機器モジュールおよび電子機器
【課題】 簡単な構造で、防水性および防塵性を確保できると共に、水洗いすることができる機器モジュールおよび電子機器を提供する。
【解決手段】 キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材16によって包み込んで密封した機器モジュール4と、この機器モジュール4が組み込まれる機器ケース1とを備えた。従って、簡単な構造で、機器モジュール4の防水性および防塵性を確保することができる。このため、機器ケース1に防水構造を設ける必要がないので、機器ケース1の構造を簡素化することができるほか、この機器ケース1内に機器モジュール4を組み込んだ状態で、そのまま水洗いすることができ、これにより使い勝手の良いものを提供することができる。
【解決手段】 キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材16によって包み込んで密封した機器モジュール4と、この機器モジュール4が組み込まれる機器ケース1とを備えた。従って、簡単な構造で、機器モジュール4の防水性および防塵性を確保することができる。このため、機器ケース1に防水構造を設ける必要がないので、機器ケース1の構造を簡素化することができるほか、この機器ケース1内に機器モジュール4を組み込んだ状態で、そのまま水洗いすることができ、これにより使い勝手の良いものを提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、小型電子式計算機、携帯電話機、電子辞書、時計などの電子機器に用いられる機器モジュールおよびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腕時計などの電子機器においては、特許文献1に記載されているように、時計ケース内に機器モジュールを保護カバーで保護した状態で組み込むように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−235560号公報
【0004】
この場合、機器モジュールは、時計ムーブメント、文字板、指針、リューズを有し、これらを透明な保護カバーで覆い、この状態で時計ケース内に分離可能な状態で組み込まれるように構成されている。また、保護カバーは、機器モジュールを時計ケース内から取り出す際に、指針や文字板を傷付けないように保護するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の電子機器では、機器モジュールが、その指針や文字板を傷付けないように、保護カバーによって保護されている構成であるが、この機器モジュールは保護カバーによって防水性および防塵性を有する構造になっていない。このため、時計ケースを水洗いする際には、機器モジュールを時計ケース内から取り外し、この状態で時計ケースを水洗いしなければならないという問題がある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で、防水性および防塵性を確保することができると共に、水洗いすることができる機器モジュールおよび電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封したことを特徴とする機器モジュールである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記シート部材が、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部を形成した構成であることを特徴とする請求項1に記載の機器モジュールである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記電源部が、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュールである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記電源部が、電磁誘導によって電源の供給がされる電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュールである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封した機器モジュールと、この機器モジュールが組み込まれる機器ケースとを備えていることを特徴とする電子機器である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記機器ケースが、上部ケースと下部ケースとを有し、これらが着脱可能に取り付けていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記上部ケースに、少なくとも前記機器モジュールの前記キー入力部および前記表示部と対応する開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子機器である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記上部ケースにおける前記機器モジュールの前記キー入力部に対応する箇所の前記開口部に、キーシートが設けられていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電子機器である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、前記機器モジュールの前記シート部材が、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部を形成した構成であることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の電子機器である。
【0016】
請求項10に記載の発明は、前記機器モジュールの前記電源部が、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の電子機器である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、前記機器モジュールの前記電源部が、電磁誘導によって電源の供給がされる電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電子機器である。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封するだけの簡単な構造で、機器モジュールの防水性および防塵性を確保することができる。このため、機器モジュールをそのまま水洗いすることができるほか、機器モジュールを収容する機器ケースに防水構造を設ける必要がないので、機器ケースの構造を簡素化することができると共に、この機器ケース内に機器モジュールを組み込んだ状態で、そのまま機器ケースを水洗いすることができ、これにより使い勝手の良いものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明を小型電子式計算機に適用した一実施形態を示した正面図である。
【図2】図1に示された小型電子式計算機を分解して示した斜視図である。
【図3】図1に示された小型電子式計算機のA−A矢視における拡大断面図である。
【図4】図2に示された機器モジュールを上面側から見た正面図である。
【図5】図2に示された機器モジュールを下面側から見た裏面図である。
【図6】図4に示された機器モジュールのB−B矢視における拡大断面図である。
【図7】図4に示された機器モジュールのキー入力部を分解して示した拡大斜視図である。
【図8】図6に示されたキー入力部のA部を示した要部の拡大断面図である。
【図9】図1〜図8に示された一実施形態の小型電子式計算機における第1変形例を示した正面図である。
【図10】図9に示された第1変形例の小型電子式計算機を分解して示した斜視図である。
【図11】図1〜図8に示された一実施形態における第2変形例の機器モジュールを上面側から見た正面図である。
【図12】図11に示された第2変形例の機器モジュールを下面側から見た裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図8を参照して、この発明を小型電子式計算機に適用した一実施形態について説明する。
この小型電子式計算機は、図1〜図3に示すように、機器ケース1を備えている。この機器ケース1は、図2および図3に示すように、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらの内部に機器モジュール4が組み込まれるように構成されている。
【0021】
