説明

樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品

【課題】補強構造の補強強度を極力維持しつつ、樹脂成形品を成形することにある。
【解決手段】第一型41と第二型42の間に面状体20bを配置したのち、キャビティ44内に溶融樹脂を供給して、面状体20b一部を保持部材20aに一体化しつつ保持部材20aを成形するとともに、保持部材20a一面側にリブ等の補強構造34を成形する構成とし、補強構造34を成形するキャビティ一部44Eにおいて、面状体20bを第一型41側に押し退けつつ、第二型42側で補強構造34を成形する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の製造方法と、同製造方法にて製造される樹脂成形品(車両用シートの構成部材)に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の樹脂成形品の製造方法として、特許文献1に開示の製造方法が公知である。この製造方法では、アーチ状の枠体(車両用シートの構成部材)を製造できる。
枠体は、シート骨格をなすフレーム部材に取付け可能な樹脂部材であり、面状体と、リブを有する。面状体は、枠体中央に取付けられるメッシュ状の面材であり、乗員を支持することができる。またリブは、平板状の補強構造であり、枠体の裏面側(着座側とは異なる側)に形成することができる。
【0003】
公知技術では、第一型と、第二型と、キャビティを有する成形装置を使用して、上述の枠体を製造する。第一型と第二型は、互いに閉じ合せ可能な部材であり、キャビティは、第一型と第二型の間に形成される空間部である。
そして第一型と第二型の間に面状体を配置したのち、キャビティに溶融樹脂を供給して枠体を成形する。このときキャビティ一部(リブを成形する部位)において、面状体を張設状態に保持することにより、面状体(メッシュの網目)に溶融樹脂が侵入した状態で固化する。これにより面状体の一部(典型的に周縁)が枠体に一体化して取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−240081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし公知技術では、成形後において、面状体の一部が裏面側に配置する(露出する)などしてリブの補強強度が若干低下することがあった。このため公知技術の構成は、樹脂成型品の強度を考慮すると、すんなり採用できる構成ではなかった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、樹脂成形品の強度を極力維持しつつ、樹脂成形品を成形することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の樹脂成形品の製造方法では、成形装置を用いて樹脂成形品を製造する。
樹脂成形品は、面状体と、面状体を保持する保持部材と、保持部材一面側のリブ等の補強構造を有する。また成形装置は、第一型と、第一型に閉じ合せ可能な第二型と、第一型と第二型の間に形成されるキャビティとを有する。
そして第一型と第二型の間に面状体を配置したのち、キャビティ内に溶融樹脂を供給して、面状体一部を保持部材に一体化しつつ保持部材を成形するとともに、保持部材一面側にリブ等の補強構造を成形する構成である。この種の製造方法では、補強構造の補強強度を極力維持しつつ、樹脂成形品を成形できることが望ましい。
【0007】
そこで本発明では、補強構造を成形するキャビティ一部において、例えば溶融樹脂の射出の圧力によって、面状体を第一型側に押し退けつつ(好ましくは押付けつつ)、第二型側で補強構造を成形する構成とした。
本発明では、上述の面状体が、樹脂成形品の他面側に配置した状態で、保持部材に一体化される。このように樹脂成形品の他面側に面状体を配置することで、保持部材一面側に形成される補強構造の補強強度を好適に維持することができる。
【0008】
第2発明の車両用シートは、第1発明の樹脂成形品の製造方法であって、第一型側に押付けられた面状体を、第一型の冷却手段により溶融樹脂の温度未満に冷却する。このように面状体を冷却することで、成形時の高温による面状体の破損を極力防止又は低減することができる。
【0009】
