】
測定ヘッド3の被検者に対面する側には、図2(b)等に示すように、前眼部照明用の光源7が輪環状に配置されている。この光源7は、角膜形状を測定する測定光源としても用いられる。
【0018】
ベース部2には、図1(a)、図2(a)等に破線で示すように測定ヘッド3を駆動する駆動制御回路部8が設けられている。
駆動制御回路部8の駆動機構には、例えば、特開2010−131286号公報に開示の技術を用いて製作でき、駆動モータには例えば、公知のステッピングモータが用いられる。
測定ヘッド3は、被検眼に対して上下左右前後方向に駆動される。その測定ヘッド3の頂部9には、図1ないし図5に示すように、モニタ部10が設けられる。
【0019】
その測定ヘッド3の頂部9には、図6に拡大して示すように、取付部11が設けられている。
この取付部11は、板金製の垂直軸受け部材12と板金製の水平軸受け部材13とから大略構成されている。垂直軸受け部材12は台座部12aと固定板部12b、12bとから概略構成されている。
【0020】
固定板部12b、12bはネジ等の固定部材により測定ヘッド3の頂部9に固定される。その台座部12aには垂直筒部14が形成されている。水平軸受け部材13は、図6に示すように、水平板部13aと一対の支承板部13b、13bとから構成されている。
【0021】
一対の支承板部13b、13bは、水平板部13aから起立されている。その水平板部13aには、その中央に円形開口(図示を略す)が形成されている。垂直筒部14はこの円形開口に挿通される。
【0022】
水平板部13aは垂直筒部14に支承され、抜け止めリング部材15’と摩擦リング板(図示を略す)により垂直軸方向に適宜の圧力を受けつつ垂直筒部14の軸回り方向に適宜の力を受けて回動可能とされ、その垂直軸回り方向適宜の位置で停止状態を維持可能とされている。
【0023】
その支承板部13b、13bには、図6に示すように、支持アーム部材13dが回動可能に支承される。支持アーム部材13dは一対のアーム板部13e、13fと取付けブラケット板部13gとから大略構成されている。
【0024】
アーム板部13eには水平軸部13hが設けられている。アーム板部13fには円形開口13jが形成されている。
水平軸部13hは支承板部13bの一方に水平軸回り方向に回動可能に支承されている。その水平軸部13hには公知のトルクヒンジ部材が用いられる。
【0025】
支承板部13bの他方には、円形開口13jに対向する円形開口13kが形成されている。その円形開口13j、13kには、図6に示すように中空筒部19が挿通される。
この中空筒部19は支承板部13bの他方に固定され、支持アーム部材13dはこの中空筒部19と水平軸部13hとにより水平軸回りに回動可能とされている。
【0026】
その中空筒部19には、例えば、軸方向に間隔を開けて環状溝20が形成されている。この環状溝20には軸方向の抜け止めリング部材としてのC形止め輪21が装着される。これにより、中空筒部19は支承板部13bに対する軸方向の抜け止めが図られている。
【0027】
その中空筒部19の貫通穴19a、垂直筒部14の貫通穴14aを通じて、モニタ部10と測定ヘッド3とを電気的に接続するリード線16bが引き出される。これにより、モニタ部10の回動操作に伴うリード線16bのねじれが防止される。
【0028】
取付けブラケット板部13gは、図6に示すように、一対のアーム板部13e、13fに跨って配置されている。その取付けブラケット板部13gには、回路基板23が配設されている。この回路基板23はその裏側が制御回路ユニット24の配設部とされ、その表側が図1(b)、図2(b)、図3(a)、図4(a)、図5(a)に示す表示画面25とされている。
【0029】
アーム板部13eと支承板部13bとには、モニタ部10の水平軸回りの回動を検出する検出センサー25a、25bが設けられている。
この検出センサ−25a、25bは、例えば、モニタ部10が水平状態のときにオンし、水平状態から所定角度を超えたときに、オフする構成とされている。
なお、取付部11は、図1ないし図5に示すカバー部材28aによって被覆される。
【0030】
制御回路ユニット24は、その検出センサー25a、25bと協働してモニタ部10が水平軸回りに回動されて、その表示画面25が逆さまになる前と逆さまになったときとで、被検眼像と操作ボタンとの見た目上の位置が同じ位置となるようにかつ表示画面25に表示される画像情報が上下左右反転するように制御する。
【0031】
制御回路ユニット24は、例えば、その検出センサー25a、25bによる出力信号の立ち上がりと立ち下がりを検出すると、その表示画面25による画像情報が上下左右反転するように制御する。
