説明

楽曲情報取得システム並びにこれに用いる車載機およびサーバ装置、楽曲情報取得方法

【課題】差分アップデート法によらず、出荷時にローカルCDDBになかった楽曲情報を取得する際のユーザの手間を軽減できる「楽曲情報取得システム並びにこれに用いる車載機およびサーバ装置、楽曲情報取得方法」を提供する。
【解決手段】リッピングしたCD100から読み出されたTOC情報をキーとしてローカルCDDB11を検索して楽曲情報を取得したときに、当該取得した楽曲情報により示されるアーティスト名を含む他の楽曲情報をサーバ装置3のリモートCDDB21から取得して車載機1のローカルCDDB11に記憶させることにより、その後にリッピングした他のCDに関する楽曲情報を取得しようとする際に、当該他のCDに関する楽曲情報が出荷時にローカルCDDB11に記録されていなかったものであるとしても、その楽曲情報がローカルCDDB11に存在している可能性が高くなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲情報取得システム並びにこれに用いる車載機およびサーバ装置、楽曲情報取得方法に関し、特に、車載機が通信ネットワークを介してサーバ装置から楽曲情報を取得するシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクを搭載した車載オーディオ装置が提供されている。この種の車載オーディオ装置では、例えば音楽CD(Compact Disc)から音楽データを読み出してハードディスクに取り込むことにより、複数枚分のCDの音楽データをハードディスクに記録(リッピング)することが可能である。このようにすれば、ユーザは、CDを抜き差しすることなく多くの音楽を視聴することができる。
【0003】
一般に、CDには音楽データの他にその付随情報としてTOC(Table of Contents)情報も記録されている。車載オーディオ装置がCDから音楽データを読み出してハードディスクに記録する際には、TOC情報も合わせてハードディスクに記録される。TOC情報を記録した車載オーディオ装置は、当該TOC情報をキーとしてCDDB(CD Database)にアクセスし、CDに関する楽曲情報(収録曲の楽曲名、アルバム名、アーティスト名、ジャンル、演奏時間など)を取得してハードディスクに記録する。
【0004】
多くの車載オーディオ装置は、ハードディスクとは別にCDDBも内蔵している。すなわち、CDDBを内蔵した車載オーディオ装置は、CDから音楽データを読み出してハードディスクに記録する際に、TOC情報も読み出してハードディスクに記録する。その後、車載オーディオ装置は、TOC情報をキーとして内蔵のCDDBにアクセスすることにより、そのTOC情報に関連する楽曲情報をCDDBから取得する。このように楽曲情報を取得して音楽データと関連付けてハードディスクに記録すれば、当該音楽データを再生するときに、関連する楽曲情報を表示装置に表示することが可能となる。
【0005】
ところが、車載オーディオ装置が内蔵するCDDBには、出荷時にあらかじめ記録されたCDの楽曲情報が存在するのみである。すなわち、全てのCDに関する楽曲情報が内蔵のCDDBに記録されている訳ではない。そのため、ハードディスクにリッピングしたCDに関連する楽曲情報を内蔵のCDDBから取り出すことができない場合がある。
【0006】
これに対して、リッピングしようとするCDに関連する楽曲情報がローカルデータベース(以下、ローカルCDDBという)に記録されていない場合に、インターネット上にあるリモートデータベース(以下、リモートCDDBという)から楽曲情報を取得するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、インターネットを通じて配信されてくるアップデートされたタイトル情報を受信することで、ローカルCDDBを更新する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4195084号公報
【特許文献2】特開2002−230945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、ローカルCDDBに楽曲情報が記録されていないCDをリッピングする都度、インターネットにアクセスしてリモートCDDBから楽曲情報を取得しなければならない。ここで、インターネットへのアクセスは、車載オーディオ装置に携帯電話を接続して行う必要がある。そのため、ローカルCDDBに楽曲情報が記録されていない場合は、リモートCDDBから楽曲情報を取得するために、CDを1枚リッピングする毎にユーザによる操作部の操作が必要となり、手間がかかるという問題があった。
【0009】
一方、特許文献2に記載の従来技術によれば、ローカルCDDBに記録されていない複数の楽曲情報が一度にアップデートされるので、CD1枚毎にインターネットにアクセスして楽曲情報を取得する操作は必要なくなる。しかしながら、車載オーディオ装置が内蔵するローカルCDDBは記憶容量の大きさに制限がある。そのため、CDDBの記憶容量が小さいと、アップデートされる楽曲情報によってCDDBがすぐに一杯になってしまい、それ以降はアップデートに対応できなくなってしまう。これを回避するためにはCDDBの記憶容量を大きくしなければならいが、そうするとコストが増大してしまうという問題があった。したがって、特許文献2のように楽曲情報の差分を一気にアップデートする方法は現実的でなく、採用し難い。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、差分アップデートといった非現実的な方法によらず、元々はローカルCDDBに楽曲情報が記録されていなかったCDに関する楽曲情報を取得する際のユーザの手間を軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、リッピング時に外部記録媒体から音楽データと共に読み出された付随情報をキーとして車載機のローカルデータベースを検索して楽曲情報を取得したときに、当該取得した楽曲情報により示されるアーティスト名を含む他の楽曲情報を、通信ネットワーク上のサーバ装置が備えるリモートデータベースから取得して車載機のローカルデータベースに記憶させるようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、車載機でリッピングした外部記録媒体に関する楽曲情報が車載機のローカルデータベースから取得されるだけでなく、未だリッピングしていない可能性のある他の外部記録媒体に関する楽曲情報が、通信ネットワーク上のサーバ装置が備えるリモートデータベースからあらかじめ取得され、車載機のローカルデータベースに記憶される。
