説明

横方向コネクタ

本発明は、脊椎を治療するためのデバイスおよび方法を開示する。一実施形態においては、椎骨固定システムのための横方向コネクタであって、第1長尺部材に対して係合するための第1係合部材と、第1ロック部材と、を備えた第1コネクタボディと;第2長尺部材に対して係合するための第2係合部材を備えた第2コネクタボディと;第1コネクタボディと第2コネクタボディとに対して連結された横方向ロッドと;を具備し、横方向ロッドの第1端部と第1コネクタボディとの間に関節結合が形成され、第1ロック部材が、第1コネクタボディに対してのピボットジョイントの固定と、第1長尺部材に対しての第1コネクタボディの固定と、の双方を行い得るように構成されている横方向コネクタが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、脊髄固定システムにおいて使用される横方向コネクタに関するものである。本発明は、構造的な安定性を提供し得るよう、脊髄ロッドやプレートや他の長尺部材を備えている。本発明は、脊柱に沿って複数の横方向コネクタを使用し得るように、構成することができる。
【背景技術】
【0002】
加齢および損傷により、脊柱の骨やディスクやジョイントや靭帯が退行性の変化を引き起こすことがあり、これにより、痛みおよび不安定性が引き起こされる。状況によっては、問題の緩和を、脊椎固定術を実行することによってもたらすことができる。脊椎の固定は、外科手術的な手法であって、この手法においては、2つ以上の脊柱骨を固定することによって、固定された骨どうしの間の相対移動を無くす。脊椎固定術を使用することにより、脊柱が不安定性を示す状況を処置することができる。脊柱不安定性は、例えば骨折や脊柱側弯症や脊椎すべり症といったような原因によって発生し得るものであり、その場合、1つまたは複数の脊椎が他の脊椎に対して前方へと移動する。ディスク切除術による脊椎固定術は、また、ディスクのヘルニア術のためにも実行される。この手術においては、ディスクを除去し、隣接した脊柱に対しての固定を行う。従来より、骨グラフトを使用することにより、脊柱の固定が行われてきた。しかしながら、様々なタイプの脊椎インプラントも使用されてきた。
【0003】
脊椎固定術を得るための固定システムの使用は、十分に確立されている。より一般的な固定システムのうちの1つは、椎弓根スクリュー固定システムである。この固定システムにおいては、2つ以上の脊柱内へと椎弓根スクリューが挿入され、ロッドまたは他の長尺部材に対して相互連結される。スクリューが長尺部材に対して堅固に連結されることにより、固定システムは、連結された脊柱間における相対移動を大幅に低減させることができる。複数の固定システムを利用することによって、より大きな強度と安定性とを得ることができる。他のタイプの固定システムにおいては、限定するものではないけれども、横方向突起フックやサブラミナーフックや椎弓根フックや固定プレートや他の同様のデバイスといったような様々な脊柱取付デバイスを使用する。
【0004】
複数の固定システムに対して横方向コネクタを組み合わせることによっても、アセンブリの強度および安定性を増大させることは、当該技術分野においては、周知である。横方向コネクタは、2つの長尺部材の間の距離を広げるために使用される。理想的には、固定システムは、身体の中に埋設(あるいは、移植)される。これにより、2つの長尺部材は、単一の平面内において互いに対して実質的に平行とされる。このことは、横方向コネクタの長手方向軸線に沿っての長さ調節だけが必要とされた単純な横方向コネクタの使用を可能とする。しかしながら、身体の形状の変動のために、また、埋設の不一致性のために、実際には、長尺部材どうしは、めったに平行とはならない。長尺部材どうしは、同一平面内にあったとしても、平行でない場合がある。あるいは、長尺部材どうしは、平行であったとしても、同一平面内にない場合がある。あるいは、長尺部材どうしは、同一平面内にもなく、平行でもない場合がある。従来技術においては、この問題は、長尺部材どうしの位置ズレに適応し得るよう、長尺部材をまたは横方向コネクタを、無理矢理に曲げることによって対処されていた。この解決法は、最適でない。なぜなら、アセンブリの強度および安定性に対して妥協することとなるような位置ズレを導入することとなるからである。加えて、そのような解決法は、長尺部材または横方向コネクタの機械的特性を弱めることとなり得る。
【0005】
従来技術においては、この問題に対し、より調整可能性の大きな横方向コネクタを使用することにより、対処した。米国特許第5,980,523号は、分離可能な複数の部材を有した横方向コネクタを開示しており、分離可能な複数の部材は、個別のスクリューファスナーを使用して互いに組み合わせられるものとされている。これにより、非平行な長尺部材に対して適応することができる。この構成の欠点は、分離可能な複数の部材の数である。分離可能な複数の部材は、臨床環境においては、組立が困難なものである。特に、それら部材のサイズが小型化されていることを考慮すれば、臨床環境においては、組立が困難なものである。また、外科医は、埋設時に患者の身体のキャビティ内に部材を落としてしまうリスクを有している。
【0006】