その表示画面25に表示される操作ボタンの詳細については、説明を省略する。
【0032】
被検眼像等表示領域には、観察中の前眼部像の他、測定結果やその他検査に関連する文字、記号、符号等の他、図形等の画像が適宜表示される。
その図7には、ここでは、被検者の前眼部像(被検眼像)Gfと測定結果S,C、Aが表示され、その図7において、Gf’は虹彩像、Gf”は瞳孔像である。また、P1は角膜輝点像、P2はアライメント指標像である。
【0033】
制御回路ユニット24は、例えば、タッチパネルによる操作モードで、かつ、前眼部像Gfの観察モードのときに、検者が指等でその被検眼像等表示領域25cをタッチすると、タッチ箇所tpに対応する画像部位が画面中央に位置するように、測定ヘッド3を上下左右に駆動し、これにより、被検眼像の瞳孔像Gf”が画面中央に位置するように制御される。
【0034】
すなわち、制御回路ユニット24は、例えば、図8に示すように、表示画面上の基準位置G0としての画面中心からタッチ箇所tpまでの表示画面上での距離Lを演算し、この距離Lに基づいて左右方向ステッピングモータと上下方向ステッピングモータとを駆動制御することにより、被検眼に対して測定ヘッド3を左右上下に移動させる。
【0035】
制御回路ユニット24は、目標エリアマーク25gの近傍かつその外側に瞳孔中心位置PDOが位置して、角膜輝点像P1が検出されると、図7に示すように、角膜輝点像P1の検出位置と画面中心との距離に基づいて自動的に測定ヘッド3が上下左右方向に駆動されると共に、角膜輝点像P1のピントが合焦するように、測定ヘッド3が前後方向に駆動され、角膜輝点像P1が目標エリアマーク25g内に入りかつ輝点像P1の出力値が所定値を超えると測定が自動的に実行される。
なお、光てこ方式の場合には、光軸方向の角膜輝点像P1の出力値の変化を検出するZセンサ(図示を略す)を用いて角膜輝点像P1の出力値の変化を検出し、制御回路ユニット24により、Zセンサ(図示を略す)の出力範囲内にあるときに測定を実行する構成としても良い。
【0036】
モニタ部10の姿勢が図1に示す姿勢の状態から図2に示す姿勢になるようにモニタ部10を回動させると、又は、モニタ部10の姿勢が図3、図4に示す姿勢の状態から図5に示す姿勢の状態になるようにモニタ部10を回動させると、モニタ部10が水平軸回りに回動されて表示画面25が逆さまになる前と逆さまになったときとで被検眼像と操作ボタンとの見た目上の位置が同じ位置となるようにかつ表示画面25に表示される画像情報が上下左右反転するように制御され、結果として、図1、図3、図4に示すモニタ部10の姿勢のときの表示画面25と図2、図5に示す姿勢のときの表示画面25とは、図7、図8に示すように見た目上同じとなる。
【0037】
この検眼装置1は、両眼測定モードで駆動させることもでき、この場合には、制御回路ユニット24は瞳孔中心検出回路部としても機能し、測定ヘッド3は、この制御回路ユニットと駆動制御回路部8との協働により所定の動作手順に従って図9(a)、(b)に示すように一方の被検眼から他方の被検眼に向かって自動的に駆動される。その動作手順の詳細については、後述することとし、次に、動作の概略と瞳孔中心検出の一例とを図10、図11を参照しつつ説明する。
【0038】
図10、図11は表示画面上での瞳孔中心検出の一例を示す説明図である。
測定ヘッド3は、図10に示すように、機械中心位置MOから一方の被検眼位置(右眼Erの位置)に向かって所定移動量Xだけ移動されて一旦停止されているものとする。
なお、駆動制御回路部8は測定ヘッド3の左右方向の機械中心位置MOを記憶する記憶部を有し、機械中心位置MOの検出には特開2010−131286号公報に開示の技術を用いることができる。
【0039】
その図10、図11において、Δは表示画面上での基準位置G0から表示画面上での瞳孔中心位置PDOまでのずれ量であり、その図10において、Δ’はずれ量Δを測定ヘッド3の移動量に換算した換算ずれ量であり、図10にはずれ量Δと換算ずれ量Δ’とが等しいものとして示されている。
【0040】
測定ヘッド3が図10に示すように実線で示す位置にあるときには図11に模式的に示すように表示画面25には、右眼Erの被検眼像Gfが映し出されている。
制御回路ユニット24は、測定ヘッド3の機械中心位置MOから所定移動量Xの移動後、瞳孔中心検出処理を実行する。
【0041】
制御回路ユニット24は、例えば、図11に模式的に示すように、撮像素子の各画素を走査線S1…Sn毎に走査して輝度信号の変化を検出する。
瞳孔像Gf”は虹彩像Gf’よりも暗いので、撮像素子の走査により、明暗変化を有する輝度信号SPが得られる。
【0042】
