説明

検索語候補出力装置、検索装置、検索語候補出力方法及び検索語候補出力用プログラム並びにデータ構造

【課題】キーワードとしての的確性を担保しつつ、簡易な構成で且つ理解し易い状態でキーワードの内容を認識して決定することを可能とする。
【解決手段】キーワードとして入力される語句と、キーワードとしての語句の属性を示す属性情報と、からなる語句−属性情報対を記憶するキーワード種別データベース12と、属性情報と、当該属性情報により属性が示される語句と共に入力されることが予測される文と、からなる属性情報−文対を記憶する次ワード予測候補データベース11と、語句−属性情報対に基づいて語句に対応する属性情報をキーワード種別データベース12から抽出し、属性情報と共に属性情報−文対を構成する文を属性情報−文対に基づいて次ワード予測候補データベース11から抽出する次ワード予測候補抽出部3と、入力された語句と抽出された文とをキーワードの候補として表示するディスプレイ9と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、検索語候補出力装置、検索装置、検索語候補出力方法及び検索語候補出力用プログラム並びにデータ構造の技術分野に属する。より詳細には、例えば地点等の検索に用いられる検索語を決定するための候補を出力する検索語候補出力装置及び検索語候補出力方法、当該検索語候補出力装置を含む検索装置並びに当該検索語候補出力装置用のプログラム並びにデータ構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばナビゲーション装置における目的地の検索時等においては、自由な形式で入力された検索語を用いて検索を行う方式、いわゆるフリーキーワード検索方式が用いられる。この検索方式では、予め決定されている形式又は語句ではなく自由な語句を用いたキーワードの入力が可能であり、例えば不慣れな使用者であっても検索が可能となる等の利点を有している。
【0003】
一方、当該フリーキーワード検索方式として最近では、先に検索用に入力された語句に基づいて当該語句に続いて入力されるであろう語句を検索装置において予測して表示し、その予測される語句を一又は複数表示することが為されている。この構成により、表示されている語句の中から使用者が所望の語句を選ぶ操作を行うことで、入力すべき語句を全て自ら入力する場合に比して極めて少ない労力で検索語としての語句を入力することができる。
【0004】
上記の処理は、一般には予測変換処理と称されるが、これに関連する従来技術としては、例えば下記特許文献1及び2が挙げられる。このとき、下記特許文献1では、テレビジョン放送の視聴中に文字入力がされる場合において、当該テレビジョン放送に多重化されている文字情報を解析し、その放送内容を示すキーワードを、文字入力に係る入力候補として告知する構成が開示されている。また下記特許文献2では、入力されたテキスト情報に含まれる語句を識別し、当該識別した語句における難易度をデータベースとの照合により判定し、難易度が既定水準を上回る語句をキーワードの候補として告知する構成が開示されている。
【0005】
ここで、上記フリーキーワード検索方式では、検索語としての語句の入力時において複数種類の名称等を一括入力することが可能とされるが、夫々の名称等の間(区切り)は、空白又はそれ専用の文字コードで区切る方法が用いられる。また、検索方法(具体的には、「そのジャンルに属する施設を検索する」又は「その名称を含む施設を検索する」等の検索方法)の指定に用いる語句については、自動的に決定する方式と、検索実行前に予めいわゆるアイコンやメニューリストから選択する方式と、がある。更に、いわゆるドロップダウンリストを表示して各語句やそれが有する検索語としての属性を指定する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−301693公報
【特許文献2】特開2008−27186公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記各特許文献等に例示される予測変換を用いた従来のフリーキーワード検索方式によると、先ずドロップダウンリストを用いる方式では、複数の名称等を入力する場合は、当該入力する名称等の数だけドロップダウンリスト等を準備する必要があり、検索入力画面としての構成が煩雑化し且つディスプレイ上で物理的に大きな領域を占めることとなるという問題点がある。
【0008】
また、上記検索方法を自動的に決定する方式では、使用者が意図しない検索方法が選択されてしまい、結果として所望の検索結果が得られない場合があるという問題点がある。
【0009】
更に、上記アイコンやメニューリストを用いる方式では、それを用いることにより検索方法がどのように変化するかが直感的には判り難く、それを理解するためには取扱説明書等を読まなければならない場合があるという問題点があった。更には当該メニューリスト自体を表示させるために複数段階の操作が必要となり、結果的に移動時等において迅速に必要な検索結果が得られない場合があるという問題点もあった。
【0010】
そこで、本願は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、検索語としての的確性を担保しつつ、簡易な構成で且つ理解し易い状態で検索語の内容を認識して決定することが可能な検索語候補出力装置及び検索語候補出力方法、当該検索語候補出力装置を含む検索装置並びに当該検索語候補出力装置用のプログラム並びにデータ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、検索に用いられる検索語として入力されることが予測される語句と、当該語句の当該検索語としての属性を示す属性情報と、からなる対を語句−属性情報対として記憶するキーワード種別データベース等の第1記憶手段と、前記属性情報と、当該属性情報により前記属性が示される前記語句と共に入力されることが予測される文と、からなる対を属性情報−文対として記憶する次ワード予測候補データベース等の第2記憶手段と、前記記憶されている語句−属性情報対に基づいて、入力された前記語句の前記検索語としての前記属性を示す前記属性情報を前記第1記憶手段から抽出する次ワード予測候補抽出部等の属性情報抽出手段と、前記記憶されている属性情報−文対に基づいて、前記抽出された属性情報と共に当該属性情報−文対を構成する前記文を前記第2記憶手段から抽出する次ワード予測候補抽出部等の文抽出手段と、前記入力された語句と、前記文抽出手段により抽出された前記文と、を、前記検索語の候補として出力するディスプレイ等の出力手段と、を備える。