第3発明の樹脂成形品は、第1発明又は第2発明の製造方法により製造された樹脂成形品であって、上述の保持部材が、車両用シートのフレーム部材に取付け可能な枠状部材である。そして保持部材を、フレーム部材の着座側に取付けることで、保持部材の着座側に配置された面状体によって乗員を支持可能であるとともに、フレーム部材を臨む保持部材の裏面側に補強構造が配置する構成である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る第1発明によれば、樹脂成形品の強度を極力維持しつつ、樹脂成形品を成形することができる。また第2発明によれば、樹脂成形品の強度を好適に維持することができる。そして第3発明によれば、車両用シートの構成部材として強度に優れる樹脂成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】車両用シート一部の分解斜視図である。
【図3】支持部材の正面図である。
【図4】成形装置一部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図4を参照して説明する。各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート及び成形装置上方に符号UP、車両用シート及び成形装置下方に符号DWを付す。
【0013】
本実施例では、後述の成形装置40を用いて樹脂成形品(20)を製造する(図1、図3及び図4を参照)。
ここで樹脂成形品(20)は、面状体20bと、保持部材(20a)と、補強構造(34)を有する(詳細後述)。そして本実施例の保持部材(20a)は、車両用シート2の構成部材としての枠状部材である。
そして後述するように、第一型41と第二型42の間に面状体20bを配置したのち、キャビティ44内に溶融樹脂を供給して、面状体20b一部を保持部材(20a)に一体化しつつ保持部材(20a)を形成する。
【0014】
このとき保持部材(20a)一面側にリブ等の補強構造(34)を成形するのであるが、この種の製造方法では、補強構造(34)の補強強度を極力維持しつつ、樹脂成形品(20)を成形できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述するように、補強構造(34)を成形するキャビティ一部(44E)において、例えば溶融樹脂の射出の圧力によって、面状体20bを第一型41側に押し退けつつ、第二型42側で補強構造(34)を成形する構成とした。以下、車両用シート2の構成部材を一例として、各構成について詳述する。
【0015】
[車両用シート]
図1の車両用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8(いずれもシート構成部材の一例)と、レール部材7を有する。レール部材7は、車両用シートをスライド移動させるための部材である。
ヘッドレスト8は、一対のステー部材8aを有し、サポート部材SMを介して、シートバック6の上部に取付けられる(図1及び図2を参照)。
【0016】
[シートバック]
シートバック6は、シートクッション4に対して起倒可能に連結する部材である(図1及び図2を参照)。本実施例のシートバック6は、フレーム部材6Fと、支持部材20(保持部材20a,面状体20b,補完部材60)と、ボード部材9を有する。
そして本実施例では、フレーム部材6Fの着座側に支持部材20を取付けるとともに、フレーム部材6Fの後側にボード部材9を取付ける。
【0017】
(フレーム部材)
フレーム部材6F(略逆U字状)は、上部フレーム6aと、一対の側部フレーム6bと、下部フレーム6cと、リクライニング軸Rを有する(図2を参照)。
上部フレーム6aは、シート上部をなす棒状部材(正面視で略逆U字状)であり、一対のサポートブラケットSBと、線状部材6dを有する。一対のサポートブラケットSBは、それぞれステー部材8aを挿入可能な筒状部材(略矩形)である。また線状部材6dは、上部フレーム6a(一対の自由端)に橋渡しされた棒状部材であり、後述のボード部材9(上部側)を係止できる。
また下部フレーム6cは、それぞれシート下部において一対の側部フレーム6b間に橋渡しされた平板部材であり、後述のボード部材9(下部側)を係止できる。
【0018】
そして一対の側部フレーム6bは、それぞれシート側部をなす平板部材であり、それぞれ上部フレーム6aの下端(自由端)側に固定される。
