説明

標識ヨウ化トロパン処方物

生成の少なくとも約51時間後に、少なくとも1.6mCi/mLの放射能濃度を有するトロパンを含む、診断用処方物が提供される。この診断用処方物は、必要に応じて、パーキンソン病(PD)の診断に有用な放射性同位元素標識ドパミン輸送体(DAT)リガンドを含む。放射性同位元素標識ドパミン輸送体(DAT)リガンドの一例は、[123−ヨウ素]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2007年10月31日に出願された米国仮特許出願第60/984,163号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の教示は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医学の分野に属し、そして特に、神経障害の診断に属する。本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル(flurophenyl))−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパン(nortropane)を含む水溶液を含む処方物を含み、この溶液は、少なくとも約18mCi/mLの放射能濃度を有し、そして特に約20mCi/mLまたはそれ以上の放射能濃度を含む。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
パーキンソン病(PD)は、神経変性の運動障害である。いかなる特定の学説にも縛られることなく、PDは、脳内のドパミン産生ニューロンの喪失によって特徴づけられると考えられている。ドパミン産生ニューロンの喪失は、この疾患の症状が実際に存在するようになるよりもはるか前に始まると考えられている。PDの症状は、しばしば他の多くの運動障害に類似している。その結果、誤診率が高く、いくつかの報告では、初期段階での誤診は50%になるといわれている。パーキンソン病を、特に初期の症状の場合、明確に特定できる利用可能な試験は、現在のところない。初期段階のPDのための診断法が、長い間求められてきた。
【0004】
いかなる特定の学説にも縛られることなく、ドパミン輸送体(DAT)は、脳内の生理学的プロセス、薬理学的プロセスおよび病理学的プロセスにおいて、重要な役割を果たすと考えられている。この輸送系は、シナプスドパミンの作用を終了させるための主要機序であり、それによって、ドパミン系におけるホメオスタシスの維持に寄与している。それは、また、脳内コカインの主要標的であるとも報告されている(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7)。
【0005】
尾状核および被殻によって構成される脳分類は、線条体と呼ばれる。それは、大脳基底核の皮質求心神経のための主要な標的を構成している。報告によれば、線条体は、脳内で最も高いレベルのドパミン末端を有するといわれている。高密度のDATが、線条体内のドパミンニューロンに局在しており、そして多数の生理学的状態および病理学的状態のマーカとなっているようである。例えば、パーキンソン病ではドパミンが著しく減少し、そして線条体内のDATの減少がパーキンソン病のインジケータとなっている。(非特許文献8;非特許文献9)。その結果、パーキンソン病の初期または前駆症状の診断が、線条体内のDATの減少を定量的に測定することで達成され得る。(非特許文献9)。DATをモニターする単純かつ非侵襲性の方法が、極めて重要である。減少は、シンチレーションカメラシステムおよび適切な画像化剤を使用した脳撮像などの非侵襲性の手段によって測定され得る。(非特許文献10;非特許文献11)。可能ならば、ドパミン輸送体を撮像すれば、この疾患の進行や、ドパミンニューロンの移植またはこの疾患の進行を遅らせる諸薬剤からなる療法などによるこの疾患の逆転を、モニターすることもできるであろう。我々は、DATに結合する放射性薬品が、これらの様々な疾患状態の診断および処置の一助となる重要な臨床情報を提供し得ると考える。
【0006】
上述した障害に対して有効な画像化剤は、標的とされている輸送体に対し、特異的な結合親和性および選択性を示すであろう。加えて、放射性放出物に基づく画像化剤については、高レベルの放射能もまた付随する。この点に関しては、ヨウ素同位体が、これらが、有用な期間の間、適切なレベルで依然として放出し続けるように十分に高い濃度で生成され得るならば、有用であり得る。生成後1日もしくは2日またはそれ以上の検出可能な放出の期間があることが、注目される。
【0007】
天然に存在するヨウ素は、大部分は、安定した127Iの形態をとっている。ヨウ素(I)の、不安定な同位体が、36種確認されている。特に、123Iは注目される。ヨウ素−123は、しばしば、全身核スキャンにおける放射性物質として使用される。それは、ガンマ線を放出し、かつ13.2時間の半減期を有する。124I、125I、131Iは、さらに注目される。123Iの半減期が13.2時間であるため、1つの挑戦は、生成後1日より長い十分な活性を維持する放射性医薬品を製造することである。
【0008】
この化合物に伴う[123I]の崩壊の結果、159KeVのエネルギーを有する光子が放出される。この光子は、容易に(かつ比較的安全に)ヒトの組織や骨を通過し、またしばしば単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)カメラ内の放射線検出器配列を使用して検出され得る。適切なソフトウエアを用いれば、放射が出現している箇所の画像が構成され得る。この画像は、パーキンソン病の徴候のない被検者から得られた画像と比較され得る。放出の減少は、ドパミン輸送体ニューロンの喪失の推定的証拠となり、そして、パーキンソン病の診断となる可能性を秘めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kennedy and Hanbauer,J.Neurochem.1983,41,172 178
