説明

楽曲再生装置、楽曲判定方法、楽曲判定プログラムおよび記録媒体

【課題】再生中の楽曲に合わせて利用者が鼻歌を歌った場合、この楽曲をお気に入りとして登録すること。
【解決手段】取得部105によって取得された利用者からの音声情報の特徴量を、旋律検出部111、周波数検出部112、リズム検出部113、歌詞検出部114などによって構成される検出部110によって検出する。つぎに、再生部103によって楽曲を再生中の場合、特徴量に基づいて、判定部106によって音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判断する。そして、音声情報が再生中の楽曲と一致すると判定された場合、この楽曲を、登録部109によって利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者の嗜好に合致した楽曲を判定する楽曲再生装置、楽曲判定方法、楽曲判定プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に記録されている楽曲の音楽データを再生する楽曲再生装置において、楽曲のタイトル別に楽曲の再生回数と早送り回数をカウントし、このカウント情報に基づいて、楽曲のお気に入り度を算出する楽曲再生装置が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この楽曲再生装置によれば、再生回数の多い楽曲を利用者のお気に入りの楽曲として自動的に判断することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−317451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、同じ楽曲を何度も再生しないとその楽曲をお気に入りとして判断できないという問題が挙げられる。このため、たとえば、利用者が初めて再生した楽曲などの新しい楽曲が利用者のお気に入りであっても、お気に入りと判断できないという問題が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる楽曲再生装置は、楽曲を再生する再生手段と、利用者からの音声情報を取得する取得手段と、前記音声情報の特徴量を検出する検出手段と、前記特徴量に基づいて、前記音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、当該再生中の楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項12の発明にかかる楽曲判定方法は、楽曲を再生する再生工程と、利用者からの音声情報を取得する取得工程と、前記音声情報の特徴量を検出する検出工程と、前記特徴量に基づいて、前記音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程によって前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、当該再生中の楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する登録工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項13の発明にかかる楽曲判定プログラムは、請求項12に記載の楽曲判定方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項14の発明にかかる記録媒体は、請求項13に記載の楽曲判定プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる楽曲再生装置、楽曲判定方法、楽曲判定プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
(楽曲再生装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる楽曲再生装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる楽曲再生装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、楽曲再生装置100は、通信部101と、楽曲情報記録部102と、再生部103と、履歴情報記録部104と、取得部105と、判定部106と、提示部107と、受付部108と、登録部109と、検出部110と、を備えている。また、検出部110は、旋律検出部111と、周波数検出部112と、リズム検出部113と、歌詞検出部114と、を備えている。
【0012】
通信部101は、楽曲に関する情報を保管する楽曲情報データベースと通信をおこなう。楽曲に関する情報は、楽曲再生データ(楽曲を再生するためのデータ)や、タイトル・演奏者・歌詞・ジャンルなどの情報データである。また、楽曲に関する情報は、楽曲再生データのみでもよいし、情報データのみでもよい。通信部101は、たとえば、ネットワークを介して楽曲に関する情報を複数保管する楽曲情報データベースと通信をおこなう。
【0013】
楽曲情報記録部102は、楽曲に関する情報を記録する。楽曲情報記録部102は、たとえば、通信部101によって通信をおこなう楽曲情報データベースから楽曲に関する情報をダウンロードして記録してもよい。また、楽曲情報記録部102は、楽曲に関する特徴量の情報を記録する構成でもよい。特徴量の情報は、たとえば、個々の楽曲を識別可能な情報である。
【0014】
再生部103は、楽曲を再生する。再生部103は、たとえば、通信部101を介して楽曲情報データベースに楽曲再生データの保管された楽曲を再生する。また、再生部103は、楽曲情報記録部102に楽曲再生データの記録された楽曲を再生する。さらに、再生部103は、楽曲再生装置100に接続された外部機器から出力される楽曲再生データを再生してもよい。また、再生部103は、後述する登録部109によって登録された利用者の嗜好にあった楽曲を順に再生する。
【0015】
履歴情報記録部104は、楽曲の再生履歴を記録する。履歴情報記録部104は、たとえば、再生部103によって過去に再生された楽曲の再生履歴を記録する。また、再生履歴は、楽曲情報記録部102に記録された楽曲に関する情報に含まれていてもよい。この場合、履歴情報記録部104と楽曲情報記録部102は同体とする。
【0016】
取得部105は、利用者からの音声情報を取得する。取得部105は、たとえば、マイクなどを介して利用者の発した音声情報を取得する。具体的には、利用者の発した鼻歌を音声情報として取得してもよい。また、取得部105は、利用者によって演奏された楽器からの音響情報や、利用者が自身の体などを叩いた際の音響情報などを取得してもよい。
【0017】
検出部110は、取得部105によって取得された音声情報の特徴量を検出する。音声情報の特徴量は、たとえば、旋律、周波数、リズム、歌詞などである。また、検出部110は、取得部105によって複数の利用者からの音声情報を取得した場合、各音声情報がいずれの利用者から発せられたかを検出するようにしてもよい。
【0018】
旋律検出部111は、取得部105によって取得された音声情報の特徴量として旋律を検出する。旋律は、一定時間の音のうち、音楽として意味のあるひとまとまりであると人が認識することのできる音の連なりである。旋律検出部111は、具体的には、たとえば、1音ごとの音の高低差と、音の長さと、音の順序と、を検出してもよい。また、旋律検出部111は、音声情報に含まれる音声パートの旋律のみではなく、ギターパートやドラムパートなどの旋律を検出してもよい。
【0019】
