説明

構造的な一体性を改良した靴を提供する方法及び装置

【課題】構造的な一体性を改良した靴を提供する。
【解決手段】本発明は、かかとと上面と底面とを有する1つの部品からなる表底と、上記かかとに配置され、上記かかとの形状と適合するために平らな側面と反対側の湾曲した側面とを有する固定機構であって、上記上面と上記底面との間に配置される少なくとも2つの留め具を受け入れるほどの大きさである固定機構と、甲革と、上記甲革に縫い付けられるタックと、を有し、上記タックは、上記甲革を上記表底に固定するために、少なくとも2つの留め具を、上記甲革から、上記甲革に取り付けられる上記タックを通じて、上記固定機構まで延在させることにより、上記甲革を上記表底に取り付けるための上記固定機構に固定される、靴を提供する方法及び装置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甲革(upper)が固定される構造を付与するために、表底(outsole)における改良された一体性を有する靴に関するものである。甲革と表底との間により良好な結合を付与することにより、靴の全体的な構造的な一体性もまた改良される。
【背景技術】
【0002】
靴は、当業者に知られた幾つかの異なる形式の構造のいずれか1つに基づいて構成される。
【0003】
構造の1つの形式は、オパンカ構造(Opanka construction)とよく呼ばれ、典型的には表底の外周全体に沿って、表底を靴の甲革に縫い付けることを包含する。表底は、一般的にゴム又は他の可撓性に富む材料で作られるので、表底は、通常、ある程度の快適さを提供し、甲革を表底に縫い付けるために突き錐が表底を貫くことを可能とする。
【0004】
もう1つの形式の構造は、通常、靴型に合わせられた甲革に表底を接着又は膠着することを必要とする。靴を組み立てるさらなる方法は、一般に裁縫と接着の組み合わせを包含し、甲革の前部は、典型的には表底の前部に縫い付けられ、典型的に靴型に合わせられた甲革の後側部分は、表底の後側部分に接着される。
【0005】
靴の構造のもう1つの形式は、正装用の靴のようにかかとを有する靴によく見られ、かかとを表底に留めるために、くぎ、リベット、又はねじのような留め具(fastener)を使用することを含むかもしれない。留め具は、通常、縫いひだ(タック:tuck)を通って下方へ、そしてかかとの中へ打ち込まれるとがった先端を有し、上記タックは、典型的には、甲革が靴型に合わせられた後には甲革と接触している。かかとを表底に固定するために留め具を使用することにより起こり得る不都合は、表底が典型的にはゴム又は他の可撓性材料で作られているので、表底が留め具をしっかり固定する十分な一体性を与えないことである。結果として、甲革が表底から分離する場合もある。
【0006】
セオ(Seo)に対し発行された米国特許第6360455号は、表底の上面の溝に置かれている控え板(アンカプレート:anchor plate)に関するものと思われ、留め具を受け入れるための多数の貫通孔を有する。留め具は、表底を通過し、明らかに表底の下側に配置されているように見えるトラクション・デバイス(traction device)に付随する(図5参照)。
【0007】
ジョンソン(Johnson)に対し発行された米国特許第6145220号は、くぎをしっかり固定するためのタックを開示していると思われ、上記くぎは、中底(insole)、表底、及び甲革をタックに固定する。該タックは、剛性材料で作られているようであり、内側の中底の上ではあるが、靴の発泡体ライニング(lining)の下に配置されても良い。
【0008】
モリス(Morris)に対し発行された米国特許第6115946号は、留め具を受け入れるためにねじ穴を有する控え板を開示していると思われ、上記留め具は、表底の下に配置される滑り板を控え板に固定する(図3及び図6参照)。控え板は、中物(midsole)の上にあるように思われる。
【特許文献1】米国特許第6360455号明細書
【特許文献2】米国特許第6145220号明細書
【特許文献3】米国特許第6115946号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、構造的な一体性を改良した靴が求められている。また、甲革が表底に十分に固定されるように、表底に改良された一体性をもたらす靴構造が求められている。さらなる要求は、甲革を表底に固定する留め具を受け合い、しっかりと固定するために十分な一体性をもたらす表底である。
【0010】
従って、構造的な一体性を改良した靴を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、甲革が表底にしっかりと結合されるように一体性を強化した表底を有する靴である。
【0012】
