検索装置、方法及びプログラム
【課題】検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能とすること。
【解決手段】スマートフォンなどの検索窓へ検索クエリを入力する際に、語の冒頭の入力を開始するとそれを基に語の候補を表示し、第一の選択操作をすれば検索へ進むが、所定の第二の選択操作をすれば、検索へ進むことなく選択された語を検索窓に表示し、続けて追加の語の入力を受け付ける。このため、まだ追加で入力したい語がある間は第二の選択操作を行うことで検索結果画面への遷移は回避できるので、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能となる。また、日本語入力システムにおけるような未知語に未対応であるため語の全体や一部を入力しても正しく変換できないという問題も解消しつつ、複数の語からなるクエリの入力が可能となる。
【解決手段】スマートフォンなどの検索窓へ検索クエリを入力する際に、語の冒頭の入力を開始するとそれを基に語の候補を表示し、第一の選択操作をすれば検索へ進むが、所定の第二の選択操作をすれば、検索へ進むことなく選択された語を検索窓に表示し、続けて追加の語の入力を受け付ける。このため、まだ追加で入力したい語がある間は第二の選択操作を行うことで検索結果画面への遷移は回避できるので、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能となる。また、日本語入力システムにおけるような未知語に未対応であるため語の全体や一部を入力しても正しく変換できないという問題も解消しつつ、複数の語からなるクエリの入力が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索語の入力に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの分野では、情報入力の効率化が工夫され、一例として、画面表示された見出しのアルファベット(例えば「T」)に指で触れるとその文字から入力される可能性のある音節の候補(「た」「ち」など)が表示され、候補上まで指を移動して離すとその候補が入力される提案が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特に、近年急速に普及したスマートフォンにおける検索のユーザインターフェースでは、文字のタイプ入力を開始すると、音節や文字の単位に留まらない入力補助として、次のような工夫が存在する。すなわち、検索窓などと呼ばれる検索語の入力欄について、入力された部分までの文字から類推される語が候補としてサジェストすなわち推薦表示され、それをタップやフリックなど所定の操作で選択すると、その語を検索クエリすなわち検索キーとした検索が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−191537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような従来技術では、複数の語を組み合わせて検索をする際、最初の語をサジェストされた候補から選択した時点で、一旦不要な検索が実施されてその検索結果が表示され、その後に二語目を入力するしかなく、操作性に乏しいという問題があった。例えば、「天気 渋谷」を検索したい場合、一語目の冒頭(例えば「て」)を入力した時点でサジェストされた語の候補から「天気」を選択し、「天気」の検索結果へ遷移後、「渋谷」を入力する必要があった。
【0006】
しかし、このように不要な検索結果が挟まると、検索結果の待ち時間や表示処理負荷のため二語目の入力操作への応答が円滑でなくなったり、不要な画面遷移による混乱が生じ、また複数の語による目当ての検索結果を確認後に以前の画面に戻ろうとしても、不要な検索結果画面が挟まるなど、希望通りの操作を妨げる無駄が生じるという問題があった。
【0007】
上記の課題に対し、本発明の目的は、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)である検索装置は、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示手段と、前記候補表示手段により表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様(6)である検索方法は、上記態様を方法のカテゴリで捉えたもので、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付処理と、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示処理と、前記候補表示処理で表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力処理と、をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様(7)であるプログラムは、上記態様をコンピュータ・プログラムのカテゴリで捉えたもので、コンピュータを制御することにより、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様(8)であるサーバ装置は、コンピュータを制御することにより、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせるプログラムを、クライアント装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
本発明の上記態様では、スマートフォンなどの検索窓へ検索クエリを入力する際に、語の冒頭の入力を開始するとそれを基に語の候補を表示し、第一の選択操作をすれば検索へ進むが、所定の第二の選択操作(例えば、長押し、フリック、複数指入力等)をすれば、検索へ進むことなく選択された語を検索窓に表示し、続けて追加の語の入力を受け付ける。このため、まだ追加で入力したい語がある間は第二の選択操作を行うことで検索結果画面への遷移は回避できるので、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能となる。