【非特許文献2】Shoemaker et al.,Naunyn−Schmeideberg’s Arch.Pharmacol.1985,329,227 235
【非特許文献3】Reith et al.,Biochem Pharmacol.1986,35,1123 1129
【非特許文献4】Ritz et al.,Science 1987,237,1219 1223
【非特許文献5】Madras et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.1989a,251,131 141
【非特許文献6】Bergman et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.1989,251,150 155
【非特許文献7】Madras and Kaufman,Synapse 1994,18,261 275
【非特許文献8】Schoemaker et al.,Naunyn−Schmeideberg’s Arch.Pharmacol.1985,329,227−235
【非特許文献9】Kaufman and Madras,Synapse 1991,9,43−49
【非特許文献10】Frost et al.,Ann.Neurology 1993,34,423 431
【非特許文献11】Hantraye et al.,Neuroreport 1992,3,265−268
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
一局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを含む水溶液を含む診断用処方物を特徴とする。
【0011】
一実施形態において、この処方物は、少なくとも約18〜20mCi/mLの放射能濃度を含む。別の実施形態において、この処方物は、生成の少なくとも約51時間後に、少なくとも約1.6mCi/mLの放射能濃度を示す。さらに別の実施形態において、この処方物は、約7未満のpHを含む。別の実施形態において、この処方物は、少なくとも約95%の放射化学的純度を含む。別の実施形態において、この処方物は、約10%未満のパーセンテージのエタノールの濃度を含む。別の実施形態において、この処方物は、実質的に担体を含まない。別の実施形態において、この処方物は、実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0012】
別の局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを調製する方法であって、この方法は、a)2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、エタノール、過酸化水素およびリン酸緩衝液を含む、前駆体溶液を調製する工程、b)[123I]ヨウ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸を含み、約2未満のpHを有する[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製する工程、およびc)前駆体溶液および[123I]ヨウ化ナトリウム溶液の混合物を約80°Cの温度で約15分間加熱する工程、を含む、方法を特徴とする。
【0013】
別の局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの水溶液を調製する方法であって、この方法は、上記[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、この溶離剤は約15%(v/v)エタノールを含む工程、および生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、を含み、結果として生じる溶液の放射能濃度は、少なくとも約23mCi/mLである、方法を特徴とする。
【0014】
別の局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを生成するためのプロセスによって生成される生成物を特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本明細書中で言及されるすべての文献、特許出願、特許および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。加えて、材料、方法および例は、単なる例示にすぎず、かつ限定を意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学用語は、本発明の属する技術の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と同様または同等のものが、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料が以下に説明される。
【0016】
商業生産では、最終生成物への放射性同位元素標識(例えば、123I)の取込み量を最大にすること、ならびにその反応時間を最小に抑えることが重要である。また、使用上の安全性のために、この最終生成物が、国の規制機関に受け入れられる放射化学的および化学的純度を有することも、要求される。さらに、初期反応物のどちらも低pHにおいて安定ではないが、ヨウ素化反応は低pHにおいて最適であるため、それによって酸性条件下での反応期間が最小限に抑えられるプロセスを採用するよう、注意が必要である。
【0017】
