構成部材支持体
本発明は、貫通開口(310)を有する取付け壁(300)に構成部材(211)を固定するための構成部材支持体(100)であって、構成部材(211)のための収容装置(103)と、取付け壁(300)に構成部材支持体(100)の固定部を形成するための組付け装置(102)と、構成部材支持体(100)を貫通開口(310)内に前位置決めするための保持装置(101)とが設けられている構成部材支持体(100)に関する。この場合、保持装置(101)が、ピン構造体(110)と、該ピン構造体(110)に沿って延びるリブ構造体(120)とを有しており、ピン構造体(110)と、リブ構造体(120)とが、位置決め領域(140)を形成し、該位置決め領域(140)で保持装置(101)が貫通開口(310)内に位置決め可能であり、保持装置(101)が、さらに、ピン構造体(110)の自由端に、リブ構造体(120)とは反対の側に配置された、貫通開口(310)からの保持エレメント(101)の脱落を防ぐロック構造体(130)を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成部材、特に車両の加速度センサのための構成部材支持体であって、該構成部材支持体によって、構成部材が、貫通開口を備えた取付け壁に固定される形式にものに関する。この場合、片手での組付けを簡単にするために、構成部材支持体の、単純に形成することができかつ単純に着脱可能な、取付け面への前位置決めが予定されている。前位置決めのために、構成部材支持体の保持装置が貫通開口内に回転運動により挿入され、この場合、達成された組付け位置の構成部材支持体が、当該構成部材支持体の自重に基づいて保持されるようにされる。本発明は、さらに構成部材支持体および該構成部材支持体内に配置される構成部材を有する取付けモジュールと、取付け壁に固定された構成部材支持体を備えた固定装置とに関する。
【0002】
従来技術
たとえばエアバッグシステムの、衝突検知のために使用される加速度センサのような車両センサは、通常は取付けモジュールの形態で車両に組み付けられる。この場合、組付けモジュールは、本来のセンサが収容されている特別な構成部材支持体である。構成部材支持体は、当該構成部材支持体側で固定手段を介して車両の取付け面に組み付けられる。この場合、固定手段として、しばしばねじ締結部が役立つ。取付けモジュールの片手での組付けを可能にするために、構成部材支持体は、通常、取付け壁に前組み付けされる。典型的には、取付け壁に設けられた貫通開口内へセンサをクリップ嵌めすることにより行われる前位置決めによって、センサの組込み位置が確実にされる。クリップ嵌めは、通常、特別な前組付けクリップにより行われる。前組付けクリップは貫通開口内に導入されて、係止エレメントを介してアンカ固定される。通常は射出成形法により行われるこのようなクリップの製造は、とりわけ精巧な係止エレメントのために、比較的に手間のかかるものであることがわかった。
【0003】
本発明の課題は、一方では簡単な前組付けを可能にし、他方では簡単に製造され得る保持装置を備えた構成部材支持体を提供することである。この課題は、請求項1に記載の構成部材支持体、請求項10に記載の取付けモジュールおよび請求項11に記載の固定装置により解決される。別の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
本発明によれば、構成部材支持体は、貫通開口を有する取付け壁に構成部材を固定するために、構成部材のための収容装置と、取付け壁における構成部材支持体の固定部を形成するための組付け装置と、貫通開口内で構成部材支持体を前位置決めもしくは仮位置決めするための保持装置とを有している。この場合、保持装置自体は、ピン構造体と、該ピン構造体に沿って延びるリブ構造体とを有している。ピン構造体とリブ構造体とは、位置決め領域を形成する。位置決め領域で、保持装置が貫通開口内に位置決め可能である。さらに、保持装置は、ピン構造体の自由端に、リブ構造体とは反対の側に配置された、貫通開口からの保持装置の抜落ちもしくは脱落を防ぐロック構造体(Sicherungsstruktur)を有している。この場合、保持装置は、取付け壁における構成部材支持体の、特に簡単に形成可能な位置決めを可能にする。取付け壁において、構成部材支持体は所定の組付け位置に保持される。ロック構造体は、保持装置の、貫通開口からの望ましくない脱落を阻止する。保持装置への簡単な形状付与によって、の構成部材支持体の簡単かつ廉価な製造が射出成形プロセスで可能である。
【0005】
第1の実施形態では、保持装置が、構成部材支持体の重心のほぼ上側に配置されている。これによって、構成部材支持体は、当該構成部材支持体の自重に基づいて、前組付け位置に確実に保持される。
【0006】
別の実施形態では、ピン構造体とリブ構造体とが共に位置決め領域を形成している。この位置決め領域で、保持装置が貫通開口内に位置決め可能である。この場合、位置決め領域の直径(縦・横寸法)は、保持装置が貫通開口内で嵌め合い(Uebergangspassung)により位置決め可能であるように選択されている。位置決め領域の直径部と、貫通開口との特殊な嵌合(形状に基づく結合)によって、保持装置が容易に貫通開口内に導入可能であることが確実にされる。同時に、これによって、保持装置が、貫通開口の両側壁の間で位置決めされることが達成され、これによって、設定された組付け位置が達成される。
【0007】
別の実施形態では、ロックエレメントが、挿入方向に対してほぼ垂直に延びる突起として形成されている。ロックエレメントへの簡単な形状付与は、保持エレメントの製造を容易にすると同時に、十分なロック機能を保証する。
【0008】
別の実施形態によれば、組付け装置が、固定手段を貫通させるための孔として形成されている。これによって、特に簡単な組付けがねじ締結により可能にされる。
【0009】
別の実施形態では、リブ構造体の自由端が、丸み付け部を有している。この丸み付け部は、貫通開口内への保持装置の導入工程の間に、リブ構造体が貫通開口の側壁に沿って滑動することを可能にする。これによって、取付け壁における構成部材支持体の組付けは容易にされる。
【0010】
別の実施形態では、リブ構造体が、スリット形の拡張部を有する貫通開口における保持装置の誤組付けを防止する安全手段として形成されている。この場合、ピン構造体の周面に沿ったリブ構造体の配置は、貫通開口の周面に沿ったスリット形の拡張部の配置に相応して選択されている。これによって、取付け壁における構成部材支持体の誤組付けを防ぐ単純な安全手段が達成される。これによってさらに、類似の構成部材のグループから誤った構成部材を組み込むことを阻止するコード化が実現される。