本発明のさらなる要求は、甲革を表底に固定する留め具を受け合い、しっかり固定することができる表底を有する靴である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらと本発明の他の目的は、かかとと上面と底面とを有する1つの部品からなる表底と、上記かかとに配置され、上記かかとの形状と適合するために平らな側面と反対側の湾曲した側面とを有する固定機構であって、上記上面と上記底面との間に配置される少なくとも2つの留め具を受け入れるほどの大きさである固定機構(anchoring mechanism)と、甲革と、上記甲革に縫い付けられるタックと、を有し、上記タックは、上記甲革を上記表底に固定するために、少なくとも2つの留め具を、上記甲革から、上記甲革に取り付けられる上記タックを通じて、上記固定機構まで延在させることにより、上記甲革を上記表底に取り付けるための上記固定機構に固定される、靴を提供することにより実現される。
【0014】
表底はまた、表底に対して甲革の位置を保持するために、表底の上面から上方へ突き出し、上面の周縁部の少なくとも1つの局部的な領域の周りに延在するへりを有しても良い。局部的な領域は、上面の前側部分、後側部分、又は周縁部全体であっても良い。
【0015】
好ましい実施形態では、表底が、固定機構を完全に覆う囲いを形成する。他の実施形態においては、表底が固定機構を部分的にのみ覆い、さらなる実施形態では、固定機構は全く覆われない。
【0016】
状況に応じて、表底に対する甲革の位置を保持する表底の凹所を規定するために、表底の上面が曲がった形状であっても良い。
【0017】
本発明のもう1つの側面においては、靴を提供するための方法が、かかとと上面と底面とを有する1つの部品からなる表底を供給するステップと、上記上面と上記底面との間において上記かかとに固定機構を配置するステップと、上記かかとの形状に適合するために、上記固定機構の1つの側面を平らにし、上記固定機構の反対側の側面を湾曲させるステップと、上記固定機構を少なくとも2つの留め具を受け入れるほどの大きさにするステップと、甲革をタックに縫い付けるステップと、上記甲革を上記表底に結合するために、少なくとも2つの留め具を上記甲革から上記タックを通じて上記固定機構まで延在させることによって、上記タックを上記固定機構に取り付けることにより、上記甲革を上記表底に固定するステップと、を有する。
【0018】
上記方法はまた、固定機構のまわりを表底で囲むステップを有しても良い。
【0019】
さらなる実施形態においては、上記方法はまた、表底に対して甲革の位置を保持するために、上面からへりを上方へ突き出し、上面の周縁部の少なくとも1つの局部的な領域の周りにへりを延在させるステップを有しても良い。同様に、上記へりを設けることに加えて、又は上記へりを設ける代わりに、上記方法は、表底に対する甲革の位置を保持する表底の凹所を規定するために、上面を弓形に曲げるステップを有しても良い。
【0020】
本発明及びその特別な特徴と利点は、添付図面に関して熟考された以下の詳細な記述からより明らかとなる。
【0021】
図1は、本発明に係る靴10を表わしている。靴10は、表底20と、甲革16と、固定機構22と、甲革16を固定機構22に固定するための留め具24と、を有している。
【0022】
図2は、表底20をより詳しく表し、さらに表底は、かかと、つまり表底20の後部に固定機構22を有している。表底20はまた、凹所30とへり28とを有している。
【0023】
図3は、表底20の長手方向に沿った断面図を表し、甲革16を固定機構22に固定するために固定機構22が表底20の内部に完全に配置されることを示している。図1と図3の両方を参照すれば、留め具24は、通常は、ねじ又はくぎのように固定機構22の中に突き通すことにより甲革16を固定機構22に固定する。
【0024】
幾つかの実施形態においては、甲革16は、使用者の足の下に広がり、甲革16の左側12を甲革16の右側14に結合するタック18を有している(図1と図2の両方を参照)。タック18は、靴型に合わせられている甲革16上に一般的に見られる。これらの実施形態においては、留め具24は、タック18を貫通して、タック18を固定機構22に留める。鹿革靴(モカシン:moccasin)のように甲革16がタック18を有していない他の実施形態においては、留め具24は、甲革16を通り、甲革16を固定機構22に留める。
【0025】
簡単にするために、甲革16を固定機構22に固定するものとして記載されている留め具24は、甲革16と接触しているタック18が固定機構22に固定されるところの靴型に合わせられた甲革の実施形態もまた含むものであることが理解される。
【0026】