この機器モジュール4は、図2〜図6に示すように、キー入力部5、表示部6、電源部であるソーラーパネル7、および回路基板8を備え、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7が回路基板8と電気的に接続された構成になっている。この場合、回路基板8は、回路全般を電気的に制御するものであり、この回路基板8の下面には、図5に示すように、LSI(大規模集積回路)などの計算機能に必要な各種の電子部品8aがそれぞれ設けられている。
【0022】
キー入力部5は、図7および図8に示すように、回路基板8の上面に設けられている。このキー入力部5は、回路基板8の上面に縦横に配列された複数の固定接点10と、回路基板8上に設けられた格子状のスペーサシート11と、このスペーサシート11上に設けられた可撓性を有する可動シート12と、この可動シート12の下面に縦横に配列された複数の可動接点13とを備えている。
【0023】
この場合、複数の固定接点10は、それぞれ一対の電極からなっている。格子状のスペーサシート11は、複数の固定接点10に対応する箇所に開口部11aがそれぞれ設けられている。複数の可動接点13は、格子状のスペーサシート11の各開口部11aに対応する箇所において、複数の固定接点10にそれぞれ接離可能に対向している。これにより、キー入力部5は、複数の固定接点10における一対の電極に可動接点13が跨って接触することにより、一対の電極を導通させてキー信号を出力するように構成されている。
【0024】
表示部6は、液晶表示パネルやEL(エレクトロルミネッセンス)表示パネルなどの平面型の表示パネルからなり、キー入力部5で入力された情報およびその演算処理結果などの各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。この表示部6は、図2〜図6に示すように、回路基板8の上辺側における近傍に平面的に配置され、フレキシブルな配線基板14によって回路基板8と電気的に接続されている。
【0025】
電源部であるソーラーパネル7は、太陽光などの外部光を受光して発電するものであり、図2〜図6に示すように、表示パネル6の上辺側における近傍に平面的に配置されている。このソーラーパネル7は、リード線などの接続線15によって回路基板8と電気的に接続され、発電した電力を回路基板8の回路全般に供給するように構成されている。
【0026】
このような機器モジュール4は、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがほぼ平面的に配置され、この状態でこれらの全てがシート部材16によって包み込まれて密封された構成になっている。このシート部材16は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネ―ト、シリコーンゴム、エラストマーなどの軟質および硬質の合成樹脂からなる透明または半透明のシートであり、好ましくは軟質の合成樹脂からなる透明なシートである。
【0027】
また、このシート部材16は、図2〜図6に示すように、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てにおける上下面に連続して配置され、この状態で機器モジュール4の全周囲に亘って連続した状態で熱圧着や超音波溶着によってシールドされるように構成されている。これにより、機器モジュール4は、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封された構成になっている。
【0028】
ところで、この機器モジュール4を内部に収容する機器ケース1は、図1〜図3に示すように、上部ケース2と下部ケース3とが重ね合わされた状態で、ビス17によって着脱可能に取り付けられるように構成されている。この場合、下部ケース3は、図2に示すように、機器モジュール4が配置される四角形の箱状に形成されており、この下部ケース3の四隅には、ビス17が下側から挿入するビス挿入孔3aがそれぞれ設けられている。
【0029】
また、上部ケース2は、図1〜図3に示すように、下部ケース3と同じ形状で同じ大きさに形成されている。この上部ケース2の四隅には、図2に示すように、ビス17が下側から螺入するねじ穴2aがそれぞれ設けられている。これにより、機器ケース1は、図2および図3に示すように、下部ケース3内に機器モジュール4を配置して上部ケース2を重ね合わせ、この状態で下部ケース3の下側から複数のビス17を各ビス挿入孔3aに挿入させて上部ケース2の各ねじ穴2aに螺入させて締め付けることにより、上部ケース2と下部ケース3とが取り付けられるように構成されている。
【0030】
この場合、上部ケース2と下部ケース3とは、図3に示すように、その接合部分に防水パッキンなどを用いた防水構造が設けられておらず、単に上部ケース2と下部ケース3とをビス17の締め付けによって接合するように構成されている。また、この上部ケース2には、図1〜図3に示すように、第1〜第3の各開口部18〜20が、機器モジュール4のキー入力部5、表示部6、およびソーラーパネル7にそれぞれ対応して設けられている。
【0031】
これら第1〜第3の各開口部18〜20のうち、第1の開口部18は、図2および図3に示すように、キー入力部5が対応する上部ケース2の箇所に格子状に設けられている。この第1の開口部18には、キーシート21がキー入力部5に対応する機器モジュール4の上面、つまり機器モジュール4のシート部材16上に配置された状態で設けられている。
【0032】
このキーシート21は、ゴムなどの軟質の合成樹脂からなり、その上面には、図2および図3に示すように、複数のキートップ21aが上方に突出して形成されている。この複数のキートップ21aは、テンキー、演算キー、ファンクションキーなど、計算機能に必要な各種のキーに対応するものであり、キー入力部5の各固定接点10およびこれに対応する各可動接点13にそれぞれ対応して設けられ、格子状に形成された第1の開口部18の下側からそれぞれ挿入されて上部ケース2の上面に露出するように構成されている。
【0033】
これにより、キーシート21は、図3および図8に示すように、複数のキートップ21aが上部ケース2の上方から押されると、キーシート21が撓んで、その下側に配置されたキー入力部5の可動シート12における可動接点13を押し下げ、この押し下げられた可動接点13が回路基板8の固定接点10に接触して固定接点10の一対の電極を導通させることにより、キー入力部5でキー信号が得られるように構成されている。
【0034】
また、第2の開口部19は、図1〜図3に示すように、機器モジュール4の表示部6が対応する上部ケース2の箇所に横長の長方形状に設けられ、表示部6に表示された情報が上部ケース2の上方から見えるように構成されている。さらに、第3の開口部20は、図1〜図3に示すように、機器モジュール4の電源部であるソーラーパネル7が対応する上部ケース2の箇所に横長の長方形状に設けられ、太陽光などの外部光を上部ケース2の上方からソーラーパネル7に照射させてソーラーパネル7を発電させるように構成されている。
【0035】
次に、このような小型電子式計算機を組み立てる場合について説明する。
この場合には、図4〜図8に示すように、まず、機器モジュール4を組み立てる。このときには、回路基板8上にキー入力部5を配置する。すなわち、回路基板8の上面にキー入力部5のスペーサシート11を介して可動シート12を配置し、回路基板8に設けられた複数の固定接点10と可動シート12に設けられた複数の可動接点13とをそれぞれスペーサシート11の各開口部11aの箇所で離間対向させる。
【0036】
また、この回路基板8の上辺の近傍に表示部6を平面的に配置し、この表示部6をフレキシブルな配線基板14によって回路基板8と電気的に接続する。さらに、この表示部6の上辺の近傍に電源部であるソーラーパネル7を平面的に配置し、このソーラーパネル7をリード線などの接続線15によって回路基板8と電気的に接続する。この状態で、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てをシート部材16によって包み込んで密封する。
【0037】
このときには、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てにおける上下面にシート部材16を連続させて配置し、この状態で全周囲に亘ってシート部材16を熱圧着や超音波溶着によって連続させてシールドする。これにより、図4〜図6に示すように、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封された機器モジュール4が得られる。この機器モジュール4は、シート部材16によって防水性および防塵性が確保されている。
【0038】
この後、機器モジュール4を機器ケース1内に組み込む。このときには、図2に示すように、下部ケース3内にシート部材16によって包み込まれて密封された機器モジュール4を配置し、この機器モジュール4のキー入力部5に対応する箇所の上面、つまり機器モジュール4のシート部材16上にキーシート21を配置し、この状態で下部ケース3上に上部ケース2を重ね合わせる。