【0011】
別の実施形態では、リブ構造体が、ロック構造体に対して、ピン構造体に沿ってセットバッグもしくは後退されている。これによって、保持装置を、挿入方向に対して直交する軸線を中心とした傾倒運動によって、設定された組付け位置に導くことが可能にされる。
【0012】
別の実施形態では、ピン構造体のプロファイルが、位置決め領域内に丸み付け部を有している。この丸み付け部は、貫通開口内に位置する保持エレメントの、挿入方向に方向付けられた軸線を中心とした回転運動を可能にする。さらに、丸み付け部は、保持装置が組付け中に貫通開口内で引っかかることを阻止する。
【0013】
本発明によれば、さらに取付けモジュールが設けられている。取付けモジュールは、構成部材支持体と、該構成部材支持体の収容装置内に配置された構成部材とを有しており、構成部材は、加速度センサとして形成されている。加速度センサは、典型的には、車両の手が届きにくい箇所に組み付けられる。したがって、本発明により形成された構成部材支持体は、このような加速度センサと共に使用するために特に良好に適している。
【0014】
以下に本発明を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態による本発明に係る構成部材支持体を示す斜視図である。
【図2】図1に示した構成部材支持体の別の斜視図である。
【図3】図1および図2に示した保持装置が取付け壁の貫通開口内に固定されている様子を示す図である。
【図4】図1および2に示した保持装置の別の斜視図である。
【図5】組み付けられた状態の保持装置を示す断面図である。
【図6a】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す概略図である。
【図6b】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図6c】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図6d】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図7】丸み付けされたプロファイルを備えた保持装置の第2の実施形態を示す図である。
【図8】図7に示した保持装置が、取付け壁の相応する貫通開口内に固定されている様子を示す図である。
【図9a】図8に示した保持装置の連続する組付けステップを示す概略図である。
【図9b】図8に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図9c】図8に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図10】取付け壁に組み付けられた構成部材支持体を有する本発明に係る固定装置の断面を示す例示的な斜視図である。
【0016】
図1は、電気的な構成部材を取付け面に固定するための、本発明に係る構成部材支持体100を示している。この場合、構成部材支持体100は、車両内のエアバッグシステムの加速度センサに用いられるモジュールケーシングとして形成されている。この場合、加速度センサ(図示せず)は、構成部材支持体100に設けられた収容領域103内に配置されている。このように形成された取付けモジュール210は、車両内部の取付け壁への組付けのために設けられている。取付けモジュール210の組付けは、たとえばねじ締結部のような単純な組付け手段を用いて行われると有利である。このためには、構成部材支持体100が、相応する組付け装置102を有している。組付け装置102は、以下の場合には、ねじを収容するための一貫した孔として形成されている。さらに、加速度センサをエアバッグシステムの相応する構成要素に電気的に接続するための電気的な接続領域104が設けられている。接続領域104は、典型的にはコンタクトブシュとして形成されている。センサモジュール210の片手での組付けを可能にするために、取付け壁へのセンサモジュール210の前もしくは仮位置決めが予定されている。このためには、構成部材支持体100に特殊な保持装置101が一体に成形されている。この保持装置101により、センサモジュール210が取付け壁の相応する貫通開口内で、設定された組付け位置に位置決めされ得る。本実施形態では、孔102の上側に配置された保持装置101は、ピン形の構造体(ピン成形部)110と、該ピン形の構造体110の下方に配置されかつ該ピン構造体110に沿って延びるリブ構造体(リブ成形部)120と、ピン構造体110の自由端に配置されかつ主に挿入方向に対して垂直に延びるロック構造体(ロック成形部)130とを有している。
【0017】
保持装置101が、センサモジュール210の重心の上側に配置されると有利である。
【0018】
図2はセンサモジュール110を別の斜視図で示している。この場合、ピン構造体110に沿って延びるリブ形の構造体120が、突起形のロック構造体130に対してセットバックされている、つまり後退されていることが判る。このセットバックは、取付け壁の相応する貫通開口内への保持装置101の導入を傾倒状態で可能にするために実施されている。
【0019】
図3は、組み付けられた状態の、本発明によるセンサモジュール210の横断面を示す斜視図である。この場合、センサモジュール210は、取付け壁300の取付け面301に固定されている。この場合、構成部材支持体100の保持装置101は、取付け壁300に形成された四角形の貫通開口310内に差し込まれている。さらに、センサモジュール210は、モジュールボディの孔102と、取付け壁300内の相応する孔320によって、この取付け壁300に固く結合されている。
【0020】
貫通開口310が、取付け壁300を形成する金属薄板の、四角形の打抜き加工部として実現されていると有利である。この場合、保持装置101は、当該保持装置101が図示された組付け位置で、貫通開口310の両側壁313間における嵌め合いにより保持されるように形成されていると有利である。
【0021】
本来の構成部材211を形成する加速度センサは、構成部材支持体100の右上の領域の、収容装置103を形成する切欠き内に収容されている。本発明による固定装置200では、保持装置101が、ねじ締結部321の締付け後に、センサモジュール210の回動ロック手段として働く。
【0022】
