説明

構成情報管理装置、構成情報管理方法、構成情報管理プログラム、及び記録媒体

【課題】構成情報によりバイナリデータを適切に管理することが可能な構成情報管理装置、構成情報管理方法、構成情報管理プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】クライアント端末とネットワークを介して接続された構成情報管理装置であって、クライアント端末から、バイナリデータとバイナリデータについての構成を示す構成情報とを受信する通信部と、既にクライアント端末から受信済みのバイナリデータと受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する記憶部と、通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と、記憶部が記憶する受信済みのバイナリデータについての構成情報とを比較し、両者が同じ構成情報を有していると判定した場合、通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と記憶部が記憶する受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する構成管理部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ドキュメントなどの構成を記録した構成情報を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IT(Information Technology)システムの運用業務を遂行するには、ネットワークやサーバの機器情報、あるいはハードウェアおよびソフトウェアを含んだシステム全体の構成などを記録した構成情報を正確に把握しておく必要性がある。構成情報としては、例えば、「マシン名」、「ユーザ名」などがあり、これらの構成情報をテキストデータにより管理することが多い。
【0003】
構成情報を管理する手法として、その多くはデータベースを用いている。構成情報がテキストデータの場合は、構成情報をデータベースのレコードに記録して管理することが多い。例えば、「マシン名」、「ユーザ名」などの構成情報に変更が生じた場合、変更前のレコードを別のデータベーステーブルに移動、コピーすることにより、その構成情報の変更履歴を保管することが可能である。このように構成情報を管理する手法については、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−113392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、構成情報がテキストデータである場合には、特許文献1に開示された手法により、構成情報を管理することが可能である。しかしながら、構成情報がバイナリデータを含んでいる場合、データベースに格納できるファイルサイズに制限があるため、バイナリデータをデータベースに格納することが難しい。そのため、バイナリデータをテキストデータのようにレコードを使って管理することが困難となってしまう。
【0006】
また、利用者がバイナリデータを構成情報として管理する方法として、一般的なドキュメント管理ツールを利用することが挙げられる。しかし、ドキュメント管理ツールの多くは、フォルダ構成によりバイナリデータを管理するため、そのようなフォルダ構成では構成情報のリレーション(関係付け)を表現することが難しいという問題がある。例えば、ある一つの「マニュアルフォルダ」内に配置されたバイナリデータは、すべて同じフォルダ内に存在するため、「マニュアル」というリレーションを表現することが可能である。
【0007】
しかし、「サーバA」内に配置されたバイナリデータと「サーバAマニュアル」内に配置されたバイナリデータとは、互いに別々のフォルダに格納されているため、これらをリレーションさせることができないという問題がある。このような場合、フォルダとは違うタグによる管理を利用することも可能であるが、「マニュアル」と「サーバ」といった区分間のリレーションは表現できるが、「サーバA」と「サーバAマニュアル」のファイル間によるリレーションの表現は難しい。そのため、ドキュメント管理ツールでは、構成情報によりバイナリデータを適切に管理することができない場合が生じてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構成情報によりバイナリデータを適切に管理することが可能な構成情報管理装置、構成情報管理方法、構成情報管理プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる構成情報管理装置は、クライアント端末とネットワークを介して接続された構成情報管理装置であって、前記クライアント端末から、バイナリデータと前記バイナリデータについての構成を示す構成情報とを受信する通信部と、既にクライアント端末から受信済みのバイナリデータと前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と、前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを比較し、両者が同じ構成情報を有していると判定した場合、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する構成管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記構成情報管理装置で行われる構成情報管理方法、構成情報管理プログラム、及び記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、構成情報によりバイナリデータを適切に管理することが可能な構成情報管理装置、構成情報管理方法、構成情報管理プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本実施の形態における構成情報管理システムのシステム全体の概念図である。