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置と、前記出力された候補に基づいて前記検索語を決定する指示を入力するために用いられる操作部等の入力手段と、前記決定された検索語を用いて検索を行う検索処理部等の検索手段と、を備える。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置に備えられた前記第1記憶手段におけるデータ構造であって、前記語句と、当該語句に対応する前記属性情報と、からなる前記語句−属性情報対が相互に識別可能に記憶されている。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置に備えられた前記第2記憶手段におけるデータ構造であって、前記属性情報と、当該属性情報に対応する前記文と、からなる前記属性情報−文対が相互に識別可能に記憶されている。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、検索に用いられる検索語として入力されることが予測される語句と、当該語句の当該検索語としての属性を示す属性情報と、からなる対を語句−属性情報対として記憶するキーワード種別データベース等の第1記憶手段と、前記属性情報と、当該属性情報により前記属性が示される前記語句と共に入力されることが予測される文と、からなる対を属性情報−文対として記憶する次ワード予測候補データベース等の第2記憶手段と、を備える検索語出力装置において実行される検索語出力方法であって、前記記憶されている語句−属性情報対に基づいて、入力された前記語句の前記検索語としての前記属性を示す前記属性情報を前記第1記憶手段から抽出する属性情報抽出工程と、前記記憶されている属性情報−文対に基づいて、前記抽出された属性情報と共に当該属性情報−文対を構成する前記文を前記第2記憶手段から抽出する文抽出工程と、前記入力された語句と、前記文抽出手段により抽出された前記文と、を、前記検索語の候補として出力する出力工程と、を含む。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る検索装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る各データベースの内容を例示する図であり、(a)は実施形態に係るキーワード種別データベースの内容を例示する図であり、(b)は実施形態に係る次ワード予測候補データベースの内容を例示する図である。
【図3】実施形態に係る検索動作を示すフローチャートである。
【図4】実施形態に係る検索動作において表示される検索画面を例示する図である。
【図5】実施形態に係る検索動作において表示される検索画面の遷移を例示する図であり、(a)は第一例を示す図であり、(b)は第二例を示す図であり、(c)は第三例を示す図であり、(d)は第四例を示す図であり、(e)は第五例を示す図である。
【図6】実施形態に係る検索動作の検索結果画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本願を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、例えば車両に搭載されて当該車両の移動を案内するナビゲーション装置に含まれる検索装置であって、例えば当該案内に係る目的地等を検索する際に用いられる検索装置に対して本願を適用した場合の実施の形態である。
【0019】
また、図1は実施形態に係る検索装置の概要構成を示すブロック図であり、図2は実施形態に係る各データベースの内容を例示する図であり、図3は実施形態に係る検索動作を示すフローチャートである。また図4及び図5は、当該検索動作において表示される検索画面を例示する図であり、図6は当該検索動作の結果を表示する検索結果画面を例示する図である。
【0020】
(I)検索装置の構成
初めに、実施形態に係る検索装置の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
【0021】
図1に示すように、実施形態に係る検索装置Sは、キーボード及びマウス或いはタッチパッド等からなる入力手段の一例としての操作部1と、キー入力制御部2と、名称構成語句抽出手段、属性情報抽出手段の一例及び文抽出手段の一例としての次ワード予測候補抽出部3と、漢字変換候補抽出部4と、入力候補表示制御部5と、検索結果表示制御部6と、検索方法判定部7と、検索手段の一例としての検索処理部8と、液晶ディスプレイ等からなる出力手段の一例としてのディスプレイ9と、例えばハードディスク等を記録媒体とする記録部10と、により構成されている。
【0022】
また記録部10には、第2記憶手段の一例としての次ワード予測候補データベース11と、第1記憶手段の一例としてのキーワード種別データベース12と、検索用データベース13と、が、夫々不揮発性に記録されている。なおこの検索用データベース13には、後述する動作により形成された実施形態に係るキーワードを用いて実際に検索動作を行う際に参照されるべき各種データベースが含まれている。より具体的には、例えば図1に示すように、施設名称データベース13A、住所データベース13B及び電話番号データベース13Cを含み、またこの他、周辺検索用施設データベース又は郵便番号データベース等が含まれていてもよい。
【0023】
次に、記録部10に記録されている、実施形態に係る上記次ワード予測候補データベース11及びキーワード種別データベース12について、夫々具体的に説明する。
【0024】