図4は、貫通開口310に位置決めされた保持装置101の詳細図である。この場合、位置決めは、嵌め合いによって行われると有利である。この場合、位置決め領域内の保持装置101の高さは、貫通開口310の寸法にほぼ一致する。この場合、保持装置101は、貫通開口310の上側で、有利には出来るだけ広幅の領域を介して支持されているのに対して、保持装置101の、貫通開口130の下側の領域における支持は、単に比較的狭幅のリブ構造体120を介してしか行われていない。バランスの取れた力状態を達成するためには、リブ構造体120は、有利にはピン構造体110の中心に配置されている。しかし、用途に応じて、リブ構造体120の、ピン構造体に関する配置は変更することができる。特に、リブ構造体120の位置の変更により、キー・ロック原理による明確な組付けのコード化(Montagekodierung)が実現され得る。リブ構造体の幅も、用途に応じて可変である。
【0023】
図5は、適当な保持装置101を備えたセンサモジュール210だけが、所定の貫通開口310内に位置決め可能である、組付けコード化の原理を示すものである。この場合、保持部材101は、貫通開口310内に係合する。この貫通開口310は、ピン構造体110を収容するためのほぼ四角形の主開口311と、リブ構造体120を収容するための、主開口311に接続するスリット開口312とから形成されている。スリット開口312の幅およびスリット開口312の、主開口311の下縁部に沿った配置は、適合する保持装置101のリブ構造体120がどのように構成されていなければならないかを規定する。対応して形成されたリブ構造体120だけが、貫通開口310内への保持装置101の導入を可能にする。これによって、取付けモジュール10は、当該組み付けモジュール10のために予定されていない位置に誤って組み付けられないことが確実にされ得る。
【0024】
図1から3に示したセンサモジュール210の前位置決めを、以下に図6a〜図6dで複数の組付けステップにつき詳しく説明する。この場合、図6aは、取付け壁300に当てられたセンサモジュール210を示している。貫通開口310内への保持エレメント101の導入を可能にするために、センサモジュール210は、相応する角度だけ傾倒されている。挿入方向400への並進運動により、ロック構造体130が貫通開口310の他端部において再び突出するまで、保持装置101が貫通開口310内に挿入される。相応する状態は図6bに図示されている。図6bに示した位置から、今度は挿入方向に対してほぼ垂直な回転軸線420を中心とした回転運動が行われる。図6bに矢印421で示された回転によって、リブ構造体120は貫通開口310の下側の側壁に沿って滑動する。この運動を容易にし、貫通開口310内での保持エレメント101の引っ掛かりを阻止するために、リブ構造体120の対応する領域が丸み付けされていてよい。
【0025】
図6bに示されているように、センサモジュール210の重心105と、回転軸線420とは、センサモジュールの傾倒運動が保持装置101の導入時に主にセンサモジュールの自重により支援されて行われるように、相対して位置している。
【0026】
センサモジュール210が規定された組付け位置に到達するまで、回転運動が継続させられる。この場合、センサモジュール210の、取付け壁300に面した表面が、取付け壁300の取付け面301に対してほぼ平行に位置調節されているのに対して、保持装置101は、ほぼ垂直に貫通開口310内を延びている。さらに、孔102は、取付け壁300の組付け開口320にほぼ整合して配置されている。この位置では、センサモジュール210の自重が、所望の保持機能を作用させ、したがって、貫通開口310から保持装置101が脱落することを効果的に阻止する。
【0027】
挿入方向400へのさらなる並進運動により、構成部材支持体100の、取付け壁300に面した側が取付け壁300に当て付けられるまで、保持装置101をさらに貫通開口310を通じて導入することができる。このためには、保持装置101の垂直方向の寸法が、貫通開口310の寸法に以下のように適合されている。すなわち、大きな抵抗なしに、しかし有利には小さな遊びを伴って導入が行われ得るようにされる。このことは、保持装置101の関連する構造体110,120と、貫通開口310の側壁との間の相応する嵌め合いによって達成されると有利である。
【0028】
以下に、取付け壁310に対するセンサモジュール210の前位置決めの別の実施形態を説明する。上記で説明した第1の実施形態とは異なり、本実施形態では、予め規定された組付け位置が、挿入方向に対して垂直な回転軸線を中心とした回転軸線ではなく、挿入方向に対して平行な回転軸線を中心とした回転により達成される。図7は、相応する前位置決めを形成するための保持装置101の変更された実施形態を示している。この実施形態でも、保持装置は、ピン形の構造体110と、該ピン形構造体110に沿って延びるリブ構造体120と、ピン形構造体110の自由端に配置され、上方を向けられたロック構造体130とから形成されている。貫通開口310内での回転を可能にするために、ピン構造体110は、有利には丸み付けされたプロファイルもしくは成形部(Profil)を有している。リブ構造体120は、本実施形態では保持装置101の長さ全体にわたって延びているが、該リブ構造体120の自由端は、相応する貫通開口310内への保持装置の容易な導入のために、丸み付け部121を有している。
【0029】
図8は、変更された保持装置101の別の斜視図を示している。この場合、ピン構造体110の主に丸み付けされたプロファイルが確認可能である。さらに、この斜視図では、リブ構造体120の丸み付け部121も確認することができる。
【0030】
図9には、図7および図8に示した保持装置101が組み付けられた状態で示されている。この場合、保持装置101は、有利には嵌め合いによって貫通開口310内に位置決めされている。図9から判るように、貫通開口310は、当該貫通開口310内に配置された保持装置101の回転を可能にするために、丸み付けされたプロファイルを有している。
【0031】
