説明

樽印字装置

【課題】洗浄後の乾燥が不十分であっても印字の欠けや滲みを防止することができる樽印字装置を提供する。
【解決手段】複数のドレンホール105を有する樽100の外面を洗浄後、コンベア2の搬送経路に沿って樽100を順次搬送しつつ樽100の側面に所定情報を印字する樽印字装置1であって、コンベア2を搬送される樽100には、所定情報が印字される印字領域Aがドレンホール105と鉛直方向に並ぶことを避けて設定され、搬送経路上で樽100をその軸線方向AX2の回りに回転させ、印字領域Aを所定方向へ向ける位置決め機構4と、印字領域Aに印字する印字装置6と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料等が充填される樽の側面に印字する樽印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等の運搬のために利用される樽は、充填された内容物が店舗等で消費されると回収されて繰り返し利用される。樽の外面には内容物に関する所定の情報が印字されているが、回収後、樽外面の洗浄時にその印字についても除去され、新たに充填される内容物に関する情報が印字される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−034670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
樽外面への印字は洗浄後に実施されるため、洗浄後の乾燥が不十分であると、印字の際に欠けや滲みが発生するおそれがある。洗浄液の乾燥には、樽を洗浄する洗浄槽の設定温度が関係しており、省エネの観点から洗浄性能を維持しつつ、設定温度を下げることが求められている。しかしながら、設定温度を下げると乾燥が不十分となり、特に、樽には水抜きのためのドレンホールが設けられているため、ドレンホールからの液だれによる印字の欠けや滲みが発生するおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は洗浄後の乾燥が不十分であっても印字の欠けや滲みを防止することができる樽印字装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の樽印字装置は、複数のドレンホール(105)を有する樽(100)の外面を洗浄後、搬送手段(2)の搬送経路に沿って前記樽を順次搬送しつつ前記樽の側面に所定情報を印字する樽印字装置(1)であって、前記搬送手段を搬送される樽には、前記所定情報が印字される印字領域(A)が前記ドレンホールと鉛直方向に並ぶことを避けて設定され、前記搬送経路上で前記樽をその軸線方向(AX2)の回りに回転させ、前記印字領域を所定方向へ向ける位置決め手段(4)と、前記印字領域に印字する印字手段(6)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明の樽印字装置によれば、外面洗浄後の樽が搬送手段により順次搬送され、搬送経路上で位置決め手段により樽の向きが一方向に揃えられる。樽には、所定位置に印字領域が設けられ、この印字領域が一方向に揃えられるので、印字手段により印字領域へ印字される。印字領域は、ドレンホールと鉛直方向に並ぶことを避けて設けられているので、洗浄後の乾燥が不十分で、搬送時に洗浄液がドレンホールから液だれすることがあっても、印字領域に液だれすることはなく、液だれによる印字の欠けや滲みを防止することができる。
【0007】
本発明の樽印字装置の一形態において、前記位置決め手段は、前記樽の外周面と接触して、その軸線方向の回りに回転させる回転機構(14、15)と、前記樽の上スカート部(102)に設けられた取手部(104)へ爪(12a)を引っ掛けてその回転を停止させる位置決め部材(12)とを有してもよい。この形態によれば、搬送手段により順次搬送されてくる樽の上スカート部に設けられた取手部を位置決め部材の爪で引っ掛けることにより、回転機構により回転する樽を停止させる。これにより、搬送経路上で樽が一方向を向くように揃えることができる。
【0008】
回転機構が設けられた樽印字装置の一形態において、前記回転機構は、前記樽の搬送方向への移動を停止させつつ前記樽の軸線方向へ回転させる回転位置(P1)と、前記樽の搬送方向への移動を可能にする送出位置(P2)との間で移動自在に設けられていてもよい。この形態によれば、回転機構が回転位置と送出位置との間で移動自在に設けられているので、搬送手段上で樽を確実に回転させることができ、かつ搬送方向への樽の移動を妨げない。
【0009】