【0013】
これにより、その後にリッピングした他の外部記録媒体に関する楽曲情報を取得しようとする際に、当該他の外部記録媒体に関する楽曲情報が出荷時にローカルデータベースに記録されていなかったものであるとしても、その楽曲情報がローカルデータベースに存在している可能性が高くなる。このため、その時点でユーザが面倒な操作を行って通信ネットワーク上のサーバ装置から楽曲情報を取得する必要がなく、車載機のローカルデータベースから対応する楽曲情報を自動的に取得することができる。
【0014】
また、本発明において、サーバ装置のリモートデータベースからあらかじめ取得して車載機のローカルデータベースに記憶しておく楽曲情報は、リッピングされた外部記録媒体に対応する楽曲情報により示されるアーティストと同一のアーティストのものに限られる。同一のアーティストの外部記録媒体であれば、全く無関係の外部記録媒体に比べて、ユーザが後にリッピングする可能性は高い。このため、本発明によれば、従来の差分アップデートのように大量の楽曲情報がローカルデータベースに一気に追加して記憶されてしまうわけではなく、ユーザの嗜好に合った外部記録媒体に関する楽曲情報だけがローカルデータベースに追加して記憶されることとなる。
【0015】
したがって、本発明によれば、差分アップデートのような非現実的な方法によらず、元々はローカルデータベースに楽曲情報が記録されていなかった外部記録媒体に関する楽曲情報を取得する際のユーザの手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態による楽曲情報取得システムの全体構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態による車載機の機能構成例を示す図である。
【図3】第1の実施形態によるサーバ装置の機能構成例を示す図である。
【図4】第1の実施形態によるローカルCDDBおよびリモートCDDBのデータ構造例を示す図である。
【図5】第1の実施形態による楽曲情報取得システムの動作例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態による車載機の機能構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態によるサーバ装置の機能構成例を示す図である。
【図8】第3の実施形態による車載機の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明による第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による楽曲情報取得システムの全体構成例を示す図である。図2は、第1の実施形態による車載機の機能構成例を示す図である。図3は、第1の実施形態によるサーバ装置の機能構成例を示す図である。図4は、第1の実施形態によるローカルCDDBおよびリモートCDDBのデータ構造例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、第1の実施形態による楽曲情報取得システムは、車載機1と、携帯電話機2と、通信ネットワーク4に接続されたサーバ装置3とを備え、車載機1が携帯電話機2の通信機能を利用して通信ネットワーク4を介してサーバ装置3から楽曲情報を必要に応じて取得するようになっている。
【0019】
図2に示すように、第1の実施形態による車載機1は、その機能構成として、ローカルCDDB11、読み出し部12、第1の楽曲情報取得部13、楽曲情報取得要求生成部14、第2の楽曲情報取得部15、記憶制御部16およびハードディスク17を備えている。ローカルCDDB11は、特許請求の範囲のローカルデータベースに相当する。また、ハードディスク17は、特許請求の範囲の内部記録媒体に相当する。
【0020】
ローカルCDDB11は、音楽データが記録された外部記録媒体としての各種CDに関するTOC情報(付随情報に相当する)と、当該TOC情報に関連付けられた楽曲情報とを記憶するデータベースである。このローカルCDDB11には、車載機1の出荷時にあらかじめ複数枚のCDに関する楽曲情報が記憶されている。また、後述するように、ハードディスク17に対してリッピングしたCD100のアーティストに関連する楽曲情報が追加して記憶される。
【0021】
図4に示すように、ローカルCDDB11は、TOC情報に関連付けて楽曲情報が記憶されるデータ構造となっている。楽曲情報には、CDに収録されている曲の楽曲名、アルバム名、アーティスト名、ジャンル、発売日などの情報が含まれている。
【0022】
読み出し部12は、CD100から音楽データをそのTOC情報と共に読み出す。読み出し部12は、読み出した音楽データおよびTOC情報を記憶制御部16に出力する。後述するように、読み出し部12により読み出された音楽データおよびTOC情報は、記憶制御部16によりハードディスク17に記憶される。
【0023】
第1の楽曲情報取得部13は、CD100から音楽データと共に読み出されたTOC情報(ハードディスク17に記憶されたもの)をキーとしてローカルCDDB11を検索し、当該TOC情報に対応する楽曲情報をローカルCDDB11から取得する。そして、取得した楽曲情報を、検索キーとして用いたTOC情報と共に楽曲情報取得要求生成部14および記憶制御部16に出力する。
【0024】
第1の楽曲情報取得部13による楽曲情報の取得は、図示しない操作部を用いたユーザからの指示に応じて行う。例えば、ハードディスク17に記録されたCDの一覧を図示しない表示装置に表示し、その一覧の中からユーザが所望のCDを選択して楽曲情報の取得を指示したときに、第1の楽曲情報取得部13が、当該選択されたCDのTOC情報をハードディスク17から読み出して楽曲情報の取得処理を行う。なお、第1の楽曲情報取得部13による楽曲情報の取得は、読み出し部12がCD100からTOC情報を読み出したときに自動的に行うようにしても良い。
【0025】
楽曲情報取得要求生成部14は、第1の楽曲情報取得部13により取得された楽曲情報の中から日付情報(発売日)を抽出する。そして、楽曲情報取得要求生成部14は、その抽出した日付情報と、第1の楽曲情報取得部13から出力されたTOC情報とを有する楽曲情報取得要求を生成し、携帯電話機2に出力する。この楽曲情報取得要求は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置3から楽曲情報を取得することを要求するための情報である。