【0039】
このときには、キーシート21の複数のキートップ21aをキー入力部5の各固定接点10およびこれに対応する各可動接点13にそれぞれ対応させた状態で、キーシート21を機器モジュール4上に配置すると共に、キーシート21の複数のキートップ21aを格子状に形成された第1の開口部18に対応させる。また、機器モジュール4の表示部6を上部ケース2の第2の開口部19に対応させると共に、ソーラーパネル7を上部ケース2の第3の開口部20に対応させる。
【0040】
この状態で、下部ケース3の下側から複数のビス17を各ビス挿入孔3aに挿入させて上部ケース2の各ねじ穴2aに螺入させて締め付ける。これにより、上部ケース2と下部ケース3とが取り付けられて機器ケース1が構成されると共に、この機器ケース1内に機器モジュール4が収容された小型電子式計算機が得られる。この小型電子式計算機では、図1および図3に示すように、キーシート21の複数のキートップ21が第1の開口部18から上部ケース2の上面に露出する。
【0041】
また、この小型電子式計算機では、図1〜図3に示すように、機器モジュール4の表示部6は、これに表示された情報が上部ケース2の上方から見えるように、上部ケース2の第2の開口部19に対応して配置される。さらに、機器モジュール4の電源部であるソーラーパネル7は、上部ケース2の上方から太陽光などの外部光が照射されるように、上部ケース2の第3の開口部20に対応して配置される。
【0042】
次に、このような小型電子式計算機の作用について説明する。
この小型電子式計算機では、キー入力部5に対応するキーシート21の各キートップ21aが、機器ケース1の上部ケース2に設けられた第1の開口部18から上方に露出し、表示部6がシート部材16を介して上部ケース2に設けられた第2の開口部19から上方に露呈し、ソーラーパネル7がシート部材16を介して上部ケース2に設けられた第3の開口部20から上方に露呈している。
【0043】
この状態では、シート部材16が光透過性を有しているので、太陽光などの外部光が上部ケース2の第3の開口部20を通してソーラーパネル7に照射され、この照射された外部光によってソーラーパネル7が発電して電力を回路基板8の電子回路に供給する。このため、この状態では、小型電子式計算が使用可能な状態になり、キーシート21の各キートップ21aを押圧操作すると、その押圧操作に応じて情報が入力され、その入力された情報が表示部6に表示される。
【0044】
すなわち、キーシート21のキートップ21aを押圧操作すると、図3に示すように、この押圧操作されたキートップ21aがシート部材16を介してキー入力部5の可動シート12を押圧する。このため、図7および図8に示すように、可動シート12が押し下げられて可動シート12に設けられた可動接点13がこれに対応する回路基板8の固定接点10に接触する。
【0045】
このときには、固定接点10の一対の電極に可動接点13が跨って接触することにより、固定接点10の一対の電極が導通する。これにより、キー入力部5が押圧操作されたキートップ21aに対応するキー信号を回路基板8の電子回路に与える。このため、この与えられたキー信号に基づいて表示部6に情報が表示され、その演算処理結果が表示部6に表示される。
【0046】
ところで、このような小型電子式計算機が汚れた場合には、そのままの状態で水洗いすることができる。すなわち、この小型電子式計算機では、機器ケース1に水を掛けたり、あるいは機器ケース1を水の中に漬けたりしながら、スポンジなどで洗うことにより、汚れを簡単に落とすことができる。
【0047】
このときには、機器ケース1の上部ケース2と下部ケース3との間、または上部ケース2に設けられた第1〜第3の各開口部18〜20を通して、機器ケース1内に水が浸入しても、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した水によって機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、上述した動作をそのまま行うことができる。
【0048】
また、キーシート21のキートップ21a間に、ごみなどが詰まっている場合には、機器ケース1を分解して洗うことができる。このときには、下部ケース3の下側から複数のビス17を取り外すと、上部ケース2と下部ケース3とを簡単に分離させることができる。これにより、機器ケース1内に組み込まれたキーシート21および機器モジュール4を取り出すことができるので、上部ケース2、下部ケース3、キーシート21、および機器モジュール4をそれぞれ個別に綺麗に洗うことができる。
【0049】
また、この小型電子式計算機を砂漠などで使用する場合にも、砂による悪影響を受けることがなく、良好に使用することができる。例えば、砂漠で砂嵐に出会い、機器ケース1内に砂が浸入しても、前述した水洗いの場合と同様、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した砂などの塵埃によって機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、そのまま使用することができる。
【0050】
このように、この小型電子式計算機の機器モジュール4によれば、キー入力部5、表示部6、電源部であるソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材16によって包み込んで密封した構成であるから、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態で、これらをシート部材16によって包み込んで密封するだけの簡単な構造で、機器モジュール4の防水性および防塵性を確保することができる。
【0051】
このため、機器モジュール4をそのままの状態で水洗いすることができるほか、機器ケース1に防水パッキンなどを用いた防水構造を設ける必要がないため、機器ケース1の構造を簡素化することができると共に、機器ケース1の低コスト化をも図ることができる。また、この機器ケース1内に機器モジュール4を組み込んだ状態で、そのまま機器ケース1を水洗いすることができ、これにより使い勝手の良いものを提供することができる。
【0052】
この場合、シート部材16は、透明または半透明の合成樹脂からなるシートであるから、このシート部材16によって表示部6が覆われていても、シート部材16を通して表示部6に表示された情報を良好に見ることができる。
【0053】
また、電源部であるソーラーパネル7は、太陽光などの外部光を受光して発電するものであることにより、このソーラーパネル7がシート部材16によって覆われていても、シート部材16を通して太陽光などの外部光を確実に受光して良好に発電することができる。このため、機器モジュール4がシート部材16によって包み込まれて密封されていても、電池交換をする必要ないので、これによっても使い勝手の良いものを提供することができる。
【0054】
また、この小型電子式計算機によれば、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8に電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材16によって包み込んで密封した機器モジュール4と、この機器モジュール4が組み込まれる機器ケース1とを備えている構成であることにより、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態における機器モジュール4の防水性および防塵性を確保することができる。
【0055】
このため、機器ケース1にパッキンなどを用いた防水構造を採用する必要がないので、機器ケース1の構造を簡素化することができると共に、機器全体の低コスト化をも図ることができる。また、シート部材16によって密封された機器モジュール4を機器ケース1内に組み込むことにより、シート部材16が機器ケース1の外部にほとんど露出することがなく、機器ケース1によってシート部材16を保護することができる。
【0056】
これにより、小型電子式計算機の使用時にシート部材16が破れ難いので、シート部材16の耐久性を高めることができると共に、このシート部材16によって機器モジュール4の防水性および防塵性をも高めることができるほか、小型電子式計算機の使用時における機器ケース1の手触り感をシート部材16によって損なうことがなく、良好に使用することができる。
【0057】
この場合、機器ケース1が汚れても、機器ケース1をそのまま水洗いすることができる。すなわち、機器ケース1に水を掛けたり、あるいは機器ケース1を水の中に漬けたりしながら、スポンジなどで洗うことにより、汚れを簡単に洗い落とすことができる。このときに、機器ケース1内に水が浸入しても、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した水によって機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、そのままの状態で良好に使用することができる。