留め具24は、甲革16を十分に固定するために固定機構22の中に必ずしも貫入する必要はない。留め具24は、固定機構22の表面に接着されるか又は固定されるように甲革16を固定機構22に単に結合させる必要があるだけである。これらの実施形態においては、留め具24を固定機構22の表面に接着することにより、固定機構22の中に貫入することなく、靴10の構造的な一体性を改良する目的を実現する。それ故に、創意に富んだ特徴は、留め具24が甲革16を固定機構22にどのように固定するのかにかかわらず、甲革16が固定される構造を提供するために、表底20の中に配置された固定機構22にある。留め具24は、甲革16を固定機構22に固定するものであれば如何なる機構でも良く、ねじ、ボルト、釘、リベット、錨、糸、接着剤などであっても良い。
【0027】
図1及び図2に示されるように、固定機構22は、表底20の内部に完全に覆われている。しかし、このことは、靴10が適正に機能するために必要なことではない。必要なことは、固定機構22が、甲革16と表底20との結合の強さ以上に甲革16と固定機構22との結合の強さを改良する十分な一体性を有することだけである。構造的な一体性は、この場合の靴10においては、その形状を保持する構造の能力の計測できる程度であると規定される。
【0028】
他の実施形態においては、固定機構22は、表底20の内部に部分的に覆われても良い。さらなる実施形態においては、固定機構22は、表底20に全く覆われなくて、表底20の下方に又は上方にあっても良い。
【0029】
図に示されたように、固定機構22はプラスチック(plastic)であるが、他の実施形態においては、固定機構22は、木材、金属、或いは甲革16を表底20に十分に固定するために十分な一体性を備えたあらゆる他の物質又は物質の組み合わせで作られても良い。一般的に、固定機構22は表底20よりも構造的な一体性を有する。
【0030】
さらに、固定機構22は、固定機構22が貫かれてもよく、留め具24がねじであるときは、留め具24と甲革16とが適所に保たれるような記憶を保持する材料(memory retaining material)でできている。
【0031】
図2及び図4は、上面26が上面26の周縁部の周りに一段高いへり28を有する表底20の上面26を表している。上面26はまた、図4の断面図により詳しく示される凹所30の輪郭を定める弓形に曲がった形状である。一段高いへり28と凹所30とは共に、表底20に対して甲革16及び/又は中底の位置を保持する助けとなる。
【0032】
図5は、甲革112、フットベッド(footbed)114、タックボード(tuckboard)116、及び表底ユニット118を備えた4分の3オパンカ構造を有する靴110を示している。
【0033】
甲革112は、好ましくは革で作られ、表底ユニット118と協働して靴110の内容積部を形成する。甲革112は、甲革112の内面に縫い付けられる内側の裏地(不図示)を有している。内側の裏地は、好ましくは、着用者に快適さを提供するためにしなやかな革で作られる。甲革112はまた、甲革の先端領域120の内部に合わされ縫い付けられた熱により活性化される先芯を有している。甲革112は、前側部分122と後側部分124に分割される。前側部分122は、先端領域120を含み、甲革の約半分の長さであって、ほぼ着用者の足の弓形部分が位置させられる部分まで後方に広がる。後側部分124は、甲革112の他方の半分であり、後側部分を形作るために靴型(不図示)に合わせられたラスティング(lasting)縁部126を有している。
【0034】
表底ユニット118は、前部132と後部136に分けられ好ましくは成形されたポリ塩化ビニルで作られる表底128と、表底の前部132の中に装着される前部充填材130とを有している。かかと134は、表底128と一緒に成形される。タックボード116とフットベッド114とは、表底ユニット118の上に配置される。かかと134はまた、図1〜図4に基づいて前述したように、固定機構22と、甲革112を留め具24によりかかと134に固定する方法とを有しても良い。
【0035】
図6を参照すれば、表底128は、前部132の周縁部に立ち上りへり部(standing lip)138を有している。立ち上りへり部138は、垂直方向の溝を有し、隣接した未加工のベース(base)140から約7mm立ち上がっており、立ち上りへり部は、甲革112が表底ユニット118に縫い付けられるときに、垂直方向に溝の付いたへりのベースに対する密着性を促進する。縫い付け工程は、後ほどより詳細に記載される。立ち上りへり部138及びベース140は、前部充填材130が装着されるべき空洞を規定する。
【0036】
図7Aを参照すれば、甲革112は、縫い付け操作を案内するために先端領域120にセンタ・マーク(center mark)142と前側部分122の側面に2つのサイド・マーク(side mark)144とを有することが示されている。図7Bを参照すれば、甲革112の前側部分122は、甲革112と表底128とが裏返しに一緒に縫い付けられ、次いでそれらが一緒に縫い付けられた後ひっくり返せることができるように、約7mmの所定の許容差123を有している。後側部分124もまた、ラスティング縁部126が靴型に合わせられるように、約15mmの所定の許容差125を有している。