先ず、キーワード種別データベース12の細部構成について、図2(a)を用いて説明する。
【0025】
図2(a)に例示するように、実施形態に係るキーワード種別データベース12では、フリーキーワードの全部又は一部として検索に供されることが予想される(換言すれば未確定の)語句12Aが、検索における当該語句12Aの種別を示す種別識別子12Bに一対一に対応付けられて記憶されている。そして、一の語句12Aと一の種別識別子12Bとにより一の種別対12Pが形成されており、当該種別対12Pが、上記種別が異なる語句12Aの数だけ且つ相互に識別可能にキーワード種別データベース12内に記憶されている。
【0026】
ここで、種別識別子12Bにより示される「種別」とは、実施形態に係る目的地等の検索動作において、対応する語句12Aが有する属性(種類)である。具体的に例えば、「青山」という語句12Aは、それ自体が住所表記の一部(例えば「東京都港区北青山…」という住所表記における「青山」)である場合と、それ自体が施設名称の一部(例えば、「青山美術館」という施設名称における「青山」)である場合と、それ自体があるジャンル名称の一部(例えば「青山式○○」というジャンル名称における「青山」)である場合と、がある。このような場合、実施形態に係るキーワード種別データベース12としては、「青山」なる語句12Aと、「住所表記」を意味する種別識別子12Bである例えば「KYAD」と、により種別対12Pが一つ形成されている。また、同じ「青山」なる語句12Aと、「施設名称」を意味する種別識別子12Bである例えば「KYPN」と、により他の種別対12Pが一つ形成され、更に「青山」なる語句12Aと、「ジャンル名称」を意味する種別識別子12Bである例えば「KYGN」と、により更に他の種別対12Pが一つ形成されている。
【0027】
次に、次ワード予測候補データベース11の細部構成について、図2(b)を用いて説明する。
【0028】
図2(b)に例示するように、実施形態に係る次ワード予測候補データベース11は、第3記憶手段の一例としての名称候補予測型データベース20と、属性情報−接続文対記憶手段の一例としての接続文データベース21と、属性情報−指定文対記憶手段の一例としての指定文データベース22と、により構成されている。
【0029】
この構成において、名称候補予測型データベース20では、フリーキーワードの全部又は一部として用いることが決定された語句12Aである決定語句20Aが、キーワード内において当該決定語句20Aの直後に接続され且つ当該決定語句20Aと共に当該キーワードの一部としての「名称」を形成する次語句20Bに一対一に対応付けられて記憶されている。そして、一の決定語句20Aと一の次語句20Bとにより一の名称対20Pが形成されており、当該名称対20Pが、後続する上記次語句20Bが異なる決定語句20Aの数だけ且つ相互に識別可能に名称候補予測型データベース20内に記憶されている。
【0030】
具体的に例えば、「秋田」という決定語句20Aは、その直後に「市」という次語句20Bが接続されると「秋田市」と言う検索用のキーワードに含まれ得る名称となり、また、その直後に「県」という次語句20Bが接続されると「秋田県」という当該名称となる。更に、同じ「秋田」なる決定語句20Aに対して、夫々「県立」、「市立」又は「小町」なる次語句20Bがその直後に接続されても、その結果形成される名称対20Pとしては夫々別個のものとして名所候補予測型データベース20内に記憶されている。
【0031】
次に、接続文データベース21では、上記種別識別子12Bと、その種別識別子12Bと上記種別対12Pを構成する上記語句12Aがキーワードの一部として入力された場合に当該語句12Aの直後に接続されることでフリーキーワードとしての自然文の一部又は全部を構成することとなる接続文21Aと、が、一対一に対応付けられて記憶されている。そして、対応関係にある一の種別識別子12Bと一の接続文21Aとにより、一の接続文21Pが形成されており、当該接続文対21Pが、異なる接続文21Aの数だけ且つ相互に識別可能に接続文データベース21内に記憶されている。
【0032】
具体的に例えば、「住所表記」を示す種別識別子12Bと種別対12Pを構成する語句12A(例えば「青山」という語句12A)については、その直後に接続される接続文21Aとしては、例えば「周辺の、」と言う内容の接続文21Aがある。よって、「住所表記」を示す種別識別子12Bと、「周辺の、」と言う内容の接続文21Aと、により一の接続文対21Pが形成されて接続文データベース21内に記憶されている。
【0033】
また「施設名称」を示す種別識別子12Bと種別対12Pを構成する語句12A(例えば「青山」という語句12A)については、その直後に接続される接続文21Aとしては、例えば「を名称に含み、」と言う内容の接続文21Aがある。よって、「施設名称」を示す種別識別子12Bと、「を名称に含み、」と言う内容の接続文21Aと、により他の一の接続文対21Pが形成されて接続文データベース21内に記憶されている。更に、「ジャンル名称」を示す種別識別子12Bと種別対12Pを構成する語句12A(例えば「青山」という語句12A)については、その直後に接続される接続文21Aとしては、例えば「のジャンルで、」と言う内容の接続文21Aがある。よって、「ジャンル名称」を示す種別識別子12Bと、「のジャンルで、」と言う内容の接続文21Aと、により更に他の一の接続文対21Pが形成されて接続文データベース21内に記憶されている。
【0034】
最後に、指定文データベース22では、上記種別識別子12Bと、その種別識別子12Bと上記種別対12Pを構成する上記語句12Aがキーワードの一部として入力された場合に当該語句12Aの直後に接続されることで自然文たるフリーキーワードとしての具体的な検索方法(検索内容)を示すこととなる指定文22Aと、が、一対一に対応付けられて記憶されている。そして、対応関係にある一の種別識別子12Bと一の指定文22Aとにより、一の指定文対22Pが形成されており、当該指定文対22Pが、異なる指定文22Aの数だけ且つ相互に識別可能に指定文データベース22内に記憶されている。
【0035】
