説明

検索装置、および、検索プログラム

【課題】遺伝子の情報と表現型の情報とを関連付けて相互に検索することができる検索装置を提供する。
【解決手段】検索装置が、遺伝子データと遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて記憶されている遺伝子情報データベースと、表現型データと表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて記憶されている表現型データベースと、遺伝子実験プラットフォーム識別情報または表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が記憶されているプラットフォーム情報データベースと、プラットフォーム識別情報に基づいて、遺伝子データを遺伝子情報データベースから検索する、または、表現型データを表現型データベースから検索する検索部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子や表現型の情報を検索する検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝型と表現型との情報が関連付けているデータベースや、表現型とそれに関連する候補遺伝子情報とが関連付けられているデータベースなど、遺伝子に関するデータベースが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−192194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のデータベースは、遺伝子の情報と表現型の情報とが独立したデータベース、あるいは遺伝子の情報と表現型の情報とが1つのまとまった形式で格納されたデータベースとされており、異なる実験間で得られた情報を互いに関連付けて検索することが困難であり、遺伝子の情報と表現型の情報との間の新たな関係の発見には向いていないという問題がある。また、新たなデータが得られたときに、そのデータの中から有用なデータを効率的に見つけ出すことにも向いていないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遺伝子の情報と表現型の情報とを関連付けて相互に検索することができる検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースと、表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースと、前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が予め記憶されているプラットフォーム情報データベースと、前記プラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報と前記表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する検索部と、を有することを特徴とする検索装置である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、検索装置の検索部が、プラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報と遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報と表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを表現型データベースから検索する。
【0008】
これにより、検索装置は、たとえば、遺伝子情報データベースから抽出およびスクリーニングした遺伝子データと同一のプラットフォームあるいは類似したプラットフォームで実験された表現型データを、表現型データベースから抽出することができる。また、検索装置は、たとえば、表現型データベースから抽出およびスクリーニングした表現型データと同一のプラットフォームあるいは類似したプラットフォームで実験された遺伝子データを、遺伝子情報データベースから抽出することができる。
【0009】
すなわち、検索装置は、遺伝子情報データベースと表現型データベースとの双方からスクリーニングしたプラットフォーム情報に基づいて、双方の情報を対比することができる。このようにして、検索装置は、遺伝子の情報と表現型の情報とを関連付けて相互に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態による検索装置および検索装置が用いられる検索システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の各データベースのテーブル構成を示すデータ構成図である。
【図3】一例としてのプラットフォーム検索画面を示す画面図である。
【図4】一例としての遺伝子発現データ検索画面を示す画面図である。
【図5】一例としての表現型データ検索画面を示す画面図である。
【図6】検索装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図7】検索装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【図8】一例としての統計情報を示す画面図である。
【図9】検索装置の動作を示す第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による検索装置10の構成、および、この検索装置10が用いられる検索システムの構成を示す概略ブロック図である。
【0012】
本実施形態においては、検索システムがクライアントサーバシステムであり、検索装置10が、このクライアントサーバシステムのサーバとして稼動するシステムの場合について説明する。
【0013】
検索システムは、検索装置10と、ネットワーク20と、複数のユーザ端末30と、を有する。複数のユーザ端末30は、クライアントサーバシステムにおけるクライアントに相当し、それぞれ、たとえば、研究施設である企業や大学に設置されており、研究者などのユーザが用いる端末である。ユーザは、このユーザ端末30を用いることにより、ネットワーク20を介して、検索装置10を利用する。
【0014】
この複数のユーザ端末30は、それぞれ、たとえば、パーソナルコンピュータである。このユーザ端末30には、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも図示せず)が接続されるものとする。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
【0015】
ネットワーク20は、インターネットまたは専用回線などの通信網であり、検索装置10と複数のユーザ端末30とを、相互に接続している。検索装置10は、クライアントサーバシステムにおけるサーバに相当し、たとえば、研究機関、大学、または、企業などに設置される。
【0016】
次に、検索装置10の一例としての構成について説明する。検索装置10は、遺伝子情報データベース1と、表現型データベース2と、プラットフォーム情報データベース3と、名称情報データベース4と、通信部(出力部)5と、検索条件入力部6と、検索部7と、統計処理部8と、選択部9と、を有する。
【0017】
遺伝子情報データベース1には、遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている。たとえば、マイクロアレイ実験において、このマイクロアレイ実験の実験条件を識別する情報が遺伝子実験プラットフォーム識別情報であり、このマイクロアレイ実験の実験結果得られた個々の遺伝子の発現量が遺伝子データである。このマイクロアレイ実験の実験条件には、たとえば、与えた薬剤(薬品、化合物)の種類や生物種やその細胞の培地などがある。
【0018】
表現型データベース2には、表現型を示す表現型データ(表現型情報)と、当該表現型となった実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている。この表現型とは、生物の形態的および生理的な遺伝形質である。なお、生物としては、マウスまたは人のような生命体、すなわち、個体としての生命体であってもよいし、細胞、複数の細胞から構成されるもの、たとえば、臓器であってもよい。たとえば、薬剤を生物に与えるという実験に対して、この実験の実験条件を識別する情報が表現型実験プラットフォーム識別情報であり、この実験による生物の表現型としての結果が表現型データである。この薬剤を生物に与えるという実験の実験条件としては、たとえば、与えた薬剤の種類や表現型を観測した生物種などがある。
【0019】
プラットフォーム情報データベース3には、遺伝子実験プラットフォーム識別情報または表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が予め記憶されている。また、このプラットフォーム情報データベース3には、プラットフォーム識別情報と、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件を示す1つまたは複数のパラメータの組み合わせとが関連付けて予め記憶されている。このパラメータとは、たとえば、薬剤や生物種を識別する情報などである。
【0020】
名称情報データベース4には、プラットフォーム情報データベース3に記憶されているパラメータと関連付けて、当該パラメータの名称を示す文字情報が、予め記憶されている。
【0021】
通信部5は、検索部7が検索した検索結果(たとえば、遺伝子データまたは表現型データ)をユーザ端末30にネットワーク20を介して送信する。また、通信部5は、ユーザ端末30からの検索条件または選択を示す情報を、ネットワーク20を介して受信する。通信部5は、受信した検索条件を示す情報を検索条件入力部6に出力し、受信した選択を示す情報を選択部9に出力する。この検索条件を示す情報とは、たとえば、プラットフォーム識別情報や、1つまたは複数のパラメータの組み合わせを示す情報である。なお、この通信部5は、たとえば、出力する情報を、HTML(Hyper Text Markup Language)形式で出力する。
【0022】
検索条件入力部6は、たとえば、通信部5から入力された1つまたは複数のパラメータの組み合わせを検索部7に出力する。
【0023】
検索部7は、プラットフォーム情報データベース3に記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報と遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを遺伝子情報データベース1から検索する、または、当該プラットフォーム識別情報と表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを表現型データベース2から検索する。