周波数検出部112は、取得部105によって取得された音声情報の特徴量として周波数を検出する。リズム検出部113は、取得部105によって取得された音声情報の特徴量としてリズムを検出する。リズムは、有音と無音のパターンであり、具体的には、音の開始点から次の音の開始点までの長さを、順次並べたものである。また、リズム検出部113は、音の強弱を検出してもよい。歌詞検出部114は、音声情報の特徴量として歌詞を検出する。歌詞検出部114は、たとえば、音声解析などにより利用者の発した言葉を検出する。
【0020】
なお、検出部110の備える、旋律検出部111、周波数検出部112、リズム検出部113、歌詞検出部114は、少なくともいずれか一つの構成部によって音声情報の特徴量が検出されればよく、また音声情報の特徴量が検出可能であれば、これらの構成部に限るものではない。
【0021】
判定部106は、特徴量に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定する。判定部106は、具体的には、旋律、周波数、リズム、歌詞などの少なくともいずれか一つに基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定する。なお、判定部106は、音声情報が楽曲の一部と一致していればよい。具体的には、たとえば、音声情報と楽曲との、旋律、周波数、リズム、歌詞などの一部が一致していればよい。
【0022】
また、判定部106は、特徴量に基づいて、楽曲情報記録部102に情報の記録された楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定する。また、判定部106は、特徴量に基づいて、履歴情報記録部104に再生履歴の記録された楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定する。さらに、判定部106は、特徴量に基づいて、楽曲情報データベースに情報の保管された楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定する。
【0023】
提示部107は、判定部106によって音声情報と一致すると判定された楽曲に関する情報を提示する。具体的には、たとえば、音声情報と一致すると判定された楽曲のタイトルや歌詞の一部などを、楽曲再生装置100の備える図示しない表示画面に表示する。
【0024】
受付部108は、提示部107によって情報の提示された楽曲に対して、利用者からお気に入りに登録する指示を受け付ける。受付部108は、たとえば、楽曲再生装置100の備える図示しない表示画面に、「この曲をお気に入りに登録しますか?」などのメッセージと、YesまたはNoを選択するためのアイコンと、を表示して、どちらかのアイコンが利用者に選択された場合に、選択されたアイコンに対応する処理の指示を受け付ける。
【0025】
登録部109は、判定部106によって音声情報が再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、この再生中の楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する。登録部109は、楽曲に関する情報のうち、たとえば、タイトルなどの情報データの一部のみを登録してもよいし、楽曲再生データを登録してもよい。また、登録部109は、判定部106によって音声情報と一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する。さらに、登録部109は、提示部107によって情報の表示された楽曲に対して、受付部108によって利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けた場合に、この楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録してもよい。
【0026】
(楽曲再生装置の楽曲再生処理手順)
つぎに、楽曲再生装置100の楽曲再生処理手順について説明する。図2は、楽曲再生装置の楽曲再生処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、取得部105によって利用者からの音声情報を取得するまで待機する(ステップS201:Noのループ)。ステップS201において音声情報を取得した場合(ステップS201:Yes)、検出部110によって、ステップS201において取得された音声情報の特徴量を検出する(ステップS202)。
【0027】
ステップS202において特徴量を検出する処理は、たとえば、以下の4つの処理でおこなう。第1に、旋律検出部111によって音声情報の旋律を検出する。第2に、周波数検出部112によって音声情報の周波数を検出する。第3に、リズム検出部113によって音声情報のリズムを検出する。第4に、歌詞検出部114によって音声情報に含まれる歌詞を検出する。ステップS202においては、これら4つの処理のうち少なくとも1つの処理をおこない、音声情報の特徴量を検出する。
【0028】
つぎに、再生部103によって楽曲を再生中か否かを判断する(ステップS203)。ステップS203において楽曲を再生中の場合(ステップS203:Yes)、ステップS202において検出された特徴量に基づいて、判定部106によって音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204において音声情報が再生中の楽曲と一致すると判定された場合(ステップS204:Yes)、提示部107によって、ステップS204において音声情報と一致すると判定された再生中の楽曲に関する情報を提示する(ステップS206)。
【0029】
一方、ステップS203において楽曲を再生中ではない場合(ステップS203:No)、判定部106によって音声情報に一致する楽曲を判定する(ステップS205)。ステップS205においては、たとえば、楽曲情報記録部102に楽曲に関する情報の記録された楽曲の中から、履歴情報記録部104に再生履歴の記録された楽曲の中から、または、通信部101によって通信をおこなう楽曲情報データベースに楽曲に関する情報の保管された楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定する。そして、ステップS206に進み、提示部107によって、ステップS205において音声情報と一致すると判定された楽曲に関する情報を提示する。
【0030】
つぎに、ステップS206において情報の提示された楽曲に対して、利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS207)。そして、ステップS207において利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けた場合(ステップS207:Yes)、ステップS206において情報の提示された楽曲を、登録部109によって利用者の嗜好に合致する楽曲として登録して(ステップS208)、一連の処理を終了する。
【0031】
また、ステップS204において音声情報が再生中の楽曲と一致しないと判定された場合(ステップS204:No)や、ステップS207において利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けない場合(ステップS207:No)、そのまま一連の処理を終了する。
【0032】
なお、図2のフローチャートにおいては、ステップS204:Noにおいて音声情報が再生中の楽曲と一致しないと判定された場合、そのまま一連の処理を終了するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS204:Noにおいて音声情報が再生中の楽曲と一致しないと判定された場合、ステップS205に進み、楽曲情報記録部102、履歴情報記録部104または楽曲情報データベースに情報が記録・保管された楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定してもよい。これによって、たとえば、利用者が再生中の楽曲と異なる楽曲を口ずさんでいても、利用者の口ずさんでいる楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。