【0026】
携帯電話機2は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置3との間で情報通信を行う。例えば、携帯電話機2は、楽曲情報取得要求生成部14により生成された楽曲情報取得要求を、通信ネットワーク4を介してサーバ装置3に送信する。また、携帯電話機2は、当該楽曲情報取得要求に応答してサーバ装置3から通信ネットワーク4を介して送られてくる楽曲情報を受信する。
【0027】
第2の楽曲情報取得部15は、サーバ装置3に送信した楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報に対応する楽曲情報(後述するように、サーバ装置3で取得される)により示されるアーティスト名を含む1以上の楽曲情報を、それに対応するTOC情報と共にサーバ装置3から取得する。ここで取得する楽曲情報は、上記アーティスト名を含む幾つかの楽曲情報のうち、楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報である。
【0028】
記憶制御部16は、読み出し部12により読み出された音楽データをTOC情報に関連付けてハードディスク17に記憶させる。また、第1の楽曲情報取得部13によりローカルCDDB11から取得された楽曲情報を、読み出し部12によりCD100から読み出された音楽データおよびTOC情報に関連づけてハードディスク17に記憶させる。また、記憶制御部16は、第2の楽曲情報取得部15によりサーバ装置3から取得した楽曲情報およびそれに対応するTOC情報をローカルCDDB11に記憶させる。
【0029】
次に、サーバ装置3の構成について説明する。図3に示すように、サーバ装置3は、その機能構成として、リモートCDDB21、アーティスト名取得部22、第3の楽曲情報取得部23および楽曲情報送信部24を備えている。リモートCDDB21は、特許請求の範囲のリモートデータベースに相当する。
【0030】
リモートCDDB21は、音楽データが記録された各種CDに関するTOC情報と、当該TOC情報に関連付けられた楽曲情報とを記憶するデータベースである。このリモートCDDB21には、車載機1のローカルCDDB11に記憶されている楽曲情報の他に、車載機1の出荷時よりも後に発売された複数枚のCDに関する楽曲情報が記憶されている。リモートCDDB21に記憶される楽曲情報は、サーバ装置3を管理するオペレータによって随時更新されている。このリモートCDDB21のデータ構造はローカルCDDB11と同様で、図4のようになっている。
【0031】
アーティスト名取得部22は、車載機1から携帯電話機2および通信ネットワーク4を介して受信した楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報をキーとしてリモートCDDB21を検索し、当該TOC情報に対応する楽曲情報をリモートCDDB21から取得する。さらに、アーティスト名取得部22は、当該楽曲情報の中からアーティスト名を取得し、第3の楽曲情報取得部23に出力する。
【0032】
第3の楽曲情報取得部23は、アーティスト名取得部22により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報のうち、車載機1から受信した楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報を、それに対応するTOC情報と共にリモートCDDB21から取得する。これは、車載機1においてリッピングされたCD100と同じアーティストによる他のCDであって、当該CD100の発売日よりも後に発売されたCDの楽曲情報を対応するTOC情報と共に選択的にリモートCDDB21から取得することを意味する。
【0033】
リッピングされたCD100よりも発売日が後のCDに絞って楽曲情報等を取得しているのは、ユーザがそのCDを未だリッピングしていない可能性があると考えられるからである。すなわち、未だリッピングしていない可能性があると考えられるCDの楽曲情報をサーバ装置3のリモートCDDB21から取得して車載機1に送信し、図2で説明したようにこれをローカルCDDB11に記憶しておくことで、ローカルCDDB11に元々は記録されていなかった楽曲情報がローカルCDDB11に追加して記憶されるようにしている。
【0034】
また、リッピングされたCD100と同じアーティストによるCDに絞って楽曲情報等を取得しているのは、同じアーティストのCDであれば、全く無関係のCDに比べて、ユーザが後にリッピングする可能性が高いと考えられるからである。すなわち、後に車載機1でリッピングされる可能性が高いと考えられるCDの楽曲情報をサーバ装置3のリモートCDDB21から取得して車載機1に送信し、図2で説明したようにこれをローカルCDDB11に記憶しておくことで、ローカルCDDB11に元々は記録されていなかった楽曲情報の中でも特にユーザの嗜好に合ったCDに関する楽曲情報だけがローカルCDDB11に追加して記憶されるようにしている。
【0035】
楽曲情報送信部24は、第3の楽曲情報取得部23によりリモートCDDB21から取得された楽曲情報およびそれに対応するTOC情報を携帯電話機2に出力し、通信ネットワーク4を介して車載機1に送信する。
【0036】
次に、上記のように構成した第1の実施形態による楽曲情報取得システムの動作を説明する。図5は、第1の実施形態による楽曲情報取得システムの動作例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、リッピングのためにCD100を車載機1に装填したときにスタートする。
【0037】
まず、車載機1において読み出し部12は、CD100から音楽データとそれに対応するTOC情報とを読み出し、それらを記憶制御部16に出力する(ステップS1)。記憶制御部16は、読み出し部12により読み出された音楽データおよびTOC情報をハードディスク17に記憶する(ステップS2)。次に、第1の楽曲情報取得部13は、楽曲情報の取得を指示するための操作がユーザにより行われたか否かを判定する(ステップS3)。
【0038】
楽曲情報の取得を指示するための操作が行われていなければ、本フローチャートの処理を終了する。一方、楽曲情報の取得を指示するための操作が行われた場合、第1の楽曲情報取得部13は、楽曲情報の取得対象として指示されたCDに関するTOC情報をハードディスク17から読み出し、当該TOC情報をキーとしてローカルCDDB11を検索する(ステップS4)。そして、第1の楽曲情報取得部13は、当該TOC情報に対応する楽曲情報を取得できたか否かを判定し(ステップS5)、取得できた場合にはそれを記憶制御部16に出力する。