【0024】
たとえば、検索部7は、検索条件入力部6から入力された1つまたは複数のパラメータの組み合わせに基づいてプラットフォーム識別情報をプラットフォーム情報データベース3から検索し、当該検索したプラットフォーム識別情報と遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを遺伝子情報データベース1から検索する、または、当該検索したプラットフォーム識別情報と表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを表現型データベース2から検索する。
【0025】
ここで、検索部7は、検索条件入力部6から入力された1つまたは複数のパラメータの組み合わせに基づいてプラットフォーム識別情報をプラットフォーム情報データベース3から検索する場合に、検索条件入力部6から入力された1つまたは複数のパラメータの一部または全てが一致するプラットフォーム識別情報をプラットフォーム情報データベース3から検索する。これにより、一部のパラメータを指定しないで、パラメータの範囲を指定して、または、少数のパラメータのみを指定して、プラットフォーム識別情報をプラットフォーム情報データベース3から検索することができる。そのために、目的とするプラットフォーム識別情報で識別される実験条件を容易に検索することができる。
【0026】
また、たとえば、検索部7は、遺伝子情報データベース1から読み出した遺伝子実験プラットフォーム識別情報、表現型データベース2から読み出した表現型実験プラットフォーム識別情報、または、プラットフォーム情報データベース3から読み出したプラットフォーム識別情報に基づいて、当該読み出した遺伝子実験プラットフォーム識別情報、表現型実験プラットフォーム識別情報、若しくは、プラットフォーム識別情報と遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを遺伝子情報データベース1から検索する。また、検索部7は、当該読み出した遺伝子実験プラットフォーム識別情報、表現型実験プラットフォーム識別情報、若しくは、プラットフォーム識別情報と表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを表現型データベース2から検索する。
【0027】
統計処理部8は、検索部7が検索したプラットフォーム識別情報の頻度を統計処理する。たとえば、統計処理部8は、同じ実験条件で行われた実験のデータ数を、遺伝子情報データベース1または表現型データベース2からプラットフォーム識別情報毎に頻度を算出する。そして、統計処理部8は、統計処理したプラットフォーム識別情報の頻度を示す情報を、たとえば、頻度グラフとして通信部5に出力する。通信部5は、統計処理部8から入力された頻度グラフを、ユーザ端末30にネットワーク20を介して送信する。
【0028】
選択部9は、統計処理部8が統計処理したプラットフォーム識別情報の中から、いずれかのプラットフォーム識別情報を選択する。たとえば、ユーザ端末30が受信した頻度グラフを表示し、ユーザが、ユーザ端末30を用いて、この頻度グラフの中から、いずれかのプラットフォーム識別情報を選択する。そして、選択されたプラットフォーム識別情報が、ユーザ端末30からネットワーク20を介して通信部5に送信される。通信部5は、受信したプラットフォーム識別情報を、選択部9に出力する。これにより、選択部9は、統計処理部8が統計処理したプラットフォーム識別情報の中から、いずれかのプラットフォーム識別情報を選択する。
【0029】
ここで、検索部7は、選択部9が選択したプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報と遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを遺伝子情報データベース1から検索する、または、当該プラットフォーム識別情報と表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを表現型データベース2から検索する。
【0030】
また、検索部7と検索条件入力部6とは、次のように連携して、一度検索した検索結果から、再度、検索をすることも可能である。まず、検索部7は、遺伝子実験プラットフォーム識別情報から検索された遺伝子実験プラットフォーム識別情報または表現型データを表現型データベース2から検索した表現型実験プラットフォーム識別情報に、プラットフォーム識別情報が一致する1つまたは複数のパラメータの組み合わせを、プラットフォーム情報データベース3から読み出す。そして、検索条件入力部6は、検索部7が読み出した1つまたは複数のパラメータの組み合わせのうち、いずれかのパラメータの値を変更する。
【0031】
更に、検索部7は、検索条件入力部6が変更した1つまたは複数のパラメータの組み合わせに基づいて、プラットフォーム識別情報をプラットフォーム情報データベース3から検索し、当該検索したプラットフォーム識別情報と遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを遺伝子情報データベース1から検索する、または、当該検索したプラットフォーム識別情報と表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを表現型データベース2から検索する。
【0032】
これにより、たとえば、検索結果の数が多い場合には、ユーザが検索結果に対してスクリーニングを行うことが可能である。逆に、検索結果が少ない場合には、検索条件を変更して検索結果の数が多くなるようにすることも可能である。
【0033】
このようにして、検索装置10の検索部7は、プラットフォーム情報データベース3に記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、遺伝子情報データベース1と表現型データベース2との双方を連携させて、遺伝子データと表現型とを従来の手法よりも容易に柔軟かつ正確に相互に検索することができる。また、プラットフォーム情報は、実験環境の構成要因をパラメータとするパラメータセットであるので、エピジェネティクスや変異原性の観点を問わず、双方の情報を対比することもできる。
【0034】
<一例としてのデータベースおよびテーブルの構成>
次に、図2を用いて、遺伝子情報データベース1と、表現型データベース2と、プラットフォーム情報データベース3と、名称情報データベース4との、一例としてのデータ構成について説明する。ここでは、糸状菌、酵母、バクテリアなどの細菌に対してのマイクロアレイ実験による遺伝子データが遺伝子情報データベース1に記憶されており、細菌に対して薬剤を与えた場合の、細菌の色などを示す表現型データが、表現型データベース2に記憶されている場合について説明する。また、ここでは、遺伝子データが遺伝子発現データである場合について説明する。この遺伝子発現データとは、たとえば、マイクロアレイ実験やリアルタイムqPCR法で取得された遺伝子発現量を示す数値データに遺伝子名や遺伝子IDなどの情報を対応付けたデータである。以降の説明においては、遺伝子データを遺伝子発現データと称して説明する。
【0035】
また、ここでは、遺伝子情報データベース1として、マイクロアレイテンプレートテーブルT11と、マイクロアレイ実験情報テーブルT12と、アレイID対応テーブルT13と、アレイチップ情報テーブルT14と、を有している場合について説明する。また、表現型データベース2として、菌糸実験テーブルT21と、胞子発芽実験テーブルT22と、親水面付着器実験テーブルT23と、疎水面付着器実験テーブルT24と、病原性実験テーブルT25と、を有している場合について説明する。
【0036】
また、プラットフォーム情報データベース3として、プラットフォームテーブルT31を有している場合について説明する。また、名称情報データベース4として、培地情報テーブルT41と、薬剤情報テーブルT42と、サイトロジック情報テーブルT43と、オーガニズム情報テーブルT44と、を有している場合について説明する。
【0037】
この図2を用いて、各テーブルに記憶されている情報と、各テーブルを関連付けているその検索キー(本実施形態に関する検索キー)とについて説明する。また、後述する一例としての検索装置10の動作の説明に関連して、ここでは、実験に用いられた薬剤濃度について説明する。
【0038】
マイクロアレイテンプレートテーブルT11には、アレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)を主キーとし、参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)、テスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)、および、アレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)を外部キーとして、テンプレート名が予め記憶されている。
【0039】
ここでは、マイクロアレイ実験において、コントロール実験とテスト実験(参照実験)との実験が行われており、コントロール実験による実験結果は参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)により識別されており、テスト実験による実験結果はテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)により識別されている、ものとして説明する。なお、このマイクロアレイテンプレートテーブルT11には、上記した主キーおよび外部キーと関連付けて、マイクロアレイチップの製造元や型式などの情報を関連付けて記憶されていてもよい。
【0040】
マイクロアレイ実験情報テーブルT12には、アレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)を主キーとし、アレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)を外部キーとして、マイクロアレイ実験の実験結果を示す情報が、予め記憶されている。
【0041】
このマイクロアレイ実験の実験結果を示す情報は、たとえば、アレイ実験名、サンプル定義(サンプルに関する説明文)、実験機関、プロトコル、参照実験薬剤濃度(μg/ml)、参照サンプル培養時間、参照サンプル培養温度、参照サンプル溶剤濃度、テスト実験薬剤濃度(μg/ml)、テストサンプル培養時間、テストサンプル培養温度、溶剤濃度(% or mol/l)、スキャン日(最終更新日)、スキャン日(初期ファイル投入日)、および、GPRファイル(実験マイクロアレイをアレイリーダーでスキャンしてシグナル強度を読み取ってできた遺伝子発現量情報テキストファイル)を示す情報を含んでいる。
【0042】
