説明

機器制御システム

【課題】多くの消費電力を費やすことなく、適切なタイミングで機器の使用を開始させることができる。
【解決手段】機器制御システムは、通信端末70と、サーバ128とを含む。通信端末70は、自らが受信した電波から要素情報を取得する。通信端末70は、機器情報が入力されると、機器情報が入力された時に受信された電波に対応する要素情報と機器情報とを対応付けて記憶する。通信端末70は、要素情報と機器情報とが記憶された後において要素情報が取得されると、その要素情報に対応する機器情報をネットワークを介して送信する。サーバ128は、ネットワークを介して通信端末70から機器情報を受信する。サーバ128は、機器情報を受信すると、機器に対し制御信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御システムに関し、特に、ユーザが保持することによって移動できる通信端末を含む機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1のコンピュータが接続されたネットワーク回線に備えられたコンピュータを接続したり切断したりできる複数の接続装置の1つに第2のコンピュータが接続されるコンピュータネットワークシステムを開示する。第1のコンピュータは、リソース情報管理ユニットと、リソース情報処理ユニットとを有する。リソース情報管理ユニットは、ネットワーク回線を介して利用可能な機器に関する情報を管理する。リソース情報処理ユニットは、利用可能な機器に関する情報の他のコンピュータからの要求に対してリソース情報管理ユニットの内容を取り出してネットワーク回線へ送信する。第2のコンピュータは、リソース設定処理ユニットを有する。リソース設定処理ユニットは、第2のコンピュータが複数の接続装置のいずれかを介してネットワーク回線に接続された場合に、第1のコンピュータのリソース情報処理ユニットが送信したリソース情報の内容に従って機器の設定処理を行なう。
【0003】
特許文献1に開示された発明によると、管理者が不在である場合においても、携帯型パーソナルコンピュータをネットワークに移動先で接続して利用できる。
【0004】
特許文献2は、ガレージに設置される固定局と車両に設置される移動局とを備えるガレージゲートの開閉システムを開示する。移動局は、認識データ記憶ユニットと、認識データ送信ユニットと、開閉信号送信ユニットとを含む。認識データ記憶ユニットは、ユーザの認識データを記憶する。認識データ送信ユニットは、移動局が固定局との通信可能範囲に入った際、固定局と移動局間の通信を確立し、移動局から認識データを送信する。開閉信号送信ユニットは、移動局からガレージのゲート開閉信号と認識データとを送信する。固定局は、登録者リストと、第1判定ユニットと、待ちリストと、第2判定ユニットと、開閉制御ユニットとを含む。登録者リストは、ガレージの正規ユーザデータを登録する。第1判定ユニットは、移動局からの認識データを受信し、登録者リストと照合して移動局側が正規ユーザかどうかを判断する。待ちリストは、第1判定ユニットで正規ユーザと判断された場合に認識データを登録する。第2判定ユニットは、移動局からのゲート開閉信号と認識データとを受信して待ちリストに認識データがあるかどうかを判断する。開閉制御ユニットは、第2判定ユニットで認識データが待ちリストにあると判断された場合、ゲート開閉信号を出力してゲートの開閉を許可する。
【0005】
特許文献2に開示された発明によると、ゲートの開閉動作を行ってから実際にゲートが開閉するまでの時間を短縮できる。
【0006】
特許文献3は、ネットワークに接続された情報処理装置の制御方法を開示する。この方法において、オーディオ機能つきコンピュータは、オーディオ再生中に、着信があったことを示す着信通知をIP(Internet Protocol)携帯電話機から受信すると、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントがIP携帯電話機から受信する電波の電界強度値を取得する。オーディオ機能つきコンピュータは、その電界強度値が所定のしきい値以上である場合に、出力音声の音量を所定レベルに減少させる。
【0007】
特許文献3に開示された発明によると、オーディオ機能つきコンピュータの近傍に位置するIP携帯電話機に着信があったときに、誤動作することなく、オーディオ機能つきコンピュータの音量を自動的に減少させることができる。
【0008】
特許文献4は、コンピュータネットワークに接続された管理サイトが、トリガ送信サーバと、地図上に設定された領域を示す領域設定データを記憶する設定領域データベースを備える携帯端末機のトリガシステムを開示する。この管理サイトのトリガ送信サーバは、位置情報取得ユニットと、判定ユニットと、トリガ信号送信ユニットとを含む。位置情報取得ユニットは、コンピュータネットワークを介して接続される携帯端末機から送信されてくる携帯端末機の現在位置を示す位置情報を取得する。判定ユニットは、取得された位置情報と設定領域データベースに登録されている領域設定データとを比較して位置情報が示す携帯端末機の現在位置が領域設定データが示す地図上の領域内に位置しているか否かの判定を行なう。トリガ信号送信ユニットは、判定ユニットによって位置情報が示す携帯端末機の現在位置が領域設定データが示す地図上の領域内にあることが判定されたときに所要の装置機能を作動させるトリガ信号を送信する。
【0009】
特許文献4に開示された発明によると、ユーザが携帯端末機を携帯して移動する際に、ユーザの所望のタイミングで確実に、携帯端末機が装備してる各種機能を作動させることができる。