【0039】
記憶制御部16は、第1の楽曲情報取得部13により取得された楽曲情報を、検索キーに用いたTOC情報に関連付けてハードディスク17に記憶する(ステップS6)。一方、TOC情報に対応する楽曲情報を取得できなかった場合、第1の楽曲情報取得部13は、楽曲情報をローカルCDDB11から取得できなかった旨をユーザに知らせるメッセージを図示しない表示装置に表示し(ステップS7)、本フローチャートの処理を終了する。このメッセージを見たユーザは、希望する場合には、サーバ装置3にアクセスしてリモートCDDB21から該当する楽曲情報を取得するための操作を別途行う(フローチャート中にはその手順を図示していない)。
【0040】
ステップS6で第1の楽曲情報取得部13が楽曲情報をハードディスク17に記憶した後、楽曲情報取得要求生成部14は、その楽曲情報に含まれている日付情報と、第1の楽曲情報取得部13が楽曲情報の検索キーに用いたTOC情報とを有する楽曲情報取得要求を生成する。そして、生成した楽曲情報取得要求を、携帯電話機2および通信ネットワーク4を介してサーバ装置3に送信する(ステップS8)。
【0041】
サーバ装置3において、アーティスト名取得部22は、車載機1から楽曲情報取得要求を受信したか否か判定する(ステップS9)。楽曲情報取得要求を受信していない場合は、本フローチャートの処理を終了する。一方、楽曲情報取得要求を受信した場合、アーティスト名取得部22は、その楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報をキーとしてリモートCDDB21を検索し、当該TOC情報に対応する楽曲情報をリモートCDDB21から取得する(ステップS10)。さらに、アーティスト名取得部22は、当該検索した楽曲情報の中からアーティスト名を取得し、第3の楽曲情報取得部23に出力する(ステップS11)。
【0042】
第3の楽曲情報取得部23は、アーティスト名取得部22により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報のうち、車載機1から受信した楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報を、それに対応するTOC情報と共にリモートCDDB21から取得する(ステップS12)。そして、楽曲情報送信部24は、第3の楽曲情報取得部23によりリモートCDDB21から取得された楽曲情報およびTOC情報を、通信ネットワーク4および携帯電話機2を介して車載機1に送信する(ステップS13)。
【0043】
車載機1の第2の楽曲情報取得部15は、サーバ装置3から楽曲情報およびTOC情報を受信したか否か判定する(ステップS14)。これらの情報を受信した場合、第2の楽曲情報取得部15は、受信した楽曲情報およびTOC情報を記憶制御部16に出力する。記憶制御部16は、第2の楽曲情報取得部15から受け取った楽曲情報およびTOC情報をローカルCDDB11に記憶させる(ステップS15)。これにより、本フローチャートの処理を終了する。
【0044】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、TOC情報をキーとして車載機1のローカルCDDB11を検索して楽曲情報を取得したときに、当該取得した楽曲情報により示されるアーティスト名を含む他の楽曲情報であって、当該取得した楽曲情報に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む他の楽曲情報を、サーバ装置3が備えるリモートCDDB21から取得して車載機1のローカルCDDB11に記憶させるようにしている。
【0045】
このように構成した第1の実施形態によれば、車載機1においてリッピングしたCD100に関する楽曲情報が車載機1のローカルCDDB11から取得されるだけでなく、未だリッピングしていない可能性のある他のCDに関する楽曲情報がサーバ装置4のリモートCDDB21からあらかじめ取得され、車載機1のローカルCDDB11に記憶される。
【0046】
これにより、その後にリッピングした他のCDに関する楽曲情報を取得しようとする際に、当該他のCDに関する楽曲情報が車載機1の出荷時に元々ローカルCDDB11に記録されていなかったものであるとしても、その楽曲情報がローカルCDDB11に追加で記憶されている可能性が高くなる。つまり、図5のステップS7において楽曲情報が存在しない旨のメッセージが出力される可能性を減らすことができる。このため、その時点でユーザが面倒な操作を行ってサーバ装置3から楽曲情報を取得する必要がなく、車載機1のローカルCDDB11から対応する楽曲情報を自動的に取得してハードディスク17に記録することができる(図5のステップS6)。
【0047】
また、第1の実施形態において、サーバ装置3のリモートCDDB21からあらかじめ取得して車載機1のローカルCDDB11に記憶しておく楽曲情報は、リッピングされたCD100に対応する楽曲情報により示されるアーティストと同一のアーティストのものに限られる。このため、従来の差分アップデートのように大量の楽曲情報がローカルCDDB11に一気に追加して記憶されてしまうわけではなく、ユーザの嗜好に合ったアーティストのCDに関する楽曲情報だけがローカルCDDB11に追加して記憶されることとなる。
【0048】
したがって、第1の実施形態によれば、差分アップデートのような非現実的な方法によらず、出荷時にローカルCDDB11に楽曲情報が記録されていなかったCDに関する楽曲情報を取得する際のユーザの手間を軽減することができる。なお、図4に示したように、楽曲情報の中にはジャンルも含まれている。リッピングされたCD100と同じジャンルに属するCDに絞ってリモートCDDB21から楽曲情報を取得することも可能であるが、同じアーティストに絞る場合に比べて、取得される楽曲情報の数が多くなるし、ユーザの嗜好に合わないCDに関する楽曲情報が含まれる可能性も高くなる。よって、ジャンルで絞り込みをかけるよりも、アーティスト名で絞り込みをかける方が好ましい。
【0049】
(第2の実施形態)