具体的に例えば、「住所表記」を示す種別識別子12Bと種別対12Pを構成する語句12A(例えば「青山」という語句12A)については、その直後に接続される指定文22Aとしては、例えば「から始まる住所を検索」と言う内容の指定文22Aがある。よって、「住所表記」を示す種別識別子12Bと、「から始まる住所を検索」と言う内容の指定文22Aと、により一の指定文対22Pが形成されて指定文データベース22内に記憶されている。
【0036】
また「施設名称」を示す種別識別子12Bと種別対12Pを構成する語句12A(例えば「青山」という語句12A)については、その直後に接続される指定文22Aとしては、例えば「を名称に含む施設を検索」と言う内容の指定文22Aがある。よって、「施設名称」を示す種別識別子12Bと、「を名称に含む施設を検索」と言う内容の指定文22Aと、により他の一の指定文対22Pが形成されて指定文データベース22内に記憶されている。更に、「ジャンル名称」を示す種別識別子12Bと種別対12Pを構成する語句12A(例えば「青山」という語句12A)については、その直後に接続される指定文22Aとしては、例えば「のジャンルの施設を検索」、「のジャンルの施設を全国で検索」又は「のジャンルの施設を近くで検索」等の内容の指定文22Aがある。よって、「ジャンル名称」を示す種別識別子12Bと、「のジャンルの施設を検索」等の内容の一の指定文22Aと、により更に他の一の指定文対22Pが形成されて指定文データベース22内に記憶されている。
【0037】
以上説明した構成を備えるキーワード種別データベース12並びに名称候補予測型データベース20、接続文データベース21及び指定文データベース22を含む次ワード予測候補データベース11を用いることで、以下に説明する実施形態に係る検索動作では、理解しやすい自然文を用いて検索用のキーワードが入力/確定されることとなる。
【0038】
(II)検索装置の動作
次に、実施形態に係る検索装置Sにおける検索動作について、主として図3乃至図6を用いて説明する。
【0039】
図3に示すように、実施形態に係る検索装置Sにおける検索動作が開始されると、先ずディスプレイ9には図4に例示される検索画面100が表示される(ステップS1)。ここで、当該検索画面100の構成について、図4に例示しつつ説明する。
【0040】
図4に例示するように、当該検索画面100は、入力結果及び漢字変換結果等が表示される入力表示部101と、検索を実行する際に図示しないマウス等により操作される検索ボタン102と、実施形態に係る予測候補が一又は複数表示される予測候補表示部103と、ひらがな、カタカナ、数字又は記号のいずれか一つに夫々が相当する入力キーKを複数含むキーボード表示部104と、により構成されている。なお図4では、ひらがなのいずれか一つに相当する入力キーK及びいわゆるバックスペース(「BS」)に相当する入力キーKを表示するキーボード表示部104が例示されているが、図示しない切り換えボタンを操作する等の動作により、これをカタカナ、数字又は記号のいずれか一つに夫々が相当する入力キーKの表示に切り換えることができる。そして、当該キーボード表示部104に表示されている各入力キーKを、例えばディスプレイ9の表面に装着されている図示しないタッチパネル等を用いて操作することにより、キーワードを構成する所望の文字列が入力される。なお当該キーワードの入力については、操作部1を構成する図示しないキーボード(複数のキーを備えた実際のキーボード)を用いて行うように構成してもよい。
【0041】
上記検索画面100がディスプレイ9に表示され(ステップS1)、キーボード表示部104内に表示されている入力キーKが操作されること等によりひらがな等の文字列が入力されると、当該入力された文字列の内容がキー入力制御部2により認識される。
【0042】
次に、当該入力された文字列に対する漢字変換候補、即ち、入力された文字列に相当する漢字を含む名称等の候補としての漢字変換候補が漢字変換候補抽出部4により抽出され、当該抽出された漢字変換候補が入力候補表示制御部5により予測候補表示部103に一覧表示される。そして、当該表示されている漢字変換候補の中から一つを選択する操作が為されると、当該操作によりキーワードを構成するものとしての語句が一つ確定される。
【0043】
以上の動作により語句が確定されると、次に次ワード予測候補抽出部3は、記録部10内の次ワード予測候補データベース11及びキーワード種別データベース12を参照して、当該確定された語句に続く接続文21A又は指定文22Aを、実施形態に係る予測候補として抽出し、当該抽出された接続文21A等を入力候補表示制御部5が予測候補表示部103に一覧表示する(ステップS2)。なおこのときには、後述するように、当該接続文21等の他に、上記確定された語句(決定語句20Aや次語句20B等)が併せて予測候補表示部103に一覧表示される。
【0044】
これらにより、決定語句20A等を含む複数の語句と、これらを接続する接続文21A又は指定文22Aと、を含むキーワードが形成されると、キー入力制御部2を介して、検索ボタン102が操作されるか、又は形成されたキーワードに含まれる上記指定文22Aが選択されることで、当該形成されたキーワードを用いた検索動作を開始する旨が指示されたか否かを確認する(ステップS3)。そして、当該検索動作の開始が指示されないとき(ステップS3;NO)にはその旨を次ワード予測候補抽出部3に出力し、これを受けた次ワード予測候補抽出部3は上記ステップS2に戻って引き続きキーワードの形成動作を継続する。一方、ステップS3の確認において、検索動作を開始する旨の指示が為されたとき(ステップS3;YES)、検索方法判定部7及び検索処理部8は、形成されているキーワードを用いた検索動作を実行する(ステップS4乃至S16)。
【0045】
ここで、上記ステップS1及びS2の動作について、図5を用いてより具体的に説明する。
【0046】