この問題のさらなる解決は、一体部材からなる横方向コネクタの発明によってもたらされた。しかしながら、その場合においても、いくつかの欠点がなおも存在する。例えば、米国特許第6,736,817号は、一体部材からなる横方向コネクタを開示しており、この横方向コネクタは、長尺部材どうしの広がりまたは狭まりや、長尺部材どうしが同一平面内にないことや、長尺部材どうしの間の距離における変動を、調節することができる。広がりまたは狭まりの調節は、長尺部材に設けられた2つの結合フックの間に配置されたジョイントによって、達成される。ジョイントは、2つの係合表面を有している。係合表面の各々は、歯を有している。歯により、横方向コネクタの2つの端部を、様々な角度でもって互いに対してヒンジ止めすることができる。ヒンジジョイントは、スクリューファスナーを使用してロックされる。しかしながら、この構成の欠点は、追加的なスクリューの複雑さである。追加されたスクリューは、追加的な部材であって、故障の可能性またはユーザーエラーを引き起こす。また、ヒンジジョイントの追加的な重量および嵩高さが、この構成のさらなる欠点である。椎骨固定アセンブリは、長期間にわたって人体内に配置することができる。固定アセンブリにわずかであっても重量が追加されることにより、また、固定アセンブリがわずかであっても嵩高くなることにより、患者の不快さは、増大することとなる。よって、椎骨固定アセンブリは、身体への侵襲性を最小化し得るよう、できるだけコンパクトであることが有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,980,523号
【特許文献2】米国特許第6,736,817号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、単純でありなおかつコンパクトでありなおかつ調節可能性を有した改良された調節可能な横方向コネクタが、要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一般に、脊髄固定システムにおいて使用される横方向コネクタに関するものである。
【0010】
一実施形態においては、椎骨固定システムのための横方向コネクタであって、第1長尺部材に対して係合するための第1係合部材と、第1ロック部材と、を備えた第1コネクタボディと;第2長尺部材に対して係合するための第2係合部材を備えた第2コネクタボディと;第1コネクタボディと第2コネクタボディとに対して連結された横方向ロッドと;を具備し、横方向ロッドの第1端部と第1コネクタボディとの間に関節結合が形成され、第1ロック部材が、第1コネクタボディに対してのピボットジョイントの固定と、第1長尺部材に対しての第1コネクタボディの固定と、の双方を行い得るように構成されている横方向コネクタが提供される。
【0011】
上記の実施形態および方法について、以下において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】脊柱の一部を示す側面図である。
【図2A】1個の胸椎を示す平面図である。
【図2B】1個の胸椎を示す側面図である。
【図3】1個の頸椎を示す平面図である。
【図4】1個の腰椎を示す平面図である。
【図5】椎骨固定アセンブリの一実施形態を示す平面図である。
【図6】調節可能な横方向コネクタの一実施形態を示す上方からの斜視図である。
【図7】関節結合部材および第1ロック部材を有したロッドコネクタの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図8】調節可能な横方向コネクタの一実施形態の横断面図であって、第2ロック部材を有したロッドコネクタと、第3ロック部材を有したとと横方向ロッドと、を示している。
【図9】第3ロック部材を有したスライド可能なかつ回転可能な横方向ロッドの一実施形態を分解図で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を使用した構造および方法は、添付図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭に理解されるであろう。
【0014】
加齢および損傷により、脊柱の骨やディスクやジョイントや靭帯が退行性の変化を引き起こすことがあり、これにより、神経根の押圧によって痛みが引き起こされる。状況によっては、問題の緩和を、脊椎固定術を実行することによってもたらすことができる。脊椎の固定は、互いに隣接する2つ以上の脊柱骨を固定することによって、固定された骨どうしの間の相対移動を無くすという手法である。
【0015】
A.脊柱の解剖学
図1に示すように、脊柱2は、互いに交互に配置された、一連をなす複数の脊椎4と、身体の上部に対する軸線方向の支持と運動とをもたらす線維状ディスク6と、を備えている。脊柱2は、典型的には、33個の脊椎4から構成され、7個の頸椎(C1〜C7)と、12個の胸椎(T1〜T12)と、5個の腰椎(L1〜L5)と、5個の融合仙椎(S1〜S5)と、4個の融合尾椎と、を備えている。図2Aおよび図2Bは、典型的な胸椎を示している。各脊椎は、前方ボディ8と、後方アーチ10と、を備えている。後方アーチ10は、2つの茎12と、棘突起16を形成し得るよう後方において連結される2つの薄片14と、を備えている。後方アーチ10の両側から突出しているものは、側方突起18と、上方関節突起20と、下方関節突起22と、である。上方関節突起20と下方関節突起22の側面24,26は、隣接する脊椎の関節突起と一緒に、椎間関節28を形成している。
【0016】
図3に示される一般的な頸椎30は、それらの横突起40内の比較的大きな脊柱管32、楕円形の椎体34、二裂の骨棘36、および孔38を備え、他の椎骨とは異なっている。これらの横孔38は、椎骨動脈および静脈を含む。第1および第2頸椎も、他の椎骨とはさらに異なっている。第1頸椎は椎体を有さず、その代わりに前結節を含む。その上関節窩は、頭骨の後頭突起と関節を成し、側矢状平面にほぼ向けられている。頭蓋は、この椎骨上で前後に滑動することができる。第2頸椎は、その本体から上に突出する歯状突起、すなわち歯を含む。それは、環椎の前結節と関節を成して、車軸関節を形成する。頭部の左右の動きはこの関節で生じる。第7頸椎は、二裂の骨棘を有さないため、異型と見なされることがある。
【0017】