例えば、この輝度信号SPの立ち上がり箇所SP1と立ち下がり箇所SP2との画素番号と画素のサイズとにより、瞳孔像の存在箇所が検出され、かつ、立ち上がり箇所SP1と立ち下がり箇所SP2とにより表示画面上での瞳孔中心位置PDOが求められる。
【0043】
制御回路ユニット24は、表示画面上での瞳孔中心位置PDOと表示画面上での基準位置G0とに基づいて、表示画面上での基準位置G0から表示画面上での瞳孔中心位置PDOまでのずれ量Δを演算し、このずれ量Δから換算ずれ量Δ’が求められ、これを位置情報として機械中心位置MOの情報を記憶している記憶部に例えば記憶させる。
【0044】
駆動制御回路部8は、その後、一方の被検眼Erに対するアライメントを実行する。これにより、測定ヘッド3が図10に破線で示す位置に駆動され、アライメント完了後、一方の被検眼Erに対する測定を実行する。
【0045】
すると、駆動制御回路部8は記憶部から所定移動量Xの情報と換算ずれ量Δ’の情報とを読み出し、所定移動量Xと換算ずれ量Δ’との和の2倍の距離だけ、測定ヘッド3を一方の被検眼Erから他方の被検眼Elに向けて駆動する。
【0046】
以下に、一方の被検眼Erの検眼測定から他方の被検眼Elの検眼測定に至るまでの一連の動作手順の詳細を図12に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
ここでは、両眼測定モードが設定されているものとして説明する。
【0047】
検眼装置1の電源をオンすると(S.1)、測定ヘッド3が図10に示すように機械中心位置MOから、一方の被検眼Erに向かって予め定められた所定移動量Xだけ移動される(S.2)。所定移動量Xは図示を略す設定スイッチにより、26mm、32mm、38mm等の所定移動量Xの中から適宜選択することもできる。
駆動制御回路部8は、ここでは、設定変更を行うか否かを判断する判断ステップ(S.3)を有するが、この判断ステップS.3はなくとも良い。
【0048】
ついで、被検者は顎受け4に顎を載せ、額当て5に額を当てて顔を固定する(S.4)。検者は顎受けの高さを操作ボタンB3を操作して適宜調整し、被検者に固視標を固視させる(S.5)。
【0049】
これにより、被検者の一方の被検眼Er(右眼)が表示画面25に映し出される(S.6)。ここでは、表示画面25に被検眼が映し出されると同時に瞳孔中心位置PDOの検出処理が開始されるが(S.7)、検者が指で表示画面25の瞳孔近傍が表示されている箇所にタッチすると、制御回路ユニット24が瞳孔中心位置PDOを検出する検出処理を開始する構成としても良い。
【0050】
制御回路ユニット24は表示画面25の基準位置G0から瞳孔中心位置PDOまでのずれ量Δを演算し、このずれ量を測定ヘッド3の換算ずれ量Δ’に換算する(S.9)。
ついで、制御回路ユニット24は機械中心位置MOからの所定移動量Xと換算ずれ量Δ’との和(X+Δ’)を求め、これを表示画面25に表示した後、この和が20mm以上かつ40mm以内であるか否かを判断する(S.10)。
なお、和(X+Δ’)は表示画面25に表示してもしなくても良い。
【0051】
和が20mm以下又は40mm以上のときには、機械中心位置MOに対して瞳孔間距離PDL(図10参照)の中心PDLOが大きくずれているとして、一方の被検眼Erの測定を中断する(S.11)。
この和(X+Δ’)が20mm以下のときには、検者から見て被検者の顔が機械中心位置MOに対して右に偏り過ぎており、逆に、40mm以上のときには、検者から見て被検者の顔が機械中心位置MOに対して左に偏り過ぎていると判断されるからである。
従って、検者は顔が顎受け4に正しく載るように被検者を指導できる。この場合、S.1又はS.3又はS.4のステップから再度実行しても良い。なお、図10には、瞳孔間距離PDLの中心PDLOと機械中心位置MOとが一致している状態が示されている。
【0052】
和(X+Δ’)が20mm以上かつ40mm以内の場合には、この和(X+Δ’)を駆動制御回路部8の記憶部に記憶するか、換算ずれ量Δ’を記憶部に記憶させる(S.12)。
ついで、駆動制御回路部8は、測定ヘッド3をアライメント駆動し(S.13)、これにより、測定ヘッド3は瞳孔中心位置PDOと基準位置G0が一致するように移動され、被検眼に対する測定ヘッド3のアライメントが実行される(S.14)。
【0053】
ついで、瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在するか否かが判断される。この瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在するか否かは、角膜輝点像P1により判断しても良いし、アライメント指標像P2により判断しても良いし、表示画面上の瞳孔中心位置PDOを演算により検出して求めても良い。