【0010】
特許文献5は、無線端末装置と、複数の家電機器とを具備する遠隔制御システムを開示する。無線端末装置は、所有するユーザを特定するユーザ情報を持つ。家電機器は、ゲートウェイを用いて家庭内ネットワークを形成する。家電機器は、ユーザ情報に対応する登録ユーザ情報を持つ。家電機器は、無線端末装置を所有するユーザごとに登録ユーザ情報を持つ。無線端末装置は、自己の制御対象である複数の家電機器のうち少なくとも1つを制御する際に自己のユーザ情報を家庭内ネットワークに向けて送信する。各家電機器は、無線端末装置から送信されたユーザ情報を受信することでユーザ情報が自己の登録ユーザ情報と一致するか否かを判定し、一致する場合に制御を実行する。
【0011】
特許文献5に開示された発明によると、家電機器の利用者が複数存在する場合でも、各ユーザが個別に家電機器を制御できる。
【特許文献1】特開平11−68765号公報
【特許文献2】特開2004−54360号公報
【特許文献3】特開2005−341245号公報
【特許文献4】特開2002−186005号公報
【特許文献5】特開2006−140691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に開示された発明では、多くの消費電力を費やしがちになるという問題点がある。第2のコンピュータがネットワーク回線に接続された時に直ちに機器の設定処理を可能とするためには、各機器に固有の準備期間が必要である。このため、ある機器は直ちに使用できる状態であり、別の機器はまだ準備中の状態であるという事態が生じる。この場合、早く使用できる状態になった機器は使用されることがないにも関わらず多くの電力を消費する。これが、上述した多くの消費電力を費やしがちになる原因である。
【0013】
特許文献2および特許文献3に開示された発明では、複数の装置を動作させる場合、特許文献1の場合と同様の原因により多くの消費電力を費やしがちになるという問題点がある。
【0014】
特許文献4および5に開示された発明では、自動的に機器を作動させることについて特段の考慮がなされていないという問題点がある。
【0015】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、多くの消費電力を費やすことなく、適切なタイミングで機器の使用を開始させることができる機器制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、機器制御システムは、通信端末と、機器制御装置とを含む。通信端末は、基地局を有するネットワークを介して情報を通信する。機器制御装置は、ネットワークを介して通信端末から機器を示す情報を受信すると機器に対して制御信号を送信する。通信端末は、アクセスポイント受信手段と、基地局通信手段と、抽出手段と、機器を示す情報を入力するための入力手段と、記憶手段と、制御手段とを含む。アクセスポイント受信手段は、アクセスポイントが送信した電波を受信する。基地局通信手段は、基地局と通信する。抽出手段は、アクセスポイント受信手段が受信した電波から信号を抽出する。記憶手段は、信号が示す識別情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶する。制御手段は、通信手段、情報取得手段、および記憶手段を制御する。制御手段は、ティーチング制御手段と、送信制御手段とを含む。ティーチング制御手段は、機器を示す情報が入力手段に入力されると、機器を示す情報が入力された時に受信された電波に対応する識別情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、記憶手段を制御する。送信制御手段は、識別情報と機器を示す情報とが記憶された後において、抽出手段が識別情報を抽出すると、抽出手段が抽出した識別情報に対応する機器を示す情報を基地局に対し送信するように、基地局通信手段を制御する。機器制御装置は、受信手段と、送信手段とを含む。受信手段は、ネットワークを介して通信端末から機器を示す情報を受信する。送信手段は、受信手段が機器を示す情報を受信すると、機器に対し制御信号を送信する。
【0017】
本発明の他の局面に従うと、機器制御システムは、通信端末と、機器制御装置とを含む。通信端末は、ネットワークを介して情報を通信する。機器制御装置は、ネットワークを介して通信端末から機器を示す情報を受信すると機器に対して制御信号を送信する。通信端末は、通信するための通信手段と、情報取得手段と、機器を示す情報を入力するための入力手段と、記憶手段と、制御手段とを含む。情報取得手段は、通信手段が受信した電波から電波に対応する要素情報を取得する。記憶手段は、要素情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶する。制御手段は、通信手段、情報取得手段、および記憶手段を制御する。制御手段は、ティーチング制御手段と、送信制御手段とを含む。ティーチング制御手段は、機器を示す情報が入力手段に入力されると、機器を示す情報が入力された時に受信された電波に対応する要素情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、記憶手段を制御する。送信制御手段は、要素情報と機器を示す情報とが記憶された後において、情報取得手段が要素情報を取得すると、情報取得手段が取得した要素情報に対応する機器を示す情報をネットワークを介して送信するように、通信手段を制御する。機器制御装置は、受信手段と、送信手段とを含む。受信手段は、ネットワークを介して通信端末から機器を示す情報を受信する。送信手段は、受信手段が機器を示す情報を受信すると、機器に対し制御信号を送信する。