【図1B】構成情報管理システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図2A】バイナリデータについての構成情報の例を示す図である。
【図2B】図2Aに示した構成情報とは異なる種類の他のバイナリデータについての構成情報の例を示す図である。
【図3】バイナリデータの履歴情報の例を示す図である。
【図4】構成情報登録更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる構成情報管理装置、構成情報管理方法、構成情報管理プログラム、及び記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1Aは、本実施の形態における構成情報管理システム1000のシステム全体の概念図である。構成情報管理システム1000は、バイナリデータを含んだ構成情報の管理(例えば、構成情報のバージョンの管理)をするシステムであり、図1Aに示すように、クライアント端末100と、構成情報管理サーバ200と、記憶装置300とを有している。なお、クライアント100と構成情報管理サーバ200とは、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の一般的な通信回線網から構成されるネットワーク網Nによって互いに接続され、構成情報管理サーバ200と記憶装置300とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等の所定の規格に準じたバスにより接続されている。また、本実施の形態においては、構成情報管理サーバ200と記憶装置300とが別個の筐体であるとして説明しているが、同一筐体であってもよい。
【0015】
図1Aに示すように、構成情報管理システム1000の利用者は、クライアント端末100から、管理対象となるファイルの構成情報を入力し、そのファイルを構成情報管理サーバ200に送信する。ここで、構成情報とは、バイナリデータによって構成されたファイルに関する情報、例えば、バイナリデータを格納するサーバの名称を示すマシン名、そのサーバのIPアドレス、そのバイナリデータの所有者、そのバイナリデータのファイル名、所有者の生年月日、所有者の住所等、そのバイナリデータに関する属性情報や付随情報を含む種々の情報を指すものとする。
【0016】
また、以下では、バイナリデータの例として主にPDF形式のデータについて説明しているがバイナリ形式のデータであれば特にこれに限定されず、実行形式のファイル(exeファイル)等に広く適用することが可能である。
【0017】
構成情報管理サーバ200は、クライアント端末100から上述した構成情報とファイルとを受信すると、構成情報管理機能およびバイナリデータバージョン管理機能を実行し、構成情報管理データベースに記憶されているファイルの構成情報や、記憶装置300に記憶されているバイナリデータを更新し、これらの情報を履歴で記憶させる。
【0018】
図1Bは、構成情報管理システム1000の機能的な構成を示すブロック図である。図1Bに示すように、クライアント端末100は、入力受付部110と、通信部120と、制御部130とを含んで構成されている。
【0019】
入力受付部110は、例えば、キーボードやマウスであり、利用者から上述したファイルの構成情報の入力を受け付けたり、上述したファイルの構成情報管理サーバ200への送信指示を受け付ける。
【0020】
通信部120は、例えば、NIC(Network Interface Card)であり、クライアント端末100と構成情報管理サーバ200との間における通信を行う。
【0021】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)から構成される演算装置であり、上述した各部の動作を制御する。続いて、構成情報管理サーバ200について説明する。
【0022】
構成情報管理サーバ200は、構成情報管理部210と、バイナリ管理部220と、通信部230と、制御部240と、記憶部250とを含んで構成されている。
【0023】