【0054】
駆動制御回路部8は、瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在しかつ角膜輝点像P1の出力値が所定の閾値以上のときに、被検眼に対する上下左右前後方向のアライメントが完了したとして(S.14)、一方の被検眼Erに対する測定を実行する(S.15)。アライメントが完了していない場合には、S.13、S.14の処理を繰り返す。 なお、光てこ方式の場合には、Zセンサ(図示を略す)の出力範囲内にあるときに測定を実行する。
【0055】
駆動制御回路部8は、一方の被検眼Erの測定実行後、一方の被検眼Erの測定が終了したか否かを判断する(S.16)。ここでは、検眼装置1は複数回の測定を行うことができるようにされており、測定回数は適宜の手段により設定可能である。なお、この判断ステップ(S.16)は、1回のみの測定の場合には、なくとも良い。
【0056】
繰り返し測定を行う場合には、S.13ないしS.16の処理を繰り返す。
駆動制御回路部8は、一方の被検眼Erの測定が終了すると、和(X+Δ’)又は換算ずれ量Δ’を読み出し(S.17)、測定ヘッド3を一方の被検眼Erに対向する位置から他方の被検眼Elに対向する位置に向かって駆動する(S.18)。
【0057】
これにより、他方の被検眼Elの瞳孔中心位置PDOが表示画面上の基準位置G0の近傍に位置される。
ついで、駆動制御回路部8は瞳孔中心位置PDOの検出処理を実行し、瞳孔中心位置PDOが基準位置G0に一致するように測定ヘッド3がアライメント駆動され、他方の被検眼Elに対する測定ヘッド3のアライメントが実行される(S.19)。
【0058】
駆動制御回路部8は、瞳孔中心位置PDOが目標エリアマーク25g内に存在しかつ角膜輝点像P1の出力値が所定の閾値以上のときに、被検眼Elに対する上下左右前後方向のアライメントが完了したとして(S.20)、他方の被検眼Elに対する測定を実行する(S.21)。アライメントが完了していない場合には、S.19、S.20の処理を繰り返す。
他方の被検眼Elについて複数回の測定を行う場合には、一方の被検眼Erの測定と同様の処理が実行される。
【0059】
他方の被検眼Elの全ての測定が終了すると、全測定結果が表示画面25に表示される(S.22)。ついで、全測定結果がプリントアウトされ(S.23)、測定が終了する(S.24)。
【0060】
以上実施例においては、表示画面25にタッチパネル式のものを用いて説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、本願発明は、ジョイスティック、コントロールレバー等を用いて測定ヘッド3を可動させる構成の検眼装置1にも適用でき、例えば、ジョイスティックを用いて測定ヘッド3を可動させる構成の検眼装置の場合には、ジョイスティックの頂部に設けられた操作ボタンを用いて、一方の被検眼Erから他方の被検眼Elに向けて測定ヘッド3の可動を開始させる構成としても良い。
【0061】
また、この実施例では、制御回路ユニット24により自動的に表示画面上での瞳孔中心位置PDOを検出する構成として説明したが、表示画面上の被検眼像の瞳孔像Gf”がタッチされたときに、タッチ箇所tpを表示画面上での瞳孔中心とみなして被検眼の表示画面上での瞳孔中心位置PDOを検出する構成としても良い。
【0062】
また、駆動制御回路部8は、一方の被検眼Erの測定終了後、自動的に一方の被検眼Erに対向する位置から他方の被検眼Elに対向する位置に向かって測定ヘッド3を移動させる構成として説明したが、表示画面25にタッチすると、一方の被検眼Erから他方の被検眼Elに向けて自動的に測定ヘッド3の可動を開始させる構成としても良い。
【0063】
また、この実施例では、説明の便宜上、駆動制御回路部8と制御回路ユニット24とを別々の構成として分けて説明したが、駆動制御回路部8と制御回路ユニット24の回路部はCPU等により一体構成とすることができる。
【符号の説明】
【0064】
3…測定ヘッド
6…光学系
8…駆動制御回路部
10…モニタ部
24…制御回路ユニット(瞳孔中心検出回路部)
25…表示画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に対面して上下左右前後方向に可動されかつ被検眼像を光学系を介して観察しつつ検査を行う測定ヘッドと、前記被検眼像を少なくとも提示可能な表示画面を有するモニタ部と、前記測定ヘッドを前記上下左右前後方向に駆動する駆動制御回路部と、前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出する瞳孔中心検出回路部とを備え、