【0058】
また、この小型電子式計算機を砂漠などで使用する場合にも、砂による悪影響を受けることがなく、良好に使用することができる。例えば、砂漠で砂嵐に出会い、機器ケース1内に砂が浸入しても、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した砂などの塵埃によっても機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、そのままの状態で良好に使用することができる。
【0059】
また、この機器ケース1は、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらが着脱可能に取り付けられていることにより、機器ケース1を水洗いする際に、上部ケース2と下部ケース3とを分離させることができる。これにより、機器ケース1内に組み込まれた機器モジュール4を取り出すことができるので、上部ケース2、下部ケース3、および機器モジュール4をそれぞれ個別に綺麗に洗うことができる。
【0060】
また、この小型電子式計算機では、上部ケース2に、機器モジュール4のキー入力部5と表示部6とに対応する第1、第2の各開口部18、19がそれぞれ設けられていることにより、シート部材16によって包み込まれて密封された機器モジュール4を機器ケース1内に組み込んでも、キー入力部5および表示部6を第1、第2の各開口部18、19によって上部ケース2の外部に露呈させることが可能になる。このため、機器ケース1の外部からキー入力部5をキー操作することができると共に、表示部6に表示された情報を機器ケース1の外部から見ることができる。
【0061】
この場合、上部ケース2における機器モジュール4のキー入力部5に対応する箇所の第1の開口部18には、複数のキートップ21aを有するキーシート21が設けられていることより、上部ケース2の第1の開口部18を通してキーシート21のキートップ21aを上部ケース2の外部から押圧操作することができ、これにより機器モジュール4のキー入力5を確実に且つ良好にキー操作することができる。
【0062】
また、この場合にも、機器モジュール4のシート部材16が、透明または半透明の合成樹脂からなるシートであることにより、機器モジュール4が機器ケース1内に組み込まれていても、シート部材16を通して表示部6に表示された情報を機器ケース1の外部から良好に見ることができる。
【0063】
さらに、電源部であるソーラーパネル7は、太陽光などの外部光を受光して発電するものであり、このソーラーパネル7が機器モジュール4と共に機器ケース1内に組み込まれていても、シート部材16を通して太陽光などの外部光を確実に受光して良好に発電することができると共に、発電した電力を回路基板8の電子回路に供給することができ、これにより電池交換をする必要がないので、これによっても使い勝手の良いものを提供することができる。
【0064】
なお、前述した実施形態では、電源部として、ソーラーパネル7を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば図9および図10に示す第1変形例のように、電源部として、電磁誘導によって電源が供給される電磁誘導型の充電池30を用いても良い。この場合にも、電磁誘導型の充電池30は、ソーラーパネル7と同様、表示パネル6の近傍に平面的に配置され、リード線などの接続線15によって回路基板8と電気的に接続されていることにより、電力を回路基板8の回路全般に供給するように構成されている。
【0065】
このような電磁誘導型の充電池30を備えた小型電子式計算機では、充電池30に対応する箇所に位置する上部ケース2に、実施形態1のような第3の開口部20を設ける必要がないので、上部ケース2の構造を更に簡素化することができるほか、充電池30を上部ケース2と下部ケース3とで覆い隠すことができるので、外観的にデザイン的に好ましいものを得ることができる。
【0066】
このように充電池30を機器ケース1で覆い隠しても、電磁誘導型の充電器(図示せず)によって機器ケース1の外部から充電池30を充電することができる。このため、この小型電子式計算機においても、実施形態1と同様、電池交換をする必要がないので、充電池30を備えた機器モジュール4がシート部材16によって包み込まれて密封されていても、使い勝手の良いものを提供することができる。
【0067】
また、前述した実施形態では、シート部材16が透明または半透明の合成樹脂を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば図11および図12に示す第2変形例のように、シート部材35に光透過部36を表示部6およびソーラーパネル7にそれぞれ対応させて設けると共に、この光透過部36を除いて、光を透過しない遮光部37を設けた構成でも良い。
【0068】
すなわち、この遮光部37は、光を透過しないインクなどの塗料でシート部材35を着色した着色部である。この遮光部37である着色部は、機器モジュール4の裏面に位置するシート部材35の全表面、および機器モジュール4の表面に位置するシート部材35の全表面のうち、表示部6とソーラーパネル7との各表面に対応する光透過部36を除いて、シート部材35の全表面にインクなどの塗料を塗布することにより形成されている。
【0069】
このように構成すれば、シート部35の光透過部36によって、前述した実施形態と同様、表示部6に表示された情報を外部から見ることができると共に、ソーラーパネル7によって外部光を受光して発電することができるほか、遮光部37によって回路基板8に搭載された各種の電子部品8aやキー入力部5を外部から見えないように隠すことができる。
【0070】
また、前述した実施形態およびその各変形例では、機器ケース1が上部ケース2と下部ケース3とを有し、これら上部ケース2と下部ケース3とをビス17によって着脱可能に取り付けた構成である場合について述べたが、必ずしもビス17で上部ケース2と下部ケース3とを着脱可能に取り付ける必要はなく、上部ケース2と下部ケース3との一方にフック部を設け、上部ケース2と下部ケース3との他方にフック部が係脱可能に係合する係止部を設けてワンタッチで、上部ケース2と下部ケース3とを分離することができる構成であっても良い。
【0071】
さらに、前述した実施形態およびその各変形例では、小型電子式計算機に適用した場合について述べたが、必ずしも小型電子式計算機である必要はなく、例えば携帯電話機、電子辞書、携帯型のパーソナルコンピュータ、時計などの各種の電子機器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 機器ケース
2 上部ケース
3 下部ケース
4 機器モジュール
5 キー入力部
6 表示部
7 ソーラーパネル
8 回路基板
16、35 シート部材
18〜20 第1〜第3の各開口部
21 キーシート
21a キートップ
30 電磁誘導型の充電池
36 光透過部
37 遮光部
【技術分野】
【0001】
この発明は、小型電子式計算機、携帯電話機、電子辞書、時計などの電子機器に用いられる機器モジュールおよびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腕時計などの電子機器においては、特許文献1に記載されているように、時計ケース内に機器モジュールを保護カバーで保護した状態で組み込むように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−235560号公報
【0004】