以下、本発明による第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第2の実施形態による楽曲情報取得システムの全体構成は、図1と同様である。図6は、第2の実施形態による車載機の機能構成例を示す図である。図7は、第2の実施形態によるサーバ装置の機能構成例を示す図である。なお、図6および図7において、図2および図3に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0050】
図6に示すように、第2の実施形態による車載機1は、その機能構成として、ローカルCDDB11、読み出し部12、第1の楽曲情報取得部13、楽曲情報取得要求生成部14’、第2の楽曲情報取得部15’、記憶制御部16、ハードディスク17および情報抽出部31を備えている。
【0051】
情報抽出部31は、第1の楽曲情報取得部13によりローカルCDDB11から楽曲情報を取得する際に、ハードディスク17を検索して、同一のアーティストで所定数以上の楽曲情報が記憶されているものがあるか否かを判定する。そして、同一のアーティストで所定数以上の楽曲情報がハードディスク17に記憶されていると判断した場合、情報抽出部31は、当該所定数以上の楽曲情報の中から最も新しい日付情報を抽出するとともに、当該最も新しい日付情報を含む楽曲情報に対応するTOC情報を抽出する。そして、抽出した日付情報およびTOC情報を楽曲情報取得要求生成部14’に出力する。
【0052】
楽曲情報取得要求生成部14’は、第1の実施形態で説明した楽曲情報取得要求(第1の楽曲情報取得部13により取得された楽曲情報中の日付情報およびTOC情報を有する楽曲情報取得要求)に加え、情報抽出部31により抽出された日付情報およびTOC情報を有する第2の楽曲情報取得要求を生成する。そして、楽曲情報取得要求生成部14’は、生成した楽曲情報取得要求および第2の楽曲情報取得要求を、携帯電話機2および通信ネットワーク4を介してサーバ装置3に送信する。
【0053】
第2の楽曲情報取得部15’は、第1の実施形態と同様に、楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報のうち、楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報を対応するTOC情報と共にサーバ装置3から取得する。これに加えて、第2の楽曲情報取得部15’は、第2の楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報のうち、第2の楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報を対応するTOC情報と共にサーバ装置3から取得する。
【0054】
図7に示すように、サーバ装置3は、その機能構成として、リモートCDDB21、アーティスト名取得部22’、第3の楽曲情報取得部23’および楽曲情報送信部24を備えている。
【0055】
アーティスト名取得部22’は、第1の実施形態と同様に、楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報をキーとしてリモートCDDB21を検索し、当該TOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を取得する。これに加えて、アーティスト名取得部22’は、第2の楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報をキーとしてリモートCDDB21を検索し、当該TOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を取得する。
【0056】
第3の楽曲情報取得部23’は、第1の実施形態と同様に、楽曲情報取得要求に基づきアーティスト名取得部22’により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報のうち、楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報をリモートCDDB21から取得する。これに加えて、第3の楽曲情報取得部23’は、第2の楽曲情報取得要求に基づきアーティスト名取得部22’により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報のうち、第2の楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報をリモートCDDB21から取得する。
【0057】
第3の楽曲情報取得部23’は、楽曲情報取得要求に基づきリモートCDDB21から取得した楽曲情報および第2の楽曲情報取得要求に基づきリモートCDDB21から取得した楽曲情報を、それらに対応するTOC情報と共に楽曲情報送信部24に出力する。楽曲情報送信部24は、第3の楽曲情報取得部23’から受け取った楽曲情報およびTOC情報を、通信ネットワーク4および携帯電話機2を介して車載機1に送信する。
【0058】
以上のように構成した第2の実施形態において、例えばアーティスト“X”のCD100をハードディスク17にリッピングし、当該リッピングしたCD100に関する楽曲情報をローカルCDDB11から取得するときに、別のアーティスト“Z”に関する楽曲情報が所定数以上ハードディスク17に記憶されていたとする。これは、別のアーティスト“Z”のCDが既に所定数以上ハードディスク17にリッピングされていて、対応する楽曲情報もハードディスク17に記憶されていることを意味する。
【0059】
この場合、楽曲情報取得要求に基づいてサーバ装置3のリモートCDDB21からアーティスト“X”に関する楽曲情報が取得される。さらに、第2の楽曲情報取得要求に基づいてサーバ装置3のリモートCDDB21から別のアーティスト“Z”に関する楽曲情報が取得される。そして、当該取得されたアーティスト“X”および“Z”に関する楽曲情報がTOC情報と共に車載機1のローカルCDDB11に記憶される。
【0060】
アーティスト“Z”に関する楽曲情報が所定数以上ハードディスク17に記憶されている(つまり、アーティスト“Z”のCDが既に所定数以上リッピング済み)ということは、アーティスト“Z”がユーザの嗜好に合っている可能性が高いことを意味する。したがって、アーティスト“X”のCD100をリッピングして対応する楽曲情報をローカルCDDB11から取得する際に、アーティスト“X”に加えてアーティスト“Z”のCDに関する楽曲情報もリモートCDDB21から取得してローカルCDDB11に記憶しておくことで、よりユーザの嗜好に合ったアーティストのCDに関する楽曲情報をローカルCDDB11にあらかじめ追加して記憶しておくことができる。
【0061】