図10a〜図10cは、前位置決めを形成するための種々のステップを概略的に示している。この場合、図10aは、センサモジュール210を出発位置で示している。この出発位置では、保持装置101が既にD字形の貫通開口310内に挿入されている。破線は、センサモジュール210が、この視点では取付け壁(図示せず)の背後に位置していることを示している。取付けモジュール210の、貫通開口310内に差し込まれた、もしくは貫通開口310を通って突出した部分、すなわちリブ構造体120、ロック構造体130ならびにピン構造体110の一部だけが見える。貫通開口310の、ロック構造体130により覆われた部分も、相応して破線で示されている。保持装置101が有利には嵌め合いにおける複数の領域で貫通開口310の側壁に当て付けられるように、保持装置101の寸法と貫通開口310の寸法とが互いに調整されている。本実施形態のように、ロック構造体130が貫通開口310を超えて突出する限り、貫通開口310内への保持装置101の導入は、並進運動と回転運動との組合せにより行われる。このためには、リブ構造体120の丸み付け部121が設けられていると有利である。
【0032】
保持部材101を、貫通開口310内で位置決めすることは、挿入方向に対して平行な回転軸線410を中心とした、矢印411により示された回転運動により行われる。貫通開口310内での保持装置101の回動は、位置決め領域140内の、相応して丸く形成されたプロファイルにより可能にされる。ピン構造体110の丸み付け部111および貫通開口310の右側領域の丸形の形状も、回転運動を容易にする。なぜならば、保持装置が、貫通開口の側壁により有利にはできるだけ遊びなしに案内されるからである。図10bは、貫通開口310内で回転中の取付けモジュール210を示している。
【0033】
回動の終点で、取付けモジュール210は、ほぼ鉛直方向の位置調節を達成する。この予め規定された組付け位置で、孔102は、組付け壁300の組付け開口320にほぼ整合して配置されている。回転軸線410の下側に配置された重心105に基づいて、達成された組付け位置は、回転の安定した最終位置を形成する。保持装置101の位置決め領域における横断面形状と、貫通開口310の輪郭との適合により、保持装置は、有利には遊びなしに、嵌め合いによって貫通開口310内に位置決めされている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成部材、特に車両の加速度センサのための構成部材支持体であって、該構成部材支持体によって、構成部材が、貫通開口を備えた取付け壁に固定される形式にものに関する。この場合、片手での組付けを簡単にするために、構成部材支持体の、単純に形成することができかつ単純に着脱可能な、取付け面への前位置決めが予定されている。前位置決めのために、構成部材支持体の保持装置が貫通開口内に回転運動により挿入され、この場合、達成された組付け位置の構成部材支持体が、当該構成部材支持体の自重に基づいて保持されるようにされる。本発明は、さらに構成部材支持体および該構成部材支持体内に配置される構成部材を有する取付けモジュールと、取付け壁に固定された構成部材支持体を備えた固定装置とに関する。
【0002】
従来技術
たとえばエアバッグシステムの、衝突検知のために使用される加速度センサのような車両センサは、通常は取付けモジュールの形態で車両に組み付けられる。この場合、組付けモジュールは、本来のセンサが収容されている特別な構成部材支持体である。構成部材支持体は、当該構成部材支持体側で固定手段を介して車両の取付け面に組み付けられる。この場合、固定手段として、しばしばねじ締結部が役立つ。取付けモジュールの片手での組付けを可能にするために、構成部材支持体は、通常、取付け壁に前組み付けされる。典型的には、取付け壁に設けられた貫通開口内へセンサをクリップ嵌めすることにより行われる前位置決めによって、センサの組込み位置が確実にされる。クリップ嵌めは、通常、特別な前組付けクリップにより行われる。前組付けクリップは貫通開口内に導入されて、係止エレメントを介してアンカ固定される。通常は射出成形法により行われるこのようなクリップの製造は、とりわけ精巧な係止エレメントのために、比較的に手間のかかるものであることがわかった。
【0003】
本発明の課題は、一方では簡単な前組付けを可能にし、他方では簡単に製造され得る保持装置を備えた構成部材支持体を提供することである。この課題は、請求項1に記載の構成部材支持体、請求項10に記載の取付けモジュールおよび請求項11に記載の固定装置により解決される。別の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
本発明によれば、構成部材支持体は、貫通開口を有する取付け壁に構成部材を固定するために、構成部材のための収容装置と、取付け壁における構成部材支持体の固定部を形成するための組付け装置と、貫通開口内で構成部材支持体を前位置決めもしくは仮位置決めするための保持装置とを有している。この場合、保持装置自体は、ピン構造体と、該ピン構造体に沿って延びるリブ構造体とを有している。ピン構造体とリブ構造体とは、位置決め領域を形成する。位置決め領域で、保持装置が貫通開口内に位置決め可能である。さらに、保持装置は、ピン構造体の自由端に、リブ構造体とは反対の側に配置された、貫通開口からの保持装置の抜落ちもしくは脱落を防ぐロック構造体(Sicherungsstruktur)を有している。この場合、保持装置は、取付け壁における構成部材支持体の、特に簡単に形成可能な位置決めを可能にする。取付け壁において、構成部材支持体は所定の組付け位置に保持される。ロック構造体は、保持装置の、貫通開口からの望ましくない脱落を阻止する。保持装置への簡単な形状付与によって、の構成部材支持体の簡単かつ廉価な製造が射出成形プロセスで可能である。
【0005】
第1の実施形態では、保持装置が、構成部材支持体の重心のほぼ上側に配置されている。これによって、構成部材支持体は、当該構成部材支持体の自重に基づいて、前組付け位置に確実に保持される。
【0006】
別の実施形態では、ピン構造体とリブ構造体とが共に位置決め領域を形成している。この位置決め領域で、保持装置が貫通開口内に位置決め可能である。この場合、位置決め領域の直径(縦・横寸法)は、保持装置が貫通開口内で嵌め合い(Uebergangspassung)により位置決め可能であるように選択されている。位置決め領域の直径部と、貫通開口との特殊な嵌合(形状に基づく結合)によって、保持装置が容易に貫通開口内に導入可能であることが確実にされる。同時に、これによって、保持装置が、貫通開口の両側壁の間で位置決めされることが達成され、これによって、設定された組付け位置が達成される。
【0007】
別の実施形態では、ロックエレメントが、挿入方向に対してほぼ垂直に延びる突起として形成されている。ロックエレメントへの簡単な形状付与は、保持エレメントの製造を容易にすると同時に、十分なロック機能を保証する。