取手部が設けられた樽印字装置の一形態において、前記位置決め部材は、前記取手部を前記爪で引っ掛けて前記樽の回転を停止させる停止位置(P3)と、前記搬送経路上から没する回避位置(P4)との間で移動自在に設けられていてもよい。この形態によれば、位置決め部材が停止位置と回避位置との間で移動自在に設けられているので、搬送されてくる樽を確実に一方向に揃えることができ、かつ一方向に揃った樽の搬送方向への移動を妨げることがない。
【0010】
取手部が設けられた樽印字装置の一形態において、前記樽は、その軸線方向に前記ドレンホールと前記取手部とが並ぶことを避けるように前記ドレンホール及び前記取手部が配置され、前記上スカート部を上側にして立てた状態で前記取手部の下方に前記印字領域が位置してもよい。この形態によれば、取手部の下方に印字領域が設けられるため、各樽で同一の場所に印字されることになる。これにより、印字位置を容易に見つけることができ、樽の円周方向の任意の箇所に印字されている場合に比べ、印字確認を容易に行うことができる。
【0011】
本発明の樽印字装置の一形態において、前記樽は、前記上スカート部を下側にして立てた状態で前記搬送手段にて搬送されてもよい。この形態によれば、搬送される樽は、取手部を下側にして搬送される。搬送される樽に大小の大きさの違いがあっても取手部が設けられている上スカート部が下側となるため、取手部の高さがほぼ同一となる。これにより、大きさの異なる樽であっても容易に対応することができる。
【0012】
本発明の樽印字装置の一形態において、前記位置決め手段による前記樽の回転時に、前記印字領域に対して前記外周面の垂直方向にエアを吹き付けるエアブロー装置(5)を備えてもよい。この形態によれば、樽外周面の垂直方向からエアを吹き付けることにより、印字領域に残留している洗浄液を確実に除去することができる。印字領域に残留する洗浄液を局所的に除去することで、印字の欠けや滲みを防止することができる。
【0013】
本発明の樽印字装置の一形態において、前記位置決め手段に対して前記搬送手段の搬送方向上流側には、前記搬送経路に対して出没可能に設けられ、搬送される樽の搬送方向への移動を阻止する阻止手段(3)が設けられていてもよい。この形態によれば、阻止手段により、搬送されてくる樽と、位置決め手段により回転している樽との間に間隔を設けることができる。これにより、回転している樽に対して搬送されてくる樽が押圧することなく、位置決め手段により樽を良好に回転させることができる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明の樽印字装置においては、外面洗浄後の樽が搬送手段により順次搬送され、搬送経路上で位置決め手段により樽の向きが一方向に揃えられる。樽には、所定位置に印字領域が設けられ、この印字領域が一方向に揃えられるので、印字手段により印字領域へ印字される。印字領域は、ドレンホールと鉛直方向に並ぶことを避けて設けられているので、洗浄後の乾燥が不十分で、搬送時に洗浄液がドレンホールから液だれすることがあっても、印字領域に液だれすることはなく、液だれによる印字の欠けや滲みを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に本発明の一形態に係る樽印字装置の概略図を示す。樽印字装置1は、樽100の外周面に文字、数字、記号等を印字する装置である。印字の対象となる樽100は、飲料等の内容物が充填されて市場に流通し、内容物が消費され、その後回収される。回収後、洗浄、検査等の工程を経て新たな内容物が充填されて再び流通する。内容物が充填される毎に樽100には、その内容物に関する情報が樽印字装置1により印字されるが、回収された樽100には、消費された内容物に関する情報が印字されているため、樽100の外面の洗浄工程にてその印字も除去してから新たに印字される。
【0017】
図4に樽100の斜視図を示す。樽100は、内容物の容量に応じて各種のサイズが存在するが、一般的な樽の形状を以下に説明する。樽100は、内容物が充填される胴部101と、胴部101の上下に位置する上スカート部102及び下スカート部103とを有する。胴部101の上端には、口金部101aが設けられている。口金部101aを介して内容物が充填される。上下スカート部102、103は、胴部101の外周を上下に延長するようにしてそれぞれ設けられている。上スカート部102には、取手部104が設けられている。取手部104は、口金部101aを挟んで上スカート部102の向かい合う位置にそれぞれ設けられ、樽100の運搬の際に作業者に利用される。また、上下スカート部102、103には、複数のドレンホール105が設けられている。ドレンホール105は、胴部101と上下スカート部102、103との間に溜まる水を排出するための孔で、取手部104の上下スペースを避けるようにして円周方向に適宜の間隔を有しつつ設けられる。
