説明

構成情報設定方法及び情報処理装置

【課題】構成情報設定方法及び情報処理装置において、比較的短時間で構成情報を設定可能とする。
【解決手段】情報処理装置内のサーバに対する、ハードウェアの使用・未使用、入出力チャネルの使用の設定、及び入出力チャネルの物理的な実装位置情報等の構成情報設定方法において、前記情報処理装置内のプロセッサにより前記情報処理装置のハードウェア実装構成を自動的に認識し、前記情報処理装置の装置構成情報ファイル及び入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較し、前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成情報設定方法及び情報処理装置に係り、特にコンピュータシステム等の情報処理装置のシステム構成情報を自動的に設定する構成情報設定方法及びそのような構成情報設定方法を用いる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステム、特にメインフレームにおいては、コンピュータシステムの初回の立ち上げ時にシステム構成情報を初期値に設定する必要がある。システム構成情報とは、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等のハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力(I/O:Input and Output)チャネルが使用する設定であるか、使用するI/Oチャネルの物理的な実装位置等に関する情報を示す。コンピュータシステムを動作させるときは、システム構成情報に基づいて起動時の初期設定を行う。
【0003】
従来のコンピュータシステムは、コンピュータシステムの初回立ち上げ時に装置構成情報ファイル、I/O構成情報ファイルに基づき、操作者が手動でシステム構成情報を設定する必要がある。ここで、装置構成情報ファイルとは、顧客との契約で決められたコンピュータシステムの装置構成を格納した暗号化データが格納されたファイルであり、コンピュータシステムの運用時はこの暗号化データを展開することで契約で決められた装置構成でコンピュータシステムを動作させる。又、I/O構成情報ファイルとは、コンピュータシステムで使用するI/O装置の構成情報が格納されているファイルであり、このファイルの情報には使用するチャネル種別、論理的な実装位置等が含まれる。
【0004】
図1は、従来の構成情報設定方法の一例を説明するフローチャートである。図1において、ステップS1では、操作者が装置構成情報ファイルをコンピュータシステムにインストールし、ステップS2では、操作者がI/O構成情報ファイルをコンピュータシステムにインストールする。ステップS3では、操作者がインストールされているI/O構成情報ファイルの中から使用するI/O構成情報ファイルを選択する。
【0005】
ステップS4では、操作者が装置構成情報ファイルと選択されたI/O構成情報ファイルに基づき、システム構成情報の初期設定を行う。システム構成情報の初期設定には、例えば使用するCPUの設定、待機させるCPUの設定、使用するメモリの設定、使用するI/Oチャネルの設定、使用するI/Oチャネルの物理的な実装位置、システムオプションの有効又は無効の設定(所謂オプション設定)等が含まれる。
【0006】
ステップS4の後、ステップS5では、操作者がコンピュータシステムを再起動させ、ステップS6では、操作者がシステムの立ち上げが成功したか否かを判定する。ステップS6の判定結果がNOであると、ステップS7では、操作者が初期設定にミスが発生したか否かを判定する。ステップS7の判定結果がYESであると、処理はステップS4へ戻る。ステップS7の判定結果がNOであると、ステップS8では、操作者がI/O構成情報ファイルの選択にミスが発生したか否かを判定する。ステップS8の判定結果がYESであると、処理はステップS3へ戻る。ステップS8の判定結果がNOであると、ステップS9では、操作者が装置構成情報ファイルにミスが発生したか否かを判定する。ステップS9の判定結果がNOであると、ステップS10では、操作者がハードウェアの異常を認識し、ハードウェアの修理又は交換を決定する。ステップS9の判定結果がYESであると、ステップS11では、操作者が装置構成情報ファイルを再作成する。一方、ステップS6の判定結果がYESになると、構成情報を設定する処理は終了する。
【0007】
このように構成情報を設定する処理は、略全てが操作者による手作業で行われるため、処理を行うのに時間がかかる。又、構成情報の設定時に操作者が操作ミスを起こす可能性がある。更に、操作ミスが発生してコンピュータシステムの起動に失敗した場合、各構成情報やオプション設定値の妥当性チェック等の原因調査を行うため、コンピュータシステムを再び稼動可能状態に復旧させるまでに時間がかかる。
【0008】