【0008】
別の実施形態によれば、組付け装置が、固定手段を貫通させるための孔として形成されている。これによって、特に簡単な組付けがねじ締結により可能にされる。
【0009】
別の実施形態では、リブ構造体の自由端が、丸み付け部を有している。この丸み付け部は、貫通開口内への保持装置の導入工程の間に、リブ構造体が貫通開口の側壁に沿って滑動することを可能にする。これによって、取付け壁における構成部材支持体の組付けは容易にされる。
【0010】
別の実施形態では、リブ構造体が、スリット形の拡張部を有する貫通開口における保持装置の誤組付けを防止する安全手段として形成されている。この場合、ピン構造体の周面に沿ったリブ構造体の配置は、貫通開口の周面に沿ったスリット形の拡張部の配置に相応して選択されている。これによって、取付け壁における構成部材支持体の誤組付けを防ぐ単純な安全手段が達成される。これによってさらに、類似の構成部材のグループから誤った構成部材を組み込むことを阻止するコード化が実現される。
【0011】
別の実施形態では、リブ構造体が、ロック構造体に対して、ピン構造体に沿ってセットバッグもしくは後退されている。これによって、保持装置を、挿入方向に対して直交する軸線を中心とした傾倒運動によって、設定された組付け位置に導くことが可能にされる。
【0012】
別の実施形態では、ピン構造体のプロファイルが、位置決め領域内に丸み付け部を有している。この丸み付け部は、貫通開口内に位置する保持エレメントの、挿入方向に方向付けられた軸線を中心とした回転運動を可能にする。さらに、丸み付け部は、保持装置が組付け中に貫通開口内で引っかかることを阻止する。
【0013】
本発明によれば、さらに取付けモジュールが設けられている。取付けモジュールは、構成部材支持体と、該構成部材支持体の収容装置内に配置された構成部材とを有しており、構成部材は、加速度センサとして形成されている。加速度センサは、典型的には、車両の手が届きにくい箇所に組み付けられる。したがって、本発明により形成された構成部材支持体は、このような加速度センサと共に使用するために特に良好に適している。
【0014】
以下に本発明を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態による本発明に係る構成部材支持体を示す斜視図である。
【図2】図1に示した構成部材支持体の別の斜視図である。
【図3】図1および図2に示した保持装置が取付け壁の貫通開口内に固定されている様子を示す図である。
【図4】図1および2に示した保持装置の別の斜視図である。
【図5】組み付けられた状態の保持装置を示す断面図である。
【図6a】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す概略図である。
【図6b】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図6c】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図6d】図5に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図7】丸み付けされたプロファイルを備えた保持装置の第2の実施形態を示す図である。
【図8】図7に示した保持装置が、取付け壁の相応する貫通開口内に固定されている様子を示す図である。
【図9a】図8に示した保持装置の連続する組付けステップを示す概略図である。
【図9b】図8に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図9c】図8に示した保持装置の連続する組付けステップを示す別の概略図である。
【図10】取付け壁に組み付けられた構成部材支持体を有する本発明に係る固定装置の断面を示す例示的な斜視図である。
【0016】
図1は、電気的な構成部材を取付け面に固定するための、本発明に係る構成部材支持体100を示している。この場合、構成部材支持体100は、車両内のエアバッグシステムの加速度センサに用いられるモジュールケーシングとして形成されている。この場合、加速度センサ(図示せず)は、構成部材支持体100に設けられた収容領域103内に配置されている。このように形成された取付けモジュール210は、車両内部の取付け壁への組付けのために設けられている。取付けモジュール210の組付けは、たとえばねじ締結部のような単純な組付け手段を用いて行われると有利である。このためには、構成部材支持体100が、相応する組付け装置102を有している。組付け装置102は、以下の場合には、ねじを収容するための一貫した孔として形成されている。さらに、加速度センサをエアバッグシステムの相応する構成要素に電気的に接続するための電気的な接続領域104が設けられている。接続領域104は、典型的にはコンタクトブシュとして形成されている。センサモジュール210の片手での組付けを可能にするために、取付け壁へのセンサモジュール210の前もしくは仮位置決めが予定されている。このためには、構成部材支持体100に特殊な保持装置101が一体に成形されている。この保持装置101により、センサモジュール210が取付け壁の相応する貫通開口内で、設定された組付け位置に位置決めされ得る。本実施形態では、孔102の上側に配置された保持装置101は、ピン形の構造体(ピン成形部)110と、該ピン形の構造体110の下方に配置されかつ該ピン構造体110に沿って延びるリブ構造体(リブ成形部)120と、ピン構造体110の自由端に配置されかつ主に挿入方向に対して垂直に延びるロック構造体(ロック成形部)130とを有している。
【0017】
保持装置101が、センサモジュール210の重心の上側に配置されると有利である。
【0018】
図2はセンサモジュール110を別の斜視図で示している。この場合、ピン構造体110に沿って延びるリブ形の構造体120が、突起形のロック構造体130に対してセットバックされている、つまり後退されていることが判る。このセットバックは、取付け壁の相応する貫通開口内への保持装置101の導入を傾倒状態で可能にするために実施されている。
【0019】
図3は、組み付けられた状態の、本発明によるセンサモジュール210の横断面を示す斜視図である。この場合、センサモジュール210は、取付け壁300の取付け面301に固定されている。この場合、構成部材支持体100の保持装置101は、取付け壁300に形成された四角形の貫通開口310内に差し込まれている。さらに、センサモジュール210は、モジュールボディの孔102と、取付け壁300内の相応する孔320によって、この取付け壁300に固く結合されている。