この遺伝子発現データは、上述したように、参照実験薬剤濃度(CTRL_DRUG_CON)およびテスト実験薬剤濃度(TEST_DRUG_CON)を含んでいる。この参照実験薬剤濃度(CTRL_DRUG_CON)は、コントロール実験において用いられた薬剤の濃度を示す情報である。また、このテスト実験薬剤濃度(TEST_DRUG_CON)は、テスト実験において用いられた薬剤の濃度を示す情報である。
【0043】
アレイID対応テーブルT13には、アレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)を主キーとして、プローブID、NCBI ID、アノテーション、作成日、最終更新日などの情報が、予め記憶されている。
【0044】
アレイチップ情報テーブルT14には、アレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)を主キーとし、種ID(ORGANISM_ID)を外部キーとして、アレイチップタイプ、スポット情報ファイル、設計元、製造元、製造年、コメント(255文字まで)などの、マイクロアレイを識別する情報が、予め記憶されている。
【0045】
菌糸実験テーブルT21には、菌糸実験ID(MYCELIA_EXP_ID)を主キーとし、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)を外部キーとして、菌糸実験の実験結果を示す情報が、予め記憶されている。菌糸実験とは、たとえば、細菌に薬剤を与えた場合の、菌糸の表現型を調べる実験である。
【0046】
そして、この菌糸実験の実験結果は、たとえば、実験名、実験機関、薬剤濃度(μg/ml)、溶剤濃度(%)、培養時間、温度(℃)といった詳細な環境情報の他に、その環境下での観察結果として、色(通常=0/白=1/赤=2/茶=3/その他=4)、菌糸量(少=-1/通常=0/多=1)、バルーン形成(通常=0/異常=1)、IC50(μg/ml)、MIC(最小阻止濃度(μg/ml))、生育阻害率(%)、胞子形成数(少=-1/通常=0/多=1)、胞子形態(通常=0/異常=1)、胞子形成様式(通常=0/異常=1)、観察日時(最終更新日)、初期ファイル投入日、画像(顕微鏡やデジタルカメラで撮影した画像ファイル)、および、コメント(たとえば255文字までの文字であり、繰り返し実験の内容説明などを示す)を示す情報を含んでいる。
【0047】
胞子発芽実験テーブルT22には、胞子発芽実験ID(SPORE_EXP_ID)を主キーとし、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)を外部キーとして、胞子発芽実験の実験結果を示す情報が、予め記憶されている。胞子発芽実験とは、たとえば、胞子に薬剤を与えた場合の、胞子の発芽状態である表現型を調べる実験である。
【0048】
親水面付着器実験テーブルT23には、親水面付着器実験ID(HYDROPHILIC_APS_EXP_ID)を主キーとし、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)を外部キーとして、親水面付着器実験の実験結果を示す情報が、予め記憶されている。この親水面付着器実験とは、たとえば、親水面上において、イネいもち病菌に薬剤を与えた場合に、その表現型として付着器形成を調べる実験である。
【0049】
疎水面付着器実験テーブルT24には、疎水面付着器実験ID(HYDROPOBIC_APS_EXP_ID)を主キーとし、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)を外部キーとして、疎水面付着器実験の実験結果を示す情報が、予め記憶されている。この疎水面付着器実験とは、たとえば、疎水上面において、イネいもち病菌に薬剤を与えた場合に、その表現型としての付着器形成を調べる実験である。
【0050】
病原性実験テーブルT25には、病原性実験ID(LESION_EXP_ID)を主キーとし、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)を外部キーとして、病原性実験の実験結果を示す情報が、予め記憶されている。病原性実験とは、たとえば、イネいもち病菌に薬剤を与えた場合のイネの病斑形成を調べる実験である。
【0051】
上述した胞子発芽実験テーブルT22、親水面付着器実験テーブルT23、疎水面付着器実験テーブルT24、および、病原性実験テーブルT25には、菌糸実験テーブルT21と同様の実験結果が、それぞれの主キーと外部キーとに関連付けて予め記憶されている。また、それぞれの実験結果は、当該実験における薬剤濃度を示す情報含んでいる。
【0052】
なお、上述した菌糸実験テーブルT21、胞子発芽実験テーブルT22、親水面付着器実験テーブルT23、疎水面付着器実験テーブルT24、および、病原性実験テーブルT25においては、外部キーである実験基礎環境ID(EXPENV_ID)により、それぞれの実験および実験結果が識別されるようになっている。
【0053】
プラットフォームテーブルT31には、プラットフォームID(EXPENV_ID)を主キーとし、培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)とを外部キーとして、基礎環境名、溶剤、コメント(255文字まで)などを示す情報が予め記憶されている。
【0054】
培地情報テーブルT41には、培地ID(MEDIUM_ID)を主キーとして、培地を示す情報、たとえば、培地名、培地の型(液体=0/寒天=1/固相=2)、組成(65535文字まで)などを示す情報が予め記憶されている。
【0055】
薬剤情報テーブルT42には、薬剤ID(DRUG_ID)を主キーとして、薬剤に関する様々な情報、たとえば、薬剤の名称、分子量などを示す情報が予め記憶されている。
【0056】
サイトロジック情報テーブルT43には、サイトロジックID(CYTOLOGY_ID)を主キーとし、種ID(ORGANISM_ID)を外部キーとして、菌株に関する様々な情報、たとえば、菌株の名称、遺伝子欠損株や変異株である場合はその遺伝的情報などを示す情報が予め記憶されている。
【0057】
オーガニズム情報テーブルT44には、種ID(ORGANISM_ID)を主キーとして、菌種名などを示す情報が予め記憶されている。
【0058】
上述したマイクロアレイテンプレートテーブルT11に外部キーとして記憶されている参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)が、図1を用いて説明した遺伝子実験プラットフォーム識別情報に相当する。また、マイクロアレイ実験情報テーブルT12に記憶されているマイクロアレイ実験の実験結果を示す情報が、図1を用いて説明した遺伝子データに相当する。この遺伝子実験プラットフォーム識別情報とこの遺伝子データとは、アレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)を介して、関連付けられている。
【0059】
また、上述した菌糸実験テーブルT21、胞子発芽実験テーブルT22、親水面付着器実験テーブルT23、疎水面付着器実験テーブルT24、および、病原性実験テーブルT25に外部キーとして記憶されている実験基礎環境ID(EXPENV_ID)が、図1を用いて説明した表現型実験プラットフォーム識別情報に相当し、当該実験による実験結果が図1を用いて説明した表現型データに相当する。
【0060】
また、上述したプラットフォームテーブルT31に主キーとして記憶されているプラットフォームID(EXPENV_ID)が、図1を用いて説明したプラットフォーム識別情報に相当する。また、このプラットフォームテーブルT31に外部キーとして記憶されている培地ID(MEDIUM_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)が、図1を用いて説明した1つまたは複数のパラメータの組み合わせに相当する。
【0061】
<テーブルの関係>
次に、各テーブルの関係について説明する。まず、プラットフォームテーブルT31の主キーと外部キーとの関係、すなわち、プラットフォーム情報データベース3内におけるキーの関係について説明する。
【0062】
プラットフォームテーブルT31においては、主キーであるプラットフォームID(EXPENV_ID)と、外部キーである培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)との組み合わせが、1対1となるようにして記憶されている。よって、このプラットフォームテーブルT31においては、外部キーである培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)との組み合わせにより、プラットフォームID(EXPENV_ID)が、一意に識別できるようにされている。
【0063】
すなわち、プラットフォーム情報データベース3においては、全てのパラメータを指定すると、プラットフォーム識別情報が、一意に識別できるようになっている。また、逆に、このプラットフォーム情報データベース3においては、プラットフォーム識別情報を指定すると、全てのパラメータの値が指定されるようになっている。
【0064】
次に、プラットフォームテーブルT31と、培地情報テーブルT41、薬剤情報テーブルT42、および、サイトロジック情報テーブルT43との関係について説明する。プラットフォームテーブルT31の外部キーである培地ID(MEDIUM_ID)と、培地情報テーブルT41の主キーである培地ID(MEDIUM_ID)とは、1対n(以降、nは任意の自然数とする)という関係にある。
【0065】
同様に、プラットフォームテーブルT31の外部キーである薬剤ID(DRUG_ID)と、薬剤情報テーブルT42の主キーである薬剤ID(DRUG_ID)とは、1対nとなる関係にある。また、同様に、プラットフォームテーブルT31の外部キーであるサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)と、サイトロジック情報テーブルT43の主キーであるサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)とは、1対nとなる関係にある。
【0066】
この関係により、プラットフォームテーブルT31に記憶されている外部キーの詳細な情報または文字情報を、プラットフォームテーブルT31、培地情報テーブルT41、薬剤情報テーブルT42、または、サイトロジック情報テーブルT43から、読み出すことが可能となっている。よって、検索装置10は、プラットフォームテーブルT31に記憶されている外部キーを、IDなどの識別情報ではなく、文字情報として、ユーザ端末30に送信することができる。
【0067】