この生成物の商業化の成功は、その貯蔵寿命/安定性を長くすることができれば、さらに高められる。これが達成され得る1つの方法は、最終生成物の放射能濃度を増大させることによる。123Iのような放射性同位元素標識は、半減期がわずか13.2時間であるので、貯蔵寿命をさらに1日延長させることは、最初の放射能レベルが約4倍増大されることを示唆する。増大された放射能濃度は、当該生成物の安定性を潜在的に低下させる。これは、この化合物に対する放射線の直接的な影響により、また、反応性の高い化合物を含む、水由来の反応性の高い化合物を生成することによって生じる間接的な影響により、もたらされる。より有用な化合物は、使用期間の間、十分な安定性を維持する、最高濃度の放射性化合物(複数可)を有するものである。
【0018】
(定義)
便宜上、明細書、実施例および添付の特許請求の範囲に採用された特定の用語が、ここに集められる。別段の定義がない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学用語は、本発明の属する技術の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中の群(group)または用語のために規定された最初の定義が、別段の指示がない限り、本明細書を通じて個別にまたは別の群の一部として、当該群または用語に適用される。
【0019】
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書では、その冠詞の文法上の目的語の1つまたは1より多いもの(すなわち、少なくとも1つ)を指すように使用される。例えば、「an element」は、1つの要素(element)または1より多い要素(element)を意味する。
【0020】
用語「または」は、本明細書では、文脈が明らかに他のことを示していない限り、用語「および/または」を意味するように使用され、かつ用語「および/または」と互換的に使用される。
【0021】
用語「担体」は、本明細書では、非放射性の型の化合物を意味するように使用される。
【0022】
用語「放射線化学収量」は、最終生成物に取込まれた放射性化合物のパーセンテージである。
【0023】
トロパンは、アトロピン、コカインおよび関連するアルカロイドの小さな有機分子の、親化合物である、二環式第三級アミン化合物C15Nである。これらアトロピン、コカインおよび関連するアルカロイドの小さな有機分子のうちのいくつかは、ドパミン輸送体(DAT)に対して高い親和性および選択性を有し、そしてパーキンソン病(PD)の診断において有用である。
【0024】
一実施形態において、このトロパン化合物は、米国特許第5,493,026号に開示されているものである。一実施形態において、このトロパン化合物は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンである。静脈内に投与されると、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパン(ALTROPANE(登録商標)、Alseres Pharmaceuticals社、ホプキントン、マサチューセッツ州)は、脳に浸透しかつドパミン輸送受容体に結合することができると、考えられている。
【0025】
【化1】

123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパン。
【0026】
ドパミン輸送体を標的とする画像化剤の他の例としては、[l23I]N−ω−フルオロプロピル−2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)ノルトロパンまたはイオフルパン(123I)(DaTSCAN(商標)、Nycomed−Amersham社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、PE2I(11Cまたは11F)、(−)−2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−フルオロフェニル)トロパン(β−CFT、WIN35,428)、(99Tc)0−1505および(99Tc)−テクネピン(Technepine)が挙げられる。上記薬剤および有用なDATリガンドの他の例としては、以下に開示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない:Fischman et al.,1998,Synapse,29:125−41、Madras et al.,1996,Synapse 22:239−46;Meltzer et al.,1993,J.Med.Chem.36:855−62;およびMilius et al.,1990,J.Medicinal Chem.34:1728−31、米国特許第5,493,026号;同第5,506,359号;同第5,770,180号;同第5,853,696号;同第5,948,933号;同第6,171,576号;同第6,548,041号;同第7,081,238号;同第6,180,083号;同第5,310,912号;同第5,439,666号;同第5,698,179号;同第5,750,089号;同第6,447,747号;同第6,537,522号;同第5,980,860号;同第6241963号および同第6,180,083号。
【0027】
一局面において、本発明は、診断用処方物であって、この診断用処方物は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを含む水溶液を含み、必要に応じて、この水溶液は、実質的に担体を含まず、また実質的にアスコルビン酸を含まない、診断用処方物を特徴とする。
【0028】
別の実施形態において、この水溶液は、実質的に放射線防護剤を含まない。
【0029】
一実施形態において、この水溶液は、少なくとも約15mCi/mLの放射能濃度を有し、そして18mCi/mLの放射能濃度を有し、そして約20mCi/mLまたはそれ以上の放射能濃度を含む。別の実施形態において、この水溶液は、少なくとも約23mCi/mLの放射能濃度を含む。
【0030】
別の実施形態において、この水溶液は、生成後少なくとも約50時間後において、少なくとも約1.6mCi/mLの放射能濃度を含む。