【0020】
貫通開口310が、取付け壁300を形成する金属薄板の、四角形の打抜き加工部として実現されていると有利である。この場合、保持装置101は、当該保持装置101が図示された組付け位置で、貫通開口310の両側壁313間における嵌め合いにより保持されるように形成されていると有利である。
【0021】
本来の構成部材211を形成する加速度センサは、構成部材支持体100の右上の領域の、収容装置103を形成する切欠き内に収容されている。本発明による固定装置200では、保持装置101が、ねじ締結部321の締付け後に、センサモジュール210の回動ロック手段として働く。
【0022】
図4は、貫通開口310に位置決めされた保持装置101の詳細図である。この場合、位置決めは、嵌め合いによって行われると有利である。この場合、位置決め領域内の保持装置101の高さは、貫通開口310の寸法にほぼ一致する。この場合、保持装置101は、貫通開口310の上側で、有利には出来るだけ広幅の領域を介して支持されているのに対して、保持装置101の、貫通開口130の下側の領域における支持は、単に比較的狭幅のリブ構造体120を介してしか行われていない。バランスの取れた力状態を達成するためには、リブ構造体120は、有利にはピン構造体110の中心に配置されている。しかし、用途に応じて、リブ構造体120の、ピン構造体に関する配置は変更することができる。特に、リブ構造体120の位置の変更により、キー・ロック原理による明確な組付けのコード化(Montagekodierung)が実現され得る。リブ構造体の幅も、用途に応じて可変である。
【0023】
図5は、適当な保持装置101を備えたセンサモジュール210だけが、所定の貫通開口310内に位置決め可能である、組付けコード化の原理を示すものである。この場合、保持部材101は、貫通開口310内に係合する。この貫通開口310は、ピン構造体110を収容するためのほぼ四角形の主開口311と、リブ構造体120を収容するための、主開口311に接続するスリット開口312とから形成されている。スリット開口312の幅およびスリット開口312の、主開口311の下縁部に沿った配置は、適合する保持装置101のリブ構造体120がどのように構成されていなければならないかを規定する。対応して形成されたリブ構造体120だけが、貫通開口310内への保持装置101の導入を可能にする。これによって、取付けモジュール10は、当該組み付けモジュール10のために予定されていない位置に誤って組み付けられないことが確実にされ得る。
【0024】
図1から3に示したセンサモジュール210の前位置決めを、以下に図6a〜図6dで複数の組付けステップにつき詳しく説明する。この場合、図6aは、取付け壁300に当てられたセンサモジュール210を示している。貫通開口310内への保持エレメント101の導入を可能にするために、センサモジュール210は、相応する角度だけ傾倒されている。挿入方向400への並進運動により、ロック構造体130が貫通開口310の他端部において再び突出するまで、保持装置101が貫通開口310内に挿入される。相応する状態は図6bに図示されている。図6bに示した位置から、今度は挿入方向に対してほぼ垂直な回転軸線420を中心とした回転運動が行われる。図6bに矢印421で示された回転によって、リブ構造体120は貫通開口310の下側の側壁に沿って滑動する。この運動を容易にし、貫通開口310内での保持エレメント101の引っ掛かりを阻止するために、リブ構造体120の対応する領域が丸み付けされていてよい。
【0025】
図6bに示されているように、センサモジュール210の重心105と、回転軸線420とは、センサモジュールの傾倒運動が保持装置101の導入時に主にセンサモジュールの自重により支援されて行われるように、相対して位置している。
【0026】
センサモジュール210が規定された組付け位置に到達するまで、回転運動が継続させられる。この場合、センサモジュール210の、取付け壁300に面した表面が、取付け壁300の取付け面301に対してほぼ平行に位置調節されているのに対して、保持装置101は、ほぼ垂直に貫通開口310内を延びている。さらに、孔102は、取付け壁300の組付け開口320にほぼ整合して配置されている。この位置では、センサモジュール210の自重が、所望の保持機能を作用させ、したがって、貫通開口310から保持装置101が脱落することを効果的に阻止する。
【0027】
挿入方向400へのさらなる並進運動により、構成部材支持体100の、取付け壁300に面した側が取付け壁300に当て付けられるまで、保持装置101をさらに貫通開口310を通じて導入することができる。このためには、保持装置101の垂直方向の寸法が、貫通開口310の寸法に以下のように適合されている。すなわち、大きな抵抗なしに、しかし有利には小さな遊びを伴って導入が行われ得るようにされる。このことは、保持装置101の関連する構造体110,120と、貫通開口310の側壁との間の相応する嵌め合いによって達成されると有利である。
【0028】
以下に、取付け壁310に対するセンサモジュール210の前位置決めの別の実施形態を説明する。上記で説明した第1の実施形態とは異なり、本実施形態では、予め規定された組付け位置が、挿入方向に対して垂直な回転軸線を中心とした回転軸線ではなく、挿入方向に対して平行な回転軸線を中心とした回転により達成される。図7は、相応する前位置決めを形成するための保持装置101の変更された実施形態を示している。この実施形態でも、保持装置は、ピン形の構造体110と、該ピン形構造体110に沿って延びるリブ構造体120と、ピン形構造体110の自由端に配置され、上方を向けられたロック構造体130とから形成されている。貫通開口310内での回転を可能にするために、ピン構造体110は、有利には丸み付けされたプロファイルもしくは成形部(Profil)を有している。リブ構造体120は、本実施形態では保持装置101の長さ全体にわたって延びているが、該リブ構造体120の自由端は、相応する貫通開口310内への保持装置の容易な導入のために、丸み付け部121を有している。
【0029】
図8は、変更された保持装置101の別の斜視図を示している。この場合、ピン構造体110の主に丸み付けされたプロファイルが確認可能である。さらに、この斜視図では、リブ構造体120の丸み付け部121も確認することができる。