【0037】
靴110の組立方法は、図に関連して記載される。
【0038】
図8を参照すれば、甲革112は裏返しにされ、甲革に面するかかと側部を有する表底128に取り付けられている。甲革の前側部分122の周縁部は、表底の立ち上りへり部138に縫い付けられる。1列の縫い付け146が、表底128の前部132の周縁部の周りを進み、1つのサイド・マーカ144からもう1つのサイド・マーカ144まで行われる。補助的な列の縫い付け148が、1つのへり端部からもう1つのへり端部まで行われる。縫い付けられたへり138は、それからベース140にくっ付けられる。
【0039】
甲革112が、表底128に縫い付けられた後、裏返し形状は、図9に示すようにひっくり返された甲革形状150を得るために内側にひっくり返される。次に前部充填材130は、ひっくり返された甲革形状150の内部に差し込まれ、前部132の空洞部に配置される。前部充填材130は、好ましくは、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)にあるデュポン社(E.l. duPont de Nemours)により“エルバックス(Elvax)”の登録商標のもとで売られているコルクとエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA copolymer)とから成る“dry2”の層で作られる。
【0040】
図示されていないけれども、ひっくり返された甲革形状150のかかと部に構造上の支持を付与するために、月型芯(counter stiffener)が甲革112の中に差し込まれ得る。月型芯は、一般的に、月型芯を形成する機械で、加熱及び冷却法を使用して、熱可塑性材料から作られる。
【0041】
図10を参照すれば、図5に示されるようなタックボード116は、靴型152の下側にステープル(staple)で留められ、次に、靴型の輪郭上に甲革112をぴったりと形を合わせるために、ひっくり返された甲革形状150の中に差し込まれる。普通は1片の木材或いは合成物質で作られる靴型152は、おおよそ足の形状に従う。
【0042】
表底ユニット118の後部136は、前部132に接するように曲げられ、弾力性のある保持用バンド154により、この姿勢で保持される。この位置で、甲革112の後側部分124は、人手又は機械により靴型に合わせられ、タックボード116のステープルは取り除かれる。靴型152に対して甲革を熱収縮させるために、甲革112は熱処理機(heat setting machine)を通される。表底128との良好な結合を促進するために、靴型に合わせられた甲革の後側部分124は、適切に表面を粗くされる。
【0043】
図11を参照すれば、弾性力のある保持用バンド154が取り除かれ、表底ユニット118は、靴型に合わせられた後側部分124に接着される。最後に、靴型152は靴110から取り除かれ、フットベッド114が靴の内容積部の中へ差し込まれる。
【0044】
上記の実施形態では、表底ユニット118は、一体的に形成されている。本発明のもう1つの実施形態においては、表底ユニット118は、2つの分離した部品、つまり、ユニット前部156とユニット後部158で形成され得る。図12を参照すれば、ユニット前部156は、底面162を有し、該底面は、底面の周縁部の周りに“U”字形状に配置される立ち上りへり部164と、立ち上りへり部に沿ってその内側を走る一段高いベース170とを有している。底面162は、“U”字の先端を越えて広がる突出部168を有している。
【0045】
ユニット後部158の端部の歯止め(brake)172は、一段高いベース170の端部の控え壁(buttress)174に当接するように作られる。歯止めと控え壁174が接触するとき、ユニット前部156の突出部168は、ユニット後部158に形成され突出部を合わせるために形作られる凹所である溝176に嵌合する。ユニット後部158は、ポリ塩化ビニル又はユニット前部156より硬い他の物質で作られる。ユニット後部158は、かかと160(図11)と一体的に又は別々に形成され、木材、又はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(acrylonitrile butadiene styrene resin)のような他の物質で作られ得る。
【0046】
ユニット前部156とユニット後部158とを有する靴110の組立は、以下に記載される。
【0047】
図13を参照すれば、甲革112は、裏返し形状で立ち上りへり部164に縫い付けられる。1列の縫い付け178が、ユニット前部156の周縁部の周りを進み、1つのサイド・マーカ144からもう1つのサイド・マーカ144まで行われる。補助的な列の縫い付け180が、1つのへり端部からもう1つのへり端部まで行われる。縫い付けられたへり164は、それから折りたたまれ一段高いベース170に接着される。前部156は、次に内側に曲げられた形状182を形作るために加圧される。