図4を参照すると、一般的な腰椎42は、横孔がないこと、また椎体44の表面上に小関節面がないことにより、他の椎骨と区別することができる。腰椎体44は、胸椎体よりも大きく、背側に突出するより厚い茎46および板48を有する。椎孔50は三角形であり、頸椎内の孔よりも大きいが、胸椎内の孔よりも小さい。上関節突起52および下関節突起(図示なし)はそれぞれ、茎から上下に突出する。
【0018】
B. 横方向コネクタ
図5は、椎骨固定システム55の1つの実施形態を示している。椎骨固定システム55は、第1長尺部材54と第2長尺部材56とを連結している横方向コネクタ53を備えている。いくつかの実施形態においては、長尺部材54,56は、例えば椎弓根スクリューといったような取付デバイスを使用して、脊柱に対して連結される。例えば、第1椎弓根スクリュー60を、第1脊椎骨の茎に対して取り付けることができ、第2椎弓根スクリュー61を、第2脊椎骨の茎に対して取り付けることができる。図5においては椎弓根スクリューとして図示されているけれども、長尺部材54,56を脊柱に対して連結(あるいは、結合)するための手段は、長尺部材を脊椎骨に対して連結し得る任意の取付デバイスとすることができる。例えば、他の実施形態においては、取付デバイスは、フックや、クランプや、あるいは、他の固定デバイス、とすることができる。長尺部材は、例えば脊髄ロッドといったような脊柱に対して連結することができてその脊柱を安定化させ得る任意の剛直な部材とすることができる。いくつかの実施形態においては、長尺部材54,56は、椎弓根スクリューどうしを連結するのに適しているような、矩形バー(断面が矩形であるバー)や、多角形バー(断面が矩形であるバー)や、I形状梁(断面がI字形状である梁)や、あるいは、他の任意のデバイスとすることができる。
【0019】
2つの長尺部材は、横方向コネクタ53を使用して互いに連結される。いくつかの実施形態においては、横方向コネクタは、全体的に湾曲した形状を有している。これにより、脊柱後弓に適応することができる。横方向コネクタ53は、例えばチタンやステンレススチールや金属合金やプラスチックや身体内での使用に適合した他の材料といったような整形外科的応用に適した任意の材料から形成することができる。図6は、横方向コネクタ53の1つの実施形態を示している。横方向コネクタ53は、横方向ロッド64を介して第2コネクタボディ66に対して連結された第1コネクタボディ62を備えている。横方向ロッド64は、ピボットジョイント73と突出端部75とを備えている。ピボットジョイント73を有している方の端部は、第1コネクタボディ62に対して連結され得るように構成されている。これにより、第1コネクタボディ62と横方向ロッド64との間において関節結合を形成している。横方向ロッド64の突出端部75は、第2コネクタボディ66に対して連結され得るように構成されている。横方向コネクタ53は、2つの長尺部材の間の距離にわたって延在している。横方向コネクタ53を使用することにより、椎骨固定システム55に対して、例えば捻れ安定性といったような安定性を付与することができる。いくつかの実施形態においては、横方向コネクタ53は、長さが調節可能とされ、複数の長尺部材の向きに関して多軸的な回転自由度に対して適応することができる。
【0020】
第1コネクタボディ62は、第1ロック部材63と第1係合部材68とを備えている。いくつかの実施形態においては、第1コネクタボディ62は、さらに、押込部材71を備えている。図7に示すように、いくつかの実施形態においては、第1コネクタボディ62は、第1コネクタボディ62に対して第1長尺部材54を係合させ得るよう、一端に向けて、第1係合部材68を備えている。第1コネクタボディ62は、さらに、コネクタボディの第1表面からコネクタボディの第2表面まで貫通する貫通穴57を備えている。ここで、コネクタボディの第2表面とは、第1係合部材68に隣接している方の表面である。貫通穴57は、第1ロック部材を収容する。第1ロック部材は、第1係合部材68内に長尺部材を固定し得るよう、第1ロックナット70を備えている。
【0021】
いくつかの実施形態においては、第1係合部材68は、例えば脊髄ロッドといったような長尺部材を受け入れ得るように構成されたフック状の端部とすることができる。他の実施形態においては、第1係合部材68は、例えば多角形状バーまたはI形状梁といったような他のタイプの長尺部材に対して適合した様々な構成を有することができる。いくつかの実施形態においては、第1ロックナット70は、長尺部材を第1係合部材68に対して押し込むことによって、長尺部材を固定することができる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、第1ロック部材63は、さらに、第1係合部材68内において長尺部材に対して接触して長尺部材を固定し得るように構成された第1接触サドル69を備えることができる。いくつかの実施形態においては、第1接触サドル69のうちの、第1ロックナット70に対して接触する表面は、螺旋形表面を有している。螺旋形表面は、第1ロックナット70の底面の螺旋形表面に対して対応する。他の実施形態においては、互いに相補的な表面は、螺旋形以外の形状のものとされる。いくつかの実施形態においては、第1ロックナット70を回すことにより、接触サドル69を、長尺部材上へと押し込むことができる。これにより、係合部材68内において第1コネクタボディ62に対して、長尺部材を固定することができる。
【0023】