【0013】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語を少なくとも含む複数の語からなるクエリの候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語と組み合わせるための一以上の語からなる候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様(4)は、上記いずれかの態様において、前記第二の選択操作は、表示された前記候補の表示領域に対して、タッチ操作を予め定められた時間続ける長押しであることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の態様(5)は、上記いずれかの態様において、前記追加入力手段は、前記候補の語と共に、予め定められた区切り文字を前記検索窓に追加表示することを特徴とする。
【0017】
なお、上記の各態様は、明記しない他のカテゴリ(方法、プログラム、システムなど)としても把握することができ、方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、「処理」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめてもしくは随時一部分ずつ実行するなど、変更可能である。さらに、個々の手段、処理やステップを実現、実行する端末などのコンピュータは共通でもよいし、手段、処理やステップごとにもしくはタイミングごとに異なってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態について構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態におけるデータ例を示す図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図5】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図6】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図7】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図9】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図10】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って例示する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項は適宜省略する。
【0021】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1の構成図に示す検索装置1(以下「本装置1」や「本装置」とも呼ぶ)に関するもので、本装置1は、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットPCなどの携帯情報端末や、その他のパーソナルコンピュータなどである。この本装置1は、コンピュータの構成として少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置7と、通信ネットワークN(例えば、携帯電話、PHS、公衆無線LANなどの移動通信網、インターネットなど)との通信手段8(移動通信網との通信回路、無線LANアダプタなど)と、を有する。
【0022】
また、本装置1は、上記のようなコンピュータの構成に加え、タッチパネル機能付きの液晶や有機EL等の表示画面G(以下「タッチパネル画面G」や「タッチパネル画面」、単に「画面G」や「画面」とも呼ぶ)を有する。
【0023】
この本装置1では、記憶装置7に記憶(インストール)した所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(20,30ほか)を実現する。ここでいうコンピュータ・プログラムの種類は自由で、例えば、スマートフォンのアプリケーション・プログラム(「アプリ」とも呼ぶ)の他、ウェブサーバから配信されるHTMLやスクリプトなどウェブページのデータ、オペレーティング・システムなどの基本ソフトウェアや、それらのプラグイン・ソフトウェアに代表される機能拡張モジュール、その他の種類でもよい。
【0024】
また、実現される要素のうち情報の記憶手段の態様は自由で、記憶装置7上のファイルなど任意のデータ形式で実現できるほか、ネットワーク・コンピューティング(クラウド)によるリモート記憶などでもよい。また、記憶手段は、データの格納領域だけでなく、データの入出力や管理などの機能を含んでもよい。また、本出願に示す記憶手段の単位は説明上の便宜によるもので、適宜、構成を分けたり一体化できるほか、明示する記憶手段以外にも、各手段の処理データや処理結果などを記憶する記憶手段を適宜用いるものとする。
【0025】
なお、図中(例えば図1)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れを否定するものでも、方向の限定を意味するものでもない。例えばデータをある方向に取得する場合、必要に応じ事前のデータリクエストや事後のアクノリッジ(ACK:確認応答)が逆方向に送信される。また、記憶手段以外の各手段は、以下に説明するような情報処理の機能・作用(例えば図3)を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0026】
〔2.作用効果〕
上記のように構成された本装置1においてタッチ操作による語句の選択を実現する処理手順を図3のフローチャートに示す。
【0027】
〔2−1.第一の選択操作と検索処理〕