上記の如き問題は、装置構成情報ファイルの変更に伴いシステム構成情報の再設定が必要となった場合にも同様に発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−28088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の構成情報設定方法及び情報処理装置では、比較的短時間で構成情報を設定することができないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、比較的短時間で構成情報を設定することのできる構成情報設定方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点によれば、情報処理装置内のサーバに対して、ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定する構成情報設定方法であって、前記情報処理装置内のプロセッサにより前記情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識する認識工程と、前記プロセッサにより、前記情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較する比較工程と、前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記プロセッサにより前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する設定工程を含む構成情報設定方法が提供される。
【0013】
本発明の一観点によれば、ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定される情報処理装置であって、前記情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識する認識部と、前記情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを格納する記憶装置と、前記装置構成情報ファイル及び前記入出力構成情報ファイルを前記記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較する比較部と、前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する設定部を備えた情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
開示の構成情報設定方法及び情報処理装置によれば、比較的短時間で構成情報を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の構成情報設定方法の一例を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例における情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2のサービスプロセッサの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】装置構成情報ファイルの一例を説明する図である。
【図5】I/O構成情報ファイルの一例を説明する図である。
【図6】システム構成情報ファイルの一例を説明する図である。
【図7】システム構成情報ファイル、装置構成情報ファイル、及びI/O構成情報ファイルの関係を説明する図である。
【図8】実施例における構成情報設定方法の一例を説明するフローチャートである。
【図9】ハードウェア自動認識処理を説明するフローチャートである。
【図10】構成チェック処理を説明するフローチャートである。
【図11】構成情報設定方法の手順の一部を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
開示の構成情報設定方法及び情報処理装置では、情報処理装置内のサーバに対して、ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定する。情報処理装置内のプロセッサにより情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識し、プロセッサにより情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを記憶装置から読み出すと共に、装置構成情報ファイルの装置構成情報と入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較し、ハードウェア実装構成が装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、プロセッサによりシステム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する。
【0017】
システム構成情報の設定を自動的に行うことにより、比較的短時間でシステム構成情報を設定することが可能となる。又、操作者が手作業でシステム構成情報を設定する場合のような操作者による操作ミスを無くすことができる。更に、情報処理装置を稼動可能とするまでの時間を短縮可能となる。
【0018】
以下に、開示の構成情報設定方法及び情報処理装置の各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0019】
図2は、本発明の一実施例における情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す情報処理装置1は、所謂メインフレーム(又は、コンピュータシステム)であり、本体部11及びN個(Nは自然数)のI/O装置12−1〜12−Nを有する。本体部11は、サーバ111及びサービスプロセッサ(SVP)112を有する。各I/O装置12−1〜12−Nは、例えばL個(Lは自然数)のI/Oモジュール121−1〜121−Lを有し、各I/Oモジュール121−1〜121−Lには複数のI/O部125が設けられている。