いくつかの実施形態においては、第1ロック部材63は、第1コネクタボディ62に対して、関節結合部材(すなわち、横方向ロッド64のピボットジョイント73をロックすること)と、長尺部材54と、の双方を固定し得るように構成される。第1コネクタボディ62は、さらに、通路72を備えることができる。通路72は、中央寄り端部(すなわち、第1コネクタボディのうちの、横方向コネクタの中央寄りに位置した方の端部)に設けられた1つの開口と、貫通穴57のところに設けられた他の開口と、を有している。通路72は、押込部材71と、横方向ロッド64のピボットジョイントの端部と、を収容する。いくつかの実施形態においては、ピボットジョイント73は、長手方向軸線74を有した円筒形状のものとされる。長手方向軸線74は、横方向ロッド64の長手方向軸線58に対してほぼ直角とされている。突出端部75は、第1コネクタボディ62の通路72がなす中央開口から外方へと延出されている。いくつかの実施形態においては、通路72の中央開口は、第1ロック部材63が非ロック位置とされたときには、横方向ロッド64が、ピボットジョイント73のところにおいて、ピボットジョイントの長手方向軸線74まわりに回転し得るように構成されている。これにより、図5に示すように、横方向ロッド64の長手方向軸線58と、第1コネクタボディ62の長手方向軸線59と、の間に、角度αを形成することができる。例えば、中央開口は、特に横方向において、横方向ロッド64の直径よりも大きなものとすることができる。これにより、横方向ロッド64を、所定平面内において、横方向に揺動させることができる。この揺動(回転あるいは回動)により、横方向コネクタ53を、埋設された(あるいは、移植された)長尺部材54,56の広がりまたは狭まりに対して調節することができる。いくつかの実施形態においては、ピボットジョイント73は、横方向ロッド64を他の平面内において回転させ得るような他の構成のものとすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態においては、押込部材71は、貫通穴57の開口を通して、横方向ロッド64のうちの、通路72内に位置したピボットジョイント73と、第1ロックナット70と、の双方に対して連結することができる。いくつかの実施形態においては、押込部材71のうちの、第1ロックナット70に対して接触する表面は、第1ロックナット70の第2螺旋形表面に対して相補的な螺旋形表面を有することができる。螺旋形表面どうしは、ロックナット70がロック位置に向けて回転された際に、押込部材71がピボットジョイント73を上向きにかつ中央位置に押し込むように、そしてそれにより、ピボットジョイント73を第1コネクタボディ62の通路72の内壁に向けて押圧した状態でピボットジョイント73をロックし得るように、構成することができる。他の実施形態においては、互いに相補的な表面どうしは、螺旋形とはことなる形状とすることができる。
【0025】
例えば、いくつかの実施形態においては、第1ロックナット70は、外側の円筒面上に配置されたカム面を有することができる。このカム面は、押込部材71に対して連結される。カム面は、径方向の勾配を有することができる。その場合、カム面の半径は、カム面の一端から他端に向けて増大することができる。第1ロックナット70が回転した際には、カム面の半径の増大により、押込部材71を中央寄りに押し込むことができる。これにより、第1ロックナット70の回転移動が、押込部材71の直線移動へと変換される。
【0026】
押込部材71は、全体的に台形のくさび型の形状を有することができ、第1ロックナット70のための連結面と、ピボットジョイント73のための連結面と、を備えている。いくつかの実施形態においては、押込部材71は、側方に沿って配置されたスロットを有することができる。スロットは、押込部材71の頂部から、押込部材71の高さ方向の途中までにわたって、延在する。第1ロックナット70が押込部材71をピボットジョイント73に向けて押圧した際には、スロット付き押込部材71は、部分的に変形することができ、これにより、ピボットジョイント73に対してスプリング力を提供することができる。他の実施形態においては、押込部材71のスロットは、省略することができる。
【0027】
いくつかの実施形態においては、ピボットジョイント73は、第1ロックナット70が締め付けられた時にすなわちロック位置とされた時に第1コネクタボディ62の相補的表面に対して接触することとなる表面の少なくとも一部に、粗面化された表面を有することができる。限定するものではないけれども、粗面化された表面のいくつかの例としては、歯や、リッジや、摩耗面、がある。第1ロックナット70が締め付けられた時にはすなわちロック位置とされた時には、横方向ロッド64は、固定され、もはや、所定平面内において回転することができない。
【0028】
いくつかの実施形態においては、ピボットジョイント73は、第1コネクタボディ62に対して接触する円筒面の少なくとも一部に、長手方向軸線74に沿って配置される長尺の歯または長尺のグルーブを備えることができる。第1コネクタボディ62は、ピボットジョイント73の長尺歯または長尺グルーブに対して噛合し得る長尺歯または長尺グルーブを備えることができる。これにより、横方向ロッド64の回転移動に抗することができる。他の実施形態においては、長尺歯または長尺グルーブは、ピボットジョイント73から省略することができる。
【0029】
図8に示すように、第2コネクタボディ66は、第2ロック部材67と、第3ロック部材65と、第2係合部材82と、を備えている。第2コネクタボディ66は、第2コネクタボディ66の中央寄り端部のところに開口を有した受領穴80を備えている。受領穴80は、横方向ロッド64の突出端部75を受領し得るように構成されている。受領穴80により、第2コネクタボディ66は、横方向ロッド64の長手方向軸線58にほぼ沿ってスライドすることができ、長尺部材54,56の埋設時点での距離の変化に適応することができる。いくつかの実施形態においては、第2コネクタボディ66は、さらに、長手方向軸線58まわりに回転することもでき、これにより、長尺部材54,56の非平行性および/または非同一平面性に適応することができる。
【0030】