【0030】
図9には、図7および図8に示した保持装置101が組み付けられた状態で示されている。この場合、保持装置101は、有利には嵌め合いによって貫通開口310内に位置決めされている。図9から判るように、貫通開口310は、当該貫通開口310内に配置された保持装置101の回転を可能にするために、丸み付けされたプロファイルを有している。
【0031】
図10a〜図10cは、前位置決めを形成するための種々のステップを概略的に示している。この場合、図10aは、センサモジュール210を出発位置で示している。この出発位置では、保持装置101が既にD字形の貫通開口310内に挿入されている。破線は、センサモジュール210が、この視点では取付け壁(図示せず)の背後に位置していることを示している。取付けモジュール210の、貫通開口310内に差し込まれた、もしくは貫通開口310を通って突出した部分、すなわちリブ構造体120、ロック構造体130ならびにピン構造体110の一部だけが見える。貫通開口310の、ロック構造体130により覆われた部分も、相応して破線で示されている。保持装置101が有利には嵌め合いにおける複数の領域で貫通開口310の側壁に当て付けられるように、保持装置101の寸法と貫通開口310の寸法とが互いに調整されている。本実施形態のように、ロック構造体130が貫通開口310を超えて突出する限り、貫通開口310内への保持装置101の導入は、並進運動と回転運動との組合せにより行われる。このためには、リブ構造体120の丸み付け部121が設けられていると有利である。
【0032】
保持部材101を、貫通開口310内で位置決めすることは、挿入方向に対して平行な回転軸線410を中心とした、矢印411により示された回転運動により行われる。貫通開口310内での保持装置101の回動は、位置決め領域140内の、相応して丸く形成されたプロファイルにより可能にされる。ピン構造体110の丸み付け部111および貫通開口310の右側領域の丸形の形状も、回転運動を容易にする。なぜならば、保持装置が、貫通開口の側壁により有利にはできるだけ遊びなしに案内されるからである。図10bは、貫通開口310内で回転中の取付けモジュール210を示している。
【0033】
回動の終点で、取付けモジュール210は、ほぼ鉛直方向の位置調節を達成する。この予め規定された組付け位置で、孔102は、組付け壁300の組付け開口320にほぼ整合して配置されている。回転軸線410の下側に配置された重心105に基づいて、達成された組付け位置は、回転の安定した最終位置を形成する。保持装置101の位置決め領域における横断面形状と、貫通開口310の輪郭との適合により、保持装置は、有利には遊びなしに、嵌め合いによって貫通開口310内に位置決めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通開口(310)を有する取付け壁(300)に構成部材(211)を固定するための構成部材支持体(100)であって、
構成部材(211)のための収容装置(103)と、
取付け壁(300)における構成部材支持体(100)の固定部を形成するための組付け装置(102)と、
構成部材支持体(100)を貫通開口(310)内に前位置決めするための保持装置(101)とが設けられている、構成部材支持体(100)において、
保持装置(101)が、ピン構造体(110)と、該ピン構造体(110)に沿って延びるリブ構造体(120)とを有しており、
ピン構造体(110)と、リブ構造体(120)とが、位置決め領域(140)を形成し、該位置決め領域(140)で、保持装置(101)が貫通開口(310)内に位置決め可能であり、
さらに、保持装置(101)が、ピン構造体(110)の自由端に、リブ構造体(120)とは反対の側に配置された、貫通開口(310)からの保持エレメント(101)の脱落を防ぐロック構造体(130)を有していることを特徴とする、貫通開口(310)を有する取付け壁(300)に構成部材(211)を固定するための構成部材支持体。
【請求項2】
保持装置(101)が、構成部材支持体(100)の重心(105)のほぼ上側に配置されている、請求項1記載の構成部材支持体。
【請求項3】
ピン構造体(110)と、リブ構造体(120)とが、位置決め領域(140)を形成しており、該位置決め領域(140)で、保持装置(101)が、貫通開口(310)内に位置決め可能であり、保持装置(101)が貫通開口(310)内で嵌め合いによって位置決め可能であるように、位置決め領域(140)においてピン構造体(110)とリブ構造体(120)とによって設定される直径が選択されている、請求項1または2記載の構成部材支持体。
【請求項4】
ロックエレメント(130)が、挿入方向(400)に対してほぼ垂直に延びる突起として形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項5】
組付け装置(102)が、固定手段(321)を収容するための孔として形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項6】
リブ構造体(120)の自由端が、丸み付け部(121)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項7】
リブ構造体(120)が、スリット形の拡張部(312)を備えた貫通開口(310)における保持装置(101)の誤組付けを防止する安全手段として形成されており、
ピン構造体(110)の周面に沿ったリブ構造体(120)の配置が、貫通開口(310)の周面に沿ったスリット形の拡張部(312)の配置に対応して選択されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項8】
リブ構造体(120)が、ロック構造体(130)に対して、ピン構造体(110)に沿ってセットバックされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項9】