【0018】
樽印字装置1は、樽100の外面の洗浄工程後に設けられ、洗浄後の樽100は搬送手段としてのコンベア2により搬送経路に沿って樽印字装置1へ搬送される。コンベア2上の樽100は、上スカート部102を下側して立てた状態、つまり、天地を逆にした状態で搬送されてくる。図1に戻り、樽印字装置1は、搬送される樽100を適宜停止させる阻止手段としてのストッパシリンダ3と、樽100を位置決めする位置決め手段としての位置決め機構4と、樽100の印字領域にエアを吹き付けるエアブロー装置5と、位置決めされた樽100の所定位置に対して印字する印字手段としての印字装置6とを備えている。ストッパシリンダ3は、樽100の搬送経路に対して出没する阻止部材3aを有する。阻止部材3aが搬送されてくる樽100に接触することにより、コンベア2上での樽100の移動を阻止する。阻止部材3aが出没する機構については、各種アクチュエータ等の周知技術を利用して構成してよい。
【0019】
図2に位置決め機構4の詳細図、図3にその構造図をそれぞれ示す。位置決め機構4は、コンベア2上で樽100を保持しつつ回転させる一対の調整機構11と、回転する樽100を所定の位置で停止させる位置決め部材12とを備えている。調整機構11は、コンベア2を挟んだ両側にそれぞれ配置される。各調整機構11は、同様の構成を有し、連動する。調整機構11は、中心軸線AX1を中心として回動自在に保持されるベース部材13と、ベース部材13に回転自在に保持されて樽100と接触可能な回転ローラ14と、回転ローラ14を駆動するモータ15とを備えている。ベース部材13は、樽100を回転させる回転位置P1と位置決め後樽100を送り出す送出位置P2との間で中心軸線AX1の回りに回動自在に設けられ、樽100の搬送経路に対して出没可能なように回転ローラ14を支持している。樽100の位置決め後、回転位置P1から送出位置P2へのベース部材13の回動時に、樽100の後方を押して樽100の移動を補助する補助ローラ16をベース部材13に設けてもよい。
【0020】
回転ローラ14は、耐摩耗性を有するゴム材料で形成される。回転ローラ14の上方には、モータ15が設けられる。モータ15には公知の各種電動モータを利用してよく、回転ローラ14には、駆動軸17を介してモータ15から駆動力が伝達される。モータ15は、回転ローラ14を時計回りに回転駆動する。つまり、樽100をその軸線方向AX2の反時計回りに回転させることで、位置決め部材12を樽100の取手部104に引っ掛けて停止させる。なお、回転方向は、以下に説明する位置決め部材12と樽100の回転方向との関係で決定するため、位置決め部材12の設置位置等により適宜変更してよい。
【0021】
位置決め部材12は、略L字型の部材で、コンベア2により搬送されてくる樽100の取手部104に爪12aを引っ掛けることが可能な位置に設けられている。樽100は、コンベア2上を取手部104を下にして搬送されてくるので、サイズの異なる樽100であっても、ほぼ同じ位置に取手部104が位置することになる。なお、参考として図3にサイズの異なる樽100a、100bの取手部104a、104bを示す。位置決め部材12は、樽100の取手部104を引っ掛ける停止位置P3と、樽100の搬送方向への移動を阻止しないように樽100の搬送経路上から没する回避位置P4との間で回動自在に設けられている。回避位置P4は、停止位置P3よりも搬送方向下流側に配置することで、樽100の搬送時の移動に支障のないようにしている。なお、停止位置P3に位置決め部材12が待機するように、ばね部材等で付勢されていてもよい。
【0022】
エアブロー装置5は、コンベア2を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている。樽100の印字領域A(図4)に対して垂直にエアを吹き付ける角度で設置され、調整機構11により回転する樽100に対してエアを吹き付ける。これにより、印字領域Aを含む円周方向にエアが吹き付けられるため、樽100に洗浄工程で乾燥しきれていない洗浄液が付着していても樽100の印字領域Aについては局所的に洗浄液が除去される。なお、エアブロー装置5は、エアを吹き付ける周知の技術を利用して構成してよい。
【0023】