【0031】
一実施形態において、この水溶液は、少なくとも約95%の放射化学的純度を有し、そして特に少なくとも約97%の放射化学的純度を含む。
【0032】
別の実施形態において、この水溶液は、約10%未満のパーセンテージのエタノールの濃度を有し、そして約5%未満のパーセンテージのエタノールの濃度を有し、そしてさらに約1%未満のパーセンテージのエタノールの濃度を含む。別の実施形態において、この水溶液は、実質的にエタノールを含まない。
【0033】
別の実施形態において、この水溶液は、約7未満のpHを含む。別の実施形態において、この水溶液は、約6未満のpHを含む。別の実施形態において、この水溶液は、約2.5から約4.5までの範囲のpHを含む。
【0034】
一実施形態において、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンは、少なくとも48時間の間、安定である。別の実施形態において、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンは、少なくとも約60時間の間、安定である。
【0035】
別の局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを生成するためのプロセスを特徴とする。一実施形態において、このプロセスは、2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパンと[123I]ヨウ化ナトリウムとの反応を含む。別の実施形態において、このプロセスは、約60分未満で[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを生成する。この[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンは、担体を添加せずに、95%より大きい放射化学的純度、少なくとも約20mCi/mLの濃度、少なくとも約45%(そして特に少なくとも約65%、そして少なくとも約75%)の放射線化学収量を有し、かつ約50時間超の間、十分な放射化学的および化学的安定性を有し、そして特に少なくとも約51時間の間、十分な放射化学的および化学的安定性を有する。
【0036】
別の局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの水溶液を生成するためのプロセスを特徴とする。一実施形態において、この溶液は、分離および濃縮を可能にする疎水性の媒体を使用する精製を含むプロセスを使用して生成される。別の実施形態において、分取HPLC精製。一実施形態において、この精製工程は、放射線分解抑制剤を実質的に含まない。別の実施形態において、この精製工程は、放射線分解抑制剤の添加を含む。別の実施形態において、目的の化合物のこの精製工程は、30分以内に行われる。
【0037】
任意の適切な分取HPLC系が使用され得るが、18炭素鎖(C18)を有する充填材料粒子を含むHPLCカラムが注目される。C18カラムの例としては、XTerra(登録商標)Cl8カラム(Waters社、ミルフォード、マサチューセッツ州、米国特許第6,686,035号を参照)およびμBondpakC18カラム(Waters社、ミルフォード、マサチューセッツ州)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
一実施形態において、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを生成するするためのプロセスは、以下の工程を含む:
a)[123I]ヨウ化ナトリウムの塩基性溶液(pHが少なくとも約11)を約70°C〜約150°Cの範囲に加熱する工程
b)エタノール中の大過剰モル量(約0.05〜約0.5mg)の2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、酸化剤(例えば、H)および約pH2.5〜3.0の緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)を、別途混合する工程
c)上記加熱された[123I]ヨウ化ナトリウムを、適切な緩衝液(例えば、トリフルオロ酢酸)を使用して約2未満のpHに酸性化し、そして工程(b)で定義された混合物を添加する工程
d)(c)から得られた混合物を約20分またはそれ以下の間、約70°Cから約150°Cまでの範囲の温度で加熱する工程
e) そのpHを(例えば、NaOH等の塩基や酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)を添加することにより)中和する工程
f)目的の化合物の分離および濃縮を可能にする疎水性の媒体(放射線分解抑制剤を含むまたは含まない)を使用して、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパン反応生成物を、約30分以内で精製する工程、および
g)等張食塩水内へ入れ、放射線分解抑制剤(例えば、アスコルビン酸)を含むまたは含まない酸性(約pH7未満)緩衝液(例えば、リン酸塩)で約23mCi/mLの濃度に希釈する工程
h)この処方物緩衝液が約pH6未満(必要に応じてpH約2.5〜約4.5)の場合に、加圧滅菌することにより無菌化する工程。必要に応じて、このpH約2.5〜約7.0の溶液は、ろ過により無菌化されてもよい。(注:有用なpHのいかなる下限値も、注入時の不都合の度合いに従って変動するものであるが、化学的不安定性によるものではない)。
【0039】