【0018】
また、上述した情報取得手段は、抽出手段を含むことが望ましい。抽出手段は、通信手段が受信した電波から信号を抽出する。併せて、記憶手段は、信号が示す識別情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶するための手段を含むことが望ましい。併せて、ティーチング制御手段は、識別情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、記憶手段を制御するための手段を含むことが望ましい。併せて、送信制御手段は、識別情報と機器を示す情報とが記憶された後において、抽出手段が識別情報を抽出すると、抽出手段が抽出した識別情報に対応する機器を示す情報をネットワークを介して送信するように、通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【0019】
もしくは、上述したネットワークは、基地局を有するネットワークを含むことが望ましい。併せて、通信手段は、アクセスポイント受信手段と、基地局通信手段とを含むことが望ましい。アクセスポイント受信手段は、アクセスポイントが送信した電波を受信する。基地局通信手段は、基地局と通信する。併せて、抽出手段は、アクセスポイント受信手段が受信した電波から信号を抽出するための手段を含むことが望ましい。併せて、送信制御手段は、抽出手段が抽出した識別情報に対応する機器を示す情報を基地局に対し送信するように、基地局通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【0020】
また、上述した情報取得手段は、抽出手段と、測定手段とを含むことが望ましい。抽出手段は、通信手段が受信した電波から信号を抽出する。測定手段は、抽出手段が信号を抽出すると、抽出手段が抽出した信号に基づいて電波の強度を測定し、電波の強度を表わす強度情報を生成する。併せて、記憶手段は、強度情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶するための手段を含むことが望ましい。併せて、ティーチング制御手段は、機器を示す情報が入力された時に受信された電波に対応する強度情報と機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、記憶手段を制御するための手段を含むことが望ましい。併せて、送信制御手段は、強度情報と機器を示す情報とが記憶された後において、測定手段が強度情報を生成すると、測定手段が生成した強度情報に対応する機器を示す情報をネットワークを介して送信するように、通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【0021】
もしくは、上述した送信制御手段は、選択手段と、通信手段を制御するための手段とを含むことが望ましい。選択手段は、強度情報と機器を示す情報とが記憶された後において、測定手段が生成した強度情報に基づき、記憶手段が記憶した強度情報のいずれかを選択する。通信手段を制御するための手段は、記憶手段が記憶した強度情報の生成順序の少なくとも一部に選択手段による選択の順序が一致すると、選択手段が選択した強度情報に対応する機器を示す情報を、強度情報の生成順序に従ってネットワークを介して送信するように、通信手段を制御する。
【0022】
また、上述した記憶手段は、要素情報と機器を示す情報とを要素情報の取得順序に対応付けて記憶するための手段を含むことが望ましい。併せて、ティーチング制御手段は、要素情報と機器を示す情報とを要素情報の取得順序に対応付けて記憶するように、記憶手段を制御するための手段を含むことが望ましい。併せて、送信制御手段は、要素情報と機器を示す情報とが記憶された後において、情報取得手段が要素情報を取得し、かつ記憶手段が記憶した要素情報の取得順序の少なくとも一部に通信手段が受信した電波に対応する要素情報の取得順序が一致すると、情報取得手段が取得した要素情報に対応する機器を示す情報を、要素情報の取得順序に従ってネットワークを介して送信するように、通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る機器制御システムは、多くの消費電力を費やすことなく、適切なタイミングで機器の使用を開始させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る機器制御システムにおける通信を表わす概念図である。図1において、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とは、電柱に設置されている。A社の企業内アクセスポイント80と、B社の企業内アクセスポイント82と、C社の企業内アクセスポイント84とは、商業ビル52の中に設置されている。A社の駅構内アクセスポイント86と、B社の駅構内アクセスポイント88と、C社の駅構内アクセスポイント90とは、駅54の構内に設置されている。A社の店舗内アクセスポイント92と、B社の店舗内アクセスポイント94と、C社の店舗内アクセスポイント96とは、コンビニエンスストア56の中に設置されている。A社の図書館内アクセスポイント98と、B社の図書館内アクセスポイント100と、C社の図書館内アクセスポイント102とは、図書館62の中に設置されている。
【0026】