なお、過去にアーティスト“Z”のCD100をリッピングして対応する楽曲情報をローカルCDDB11から取得した際に、楽曲情報取得要求に基づいてアーティスト“Z”の別のCDに関する楽曲情報があらかじめリモートCDDB21から取得されてローカルCDDB11に記憶されている。しかし、その後にアーティスト“Z”の新譜CDが発売されたような場合は、その新譜CDに関する楽曲情報はローカルCDDB11には存在しない。
【0062】
このような場合でも、その新譜CDをハードディスク17に実際にリッピングする前に、アーティスト“X”のCD100をリッピングして対応する楽曲情報をローカルCDDB11から取得する際に、第2の楽曲情報取得要求に基づきアーティスト“Z”の新譜CDに関する楽曲情報がリモートCDDB21から取得されてローカルCDDB11にあらかじめ記憶されることとなる。よって、従来のような差分アップデートのような非現実的な方法によらずとも、ローカルCDDB11から楽曲情報を取得できない可能性を減らすことができる。その結果、楽曲情報を取得するためにユーザがわざわざサーバ装置3にアクセスしなければならない操作の手間を、第1の実施形態と比べて更に軽減することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
以下、本発明による第3の実施形態を図面に基づいて説明する。第3の実施形態による楽曲情報取得システムの全体構成は、図1と同様である。また、第3の実施形態によるサーバ装置の機能構成は、図3と同様である。図8は、第3の実施形態による車載機の機能構成例を示す図である。なお、図8において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0064】
図8に示すように、第3の実施形態による車載機1は、その機能構成として、ローカルCDDB11、読み出し部12、第1の楽曲情報取得部13、楽曲情報取得要求生成部14”、第2の楽曲情報取得部15、記憶制御部16、ハードディスク17および存否判定部32を備えている。
【0065】
存否判定部32は、第1の楽曲情報取得部13によりローカルCDDB11から取得された楽曲情報に含まれているアーティスト名と同じアーティスト名を含む楽曲情報がハードディスク17に記憶されているか否かを判定する。楽曲情報取得要求生成部14”は、同じアーティスト名を含む楽曲情報がハードディスク17に記憶されていると存否判定部32により判定された場合に限り、楽曲情報取得要求を生成する。
【0066】
第1の実施形態において、リッピングされたCD100と同じアーティストによる別のCDが後にリッピングされる可能性が高いので、同じアーティストによる別のCDに関する楽曲情報をあらかじめリモートCDDB21から取得してローカルCDDB11に記憶しておくと説明した。しかし、ユーザが初めてそのアーティストのCDをリッピングしている場合は、必ずしもそのアーティストがユーザの嗜好に合っているとは限らない。試しに聴いてみるというケースがあるからである。
【0067】
これに対して、第3の実施形態では、同じアーティスト名を含む楽曲情報がハードディスク17に記憶されているとき(つまり、同じアーティスト名のCDを過去に既にリッピング済みのとき)に限り、楽曲情報取得要求を生成してサーバ装置3に送信するようにしている。過去に同じアーティスト名のCDをリッピング済みであれば、そのアーティストはユーザの嗜好に合っている可能性が高いと言える。したがって、第3の実施形態によれば、ユーザの嗜好に合っている可能性が高いCDの楽曲情報に絞って、リモートCDDB21から楽曲情報をあらかじめ取得してローカルCDDB11に記憶させることができ、無駄な楽曲情報がローカルCDDB11に多く記憶されることを防ぐことができる。
【0068】
なお、存否判定部32の機能は、図6に示した第2の実施形態による車載機1に持たせることも可能である。この場合、例えばアーティスト“X”のCD100をリッピングして対応する楽曲情報をローカルCDDB11から取得した際に、楽曲情報取得要求に基づいてリモートCDDB21からアーティスト“X”に関する別のCDの楽曲情報が取得されることがなくても、第2の楽曲情報取得要求に基づいてリモートCDDB21からアーティスト“Z”に関するCDの楽曲情報が取得されることがあり得る。
【0069】
また、上記第1〜第3の実施形態では、楽曲情報中に含まれる日付情報としてCDの発売日を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、楽曲情報がローカルCDDB11に記憶された日時を表す更新日時を日付情報として用いてもよい。
【0070】
また、上記第1〜第3の実施形態では、楽曲情報取得要求および第2の楽曲情報取得要求の中にTOC情報および日付情報を含ませる例について説明したが、TOC情報だけとしても良い。楽曲情報取得要求の中に含ませるものをTOC情報だけとした場合、車載機1の第2の楽曲情報取得部15は、楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を全てサーバ装置3のリモートCDDB21から取得することになる。
【0071】
また、第2の実施形態において第2の楽曲情報取得要求の中に含ませるものをTOC情報だけとした場合、情報抽出部31は、ハードディスク17に記憶されている所定数以上の楽曲情報の中から何れか任意の1つに対応するTOC情報を抽出する(どれを抽出しても、TOC情報に関連付けられた楽曲情報に含まれるアーティスト名は同じ)。そして、楽曲情報取得要求生成部14’は、情報抽出部31により抽出されたTOC情報を有して日付情報は含まない第2の楽曲情報取得要求を生成してサーバ装置3に送信する。
【0072】
そして、第2の楽曲情報取得部15’は、第2の楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を、それに対応するTOC情報と共にサーバ装置3のリモートCDDB21から取得する。すなわち、サーバ装置3では、第2の楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報をキーとしてアーティスト名取得部22により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報を全てリモートCDDB21から取得し、車載機1に送信する。
【0073】
なお、楽曲情報取得要求および第2の楽曲情報取得要求の中にTOC情報だけを含ませた場合には、既にローカルCDDB11に記憶済みの楽曲情報もリモートCDDB21から取得されて車載機1に送信される可能性が高くなり、無駄が多くなるので、楽曲情報取得要求の中に日付情報を含ませる方が好ましい。