構成管理部210は、クライアント端末100から受信した構成情報、あるいは構成情報とともに受信したファイルの拡張子を参照し、構成情報とともに受信したファイルがバイナリデータであるか否かを判定する。また、構成管理部210は、クライアント端末100から受信したファイルがバイナリデータであると判定した場合において、受信したファイルの構成情報が既に構成情報管理データベース250に記憶されているか否かを判定し、受信したファイルの構成情報が既に構成情報管理データベース250に記憶されていると判定した場合、その構成情報を、クライアント端末100から受信した新たな構成情報に更新する。一方、構成管理部210は、受信したファイルの構成情報が既に構成情報管理データベース250に記憶されていると判定した場合、その構成情報を、そのまま登録する。
【0024】
また、構成管理部210は、ある構成情報と同じ構成情報を有した他の構成情報をクライアント端末100から受信した場合には、受信したその構成情報と、既に受信済みの構成情報とを比較して、両者が同じ値の構成情報であるか否かを判定し、同じ値の構成情報であると判定した場合、その構成情報をキーとして関連付けた上で両者の構成情報を構成情報管理データベース250に記憶する。一方、構成管理部210は、同じ値の構成情報でないと判定した場合、受信した構成情報をそのまま構成情報管理データベース250に記憶する。
【0025】
バイナリ管理部220は、構成管理部210が、クライアント端末100から受信したファイルがバイナリデータであると判定し、構成管理データベース250に記憶されているそのファイルに対応する構成情報を更新した場合、更新された構成情報に対応するバイナリデータのファイル名称を変更し、記憶装置300の記憶部310に記憶する。
【0026】
また、バイナリ管理部220は、バイナリデータのファイル名を変更すると、ファイル名を変更したバイナリデータについての構成情報と、他のバイナリデータについての構成情報とを比較し、同じ構成情報を有したバイナリデータがある場合には、その構成情報を互いに対応付けることによって、それらのバイナリデータを対応付けて記憶装置300の記憶部310に記憶する。
【0027】
通信部230は、例えば、NIC(Network Interface Card)であり、クライアント端末100と構成情報管理サーバ200との間における通信を行う。また、制御部240は、例えば、CPU(Central Processing Unit)から構成される演算装置であり、上述した各部の動作を制御する。
【0028】
記憶部250は、例えば、データベースであり、クライアント端末100から受信した複数のバイナリデータについての構成情報、およびバイナリデータの履歴情報を記憶する。具体的には、記憶部250は、バイナリデータの種類(図2A、Bでは、説明書データと写真データの2つの異なる種類のバイナリデータの例を示している)を1つの単位として構成情報および履歴情報を記憶している。
【0029】
図2Aは、バイナリデータについての構成情報の例を示す図である。図2Aに示すように、記憶部250は、構成情報を一意に識別するための構成情報IDと、管理対象となるファイルが記憶されているコンピュータの名称を示すマシン名と、そのマシンの位置を示すIPアドレスと、そのバイナリデータの所有者と、そのバイナリデータのフォルダ名及びファイル名とを対応付けて記憶している。図2Aに示す例では、所有者が「ユーザB」であるバイナリデータ(図2Aでは、PDFファイルで作成された説明書)「192.168.0.xxx¥BBB.pdf」は、IPアドレスが「192.168.0.zzz」であり、マシン名が「マシンB」であるコンピュータに記憶されていることを示している。なお、本実施の形態では、構成情報として上述した各情報を含むものとしているが、これらの各情報以外の情報を追加、更新、削除することも可能である。例えば、図2Aに示した構成情報に、マシンの「設置場所」を追加することを可能とする。
【0030】
図2Bは、図2Aに示した構成情報とは異なる種類の他のバイナリデータについての構成情報の例を示す図である。図2Bに示すように、記憶部250は、他のバイナリデータについての構成情報を一意に識別するための構成情報IDと、そのバイナリデータの所有者と、その所有者の生年月日と、その所有者の住所と、そのバイナリデータのファイル名とを対応付けて記憶している。図2Bに示す例では、バイナリデータ(図2Bでは、JPGファイルで作成された写真データ)「BBB.jpg」は、所有者が「ユーザB」であり、「ユーザB」の生年月日および住所は、それぞれ「1980年10月10日」および「東京都○○区△△1−2−3」であることを示している。
【0031】
図3は、バイナリデータの履歴情報の例を示す図である。図3に示すように、記憶部250は、履歴情報を一意に識別するための履歴情報IDと、バイナリデータのフォルダ名及びファイル名と、そのバイナリデータの更新日と、そのバイナリデータに対する操作内容とを対応付けて記憶している。図3に示す例では、バイナリデータ「BBB.jpg」は、「3月1日」に新規登録され、その後、「4月1日」に更新されたことを示している。なお、図3では図2Aに示した構成情報が有するバイナリデータの履歴情報について示しているが、図2Bに示した構成情報が有するバイナリデータの履歴情報についてもこれと同様に記憶されているものとする。
【0032】