【0033】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS207において利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けたか否かを判断することとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS207を省略し、利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けずに、ステップS208に進み、利用者の嗜好に合致する楽曲として登録してもよい。また、この場合、ステップS206において、楽曲に関する情報を提示する処理も省略してもよい。
【0034】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS202において特徴量を検出した後に、ステップS203において楽曲を再生中か否かを判断し、楽曲を再生中ではない場合、ステップS205に進み、楽曲情報記録部102、履歴情報記録部104または楽曲情報データベースに情報が記録・保管された楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS203およびステップS205を省略し、ステップS204に進み、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判断してもよい。この場合、たとえば、楽曲が再生中ではない場合、音声情報が再生中の楽曲と一致しないと判断して、そのまま一連の処理を終了する構成でもよい。
【0035】
上述したように、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、取得部105によって取得された利用者からの音声情報の特徴量を、検出部110によって検出する。そして、特徴量に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定部106によって判定し、音声情報が再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、登録部109によって再生中の楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、楽曲を何度も再生したり、利用者によって楽曲が選択されなくても、自動的に利用者の嗜好にあった楽曲を登録することができる。これによって、利用者は、自身の気に入っている楽曲が再生されたときに、楽曲に合わせて鼻歌やハミングをするという自然な行為のみで、自動的にお気に入りリストを作成することができる。このため、お気に入りリストを作成するための、楽曲を何度も再生する操作や、複数の楽曲の中から楽曲を選択する操作など、煩わしい操作を省くことができる。
【0036】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、旋律検出部111によって音声情報の特徴量として旋律を検出し、判定部106によって旋律に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報の旋律の一部が、再生中の楽曲の旋律の一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、再生中の楽曲に合わせてつい唱歌してしまうようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0037】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、周波数検出部112によって音声情報の特徴量として周波数を検出し、判定部106によって、周波数に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報の周波数の一部が、再生中の楽曲の周波数の一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、再生中の楽曲に合わせてつい鼻歌やハミングするようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0038】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、リズム検出部113によって音声情報の特徴量としてリズムを検出し、判定部106によって、リズムに基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報のリズムの一部が、再生中の楽曲のリズムの一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、たとえば、再生中の楽曲に合わせてつい自身の体や近傍にあるものを叩いてリズムを取るようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0039】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、歌詞検出部114によって音声情報の特徴量として歌詞を検出し、判定部106は、歌詞に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報の歌詞の一部が、再生中の楽曲の歌詞の一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、たとえば、再生中の楽曲に合わせて歌詞を口ずさむようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0040】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、楽曲情報記録部102に楽曲に関する情報が記録された楽曲の中から、特徴量に基づいて、判定部106によって音声情報に一致する楽曲を判定し、登録部109によって、音声情報に一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、楽曲を再生中ではない場合、または音声情報が再生中の楽曲と一致しない場合、ハードディスクなどに楽曲データが保管されている楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定し、お気に入りリストに登録することができる。これによって、利用者は、楽曲が再生されていないときに鼻歌を歌ったりハミングをしたりしても、自身が歌っているつもりの楽曲をお気に入りリストに登録させることができる。
【0041】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、履歴情報記録部104に楽曲の再生履歴が記録された楽曲の中から、特徴量に基づいて、判定部106によって音声情報に一致する楽曲を判定し、登録部109によって、音声情報に一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、楽曲を再生中ではない場合、または音声情報が再生中の楽曲と一致しない場合、ハードディスクなどに再生履歴が保管されている楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定し、お気に入りリストに登録することができる。これによって、利用者は、たとえば、以前に再生されて頭に残っている楽曲を口ずさんだ場合、この楽曲をお気に入りリストに登録させることができる。