先ず、上記ステップS1の動作において表示されている検索画面100内のキーボード表示部104に表示されている入力キーKを操作して、検索装置Sを用いて検索動作を行う使用者が「よ」、「こ」と入力したとすると、その旨が図5(a)に例示するように入力表示部101に「よこ」と表示される。そして、入力された文字列として当該「よこ」が確定されると(図5(a)において文字の反転表示により示す)、当該確定された文字列に相当する漢字を含み且つ当該確定された文字列から予測される語句である漢字変換候補が、図5(a)に例示するように予測候補表示部103に一又は複数個一覧表示される。このとき、当該漢字変換候補の表示は、例えば、記録部10内に記録されている図示しない漢字変換データベース内において、「よこ」をその読み仮名に含む漢字により構成される語句を検索することにより行われる。
【0047】
そして、当該一覧表示されている漢字変換候補(図5(a)に例示する場合は、「横浜」、「横須賀」、「横河」、「横川」…)の中から使用者が所望する漢字変換候補(すなわち、「よこ」と入力することによりキーワードに含ませようとしている語句に相当する漢字変換候補)が選択されると、当該選択された漢字変換候補が図5(b)に例示するように予測候補表示部103内において表示され、更に入力表示部101に反映されて、キーワードを構成するものとして一つの語句(図5(b)に例示する場合は「横浜」)が確定される。
【0048】
次に、当該語句が確定されると、次ワード予測候補抽出部3は、記録部10内の次ワード予測候補データベース11及びキーワード種別データベース12を参照して、当該確定された語句に続く接続文21A又は指定文22Aを、実施形態に係る予測候補として抽出する。
【0049】
より具体的には、先ず上記「横浜」がキーワードを構成する語句として一つ確定されると、次ワード予測候補抽出部3は、キーワード種別データベース12(図2(a)参照)を参照し、当該「横浜」なる語句12Aと共に種別対12Pを構成する種別識別子12Bを抽出する。これにより次ワード予測候補抽出部3は、今度は次ワード予測候補データベース11内の接続文データベース21及び指定文データベース22を参照し、当該抽出した種別識別子12Bと共に接続文対21P又は指定文対22Pを構成している接続文21A又は指定文22Aを抽出する。
【0050】
これに加えて次ワード予測候補抽出部3は、次ワード予測候補データベース11内の名称候補予測型データベース20をも参照し、確定された「横浜」なる語句(決定語句20A)と共に名称対20Pを構成している次語句20Bを抽出する。
【0051】
これらにより入力候補表示制御部5は、図5(c)に例示するように、次ワード予測候補抽出部3が夫々抽出した接続文21A、指定文22A及び次語句20Bを、夫々予測候補表示部103に一覧表示する。図5(c)に例示する場合は、「中華街」、「市立」及び「駅」なる語句が次語句20Bとして抽出されており、また接続文21Aとしては「周辺の、」及び「を名称に含み、」なる接続文21Aが抽出されたことを示している。更に指定文22Aとしては「から始まる住所を検索」なる指定文22Aが抽出されたことを示している。
【0052】
そして、図5(c)に例示する状態で予測候補表示部103に表示されている予測候補から、図5(d)に例示するように例えば「周辺の、」が選択されてそれが確定されたとすると、その確定された接続文21Aが、確定済みの決定語句20Aである「横浜」に続く接続文21Aとして図5(e)に例示するように入力表示部101に表示される。
【0053】
この後は、上述してきた語句12Aの決定語句20Aとしての確定と、当該確定した決定語句20A(語句12A)と共に種別対12Pを構成する種別識別子12Bを用いた接続文21A又は指定文22Aの抽出/確定と、名称対20Pに基づく次語句20Bの確定と、が繰り返されることで、使用者が所望する自然文を用いたキーワードが逐次形成されていくこととなる。この場合には、キーボード表示部104に表示されている入力キーK等を操作することにより語句12Aが入力される場合と、予測候補表示部103に一覧表示されている予測候補が選択されて接続文21A、指定文22A又は次語句20Bが確定される場合とがあることとなる。これらについて図5(e)は、上記「周辺の、」が接続文21Aとして確定された後、更に語句12Aとして「市場」が次語句20Bとして確定され、当該「市場」を語句12Aとして見た場合に対応する種別識別子12Bに基づいて接続文21Aとして「のジャンルで、」及び「を名称に含み、」が抽出され、更に当該種別識別子12Bに基づいて指定文22Aとして「のジャンルの施設を検索」及び「を名称に含む施設を検索」が抽出され、このうち、「のジャンルの施設を検索」が指定文22Aとして選択されたことを例示している。
【0054】
次に、上述してきた動作により自然文を用いたキーワードが形成されて検索動作の開始が指示された場合(ステップS3;YES参照)以降の動作について、具体的に説明する。
【0055】
検索ボタン102が操作されるか、又は形成されたキーワードに含まれる上記指定文22Aが選択されることで、形成されたキーワードを確定させて当該キーワードを用いた検索動作を開始する旨が指示された場合(ステップS3;YES)、検索方法判定部7は、先ず、当該確定されたキーワードを、一又は複数の名称を単位として分解する(ステップS4)。この分解動作について具体的には、検索方法判定部7は、確定されたキーワードにおける接続文21A又は指定文22A或いは空白のいずれかを区切りとし、名称を単位として当該キーワードを分解する。これにより、検索方法判定部7は、当該分解した区切りにより挟まれる名称を単位として、以下に説明するステップS5乃至S9をその単位の数だけ繰り返す。
【0056】
即ち、先ず検索方法判定部7は、キーワード種別データベース12を参照して、分解された最初の単位たる名称(図5に例示した場合は「横浜」)に相当する語句12Aと共に種別対12Pを構成する種別識別子12Bを全てキーワード種別データベース12内から抽出して図示しないメモリ内に一時的に記憶させる(ステップS6)。
【0057】
次に検索方法判定部7は、当該名称と、確定されたキーワードにおいてその名称の後に存在する他の名称(図5に例示する場合は「市場」)との間が、空白であるか、或いは接続文21A又は指定部22Aのいずれかであるか、を確認する(ステップS7)。そして当該間が空白である場合(ステップS7;空白)、検索方法判定部7は後述するステップS10の動作に移行する。