次に、プラットフォームテーブルT31、マイクロアレイテンプレートテーブルT11、および、マイクロアレイ実験情報テーブルT12の関係について説明する。プラットフォームテーブルT31の主キーであるプラットフォームID(EXPENV_ID)と、マイクロアレイテンプレートテーブルT11の外部キーである参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)とが、1対nとなる関係にある。
【0068】
このマイクロアレイテンプレートテーブルT11には、マイクロアレイ実験のテストサンプルによる実験、および、コントロールサンプルによる実験の、双方のプラットフォームを識別する情報がセットとして記憶されている。
【0069】
また、マイクロアレイテンプレートテーブルT11の主キーであるアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)と、マイクロアレイ実験情報テーブルT12の外部キーであるアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)とが、1対nとなる関係にある。これは、一般に、1つのテンプレートに対して、マイクロアレイ実験は複数回繰り返して行われる。この複数回の実験結果をそれぞれ識別して記憶するために、マイクロアレイテンプレートテーブルT11の外部キーであるアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)と、マイクロアレイ実験情報テーブルT12の外部キーであるアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)とが、1対nとなっている。なお、それぞれの実験結果は、マイクロアレイテンプレートテーブルT11の主キーであるアレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)により識別されている。
【0070】
この、マイクロアレイテンプレートテーブルT11には、マイクロアレイ実験の対象の情報が記憶されているのに対して、マイクロアレイ実験情報テーブルT12には、実際のマイクロアレイ実験を示す情報、すなわち、遺伝子発現データが記憶されている。この遺伝子発現データとは、たとえば、実験プロトコル、日付、アレイをスキャンして得られる遺伝子の発現を示す発現データ、薬剤の濃度等である。
【0071】
上述した検索キーの関係により、プラットフォームテーブルT31、マイクロアレイテンプレートテーブルT11、および、マイクロアレイ実験情報テーブルT12においては、プラットフォームテーブルT31の主キーであるアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)に基づいて、マイクロアレイ実験情報テーブルT12に記憶されている遺伝子発現データを、マイクロアレイテンプレートテーブルT11を介して、検索することができるようにされている。
【0072】
次に、プラットフォームテーブルT31と、菌糸実験テーブルT21、胞子発芽実験テーブルT22、親水面付着器実験テーブルT23、疎水面付着器実験テーブルT24、および、病原性実験テーブルT25との関係について説明する。ここで、菌糸実験テーブルT21、胞子発芽実験テーブルT22、親水面付着器実験テーブルT23、疎水面付着器実験テーブルT24、および、病原性実験テーブルT25は、観測対象が異なる点で相違するが、そのデータ構成は同様のテーブルである。よって、ここでは、一例として、プラットフォームテーブルT31と菌糸実験テーブルT21との関係について説明する。
【0073】
プラットフォームテーブルT31の主キーであるプラットフォームID(EXPENV_ID)と、菌糸実験テーブルT21の外部キーである実験基礎環境ID(EXPENV_ID)とが、1対nとなる関係にある。
【0074】
菌糸実験テーブルT21には、プラットフォームに対して得られた表現型の観測情報、すなわち、表現型データが記憶されている。この表現型データは、たとえば、育成率、色などの観測データ、薬剤の濃度である。なお、表現型データは、観測対象に応じてテーブルが作成され、それぞれのテーブルは、プラットフォームID(EXPENV_ID)と関連付けられるようにされている。
【0075】
上述したテーブルの関係により、プラットフォーム情報データベース3に含まれているプラットフォームテーブルT31における主キーであるプラットフォームID(EXPENV_ID)と、遺伝子情報データベース1に含まれているマイクロアレイテンプレートテーブルT11の外部キーである参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)とが、1対nとなる関係にある。また、プラットフォーム情報データベース3に含まれているプラットフォームテーブルT31における主キーであるプラットフォームID(EXPENV_ID)と、表現型データベース2に含まれている菌糸実験テーブルT21の外部キーである実験基礎環境ID(EXPENV_ID)とが、1対nとなる関係にある。
【0076】
よって、検索部7は、プラットフォーム情報データベース3に記憶されているプラットフォームID(EXPENV_ID)と、参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)とが一致する遺伝子発現データを、遺伝子情報データベース1から検索することができる。
【0077】
また、検索部7は、プラットフォーム情報データベース3に記憶されているプラットフォームID(EXPENV_ID)と、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)とが一致する表現型データを、表現型データベース2から検索することができる。
【0078】
すなわち、検索部7は、プラットフォーム情報データベース3に記憶されているプラットフォームID(EXPENV_ID)に基づいて、遺伝子発現データを遺伝子情報データベース1から検索することができるとともに、表現型データを表現型データベース2から検索することができる。
【0079】
なお、アレイチップ情報テーブルT14の外部キーである種ID(ORGANISM_ID)と、オーガニズム情報テーブルT44の主キーである種ID(ORGANISM_ID)とが、関連付けられている。よって、アレイチップ情報テーブルT14の外部キーである種ID(ORGANISM_ID)に基づいて、オーガニズム情報テーブルT44から菌種名などを示す情報、すなわち、文字情報が検索できるようになっている。
【0080】
また、サイトロジック情報テーブルT43の外部キーである種ID(ORGANISM_ID)と、オーガニズム情報テーブルT44の主キーである種ID(ORGANISM_ID)とが、関連付けられている。よって、サイトロジック情報テーブルT43の外部キーである種ID(ORGANISM_ID)に基づいて、オーガニズム情報テーブルT44から菌種名などを示す情報、すなわち、文字情報が検索できるようになっている。
【0081】
<検索装置10の動作>
次に、図3から図9を用いて、検索装置10の一例としての動作について説明する。図3から図5は、検索装置10の通信部5が、ユーザ端末30に表示させる検索画面である。ユーザは、このユーザ端末30に表示された検索画面から、検索条件を入力して、任意の検索を行う。以降においては、図3をプラットフォーム検索画面と称し、図4を遺伝子発現データ検索画面と称し、図5を表現型データ検索画面と称して、説明する。
【0082】
まず、図3のプラットフォーム検索画面について説明する。この図3のプラットフォーム検索画面は、プラットフォーム情報データベース3に記憶されている情報に基づいて検索を行う場合の、一例としての検索画面である。この図3に示すように、プラットフォーム検索画面は、プラットフォーム検索情報入力フォームを有している。
【0083】
このプラットフォーム検索情報入力フォームには、プラットフォームID(EXPENV_ID)、培地ID(MEDIUM_ID)、サイトロジックID(CYTOLOGY_ID)、薬剤ID(DRUG_ID)、および、薬剤濃度を入力する入力欄が設けられている。また、プラットフォーム検索情報入力フォームには、遺伝子発現データ検索ボタンB31と表現型データ検索ボタンB32とが設けられている。
【0084】
ユーザはユーザ端末30を用いて、プラットフォーム検索情報入力フォームのプラットフォームID(EXPENV_ID)、培地ID(MEDIUM_ID)、サイトロジックID(CYTOLOGY_ID)、薬剤ID(DRUG_ID)、または、薬剤濃度の入力欄に、検索条件を入力する。
【0085】
そして、検索条件を入力した後、ユーザはユーザ端末30を用いて、遺伝子発現データ検索ボタンB31を押下する。遺伝子発現データ検索ボタンB31が押下されたことに応じて、検索装置10の検索部7は、入力された検索条件を満たす遺伝子発現データを遺伝子情報データベース1から抽出する。そして、検索装置10の検索部7は、抽出した遺伝子発現データを、通信部5を介してユーザ端末30に、後述する図4に示す遺伝子発現データ検索画面の画面形式で送信する。
【0086】
また、検索条件を入力した後、ユーザはユーザ端末30を用いて、表現型データ検索ボタンB32を押下する。表現型データ検索ボタンB32が押下されたことに応じて、検索装置10の検索部7は、入力された検索条件を満たす表現型データを表現型データベース2から抽出する。そして、検索装置10の検索部7は、抽出した遺伝子発現データを、通信部5を介してユーザ端末30に、後述する図5に示す表現型データ検索画面の画面形式で送信する。
【0087】
次に、図4の遺伝子発現データ検索画面について説明する。この図4の遺伝子発現データ検索画面は、遺伝子情報データベース1に記憶されている情報に基づいて検索を行う場合の、一例としての検索画面である。この図4に示すように、この遺伝子発現データ検索画面は、遺伝子発現データ検索入力フォームと遺伝子発現データ検索結果選択フォームとを有している。
【0088】
たとえば、遺伝子発現データ検索入力フォームには、プラットフォームID(EXPENV_ID)、培地ID(MEDIUM_ID)、サイトロジックID(CYTOLOGY_ID)、薬剤ID(DRUG_ID)、アレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)、薬剤濃度などを入力する入力欄が設けられている。また、遺伝子発現データ検索入力フォームには、遺伝子発現データ検索ボタンB41が設けられている。
【0089】
また、遺伝子発現データ検索結果選択フォームには、検索結果としての遺伝子発現データと、遺伝子発現データそれぞれについてのチェックボックス(図4の符号C41から符号C4nを参照)と、遺伝子発現データ選択ボタンB42とが設けられている。
【0090】