前記駆動制御回路部は、前記測定ヘッドの左右方向の機械中心位置から前記測定ヘッドを一方の被検眼に向けて移動させるべき所定移動量と、前記測定ヘッドを前記所定移動量だけ移動させたときの表示画面上の基準位置から前記表示画面上における瞳孔中心までのずれ量を前記測定ヘッドのずれ量に換算したときの換算ずれ量として記憶する記憶部を有し、
前記駆動制御回路部は、一方の被検眼の測定後、該一方の被検眼に対向する位置から他方の被検眼に対向する位置に向けて前記測定ヘッドを、前記記憶部に記憶された換算ずれ量と前記所定移動量との和の2倍の移動量分だけ駆動することを特徴とする検眼装置。
【請求項2】
前記表示画面がタッチパネル式であり、前記瞳孔中心検出回路部は前記表示画面上の被検眼像の瞳孔像に対応する箇所がタッチされたときに、タッチ箇所を前記表示画面上での瞳孔中心とみなして前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出することを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
【請求項3】
前記駆動制御回路は、一方の被検眼の測定後、自動的に他方の被検眼に向けて前記測定ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検眼装置。
【請求項4】
前記表示画面にタッチすると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始されることを特徴とする請求項2に記載の検眼装置。
【請求項5】
測定開始ボタンを操作すると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始されることを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
【請求項1】
被検者に対面して上下左右前後方向に可動されかつ被検眼像を光学系を介して観察しつつ検査を行う測定ヘッドと、前記被検眼像を少なくとも提示可能な表示画面を有するモニタ部と、前記測定ヘッドを前記上下左右前後方向に駆動する駆動制御回路部と、前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出する瞳孔中心検出回路部とを備え、
前記駆動制御回路部は、前記測定ヘッドの左右方向の機械中心位置から前記測定ヘッドを一方の被検眼に向けて移動させるべき所定移動量と、前記測定ヘッドを前記所定移動量だけ移動させたときの表示画面上の基準位置から前記表示画面上における瞳孔中心までのずれ量を前記測定ヘッドのずれ量に換算したときの換算ずれ量として記憶する記憶部を有し、
前記駆動制御回路部は、一方の被検眼の測定後、該一方の被検眼に対向する位置から他方の被検眼に対向する位置に向けて前記測定ヘッドを、前記記憶部に記憶された換算ずれ量と前記所定移動量との和の2倍の移動量分だけ駆動することを特徴とする検眼装置。
【請求項2】
前記表示画面がタッチパネル式であり、前記瞳孔中心検出回路部は前記表示画面上の被検眼像の瞳孔像に対応する箇所がタッチされたときに、タッチ箇所を前記表示画面上での瞳孔中心とみなして前記被検眼の画面上における瞳孔中心を検出することを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
【請求項3】
前記駆動制御回路は、一方の被検眼の測定後、自動的に他方の被検眼に向けて前記測定ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検眼装置。
【請求項4】
前記表示画面にタッチすると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始されることを特徴とする請求項2に記載の検眼装置。
【請求項5】
測定開始ボタンを操作すると、一方の被検眼に対応する位置から他方の被検眼に対応する位置に向かって前記測定ヘッドが駆動開始されることを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−148032(P2012−148032A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10905(P2011−10905)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
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