【0058】
一方当該間が接続文21A又は指定部22Aのいずれかである場合(ステップS7;予測候補)、検索方法判定部7は次に、接続文データベース21及び指定文データベース22を参照して、上記ステップS6の動作において図示しないメモリ内に一時的に記憶させた種別識別子12Bの中に、上記ステップS7において当該間にあると確認された接続文21Aと共に接続文対21Pを構成する種別識別子12B、又は当該ステップS7において当該間にある指定文22Aと共に指定文対22Pを構成する種別識別子12B、のいずれかが含まれているか否かを確認する(ステップS8)。
【0059】
これにより、当該記憶させた種別識別子12Bの中に当該接続文21Aと共に接続文対21Pを構成する種別識別子12B、又は当該指定文22Aと共に指定文対22Pを構成する種別識別子12B、のいずれかが含まれている場合(ステップS8;YES)、検索方法判定部7は上記図示しないメモリに記憶させた種別識別子12Bから当該接続文21Aと共に接続文対21Pを構成する種別識別子12B、又は当該指定文22Aと共に指定文対22Pを構成する種別識別子12B、のいずれか以外の他の種別識別子12Bを破棄し(ステップS9)、後述するステップS10の動作に移行する。
【0060】
他方、ステップS8の確認において、当該記憶させた種別識別子12Bの中に当該接続文21Aと共に接続文対21Pを構成する種別識別子12B、又は当該指定文22Aと共に指定文対22Pを構成する種別識別子12B、のいずれもが含まれていない場合(ステップS8;NO)、検索方法判定部7は、確定されたキーワードによる検索動作が実行不可能である旨の警告を、例えば検索結果表示制御部6を介してディスプレイ9上において行って(ステップS16)、実施形態に係る検索装置Sとしての検索動作を終了する。
【0061】
検索方法判定部7は、確定されたキーワードに含まれる名称の夫々について上記ステップS6乃至S9の動作を繰り返すことで、検索動作に供される名称夫々に対応する種別識別子12Bを確定する。
【0062】
当該名称夫々に対応する種別識別子12Bが確定されると、次に検索方法判定部7は、以下に説明する動作により、検索動作に供される検索実施方法を確定する(ステップS10乃至S13)。
【0063】
即ち、検索方法判定部7は、先ずキーワード種別データベース12を参照して、分解された各名称(図5に例示した場合は「横浜」及び「市場」)に相当する語句12Aと共に種別対12Pを構成する種別識別子12B(当該種別識別子12は、当該各名称夫々についての上記ステップS6乃至S9の動作により確定済みである)と共に指定文対22Pを構成する指定文22Aを全て指定文データベース22内から抽出して上記メモリ内に一時的に記憶させる(ステップS10)。
【0064】
次に検索方法判定部7は、確定されたキーワード内にいずれかの指定文22Aが含まれているか(選択されているか)否かを確認する(ステップS11)。なお図5に例示する場合は、「のジャンルの施設を検索する」なる指定文22Aが含まれていることとなる。
【0065】
上記ステップS11の判定において、いずれの指定文22Aもキーワードとして選択されていない場合(ステップS11;NO)、検索方法判定部7は後述するステップS14の動作に移行し、一方、いずれかの指定文22Aがキーワードとして選択されている場合(ステップS11;YES)、検索方法判定部7は次に、上記ステップS10の動作において図示しないメモリ内に一時的に記憶させた指定文22A内に、当該選択されている指定文22Aが含まれているか否かを確認する(ステップS12)。これにより、当該選択されている指定文22Aが含まれている場合(ステップS12;YES)、検索方法判定部7は上記図示しないメモリに記憶させた指定文22Aから当該選択されている指定文22A以外の他の指定文22Aを破棄し(ステップS13)、後述するステップS14の動作に移行する。他方、ステップS12の確認において、上記メモリ内に一時的に記憶させた指定文22A内に、当該選択されている指定文22Aが含まれていない場合(ステップS12;NO)、検索方法判定部7は、確定されたキーワードによる検索動作が実行不可能である旨の警告を行って(ステップS16)、実施形態に係る検索装置Sとしての検索動作を終了する。
【0066】
以上のステップS5乃至S13の動作により、検索動作に供される名称及び、例えば指定文22Aに例示される検索実施方法が実際に確定されると、次に検索方法判定部7は、例えば指定文22Aが複数選択された場合等において最も適切と考えられる指定文22Aに例示される検索実施方法を一つ、従来と同様の方法により決定し(ステップS14)、その結果を検索処理部8に出力する。
【0067】
これにより検索処理部8は、当該出力された検索実施方法及びキーワードに基づいて、検索用データベース13を用いて必要な目的地等の検索を実行し、検索結果表示制御部6を介してその結果をディスプレイ9上に表示し(ステップS15)、その後実施形態に係る検索装置Sとしての検索動作を終了する。
【0068】
ここで、当該検索結果としてディスプレイ9上に表示される検索結果画面としては、例えば図6に例示されるように、当該結果を得るために用いられた検索方法としてのキーワードが表示されるキーワード表示部201と、検索結果としての地点名称等が表示される結果表示部202と、キーワード等を変更する際に操作される条件変更ボタン203と、を含む検索結果画面200が考えられる。
【0069】
なお、上述して来た検索動作に供されるキーワードと、それを用いた実施形態に係る検索動作の結果として結果表示部202に表示される目的地等と、の関係としては、例えば以下に例示する(A)乃至(D)が挙げられる。
【0070】
(A)「横浜」(決定語句20A)、「周辺の、」(接続文21A)「市場」(次語句20B)「のジャンルの施設を検索」(指定文22A)を含むキーワードを用いて実施形態に係る検索動作を実行すると、具体的には「横浜周辺の市場施設」が検索されることとなり、その結果としては、例えば、「横浜市○○卸売市場」、「川崎△△市場」等が得られる。