【0074】
また、上記第1〜第3の実施形態では、楽曲情報取得要求に含ませるTOC情報に関して、第1の楽曲情報取得部13においてローカルCDDB11の検索キーとして用いたTOC情報だけを含ませる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の楽曲情報取得部13によりローカルCDDB11から取得された楽曲情報に含まれているアーティスト名と同じアーティスト名を含む楽曲情報をローカルCDDB11において検索し、検索された1以上の楽曲情報に対応するTOC情報を全て楽曲情報取得要求に含ませる。そして、サーバ装置3において、楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報のうち、楽曲情報取得要求に含まれるTOC情報とは異なるTOC情報に関連付けられた楽曲情報をリモートCDDB21から取得するようにしてもよい。
【0075】
このようにすれば、同じアーティストのCDに関する楽曲情報であっても、既にローカルCDDB11に記憶済みの楽曲情報がリモートCDDB21から取得されて車載機1に送信される無駄をなくすことができる。しかも、CDの発売日に関係なく、同じアーティストのCDに関する楽曲情報であってローカルCDDB11に記憶されていない楽曲情報は全てリモートCDDB21から取得されて車載機1のローカルCDDB11に記憶される。これにより、リッピングしたCD100と同じアーティストのCDに関する楽曲情報を漏れと無駄なくローカルCDDB11にあらかじめ記憶しておくことができる。これは、第2の楽曲情報取得要求についても同様である。
【0076】
また、上記第1〜第3の実施形態では、外部記録媒体としてCD100を用いる例について説明したが、TOC情報またはそれに代わる情報が記憶されているものであれば、DVDなど他の記録媒体であってもよい。
【0077】
また、上記第1〜第3の実施形態では、車載機1に対して携帯電話機2を接続することにより、通信ネットワーク4を介してサーバ装置3との間で情報通信を行う例について説明したが、車載機1が通信機能を有していれば、携帯電話機2は不要である。
【0078】
その他、上記第1〜第3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 車載機
3 サーバ装置
11 ローカルCDDB(ローカルデータベース)
13 第1の楽曲情報取得部
14 楽曲情報取得要求生成部
15 第2の楽曲情報取得部
16 記憶制御部
17 ハードディスク(内部記録媒体)
21 リモートCDDB(リモートデータベース)
22 アーティスト名取得部
23 第3の楽曲情報取得部
24 楽曲情報送信部
31 情報抽出部
32 存否判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機と、通信ネットワークに接続されたサーバ装置とを備え、上記車載機が上記通信ネットワークを介して上記サーバ装置から楽曲情報を取得する楽曲情報取得システムであって、
上記車載機は、音楽データが記録された外部記録媒体に関する付随情報および当該付随情報に関連付けられた楽曲情報を記憶するローカルデータベースと、
上記外部記録媒体から上記音楽データと共に読み出された付随情報をキーとして上記ローカルデータベースを検索し、当該付随情報に対応する楽曲情報を上記ローカルデータベースから取得する第1の楽曲情報取得部と、
上記付随情報を有する楽曲情報取得要求であって、上記通信ネットワークを介して上記サーバ装置から楽曲情報を取得するための楽曲情報取得要求を生成する楽曲情報取得要求生成部と、
上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を、対応する付随情報と共に上記サーバ装置から取得する第2の楽曲情報取得部と、
上記第1の楽曲情報取得部により上記ローカルデータベースから取得した楽曲情報を上記外部記録媒体から読み出された音楽データおよび付随情報に関連付けて内部記録媒体に記憶させるとともに、上記第2の楽曲情報取得部により上記サーバ装置から取得した楽曲情報および付随情報を上記ローカルデータベースに記憶させる記憶制御部とを備え、
上記サーバ装置は、音楽データが記録された外部記録媒体に関する付随情報および当該付随情報に関連付けられた楽曲情報を記憶するリモートデータベースと、
上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報をキーとして上記リモートデータベースを検索し、当該付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を取得するアーティスト名取得部と、
上記アーティスト名取得部により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報をそれに対応する付随情報と共に上記リモートデータベースから取得する第3の楽曲情報取得部と、
上記第3の楽曲情報取得部により取得された楽曲情報および付随情報を、上記通信ネットワークを介して上記車載機に送信する楽曲情報送信部とを備えたことを特徴とする楽曲情報取得システム。
【請求項2】
上記楽曲情報取得要求生成部は、上記付随情報および上記第1の楽曲情報取得部により取得された楽曲情報に含まれる日付情報を有する楽曲情報取得要求を生成し、
上記第2の楽曲情報取得部は、上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報のうち、上記楽曲情報取得要求に含まれる上記日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報を対応する付随情報と共に上記サーバ装置から取得し、
上記第3の楽曲情報取得部は、上記アーティスト名取得部により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報のうち、上記楽曲情報取得要求に含まれる日付情報よりも新しい日付情報を含む楽曲情報をそれに対応する付随情報と共に上記リモートデータベースから取得することを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報取得システム。
【請求項3】
上記車載機は、上記内部記録媒体を検索して、同一のアーティストで所定数以上の楽曲情報が記憶されているものがあるか否かを判定し、ある場合には、当該所定数以上の楽曲情報のうち何れか1つに対応する付随情報を抽出する情報抽出部を更に備え、