構成情報管理サーバ200が有する各部は、構成管理部210、バイナリ管理部220の各機能を実現するためのプログラムにより実行される。これらのプログラムは、例えば、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、CPU等の制御部がHDD(Hard Disk Drive)等の記録装置からこれらのプログラムを読み出して実行することにより、上記各部が主記憶装置上にロードされ、構成管理部210、バイナリ管理部220の各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0033】
また、上述したプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供することも可能である。さらに、これらのプログラムを、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供または配布するように構成してもよい。続いて、記憶装置300について説明する。
【0034】
記憶装置300は、例えば、HDDであり、記憶部310を有している。記憶部310は、例えば、FAT(File Allocation Tables)やNTFS(NT File System)等のバイナリデータを格納可能なファイル形式でフォーマットされ、上述した構成情報に対応するバイナリデータを記憶する。図1Aに示したように、記憶部310は、構成情報に対応して複数のバイナリデータを記憶している。これらの各バイナリデータは、互いに同じ構成情報を有しているバイナリデータ同士が対応付けて記憶されている。
【0035】
例えば、図1Aでは、バイナリデータ「BBB.pdf」とバイナリデータ「BBB.jpg」とは、図2Aおよび図2Bに示したように、これらの構成情報に含まれる所有者が「ユーザB」であるため、互いに対応付けて記憶されている。そして、後述するように、例えば、バイナリデータ「BBB.pdf」が更新された場合、それまで対応付けられていたバイナリデータは「BBB.pdf_01」として記憶され、更新後のバイナリデータが「BBB.pdf」として記憶され、その新たなバイナリデータとバイナリデータ「BBB.jpg」との間で対応付けて記憶される。このように、バイナリデータ同士の関係を、テキストデータである構成情報によって対応付けて記憶しているので、ドキュメント管理ツールのようにバイナリデータ間のリレーションの表現が困難になることもなく、バイナリデータを適切に管理することができるようになっている。続いて、構成情報管理システム1000で行われる構成情報登録更新処理について説明する。
【0036】
図4は、構成情報登録更新処理の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、構成情報管理サーバ200の構成管理部210は、クライアント端末100からファイルと、そのファイルについての構成情報を受信すると、受信したファイルがバイナリデータであるか否かを判定する(ステップS401)。バイナリデータの判定方法としては、例えば、あらかじめバイナリデータとして認識するファイルの拡張子を登録しておき、構成管理部210が、登録されたその拡張子と、クライアント端末100から受信したファイルの拡張子、あるいは、バイナリデータとともに受信した構成情報が一致するか否かにより判定する。
【0037】
そして、構成管理部210は、受信したファイルがバイナリデータであると判定した場合(ステップS401;Yes)、さらにそのバイナリデータについての構成情報が既に登録されているか否か(すなわち、新規であるか否か)を判定し(ステップS402)、そのバイナリデータについての構成情報が新規の登録であると判定した場合(ステップS402;Yes)、ステップS406に進み、その構成情報を、新たに登録する(ステップS406)。
【0038】
一方、構成管理部210は、そのバイナリデータについての構成情報が新規の登録でないと判定した場合(ステップS402;No)、その構成情報を、クライアント端末100から受信した新たな構成情報に更新する(ステップS403)。
【0039】
例えば、図2Aでは、クライアント端末100から受信したバイナリデータの名称が「BBB.pdf」である場合、その名称をキーに構成情報を参照し、既に同じ名称の構成情報が構成情報データベース250に記憶されているため、既に記憶されている構成情報のレコード(構成情報ID「2」)が有するバイナリデータの名称「BBB.pdf」を、1世代前のファイルとして記憶するために「BBB.pdf_01」と名称を変更する。なお、本実施の形態においては、構成情報やバイナリデータを1世代前まで遡ることができるような前提で説明しているが、バイナリデータの更新頻度等、システムの要件に応じて適宜変更することも可能である。
【0040】
このとき、構成管理部210は、受信したその構成情報と、既に受信済みの構成情報とを比較して、両者が同じ値の構成情報であるか否かを判定し、同じ値の構成情報であると判定した場合、その構成情報をキーとして関連付けた上で両者の構成情報を構成情報管理データベース250に記憶するものとする。
【0041】
例えば、図2Aでは、名称を変更したバイナリデータが「BBB.pdf」である場合、そのバイナリデータについての構成情報は構成情報ID「3」となるため、構成管理部210は、そのレコードに含まれる各項目の情報を読み取り、図2Bに示した他の構成情報が有するレコードに含まれる各項目の情報と比較する。そして、構成管理部210は、構成情報ID「1」のレコードの所有者が「ユーザB」であるため、図2Aに示した構成情報ID「3」のレコードと、図2Bに示した構成情報ID「1」のレコードとを対応付ける。