すなわち、まず、入力受付手段20が、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けると(ステップS11)、候補表示手段30は、入力が受け付けられた文字を基に語の候補を、予め定められたサーバ2(例えばウェブ検索のサーバ装置)から、その検索ログなどを基に取得して表示する(ステップS12)。取得した語の候補は例えば候補語記憶手段35に一時的に記憶し、選択されなかった候補は削除する。
【0028】
そして、検索実行手段40は、候補表示手段30により表示された候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作を受け付けると(ステップS13、ステップS14:「第一の選択操作」)、所定の情報処理を実行する(ステップS15)。
【0029】
ここでいう第一の選択操作は、具体的には自由であるが、例えば、表示された語の候補に対するタップ操作である。タップ操作は、本装置1の静電容量方式等の検出回路と基本ソフトウェアにより、指で画面Gへタッチしその後所定時間内に離す操作として検出する。
【0030】
また、この第一の操作に基づく情報処理はここでは、検索窓に表示されている語に基づく検索であり、具体的には、その第一の選択操作の前に検索窓に表示されていた一以上の語があればその語と、その第一の選択操作で選択された候補の語と、を検索キーすなわち検索クエリとした検索であり、検索の種類は、ウェブ検索、画像検索、動画検索、ブログ検索、地図検索など自由である。
【0031】
例えば、画面Gにおいて、図4に例示するような所謂ソフトウェア・キーボードKにより、検索窓Wに文字「て」を入力した時点で、図5の状態に画面表示が変化し、入力された文字「て」を基に語の候補として、「天気予報」「天気」「テレビ」…などがそれぞれの領域A1,A2,A3…に表示される。この状態で「天気」の領域A2内を、第一の選択操作として例えば指Fでタップ操作すれば、「天気」を検索キー(いわゆる検索語、検索クエリ)とした検索結果の画面に遷移する(図示省略)。
【0032】
なお、ソフトウェア・キーボードKと、語の候補の各領域A1,A2…は、図4と図5のように切り替わるのではなく、画面Gの下側と上側のように異なる領域に同時並行して表示されているのでもよい。
【0033】
〔2−2.第二の選択操作と追加の語の受付〕
また、追加入力手段50は、候補表示手段30により表示された候補に対し、前記第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると(ステップS13、ステップS14:「第二の選択操作」)、上記の画面変化(検索)へ進むことなく、その候補の語を検索窓に追加表示すると共に(ステップS16)、追加の語に係る文字の入力を入力受付手段20に受け付けさせる(ステップS11)。
【0034】
ここで、第二の選択操作は、第一の操作と異なる操作であればよく、例えば、フリック操作や、複数の指で同時にタッチするマルチタッチ操作など自由である。フリック操作は、画面Gへ触れている指の範囲が所定以上の速度で移動後、接触が終了する操作として検出し、マルチタッチ操作は、画面Gの複数個所に同時に指が触れる操作として検出する。
【0035】
より好ましくは、第二の選択操作は、表示された候補の表示領域に対して、タッチ操作を予め定められた時間続ける、所謂「長押し」操作である。例えば、図5の状態において、「天気」の領域A2内を第二の選択操作として指Fで1〜3秒程度、長押し操作すれば、検索へ進むことなく、図6に例示するように、その候補の語(ここでは「天気」)を検索窓Wに追加表示すると共に、追加の語に係る文字の入力を入力受付手段20が受け付けるソフトウェア・キーボードKの画面へ遷移する。
【0036】
〔2−3.候補の表示態様〕
また、第二の選択操作に基づいて、検索へ進まず、さらに語を受け付ける場合、追加の語に係る文字をソフトウェア・キーボードなどで手入力する(例えば図6)以外にも、いわゆる関連検索ワードなどとして、さらに候補の語を表示してもよい。このように第二の選択操作に基づいて、さらに候補を表示する場合、選択された候補の語を含めて表示してもよいし(例えば図7)、含めず表示してもよい(例えば図8)。
【0037】
選択された候補の語を含めて表示する場合(図7)、追加入力手段50は、第二の選択操作に基づいて、選択された候補の語を少なくとも含む複数の語からなるクエリの候補をサーバから取得して表示する。例えば、図2のデータ例に示すように、選択された候補の語「天気」と、追加の語の候補「台風」「過去」「東京」をそれぞれ組み合わせて二語ずつのペアとしたクエリの候補をサーバから取得し、表示している画面例が図7である。
【0038】
また、選択された候補の語を含めず表示する場合(図8)、追加入力手段50は、第二の選択操作に基づいて、選択された候補の語と組み合わせるための一以上の語からなる候補をサーバから取得して表示する。例えば、図2のデータ例のうち、選択された候補の語「天気」と組み合わせるための追加の語の候補「台風」「過去」「東京」の部分のみをサーバから取得し、追加の語の候補として表示している画面例が図8である。
【0039】
なお、本実施形態では、図6から図8のように、追加入力手段50が候補の語を検索窓Wに追加表示する際、候補の語と共に、予め定められた区切り文字を検索窓Wに追加表示する。区切り文字の具体的種類は自由で、1文字にも限らないので、全角や半角のカンマや「 and 」などの論理演算子でもよいが、ここでは、全角や半角のスペース(空白)とする。
【0040】
また、上記のように表示するクエリの候補や追加の語の候補は、選択された候補の語(上記の例では「天気」)と組み合わせて指定される場合が多い、いわゆる関連検索ワードでもよいし(図7や図8の例)、そのような関連検索ワード又は全ての語の中で、検索窓に新たに入力が開始された文字で始まる語でもよい(図9)。図9の例では、追加の語の候補として、関連検索ワードではないが、検索窓Wに新たに入力が開始された文字「しぶ」で始まる語であって多く検索される「渋谷」「渋川市」などが候補の語として表示されている。
【0041】
〔2−4.複数語による検索処理〕
例えば上記のような図9の状態で、領域A1に表示されている「渋谷」が所望の追加の語である場合、「渋谷」の領域A1内を、第一の選択操作として例えば指Fでタップ操作すれば、「天気 渋谷」を検索キー(いわゆる検索語、検索クエリ)としたAND検索の検索結果Rを表示する画面Gに遷移する(例えば図10)。