【0020】
サーバ111は、M個(Mは自然数)のCPU21−1〜21−M、N個のI/Oチャネル23−1〜23−N、及びメモリ22がバス24を介して接続された構成を有する。尚、N,M,Lの値は任意に設定可能であり、特定の関係を満たす必要はない。
【0021】
図3は、図2のサービスプロセッサ112の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すサービスプロセッサ112は、コントローラ31、CPU32、メモリ33、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等で形成された記憶部34、及び保守用I/Oポート35がバス36を介して接続された構成を有する。記憶部34には、装置構成情報ファイル341、I/O構成情報ファイル342、及びシステム構成情報ファイル343が格納される。
【0022】
図4は、装置構成情報ファイル341の一例を説明する図である。装置構成情報ファイル341は、顧客との契約で決められた情報処理装置1の装置構成を格納した暗号化データが格納されたファイルであり、情報処理装置1の運用時はこの暗号化データを展開することで契約で決められた装置構成で情報処理装置1を動作させる。図4に示す例では、管理情報は、例えば本体部11の装置固有番号を含む。又、図4に示す例では、装置構成情報は、CPU21−1〜21−Mのうち運用する運用CPU数、メモリ22のメモリ容量、メモリ22のメモリ構成、サーバ111の性能を示す性能係数、CPU21−1〜21−Mのうち予備にする予備CPU数、サーバ111内で使用するクロック信号の周波数等を示すクロック値、及び有効であるオプション機能を示すオプション機能フラグを含む。管理情報と装置構成情報は、暗号化された暗号化データの形で装置構成情報ファイル341に格納されている。
【0023】
図5は、I/O構成情報ファイル342の一例を説明する図である。I/O構成情報ファイル342は、情報処理装置(メインフレーム)1で使用するI/O装置12−1〜12−Nの構成情報が格納されているファイルであり、このI/O構成情報ファイル342の情報には使用するI/Oチャネルの種別、論理的な実装位置等が含まれる。図5に示す例では、I/O構成情報ファイル342は、各I/Oチャネル23−1〜23−NのI/Oチャネル番号に対して各I/Oチャネル23−1〜23−Nの論理的な実装位置と、使用するI/Oチャネル23−1〜23−Nの種別(又は、装置種)を含む。
【0024】
図6は、システム構成情報ファイル343の一例を説明する図である。システム構成情報ファイル343は、CPU、メモリ等のハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、I/Oチャネルが使用する設定であるか、使用するI/Oチャネルの物理的な実装位置等に関する情報を示すシステム構成情報で形成されたファイルである。図6に示す例では、システム構成情報ファイル343は、CPU21−1〜21−Mのうち運用するCPUで構成される運用CPU構成、CPU21−1〜21−Mのうち待機させるCPUで構成される待機CPU構成、メモリ22のうち使用するメモリ容量、メモリ22で使用するバンク構成、I/Oチャネル23−1〜23−Nのうち運用するI/Oチャネルで構成される運用チャネル構成、I/Oチャネル23−1〜23−Nに対して有効であるオプション設定を示すチャネルオプションCop1,Cop2、システムの運用モード、オペレーティングシステム(OS:Operating System)のオプション設定、IPL(Initial Program Load)機番、IPLのオプション設定、及び有効であるオプション機構を示すオプション機構フラグOpf1,Opf2を含む。
【0025】
図7は、システム構成情報ファイル343、装置構成情報ファイル341、及びI/O構成情報ファイル342の関係を説明する図である。図7において、ST1で示すように、システム構成情報ファイル343は、情報処理装置(メインフレーム)1に実装されているCPU、メモリ、I/O装置等のハードウェアを示すハードウェア実装構成344を反映して設定される。又、ST2で示すように、ハードウェア実装構成344が装置構成情報ファイル341で示される装置構成情報を満たすか否かを判定すると共に、ST3で示すように、ハードウェア実装構成344がI/O構成情報ファイル342で示されるI/O構成情報を満たすか否かを判定する。そして、ST4で示すように、装置構成情報ファイル341で示される装置構成情報を反映してシステム構成情報ファイル343に設定すると共に、ST5で示すように、I/O構成情報ファイル342で示されるI/O構成情報を反映してシステム構成情報ファイル343に設定する。例えば、I/O構成情報ファイル342から使用I/Oチャネルの構成を読み出して、システム構成情報ファイル343のシステム構成情報にオプション設定値を適切に自動的に設定することができる。又、システム構成情報の自動設定時に、ハードウェア実装構成344が装置構成情報ファイル341及びI/O構成情報ファイル342の要件を満たしていないと判定した場合、システム構成情報の自動設定を中断して、ハードウェア構成が不足している箇所を指摘するメッセージ等を操作者に対して出力することもできる。本実施例では、上記ST1〜ST5の処理をサービスプロセッサ112内で自動的に実行する。