ユーザはユーザ端末30を用いて、プラットフォームID(EXPENV_ID)、培地ID(MEDIUM_ID)、サイトロジックID(CYTOLOGY_ID)、薬剤ID(DRUG_ID)、アレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)、薬剤濃度などを、遺伝子発現データ検索入力フォームの入力欄に入力する。そして、ユーザはユーザ端末30を用いて、遺伝子発現データ検索ボタンB41を押下する。
【0091】
遺伝子発現データ検索ボタンB41が押下されたことに応じて、検索装置10の検索部7は、入力された検索条件を満たす遺伝子発現データを、遺伝子情報データベース1から抽出する。そして、検索装置10の検索部7は、抽出した遺伝子発現データを、チェックボックスとともに、遺伝子発現データ検索結果選択フォームに表示させる。
【0092】
ここで、遺伝子発現データ検索結果選択フォームに表示された遺伝子発現データを示す文字情報(図4において、「Expression_ID1」など)には、それぞれリンクが張られている。ユーザは、この遺伝子発現データを示す文字情報をクリックすると、当該遺伝子発現データの詳細な情報を、たとえば、別画面で表示して見ることが可能となっている。
【0093】
この場合、たとえば、検索装置10の検索部7は、クリックされた遺伝子発現データに対応するアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)に基づいて、マイクロアレイ実験の実験結果を示す情報をマイクロアレイ実験情報テーブルT12から読み出して、別画面に表示する。また、検索装置10の検索部7は、クリックされた遺伝子発現データに対応するアレイテンプレートID(ARRAY_TEMPLATE_ID)に基づいて、プローブID、NCBI ID、アノテーション、作成日、最終更新日などの情報を、アレイID対応テーブルT13から読み出して、別画面に表示する。
【0094】
ユーザはユーザ端末30を用いて抽出した遺伝子発現データを確認した後、再度、プラットフォームID(EXPENV_ID)、アレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)、薬剤濃度などを遺伝子発現データ検索入力フォームの入力欄に入力して、遺伝子発現データ検索ボタンB41を押下してもよい。たとえば、薬剤濃度の値を変更して、抽出した遺伝子発現データの中から、更に、遺伝子発現データを抽出するようにしてもよい。これにより、ユーザは、遺伝子発現データを、スクリーニングすることができる。
【0095】
その後、ユーザはユーザ端末30を用いて、遺伝子発現データ検索結果選択フォームに表示されているチェックボックスをチェックすることにより、抽出された遺伝子発現データの中から遺伝子発現データを選択して、ダウンロードボタンB43を押下する。ダウンロードボタンB43を押下されたことに応じて、通信部5が、選択された遺伝子発現データを、ユーザ端末30に送信する。これにより、ユーザは、遺伝子発現データを、ユーザ端末30上に保存することができる。
【0096】
または、その後、ユーザはユーザ端末30を用いて、遺伝子発現データ検索結果選択フォームに表示されているチェックボックスをチェックすることにより、抽出された遺伝子発現データの中から遺伝子発現データを選択して、遺伝子発現データ選択ボタンB42を押下する。
【0097】
遺伝子発現データ選択ボタンB42が押下されたことに応じて、検索装置10の検索部7は、選択された遺伝子発現データのプラットフォームID、すなわち、参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)に、プラットフォームID(EXPENV_ID)が該当する培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)とを、プラットフォームテーブルT31から検索する。
【0098】
そして、検索装置10の検索部7は、検索したプラットフォームID(EXPENV_ID)と培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)とを、通信部5を介してユーザ端末30に送信し、図3のプラットフォーム検索画面の画面形式で表示させる。なお、たとえば、ここで表示される図3のプラットフォーム検索画面のプラットフォーム検索情報入力フォームの入力欄には、上記で検索したプラットフォームID(EXPENV_ID)と培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)との値が、入力された状態で表示される。
【0099】
以降、ユーザはユーザ端末30を用いて、表現型データ検索ボタンB32を押下することにより、選択されたプラットフォームID(EXPENV_ID)に該当する表現型データを表現型データベース2から抽出することができる。これにより、ユーザは、遺伝子情報データベース1から抽出およびスクリーニングした遺伝子発現データと同一のプラットフォーム(プラットフォームID(EXPENV_ID))で実験された表現型データを、表現型データベース2から抽出することができる。
【0100】
また、ユーザはユーザ端末30を用いて、遺伝子発現データ検索ボタンB31を押下することにより、再度、選択されたプラットフォームID(EXPENV_ID)に該当する遺伝子発現データを、遺伝子情報データベース1から抽出することができる。
【0101】
なお、ユーザはユーザ端末30を用いて、プラットフォーム検索情報入力フォームの入力欄に入力されている値を変更してから、遺伝子発現データ検索ボタンB31または表現型データ検索ボタンB32を押下してもよい。これにより、検索条件を変更しながら、遺伝子情報データベース1と表現型データベース2とから、検索することができる。
【0102】
次に、図5の表現型データ検索画面について説明する。この図5の表現型データ検索画面は、表現型データベース2に記憶されている情報に基づいて検索を行う場合の、一例としての検索画面である。この図5に示すように、この表現型データ検索画面は、表現型データ検索入力フォームと表現型データ検索結果選択フォームとを有している。
【0103】
たとえば、表現型データ検索入力フォームには、プラットフォームID(EXPENV_ID)、培地ID(MEDIUM_ID)、サイトロジックID(CYTOLOGY_ID)、薬剤ID(DRUG_ID)、薬剤濃度などを入力する入力欄が設けられている。また、表現型データ検索入力フォームには、表現型データ検索ボタンB51が設けられている。
【0104】
また、表現型データ検索結果選択フォームには、検索結果としての表現型データと、表現型データそれぞれについてのチェックボックス(図5の符号C51から符号C5nを参照)と、表現型データ選択ボタンB52とが設けられている。
【0105】
ユーザはユーザ端末30を用いて、プラットフォームID(EXPENV_ID)、薬剤濃度などを、表現型データ検索入力フォームの入力欄に入力する。そして、ユーザはユーザ端末30を用いて、表現型データ検索ボタンB51を押下する。
【0106】
表現型データ検索ボタンB51が押下されたことに応じて、検索装置10の検索部7は、入力された検索条件を満たす表現型データを、表現型データベース2から抽出する。そして、検索装置10の検索部7は、抽出した表現型データを、チェックボックスとともに、表現型データ検索結果選択フォームに表示させる。
【0107】
ここで、表現型データ検索結果選択フォームに表示された表現型データを示す文字情報(図5において、「Phenotype_ID1」など)には、リンクがそれぞれ張られている。ユーザは、この表現型データを示す文字情報をクリックすると、当該表現型データの詳細な情報を、たとえば、別画面で表示して見ることが可能となっている。
【0108】
たとえば、検索装置10の検索部7は、クリックされた表現型データに対応する実験基礎環境ID(EXPENV_ID)に基づいて、実験名、実験機関、薬剤濃度、画像などを、菌糸実験テーブルT21などから読み出して、別画面に表示する。なお、当該検索において、菌糸実験テーブルT21、胞子発芽実験テーブルT22、親水面付着器実験テーブルT23、疎水面付着器実験テーブルT24、または、病原性実験テーブルT25から、ユーザがテーブルを選ぶようにしてもよい。
【0109】
ユーザはユーザ端末30を用いて、抽出した表現型データを確認した後、再度、プラットフォームID(EXPENV_ID)、薬剤濃度などを表現型データ検索入力フォームの入力欄に入力して、表現型データ検索ボタンB51を押下してもよい。たとえば、薬剤濃度の値を変更して、抽出した表現型データの中から、更に、表現型データを抽出するようにしてもよい。これにより、ユーザは、表現型データを、スクリーニングすることができる。
【0110】
その後、ユーザはユーザ端末30を用いて、表現型データ検索結果選択フォームに表示されているチェックボックスをチェックすることにより、抽出された表現型データの中から表現型データを選択して、ダウンロードボタンB53を押下する。ダウンロードボタンB53を押下されたことに応じて、通信部5が、選択された表現型データを、ユーザ端末30に送信する。これにより、ユーザは、表現型データを、ユーザ端末30上に保存することができる。
【0111】
また、その後、ユーザはユーザ端末30を用いて、表現型データ検索結果選択フォームに表示されているチェックボックスをチェックすることにより、抽出された表現型データの中から表現型データを選択して、表現型データ選択ボタンB52を押下する。
【0112】
表現型データ選択ボタンB52が押下されたことに応じて、検索装置10の検索部7は、選択された表現型データのプラットフォームID、すなわち、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)に、プラットフォームID(EXPENV_ID)が該当する培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)とを、プラットフォームテーブルT31から検索する。
【0113】
そして、検索装置10の検索部7は、検索したプラットフォームID(EXPENV_ID)と培地ID(MEDIUM_ID)と薬剤ID(DRUG_ID)とサイトロジックID(CYTOLOGY_ID)とを、通信部5を介してユーザ端末30に送信し、図3のプラットフォーム検索画面の画面形式で表示させる。以降は、図3または図4で説明したように、ユーザは、更に、抽出することができる。
【0114】
なお、ここで、ユーザはユーザ端末30を用いて、遺伝子発現データ検索ボタンB31を押下することにより、選択されたプラットフォームID(EXPENV_ID)に該当する遺伝子発現データを遺伝子情報データベース1から抽出することができる。これにより、ユーザは、表現型データベース2から抽出およびスクリーニングした表現型データと同一のプラットフォーム(プラットフォームID(EXPENV_ID))で実験された遺伝子発現データを、遺伝子情報データベース1から抽出することができる。