樽100の印字領域Aは、樽100の鉛直方向、つまり、軸線方向に対して印字領域Aとドレンホール105とが重ならないように避けて設けられる。例えば、上スカート部102を上側にして立てた状態で取手部104の下方に印字領域Aが位置するように設けられる。これにより、ドレンホール105から洗浄液が液だれしても、液だれ方向に印字領域Aが位置していないので液だれによる印字の欠けや滲みが防止される。
【0024】
印字装置6には、インクジェット方式のプリンタが用いられる。印字装置6は、コンベア2に隣接して設けられ、樽100の搬送方向に対して垂直な方向からインクを吹き付けて印字する。樽100は、位置決め機構4により印字領域Aが印字装置6のインク吐出位置と向かい合うようにして搬送されてくるので、印字装置6にて順次印字される。
【0025】
樽印字装置1は、制御装置20と、搬送される樽100を検出する樽検出センサ21とを有する。制御装置20は、一例としてマイクロプロセッサを有するコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置に記憶されたプログラムに従って、ストッパシリンダ3、位置決め機構4、エアブロー装置5及び印字装置6の動作を制御する。樽検出センサ21は、光電センサ等の物体検出に関する周知技術を利用して構成される。樽検出センサ21からの検出信号に基づいて制御装置20は、印字装置6の印字タイミングを制御する。
【0026】
樽印字装置1の動作を説明する。樽印字装置1の前工程となる洗浄工程にて、樽100の外面が洗浄されるが、洗浄工程との距離が近い等して、洗浄液の十分な乾燥がされないまま樽100がコンベア2にて搬送されてくることがある。特に、残留した洗浄液がドレンホール105から液だれすることがあり、この液だれ方向の延長線上に印字領域Aが位置すると印字の欠けや滲みが発生するおそれがある。このため、ドレンホール105からの液だれ方向、つまり、樽100の軸線方向にドレンホール105と印字領域Aとが並ばないように避けて印字される。
【0027】
洗浄工程後、樽100はコンベア2にて順次搬送される。樽100が位置決め機構4へ1個ずつ送り出されるように、ストッパシリンダ3で後続の樽100との間隔があけられる。ベース部材13が回転位置P1に位置し、位置決め機構4は樽100の搬送方向への移動を阻止しつつ、回転ローラ14が樽100と接触して樽100を軸線方向AX2に対して反時計回りに回転させる。回転ローラ14を駆動するモータ15は制御装置20により、樽100が1回転するようにシーケンス制御される。モータ15の制御にタイマーを使用してもよい。樽100が回転している間、位置決め部材12が樽100の上スカート部102に接触し続け、その爪12aが取手部104に進入して引っ掛かる。これにより、樽100の回転が停止され、樽100の印字領域Aがコンベア2の側方に向けられる。このようにして、コンベア2上で樽100が位置決めされる。なお、回転ローラ14及びモータ15は、回転機構として機能する。また、樽100が回転している間、エアブロー装置5が動作して、印字領域Aを含む上スカート部102の外周面がエアで吹き付けられ、残留する洗浄液が除去される。エアは樽100の外周面に対して垂直な方向から吹き付けられるため、残留する洗浄液を確実に除去できる。
【0028】
位置決め機構4が送出位置P2へ回動して樽100がコンベア2の搬送方向へ送り出されると、そのままコンベア2の搬送経路に沿って搬送される。搬送される樽100は、樽検出センサ21に検出され、その検出信号に基づいて制御装置20が印字領域Aに所定の情報が印字されるように印字装置6を制御する。樽100の印字領域Aはドレンホール105からの液だれ方向を避けて設定されるので、印字の欠けや滲みを防止することができる。特に、印字領域Aが取手部104の下方、樽100の胴部101に設けられているので、印字領域が所定位置に定まっていない場合に比べ、印字の確認が容易となる。
【0029】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、樽100が上スカート部102を下側にして立てた状態でコンベア2上を搬送される例で説明したが、これに限られない。例えば、上スカート部102を上側にして立てた状態で搬送してもよい。この場合においても、位置決め部材12の位置を取手部104の高さに応じて調整することで回転する樽100を位置決めすることができる。また、本形態では、取手部104に位置決め部材12を引っ掛けることにより位置決めしたが、これに限られず、例えば、ドレンホール105等の凹凸を利用して位置決めしてもよい。位置決め部材12の他に、例えば、光電センサ等の各種センサを利用することにより、樽100の特定部分を検出することでモータ15の駆動を制御して位置決めしてもよい。調整機構11のベース部材13が回転位置P1と送出位置P2との間で回動自在に設けられ、位置決め部材12が停止位置P3と回避位置P4との間で回動自在に設けられている例で説明したが、これに限られない。調整機構11及び位置決め部材12は2点間で移動自在に設けられていればよく、例えば、直線移動する等構成に応じて適宜変更してよい。