【0026】
図8は、実施例における構成情報設定方法の一例を説明するフローチャートである。図8において、ステップS21〜S23,S30〜S36は操作者による操作に応答して実行され、ステップS24〜S29はサービスプロセッサ112により実行される。本実施例では、ステップS25はコントローラ31により実行され、ステップS28はCPU32により実行されるが、ステップS25,S28はサービスプロセッサ112内で実行されればどの部分により実行されるかは特に限定されない。
【0027】
図8において、ステップS21では、操作者が装置構成情報ファイル341をサービスプロセッサ112内の記憶装置34にインストールし、ステップS22では、操作者がI/O構成情報ファイル342を記憶装置34にインストールする。ステップS23では、操作者がインストールされているI/O構成情報ファイル342の中から使用するI/O構成情報ファイルを選択する。尚、操作者による操作、選択等の指示は、任意のI/O装置12−i(i=1〜N)のオペレーションパネルやキーボード等から入力しても、或いは、サービスプロセッサ112の保守用I/Oポート35に接続された入力装置(図示せず)から入力しても良い。
【0028】
ステップS24では、サービスプロセッサ112による初期値自動設定処理の実行を開始する。ステップS25では、コントローラ31がハードウェア実装構成344を自動認識するハードウェア自動認識処理を実行する。
【0029】
図9は、ステップS25が実行するハードウェア自動認識処理を説明するフローチャートである。図9において、ステップS251では、情報処理装置1が稼働中であるか否かを判定し、判定結果がYESであると図8の処理へ戻り処理はステップS26へ進む。一方、ステップS251の判定結果がNOであると、ステップS252では、装置構成情報ファイル341の装置構成情報との比較に必要なハードウェア(CPU、メモリ、I/Oチャネル等)を確認する。ステップS253では、ハードウェアがサーバ11のインタフェースに接続されているか否かを、インタフェースの接続試験等の周知の方法で判定する。ステップS253の判定結果がYESであると、ステップS254では、接続されているハードウェアに対して故障(又は、不良品)を示す情報が設定されているか否かを判定する。ステップS255の判定結果がNOであると、ステップS255では、ハードウェアを実装状態であると判定してハードウェア実装構成344に格納する。又、ステップS253の判定結果がNO、或いは、ステップS254の判定結果がYESであると、ステップS256では、ハードウェアを未実装状態と判定してハードウェア実装構成344には格納しない。ステップS255又はステップS256の後、ステップS257では、装置構成情報ファイル341の装置構成情報との比較に必要な全てのハードウェアの確認が終了したか否かを判定する。ステップS257の判定結果がNOであると処理はステップS252へ戻り、判定結果がYESであるとであると図8の処理へ戻り処理はステップS26へ進む。
【0030】
図8において、ステップS26では、CPU32が装置構成情報ファイル341を記憶装置34から読み出し、ステップS27では、CPU32がI/O構成情報ファイル342を記憶装置34から読み出す。ステップS28では、CPU32が構成チェックを実行する。
【0031】
図10は、ステップS28が実行する構成チェック処理を説明するフローチャートである。図10において、ステップS281では、記憶部34から装置構成情報ファイル341を読み出す。ステップS282では、図9のハードウェア自動認識処理で認識したハードウェア実装構成344と、装置構成情報ファイル341の装置構成情報とI/O構成情報ファイル342のI/O構成情報を比較する。ステップS283では、ハードウェア実装構成344が装置構成情報ファイル341で示される装置構成情報及びI/O構成情報ファイル342で示されるI/O構成情報を満たすか否かを判定する。ステップS283の判定結果がNOであると、ステップS284では、ハードウェア実装構成344と装置構成情報ファイル341で示される装置構成情報及びI/O構成情報ファイル342で示されるI/O構成情報との比較結果を表示する。比較結果は、例えばハードウェア構成が不足している箇所を示す。このような比較結果は、任意のI/O装置12−i(i=1〜N)の表示部に表示しても、或いは、サービスプロセッサ112の保守用I/Oポート35に接続された表示装置(図示せず)に表示しても良い。ステップS285では、図8の処理を中断する。一方、ステップS283の判定結果がYESであると、図8の処理へ戻り処理はステップS29へ進む。
【0032】
図8において、ステップS29では、CPU32がシステム構成情報ファイル343のシステム構成情報を設定又は更新し、初期値自動設定処理が完了したことを示すメッセージ等を表示することで操作者に初期値自動設定処理の完了を通知する。メッセージ等は、任意のI/O装置12−i(i=1〜N)の表示部に表示しても、或いは、サービスプロセッサ112の保守用I/Oポート35に接続された表示装置(図示せず)に表示しても良い。又、ステップS30では、必要に応じて操作者がシステム構成情報ファイル343のシステム構成情報を手動で設定又は更新する。このステップS30の処理は、省略可能である。