【0042】
〔3.効果〕
(1) 以上のように本実施形態では、スマートフォンなどの検索窓Wへ検索クエリを入力する際に、語の冒頭の入力を開始するとそれを基に語の候補を表示し、第一の選択操作をすれば検索へ進むが(図3のステップS15)、所定の第二の選択操作をすれば、検索へ進むことなく選択された語を検索窓に表示し(ステップS16)、続けて追加の語の入力を受け付ける(ステップS11)。このため、まだ追加で入力したい語がある間は第二の選択操作を行うことで検索結果画面への遷移は回避できるので、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能となる。
【0043】
また、日本語入力システムにおけるような未知語に未対応であるため語の全体や一部を入力しても正しく変換できないという問題も解消しつつ、複数の語からなるクエリの入力が可能となる。
【0044】
(2) 特に、本実施形態では、第二の選択操作があった場合、任意の文字の入力も受け付ける一方(例えば図6)、第二の選択操作で選択された候補の語に他の語を組み合わせたクエリの候補をサーバから検索ログなどに基づくサジェストとして取得、表示することで(例えば図7)、組み合わせる全ての語を一度に確認しながら、クエリの入力をさらに効率化できる。
【0045】
(3) さらに、本実施形態では、第二の選択操作があった場合、任意の文字の入力も受け付ける一方、第二の選択操作で選択された候補の語と組み合わせるための他の語である候補をサーバから検索ログなどに基づくサジェストとして取得、表示することで(例えば図8)、スマートフォンなど携帯端末の限られた画面領域を節約しつつ、クエリの入力をさらに効率化できる。
【0046】
(4) とりわけ、本実施形態では、表示された候補の表示領域を長押しする操作で(例えば図5)、検索に進まずさらなる語の入力へ進むことにより(例えば図6)、タッチ操作の長短で第一と第二の選択操作を使い分けることができるので、優れた使い勝手が実現できる。
【0047】
(5) 加えて、本実施形態では、第二の選択操作で、検索へ進まず語を検索窓に追加表示する際、次の語と区切る空白文字などの区切り文字も検索窓に追加表示することにより(例えば図6)、ユーザが改めて区切り文字を入力せずに済むので、検索における入力の使い勝手が改善できる。
【0048】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における構成図、データの図、フローチャートなどは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。一例として、第一の選択操作により最終的に選択された語の組に基づく画面変換や情報処理の内容は、ウェブ検索に限らず、レシピ検索や所定のウェブサイト内のコンテンツの検索、本体やサーバによるメモ帳機能や一時記憶領域への記憶の単語登録など自由である。
【0049】
また、本装置1を構成する個々の手段を実現する態様は自由で、外部のサーバが提供している機能をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワーク・コンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出して実現するなど、本発明の構成は柔軟に変更できる。加えて、本発明は、本装置1を実現するプログラムを配信するサーバ2やその他のサーバ装置としても把握できる。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 検索装置
2 サーバ
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
20 入力受付手段
30 候補表示手段
35 候補語記憶手段
40 検索実行手段
50 追加入力手段
A1,A2,A3 領域
F 指
G 画面
K ソフトウェア・キーボード
N 通信ネットワーク
W 検索窓
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索語の入力に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの分野では、情報入力の効率化が工夫され、一例として、画面表示された見出しのアルファベット(例えば「T」)に指で触れるとその文字から入力される可能性のある音節の候補(「た」「ち」など)が表示され、候補上まで指を移動して離すとその候補が入力される提案が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特に、近年急速に普及したスマートフォンにおける検索のユーザインターフェースでは、文字のタイプ入力を開始すると、音節や文字の単位に留まらない入力補助として、次のような工夫が存在する。すなわち、検索窓などと呼ばれる検索語の入力欄について、入力された部分までの文字から類推される語が候補としてサジェストすなわち推薦表示され、それをタップやフリックなど所定の操作で選択すると、その語を検索クエリすなわち検索キーとした検索が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−191537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような従来技術では、複数の語を組み合わせて検索をする際、最初の語をサジェストされた候補から選択した時点で、一旦不要な検索が実施されてその検索結果が表示され、その後に二語目を入力するしかなく、操作性に乏しいという問題があった。例えば、「天気 渋谷」を検索したい場合、一語目の冒頭(例えば「て」)を入力した時点でサジェストされた語の候補から「天気」を選択し、「天気」の検索結果へ遷移後、「渋谷」を入力する必要があった。
【0006】