別の局面において、本発明は、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを生成するためのプロセスによって生成された生成物を特徴とする。一実施形態において、この生成物は、以下のプロセスによって生成される:2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、エタノール、過酸化水素およびリン酸緩衝液を含む、前駆体溶液を調製する工程、[123I]ヨウ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸を含み、約2未満のpHを有する[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製する工程、前駆体溶液および[123I]ヨウ化ナトリウム溶液の混合物を約80°Cの温度で約15分間加熱する工程、[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、この溶離剤は、約15%(v/v)エタノールを含む、工程、および生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程。
【実施例】
【0040】
(実施例1)
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの合成。
【0041】
0.1N、NaOH内の[123I]ヨウ化ナトリウム(4Ci)を10mLバイアルに分取し、そして約80°Cに加熱した。0.80mLのリン酸緩衝液(0.1M、pH2.5〜3.0)を、0.20mLの30%過酸化水素および0.50mLの1mg/mL(エタノール中)2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパンと混合して、前駆体含有混合物を生成した。上記[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を、トリフルオロ酢酸を添加することにより、酸性化した(最終pH<2)。上記前駆体含有混合物を、上記酸性化した[123I]ヨウ化ナトリウム溶液に添加した。この混合物を80°Cで15分間加熱した。
【0042】
15分後、2mLのメタ重亜硫酸ナトリウム溶液を添加して、反応を止めた(注射用滅菌水中100mg/mL)。1mLの100mg/mLアスコルビン酸溶液を放射線防護剤として上記反応混合物に添加した。この酸性の反応混合物を、必要に応じて500μLの5N水酸化ナトリウムで中和する。中和後、pHは>6である。後続のHPLC系が低pHおよび酸化剤によってそれほど急速に劣化しない場合には、中和は任意でよい。
【0043】
(実施例2)
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンのクロマトグラフィ。
【0044】
実施例1の反応混合物を、分取HPLC系(マサチューセッツ州ミルフォード、Waters社からのXTerra(登録商標)C18カラム、米国特許第6,686,035号を参照)に移した。
XTerra(登録商標)カラム
充填材料:C−18
粒子径:5μm
長さ:50mm
直径:10mm
カラム容量:4mL。
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、以下の溶離剤系を使用して溶離した:均一濃度溶離緩衝液、15%(v/v)エタノール、注射用滅菌水中85%10mM氷酢酸。生成物ピークを、pH2.5〜3.5の酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム注射液(USP)を含む容器内に回収した。そして、キャリーオーバーにより、最終溶液は、約1.8%エタノールを有する。結果として生じた[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの放射能濃度は、約23mCi/mLであった。
【0045】
(実施例3)
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンのクロマトグラフィ。
【0046】
実施例1の反応混合物を、分取HPLC系(マサチューセッツ州ミルフォード、Waters社からのμBondpak(登録商標)C18カラム)に移した。
μBondpakカラム
充填材料:C−18
粒子径:10μm
長さ:300mm
直径:19mm
カラム容量:85mL。
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、以下の溶離剤系を使用して溶離した:均一濃度溶離緩衝液、80%(v/v)エタノール、注射用滅菌水中20%アスコルビン酸20g/L。生成物ピークを、pH2.5〜3.5の酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム注射液(USP)を含む容器内に回収した。キャリーオーバーにより、最終溶液は、3.8〜6.3%エタノールおよび0.2〜0.4g/Lアスコルビン酸を有する。結果として生じた[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの放射能濃度は、溶液中約20mCi/mLであった。
【0047】
(実施例4)
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの希釈。
【0048】
実施例2のクロマトグラフィ後の混合物を、pH2.5〜4.5の酢酸緩衝液を用いて希釈することにより調整し、16mCi/mL(生成時)[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパン、4%エタノール、10μM氷酢酸、pH2.5〜3.5の水酸化ナトリウム緩衝液および0.9%塩化ナトリウムを含む水溶液を生成する。
【0049】
(実施例5)
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの希釈。
【0050】
実施例3のクロマトグラフィ後の混合物を、pH2.5〜4.5の酢酸緩衝液を用いて希釈することにより調整し、4mCi/mL(生成時)[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパン、4%エタノール、0.3mg/mLアスコルビン酸、10μM氷酢酸、pH2.5〜3.5の水酸化ナトリウム緩衝液および0.9%塩化ナトリウムを含む水溶液を生成する。