【0033】
ステップS30の後、或いは、ステップS30を省略した場合にはステップS29の後、ステップS31では、操作者が情報処理装置1を再起動させ、ステップS32では、操作者が情報処理装置1の立ち上げが成功したか否かを判定する。ステップS32の判定結果がNOであると、ステップS33では、操作者がI/O構成情報ファイル342の選択でミスが発生したか否かを判定する。ステップS33の判定結果がYESであると、処理はステップS23へ戻る。ステップS33の判定結果がNOであると、ステップS34では、操作者が装置構成情報ファイル341にミスが発生したか否かを判定する。ステップS34の判定結果がNOであると、ステップS35では、操作者がハードウェアの異常を認識し、ハードウェアの修理又は交換を決定する。ステップS34の判定結果がYESであると、ステップS36では、操作者が装置構成情報ファイル341を再作成する。一方、ステップS32の判定結果がYESになると、構成情報を設定する処理は終了する。
【0034】
図11は、構成情報設定方法の手順の一部を説明するタイムチャートである。図11において、ステップS131では、操作者が装置構成情報ファイル341をサービスプロセッサ112内の記憶装置34にインストールし、ステップS132では、操作者がI/O構成情報ファイル342を記憶装置34にインストールする。ステップS133では、操作者がインストールされているI/O構成情報ファイル342の中から使用するI/O構成情報ファイルを選択して初期値自動設定を指示する。ステップS134では、サービスプロセッサ112による初期値自動設定処理の実行を開始する。ステップS131〜S134は、図8に示すステップS21〜S24に相当する。
【0035】
ステップS135では、サービスプロセッサ112のコントローラ31がハードウェア実装構成344を自動認識するためにハードウェア実装状態を確認する。ステップS136では、ハードウェアがサーバ11のインタフェースに接続されているか否かを、インタフェースの接続試験等の周知の方法で判定することで、情報処理装置1のハードウェアの実装状態を読み出す。ステップS137では、ステップS136で読み出したハードウェアの実装状態をサービスプロセッサ112のコントローラ31に通知する。ステップS138では、サービスプロセッサ112のコントローラ31がメモリ33にハードウェアの実装状態を示すハードウェア実装情報、即ち、ハードウェア実装構成344を格納する。ステップS135〜S138は、図8に示すステップS25に相当する。
【0036】
ステップS139では、情報処理装置1が稼働中でないと、CPU32が装置構成情報ファイル341及びI/O構成情報ファイル342を記憶装置34から読み出すと共に、ハードウェア実装構成344をメモリ33から読み出す。又、ステップS139では、CPU32が装置構成情報ファイル341の装置構成情報とI/O構成情報ファイル342のI/O構成情報を比較する。ステップS140では、ハードウェア実装構成344が装置構成情報ファイル341で示される装置構成情報及びI/O構成情報ファイル342で示されるI/O構成情報を満たすと、CPU32がシステム構成情報ファイル343のシステム構成情報を設定又は更新する。ステップS141では、CPU32が設定又は更新したシステム構成情報ファイル343のシステム構成情報を記憶装置34に格納する。更に、ステップS142では、CPU32が初期値自動設定処理が完了したことを示すメッセージ等を表示することで操作者に初期値自動設定処理の完了を通知する。メッセージ等は、任意のI/O装置12−i(i=1〜N)の表示部に表示しても、或いは、サービスプロセッサ112の保守用I/Oポート35に接続された表示装置(図示せず)に表示しても良い。ステップS139は図8に示すステップS26〜S28に相当し、ステップS140〜S142は図8に示すステップS29に相当する。
【0037】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
情報処理装置内のサーバに対して、ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定する構成情報設定方法であって、
前記情報処理装置内のプロセッサにより前記情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識する認識工程と、
前記プロセッサにより、前記情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較する比較工程と、
前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記プロセッサにより前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する設定工程を含む、構成情報設定方法。
(付記2)
前記認識工程は、前記プロセッサにより前記サーバに対してインタフェースの接続試験を行うことで前記ハードウェア実装構成を自動的に認識する、付記1記載の構成情報設定方法。
(付記3)
前記装置構成情報ファイルは、顧客との契約で決められた前記情報処理装置の装置構成を格納した暗号化データが格納されたファイルであり、前記情報処理装置の運用時は前記暗号化データを展開することで契約で決められた装置構成で前記情報処理装置を動作させ、