【0042】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、通信部101によって通信をおこなう楽曲情報データベースに楽曲に関する情報が保管された楽曲の中から、特徴量に基づいて、判定部106によって、音声情報に一致する楽曲を判定し、登録部109によって、音声情報に一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、音声情報が、自装置の記録媒体に記録されていない楽曲やラジオやテレビなどで放送された楽曲と一致する場合、楽曲情報データベースの中から、音声情報に一致する楽曲を判定し、お気に入りリストに登録することができる。これによって、利用者は、たとえば、ラジオを聴取しているときや、テレビを視聴しているときに、思わず口ずさんだ楽曲をお気に入りリストに登録させることができる。
【0043】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、提示部107によって音声情報と一致すると判定された楽曲に関する情報を提示して、受付部108によって利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けた場合に、この楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として、登録部109によって登録することができる。したがって、たとえば、利用者がお気に入りではない楽曲を口ずさんだ場合、この楽曲をお気に入りリストに登録しないことができる。これによって、利用者は、たとえば、お気に入りの楽曲やお気に入りではない楽曲に関わらず、鼻歌やハミングをしていても、お気に入りの楽曲のみをお気に入りリストに登録させることができる。
【0044】
また、本実施の形態の楽曲再生装置100によれば、再生部103によって、登録部109によって登録された利用者の嗜好に合致する楽曲を順に再生することができる。したがって、たとえば、お気に入りリストに登録された楽曲を、お気に入り度が高い順やお気に入りに登録された順に再生することができる。これによって、利用者は、たとえば、ハードディスクの中に多くの楽曲が保管されていても、その中から自身の気に入っている楽曲のみを再生させることができる。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるオーディオ装置や自宅などに設置されるオーディオ装置によって、本発明の楽曲再生装置を実施した場合の一例について説明する。
【0046】
(オーディオ装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるオーディオ装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるオーディオ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、オーディオ装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、カメラ315と、を備えている。各構成部301〜315は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0047】
まず、CPU301は、オーディオ装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、データ更新プログラム、音声情報取得プログラム、特徴量検出プログラム、楽曲判定プログラム、お気に入り登録プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、オーディオ装置300の全体の制御を司る。
【0048】
音声情報取得プログラムは、後述する音声I/F308にマイク309を介して入力された音声情報から、利用者によって発せられた音声情報もしくは利用者によって奏でられた音響情報を取得させる。利用者によって発せられた音声情報は、利用者の唱歌や、鼻歌や、ハミングなどである。また、利用者によって奏でられた音響情報は、たとえば、利用者によって演奏された楽器からの音響情報や、利用者が自身の体などを叩いた際に発生する音響情報などである。すなわち、たとえば、楽曲が再生中で、音声I/F308にこの楽曲の楽曲再生データが入力されても、音声情報や音響情報と、楽曲再生データとを区別して取得することができる。
【0049】
特徴量検出プログラムは、音声取得プログラムを実行することにより取得された音声情報を解析し、音声情報の特徴量を検出させる。音声情報の特徴量は、図5〜図8において詳細に説明するが、たとえば、音声情報の旋律、周波数、リズム、歌詞などである。また、特徴量検出プログラムは、磁気ディスク305または光ディスク307に記録され、磁気ディスクドライブ304または光ディスクドライブ306に制御され再生されている楽曲再生データの特徴量を検出させる。さらに、特徴量検出プログラムは、磁気ディスク305または光ディスク307に記録された再生中ではない楽曲再生データや、通信I/F314によってネットワークを介して接続される楽曲情報データベースに保管されている楽曲再生データの特徴量を検出させてもよい。
【0050】
楽曲判定プログラムは、図5〜図8において詳細に説明するが、たとえば、特徴量検出プログラムを実行することにより検出された音声情報の特徴量と楽曲再生データの特徴量とを比較させて、音声情報が楽曲再生データと一致するか否かを判定させる。楽曲判定プログラムは、音声情報の特徴量と楽曲再生データの特徴量との一部が一致すれば、音声情報が楽曲再生データと一致すると判定させてもよい。
【0051】
お気に入り登録プログラムは、利用者の嗜好に合致する楽曲に関する情報を磁気ディスク305または光ディスク307に記録させる。具体的には、お気に入り登録プログラムは、楽曲判定プログラムを実行することにより音声情報が楽曲再生データと一致すると判定された場合、この楽曲再生データに対応する楽曲に関する情報をお気に入りとして登録させる。
【0052】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0053】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0054】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、楽曲に関する情報が挙げられる。楽曲に関する情報は、楽曲を再生するための楽曲再生データや、タイトル・演奏者・歌詞・ジャンルなどの情報データである。楽曲再生データは、複数のチャンネルを含んでおり、それぞれが異なるスピーカ310から出力される構成でもよい。
【0055】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。音声I/F308は、スピーカ310に出力する音声情報の音量を制御する。スピーカ310は、複数存在する構成でもよく、それぞれ異なる音量の音声情報が出力されてもよい。スピーカ310からは、音声I/F308の制御にしたがって、たとえば、コンテンツに関する音声情報や、ラジオ放送やテレビ放送などの音声情報が出力される。また、マイク309には、音声I/F308の制御にしたがって、たとえば、周囲の音声情報が集音される。
【0056】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0057】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0058】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、たとえば、後述するカメラ315によって撮影された映像を表示することができる。ディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ313は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0059】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、オーディオ装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0060】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナーなどによって構成される。