【0048】
図14を参照すれば、内側に曲げられた形状182は、次にひっくり返された形状の甲革184を形成するためにひっくり返され、前部充填材130は、ユニット前部156と甲革112との間の容積部の中へ差し込まれる。月型芯(不図示)とタックボード(図5)は、次にひっくり返された形状の甲革184の中へ差し込まれる。靴型152が、次に甲革112とユニット前部156との間の容積部の中に装着される。甲革112の後側部分124は、靴型152を覆うように引っ張られる。
【0049】
図15を参照すれば、後側部分124は、靴型152の形状に適合するように靴型に合わされ表面が粗くされる。ユニットの後部158の歯止め174は、次にユニット前部156の控え壁172と当接し、ユニット後部158は、甲革112に接着される。突出部168は、次にユニット後部158の溝176に取り付けられる。かかと160が、ユニット後部158の底面に取り付けられる。最後に、靴型152が取り除かれ、フットベット114(図5)が靴110の容積部の中に差し込まれる。
【0050】
本発明は、特定の部品配置、特徴などに関して記載されているけれども、これらは、すべての可能な配置或いは特徴を余すことなく述べるものでなく、実際に他の多くの変形や変更が当業者にとって確認可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る靴を表す説明図である。
【図2】図1に示した靴の表底を表す説明図である。
【図3】図2に示した表底の断面図である。
【図4】図2に示した表底のもう1つの断面図である。
【図5】4分の3オパンカ構造で組み立てられる靴の構成部分の分解側面図である。
【図6】図5の靴の表底ユニットを示す説明図である。
【図7A】図5の靴の甲革を示す説明図である。
【図7B】図5の靴の甲革を示す説明図である。
【図8】裏返しに取り付けられた甲革と表底ユニットを示す説明図である。
【図9】内側にひっくり返された図8の甲革と表底ユニットを示す説明図である。
【図10】図9の表底ユニットの前部が、曲げられ弾力性のある保持用バンドにより同じ場所に保たれることを示す説明図である。
【図11】靴型に合わせられた靴の後側部分が、図10の表底ユニットの後部に取り付けられることを示す説明図である。
【図12】本発明のもう1つの実施形態に基づく分離した前部と後部から成る表底を示す説明図である。
【図13】図12の前部が裏返しに甲革に取り付けられることを示す説明図である。
【図14】内側にひっくり返された図13の甲革と前部を示す説明図である。
【図15】後部が甲革に取り付けられ、かかとが後部に取り付けられることを示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
10 靴
12 甲革の左側
14 甲革の右側
16 甲革
18 タック
20 表底
22 固定機構
24 留め具
26 表底の上面
28 へり
30 凹所
110 靴
112 甲革
114 フットベッド
116 タックボード
118 表底ユニット
120 甲革の先端領域
122 甲革の前側部分
123 許容差
124 甲革の後側部分
125 許容差
126 ラスティング縁部
128 表底
130 充填材
132 前部
134 かかと
136 後部
138 へり
140 ベース
142 センタ・マーク
144 サイド・マーク
146 1列の縫い付け
148 補助的な列の縫い付け
150 ひっくり返された甲革形状
152 靴型
154 保持用バンド
156 ユニット前部
158 ユニット後部
160 かかと
162 底面
164 へり
168 突出部
170 一段高いベース
172 歯止め
174 控え壁
176 溝
178 1列の縫い付け
180 補助的な列の縫い付け
182 内側に曲げられた形状
184 ひっくり返された形状の甲革

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かかとと上面と底面とを有する1つの部品からなる表底と、
上記かかとに配置され、上記かかとの形状と適合するために平らな側面と反対側の湾曲した側面とを有する固定機構であって、上記上面と上記底面との間に配置される少なくとも2つの留め具を受け入れるほどの大きさである固定機構と、
甲革と、
上記甲革に縫い付けられるタックと、
を有し、
上記タックは、上記甲革を上記表底に固定するために、少なくとも2つの留め具を、上記甲革から、上記甲革に取り付けられる上記タックを通じて、上記固定機構まで延在させることにより、上記甲革を上記表底に取り付けるための上記固定機構に固定される、ことを特徴とする靴。
【請求項2】