【0051】
(均等物)
本発明が、その詳細な記載と併せて説明されたが、上記の記載は、本発明の例示を意図するものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることが、理解されるべきである。他の局面、利点および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【0052】
(項目1) [123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを含む水溶液を含む処方物であって、該溶液は、少なくとも約18mCi/mLの放射能濃度を含む、処方物。
(項目2) 前記放射能濃度は、少なくとも約23mCi/mLである、項目1に記載の処方物。
(項目3) 前記処方物は、生成の少なくとも約51時間後に、少なくとも約1.6mCi/mLの放射能濃度を示す、項目1に記載の処方物。
(項目4) 前記水溶液は、約7未満のpHを含む、項目1に記載の処方物。
(項目5) 前記水溶液は、約6未満のpHを含む、項目1に記載の処方物。
(項目6) 前記水溶液は、約2.5から約4.5までの範囲のpHを含む、項目1に記載の処方物。
(項目7) 前記水溶液は、少なくとも約95%の放射化学的純度を含む、項目1に記載の処方物。
(項目8) 前記水溶液は、約10%未満のエタノールの濃度を含む、項目1に記載の処方物。
(項目9) 前記水溶液は、約5%未満のエタノールの濃度を含む、項目1に記載の処方物。
(項目10) 前記水溶液は、約1%未満のエタノールの濃度を含む、項目1に記載の処方物。
(項目11) 前記水溶液は、実質的にエタノールを含まない、項目1に記載の処方物。
(項目12) 前記水溶液は、実質的に担体を含まない、項目1に記載の処方物。
(項目13) 前記水溶液は、実質的にアスコルビン酸を含まない、項目1に記載の処方物。
(項目14) [123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを調製する方法であって、該方法は、
a.2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、エタノール、過酸化水素およびリン酸緩衝液を含む、前駆体溶液を調製する工程、
b.[123I]ヨウ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸を含み、約2未満のpHを有する[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製する工程、および
c.前駆体溶液および[123I]ヨウ化ナトリウム溶液の混合物を約80°Cの温度で約15分間加熱する工程、
を含む、方法。
(項目15) [123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの水溶液を調製する方法であって、該方法は、
a.該[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、該溶離剤は約15%(v/v)エタノールを含む工程、および
b.生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、
を含み、
結果として生じる溶液の放射能濃度は、少なくとも約23mCi/mLである、
方法。
(項目16) [123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの水溶液を調製する方法であって、該方法は、
a.[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの溶液を、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、該溶離剤は、約80%(v/v)エタノールおよび注射用滅菌水中約20%アスコルビン酸(20g/L)を含む工程、および
b.生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、
を含み、
生じた溶液の放射能濃度は、少なくとも約20mCi/mLである、
方法。
(項目17) 以下:
a.2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、エタノール、過酸化水素およびリン酸緩衝液を含む、前駆体溶液を調製する工程、
b.[123I]ヨウ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸を含み、約2未満のpHを有する[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製する工程、
c.前駆体溶液および[123I]ヨウ化ナトリウム溶液の混合物を約80°Cの温度で約15分間加熱する工程、
d.[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、該溶離剤は、約15%(v/v)エタノールを含む工程、および
e.生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、
を含む、プロセスの生成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを含む水溶液を含む処方物であって、該溶液は、少なくとも約18mCi/mLの放射能濃度を含む、処方物。
【請求項2】
前記放射能濃度は、少なくとも約23mCi/mLである、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを含む水溶液を含む処方物であって、該溶液は、約4mCi/mLの放射能濃度を含む、処方物。
【請求項4】