【0061】
カメラ315は、たとえば、車両内部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ315によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。カメラ315によって撮影された車両内部の搭乗者の挙動から、CPU301によって車両内部の搭乗者の人数や、搭乗者の座っている位置が判断されてもよい。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0062】
図1に示した楽曲再生装置100が備える通信部101、楽曲情報記録部102、再生部103、履歴情報記録部104、取得部105、判定部106、提示部107、受付部108、登録部109、検出部110は、図3に示したオーディオ装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、オーディオ装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0063】
すなわち、実施例のオーディオ装置300は、オーディオ装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている楽曲判定プログラムを実行することにより、図1に示した楽曲再生装置が備える機能を、図2に示した楽曲再生処理手順で実行することができる。
【0064】
(オーディオ装置の処理の内容)
つぎに、オーディオ装置300の処理の内容について説明する。図4は、オーディオ装置の処理の内容を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、音声情報取得プログラムによって、利用者からの音声情報を取得するまで待機する(ステップS401:Noのループ)。ステップS401において利用者からの音声情報を取得した場合(ステップS401:Yes)、特徴量検出プログラムによって、ステップS401において取得された音声情報の特徴量を検出する(ステップS402)。
【0065】
ステップS401においては、たとえば、利用者の発した鼻歌、ハミングなどの音声情報や、利用者が演奏した楽器からの音響情報や、利用者が自身の体を叩くなどして発せられた音響情報などを取得する。また、ステップS402においては、特徴量として、たとえば、ステップS401において取得された音声情報の、旋律、周波数、リズム、歌詞などを検出する。
【0066】
つぎに、楽曲を再生中か否かを判断して(ステップS403)、楽曲を再生中と判断された場合(ステップS403:Yes)、楽曲判定プログラムによって、ステップS402において検出された特徴量に基づいて、音声情報と再生中の楽曲との旋律の一部が一致するか否かを判断する(ステップS404)。ステップS404において旋律の一部が一致すると判断されない場合(ステップS404:No)、音声情報と再生中の楽曲との周波数の一部が一致するか否かを判断する(ステップS405)。ステップS405において周波数の一部が一致すると判断されない場合(ステップS405:No)、音声情報と再生中の楽曲とのリズムの一部が一致するか否かを判断する(ステップS406)。ステップS406においてリズムの一部が一致すると判断されない場合(ステップS406:No)、音声情報と再生中の楽曲との歌詞の一部が一致するか否かを判断する(ステップS407)。
【0067】
ステップS404において旋律の一部が一致すると判断された場合(ステップS404:Yes)、ディスプレイ313などに、ステップS403において再生中と判断された楽曲の情報データを表示する(ステップS408)。また、同様に、ステップS405において周波数の一部が一致すると判断された場合(ステップS405:Yes)、ステップS406においてリズムの一部が一致すると判断された場合(ステップS406:Yes)、ステップS407において歌詞の一部が一致すると判断された場合(ステップS407:Yes)、ステップS408に進み、再生中と判断された楽曲の情報データを表示する。
【0068】
なお、ステップS404〜ステップS407の処理において、Yesと判断された場合、ステップS401において取得された音声情報が、ステップS403において再生中と判断された楽曲と一致すると判断される。また、ステップS404〜ステップS407は順不同であり、ステップS404〜ステップS407のいずれか一つの処理においてYesと判断された場合に、ステップS408に進む構成としてもよい。さらに、ステップS404〜ステップS407のうちの複数の処理においてYesと判断された場合に、ステップS408に進む構成としてもよく、たとえば、ステップS404〜ステップS407の全ての処理においてYesと判断された場合のみ、ステップS408に進む構成としてもよい。
【0069】
ステップS403において楽曲を再生中でないと判断された場合(ステップS403:No)、または、ステップS407において歌詞の一部が一致すると判断されない場合(ステップS407:No)、楽曲再生データの記録された磁気ディスク305の中に音声情報と一致する楽曲があるか否かを判断する(ステップS409)。ステップS409において磁気ディスク305に音声情報と一致する楽曲がない場合(ステップS409:No)、磁気ディスク305などに記録された再生履歴に音声情報と一致する楽曲があるか否かを判断する(ステップS410)。ステップS410において再生履歴に音声情報と一致する楽曲がない場合(ステップS410:No)、ネットワークを介して通信I/F314に接続されたサーバに音声情報と一致する楽曲があるか否かを判断する(ステップS411)。
【0070】
ステップS409において磁気ディスクに音声情報と一致する楽曲がある場合(ステップS409:Yes)、ステップS410において再生履歴に音声情報と一致する楽曲がある場合(ステップS410:Yes)、ステップS411においてサーバに音声情報と一致する楽曲がある場合(ステップS411:Yes)、ステップS408に進み、一致すると判断された楽曲の情報データを表示する。なお、ステップS409〜ステップS411は順不同であり、ステップS409〜ステップS411のいずれか一つの処理においてYesと判断された場合に、ステップS408に進む構成としてもよい。
【0071】
つぎに、利用者から、ステップS408において情報データの表示された楽曲を、お気に入りに登録する指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS412)。ステップS412においてお気に入りに登録する指示を受け付けた場合(ステップS412:Yes)、ステップS408において情報データの表示された楽曲を、たとえば、お気に入り登録プログラムによってお気に入りリストに登録して(ステップS413)、一連の処理を終了する。
【0072】
一方、ステップS411においてサーバに一致する楽曲がない場合(ステップS411:No)、ステップS412においてお気に入りに登録する指示を受け付けない場合(ステップS412:No)、そのまま一連の処理を終了する。
【0073】