通信端末70を持ったユーザは、自宅64を出た後、図書館62の前、コンビニエンスストア56の前、および駅54の前を通って、自らが勤務する企業が入居している商業ビル52に入る。ユーザが図書館62の前を通り過ぎた時、コンビニエンスストア56の前を通り過ぎた時、駅54の前を通り過ぎた時、そして商業ビル52に到着した時に、通信端末70は、その企業のサーバ128を宛先としてメールを送信する。それらのメールには、機器情報が含まれている。本実施の形態において、「機器情報」とは、制御しようとする機器を示す情報のことである。また、本実施の形態において、「制御信号」とは、機器を制御するため、その機器に対し送信する、制御の目的に応じた情報を含む信号である。そのメールを受信したサーバ128は、ネットワークを介して自らに接続された機器に対して、制御信号を送信する。制御信号を受信した機器は制御信号が含む情報に応じた処理を開始する。本実施の形態では、そのような処理のうち、起動処理が開始されることとする。本実施の形態における「起動処理」は、ユーザの操作に応じて動作することが可能な状態になるための処理を意味する。
【0027】
なお、本実施の形態の場合、通信端末70はPHS(Personal Handyphone System)端末である。また、本実施の形態において、「基地局」という言葉が名称に含まれる装置は、通信端末70と電話網との間の通話・通信を中継する通信機を意味する。本実施の形態においては、このような通信機を「基地局」と総称する。また、「アクセスポイント」という言葉が名称に含まれる装置は、コンピュータとコンピュータネットワークとを中継する通信機を意味する。本実施の形態においては、このような通信機を「アクセスポイント」と総称する。アクセスポイントの名称における「〜社の」という言葉はアクセスポイントを用いて情報提供サービスを営む企業の名称を意味する。
【0028】
図2は、本実施の形態に係る機器制御システムの構成を表わす図である。図2を参照して、本実施の形態に係る機器制御システムは、通信端末70と、サーバ128とを含む。
【0029】
通信端末70は、アクセスポイントから電波として受信した信号や基地局から受信した電波に基づいて自らの所在地を判断し、自らの所在地が所定の場所であった場合、サーバ128を宛先とする機器情報を送信する。機器情報は、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76と、PHS接続装置120と、市内交換機122,126とを介して、サーバ128に送信される。機器情報の送信のために、通信端末70は、第1の基地局72、第2の基地局74、および第3の基地局76と、無線通信により信号のやり取りを行なう。
【0030】
本実施の形態の場合、通信端末70は、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76に機器情報を送信する。どの基地局に対して機器情報を送信するかということは、通信端末70の所在地に基づいて必然的に定まる。
【0031】
また、本実施の形態の場合、通信端末70は、A社の企業内アクセスポイント80、B社の企業内アクセスポイント82、C社の企業内アクセスポイント84、A社の駅構内アクセスポイント86、B社の駅構内アクセスポイント88、C社の駅構内アクセスポイント90、A社の店舗内アクセスポイント92、B社の店舗内アクセスポイント94、C社の店舗内アクセスポイント96、A社の図書館内アクセスポイント98、B社の図書館内アクセスポイント100、あるいはC社の図書館内アクセスポイント102から受信した電波に基づいて、自らの所在地を判断する。
【0032】
サーバ128は、機器情報を受信した場合、社内LANを介して接続された機器に制御信号を送信する。本実施の形態の場合、社内LANを介してサーバ128に接続された機器は、パーソナルコンピュータ104と、プリンタ106と、スキャナ108と、タイムレコーダ110とである。
【0033】
第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とは、PHS接続装置120に接続される。PHS接続装置120は、市内交換機122に接続される。市内交換機122,126は、中央制御局124に接続される。なお、中央制御局124は、図示しない市内電話網にも接続される。
【0034】
第1の基地局72、第2の基地局74、および第3の基地局76は、通信端末70からの信号を受信し、その受信した信号をPHS接続装置120へ送信する。また、第1の基地局72、第2の基地局74、および第3の基地局76は、PHS接続装置120からの信号を受信し、その受信した信号を通信端末70へ送信する。
【0035】
PHS接続装置120は、第1の基地局72、第2の基地局74、および第3の基地局76から受信した信号を市内交換機122へ送信するとともに、市内交換機122からの信号を第1の基地局72、第2の基地局74、および第3の基地局76へ送信する。
【0036】
市内交換機122は、PHS接続装置120からの信号を中央制御局124の制御に従って市内交換機126へ送信するとともに、市内交換機126からの信号を中央制御局124の制御に従ってPHS接続装置120へ送信する。
【0037】
市内交換機126は、サーバ128からの信号を中央制御局124の制御に従って市内交換機122へ送信するとともに、市内交換機122からの信号をサーバ128へ送信する。
【0038】