【0115】
<検索装置10の第1の動作例>
次に、図6を用いて、1つの遺伝子発現データから、1つのプラットフォーム情報を介して、1つの表現型データを検索する場合の、検索装置10の動作について説明する。ここでは、説明を簡単にするために、遺伝子情報データベース1と表現型データベース2とプラットフォーム情報データベース3とに記憶されているそれぞれのプラットフォームを識別する情報が、1:1:1の関係にあるとして説明する。
【0116】
まず、サーバである検索装置10が、たとえば、マイクロアレイ実験情報リスト表示する(ステップS301)。すなわち、検索装置10が、図4に示す遺伝子発現データ検索画面を、ユーザ端末30に表示させる。
【0117】
次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、マイクロアレイ実験IDとして、たとえば、いずれかのアレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)を指定(選択)して、図4の遺伝子発現データ検索入力フォームに入力する(ステップS302)。
【0118】
次に、検索装置10の検索部7が、通信部5を介してユーザ端末30から入力されたアレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)と、参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXP_ENV_ID)が一致するマイクロアレイ実験をマイクロアレイテンプレートテーブルT11から検索する。そして、通信部5が、検索部7が検索したマイクロアレイ実験の結果である遺伝子発現データを、ユーザ端末30に表示させる(ステップS303)。
【0119】
次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、図4の遺伝子発現データ検索結果選択フォームにおいて、テストまたはコントロールの基礎環境IDを選択する(ステップS304)。
【0120】
次に、検索装置10が、表現型実験(例えばSPORE_EXP)の内、指定された胞子発芽実験ID(EXPENV_ID)のプラットフォーム環境で実験された実験のリストを表示する(ステップS305)。たとえば、図3に示すプラットフォーム検索画面とともに、リストを表示する。
【0121】
ここでは、検索装置10の検索部7が、選択された参照実験基礎環境ID(CTRL_EXPENV_ID)またはテスト実験基礎環境ID(TEST_EXPENV_ID)と、実験基礎環境ID(EXPENV_ID)とが一致する表現型データを、胞子発芽実験テーブルT22から検索して、通信部5を介してユーザ端末30に出力して、実験のリストを表示する。また、ここでは、表現型データベース2に含まれている複数のテーブルの中から、ユーザが、胞子発芽実験テーブルT22を選択したものとする。
【0122】
次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、検索条件(例えば、薬剤濃度)の指定をして、再度、検索する(ステップS306)。たとえば、ユーザがユーザ端末30を用いて、図3のプラットフォーム検索情報入力フォームにおいて、「Drag Concentration」の入力欄に、薬剤濃度を入力して、再度検索する。
【0123】
ステップS305とステップS306との動作を繰り返し、ユーザは、実験のリストを絞り込む。その後、ステップS305において、たとえば、ユーザがユーザ端末30を用いて、表現型実験ID(例えば、胞子発芽実験ID(SPORE_EXP_ID))を選択する(ステップS307)。
【0124】
次に、検索装置10が、表現型データの表示をする(ステップS308)。すなわち、ユーザ端末30には、図5に示す表現型データ検索画面の画面形式で、検索された表現型データが表示される。
【0125】
以上、図6を用いて説明した検索装置10の動作により、ユーザは、遺伝子情報データベース1から抽出およびスクリーニングした遺伝子発現データと同一のプラットフォームで実験された表現型データを、表現型データベース2から抽出することができる。
【0126】
<検索装置10の第2の動作例>
次に、図7を用いて、n個の表現型データから、1個のプラットフォーム情報を介して、m個の遺伝子発現データを検索する場合の、検索装置10の動作について説明する。
【0127】
まず、サーバである検索装置10が、表現型実験(例えばSpore)を情報リスト表示する(ステップS401)。たとえば、ユーザ端末30には、図5に示す表現型データ検索画面が表示される。
【0128】
次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、実験条件(例えば、薬剤濃度と胞子の色)の指定を、図5の表現型データ検索入力フォームにより入力する(ステップS402)。
【0129】
次に、検索装置10の検索部7が、検索条件に基づいて、プラットフォームの統計情報(頻度)を表示する(ステップS403)。例えば、図8に示すように、検索装置10の統計処理部8は、検索装置10の検索部7が検索した検索結果について、実験毎の頻度グラフとして、ユーザ端末30に表示させる。次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、統計情報に基づいてプラットフォーム情報(EXPENV_ID)を選択する(ステップS404)。
【0130】
次に、検索装置10が、マイクロアレイ実験(ARRAY_EXP)の内で指定された(TEST and/or CTRLの)EXPENV_IDのプラットフォーム環境で実験された実験のリストを表示する(ステップS405)。
【0131】
次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、検索条件(例えば、薬剤濃度)の指定をして、再度、検索する(ステップS406)。たとえば、ユーザがユーザ端末30を用いて、図4の遺伝子発現データ検索入力フォームにおいて、「Drag Concentration」の入力欄に、薬剤濃度を入力して、再度検索する。
【0132】
ステップS405とステップS406との動作を繰り返し、ユーザは、実験のリストを絞り込む。その後、ステップS405において、ユーザがユーザ端末30を用いて、マイクロアレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)の選択をする(ステップS407)。次に、検索装置10が、マイクロアレイ実験情報の表示をする(ステップS408)。たとえば、図4において、「Expression_ID1」を選択してクリックすることにより、遺伝子発現データの詳細な情報が表示される。
【0133】
以上、図7を用いて説明した検索装置10の動作により、ユーザは、表現型データベース2から抽出およびスクリーニングした表現型データと同一のプラットフォームで実験された遺伝子発現データを、遺伝子情報データベース1から抽出することができる。
【0134】
<検索装置10の第3の動作例>
次に、図9を用いて、1個のプラットフォーム情報から、1個の表現型データまたは1個の遺伝子発現データを検索する場合の、検索装置10の動作について説明する。
【0135】
まず、ユーザがユーザ端末30を用いて、図3のプラットフォーム検索画面において、検索条件(EXPENV_ID and/or DRUG_ID and/or MEDIUM_ID and/or STRAIN_ID)を、プラットフォーム検索情報入力フォームの入力欄に入力して、指定する(ステップS501)。次に、サーバである検索装置10が、検索条件に一致するプラットフォーム情報リスト表示する(ステップS502)。
【0136】
このステップS501とステップS502とを繰り返して、ユーザは、プラットフォーム情報(EXPENV_ID)を絞り込む。その後、ステップS502において、ユーザがユーザ端末30を用いて、プラットフォーム情報(EXPENV_ID)の選択をする(ステップS503)。
【0137】
次に、ステップS503に続いて、検索装置10が、マイクロアレイ実験情報リスト表示する(ステップS504)。次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、検索条件(例えば、薬剤濃度)を指定して、再度、検索する(ステップS505)。ステップS504とステップS505との動作を繰り返し、ユーザは、実験のリストを絞り込む。
【0138】
その後、ステップS504において、ユーザがユーザ端末30を用いて、マイクロアレイ実験ID(ARRAY_EXP_ID)の選択をする(ステップS506)。次に、検索装置10が、マイクロアレイ実験情報の表示をする(ステップS507)。
【0139】
また、ステップS503に続いて、検索装置10が、表現型実験(例えば、Spore)情報リストを表示する(ステップS508)。次に、ユーザがユーザ端末30を用いて、検索条件(例えば、薬剤濃度)を指定して、再度、検索する(ステップS509)。
【0140】
ステップS508とステップS509との動作を繰り返し、ユーザは、実験のリストを絞り込む。その後、ステップS508において、ユーザがユーザ端末30を用いて、表現型実験ID(例えば、SPORE_EXP_ID)の選択をする(ステップS510)。次に、検索装置10が、表現型データの表示をする(ステップS511)。
【0141】
なお、上述したステップS503からステップS504およびステップS508への動作において、ステップS503において、ステップS504とステップS508との動作のうちいずれか一方を選択するようにして、いずれか一方のみが動作するようにしてもよい。また、たとえば、ステップS503から、別画面として、ステップS504とステップS508とを、同時に動作させるようにしてもよい。
【0142】
以上、図9を用いて説明した検索装置10の動作により、ユーザは、プラットフォームを指定することにより、当該指定したプラットフォームに該当する遺伝子発現データを遺伝子情報データベース1から抽出するとことができるとともに、当該指定したプラットフォームに該当する表現型データを表現型データベース2から抽出することができる。すなわち、同一のプラットフォームの遺伝子発現データと表現型データとを抽出することができる。
【0143】
上記に図3から図5、および、図6から図9を用いて説明したように、検索装置10は、遺伝子情報データベース1から抽出およびスクリーニングした遺伝子発現データと同一のプラットフォームで実験された表現型データを、表現型データベース2から抽出することができる。また、検索装置10は、表現型データベース2から抽出およびスクリーニングした表現型データと同一のプラットフォームで実験された遺伝子発現データを、遺伝子情報データベース1から抽出することができる。すなわち、検索装置10は、遺伝子情報データベース1と表現型データベース2との双方からスクリーニングしたプラットフォームに基づいて、双方の情報を対比することができる。