なお、図4のフローチャートにおいては、ステップS412においてお気に入りに登録する指示を受け付けたか否かを判断するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS412を省略して、ステップS404〜ステップS407において音声情報が再生中の楽曲と一致すると判断された場合、またはステップS409〜ステップS411において音声情報と一致する楽曲があると判断された場合、ステップS408に進み、この楽曲の情報データを表示した後、そのままステップS412に進み、お気に入りに登録する構成でもよい。また、この場合、ステップS408を省略してもよい。
【0074】
(旋律判定処理の内容)
つぎに、楽曲判定プログラムの詳細について説明する。まず、図4のステップS404において、音声情報と再生中の楽曲との旋律の一部が一致するか否かを判断する旋律判定処理の内容について説明する。図5は、旋律判定処理の内容について示す説明図である。図5には、楽曲の旋律500と、音声情報の旋律510と、の一部を示している。ここで旋律は、1音ごとの音の高低差と、音の長さと、音の順序との組み合わせであるとする。図5においては、旋律を明確に表すため五線譜に音符を付して示したが、これに限るものではない。音声情報の旋律510は、図4のステップS401において取得された音声情報から、ステップS402において特徴量が検出された際に、検出された旋律である。また、楽曲の旋律500は、再生中の楽曲の、音声情報の旋律510が検出されたときに再生されている部分の旋律、もしくは音声情報の旋律510が検出されたときの所定時間前の旋律である。
【0075】
図5に示すように、楽曲の旋律500と、音声情報の旋律510とを比較すると、1音目501から5音目505まで音の長さは楽曲と音声情報とで同じである。また、音の高さは、1音目501がともに「ファ」、2音目502がともに「ラ」、3音目503がともに「ファ」、5音目505がともに「ド」であるが、4音目504においては楽曲が「ファ」で音声情報が「ミ」である。このように、楽曲の旋律500と音声情報の旋律510との一部がほぼ同じ場合、音声情報が楽曲と一致すると判定される。
【0076】
(周波数判定処理の内容)
つぎに、図4のステップS405において音声情報と再生中の楽曲との周波数の一部が一致するか否かを判断する周波数判定処理について説明する。図6は、周波数判定処理の内容について示す説明図である。図6において、縦軸は周波数を示し、横軸は時間を示している。また、図6には、楽曲の周波数601と、音声情報の周波数602との、一部を示している。音声情報の周波数602は、図4のステップS401において取得された音声情報から、ステップS402において特徴量が検出された際に、検出された周波数である。また、楽曲の周波数601は、再生中の楽曲の、音声情報の周波数601が検出されたときに再生されている部分の周波数、もしくは音声情報の周波数601が検出されたときの所定時間前の周波数である。図6に示すように、楽曲の周波数601と、音声情報の周波数602とを比較すると、ほぼ同じ曲線を示している。このため、音声情報が楽曲と一致すると判定される。
【0077】
(リズム判定処理の内容)
つぎに、図4のステップS406において音声情報と再生中の楽曲とのリズムの一部が一致するか否かを判断するリズム判定処理について説明する。図7は、リズム判定処理の内容について示す説明図である。図7において、横軸は時間を示している。また、図7には、楽曲のリズム701と、音声情報のリズム702と、の一部を示している。ここでリズムは、有音と無音のパターンであり、具体的には、音の開始点から次の音の開始点までの長さを、順次並べたものである。図7においては、斜線部分が有音の領域であり、斜線のない白地部分が無音の領域である。
【0078】
音声情報のリズム702は、図4のステップS401において取得された音声情報から、ステップS402において特徴量が検出された際に、検出されたリズムである。また、楽曲のリズム701は、再生中の楽曲の、音声情報のリズム701が検出されたときに再生されている部分のリズム、もしくは音声情報のリズム701が検出されたときの所定時間前のリズムである。図7に示すように、楽曲のリズム701と、音声情報のリズム702とを比較すると、ほぼ同じ間隔、同じタイミングに有音の領域を示している。このため、音声情報が楽曲と一致すると判定される。
【0079】
(歌詞判定処理の内容)
つぎに、図4のステップS407において音声情報と再生中の楽曲との歌詞の一部が一致するか否かを判断する歌詞判定処理について説明する。図8は、歌詞判定処理の内容について示す説明図である。図8には、楽曲に含まれる歌詞801と、音声情報に含まれる歌詞802と、の一部を示している。ここで歌詞は、楽曲および音声情報から音声解析などにより抽出する。また、音声情報に含まれる歌詞802には、利用者が歌詞を口ずさまなかったり、歌詞がはっきりとわからず言葉を濁して発したりした部分が、解析不能の領域803として示されている。
【0080】
音声情報の歌詞802は、図4のステップS401において取得された音声情報から、ステップS402において特徴量が検出された際に、検出された歌詞である。また、楽曲の歌詞801は、再生中の楽曲の、音声情報の歌詞802が検出されたときに再生されている部分の歌詞、もしくは音声情報の歌詞802が検出されたときの所定時間前の歌詞である。図8に示すように、楽曲の歌詞801と、音声情報の歌詞802とを比較すると、ほぼ同じ言葉であることがわかる。このため、音声情報が楽曲と一致すると判定される。
【0081】
(お気に入りに登録する指示を促す表示の一例)
つぎに、図4のステップS412において利用者からのお気に入りに登録する指示を受け付けたか否かを判断する処理について説明する。図9は、お気に入りに登録する指示を促す表示の一例について示す説明図である。たとえば、図4のステップS404〜ステップS407において音声情報が再生中の楽曲と一致すると判断された場合、ディスプレイ313に、『再生中の曲を「お気に入り」に登録しますか?』などのメッセージと、利用者の意志を受け付ける『Yes』のアイコン901と『No』のアイコン902と、を表示する。そして、たとえば、ディスプレイ313に積層されたタッチパネルなどを介して、利用者からの指示を受け付ける。
【0082】
(お気に入りリストの内容の一例)
つぎに、お気に入りリストについて説明する。図10は、お気に入りリストの内容の一例について示す説明図である。お気に入りリスト1000は、図4のステップS413によるお気に入り登録処理によって磁気ディスク305または光ディスク307に記録される楽曲に関する情報の一覧である。図10に示すように、お気に入りリスト1000は、たとえば、順位と、曲タイトルと、アーティストと、唱歌時間と、一致割合と、お気に入り度と、を含んでいる。ここで、唱歌時間は、たとえば、それぞれの楽曲に対して利用者が鼻歌やハミングをおこなった秒数である。また、一致割合は、たとえば、図5〜図8において説明した楽曲判定プログラムによって音声情報が楽曲と一致すると判定された割合である。たとえば、図5において示した旋律判定処理において、音声情報の旋律が、楽曲の旋律と8割一致した場合、一致割合は80%となる。
【0083】
お気に入り度は、たとえば、利用者のそれぞれの楽曲に対するお気に入りの度合いを示す。たとえば、百分率や点数によって表される。お気に入り度は、具体的には、たとえば、唱歌時間と一致割合に基づいて算出されてもよい。たとえば、「A曲」1001と「B曲」1002は、一致割合がともに80%であるが、唱歌時間が「A曲」1001は185秒であり、「B曲」1002は120秒である。この場合、「A曲」1001の方が「B曲」1002よりお気に入り度が高くなる。
【0084】