A社の企業内アクセスポイント80と、B社の企業内アクセスポイント82と、C社の企業内アクセスポイント84と、A社の駅構内アクセスポイント86と、B社の駅構内アクセスポイント88と、C社の駅構内アクセスポイント90と、A社の店舗内アクセスポイント92と、B社の店舗内アクセスポイント94と、C社の店舗内アクセスポイント96と、A社の図書館内アクセスポイント98と、B社の図書館内アクセスポイント100と、C社の図書館内アクセスポイント102とは、通信端末70に対して信号を送信する。本実施の形態の場合、これらのアクセスポイントは、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11にのっとって信号を送信する。
【0039】
なお、PHS接続装置120と、市内交換機122,126と、中央制御局124とのハードウェアおよびそれらが実施する制御は周知であるので、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
【0040】
図3は、通信端末70の構成を表わす図である。図3を参照して、通信端末70は、基地局アンテナ130と、LANアンテナ131と、送受信部132と、制御部134と、キー操作部136と、表示部138と、画像処理部140と、メモリ142と、カメラ144と、マイク146と、スピーカ148と、バス150とを含む。
【0041】
基地局アンテナ130は、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76を介して伝送される信号を受信するとともに、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76へ送受信部132からの信号を送信する。LANアンテナ131は、A社の企業内アクセスポイント80その他のアクセスポイントから電波として信号を受信するとともに、A社の企業内アクセスポイント80その他のアクセスポイントへ送受信部132からの信号を送信する。
【0042】
送受信部132は、基地局アンテナ130からの信号をベースバンド信号に変換してバス150へ出力するとともに、バス150からの信号を所定の方式に変調して基地局アンテナ130へ出力する。送受信部132は、LANアンテナ131からの信号をベースバンド信号に変換してバス150へ出力するとともに、バス150からの信号を所定の方式に変調してLANアンテナ131へ出力するユニットでもある。
【0043】
制御部134は、通信端末70を構成する各部を制御する。キー操作部136は、指示および文字データをユーザが入力する。表示部138は、各種の情報を視覚情報としてユーザに与える。画像処理部140は、カメラ144からの画像データをMPEG(Moving Picture Experts Group)によって圧縮するともに、MPEGによって圧縮された画像データを解凍する。メモリ142は、各種の情報を格納する。カメラ144は、風景、店の状況、および道路の交通状況などの映像を撮影する。マイク146は、制御部134が利用できる電気信号に音声を変換する。スピーカ148は、電気信号を音声に変換する。バス150は、通信端末70を構成する各ユニットとの間でデータの授受を行なう。
【0044】
送受信部132は、基地局復調部160と、測定部162と、基地局変調部164と、LAN復調部166と、LAN変調部168とを含む。
【0045】
基地局復調部160は、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76から受信した電波から、電気信号を復調するユニットである。測定部162は、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76から受信した電波の強度を測定するユニットである。本実施の形態において「電波の強度」とは、電界および磁界の少なくとも一方の大きさを意味する。この「電界および磁界」は、基地局アンテナ130が受信した電波により生じる電界や磁界を意味する。基地局変調部164は、第1の基地局72、第2の基地局74、あるいは第3の基地局76が復調できる信号にバス150からの信号を変調するユニットである。LAN復調部166は、アクセスポイントから電波として受信した信号を復調するユニットである。LAN変調部168は、アクセスポイントが復調できる信号にバス150からの信号を変調するユニットである。
【0046】
制御部134は、取得制御部182と、ティーチング制御部184と、送信制御部186とを含む。
【0047】
取得制御部182は、送信元が異なる電波それぞれについて要素情報を生成するように、測定部162を制御するユニットである。本実施の形態においては、強度情報と識別情報とを「要素情報」と総称する。強度情報と識別情報とについては後述する。ティーチング制御部184は、ユーザがキー操作部136を操作することで起動させる機器が選択されると、選択された機器を起動させるための機器情報と要素情報とを対応付けて記憶するように、メモリ142を制御するユニットである。ティーチング制御部184によって、複数の種類の要素情報が対応付けられる。送信制御部186は、要素情報の組み合わせに対応する機器情報を送信するように、基地局変調部164と基地局アンテナ130とを制御するユニットである。送信制御部186は、マイク146が電気信号に変換した人間の音声を送信するように、基地局変調部164と基地局アンテナ130とを制御するユニットでもある。
【0048】
取得制御部182は、抽出制御部210と、測定制御部212とを含む。抽出制御部210は、LANアンテナ131が受信した電波から復調によって信号を抽出するようにLAN復調部166を制御するユニットである。本実施の形態において、この信号が表わす情報は、送信元となるアクセスポイントを識別する識別情報である。本実施の形態の場合、この情報としてSSID(Service Set Identifier)が使用される。測定制御部212は、送信元が異なる電波それぞれについて強度情報を生成するように、基地局復調部160を制御する。本実施の形態における「強度情報」は、電波の強度を表わす情報を意味する。