いくつかの実施形態においては、横方向ロッド64は、横方向ロッド64の長手方向軸線58にほぼ沿って受領穴80の中を進入退出方向にスライドすることができる。これにより、横方向コネクタ53の全長を長くすることもまた短くすることもできる。いくつかの実施形態においては、横方向ロッド64は、さらに、受領穴80の内部において、長手方向軸線58まわりに回転することができる。いくつかの実施形態においては、横方向ロッド64は、図8に示すように、さらに、突出端部75の端のところに、保持ピン77を備えている。保持ピン77は、横方向ロッド64が受領穴80から抜け出すことを完全に阻止するように機能するとともに、受領穴80内において横方向ロッド64が軸線58まわりに回転してしまうことを制限する。分離できないように一体的に組み付けられていることのために、横方向コネクタ53は、取扱いがより一層容易なものであるとともに、様々な小さな部材を必要とせずに埋設することができる。
【0031】
図8および図9に示すように、いくつかの実施形態においては、保持ピン77は、第2コネクタボディ66の底面に配置されたグルーブ81内に係合することができる。いくつかの実施形態においては、グルーブ81は、長尺の切欠である。グルーブ81は、横方向ロッド64が受領穴80の内部をスライドしたり回転したりする際に保持ピン77の移動を可能とし得る程度に十分に大きなものである。いくつかの実施形態においては、グルーブ81は、また、保持ピン77の移動を許容し得る程度に十分に大きな受領穴の一部内における凹所とすることができる。グルーブ81によって可能とされる回転角度は、図9において記号βによって表示されている。いくつかの実施形態においては、横方向ロッドの回転に関し、通常の臨床環境において互いに非平行なコネクタロッドどうしの間の角度変動に適応するに際しては、90°という角度で十分である。しかしながら、状況によっては、グルーブのサイズは、横方向ロッド64の90°未満の回転を可能とするものや、あるいは、横方向ロッド64の90°以上の回転を可能とするもの、であっても、適切である。
【0032】
第2コネクタボディ66は、さらに、この第2コネクタボディの第1表面からこの第2コネクタボディの第2表面までにわたって第1貫通穴を備えている。この第2コネクタボディの第2表面上には、第2貫通穴が設けられており、第2貫通穴の開口は、第2係合部材82に対して隣接している。第2コネクタボディ66の第1貫通穴は、第2ロック部材67を収容している。そして、第2ロック部材67は、第2係合部材82の内部に第2長尺部材56を固定するための第2ロックナット79を備えている。
【0033】
いくつかの実施形態においては、第2係合部材82は、例えば脊髄ロッドといったような長尺部材を受け入れ得るように構成されたフック状の端部とすることができる。他の実施形態においては、第2係合部材82は、他のタイプの長尺部材に適合したと他の構成とすることができる。例えば、多角形のバーや、I字形状梁、とすることができる。いくつかの実施形態においては、第2ロックナット79は、長尺部材を第2係合部材82に対して押し付けることによって、第2長尺部材56を固定することができる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、第2ロック部材67は、さらに、第2接触サドル78を備えることができる。第2接触サドル78は、第2係合部材82内において、第2長尺部材56に対して接触するとともにその第2長尺部材56を固定し得るように構成されている。第2接触サドル78のうちの、第2ロックナット79に対して接触する表面は、第2ロックナット79の底面の螺旋形表面に対して相補的な螺旋形表面を有している。他の実施形態においては、相補的な表面どうしは、螺旋形以外の形状とすることができる。いくつかの実施形態においては、第2ロックナット79をロック位置へと回転させることにより、第2接触サドル78を第2長尺部材56に向けて押し下げることができ、これにより、第2係合部材82内において第2長尺部材56を第2コネクタボディ66に対して固定することができる。
【0035】
図6,8,9に示すように、第2コネクタボディ66は、さらに、第2コネクタボディ66の中央寄り端部(すなわち、第2コネクタボディのうちの、横方向コネクタの中央寄りに位置した方の端部)のところに、この第2コネクタボディの第1表面から受領穴80までわたって延在する第2貫通穴85を備えている。第2コネクタボディ66の第2貫通穴85は、第3ロック部材65を収容する。第3ロック部材65は、第3ロックナット83を備えている。そして、第3ロックナット83は、横方向ロッド64を第2コネクタボディ66に対して固定し得るように構成されている。受領穴80内において横方向ロッド64の長さと軸方向回転とが決定された後には、横方向ロッド64は、第3ロックナット83を締め付けることによって、ロックすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態においては、第3ロック部材65は、さらに、横方向ロッド接触サドル84を備えることができる。いくつかの実施形態においては、第3ロックナット83は、円柱形のボディを備えているとともに、その外周壁上に、螺旋形表面を有している。第3ロックナット83が締め付けられた時にはすなわちロックされた時には、第3ロックナット83は、第2コネクタボディ66上の相補的螺旋形表面に対して接触し、これにより、第3ロックナット83は、横方向ロッド接触サドル84に対して圧力を印加することができる。これにより、横方向ロッド64に対して圧力が印加され、これにより、横方向ロッドが所定位置に固定される。他の実施形態においては、相補的な表面どうしは、螺旋形以外の形状とすることができる。いくつかの実施形態においては、横方向ロッド接触サドル84は、円柱形のボディを備えているとともに、横方向ロッドを受け入れてロックする方の表面が、凹面とされ、第3ロックナット83の平坦な底面に対して係合する方の表面が、平坦面とされる。他の実施形態においては、横方向ロッド接触サドル84を、省略することができ、第3ロックナット83が、横方向ロッド64に対して接触することができる。第3ロックナット83は、横方向ロッド64に対して直接的に圧力を印加することができる。いくつかの実施形態においては、第3ロックナット83の底面は、球面状の凹面とすることができ、これにより、湾曲した横方向ロッド64に対しての接触面積を最適化することができる。