【0030】
本形態では、印字領域Aは、取手部104の下側に位置する胴部101に設定されている例で説明したが、これに限られず、ドレンホール105からの液だれ方向に印字領域Aが位置しなければ任意の箇所に印字領域Aを設定してもよい。設定された印字領域Aに応じて印字装置6の位置や位置決め部材12の位置を調整することで、印字領域Aに印字すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一形態に係る樽印字装置の概略図。
【図2】位置決め機構の詳細図。
【図3】位置決め機構の構造図。
【図4】樽の斜視図。
【符号の説明】
【0032】
1 樽印字装置
2 コンベア(搬送手段)
4 位置決め機構(位置決め手段)
6 印字装置(印字手段)
20 制御装置
100 樽
104 取手部
105 ドレンホール
A 印字領域
AX2 軸線方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のドレンホールを有する樽の外面を洗浄後、搬送手段の搬送経路に沿って前記樽を順次搬送しつつ前記樽の側面に所定情報を印字する樽印字装置であって、
前記搬送手段を搬送される樽には、前記所定情報が印字される印字領域が前記ドレンホールと鉛直方向に並ぶことを避けて設定され、
前記搬送経路上で前記樽をその軸線方向の回りに回転させ、前記印字領域を所定方向へ向ける位置決め手段と、
前記印字領域に印字する印字手段と、
を備えたことを特徴とする樽印字装置。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記樽の外周面と接触して、その軸線方向の回りに回転させる回転機構と、前記樽の上スカート部に設けられた取手部へ爪を引っ掛けてその回転を停止させる位置決め部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の樽印字装置。
【請求項3】
前記回転機構は、前記樽の搬送方向への移動を停止させつつ前記樽の軸線方向へ回転させる回転位置と、前記樽の搬送方向への移動を可能にする送出位置との間で移動自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の樽印字装置。
【請求項4】
前記位置決め部材は、前記取手部を前記爪で引っ掛けて前記樽の回転を停止させる停止位置と、前記搬送経路上から没する回避位置との間で移動自在に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の樽印字装置。
【請求項5】
前記樽は、その軸線方向に前記ドレンホールと前記取手部とが並ぶことを避けるように前記ドレンホール及び前記取手部が配置され、前記上スカート部を上側にして立てた状態で前記取手部の下方に前記印字領域が位置することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の樽印字装置。
【請求項6】
前記樽は、前記上スカート部を下側にして立てた状態で前記搬送手段にて搬送されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樽印字装置。
【請求項7】
前記位置決め手段による前記樽の回転時に、前記印字領域に対して前記外周面の垂直方向にエアを吹き付けるエアブロー装置を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樽印字装置。
【請求項8】
前記位置決め手段に対して前記搬送手段の搬送方向上流側には、前記搬送経路に対して出没可能に設けられ、搬送される樽の搬送方向への移動を阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樽印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−131858(P2010−131858A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309914(P2008−309914)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】