この場合、機器モジュールは、時計ムーブメント、文字板、指針、リューズを有し、これらを透明な保護カバーで覆い、この状態で時計ケース内に分離可能な状態で組み込まれるように構成されている。また、保護カバーは、機器モジュールを時計ケース内から取り出す際に、指針や文字板を傷付けないように保護するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の電子機器では、機器モジュールが、その指針や文字板を傷付けないように、保護カバーによって保護されている構成であるが、この機器モジュールは保護カバーによって防水性および防塵性を有する構造になっていない。このため、時計ケースを水洗いする際には、機器モジュールを時計ケース内から取り外し、この状態で時計ケースを水洗いしなければならないという問題がある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で、防水性および防塵性を確保することができると共に、水洗いすることができる機器モジュールおよび電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封したことを特徴とする機器モジュールである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記シート部材が、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部を形成した構成であることを特徴とする請求項1に記載の機器モジュールである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記電源部が、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュールである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記電源部が、電磁誘導によって電源の供給がされる電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュールである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封した機器モジュールと、この機器モジュールが組み込まれる機器ケースとを備えていることを特徴とする電子機器である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記機器ケースが、上部ケースと下部ケースとを有し、これらが着脱可能に取り付けていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記上部ケースに、少なくとも前記機器モジュールの前記キー入力部および前記表示部と対応する開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子機器である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記上部ケースにおける前記機器モジュールの前記キー入力部に対応する箇所の前記開口部に、キーシートが設けられていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電子機器である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、前記機器モジュールの前記シート部材が、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部を形成した構成であることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の電子機器である。
【0016】
請求項10に記載の発明は、前記機器モジュールの前記電源部が、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の電子機器である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、前記機器モジュールの前記電源部が、電磁誘導によって電源の供給がされる電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電子機器である。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封するだけの簡単な構造で、機器モジュールの防水性および防塵性を確保することができる。このため、機器モジュールをそのまま水洗いすることができるほか、機器モジュールを収容する機器ケースに防水構造を設ける必要がないので、機器ケースの構造を簡素化することができると共に、この機器ケース内に機器モジュールを組み込んだ状態で、そのまま機器ケースを水洗いすることができ、これにより使い勝手の良いものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明を小型電子式計算機に適用した一実施形態を示した正面図である。
【図2】図1に示された小型電子式計算機を分解して示した斜視図である。
【図3】図1に示された小型電子式計算機のA−A矢視における拡大断面図である。
【図4】図2に示された機器モジュールを上面側から見た正面図である。
【図5】図2に示された機器モジュールを下面側から見た裏面図である。
【図6】図4に示された機器モジュールのB−B矢視における拡大断面図である。
【図7】図4に示された機器モジュールのキー入力部を分解して示した拡大斜視図である。
【図8】図6に示されたキー入力部のA部を示した要部の拡大断面図である。
【図9】図1〜図8に示された一実施形態の小型電子式計算機における第1変形例を示した正面図である。
【図10】図9に示された第1変形例の小型電子式計算機を分解して示した斜視図である。
【図11】図1〜図8に示された一実施形態における第2変形例の機器モジュールを上面側から見た正面図である。
【図12】図11に示された第2変形例の機器モジュールを下面側から見た裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図8を参照して、この発明を小型電子式計算機に適用した一実施形態について説明する。
この小型電子式計算機は、図1〜図3に示すように、機器ケース1を備えている。この機器ケース1は、図2および図3に示すように、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらの内部に機器モジュール4が組み込まれるように構成されている。
【0021】
この機器モジュール4は、図2〜図6に示すように、キー入力部5、表示部6、電源部であるソーラーパネル7、および回路基板8を備え、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7が回路基板8と電気的に接続された構成になっている。この場合、回路基板8は、回路全般を電気的に制御するものであり、この回路基板8の下面には、図5に示すように、LSI(大規模集積回路)などの計算機能に必要な各種の電子部品8aがそれぞれ設けられている。
【0022】
キー入力部5は、図7および図8に示すように、回路基板8の上面に設けられている。このキー入力部5は、回路基板8の上面に縦横に配列された複数の固定接点10と、回路基板8上に設けられた格子状のスペーサシート11と、このスペーサシート11上に設けられた可撓性を有する可動シート12と、この可動シート12の下面に縦横に配列された複数の可動接点13とを備えている。
【0023】
この場合、複数の固定接点10は、それぞれ一対の電極からなっている。格子状のスペーサシート11は、複数の固定接点10に対応する箇所に開口部11aがそれぞれ設けられている。複数の可動接点13は、格子状のスペーサシート11の各開口部11aに対応する箇所において、複数の固定接点10にそれぞれ接離可能に対向している。これにより、キー入力部5は、複数の固定接点10における一対の電極に可動接点13が跨って接触することにより、一対の電極を導通させてキー信号を出力するように構成されている。
【0024】
表示部6は、液晶表示パネルやEL(エレクトロルミネッセンス)表示パネルなどの平面型の表示パネルからなり、キー入力部5で入力された情報およびその演算処理結果などの各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。この表示部6は、図2〜図6に示すように、回路基板8の上辺側における近傍に平面的に配置され、フレキシブルな配線基板14によって回路基板8と電気的に接続されている。
【0025】
電源部であるソーラーパネル7は、太陽光などの外部光を受光して発電するものであり、図2〜図6に示すように、表示パネル6の上辺側における近傍に平面的に配置されている。このソーラーパネル7は、リード線などの接続線15によって回路基板8と電気的に接続され、発電した電力を回路基板8の回路全般に供給するように構成されている。
【0026】
このような機器モジュール4は、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがほぼ平面的に配置され、この状態でこれらの全てがシート部材16によって包み込まれて密封された構成になっている。このシート部材16は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネ―ト、シリコーンゴム、エラストマーなどの軟質および硬質の合成樹脂からなる透明または半透明のシートであり、好ましくは軟質の合成樹脂からなる透明なシートである。
【0027】
また、このシート部材16は、図2〜図6に示すように、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てにおける上下面に連続して配置され、この状態で機器モジュール4の全周囲に亘って連続した状態で熱圧着や超音波溶着によってシールドされるように構成されている。これにより、機器モジュール4は、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封された構成になっている。
【0028】