【0037】
いくつかの実施形態においては、少なくとも1つのロックナットの頂部は、例えばアレンレンチ(Allen wrench)やスクリュードライバや他の任意の一般的なツールといったような一般的なツールを受け入れるための係合表面を備えている。他の実施形態においては、少なくとも1つのロックナットは、特殊なツールによってのみ操作され得るような特殊な係合表面を備えている。いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の接触サドルは、頂部から延出されたステムを備えることができる。これらの実施形態においては、対応するロックナットは、接触サドルの突出ステムを受領するための穴を有することとなる。これにより、接触サドルは、対応するロックナットに対して適切に位置合わせされる。いくつかの実施形態においては、ロックナットの構成および接触サドルの構成は、交換可能なもの(互換的なもの)とすることができる。例えば、ある実施形態においては、ロックナットの外周壁およびコネクタボディの壁に、互いに相補的な螺旋形表面を設けることができる。他の実施形態においては、相補的な螺旋形表面は、ロックナットの底面と、対応する接触サドルの頂面と、に設けることができる。いくつかの実施形態においては、ロックナットおよび/または接触サドルのうちの少なくとも一方は、他方とは異なる構成を有することができる。
【0038】
C.移植手順
本発明のいくつかの実施形態においては、患者は挿管され、全身麻酔が行われる。患者は、通常の殺菌方法で準備され布で覆われる。脊椎に対する前方進入路が、腹側の椎体を露出させるために使用される。脊柱に対する多くの前方進入路が、本明細書に参照により組み込まれる、Campbell's Operative Orthopaerdics, 10th ed., edited by Canale et al. などの様々な医学書に記載されている。いくつかの実施形態においては、上部頚椎がアクセスされる。他の実施形態においては、下部頚椎、顎胸接合部、胸椎、胸腰接合部、腰部、腰仙接合部、仙骨、または上記部位の組合せがアクセスされる。
【0039】
脊柱がアクセスされ、1つまたは複数の脊椎が識別されアクセスされる。いくつかの実施形態においては、2つ以上の脊椎がアクセスされ、さらに他の実施形態では、2つ以上の隣接した脊椎がアクセスされる。椎弓根スクリューやフックやアンカーや他の取付デバイスが、第1脊椎骨に対して取り付けられる。第2取付デバイスが、第2脊椎骨に対して取り付けられる。2つの取付デバイスは、第1長尺部材54によって連結される。場合によっては、その後に、第2組をなす取付デバイスが、後弓の反対サイドにおいて同じ脊柱に対して取り付けられる。他の場合には、第2組をなす取付デバイスは、異なる脊柱に対して取り付けることができる。その後、第2長尺部材56を使用することにより、第2組をなす取付デバイスを連結することができる。場合によっては、2つの長尺部材54,56は、互いに対してほぼ平行とされる。他の場合には、2つの長尺部材54,56は、互いに角度を形成することができる、あるいは、でこぼこな配置とすることができる。
【0040】
例えば本出願において開示された様々な実施形態のうちの1つといったような横方向コネクタ53が、2つの長尺部材54,56の間に配置される。横方向コネクタ53は、第1コネクタボディ62と横方向ロッド64との間において関節結合的に曲げることができる。これにより、2つの長尺部材54,56の間の広がりまたは狭まりを補償することができる。横方向ロッド64の突出端部75は、第2コネクタボディ66の受領穴80の内部において回転することができる。これにより、前頭面に対しての2つの長尺部材54,56の角度配向の違いを補償することができる。横方向ロッド64は、さらに、受領穴80内において進出後退方向にスライド的に移動可能である。これにより、2つの長尺部材54,56の間の橋渡し距離を調節することができる。
【0041】
横方向コネクタ53の係合部材68,82内において長尺部材54,56を適切に着座させるための調節が終了した後には、第1および第2ロック部材63,67が締め付けられ、これにより、長尺部材54,56が、横方向コネクタ53に対して固定される。同時に、第1コネクタボディ62と横方向ロッド64との間の関節結合が、設定された角度でもって、固定すなわちロックされる。さらに、第3ロック部材65が締め付けられ、これにより、横方向ロッド64を第2コネクタボディ66に対して固定することができ、これにより、回転移動とスライド移動との双方をロックすることができる。よって、横方向コネクタ53の長手方向の長さと、2つのコネクタボディの角度配向とが、固定される。最後に、手術サイトが抗生物質で潅漑され、手術フィールドが縫合して閉じられる。
【0042】
本発明に関して、例示としての様々な実施形態について上述したけれども、本発明の範囲内において、様々な追加的な実施形態や、上述の実施形態に関する様々な変更が、想定される。よって、上述の説明は、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。上述したすべての実施形態に関し、方法における様々なステップは、説明とおりの順序で行われる必要はない。
【符号の説明】
【0043】
53 横方向コネクタ
54 第1長尺部材
55 椎骨固定システム
56 第2長尺部材
57 貫通穴