また、「C曲」1003と「D曲」1004は、唱歌時間がともに75秒であるが、一致割合が「C曲」1003は100%であり、「D曲」1004は50%である。この場合、「C曲」1003の方が「D曲」1004よりお気に入り度が高くなる。そして、たとえば、お気に入り度が最も高いものから順に順位が付されることとしてもよい。また、図示はしないが、たとえば、再生回数などを示し、再生回数が多い楽曲をお気に入り度が高い楽曲としてもよい。なお、たとえば、利用者によるお気に入りリスト1000の楽曲を再生する指示を受け付けた場合、順位の高い楽曲から順に再生されることとしてもよい。
【0085】
上述したように、本実施例のオーディオ装置300によれば、取得部105によって取得された利用者からの音声情報の特徴量を、検出部110によって検出する。そして、特徴量に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定部106によって判定し、音声情報が再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、登録部109によって再生中の楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、楽曲を何度も再生したり、利用者によって楽曲が選択されなくても、自動的に利用者の嗜好にあった楽曲を登録することができる。これによって、利用者は、自身の気に入っている楽曲が再生されたときに、楽曲に合わせて鼻歌やハミングをするという自然な行為のみで、自動的にお気に入りリストを作成することができる。このため、お気に入りリストを作成するための、楽曲を何度も再生する操作や、複数の楽曲の中から楽曲を選択する操作など、煩わしい操作を省くことができる。
【0086】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、旋律検出部111によって音声情報の特徴量として旋律を検出し、判定部106によって旋律に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報の旋律の一部が、再生中の楽曲の旋律の一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、再生中の楽曲に合わせてつい唱歌してしまうようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0087】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、周波数検出部112によって音声情報の特徴量として周波数を検出し、判定部106によって、周波数に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報の周波数の一部が、再生中の楽曲の周波数の一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、再生中の楽曲に合わせてつい鼻歌やハミングするようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0088】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、リズム検出部113によって音声情報の特徴量としてリズムを検出し、判定部106によって、リズムに基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報のリズムの一部が、再生中の楽曲のリズムの一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、たとえば、再生中の楽曲に合わせてつい自身の体や近傍にあるものを叩いてリズムを取るようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0089】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、歌詞検出部114によって音声情報の特徴量として歌詞を検出し、判定部106は、歌詞に基づいて、音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定することができる。したがって、音声情報の歌詞の一部が、再生中の楽曲の歌詞の一部とほぼ同じであれば、音声情報が楽曲と一致すると判定することができる。これによって、利用者は、たとえば、再生中の楽曲に合わせて歌詞を口ずさむようなお気に入りの楽曲を、自動的にお気に入りリストに登録させることができる。
【0090】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、楽曲情報記録部102に楽曲に関する情報が記録された楽曲の中から、特徴量に基づいて、判定部106によって音声情報に一致する楽曲を判定し、登録部109によって、音声情報に一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、楽曲を再生中ではない場合、または音声情報が再生中の楽曲と一致しない場合、ハードディスクなどに楽曲データが保管されている楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定し、お気に入りリストに登録することができる。これによって、利用者は、楽曲が再生されていないときに鼻歌を歌ったりハミングをしたりしても、自身が歌っているつもりの楽曲をお気に入りリストに登録させることができる。
【0091】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、履歴情報記録部104に楽曲の再生履歴が記録された楽曲の中から、特徴量に基づいて、判定部106によって音声情報に一致する楽曲を判定し、登録部109によって、音声情報に一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、楽曲を再生中ではない場合、または音声情報が再生中の楽曲と一致しない場合、ハードディスクなどに再生履歴が保管されている楽曲の中から、音声情報に一致する楽曲を判定し、お気に入りリストに登録することができる。これによって、利用者は、たとえば、以前に再生されて頭に残っている楽曲を口ずさんだ場合、この楽曲をお気に入りリストに登録させることができる。
【0092】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、通信部101によって通信をおこなう楽曲情報データベースに楽曲に関する情報が保管された楽曲の中から、特徴量に基づいて、判定部106によって、音声情報に一致する楽曲を判定し、登録部109によって、音声情報に一致すると判定された楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することができる。したがって、たとえば、音声情報が、自装置の記録媒体に記録されていない楽曲やラジオやテレビなどで放送された楽曲と一致する場合、楽曲情報データベースの中から、音声情報に一致する楽曲を判定し、お気に入りリストに登録することができる。これによって、利用者は、たとえば、ラジオを聴取しているときや、テレビを視聴しているときに、思わず口ずさんだ楽曲をお気に入りリストに登録させることができる。
【0093】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、提示部107によって音声情報と一致すると判定された楽曲に関する情報を提示して、受付部108によって利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けた場合に、この楽曲を利用者の嗜好に合致する楽曲として、登録部109によって登録することができる。したがって、たとえば、利用者がお気に入りではない楽曲を口ずさんだ場合、この楽曲をお気に入りリストに登録しないことができる。これによって、利用者は、たとえば、お気に入りの楽曲やお気に入りではない楽曲に関わらず、鼻歌やハミングをしていても、お気に入りの楽曲のみをお気に入りリストに登録させることができる。
【0094】