【0049】
送信制御部186は、検出部190と、選択部192と、メール送信部194と、音声生成部196と、発呼部198と、音声送信部200と、遮断部202とを含む。
【0050】
検出部190は、時刻を検出する。選択部192は、メモリ142が予め記憶した選択情報のうち、基地局アンテナ130やLANアンテナ131が電波として受信した要素情報に対応する情報を選択する。メール送信部194は、選択部192が選択した選択情報をメールとして送信するように、基地局変調部164と基地局アンテナ130とを制御する。音声生成部196は、検出部190が検出した時刻を示す音声データを生成する。発呼部198は、呼出し信号を送信するように基地局アンテナ130と送受信部132とを制御する。音声送信部200は、呼出し信号に対応する応答信号を基地局復調部160が復調すると、時刻を示す音声データとメッセージとを送信するように基地局変調部164と基地局アンテナ130とを制御する。遮断部202は、時刻を示す音声データとメッセージとの送信が終了すると、通話の終了を示す信号を送信するように基地局変調部164と基地局アンテナ130とを制御する。
【0051】
図4は、サーバ128の構成を表わす図である。図4を参照して、サーバ128は、送受信部220と、制御部222と、キー操作部224と、表示部226と、メモリ228と、バス230とを含む。
【0052】
送受信部220は、市内交換機126から受信した信号をデジタル信号に変換してバス150へ出力するとともに、バス150からの信号をアナログ信号に変換して市内交換機126へ出力する。送受信部220は、パーソナルコンピュータ104その他の機器から受信したデジタル信号をバス150へ出力するとともに、バス150からのデジタル信号をパーソナルコンピュータ104その他の機器へ出力するユニットでもある。
【0053】
制御部222は、サーバ128を構成する各部を制御する。キー操作部224は、起動させようとする機器を示す情報をユーザが入力するユニットである。キー操作部224は、ユーザの操作に応じて、起動させようとする機器を示す情報に対応する信号を生成する。表示部226は、各種の情報を視覚情報としてユーザに与える。メモリ228は、各種の情報を格納する。格納される情報の一種には、送受信部220が受信する機器情報に対応する制御信号の情報がある。バス230は、サーバ128を構成する各ユニットとの間でデータの授受を行なう。
【0054】
送受信部220は、公衆通信部244と、ローカル通信部246とを含む。公衆通信部244は、次に述べるネットワークを介して通信端末70と通信するユニットである。そのネットワークとは、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76と、PHS接続装置120と、市内交換機122と、中央制御局124と、市内交換機126とによって構成される公衆通信用ネットワークである。ローカル通信部246は、パーソナルコンピュータその他の機器と通信するユニットである。
【0055】
制御部222は、通信制御部240と、信号生成部242とを含む。通信制御部240は、送受信部220を制御するための信号を生成したり、送受信部220が出力した情報を処理したりする。信号生成部242は、サーバ128の各部を制御するための信号その他の信号を生成する。パーソナルコンピュータ104その他送受信部220を介して接続された機器を制御するための信号を生成するのも信号生成部242である。
【0056】
図5を参照して、通信端末70で実行されるプログラムは、ティーチングに関し、以下のような制御を実行する。
【0057】
ステップS300にて、ティーチングをしようとするユーザは、通信端末70に機器情報を送信させようとする場所にその通信端末70を持って立ち、通信端末70のメーカが予め定めた手順に従ってキー操作部136を操作する。キー操作部136は、この操作に対応する信号を生成する。生成された信号は、ティーチング制御部184に出力される。ティーチング制御部184は、この信号が入力されると、表示部138を制御する。表示部138は、ティーチング制御部184の制御に従ってメッセージの入力を促す情報を表示する。
【0058】
この情報を見たユーザは、キー操作部136を操作することにより、起動させようとする機器を示す情報を入力する。その情報が入力されると、キー操作部136は、その情報に対応する信号を生成する。生成された信号は、ティーチング制御部184に出力される。ティーチング制御部184は、生成された信号に対応する情報をメモリ142に記憶させる。これにより、起動させようとする機器を示す情報がメモリ142に記憶されることとなる。
【0059】
本実施の形態の場合、起動させようとする機器を示す情報は、メモリ142の所定の領域に記憶される。本実施の形態においては、この領域を「基準領域」と称する。その情報が記憶されるアドレスは、その情報が記憶された順序に対応している。これにより、基準領域に記憶された起動させようとする機器を示す情報は、全体として機器を示す情報の入力順序を表わす情報としてもメモリ142に記憶されていることになる。
【0060】