上記楽曲情報取得要求生成部は、上記楽曲情報取得要求に加え、上記情報抽出部により抽出された付随情報を有する第2の楽曲情報取得要求を生成し、
上記第2の楽曲情報取得部は、上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を対応する付随情報と共に上記サーバ装置から取得するとともに、上記第2の楽曲情報取得要求に含まれる付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を対応する付随情報と共に上記サーバ装置から取得し、
上記サーバ装置の上記アーティスト名取得部は、上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報をキーとして上記リモートデータベースを検索し、当該付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を取得するとともに、上記第2の楽曲情報取得要求に含まれる付随情報をキーとして上記リモートデータベースを検索し、当該付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を取得し、
上記第3の楽曲情報取得部は、上記楽曲情報取得要求に基づき上記アーティスト名取得部により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報を上記リモートデータベースから取得するとともに、上記第2の楽曲情報取得要求に基づき上記アーティスト名取得部により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報を上記リモートデータベースから取得するように成されていることを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報取得システム。
【請求項4】
上記車載機は、上記第1の楽曲情報取得部により上記ローカルデータベースから取得された楽曲情報に含まれているアーティスト名と同じアーティスト名を含む楽曲情報が上記内部記録媒体に記憶されているか否かを判定する存否判定部を更に備え、
上記楽曲情報取得要求生成部は、上記同じアーティスト名を含む楽曲情報が上記内部記録媒体に記憶されていると上記存否判定部により判定された場合に限り、上記楽曲情報取得要求を生成することを特徴とする請求項1に記載の楽曲情報取得システム。
【請求項5】
通信ネットワークに接続されたサーバ装置から楽曲情報を取得する車載機であって、
音楽データが記録された外部記録媒体に関する付随情報および当該付随情報に関連付けられた楽曲情報を記憶するローカルデータベースと、
上記外部記録媒体から上記音楽データと共に読み出される付随情報をキーとして上記ローカルデータベースを検索し、当該付随情報に対応する楽曲情報を上記ローカルデータベースから取得する第1の楽曲情報取得部と、
上記付随情報を有する楽曲情報取得要求であって、上記通信ネットワークを介して上記サーバ装置から楽曲情報を取得するための楽曲情報取得要求を生成する楽曲情報取得要求生成部と、
上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を対応する付随情報と共に上記サーバ装置から取得する第2の楽曲情報取得部と、
上記第1の楽曲情報取得部により上記ローカルデータベースから取得した楽曲情報を上記外部記録媒体から読み出された音楽データおよび付随情報と共に内部記録媒体に記憶させるとともに、上記第2の楽曲情報取得部により上記サーバ装置から取得した楽曲情報および付随情報を上記ローカルデータベースに記憶させる記憶制御部とを備えたことを特徴とする車載機。
【請求項6】
車載機から通信ネットワークを介して送られてくる楽曲情報取得要求に応じて楽曲情報を返信するサーバ装置であって、
音楽データが記録された外部記録媒体に関する付随情報および当該付随情報に関連付けられた楽曲情報を記憶するリモートデータベースと、
上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報をキーとして上記リモートデータベースを検索し、当該付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を取得するアーティスト名取得部と、
上記アーティスト名取得部により取得されたアーティスト名を含む楽曲情報を上記リモートデータベースから取得する楽曲情報取得部と、
上記楽曲情報取得部により取得された楽曲情報を上記通信ネットワークを介して上記車載機に送信する楽曲情報送信部とを備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
車載機が通信ネットワークを介してサーバ装置から楽曲情報を取得するように成された楽曲情報取得システムの上記車載機において実行される楽曲情報取得方法であって、
外部記録媒体から音楽データと共に読み出される付随情報をキーとして、上記外部記録媒体に関する付随情報および当該付随情報に関連付けられた楽曲情報を記憶する上記車載機のローカルデータベースを検索し、上記キーとした付随情報に対応する楽曲情報を上記ローカルデータベースから取得する第1のステップと、
上記第1のステップで上記ローカルデータベースから取得した楽曲情報を上記外部記録媒体から読み出された音楽データおよび付随情報に関連付けて内部記録媒体に記憶させる第2のステップと、
上記キーとした付随情報を有する楽曲情報取得要求であって、上記通信ネットワークを介して上記サーバ装置から楽曲情報を取得するための楽曲情報取得要求を生成する第3のステップと、
上記楽曲情報取得要求を上記通信ネットワークを介して上記サーバ装置に送信し、上記楽曲情報取得要求に含まれる付随情報に対応する楽曲情報により示されるアーティスト名を含む楽曲情報を対応する付随情報と共に上記サーバ装置から取得する第4のステップと、
上記第4のステップで上記サーバ装置から取得した楽曲情報および付随情報を上記ローカルデータベースに記憶させる第5のステップとを有することを特徴とする楽曲情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−28446(P2011−28446A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172349(P2009−172349)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】