【0144】
なお、図6から図9の説明においては、統計処理部8による一例としての統計処理を、図7のステップS403で実行する場合についてのみ説明したが、これに限られるものではない。たとえば、統計処理部8による統計処理は、検索部7による検索が実行される毎に、その検索結果に対して実行してもよい。また、統計処理部8は、検索部7による検索結果に対する統計処理した情報を、別画面として表示するようにしてもよい。この場合、ユーザは、検索結果に対して統計処理した画面を参照しながら、検索条件を変更することや、検索結果から選択をすることができる。
【0145】
以上説明したように、本実施形態によれば、同じあるいは類似した環境下における細胞または細胞群に対して、その遺伝子発現データと表現型データとを物理的に独立にデータベースに格納しつつ、かつ、論理的に双方を関連付けて格納することで、遺伝子発現データから表現型データ、表現型データから遺伝子発現データへと、柔軟に相互の検索が可能となり、効率的に情報の1次スクリーニングを行うことができる。
【0146】
たとえば、薬剤投与において、マイクロアレイの情報と表現型観測情報との双方のデータをデータベースに格納しておき、このデータベースを用いて双方のデータを利用して、遺伝子のスクリーニングまたは条件(どのような薬剤か?)のスクリーニングを行うことができる。特に上述したように、プラットフォームテーブルT31と薬剤情報テーブルT42とが関連付けられていることにより、すなわち、プラットフォーム識別情報に薬剤情報が含められていることにより、このようなことが可能となる。ここでいう薬剤情報とは、薬剤情報テーブルT42に記憶されている薬剤に関する様々な情報、たとえば、薬剤の名称、分子量などを示す情報のことである。
【0147】
また、クライアント(ユーザ端末30)が、検索された遺伝子発現データと表現型データとをダウンロードすることにより、ローカルで、多変量解析や機械学習処理などの統計解析による2次スクリーニングを行うことができる。
【0148】
このようにして、表現型の情報と遺伝子の情報とを物理的に独立に、かつ、論理的に関連付けてデータベースに格納して検索できるようにすることにより、柔軟に双方向の検索が可能となる。そのため、従来のデータベースよりも、情報のスクリーニングが容易となる。その結果、新規薬剤標的遺伝子の発見や、薬剤のスクリーグを効率的に行うことができ、新規薬剤の開発作業を促進させることができる。
【0149】
なお、本実施形態による検索装置および検索装置を用いた検索システムにおいては、検索装置は、データベースに格納されているデータの解析を行うことよりも、遺伝子発現データと表現型データとを関連づけて、相互検索を簡易に行うことができるデータ格納構造と、検索手法とを、主眼としている。
【0150】
しかしながら、実際には、データベースに格納されているデータ(遺伝子発現データと表現型データ)を統計学的手法で解析して、有用な結果を得る作業が必要となる。本実施形態においては、この統計学的手法を実行する手段(またはプログラム)を、上述した検索システムにおいては本検索装置であるサーバには設置せず、クライアントマシン(ユーザ端末30)に設置するようにしている。すなわち、クライアントマシンに、統計学的手法を実行するためのプログラムがインストールされている。
【0151】
そして、クライアントマシンは、検索装置であるサーバからダウンロードしたデータ(遺伝子発現データと表現型データ)を、当該統計学的手法により解析する。このようにしていることには、次のような理由がある。
【0152】
解析手法は多変量解析や機械学習などの手法が利用されるが、解析手法としては、様々な手法が存在し、クライアントが目的に応じて選択する必要がある。また、マイクロアレイの実験データなど、扱うデータ量が大きい場合には、サーバ側で解析すると、サーバの負荷が大きくなり、クライアントからのリクエストに対するサーバのレスポンスが悪くなる。また、解析手法のアルゴリズムは、技術進歩があるものである。サーバ側で、解析手法のアルゴリズムが更新される都度、解析手法を更新するとした場合には、対応することが困難となる。
【0153】
このような理由のために、本実施形態においては、クライアントが必要なデータを、クライントが簡易に一括してダウンロードできるようにしている。具体的には、図4または図5に示すように、検索結果毎にチェックボックスを付けておき、クライアントが検索結果に応じて、チェックボックスをチェックして、チェックされたチェックボックスのデータを、一括してダウンロードできるようにしている。
【0154】
なお、上記の説明においては遺伝子データが遺伝子発現データである場合について説明したが、遺伝子データは遺伝子発現データに限られるものではない。たとえば、遺伝子データは、生殖細胞由来の遺伝子多型データであってもよいし、体細胞の遺伝子突然変異データであってもよい。この生殖細胞由来の遺伝子多型データとは、たとえば、SNP(一塩基多型)やSTPR(マイクロサテライト多型)のデータである。また、この体細胞の遺伝子突然変異データとは、たとえば、EGFR遺伝子やHER2遺伝子などに代表される体細胞の遺伝子配列の変異のデータである。
【0155】
なお遺伝子情報データベース1には、上述したように、遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されていてもよい。そして、通信部5は、検索部7が検索した検索結果に基づいて、植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報を出力してもよい。ここでいう植物感染とは、たとえば、上述したイネいもち病菌などのことである。これにより、本実施形態による検索装置および検索装置を用いた検索システムを、植物感染の場合に適用することができる。
そして、この場合に通信部5から出力される植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報とは、たとえば、イネいもち病菌の植物感染に関わる遺伝子群と、イネに病斑を与える実験条件下で観察されたイネいもち病菌の付着器形成の有無や生育率や色などの表現型情報である。
【0156】
また、この場合においても、上述したようにプラットフォーム識別情報に薬剤情報が含められていてもよい。これにより、本実施形態による検索装置および検索装置を用いた検索システムを、植物感染の場合に適用することができるとともに、スクリーニングすることにより薬剤の効用を確認することができる。
そして、この場合に通信部5から出力される植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報とは、たとえば、イネいもち病菌の植物感染に関わる遺伝子群と、ある薬剤を投与した実験条件下で観察されたイネいもち病菌の付着器形成の有無や生育率や色などの表現型情報である。
【0157】
なお、上記に説明した実施形態においては、図1に示す検索装置10を、1つのサーバ装置として説明したが、これに限られるものではない。たとえば、遺伝子情報データベース1と、表現型データベース2と、プラットフォーム情報データベース3と、名称情報データベース4とを一体としてデータベースサーバ装置とし、通信部(出力部)5と、検索条件入力部6と、検索部7と、統計処理部8と、選択部9とを一体として、検索サーバ装置としてもよい。
【0158】
また、遺伝子情報データベース1と、表現型データベース2と、プラットフォーム情報データベース3と、名称情報データベース4とを一体としてデータベースサーバ装置とし、通信部(出力部)5をウェブサーバ装置とし、検索条件入力部6と、検索部7と、統計処理部8と、選択部9とを一体として検索サーバ装置としてもよい。すなわち、データベースサーバ、アプリケーションサーバ(検索サーバ装置)、および、ウェブサーバを連携させて、検索装置10による検索サービスが提供されるようにしてもよい。
【0159】
なお、図1および図2に示す各データベースは、当該データベースが有する複数のテーブル(図2参照)を、1つのテーブルとして、一体として有するようにしてもよい。また、検索装置10は、図1および図2に示す複数のデータベースを、1つのデータベースとして、一体とするようにして有するようにしてもよい。
【0160】
なお、図1および図2に示す各データベースは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CR−ROM等の読み出しのみが可能な記憶媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0161】
なお、図1における通信部5と、検索条件入力部6と、検索部7と、統計処理部8と、選択部9とは、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この各部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、この各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0162】
また、図1における通信部5と、検索条件入力部6と、検索部7と、統計処理部8と、選択部9の各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上記各部の機能を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0163】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0164】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0165】
1…遺伝子情報データベース、2…表現型データベース、3…プラットフォーム情報データベース、4…名称情報データベース、5…通信部、6…検索条件入力部、7…検索部、8…統計処理部、9…選択部、10…検索装置、20…ネットワーク、30…ユーザ端末、B31…遺伝子発現データ検索ボタン、B32…表現型データ検索ボタン、B41…遺伝子発現データ検索ボタン、B42…遺伝子発現データ選択ボタン、B43、B53…ダウンロードボタン、B51…表現型データ検索ボタン、B52…表現型データ選択ボタン、T11…マイクロアレイテンプレートテーブル、T12…マイクロアレイ実験情報テーブル、T13…アレイID対応テーブル、T14…アレイチップ情報テーブル、T21…菌糸実験テーブル、T22…胞子発芽実験テーブル、T23…親水面付着器実験テーブル、T24…疎水面付着器実験テーブル、T25…病原性実験テーブル、T31…プラットフォームテーブル、T41…培地情報テーブル、T42…薬剤情報テーブル、T43…サイトロジック情報テーブル、T44…オーガニズム情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースと、