機器を示す情報がメモリ142に記憶されると、ティーチング制御部184は、検出部190を制御する。検出部190は、ティーチング制御部184の制御に従って、時刻を検出する。検出された時刻を示す情報は、メモリ142の基準領域のうち、機器を示す情報が記憶されたアドレスに対して所定の関係を持つアドレスに記憶される。これにより、時刻の情報は機器を示す情報に対応付けて記憶されることとなる。
【0061】
時刻の情報が記憶されると、ティーチング制御部184は、表示部138を制御する。表示部138は、ティーチング制御部184の制御に従って通信端末70の現在位置を示す情報の入力を促す情報を表示する。
【0062】
この情報を見た操作者は、キー操作部136を操作することにより、通信端末70の現在位置を示す情報を入力する。その情報が入力されると、キー操作部136は、この情報に対応する信号を生成する。生成された信号は、ティーチング制御部184に出力される。ティーチング制御部184は、生成された信号に対応する情報をメモリ142の基準領域に記憶させる。これにより、位置情報がメモリ142に記憶されることとなる。位置情報も、時刻の情報と同様に機器を示す情報に対応付けられる。
【0063】
また、本実施の形態の場合、機器を示す情報と同様に、位置情報が記憶されるアドレスも、その情報が記憶される順序に対応している。その上、基準領域に記憶された位置情報は、位置情報が記憶されたアドレスの順序に従って読み出される。これにより、基準領域に記憶された位置情報は、全体として基準となる経路を表わす情報を構成していることとなる。
【0064】
ステップS302にて、基地局アンテナ130は、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とから、電波を受信する。その電波は基地局アンテナ130によって電気信号に変換され、基地局復調部160に出力される。測定制御部212は、基地局復調部160を制御する。基地局復調部160は、第1の基地局72からの電波を表わす電気信号と、第2の基地局74からの電波を表わす電気信号と、第3の基地局76からの電波を表わす電気信号とを、順次測定部162に出力する。測定部162は、それらの電波の強さを順次測定し、強度情報を生成する。強度情報は、ティーチング制御部184に出力される。
【0065】
LANアンテナ131は、アクセスポイントから電波を受信する。その電波はLANアンテナ131によって電気信号に変換され、LAN復調部166に出力される。抽出制御部210は、LAN復調部166を制御する。LAN復調部166は、アクセスポイントからの電波を表わす電気信号を、順次測定部162に出力する。この信号は、SSIDを示す。この信号は、ティーチング制御部184に出力される。
【0066】
ステップS304にて、ティーチング制御部184は、強度情報とSSIDを示す識別情報とをメモリ142の基準領域に記憶させる。これらの情報は、ステップS300にて記憶された情報が記憶されたアドレスに対して所定の関係を持つアドレスに記憶される。これにより、これらの情報は、ステップS300にて記憶された情報に対応付けて記憶されることとなる。ステップS300にて記憶された情報にこれらの情報が対応付けられたことにより、基準領域に記憶された情報は、機器を示す情報の入力順序を表わす情報としてだけでなく、要素情報の取得順序を表わす情報としてもメモリ142に記憶されていることになる。
【0067】
ステップS306にて、ティーチング制御部184は、メモリ142に記憶された識別情報の組み合わせの中に、同一の組み合わせが2組以上存在するか否かを判断する。2組以上存在すると判断した場合(ステップS306にてYES)、処理はステップS308へと移される。もしそうでないと(ステップS306にてNO)、処理は終了する。ステップS308にて、ティーチング制御部184は、メモリ142に記憶された識別情報の組み合わせのうち、ステップS304にて記憶された識別情報を削除する。
【0068】
図6を参照して、通信端末70で実行されるプログラムは、機器情報の送信に関し、以下のような制御を実行する。
【0069】
ステップS320にて、基地局アンテナ130は、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とから、電波を受信する。その電波は基地局アンテナ130によって電気信号に変換され、基地局復調部160に出力される。測定制御部212は、基地局復調部160を制御する。基地局復調部160は、測定制御部212の制御に従って、第1の基地局72からの電波を表わす電気信号と、第2の基地局74からの電波を表わす電気信号と、第3の基地局76からの電波を表わす電気信号とを、順次測定部162に出力する。測定部162は、それらの電波の強さを順次測定し、強度情報を生成する。強度情報は、選択部192に出力される。
【0070】
LANアンテナ131は、アクセスポイントから電波を受信する。その電波はLANアンテナ131によって電気信号に変換され、LAN復調部166に出力される。抽出制御部210は、LAN復調部166を制御する。LAN復調部166は、抽出制御部210の制御に従って、アクセスポイントからの電波を表わす電気信号を順次測定部162に出力する。この信号は、SSIDを示す。この信号も、選択部192に出力される。
【0071】
ステップS322にて、選択部192は、ステップS320にて入力された強度情報の組み合わせおよび識別情報の組み合わせと、メモリ142に記憶された強度情報の組み合わせおよび識別情報の組み合わせとを照合する。
【0072】