上記表底に対して上記甲革の位置を保持するために、上記上面から上方へ突き出し、上記上面の周縁部の少なくとも1つの局部的な領域の周りに延在するへりをさらに有することを特徴とする請求項1記載の靴。
【請求項3】
上記少なくとも1つの局部的な領域が上記上面の前側部分であることを特徴とする請求項2記載の靴。
【請求項4】
上記少なくとも1つの局部的な領域が上記上面の後側部分であることを特徴とする請求項2記載の靴。
【請求項5】
上記少なくとも1つの局部的な領域が上記上面の周縁部全体であることを特徴とする請求項2記載の靴。
【請求項6】
上記表底が上記固定機構のまわりに囲いを形成することを特徴とする請求項1記載の靴。
【請求項7】
上記表底に対する上記甲革の位置を保持する上記表底の凹所を規定するために、上記上面が曲がった形状であることを特徴とする請求項1記載の靴。
【請求項8】
上記甲革がさらにタックを有し、上記留め具が上記甲革を上記表底に固定するために上記タックを通って上記固定機構まで延在することを特徴とする請求項1記載の靴。
【請求項9】
上記靴は、ただ1つの固定機構と少なくとも2つの留め具とを備えていることを特徴とする請求項1記載の靴。
【請求項10】
上記甲革を上記へりに固定するための縫い付けを更に備え、上記固定機構は、上記表底の内部に組み込まれた一塊の材料であり、上記固定機構の全ての表面が、上記表底のかかとの内側の輪郭に従う、ことを特徴とする請求項2記載の靴。
【請求項11】
かかとと上面と底面とを有する1つの部品からなる表底と、
上記かかとに配置され、上記かかとの形状と適合するために平らな側面と反対側の湾曲した側面とを有する固定機構であって、上記上面と上記底面との間に配置される少なくとも2つの留め具を受け入れるほどの大きさである固定機構と、
甲革と、
上記甲革に縫い付けられるタックであって、上記上面の一部の上に延在する上記タックと、
上記表底に対して上記甲革の位置を保持するために、上記上面から上方へ突き出し、上記上面の周縁部の少なくとも1つの局部的な領域の周りに延在するへりと、
を有し、
上記タックは、上記甲革を上記表底に固定するために、少なくとも2つの留め具を、上記甲革から上記タックを通じて上記固定機構まで延在させることにより、上記甲革を上記表底に取り付けるための上記固定機構に固定され、
上記少なくとも2つの留め具が上記タックと上記表底の一部とを通り、上記固定機構に貫入する、ことを特徴とする靴。
【請求項12】
上記表底に対する上記甲革の位置を保持する上記表底の凹所を規定するために、上記上面が曲がった形状であることを特徴とする請求項11記載の靴。
【請求項13】
かかとと上面と底面とを有する1つの部品からなる表底を供給するステップと、
上記上面と上記底面との間において上記かかとに固定機構を配置するステップと、
上記かかとの形状に適合するために、上記固定機構の1つの側面を平らにし、上記固定機構の反対側の側面を湾曲させるステップと、
上記固定機構を少なくとも2つの留め具を受け入れるほどの大きさにするステップと、
甲革をタックに縫い付けるステップと、
上記甲革を上記表底に結合するために、少なくとも2つの留め具を上記甲革から上記タックを通じて上記固定機構まで延在させることによって、上記タックを上記固定機構に取り付けることにより、上記甲革を上記表底に固定するステップと、
を有する、ことを特徴とする靴を提供する方法。
【請求項14】
上記固定機構のまわりを表底で囲むステップをさらに有することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
上記表底に対して甲革の位置を保持するために、上面からへりを上方へ突き出し、上面の周縁部の少なくとも1つの局部的な領域の周りにへりを延在させるステップをさらに有することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
上記表底に対する甲革の位置を保持する表底の凹所を規定するために、上面を弓形に曲げるステップをさらに有することを特徴とする請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−86820(P2008−86820A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334537(P2007−334537)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【分割の表示】特願2003−382868(P2003−382868)の分割
【原出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【出願人】(301041243)エイチ・エイチ・ブラウン シュー カンパニー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】