62 第1コネクタボディ
63 第1ロック部材
64 横方向ロッド
65 第3ロック部材
66 第2コネクタボディ
67 第2ロック部材
68 第1係合部材
69 第1接触サドル
70 第1ロックナット
71 押込部材
72 通路
73 ピボットジョイント
75 突出端部
77 保持ピン
79 第2ロックナット
80 受領穴
81 グルーブ
82 第2係合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎骨固定システムのための横方向コネクタであって、
第1長尺部材に対して係合するための第1係合部材と、第1ロック部材と、を備えた第1コネクタボディと;
第2長尺部材に対して係合するための第2係合部材を備えた第2コネクタボディと;
前記第1コネクタボディと前記第2コネクタボディとに対して連結された横方向ロッドと;
前記横方向ロッドの第1端部に配置されていて、前記第1コネクタボディに対して連結され得るよう構成された、ピボットジョイントと;
を具備し、
前記第1ロック部材が、前記第1コネクタボディに対しての前記ピボットジョイントの固定と、前記第1長尺部材に対しての前記第1コネクタボディの固定と、の双方を行い得るように構成されていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1コネクタボディが、さらに、前記第1ロック部材を収容する貫通穴と、この貫通穴のところに第1開口を有した通路と、前記第1コネクタボディの中央寄り端部のところにおいて開口した第2開口と、を備えていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載の横方向コネクタにおいて、
前記通路が、前記横方向ロッドの前記第1端部の前記ピボットジョイントを、前記第1コネクタボディの前記中央寄り端部の前記第2開口を通して受領し得るように構成されており、これにより、前記横方向ロッドと前記第1コネクタボディとの間において関節結合を形成していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1コネクタボディが、さらに、前記第1ロック部材に対して連結される押込部材を備え、
この押込部材が、前記第1ロック部材がロック位置とされた時には、前記ピボットジョイントを押し込んで固定し得るように構成されていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項5】
請求項4記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1ロック部材が、前記ピボットジョイントに向けて前記押込部材を付勢し得る側面を備えていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項6】
請求項5記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1ロック部材の前記側面が、螺旋形表面を有していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項7】
請求項5記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1ロック部材の前記側面が、カム表面を有していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項8】
請求項4記載の横方向コネクタにおいて、
前記押込部材が、前記通路の中に配置されることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項9】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1ロック部材が、第1ロックナットと、第1接触サドルと、を備え、
前記第1接触サドルが、前記第1ロック部材がロック位置とされた時には、前記第1長尺部材を前記第1コネクタボディに対して接触させて、前記第1長尺部材を前記第1コネクタボディに対して固定し得るように構成されていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項10】
請求項9記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1接触サドルが、前記第1ロックナットの相補的な螺旋形表面に対して連結され得るよう構成された螺旋形表面を有していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項11】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記第2コネクタボディが、さらに、前記横方向ロッドの突出端部を受領し得るように構成された受領穴を備えていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項12】
請求項11記載の横方向コネクタにおいて、
前記横方向ロッドが、自身の長手方向軸線に沿って前記受領穴内において進入退出方向にスライド移動可能であるとともに、前記長手方向軸線まわりに回転可能とされていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項13】
請求項11記載の横方向コネクタにおいて、
前記第2コネクタボディが、さらに、前記第2長尺部材を前記第2コネクタボディに対して固定し得るように構成された第2ロック部材と、前記横方向ロッドの前記突出端部を前記第2コネクタボディに対して固定し得るように構成された第3ロック部材と、を備えていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項14】
請求項13記載の横方向コネクタにおいて、