一対の側部フレーム6bの下端付近には、リクライニング軸Rが橋渡し状に取付けられる。リクライニング軸Rは、シートクッション4に対してシートバック6が起倒(回転運動)する際の回転中心であり、シールド部材Srによって被覆される(図1を参照)。
また側部フレーム6bの上部と下部に、それぞれブラケットBLを固定することができる。このブラケットBLは、略L字状の平板部材であり、後述の保持部材20aを臨む側に孔部H(ビスBSを挿入可能な貫通孔)を有する(図3を参照)。
【0019】
(ボード部材)
ボード部材9(平板状)は、一対の側片部9b(平板状)と、一対のフック部9dと、一対のブラケット部9cを有する(図2を参照)。
一対のフック部9d(略横J字状の部位)は、線状部材6dに係止可能な部位であり、ボード部材9の裏面上部に所定間隔をあけて設けられる。また一対のブラケット部9c(略逆L字状)は、下部フレーム6cに固定可能な部位であり、ボード部材9の裏面下部に所定間隔をあけて設けられる。そして一対の側片部9bは、それぞれボード部材9の側部からシート前方に突出する平板部位であり、シート両側を部分的に被覆可能である。
本実施例では、フレーム部材6Fにボード部材9を取付けてシートバック6後側を被う(図1及び図2を参照)。
【0020】
[支持部材]
支持部材20は、乗員を支持可能な部材であり、フレーム部材6Fの着座側に取付けることができる(図1〜図3を参照)。
本実施例の支持部材20は、フレーム部材6Fよりも若干幅広い外形形状を有し、保持部材20aと、面状体20bと、補完部材60を有する。
補完部材60は、支持部材20の周囲を補完する部材であり、典型的に表皮部とクッション材を有する(図1及び図2を参照)。補完部材60は、例えばシート側方位置でシート前側に向かって突出することで、乗員の側部を支持できる(サイドサポートとして機能できる)。
【0021】
(保持部材)
保持部材20a(樹脂成形品の一例)は、フレーム部材6Fに組付け可能な枠状の部材(アーチ状)であり、典型的に樹脂製である(図3を参照)。
ここで保持部材20aの材質として、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン,塩化ビニル樹脂,ポリエチレン)や、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ユリア樹脂)を例示できる。
本実施例の保持部材20aは、中央が中空であるとともに、基本構成(上枠部22,一対の側枠部24,下枠部26)を有する。
上枠部22は、保持部材20aの上部をなす部位であり、一対の側枠部24は、各々、保持部材20aの側部をなす部位である。また下枠部26は、保持部材20aの側部をなす部位であり、本実施例では保持部材20a下部の平板部位である。
【0022】
また上枠部22と側枠部24は、略L字状(横断面視)をなしており、各々、外枠部30と、内枠部32と、リブ34を有する(図3を参照)。
外枠部30は、保持部材20aの外形形状を構成する平板部位である。また内枠部32は、外枠部30の外縁から内方に向かって屈曲する部位であり、側部フレーム6bに対面できる。本実施例では、内枠部32の上部と下部に、それぞれ孔部Hを設けて、(ビスBSの挿入が可能となるように)上述のブラケットBLに対面させる。
そしてリブ34(補強構造の一例)は、外枠部30と内枠部32に跨って立設する平板部位であり、支持部材20を補強するための構成である。リブ34は、保持部材20aの外周に沿って所定間隔で複数形成できる(なお図3では、便宜上、一部のリブのみに符号を付す)。
【0023】
(面状体)
面状体20bは、乗員を弾性的に支持する面状の部材であり、弾性的に伸縮可能な部材であることが望ましい(図1及び図2を参照)。
本実施例の面状体20bは、適度な伸縮性を有する面材であり、後述の溶融樹脂を極度に透過(通過)させない緻密性を有する。面状体20bとして、布帛(織物,編物,不織布)やネット体(繊維を網目状に編製してなる面材)を例示できる。
例えば面状体20bとして、TPE(サーモプラスチックエラストマ)やPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)を織編した布帛を用いることで、適度な伸縮性を付与することができる。TPEやPTTのモノフィラメント(単一の長繊維)を面状体20bに使用することで、更に好適な伸縮性を付与することができる。