ところで、この機器モジュール4を内部に収容する機器ケース1は、図1〜図3に示すように、上部ケース2と下部ケース3とが重ね合わされた状態で、ビス17によって着脱可能に取り付けられるように構成されている。この場合、下部ケース3は、図2に示すように、機器モジュール4が配置される四角形の箱状に形成されており、この下部ケース3の四隅には、ビス17が下側から挿入するビス挿入孔3aがそれぞれ設けられている。
【0029】
また、上部ケース2は、図1〜図3に示すように、下部ケース3と同じ形状で同じ大きさに形成されている。この上部ケース2の四隅には、図2に示すように、ビス17が下側から螺入するねじ穴2aがそれぞれ設けられている。これにより、機器ケース1は、図2および図3に示すように、下部ケース3内に機器モジュール4を配置して上部ケース2を重ね合わせ、この状態で下部ケース3の下側から複数のビス17を各ビス挿入孔3aに挿入させて上部ケース2の各ねじ穴2aに螺入させて締め付けることにより、上部ケース2と下部ケース3とが取り付けられるように構成されている。
【0030】
この場合、上部ケース2と下部ケース3とは、図3に示すように、その接合部分に防水パッキンなどを用いた防水構造が設けられておらず、単に上部ケース2と下部ケース3とをビス17の締め付けによって接合するように構成されている。また、この上部ケース2には、図1〜図3に示すように、第1〜第3の各開口部18〜20が、機器モジュール4のキー入力部5、表示部6、およびソーラーパネル7にそれぞれ対応して設けられている。
【0031】
これら第1〜第3の各開口部18〜20のうち、第1の開口部18は、図2および図3に示すように、キー入力部5が対応する上部ケース2の箇所に格子状に設けられている。この第1の開口部18には、キーシート21がキー入力部5に対応する機器モジュール4の上面、つまり機器モジュール4のシート部材16上に配置された状態で設けられている。
【0032】
このキーシート21は、ゴムなどの軟質の合成樹脂からなり、その上面には、図2および図3に示すように、複数のキートップ21aが上方に突出して形成されている。この複数のキートップ21aは、テンキー、演算キー、ファンクションキーなど、計算機能に必要な各種のキーに対応するものであり、キー入力部5の各固定接点10およびこれに対応する各可動接点13にそれぞれ対応して設けられ、格子状に形成された第1の開口部18の下側からそれぞれ挿入されて上部ケース2の上面に露出するように構成されている。
【0033】
これにより、キーシート21は、図3および図8に示すように、複数のキートップ21aが上部ケース2の上方から押されると、キーシート21が撓んで、その下側に配置されたキー入力部5の可動シート12における可動接点13を押し下げ、この押し下げられた可動接点13が回路基板8の固定接点10に接触して固定接点10の一対の電極を導通させることにより、キー入力部5でキー信号が得られるように構成されている。
【0034】
また、第2の開口部19は、図1〜図3に示すように、機器モジュール4の表示部6が対応する上部ケース2の箇所に横長の長方形状に設けられ、表示部6に表示された情報が上部ケース2の上方から見えるように構成されている。さらに、第3の開口部20は、図1〜図3に示すように、機器モジュール4の電源部であるソーラーパネル7が対応する上部ケース2の箇所に横長の長方形状に設けられ、太陽光などの外部光を上部ケース2の上方からソーラーパネル7に照射させてソーラーパネル7を発電させるように構成されている。
【0035】
次に、このような小型電子式計算機を組み立てる場合について説明する。
この場合には、図4〜図8に示すように、まず、機器モジュール4を組み立てる。このときには、回路基板8上にキー入力部5を配置する。すなわち、回路基板8の上面にキー入力部5のスペーサシート11を介して可動シート12を配置し、回路基板8に設けられた複数の固定接点10と可動シート12に設けられた複数の可動接点13とをそれぞれスペーサシート11の各開口部11aの箇所で離間対向させる。
【0036】
また、この回路基板8の上辺の近傍に表示部6を平面的に配置し、この表示部6をフレキシブルな配線基板14によって回路基板8と電気的に接続する。さらに、この表示部6の上辺の近傍に電源部であるソーラーパネル7を平面的に配置し、このソーラーパネル7をリード線などの接続線15によって回路基板8と電気的に接続する。この状態で、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てをシート部材16によって包み込んで密封する。
【0037】
このときには、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てにおける上下面にシート部材16を連続させて配置し、この状態で全周囲に亘ってシート部材16を熱圧着や超音波溶着によって連続させてシールドする。これにより、図4〜図6に示すように、キー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封された機器モジュール4が得られる。この機器モジュール4は、シート部材16によって防水性および防塵性が確保されている。
【0038】
この後、機器モジュール4を機器ケース1内に組み込む。このときには、図2に示すように、下部ケース3内にシート部材16によって包み込まれて密封された機器モジュール4を配置し、この機器モジュール4のキー入力部5に対応する箇所の上面、つまり機器モジュール4のシート部材16上にキーシート21を配置し、この状態で下部ケース3上に上部ケース2を重ね合わせる。
【0039】
このときには、キーシート21の複数のキートップ21aをキー入力部5の各固定接点10およびこれに対応する各可動接点13にそれぞれ対応させた状態で、キーシート21を機器モジュール4上に配置すると共に、キーシート21の複数のキートップ21aを格子状に形成された第1の開口部18に対応させる。また、機器モジュール4の表示部6を上部ケース2の第2の開口部19に対応させると共に、ソーラーパネル7を上部ケース2の第3の開口部20に対応させる。
【0040】
この状態で、下部ケース3の下側から複数のビス17を各ビス挿入孔3aに挿入させて上部ケース2の各ねじ穴2aに螺入させて締め付ける。これにより、上部ケース2と下部ケース3とが取り付けられて機器ケース1が構成されると共に、この機器ケース1内に機器モジュール4が収容された小型電子式計算機が得られる。この小型電子式計算機では、図1および図3に示すように、キーシート21の複数のキートップ21が第1の開口部18から上部ケース2の上面に露出する。
【0041】
また、この小型電子式計算機では、図1〜図3に示すように、機器モジュール4の表示部6は、これに表示された情報が上部ケース2の上方から見えるように、上部ケース2の第2の開口部19に対応して配置される。さらに、機器モジュール4の電源部であるソーラーパネル7は、上部ケース2の上方から太陽光などの外部光が照射されるように、上部ケース2の第3の開口部20に対応して配置される。
【0042】
次に、このような小型電子式計算機の作用について説明する。
この小型電子式計算機では、キー入力部5に対応するキーシート21の各キートップ21aが、機器ケース1の上部ケース2に設けられた第1の開口部18から上方に露出し、表示部6がシート部材16を介して上部ケース2に設けられた第2の開口部19から上方に露呈し、ソーラーパネル7がシート部材16を介して上部ケース2に設けられた第3の開口部20から上方に露呈している。
【0043】
この状態では、シート部材16が光透過性を有しているので、太陽光などの外部光が上部ケース2の第3の開口部20を通してソーラーパネル7に照射され、この照射された外部光によってソーラーパネル7が発電して電力を回路基板8の電子回路に供給する。このため、この状態では、小型電子式計算が使用可能な状態になり、キーシート21の各キートップ21aを押圧操作すると、その押圧操作に応じて情報が入力され、その入力された情報が表示部6に表示される。
【0044】
すなわち、キーシート21のキートップ21aを押圧操作すると、図3に示すように、この押圧操作されたキートップ21aがシート部材16を介してキー入力部5の可動シート12を押圧する。このため、図7および図8に示すように、可動シート12が押し下げられて可動シート12に設けられた可動接点13がこれに対応する回路基板8の固定接点10に接触する。
【0045】
このときには、固定接点10の一対の電極に可動接点13が跨って接触することにより、固定接点10の一対の電極が導通する。これにより、キー入力部5が押圧操作されたキートップ21aに対応するキー信号を回路基板8の電子回路に与える。このため、この与えられたキー信号に基づいて表示部6に情報が表示され、その演算処理結果が表示部6に表示される。
【0046】