【0042】
ステップS403において構成情報が更新されると、バイナリ管理部220は、構成情報の場合と同様に、更新された構成情報に対応するバイナリデータのファイル名称を変更する(ステップS404)。
【0043】
そして、バイナリ管理部220は、新たなバイナリデータについての構成情報と、他のバイナリデータについての構成情報とを比較し、同じ構成情報を有したバイナリデータがある場合には、その構成情報を互いに対応付けることによって、それらのバイナリデータを対応付ける(ステップS405)。
【0044】
例えば、バイナリデータが「BBB.pdf」である場合、図2Aに示した構成情報のレコード(構成情報ID「3」)が有する所有者「ユーザB」と、図2Bに示した構成情報のレコード(構成情報ID「1」)が有する所有者「ユーザB」とが同じであるため、バイナリデータ「BBB.pdf」と「BBB.jpg」とを対応付ける。
【0045】
その後、構成管理部210は、ステップS404で変更したファイル名称と新たなバイナリデータのファイル名称とを構成情報データベース250に記憶し(ステップS406)、バイナリ管理部220は、それらの構成情報に対応するバイナリデータを記憶部310に記憶する(ステップS407)。このステップS407の処理が終了すると、図4に示した構成情報登録更新処理のすべての処理が終了する。
【0046】
このように、クライアント端末100とネットワークNを介して接続された構成情報管理サーバ200において、通信部230が、クライアント端末100から、バイナリデータとバイナリデータについての構成を示す構成情報とを受信し、記憶部250が、既にクライアント端末100から受信済みのバイナリデータと受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶し、構成管理部210が、通信部230が受信したバイナリデータについての構成情報と、記憶部250が記憶する受信済みのバイナリデータについての構成情報とを比較し、両者が同じ構成情報を有していると判定した場合、通信部230が受信したバイナリデータについての構成情報と記憶部250が記憶する受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶するので、構成情報によりバイナリデータを適切に管理することが可能となる。
【0047】
具体的には、バイナリデータ自体はバイナリデータを配置する記憶装置へ格納し、バイナリデータの格納先は構成情報を格納する構成情報管理システムのデータベースで管理するので、テキストデータとバイナリデータを対応付けて一纏めにして管理することが可能となる。これにより、従来のようなテキストデータのみの構成情報管理ではなく、表計算ソフトウェア、文書作成ソフトウェアなどで作成されるバイナリデータを含むことが可能になり、より詳細な構成情報管理を実現することができる。
【0048】
さらに、テキストデータとバイナリデータを一纏めにして管理することにより、例えば、あるサーバで障害が発生した場合、そのサーバとリレーションされているテキストデータの構成情報(例:サーバベンダの問い合わせ電話番号)に加え、バイナリデータの構成情報(例:サーバのマニュアル)も即座に取得する事が可能となり、関連した情報の取得が早くなることで障害復旧を早めることが可能となる。さらに、またこれらの情報を関連させることにより、利用者が誤った情報を参照してしまうミスを軽減することも可能である。
【0049】
上述した実施の形態においては、互いに同じ値を有した構成情報を対応付けることによって、それらの構成情報についてのバイナリデータを対応付けることとしたが、値が同一の場合だけではなく、構成情報の値を比べて両者の類似度が高い場合に構成情報を対応付けることも可能である。この場合、構成情報の値の類似度の判定については、従来から知られている様々な技術を適用してよい。
【0050】
また、上述した実施の形態においては、構成情報の登録や更新についてのみ説明しているが、例えば、これに加えてディスク破損、ファイル形式不具合などの障害に対応するため記憶装置のレプリケーション作成、ディスクのミラーリングなどの対策を行うなど、他の処理を並行して行うこととしてもよい。また、構成情報管理サーバ200や記憶装置300は、複数のIPアドレスを設定し、それぞれのクライアント端末100から、構成情報管理サーバ200や記憶装置300のうちの設定された個々の領域にアクセスさせることにより、システム全体を共有化させることも可能である。
【0051】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。例えば、クライアント端末の台数が多く処理負荷が大きい場合には、構成情報管理サーバを物理的に2以上のサーバに分ける等、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を変更したり、構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0052】
1000 構成情報管理システム
100 クライアント端末
110 入力受付部
120 通信部(クライアント端末)