しかし、このように不要な検索結果が挟まると、検索結果の待ち時間や表示処理負荷のため二語目の入力操作への応答が円滑でなくなったり、不要な画面遷移による混乱が生じ、また複数の語による目当ての検索結果を確認後に以前の画面に戻ろうとしても、不要な検索結果画面が挟まるなど、希望通りの操作を妨げる無駄が生じるという問題があった。
【0007】
上記の課題に対し、本発明の目的は、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)である検索装置は、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示手段と、前記候補表示手段により表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様(6)である検索方法は、上記態様を方法のカテゴリで捉えたもので、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付処理と、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示処理と、前記候補表示処理で表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力処理と、をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様(7)であるプログラムは、上記態様をコンピュータ・プログラムのカテゴリで捉えたもので、コンピュータを制御することにより、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様(8)であるサーバ装置は、コンピュータを制御することにより、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせるプログラムを、クライアント装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
本発明の上記態様では、スマートフォンなどの検索窓へ検索クエリを入力する際に、語の冒頭の入力を開始するとそれを基に語の候補を表示し、第一の選択操作をすれば検索へ進むが、所定の第二の選択操作(例えば、長押し、フリック、複数指入力等)をすれば、検索へ進むことなく選択された語を検索窓に表示し、続けて追加の語の入力を受け付ける。このため、まだ追加で入力したい語がある間は第二の選択操作を行うことで検索結果画面への遷移は回避できるので、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能となる。
【0013】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語を少なくとも含む複数の語からなるクエリの候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語と組み合わせるための一以上の語からなる候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様(4)は、上記いずれかの態様において、前記第二の選択操作は、表示された前記候補の表示領域に対して、タッチ操作を予め定められた時間続ける長押しであることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の態様(5)は、上記いずれかの態様において、前記追加入力手段は、前記候補の語と共に、予め定められた区切り文字を前記検索窓に追加表示することを特徴とする。
【0017】
なお、上記の各態様は、明記しない他のカテゴリ(方法、プログラム、システムなど)としても把握することができ、方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、「処理」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめてもしくは随時一部分ずつ実行するなど、変更可能である。さらに、個々の手段、処理やステップを実現、実行する端末などのコンピュータは共通でもよいし、手段、処理やステップごとにもしくはタイミングごとに異なってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態について構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態におけるデータ例を示す図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図5】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図6】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図7】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図9】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図10】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って例示する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項は適宜省略する。
【0021】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1の構成図に示す検索装置1(以下「本装置1」や「本装置」とも呼ぶ)に関するもので、本装置1は、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットPCなどの携帯情報端末や、その他のパーソナルコンピュータなどである。この本装置1は、コンピュータの構成として少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置7と、通信ネットワークN(例えば、携帯電話、PHS、公衆無線LANなどの移動通信網、インターネットなど)との通信手段8(移動通信網との通信回路、無線LANアダプタなど)と、を有する。
【0022】