ピン構造体(110)のプロファイルが、位置決め領域(140)内で丸み付け部(111)を有していて、該丸み付け部(111)が、貫通開口(310)内に位置している保持装置(101)の、挿入方向(400)に方向付けされた軸線(420)を中心とした回転運動を可能にする、請求項1から6までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の構成部材支持体(100)と、該構成部材支持体(100)の収容装置(140)内に配置された構成部材(211)とを有する取付けモジュール(210)であって、構成部材(211)が、加速度センサとして形成されていることを特徴とする、取付けモジュール。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれか1項記載の構成部材支持体(200)を有する固定装置(200)であって、構成部材支持体(200)が、保持装置(101)により取付け壁(300)に前位置決めされていることを特徴とする、固定装置。
【請求項12】
構成部材支持体(200)を、当該構成部材支持体(200)の自重に基づいて、設定された組付け位置に保持する保持装置(110)が形成されている、請求項11記載の固定装置。
【請求項13】
設定された組付け位置が、貫通開口(310)内での保持装置(101)の回転運動により実現される、請求項12記載の固定装置。
【請求項1】
貫通開口(310)を有する取付け壁(300)に構成部材(211)を固定するための構成部材支持体(100)であって、
構成部材(211)のための収容装置(103)と、
取付け壁(300)における構成部材支持体(100)の固定部を形成するための組付け装置(102)と、
構成部材支持体(100)を貫通開口(310)内に前位置決めするための保持装置(101)とが設けられている、構成部材支持体(100)において、
保持装置(101)が、ピン構造体(110)と、該ピン構造体(110)に沿って延びるリブ構造体(120)とを有しており、
ピン構造体(110)と、リブ構造体(120)とが、位置決め領域(140)を形成し、該位置決め領域(140)で、保持装置(101)が貫通開口(310)内に位置決め可能であり、
さらに、保持装置(101)が、ピン構造体(110)の自由端に、リブ構造体(120)とは反対の側に配置された、貫通開口(310)からの保持エレメント(101)の脱落を防ぐロック構造体(130)を有していることを特徴とする、貫通開口(310)を有する取付け壁(300)に構成部材(211)を固定するための構成部材支持体。
【請求項2】
保持装置(101)が、構成部材支持体(100)の重心(105)のほぼ上側に配置されている、請求項1記載の構成部材支持体。
【請求項3】
ピン構造体(110)と、リブ構造体(120)とが、位置決め領域(140)を形成しており、該位置決め領域(140)で、保持装置(101)が、貫通開口(310)内に位置決め可能であり、保持装置(101)が貫通開口(310)内で嵌め合いによって位置決め可能であるように、位置決め領域(140)においてピン構造体(110)とリブ構造体(120)とによって設定される直径が選択されている、請求項1または2記載の構成部材支持体。
【請求項4】
ロックエレメント(130)が、挿入方向(400)に対してほぼ垂直に延びる突起として形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項5】
組付け装置(102)が、固定手段(321)を収容するための孔として形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項6】
リブ構造体(120)の自由端が、丸み付け部(121)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項7】
リブ構造体(120)が、スリット形の拡張部(312)を備えた貫通開口(310)における保持装置(101)の誤組付けを防止する安全手段として形成されており、
ピン構造体(110)の周面に沿ったリブ構造体(120)の配置が、貫通開口(310)の周面に沿ったスリット形の拡張部(312)の配置に対応して選択されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項8】
リブ構造体(120)が、ロック構造体(130)に対して、ピン構造体(110)に沿ってセットバックされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項9】
ピン構造体(110)のプロファイルが、位置決め領域(140)内で丸み付け部(111)を有していて、該丸み付け部(111)が、貫通開口(310)内に位置している保持装置(101)の、挿入方向(400)に方向付けされた軸線(420)を中心とした回転運動を可能にする、請求項1から6までのいずれか1項記載の構成部材支持体。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の構成部材支持体(100)と、該構成部材支持体(100)の収容装置(140)内に配置された構成部材(211)とを有する取付けモジュール(210)であって、構成部材(211)が、加速度センサとして形成されていることを特徴とする、取付けモジュール。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれか1項記載の構成部材支持体(200)を有する固定装置(200)であって、構成部材支持体(200)が、保持装置(101)により取付け壁(300)に前位置決めされていることを特徴とする、固定装置。
【請求項12】
構成部材支持体(200)を、当該構成部材支持体(200)の自重に基づいて、設定された組付け位置に保持する保持装置(110)が形成されている、請求項11記載の固定装置。
【請求項13】
設定された組付け位置が、貫通開口(310)内での保持装置(101)の回転運動により実現される、請求項12記載の固定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【公表番号】特表2013−507778(P2013−507778A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533558(P2012−533558)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064259
【国際公開番号】WO2011/045173
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064259
【国際公開番号】WO2011/045173
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]