130 制御部(クライアント端末)
200 構成情報管理サーバ
210 構成管理部
220 バイナリ管理部
230 通信部(構成情報管理サーバ)
240 制御部(構成情報管理サーバ)
250 記憶部(構成情報管理サーバ)
260 構成情報管理データベース
300 記憶装置
310 記憶部(記憶装置)
N ネットワーク網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末とネットワークを介して接続された構成情報管理装置であって、
前記クライアント端末から、バイナリデータと前記バイナリデータについての構成を示す構成情報とを受信する通信部と、
既にクライアント端末から受信済みのバイナリデータと前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と、前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを比較し、両者が同じ構成情報を有していると判定した場合、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する構成管理部と、
を備えたことを特徴とする構成情報管理装置。
【請求項2】
前記構成管理部は、前記記憶部に前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報が既に記憶されていると判定した場合、既に記憶されている構成情報と、受信された構成情報とを世代管理する、
ことを特徴とする請求項1に記載の構成情報管理装置。
【請求項3】
前記構成管理部が、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶した場合に、前記通信部が受信したバイナリデータと前記受信済みのバイナリデータとを対応付けて記憶するバイナリ管理部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の構成情報管理装置。
【請求項4】
前記構成管理部は、前記通信部が受信したデータについての構成情報を参照することにより、前記受信したデータがバイナリデータであるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成情報管理装置。
【請求項5】
前記構成管理部は、前記通信部が受信したデータについての拡張子を参照することにより、前記受信したデータがバイナリデータであるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成情報管理装置。
【請求項6】
前記構成管理部は、さらに、両者が類似する構成情報を有していると判定した場合、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項1〜5に記載の構成情報管理装置。
【請求項7】
クライアント端末とネットワークを介して接続された構成情報管理装置において行われる構成情報管理方法であって、
前記クライアント端末から、バイナリデータと前記バイナリデータについての構成を示す構成情報とを受信する受信ステップと、
通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と、既にクライアント端末から受信済みのバイナリデータと前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを比較する比較ステップと、
両者が同じ構成情報を有していると判定した場合、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する構成管理ステップと、
を含むことを特徴とする構成情報管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ネットワークを介して接続されたクライアント端末から、バイナリデータと前記バイナリデータについての構成を示す構成情報とを受信する受信ステップと、
通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と、既にクライアント端末から受信済みのバイナリデータと前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを比較する比較ステップと、
両者が同じ構成情報を有していると判定した場合、前記通信部が受信したバイナリデータについての構成情報と前記記憶部が記憶する前記受信済みのバイナリデータについての構成情報とを対応付けて記憶する構成管理ステップと、
を実行させることを特徴とする構成情報管理プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載された構成情報管理プログラムを格納したコンピュータの読み取り可能な記録媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−33342(P2013−33342A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168407(P2011−168407)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】