また、本装置1は、上記のようなコンピュータの構成に加え、タッチパネル機能付きの液晶や有機EL等の表示画面G(以下「タッチパネル画面G」や「タッチパネル画面」、単に「画面G」や「画面」とも呼ぶ)を有する。
【0023】
この本装置1では、記憶装置7に記憶(インストール)した所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(20,30ほか)を実現する。ここでいうコンピュータ・プログラムの種類は自由で、例えば、スマートフォンのアプリケーション・プログラム(「アプリ」とも呼ぶ)の他、ウェブサーバから配信されるHTMLやスクリプトなどウェブページのデータ、オペレーティング・システムなどの基本ソフトウェアや、それらのプラグイン・ソフトウェアに代表される機能拡張モジュール、その他の種類でもよい。
【0024】
また、実現される要素のうち情報の記憶手段の態様は自由で、記憶装置7上のファイルなど任意のデータ形式で実現できるほか、ネットワーク・コンピューティング(クラウド)によるリモート記憶などでもよい。また、記憶手段は、データの格納領域だけでなく、データの入出力や管理などの機能を含んでもよい。また、本出願に示す記憶手段の単位は説明上の便宜によるもので、適宜、構成を分けたり一体化できるほか、明示する記憶手段以外にも、各手段の処理データや処理結果などを記憶する記憶手段を適宜用いるものとする。
【0025】
なお、図中(例えば図1)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れを否定するものでも、方向の限定を意味するものでもない。例えばデータをある方向に取得する場合、必要に応じ事前のデータリクエストや事後のアクノリッジ(ACK:確認応答)が逆方向に送信される。また、記憶手段以外の各手段は、以下に説明するような情報処理の機能・作用(例えば図3)を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0026】
〔2.作用効果〕
上記のように構成された本装置1においてタッチ操作による語句の選択を実現する処理手順を図3のフローチャートに示す。
【0027】
〔2−1.第一の選択操作と検索処理〕
すなわち、まず、入力受付手段20が、画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けると(ステップS11)、候補表示手段30は、入力が受け付けられた文字を基に語の候補を、予め定められたサーバ2(例えばウェブ検索のサーバ装置)から、その検索ログなどを基に取得して表示する(ステップS12)。取得した語の候補は例えば候補語記憶手段35に一時的に記憶し、選択されなかった候補は削除する。
【0028】
そして、検索実行手段40は、候補表示手段30により表示された候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作を受け付けると(ステップS13、ステップS14:「第一の選択操作」)、所定の情報処理を実行する(ステップS15)。
【0029】
ここでいう第一の選択操作は、具体的には自由であるが、例えば、表示された語の候補に対するタップ操作である。タップ操作は、本装置1の静電容量方式等の検出回路と基本ソフトウェアにより、指で画面Gへタッチしその後所定時間内に離す操作として検出する。
【0030】
また、この第一の操作に基づく情報処理はここでは、検索窓に表示されている語に基づく検索であり、具体的には、その第一の選択操作の前に検索窓に表示されていた一以上の語があればその語と、その第一の選択操作で選択された候補の語と、を検索キーすなわち検索クエリとした検索であり、検索の種類は、ウェブ検索、画像検索、動画検索、ブログ検索、地図検索など自由である。
【0031】
例えば、画面Gにおいて、図4に例示するような所謂ソフトウェア・キーボードKにより、検索窓Wに文字「て」を入力した時点で、図5の状態に画面表示が変化し、入力された文字「て」を基に語の候補として、「天気予報」「天気」「テレビ」…などがそれぞれの領域A1,A2,A3…に表示される。この状態で「天気」の領域A2内を、第一の選択操作として例えば指Fでタップ操作すれば、「天気」を検索キー(いわゆる検索語、検索クエリ)とした検索結果の画面に遷移する(図示省略)。
【0032】
なお、ソフトウェア・キーボードKと、語の候補の各領域A1,A2…は、図4と図5のように切り替わるのではなく、画面Gの下側と上側のように異なる領域に同時並行して表示されているのでもよい。
【0033】
〔2−2.第二の選択操作と追加の語の受付〕
また、追加入力手段50は、候補表示手段30により表示された候補に対し、前記第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると(ステップS13、ステップS14:「第二の選択操作」)、上記の画面変化(検索)へ進むことなく、その候補の語を検索窓に追加表示すると共に(ステップS16)、追加の語に係る文字の入力を入力受付手段20に受け付けさせる(ステップS11)。
【0034】
ここで、第二の選択操作は、第一の操作と異なる操作であればよく、例えば、フリック操作や、複数の指で同時にタッチするマルチタッチ操作など自由である。フリック操作は、画面Gへ触れている指の範囲が所定以上の速度で移動後、接触が終了する操作として検出し、マルチタッチ操作は、画面Gの複数個所に同時に指が触れる操作として検出する。
【0035】
より好ましくは、第二の選択操作は、表示された候補の表示領域に対して、タッチ操作を予め定められた時間続ける、所謂「長押し」操作である。例えば、図5の状態において、「天気」の領域A2内を第二の選択操作として指Fで1〜3秒程度、長押し操作すれば、検索へ進むことなく、図6に例示するように、その候補の語(ここでは「天気」)を検索窓Wに追加表示すると共に、追加の語に係る文字の入力を入力受付手段20が受け付けるソフトウェア・キーボードKの画面へ遷移する。
【0036】
〔2−3.候補の表示態様〕