また面状体20bとして、通気度400cc/m.sec以下のネット体を用いることができる。ネット体の通気度は、例えばフラジール型試験機を用いたファブリックの通気度測定方法にて測定することができる。
【0024】
[支持部材の成形方法]
本実施例では、成形装置40によって、保持部材20aの中央に面状体20bを取付ける(図2及び図4を参照)。
成形装置40は、第一型41と、第二型42と、キャビティ44と、後述の冷却手段を有する。第一型41と第二型42は互いに閉じ合せ可能な部材(ともに略矩形)であり、両部材の間に空間部(キャビティ44)が形成される。
第一型41の内面は、保持部材20aの着座側の形状に倣った形状を有し、第二型42の内面は、保持部材20aの裏面側の形状に倣った形状を有する。
そしてキャビティ44の縁部44E(補強構造を成形するキャビティ一部)は、上述の上枠部22又は側枠部24(外枠部30、内枠部32、リブ34)に倣った形状を有する。ここでリブ34(補強構造の一例)は、第二型42内面に設けた凹部48によって成形することができる。
本実施例では、第二型42の縁部44Eに射出ゲート46を設けて、キャビティ44内に溶融樹脂を射出可能とする。射出ゲート46は、第二型42を上下に貫通する孔部であり、キャビティ44内の面状体20bに対面状に開口することができる。
【0025】
(冷却手段)
ここで本実施例では、第一型41に冷却手段を設けて、溶融樹脂の温度未満に第一型41を冷却することができる。
冷却手段は、第一型41を溶融樹脂の温度未満に維持する(例えば30°〜40°に維持する)構成である。例えば第一型41自体を空冷又は水冷することができ、第一型41に各種の保冷材を取付けることもできる。また第一型41を、溶融樹脂未満の温度に第一型41を加温することもできる。
【0026】
図4を参照して、保持部材20a(樹脂製)を成形する際に、キャビティ44内に面状体20bを張設する。
このとき第二型42の内面側に面状体20bを張設しつつ、第一型41を閉じ合せる。つぎに射出ゲート46からキャビティ44内に成形原料(溶融樹脂等)を流し込むことで、保持部材20aを成形しつつ面状体20bを一体的に取付ける。
なお本実施例では、キャビティ44の中心部44Cには溶融樹脂を射出することなく、キャビティ44の縁部44Eにのみ溶融樹脂を射出する。こうすることで面状体20bの周縁に保持部材20aをアーチ状に形成しつつ、保持部材20aの中央に面状体20bを露出させることができる。
【0027】
そして本実施例では、キャビティ44の縁部44Eにおいて、溶融樹脂の射出の圧力によって面状体20bを第一型41側に押付ける。面状体20bは、適度に伸長して第一型41内面に接触する。このように面状体20bを第一型41に押付けることで、保持部材20aの着座面側(一面とは異なる他面側)に面状体20bを配置できる。
さらに本実施例では、面状体20bを第一型41に押付けることで、冷却手段(図示省略)により溶融樹脂の温度未満に冷却する。このように面状体20bを冷却することで、成形時の高温による面状体20bの破損(繊維切れ等の劣化)を極力防止又は低減することができる。
【0028】
[車両用シートの組付け作業]
図1及び図2を参照して、フレーム部材6Fに対して支持部材20を組付ける。このときフレーム部材6Fの着座側に保持部材20aを被せつつ、ブラケットBLの孔部Hと保持部材20aの孔部Hを重ね合わせる。そして両孔部にビスBSを挿設することにより、側部フレーム6bに保持部材20aを取付けることができる。
つぎにフレーム部材6Fに対してボード部材9を組付ける。このとき側枠部24と側片部9bを重ね合わせつつ、フレーム部材6Fの後側にボード部材9を配置する。そして一対のフック部9dを線状部材6dに係止するとともに、一対のブラケット部9cを下部フレーム6cに固定する。
【0029】
以上説明したとおり本実施例では、上述の面状体20bが、保持部材20aの着座面側に配置した状態で保持部材20aに一体化される。このように保持部材20aの着座面側に面状体20bを配置することで、保持部材20aの裏面側に形成されるリブ34の補強強度を好適に維持することができる。
また本実施例では、保持部材20aの成形時において面状体20bを冷却することで、成形時の高温による面状体20bの破損を極力防止又は低減することができる。