前記入出力構成情報ファイルは、前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報が格納されているファイルであり、使用するチャネル種別、論理的な実装位置を含む、付記1又は2記載の構成情報設定方法。
(付記4)
前記プロセッサにより、前記設定工程により設定された前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を前記記憶装置に格納する格納工程を更に含む、付記1乃至3のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
(付記5)
前記認識工程は、前記プロセッサ内のコントローラにより実行され、
前記比較工程及び前記設定工程は、前記プロセッサ内のCPUにより実行される、付記1乃至4のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
(付記6)
前記認識工程は、前記コントローラにより前記ハードウェア実装構成を前記プロセッサ内のメモリに格納する、付記5記載の構成情報設定方法。
(付記7)
前記プロセッサにより、前記システム構成情報の自動設定の完了を通知する工程を更に含む、付記1乃至6のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
(付記8)
前記設定工程は、前記入出力構成情報ファイルから使用入出力チャネルの構成を読み出して、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報にオプション設定値を自動的に設定する、付記1乃至7のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
(付記9)
前記比較工程が前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイル及び前記入出力構成情報ファイルの要件を満たしていないと判定すると、前記設定工程は前記システム構成情報の自動設定を中断してハードウェア構成が不足している箇所を指摘するメッセージを出力する、付記1乃至8のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
(付記10)
ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定される情報処理装置であって、
前記情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識する認識部と、
前記情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを格納する記憶装置と、
前記装置構成情報ファイル及び前記入出力構成情報ファイルを前記記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較する比較部と、
前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する設定部を備えた、情報処理装置。
(付記11)
前記認識部は前記情報処理装置内に設けられたプロセッサにより形成され、前記情報処理装置内のサーバに対してインタフェースの接続試験を行うことで前記ハードウェア実装構成を自動的に認識する、付記10記載の情報処理装置。
(付記12)
前記装置構成情報ファイルは、顧客との契約で決められた前記情報処理装置の装置構成を格納した暗号化データが格納されたファイルであり、前記情報処理装置の運用時は前記暗号化データを展開することで契約で決められた装置構成で前記情報処理装置を動作させ、
前記入出力構成情報ファイルは、前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報が格納されているファイルであり、使用するチャネル種別、論理的な実装位置を含む、付記10又は11記載の情報処理装置。
(付記13)
前記設定部は前記情報処理装置内に設けられたプロセッサにより形成され、前記プロセッサは前記設定部により設定された前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を前記記憶装置に格納する、付記10乃至12のいずれか1項記載の情報処理装置。
(付記14)
前記認識部は、前記プロセッサ内のコントローラにより形成され、
前記比較部及び前記設定部は、前記プロセッサ内のCPUにより形成される、付記10乃至13のいずれか1項記載の情報処理装置。
(付記15)
前記コントローラの前記認識部は、前記ハードウェア実装構成を前記プロセッサ内のメモリに格納する、付記14記載の情報処理装置。
(付記16)
前記プロセッサの前記設定部は、前記システム構成情報の自動設定の完了を通知する、付記10乃至15のいずれか1項記載の情報処理装置。
(付記17)
前記設定部は、前記入出力構成情報ファイルから使用入出力チャネルの構成を読み出して、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報にオプション設定値を自動的に設定する、付記10乃至16のいずれか1項記載の情報処理装置。
(付記18)