また、第二の選択操作に基づいて、検索へ進まず、さらに語を受け付ける場合、追加の語に係る文字をソフトウェア・キーボードなどで手入力する(例えば図6)以外にも、いわゆる関連検索ワードなどとして、さらに候補の語を表示してもよい。このように第二の選択操作に基づいて、さらに候補を表示する場合、選択された候補の語を含めて表示してもよいし(例えば図7)、含めず表示してもよい(例えば図8)。
【0037】
選択された候補の語を含めて表示する場合(図7)、追加入力手段50は、第二の選択操作に基づいて、選択された候補の語を少なくとも含む複数の語からなるクエリの候補をサーバから取得して表示する。例えば、図2のデータ例に示すように、選択された候補の語「天気」と、追加の語の候補「台風」「過去」「東京」をそれぞれ組み合わせて二語ずつのペアとしたクエリの候補をサーバから取得し、表示している画面例が図7である。
【0038】
また、選択された候補の語を含めず表示する場合(図8)、追加入力手段50は、第二の選択操作に基づいて、選択された候補の語と組み合わせるための一以上の語からなる候補をサーバから取得して表示する。例えば、図2のデータ例のうち、選択された候補の語「天気」と組み合わせるための追加の語の候補「台風」「過去」「東京」の部分のみをサーバから取得し、追加の語の候補として表示している画面例が図8である。
【0039】
なお、本実施形態では、図6から図8のように、追加入力手段50が候補の語を検索窓Wに追加表示する際、候補の語と共に、予め定められた区切り文字を検索窓Wに追加表示する。区切り文字の具体的種類は自由で、1文字にも限らないので、全角や半角のカンマや「 and 」などの論理演算子でもよいが、ここでは、全角や半角のスペース(空白)とする。
【0040】
また、上記のように表示するクエリの候補や追加の語の候補は、選択された候補の語(上記の例では「天気」)と組み合わせて指定される場合が多い、いわゆる関連検索ワードでもよいし(図7や図8の例)、そのような関連検索ワード又は全ての語の中で、検索窓に新たに入力が開始された文字で始まる語でもよい(図9)。図9の例では、追加の語の候補として、関連検索ワードではないが、検索窓Wに新たに入力が開始された文字「しぶ」で始まる語であって多く検索される「渋谷」「渋川市」などが候補の語として表示されている。
【0041】
〔2−4.複数語による検索処理〕
例えば上記のような図9の状態で、領域A1に表示されている「渋谷」が所望の追加の語である場合、「渋谷」の領域A1内を、第一の選択操作として例えば指Fでタップ操作すれば、「天気 渋谷」を検索キー(いわゆる検索語、検索クエリ)としたAND検索の検索結果Rを表示する画面Gに遷移する(例えば図10)。
【0042】
〔3.効果〕
(1) 以上のように本実施形態では、スマートフォンなどの検索窓Wへ検索クエリを入力する際に、語の冒頭の入力を開始するとそれを基に語の候補を表示し、第一の選択操作をすれば検索へ進むが(図3のステップS15)、所定の第二の選択操作をすれば、検索へ進むことなく選択された語を検索窓に表示し(ステップS16)、続けて追加の語の入力を受け付ける(ステップS11)。このため、まだ追加で入力したい語がある間は第二の選択操作を行うことで検索結果画面への遷移は回避できるので、検索結果を挟まずに続けて他の語も入力可能となる。
【0043】
また、日本語入力システムにおけるような未知語に未対応であるため語の全体や一部を入力しても正しく変換できないという問題も解消しつつ、複数の語からなるクエリの入力が可能となる。
【0044】
(2) 特に、本実施形態では、第二の選択操作があった場合、任意の文字の入力も受け付ける一方(例えば図6)、第二の選択操作で選択された候補の語に他の語を組み合わせたクエリの候補をサーバから検索ログなどに基づくサジェストとして取得、表示することで(例えば図7)、組み合わせる全ての語を一度に確認しながら、クエリの入力をさらに効率化できる。
【0045】
(3) さらに、本実施形態では、第二の選択操作があった場合、任意の文字の入力も受け付ける一方、第二の選択操作で選択された候補の語と組み合わせるための他の語である候補をサーバから検索ログなどに基づくサジェストとして取得、表示することで(例えば図8)、スマートフォンなど携帯端末の限られた画面領域を節約しつつ、クエリの入力をさらに効率化できる。
【0046】
(4) とりわけ、本実施形態では、表示された候補の表示領域を長押しする操作で(例えば図5)、検索に進まずさらなる語の入力へ進むことにより(例えば図6)、タッチ操作の長短で第一と第二の選択操作を使い分けることができるので、優れた使い勝手が実現できる。
【0047】
(5) 加えて、本実施形態では、第二の選択操作で、検索へ進まず語を検索窓に追加表示する際、次の語と区切る空白文字などの区切り文字も検索窓に追加表示することにより(例えば図6)、ユーザが改めて区切り文字を入力せずに済むので、検索における入力の使い勝手が改善できる。
【0048】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における構成図、データの図、フローチャートなどは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。一例として、第一の選択操作により最終的に選択された語の組に基づく画面変換や情報処理の内容は、ウェブ検索に限らず、レシピ検索や所定のウェブサイト内のコンテンツの検索、本体やサーバによるメモ帳機能や一時記憶領域への記憶の単語登録など自由である。
【0049】
また、本装置1を構成する個々の手段を実現する態様は自由で、外部のサーバが提供している機能をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワーク・コンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出して実現するなど、本発明の構成は柔軟に変更できる。加えて、本発明は、本装置1を実現するプログラムを配信するサーバ2やその他のサーバ装置としても把握できる。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 検索装置
2 サーバ