ところで、このような小型電子式計算機が汚れた場合には、そのままの状態で水洗いすることができる。すなわち、この小型電子式計算機では、機器ケース1に水を掛けたり、あるいは機器ケース1を水の中に漬けたりしながら、スポンジなどで洗うことにより、汚れを簡単に落とすことができる。
【0047】
このときには、機器ケース1の上部ケース2と下部ケース3との間、または上部ケース2に設けられた第1〜第3の各開口部18〜20を通して、機器ケース1内に水が浸入しても、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した水によって機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、上述した動作をそのまま行うことができる。
【0048】
また、キーシート21のキートップ21a間に、ごみなどが詰まっている場合には、機器ケース1を分解して洗うことができる。このときには、下部ケース3の下側から複数のビス17を取り外すと、上部ケース2と下部ケース3とを簡単に分離させることができる。これにより、機器ケース1内に組み込まれたキーシート21および機器モジュール4を取り出すことができるので、上部ケース2、下部ケース3、キーシート21、および機器モジュール4をそれぞれ個別に綺麗に洗うことができる。
【0049】
また、この小型電子式計算機を砂漠などで使用する場合にも、砂による悪影響を受けることがなく、良好に使用することができる。例えば、砂漠で砂嵐に出会い、機器ケース1内に砂が浸入しても、前述した水洗いの場合と同様、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した砂などの塵埃によって機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、そのまま使用することができる。
【0050】
このように、この小型電子式計算機の機器モジュール4によれば、キー入力部5、表示部6、電源部であるソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材16によって包み込んで密封した構成であるから、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態で、これらをシート部材16によって包み込んで密封するだけの簡単な構造で、機器モジュール4の防水性および防塵性を確保することができる。
【0051】
このため、機器モジュール4をそのままの状態で水洗いすることができるほか、機器ケース1に防水パッキンなどを用いた防水構造を設ける必要がないため、機器ケース1の構造を簡素化することができると共に、機器ケース1の低コスト化をも図ることができる。また、この機器ケース1内に機器モジュール4を組み込んだ状態で、そのまま機器ケース1を水洗いすることができ、これにより使い勝手の良いものを提供することができる。
【0052】
この場合、シート部材16は、透明または半透明の合成樹脂からなるシートであるから、このシート部材16によって表示部6が覆われていても、シート部材16を通して表示部6に表示された情報を良好に見ることができる。
【0053】
また、電源部であるソーラーパネル7は、太陽光などの外部光を受光して発電するものであることにより、このソーラーパネル7がシート部材16によって覆われていても、シート部材16を通して太陽光などの外部光を確実に受光して良好に発電することができる。このため、機器モジュール4がシート部材16によって包み込まれて密封されていても、電池交換をする必要ないので、これによっても使い勝手の良いものを提供することができる。
【0054】
また、この小型電子式計算機によれば、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8に電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材16によって包み込んで密封した機器モジュール4と、この機器モジュール4が組み込まれる機器ケース1とを備えている構成であることにより、キー入力部5、表示部6、ソーラーパネル7を回路基板8と電気的に接続した状態における機器モジュール4の防水性および防塵性を確保することができる。
【0055】
このため、機器ケース1にパッキンなどを用いた防水構造を採用する必要がないので、機器ケース1の構造を簡素化することができると共に、機器全体の低コスト化をも図ることができる。また、シート部材16によって密封された機器モジュール4を機器ケース1内に組み込むことにより、シート部材16が機器ケース1の外部にほとんど露出することがなく、機器ケース1によってシート部材16を保護することができる。
【0056】
これにより、小型電子式計算機の使用時にシート部材16が破れ難いので、シート部材16の耐久性を高めることができると共に、このシート部材16によって機器モジュール4の防水性および防塵性をも高めることができるほか、小型電子式計算機の使用時における機器ケース1の手触り感をシート部材16によって損なうことがなく、良好に使用することができる。
【0057】
この場合、機器ケース1が汚れても、機器ケース1をそのまま水洗いすることができる。すなわち、機器ケース1に水を掛けたり、あるいは機器ケース1を水の中に漬けたりしながら、スポンジなどで洗うことにより、汚れを簡単に洗い落とすことができる。このときに、機器ケース1内に水が浸入しても、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した水によって機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、そのままの状態で良好に使用することができる。
【0058】
また、この小型電子式計算機を砂漠などで使用する場合にも、砂による悪影響を受けることがなく、良好に使用することができる。例えば、砂漠で砂嵐に出会い、機器ケース1内に砂が浸入しても、機器モジュール4のキー入力部5が搭載された回路基板8、表示部6、およびソーラーパネル7の全てがシート部材16によって包み込まれて密封されているので、機器ケース1内に浸入した砂などの塵埃によっても機器モジュール4が悪影響を受けることがなく、そのままの状態で良好に使用することができる。
【0059】
また、この機器ケース1は、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらが着脱可能に取り付けられていることにより、機器ケース1を水洗いする際に、上部ケース2と下部ケース3とを分離させることができる。これにより、機器ケース1内に組み込まれた機器モジュール4を取り出すことができるので、上部ケース2、下部ケース3、および機器モジュール4をそれぞれ個別に綺麗に洗うことができる。
【0060】
また、この小型電子式計算機では、上部ケース2に、機器モジュール4のキー入力部5と表示部6とに対応する第1、第2の各開口部18、19がそれぞれ設けられていることにより、シート部材16によって包み込まれて密封された機器モジュール4を機器ケース1内に組み込んでも、キー入力部5および表示部6を第1、第2の各開口部18、19によって上部ケース2の外部に露呈させることが可能になる。このため、機器ケース1の外部からキー入力部5をキー操作することができると共に、表示部6に表示された情報を機器ケース1の外部から見ることができる。
【0061】
この場合、上部ケース2における機器モジュール4のキー入力部5に対応する箇所の第1の開口部18には、複数のキートップ21aを有するキーシート21が設けられていることより、上部ケース2の第1の開口部18を通してキーシート21のキートップ21aを上部ケース2の外部から押圧操作することができ、これにより機器モジュール4のキー入力5を確実に且つ良好にキー操作することができる。
【0062】
また、この場合にも、機器モジュール4のシート部材16が、透明または半透明の合成樹脂からなるシートであることにより、機器モジュール4が機器ケース1内に組み込まれていても、シート部材16を通して表示部6に表示された情報を機器ケース1の外部から良好に見ることができる。
【0063】
さらに、電源部であるソーラーパネル7は、太陽光などの外部光を受光して発電するものであり、このソーラーパネル7が機器モジュール4と共に機器ケース1内に組み込まれていても、シート部材16を通して太陽光などの外部光を確実に受光して良好に発電することができると共に、発電した電力を回路基板8の電子回路に供給することができ、これにより電池交換をする必要がないので、これによっても使い勝手の良いものを提供することができる。
【0064】
なお、前述した実施形態では、電源部として、ソーラーパネル7を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば図9および図10に示す第1変形例のように、電源部として、電磁誘導によって電源が供給される電磁誘導型の充電池30を用いても良い。この場合にも、電磁誘導型の充電池30は、ソーラーパネル7と同様、表示パネル6の近傍に平面的に配置され、リード線などの接続線15によって回路基板8と電気的に接続されていることにより、電力を回路基板8の回路全般に供給するように構成されている。