【0071】
(B)「横浜」(決定語句20A)、「周辺の、」(接続文21A)「市場」(次語句20B)「の名称を含む施設を検索」(指定文22A)を含むキーワードを用いて実施形態に係る検索動作を実行すると、具体的には「横浜周辺で、名称に『市場』が含まれる施設」が検索されることとなり、その結果としては、例えば、「横浜市○○卸売市場」、「横浜銀行◇◇市場支店」、「居酒屋●市場」等が得られる。
【0072】
(C)「横浜」(決定語句20A)、「周辺の、」(接続文21A)「市場」(次語句20B)「の名称を含み、」(接続文21A)「寿司」(次語句20B)「のジャンルの施設を検索」(指定文22A)を含むキーワードを用いて実施形態に係る検索動作を実行すると、具体的には「横浜周辺で、名称に『市場』が含まれる寿司店舗」が検索されることとなり、その結果としては、例えば、「◇市場寿司横浜駅前店」、「大和◇◇寿司市場店」等が得られる。
【0073】
(D)「横浜」(決定語句20A)、「の名称を含み、」(接続文21A)「市場」(次語句20B)「のジャンルの施設を検索」(指定文22A)を含むキーワードを用いて実施形態に係る検索動作を実行すると、具体的には「全国で、名称に『横浜』が含まれる市場施設」が検索されることとなり、その結果としては、例えば、「横浜市○○卸売市場」、「津軽横浜◇市場」等が得られる。
【0074】
以上夫々説明したように、実施形態の検索装置Sによる検索動作によれば、キーワードとして入力されることが予測される語句12Aと、その語句12Aのキーワードとしての属性を示す種別識別子12Bと、を種別対12Pとして結び付け、その種別対12Pに基づいてその語句12Aと共に入力されることが予測される接続文21A等を抽出し、これらを含むキーワードの候補を出力するので、語句12Aとそれに続く接続文21A等とで構成される候補が出力されることで、キーワードとしての的確性を担保しつつ、簡易な構成で且つ自然に理解し易い文として当該キーワードの内容を認識して決定することができる。
【0075】
また、接続文データベース21に記憶されている接続文対21Pを用いて種別識別子12Bに対応する接続文21Aを抽出し、入力された語句12Aと、抽出された接続文21Aと、を含む予測候補を出力するので、より自然に理解し易い文として当該キーワードの内容を認識して決定することができる。
【0076】
更に、指定文データベース22に記憶されている指定文対22Pを用いて種別識別子12Bに対応する指定文22Aを抽出し、入力された語句12Aと、抽出された指定文22Aと、を含む予測候補を出力するので、より自然に理解し易い文として当該キーワードの内容を認識して決定することができる。
【0077】
更にまた、入力された語句12A及びこれに対応する接続文21A等に加えて当該語句12Aに対応する次語句20Bを含んだ予測候補が出力されるので、キーワードとしての的確性をより担保することができる。
【0078】
なお、上述して来た実施形態では、検索動作に供されるキーワードが、決定語句20A(語句12A)、次語句20B、接続文21A及び指定文22Aを含むキーワードである場合について説明したが、これらに加えて、例えば、先に確定されている名称と、その後に入力される名称との関係が、検索条件としてAND条件か、OR条件かを指定するための候補を、次ワード予測候補データベース11内に含ませ、これらの検索条件をキーワード内に含ませて当該キーワードを確定させることも可能である。この場合は、キーワードとしてより多様且つ適切なキーワードを形成することができることとなる。
【0079】
更に、上述した実施形態に係るキーワード種別データベース12では、図2(a)に例示したように、施設名称それ自体である語句12A又は次語句20Bとの組み合わせにより施設名称となる語句12Aの全てについて、施設名称を意味する種別識別子12B(例えば「KYPN」)とにより構成される種別対12Pを記憶する構成としていたが、これ以外に、キーワード種別データベース12としては施設名称を意味する種別識別子12Bを含む種別対12Pを記憶することはせず、例えば図3ステップS6の動作において、施設名称たり得る名称に対していわゆるデフォルトの種別識別子12Bとして施設名称を意味する種別識別子12Bを追加して図示しないメモリに記憶する(図3ステップS6参照)ように構成することもできる。この場合には、キーワード種別データベース12としての情報量を削減することができることになる。
【0080】
また、上述した実施形態では、ナビゲーション装置に含まれる検索装置であって、例えば当該案内に係る目的地等を検索する際に用いられる検索装置に対して本願を適用した場合について説明したが、これ以外に、例えば携帯型無線電話機における通話先の検索や地点検索等に適用することも可能である。
【0081】
更に、図3に示すフローチャートに相当するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータで読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータを実施形態に係る次ワード予測候補抽出部3、漢字変換候補抽出部4、検索方法判定部7及び検索処理部8として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 操作部
3 次ワード予測候補抽出部
4 漢字変換候補抽出部
7 検索方法判定部
8 検索処理部
9 ディスプレイ
10 記憶部
11 次ワード予測候補データベース
12 キーワード種別データベース
12A 語句
12B 種別識別子
12P 種別対
20 名称候補予測型データベース
20A 決定語句
20B 次語句
20P 名称対
21 接続文データベース
21A 接続文
21P 接続文対
22 指定文データベース
22A 指定文
22P 指定文対
100 検索画面
101 入力表示部
102 検索ボタン
103 予測候補表示部
104 キーボード表示部
200 検索結果画面
201 キーワード表示部
202 結果表示部
203 条件変更ボタン
S 検索装置