また、本実施例のオーディオ装置300によれば、再生部103によって、登録部109によって登録された利用者の嗜好に合致する楽曲を順に再生することができる。したがって、たとえば、お気に入りリストに登録された楽曲を、お気に入り度が高い順やお気に入りに登録された順に再生することができる。これによって、利用者は、たとえば、ハードディスクの中に多くの楽曲が保管されていても、その中から自身の気に入っている楽曲のみを再生させることができる。
【0095】
なお、本実施の形態で説明した楽曲判定方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本実施の形態にかかる楽曲再生装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】楽曲再生装置の楽曲再生処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるオーディオ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】オーディオ装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】旋律判定処理の内容について示す説明図である。
【図6】周波数判定処理の内容について示す説明図である。
【図7】リズム判定処理の内容について示す説明図である。
【図8】歌詞判定処理の内容について示す説明図である。
【図9】お気に入りに登録する指示を促す表示の一例について示す説明図である。
【図10】お気に入りリストの内容の一例について示す説明図である。
【符号の説明】
【0097】
100 楽曲再生装置
101 通信部
102 楽曲情報記録部
103 再生部
104 履歴情報記録部
105 取得部
106 判定部
107 提示部
108 受付部
109 登録部
110 検出部
111 旋律検出部
112 周波数検出部
113 リズム検出部
114 歌詞検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲を再生する再生手段と、
利用者からの音声情報を取得する取得手段と、
前記音声情報の特徴量を検出する検出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、当該再生中の楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする楽曲再生装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
前記音声情報の前記特徴量として旋律を検出する旋律検出手段を備え、
前記判定手段は、前記旋律に基づいて、前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の楽曲再生装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
前記音声情報の前記特徴量として周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記判定手段は、前記周波数に基づいて、前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の楽曲再生装置。
【請求項4】
前記検出手段は、
前記音声情報の前記特徴量としてリズムを検出するリズム検出手段を備え、
前記判定手段は、前記リズムに基づいて、前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項5】
前記検出手段は、
前記音声情報の前記特徴量として歌詞を検出する歌詞検出手段を備え、
前記判定手段は、前記歌詞に基づいて、前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項6】
前記楽曲に関する情報を記録する楽曲情報記録手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記特徴量に基づいて、前記楽曲情報記録手段に情報の記録された楽曲の中から、前記音声情報に一致する楽曲を判定し、
前記登録手段は、前記判定手段によって前記音声情報に一致すると判定された前記楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項7】
前記楽曲の再生履歴を記録する履歴情報記録手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記特徴量に基づいて、前記履歴情報記録手段に再生履歴の記録された楽曲の中から、前記音声情報に一致する楽曲を判定し、
前記登録手段は、前記判定手段によって前記音声情報に一致すると判定された前記楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することを特徴とする請求項1〜6に記載の楽曲再生装置。
【請求項8】
前記楽曲に関する情報を保管する楽曲情報データベースと通信をおこなう通信手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記特徴量に基づいて、前記楽曲情報データベースに情報の保管された楽曲の中から、前記音声情報に一致する楽曲を判定し、
前記登録手段は、前記判定手段によって前記音声情報に一致すると判定された前記楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項9】
前記判定手段によって前記音声情報と一致すると判定された前記楽曲に関する情報を提示する提示手段と、
前記提示手段によって情報の提示された前記楽曲に対して、前記利用者からお気に入りに登録する指示を受け付ける受付手段と、
をさらに備え、
前記登録手段は、前記利用者からお気に入りに登録する指示を受け付けた場合に、前記提示手段によって提示された楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記利用者の発した鼻歌を音声情報として取得することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項11】
前記再生手段は、前記登録手段によって登録された前記利用者の嗜好に合致する楽曲を順に再生することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の楽曲再生装置。
【請求項12】
楽曲を再生する再生工程と、
利用者からの音声情報を取得する取得工程と、
前記音声情報の特徴量を検出する検出工程と、
前記特徴量に基づいて、前記音声情報が再生中の楽曲と一致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記音声情報が前記再生中の楽曲と一致すると判定された場合に、当該再生中の楽曲を前記利用者の嗜好に合致する楽曲として登録する登録工程と、
を含むことを特徴とする楽曲判定方法。
【請求項13】
請求項12に記載の楽曲判定方法をコンピュータに実行させることを特徴とする楽曲判定プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の楽曲判定プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−134104(P2009−134104A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310491(P2007−310491)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(500403929)パイオニアシステムテクノロジー株式会社 (58)
【出願人】(502196463)株式会社テック・エキスパーツ (37)
【Fターム(参考)】