前記比較部が前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイル及び前記入出力構成情報ファイルの要件を満たしていないと判定すると、前記設定部は前記システム構成情報の自動設定を中断してハードウェア構成が不足している箇所を指摘するメッセージを出力する、付記10乃至17のいずれか1項記載の情報処理装置。
【0038】
以上、開示の構成情報設定方法及び情報処理装置を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 情報処理装置
11 サーバ
12−1〜12−N I/O装置
31 コントローラ
32 CPU
33 メモリ
34 ディスク装置
111 プロセッサ
112 サービスプロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置内のサーバに対して、ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定する構成情報設定方法であって、
前記情報処理装置内のプロセッサにより前記情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識する認識工程と、
前記プロセッサにより、前記情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較する比較工程と、
前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記プロセッサにより前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する設定工程を含む、構成情報設定方法。
【請求項2】
前記認識工程は、前記プロセッサにより前記サーバに対してインタフェースの接続試験を行うことで前記ハードウェア実装構成を自動的に認識する、請求項1記載の構成情報設定方法。
【請求項3】
前記プロセッサにより、前記システム構成情報の自動設定の完了を通知する工程を更に含む、請求項1又は2記載の構成情報設定方法。
【請求項4】
前記設定工程は、前記入出力構成情報ファイルから使用入出力チャネルの構成を読み出して、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報にオプション設定値を自動的に設定する、請求項1乃至3のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
【請求項5】
前記比較工程が前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイル及び前記入出力構成情報ファイルの要件を満たしていないと判定すると、前記設定工程は前記システム構成情報の自動設定を中断してハードウェア構成が不足している箇所を指摘するメッセージを出力する、請求項1乃至4のいずれか1項記載の構成情報設定方法。
【請求項6】
ハードウェアが使用又は未使用の設定であるか、入出力チャネルが使用する設定であるか、及び使用する入出力チャネルの物理的な実装位置に関する情報を示すシステム構成情報を設定される情報処理装置であって、
前記情報処理装置に実装されているハードウェアを示すハードウェア実装構成を自動的に認識する認識部と、
前記情報処理装置の装置構成を示す装置構成情報ファイル及び前記情報処理装置で使用する入出力装置の構成情報を示す入出力構成情報ファイルを格納する記憶装置と、
前記装置構成情報ファイル及び前記入出力構成情報ファイルを前記記憶装置から読み出すと共に、前記装置構成情報ファイルの装置構成情報と前記入出力構成情報ファイルの入出力構成情報を比較する比較部と、
前記ハードウェア実装構成が前記装置構成情報ファイルで示される装置構成情報及び前記入出力構成情報ファイルで示される入出力構成情報を満たすと、前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を自動的に設定する設定部を備えた、情報処理装置。
【請求項7】
前記認識部は前記情報処理装置内に設けられたプロセッサにより形成され、前記情報処理装置内のサーバに対してインタフェースの接続試験を行うことで前記ハードウェア実装構成を自動的に認識する、請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定部は前記情報処理装置内に設けられたプロセッサにより形成され、前記プロセッサは前記設定部により設定された前記システム構成情報ファイルのシステム構成情報を前記記憶装置に格納する、請求項6又は7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記認識部は、前記プロセッサ内のコントローラにより形成され、
前記比較部及び前記設定部は、前記プロセッサ内のCPUにより形成される、請求項6乃至8のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサの前記設定部は、前記システム構成情報の自動設定の完了を通知する、請求項6乃至9のいずれか1項記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−18159(P2011−18159A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161654(P2009−161654)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】