よって本実施例によれば、保持部材20aの強度を極力維持しつつ、保持部材20aを成形することができる。このため本実施例によれば、車両用シートの構成部材として強度に優れる保持部材20a(樹脂成型品)を提供することができる。
【0030】
本実施形態の車両用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、リブ(平板状)を補強構造として例示したが、補強構造の構成を限定する趣旨ではない。例えば、柱状(ボス)や格子状の補強構造を保持部材に形成することができる。
(2)また本実施形態では、面状体20bを第一型41に押付ける例を説明した。このとき面状体を、第一型側に押し退けることによっても(第一型に近接させることによっても)、リブの補強強度を比較的維持することができる。
(3)また本実施形態では、第一型41と第二型42を用いる成形装置40を用いたが、第一型と第二型と中間型を有する成形装置を使用することもできる。また本実施例では、第二型の上に第一型を配置したが、第一型の上に第二型を配置することもできる(上下逆に配置することもできる)。
【0031】
(4)また本実施形態では、溶融樹脂の射出の圧力によって面状体20bを第一型41側に押し退ける例(シンプルな構成)を説明した。これとは異なり、第一型に設けた真空吸引部によって、面状体20bを第一型41側に押し退けることができる。また第二型に設けた押圧部材によって、面状体20bを第一型41側に押し退けることもできる。なお本実施例では、溶融樹脂の射出の圧力によって面状体20b(一部又は全部)を第一型41側に押付けることができる。
【0032】
(5)また本実施形態では、面状体20bが適度な強度を有する場合には、第一型41に冷却手段を設ける必要がない。
(6)また本実施形態では、シートバック6の保持部材20aを樹脂成形品の一例として説明した。本実施例の構成は、シートクッション等の各種シート構成部材に適用可能である。また本実施例の構成は、面状体と補強構造を有する各種の樹脂成形品に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
6F フレーム部材
8 ヘッドレスト
9 ボード部材
20 支持部材
20a 保持部材
20b 面状体
34 リブ(補強構造)
40 成形装置
41 第一型
42 第二型
44 キャビティ
44E キャビティの縁部
44C キャビティの中心部
46 射出ゲート
48 第二型の凹部
60 補完部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形装置を用いて樹脂成形品を製造する樹脂成形品の製造方法において、
前記樹脂成形品が、面状体と、前記面状体を保持する保持部材と、前記保持部材一面側のリブ等の補強構造を有し、
前記成形装置が、第一型と、前記第一型に閉じ合せ可能な第二型と、前記第一型と前記第二型の間に形成されるキャビティとを有し、
前記第一型と前記第二型の間に前記面状体を配置したのち、前記キャビティ内に溶融樹脂を供給して、前記面状体一部を前記保持部材に一体化しつつ前記保持部材を成形するとともに、前記保持部材一面側にリブ等の補強構造を成形する構成とし、
前記補強構造を成形するキャビティ一部において、前記面状体を前記第一型側に押し退けつつ、前記第二型側で前記補強構造を成形する構成の樹脂成形品の製造方法。
【請求項2】
前記第一型側に押しつけられた前記面状体を、前記第一型の冷却手段により前記溶融樹脂の温度未満に冷却する請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法により製造された樹脂成形品であって、
前記保持部材が、車両用シートのフレーム部材に取付け可能な枠状部材であり、
前記保持部材を、前記フレーム部材の着座側に取付けることで、前記保持部材の着座側に配置された前記面状体によって乗員を支持可能であるとともに、前記フレーム部材を臨む前記保持部材の裏面側に前記補強構造が配置する構成の樹脂成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−131096(P2012−131096A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284548(P2010−284548)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】