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
20 入力受付手段
30 候補表示手段
35 候補語記憶手段
40 検索実行手段
50 追加入力手段
A1,A2,A3 領域
F 指
G 画面
K ソフトウェア・キーボード
N 通信ネットワーク
W 検索窓
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示手段と、
前記候補表示手段により表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力手段と、
を備えたことを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語を少なくとも含む複数の語からなるクエリの候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする請求項1記載の検索装置。
【請求項3】
前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語と組み合わせるための一以上の語からなる候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする請求項1記載の検索装置。
【請求項4】
前記第二の選択操作は、表示された前記候補の表示領域に対して、タッチ操作を予め定められた時間続ける長押しであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項5】
前記追加入力手段は、前記候補の語と共に、予め定められた区切り文字を前記検索窓に追加表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項6】
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示処理と、
前記候補表示処理で表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力処理と、
をコンピュータが実行することを特徴とする検索方法。
【請求項7】
コンピュータを制御することにより、
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、
表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータを制御することにより、
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、
表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせる
プログラムを、クライアント装置へ送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項1】
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示手段と、
前記候補表示手段により表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力手段と、
を備えたことを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語を少なくとも含む複数の語からなるクエリの候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする請求項1記載の検索装置。
【請求項3】
前記追加入力手段は、前記第二の選択操作に基づいて、選択された前記候補の語と組み合わせるための一以上の語からなる候補を前記サーバから取得して表示することを特徴とする請求項1記載の検索装置。
【請求項4】
前記第二の選択操作は、表示された前記候補の表示領域に対して、タッチ操作を予め定められた時間続ける長押しであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項5】
前記追加入力手段は、前記候補の語と共に、予め定められた区切り文字を前記検索窓に追加表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項6】
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示する候補表示処理と、
前記候補表示処理で表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けると、その候補の語を前記検索窓に追加表示すると共に、追加の語に係る前記文字の入力を前記入力受付手段に受け付けさせる追加入力処理と、
をコンピュータが実行することを特徴とする検索方法。
【請求項7】
コンピュータを制御することにより、
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、
表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータを制御することにより、
画面表示されている検索窓への文字の入力を受け付けさせ、
前記入力が受け付けられた前記文字を基に語の候補を、予め定められたサーバから取得して表示させ、
表示された前記候補に対し、予め定められた画面変化を生じさせる第一の選択操作とは異なる第二の選択操作を受け付けることに応じ、その候補の語を前記検索窓に追加表示させると共に、追加の語に係る前記文字の入力を受け付けさせる
プログラムを、クライアント装置へ送信することを特徴とするサーバ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−65157(P2013−65157A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202845(P2011−202845)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
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