前記第2ロック部材が、第2ロックナットと、第2接触サドルと、を備え、
前記第2接触サドルが、前記第2ロック部材がロック位置とされた時には、前記第2長尺部材を前記第2コネクタボディに対して接触させて、前記第2長尺部材を前記第2コネクタボディに対して固定し得るように構成されていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項15】
請求項14記載の横方向コネクタにおいて、
前記第2接触サドルが、前記第2ロックナットの相補的な螺旋形表面に対して連結され得るよう構成された螺旋形表面を有していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項16】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記横方向ロッドが、さらに、突出端部のところに保持ピンを備えていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項17】
請求項16記載の横方向コネクタにおいて、
前記第2コネクタボディが、さらに、グルーブを備え、
前記保持ピンが、前記グルーブの中に係合することを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項18】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記横方向コネクタが、脊柱の後弓に適合した全体的な湾曲形状を有していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項19】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1コネクタボディおよび前記第2コネクタボディのうちの少なくとも一方が、ロッドコネクタであることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項20】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
前記第1係合部材および前記第2係合部材のうちの少なくとも一方が、フック端部であることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項21】
請求項1記載の横方向コネクタにおいて、
さらに、
前記ピボットジョイントの一部に設けられた連結表面と;
前記第1コネクタボディの一部に設けられた相補的連結表面と;
を具備し、
前記連結表面と前記相補的連結表面とが互いに連結された時には、前記横方向ロッドと前記第1コネクタボディとが、互いに対しての角度配向を維持することを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項22】
請求項21記載の横方向コネクタにおいて、
前記連結表面が、摩耗面を有していることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項23】
椎骨固定システムのための横方向コネクタであって、
長尺部材に対して係合し得るように構成されているとともに、ロック部材を備えた、コネクタボディと;
横方向ロッドと;
前記横方向ロッドの一端部に配置されていて、前記コネクタボディに対して連結され得るよう構成された、ピボットジョイントと;
を具備し、
前記ロック部材が、前記コネクタボディに対しての前記ピボットジョイントの固定と、前記長尺部材に対しての前記コネクタボディの固定と、の双方を行い得るように構成されていることを特徴とする横方向コネクタ。
【請求項24】
椎骨固定デバイスを埋設するための方法であって、
横方向コネクタの第1コネクタボディを、第1長尺部材に対して連結し;
横方向ロッドを、前記第1コネクタボディに対して角度的に位置決めし;
第1ロック部材を使用することにより、前記第1コネクタボディに対しての前記横方向ロッドの固定と、前記第1長尺部材に対しての前記第1コネクタボディの固定と、の双方を行う;
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、
さらに、
前記第1ロック部材の前記使用に先立って、前記横方向コネクタの第2コネクタボディを、第2長尺部材に対して連結し;
第2ロック部材を使用することにより、前記第2長尺部材に対しての前記第2コネクタボディの固定を行う;
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法において、
さらに、
前記横方向ロッドを前記第2コネクタボディに対してスライド移動させることにより、および/または、前記横方向ロッドをこの横方向ロッド自身の長手方向軸線まわりに回転させることにより、前記横方向ロッドを、前記第2コネクタボディに対して位置決めし;
第3ロック部材を使用することにより、前記第2コネクタボディに対しての前記横方向ロッドの固定を行う;
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−524623(P2012−524623A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507363(P2012−507363)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/031958
【国際公開番号】WO2010/124032
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(506166653)スパイナル・エレメンツ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】