【0065】
このような電磁誘導型の充電池30を備えた小型電子式計算機では、充電池30に対応する箇所に位置する上部ケース2に、実施形態1のような第3の開口部20を設ける必要がないので、上部ケース2の構造を更に簡素化することができるほか、充電池30を上部ケース2と下部ケース3とで覆い隠すことができるので、外観的にデザイン的に好ましいものを得ることができる。
【0066】
このように充電池30を機器ケース1で覆い隠しても、電磁誘導型の充電器(図示せず)によって機器ケース1の外部から充電池30を充電することができる。このため、この小型電子式計算機においても、実施形態1と同様、電池交換をする必要がないので、充電池30を備えた機器モジュール4がシート部材16によって包み込まれて密封されていても、使い勝手の良いものを提供することができる。
【0067】
また、前述した実施形態では、シート部材16が透明または半透明の合成樹脂を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば図11および図12に示す第2変形例のように、シート部材35に光透過部36を表示部6およびソーラーパネル7にそれぞれ対応させて設けると共に、この光透過部36を除いて、光を透過しない遮光部37を設けた構成でも良い。
【0068】
すなわち、この遮光部37は、光を透過しないインクなどの塗料でシート部材35を着色した着色部である。この遮光部37である着色部は、機器モジュール4の裏面に位置するシート部材35の全表面、および機器モジュール4の表面に位置するシート部材35の全表面のうち、表示部6とソーラーパネル7との各表面に対応する光透過部36を除いて、シート部材35の全表面にインクなどの塗料を塗布することにより形成されている。
【0069】
このように構成すれば、シート部35の光透過部36によって、前述した実施形態と同様、表示部6に表示された情報を外部から見ることができると共に、ソーラーパネル7によって外部光を受光して発電することができるほか、遮光部37によって回路基板8に搭載された各種の電子部品8aやキー入力部5を外部から見えないように隠すことができる。
【0070】
また、前述した実施形態およびその各変形例では、機器ケース1が上部ケース2と下部ケース3とを有し、これら上部ケース2と下部ケース3とをビス17によって着脱可能に取り付けた構成である場合について述べたが、必ずしもビス17で上部ケース2と下部ケース3とを着脱可能に取り付ける必要はなく、上部ケース2と下部ケース3との一方にフック部を設け、上部ケース2と下部ケース3との他方にフック部が係脱可能に係合する係止部を設けてワンタッチで、上部ケース2と下部ケース3とを分離することができる構成であっても良い。
【0071】
さらに、前述した実施形態およびその各変形例では、小型電子式計算機に適用した場合について述べたが、必ずしも小型電子式計算機である必要はなく、例えば携帯電話機、電子辞書、携帯型のパーソナルコンピュータ、時計などの各種の電子機器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 機器ケース
2 上部ケース
3 下部ケース
4 機器モジュール
5 キー入力部
6 表示部
7 ソーラーパネル
8 回路基板
16、35 シート部材
18〜20 第1〜第3の各開口部
21 キーシート
21a キートップ
30 電磁誘導型の充電池
36 光透過部
37 遮光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封したことを特徴とする機器モジュール。
【請求項2】
前記シート部材は、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機器モジュール。
【請求項3】
前記電源部は、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュール。
【請求項4】
前記電源部は、電磁誘導によって電源が供給される電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュール。
【請求項5】
キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封した機器モジュールと、
この機器モジュールが組み込まれる機器ケースと
を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記機器ケースは、上部ケースと下部ケースとを有し、これらが着脱可能に取り付けていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記上部ケースには、少なくとも前記機器モジュールの前記キー入力部および前記表示部に対応する開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記上部ケースにおける前記機器モジュールの前記キー入力部に対応する箇所の前記開口部には、キーシートが設けられていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記機器モジュールの前記シート部材は、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部が形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項10】
前記機器モジュールの前記電源部は、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の電子機器。
【請求項11】
前記機器モジュールの前記電源部は、電磁誘導によって電源が供給される電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電子機器。
【請求項1】
キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封したことを特徴とする機器モジュール。
【請求項2】
前記シート部材は、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機器モジュール。
【請求項3】
前記電源部は、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュール。
【請求項4】
前記電源部は、電磁誘導によって電源が供給される電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器モジュール。
【請求項5】
キー入力部、表示部、電源部を回路基板と電気的に接続した状態で、これら全体をシート部材によって包み込んで密封した機器モジュールと、
この機器モジュールが組み込まれる機器ケースと
を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記機器ケースは、上部ケースと下部ケースとを有し、これらが着脱可能に取り付けていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記上部ケースには、少なくとも前記機器モジュールの前記キー入力部および前記表示部に対応する開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記上部ケースにおける前記機器モジュールの前記キー入力部に対応する箇所の前記開口部には、キーシートが設けられていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記機器モジュールの前記シート部材は、少なくとも前記表示部に対応する箇所に透明または半透明の光透過部が形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項10】
前記機器モジュールの前記電源部は、太陽光などの外部光を受光して発電するソーラーパネルであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の電子機器。
【請求項11】
前記機器モジュールの前記電源部は、電磁誘導によって電源が供給される電磁誘導型の充電池であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−43082(P2012−43082A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182151(P2010−182151)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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