K 入力キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索に用いられる検索語として入力されることが予測される語句と、当該語句の当該検索語としての属性を示す属性情報と、からなる対を語句−属性情報対として記憶する第1記憶手段と、
前記属性情報と、当該属性情報により前記属性が示される前記語句と共に入力されることが予測される文と、からなる対を属性情報−文対として記憶する第2記憶手段と、
前記記憶されている語句−属性情報対に基づいて、入力された前記語句の前記検索語としての前記属性を示す前記属性情報を前記第1記憶手段から抽出する属性情報抽出手段と、
前記記憶されている属性情報−文対に基づいて、前記抽出された属性情報と共に当該属性情報−文対を構成する前記文を前記第2記憶手段から抽出する文抽出手段と、
前記入力された語句と、前記文抽出手段により抽出された前記文と、を、前記検索語の候補として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする検索語候補出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検索語候補出力装置において、
前記第2記憶手段は、前記属性情報と、当該属性情報により前記属性が示される前記語句に続けて入力されることが予測される前記文である接続文であって当該属性に対応し且つ複数の前記語句を接続する内容を有する接続文と、からなる対を属性情報−接続文対として記憶する属性情報−接続文対記憶手段を備え、
前記文抽出手段は、前記記憶されている属性情報−接続文対に基づいて、前記抽出された属性情報と共に前記属性情報−接続文対を構成する前記接続文を前記属性情報−接続文対記憶手段から抽出し、
更に前記出力手段は、前記入力された語句と、前記抽出された接続文と、を含む前記候補を出力することを特徴とする検索語候補出力装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検索語候補出力装置において、
前記第2記憶手段は、前記属性情報と、当該属性情報により前記属性が示される前記語句に続けて入力されることが予測される指定文であって当該属性に対応した検索方法を指定する内容を有する指定文と、からなる対を属性情報−指定文対として記憶する属性情報−指定文対記憶手段を備え、
前記文抽出手段は、前記記憶されている属性情報−指定文対に基づいて、前記抽出された属性情報と共に前記属性情報−指定文対を構成する前記指定文を前記属性情報−指定文対記憶手段から抽出し、
更に前記出力手段は、前記入力された語句と、前記抽出された指定文と、を含む前記候補を出力することを特徴とする検索語候補出力装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置において、
前記語句と共に用いられて前記検索語における名称を構成する語句である名称構成語句を、当該名称構成語句と共に前記名称を構成する前記語句に対応付けて記憶する第3記憶手段と、
前記入力された語句に対応する前記名称構成語句を前記第3記憶手段から抽出する名称構成語句抽出手段と、
を更に備え、
前記出力手段は、前記入力された語句と、前記抽出された文と、前記抽出された名称構成語句と、を含む前記候補を出力することを特徴とする検索語候補出力装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置と、
前記出力された候補に基づいて前記検索語を決定する指示を入力するために用いられる入力手段と、
前記決定された検索語を用いて検索を行う検索手段と、
を備えることを特徴とする検索装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置に備えられた前記第1記憶手段におけるデータ構造であって、
前記語句と、当該語句に対応する前記属性情報と、からなる前記語句−属性情報対が相互に識別可能に記憶されていることを特徴とするデータ構造。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置に備えられた前記第2記憶手段におけるデータ構造であって、
前記属性情報と、当該属性情報に対応する前記文と、からなる前記属性情報−文対が相互に識別可能に記憶されていることを特徴とするデータ構造。
【請求項8】
検索に用いられる検索語として入力されることが予測される語句と、当該語句の当該検索語としての属性を示す属性情報と、からなる対を語句−属性情報対として記憶する第1記憶手段と、前記属性情報と、当該属性情報により前記属性が示される前記語句と共に入力されることが予測される文と、からなる対を属性情報−文対として記憶する第2記憶手段と、を備える検索語出力装置において実行される検索語出力方法であって、
前記記憶されている語句−属性情報対に基づいて、入力された前記語句の前記検索語としての前記属性を示す前記属性情報を前記第1記憶手段から抽出する属性情報抽出工程と、
前記記憶されている属性情報−文対に基づいて、前記抽出された属性情報と共に当該属性情報−文対を構成する前記文を前記第2記憶手段から抽出する文抽出工程と、
前記入力された語句と、前記文抽出手段により抽出された前記文と、を、前記検索語の候補として出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする検索語候補出力方法。
【請求項9】
コンピュータを、
請求項1から5のいずれか一項に記載の検索語候補出力装置として機能させることを特徴とする検索語候補出力用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−2954(P2011−2954A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144544(P2009−144544)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【出願人】(500230347)株式会社エムビーエイ (22)
【Fターム(参考)】