観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースと、
前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が予め記憶されているプラットフォーム情報データベースと、
前記プラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する検索部と、
を有することを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記プラットフォーム情報データベースには、
前記プラットフォーム識別情報と、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件を示す1つまたは複数のパラメータが関連付けて予め記憶されており、
前記検索部が、
入力された1つまたは複数のパラメータの組み合わせに基づいて前記プラットフォーム識別情報を前記プラットフォーム情報データベースから検索し、当該検索したプラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該検索したプラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記検索部が検索したプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報及び当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件の頻度を統計処理する統計処理部、
を有することを特徴とする請求項2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記統計処理部が統計処理したプラットフォーム識別情報及びプラットフォーム識別情報で識別される実験条件の中から、いずれかのプラットフォーム識別情報または実験条件を選択する選択部、
を有し、
前記検索部が、
前記選択部が選択したプラットフォーム識別情報または実験条件に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する、
ことを特徴とする請求項3に記載の検索装置。
【請求項5】
前記1つまたは複数のパラメータの組み合わせを前記検索部に出力する検索条件入力部、
を有し、
前記検索部が、
前記1つまたは複数のパラメータの組み合わせを前記プラットフォーム情報データベースから読み出し、
前記検索条件入力部が、
前記検索部が読み出した1つまたは複数のパラメータの組み合わせのうち、いずれかのパラメータの値を変更し、
前記検索部が、
前記検索条件入力部が変更した1つまたは複数のパラメータの組み合わせに基づいて、前記プラットフォーム識別情報を前記プラットフォーム情報データベースから検索し、当該検索したプラットフォーム識別情報と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該検索したプラットフォーム識別情報と前記表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する、
ことを特徴とする請求項2に記載の検索装置。
【請求項6】
前記検索部が検索した遺伝子データまたは表現型データを出力する出力部、
を有することを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項7】
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースと、
観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースと、
前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報であって、薬剤情報を含むプラットフォーム識別情報が、予め記憶されているプラットフォーム情報データベースと、
前記プラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する検索部と、
を有することを特徴とする検索装置。
【請求項8】
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースと、
観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースと、
前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が予め記憶されているプラットフォーム情報データベースと、
前記プラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する検索部と、
前記検索部による検索結果に基づいて、植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする検索装置。
【請求項9】
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースと、
観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースと、
前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が薬剤情報を含み、予め記憶されているプラットフォーム情報データベースと、
前記プラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを前記遺伝子情報データベースから検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを前記表現型データベースから検索する検索部と、
前記検索部による検索結果に基づいて、植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする検索装置。
【請求項10】
検索装置としてのコンピュータに、
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースから、または、表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースから、前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が予め記憶されているプラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが一致する遺伝子データを検索する、または、当該プラットフォーム識別情報と前記表現型実験プラットフォーム識別情報とが一致する表現型データを検索する検索手順、
を実行させるための検索プログラム。
【請求項11】
検索装置としてのコンピュータに、
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースから、または、観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースから、前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報であって、薬剤情報を含むプラットフォーム識別情報が、予め記憶されているプラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と一致する遺伝子データを検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを検索する検索手順、
を実行させるための検索プログラム。
【請求項12】
検索装置としてのコンピュータに、
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースから、または、観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースから、前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が予め記憶されているプラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを検索する検索手順と、
前記検索手順による検索結果に基づいて、植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報を出力する出力手順と、
を実行させるための検索プログラム。
【請求項13】
検索装置としてのコンピュータに、
遺伝子に関する遺伝子データと、当該遺伝子が抽出された細胞に与えられた実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である遺伝子実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている遺伝子情報データベースから、または、観測された表現型を示す表現型データと、当該表現型となった実験条件であって、植物感染に関する条件を含む実験条件を識別する情報である表現型実験プラットフォーム識別情報とが関連付けて予め記憶されている表現型データベースから、前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報または前記表現型実験プラットフォーム識別情報であるプラットフォーム識別情報が薬剤情報を含み、予め記憶されているプラットフォーム情報データベースに記憶されているプラットフォーム識別情報に基づいて、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記遺伝子実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する遺伝子データを検索する、または、当該プラットフォーム識別情報で識別される実験条件と前記表現型実験プラットフォーム識別情報で識別される実験条件とが一致する表現型データを検索する検索手順と、
前記検索手順による検索結果に基づいて、植物感染における表現型と遺伝子との関連性の情報を出力する出力手順と、
を実行させるための検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−231547(P2010−231547A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79050(P2009−79050)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【出願人】(501167644)独立行政法人農業生物資源研究所 (200)
【Fターム(参考)】