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを含む水溶液を含む処方物であって、、該溶液は、約16mCi/mLの放射能濃度を含む、処方物。
【請求項5】
前記処方物は、生成の少なくとも約51時間後に、少なくとも約1.6mCi/mLの放射能濃度を示す、請求項1に記載の処方物。
【請求項6】
前記水溶液は、約7未満のpHを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項7】
前記水溶液は、約6未満のpHを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項8】
前記水溶液は、約2.5から約4.5までの範囲のpHを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項9】
前記水溶液は、少なくとも約95%の放射化学的純度を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項10】
前記水溶液は、約10%未満のエタノールの濃度を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項11】
前記水溶液は、約5%未満のエタノールの濃度を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項12】
前記水溶液は、約1%未満のエタノールの濃度を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項13】
前記水溶液は、実質的にエタノールを含まない、請求項1に記載の処方物。
【請求項14】
前記水溶液は、実質的に担体を含まない、請求項1に記載の処方物。
【請求項15】
前記水溶液は、実質的にアスコルビン酸を含まない、請求項1に記載の処方物。
【請求項16】
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを調製する方法であって、該方法は、
a.2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、エタノール、過酸化水素およびリン酸緩衝液を含む、前駆体溶液を調製する工程、
b.[123I]ヨウ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸を含み、約2未満のpHを有する[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製する工程、および
c.前駆体溶液および[123I]ヨウ化ナトリウム溶液の混合物を約80°Cの温度で約15分間加熱する工程、
を含む、方法。
【請求項17】
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの水溶液を調製する方法であって、該方法は、
a.該[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、該溶離剤は約15%(v/v)エタノールを含む工程、および
b.生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、
を含み、
結果として生じる溶液の放射能濃度は、少なくとも約23mCi/mLである、
方法。
【請求項18】
123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの水溶液を調製する方法であって、該方法は、
a.[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンの溶液を、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、該溶離剤は、約80%(v/v)エタノールおよび注射用滅菌水中約20%アスコルビン酸(20g/L)を含む工程、および
b.生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、
を含み、
生じた溶液の放射能濃度は、少なくとも約20mCi/mLである、
方法。
【請求項19】
以下:
a.2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−トリブチルスズ−E−アリル)ノルトロパン、エタノール、過酸化水素およびリン酸緩衝液を含む、前駆体溶液を調製する工程、
b.[123I]ヨウ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸を含み、約2未満のpHを有する[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製する工程、
c.前駆体溶液および[123I]ヨウ化ナトリウム溶液の混合物を約80°Cの温度で約15分間加熱する工程、
d.[123I]−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(3−ヨード−E−アリル)ノルトロパンを、C18分取HPLCカラムに通して溶離剤を用いて溶離する工程であって、該溶離剤は、約15%(v/v)エタノールを含む工程、および
e.生成物ピークを、酢酸緩衝液中の塩化ナトリウム中に回収する工程、
を含む、プロセスの生成物。

【公表番号】特表2011−500857(P2011−500857A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531386(P2010−531386)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001916
【国際公開番号】WO2009/055922
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(507260633)アルセレス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】