ステップS324にて、選択部192は、ステップS320にて入力された強度情報の組み合わせおよび識別情報の組み合わせの少なくとも一方と、メモリ142に記憶された強度情報の組み合わせおよび識別情報の組み合わせの少なくとも一方とが一致するか否かを判断する。本実施の形態の場合、選択部192は、識別情報の組み合わせが一致するか否かを判断した後、一致していなければ強度情報の組み合わせが一致するか否かを判断する。強度情報の組み合わせが一致するか否かを判断にあたっては、強度情報が表わす電波の強度が完全に一致していなくても、いずれの電波についても強度差が許容値の範囲内であったならば、強度情報の組み合わせが一致すると判断される。一致すると判断した場合(ステップS324にてYES)、処理はステップS326へと移される。もしそうでないと(ステップS324にてNO)、処理は終了する。
【0073】
ステップS326にて、選択部192は、次の情報を読み出す。その第1の情報は、メモリ142の基準領域に記憶された情報のうちステップS320にて入力された強度情報の組み合わせまたは識別情報の組み合わせに対応する位置情報である。第2の情報は、上述した「基準となる経路を表わす情報」である。メモリ142の基準領域においては、第1の情報は第2の情報の一部であるが、選択部192は、第2の情報とは別に第1の情報を読み出す。第3の情報は、通信端末70を保持したユーザがこのステップを実施している最中に辿っている経路を表わす情報である。この情報は、メモリ142の経路領域に記憶されている。経路領域については後述する。第1の情報、第2の情報、および第3の情報は、選択部192が内蔵する図示しないバッファに複写される。これらの情報が複写されると、選択部192は、上述した第2の情報から、第3の情報に一致する部分を削除する。第3の情報が記憶されていなかった場合、第2の情報は削除されない。第2の情報のうち削除されなかった部分は、通信端末70を保持したユーザがまだ到着していない場所を意味することとなる。これにより、選択部192は、それらの場所を特定できる。それらの場所が特定されると、選択部192は、第2の情報のうち削除されずに残った部分に基づいて、まだ到着していない場所のうち、最初に到着するはずの場所を特定する。要素情報の取得順序や機器情報の入力順序にこれらの情報が対応しているので、これらの情報に基づいて場所を特定することは可能である。その場所が特定されると、選択部192は、その場所を表わす情報と上述した第1の情報とを比較する。それらの情報が一致している場合、通信端末70を保持したユーザの経路が基準となる経路に一致していることを意味する。選択部192は、その結果に基づいて、通信端末70を保持したユーザの経路が基準となる経路に一致するか否かを判断する。一致すると判断した場合(ステップS326にてYES)、処理はステップS328へと移される。もしそうでないと(ステップS326にてNO)、処理はステップS336へと移される。
【0074】
ステップS328にて、選択部192は、メモリ142の経路領域に、第1の情報を複写する。「経路領域」とは、ステップS326の処理を実施する際、選択部192のバッファに上述した第1の情報として記憶されていた位置情報を記憶する領域を意味する。位置情報が記憶されるアドレスは、その情報が記憶される順序に対応している。また、経路領域に記憶されたユーザの経路を表わす情報は、位置情報が記憶されたアドレスの順序に従って読み出される。これにより、経路領域に記憶された位置情報は、全体として通信端末70を保持したユーザの経路を表わす情報を構成していることとなる。
【0075】
ステップS330にて、選択部192は、検出部190を制御する。検出部190は、選択部192の制御に従って、時刻を検出する。
【0076】
ステップS332にて、選択部192は、ステップS324にて一致すると判断した要素情報に対応する、起動しようとする機器を示す情報を読み出す。その情報が読み出されると、選択部192は、その情報を機器情報として自らが内蔵する図示しないバッファに記憶させる。機器情報が記憶されると、選択部192は、メールとして通信される情報を作成する。メールとして通信される情報は、機器情報を含む。
【0077】
ステップS334にて、選択部192は、メールとして通信される情報を送受信部132に出力する。その情報が出力されると、メール送信部194は、基地局アンテナ130と送受信部132とを制御する。基地局アンテナ130と送受信部132とは、メール送信部194の制御に従って、通信を確立している基地局にメールを送信する。メールの宛先はサーバ128である。本実施の形態の場合、サーバ128のメールアドレスは予めメモリ142に記憶されている。その基地局は、そのメールをPHS接続装置120に送信する。PHS接続装置120は、そのメールを市内交換機122に送信する。市内交換機122は、中央制御局124の制御に従ってそのメールを市内交換機126に送信する。市内交換機126は、そのメールをサーバ128に送信する。
【0078】
図7は、この時通信されるメールのフォーマットを表わす図である。このメールのフォーマットは、送信元の情報を含む領域と、データサイズの情報を含む領域と、送信時刻すなわちステップS330にて検出部190が検出した時刻の情報を含む領域と、送信先の情報を含む領域と、機器情報を含む領域とを備える。
【0079】
ステップS336にて、選択部192は、メモリ142の経路領域に記憶された情報をすべて消去する。
【0080】
図8を参照して、サーバ128で実行されるプログラムは、制御信号の送信に関し、以下のような制御を実行する。
【0081】
ステップS340にて、送受信部220の公衆通信部244は、市内交換機126からメールを受信する。このメールは通信端末70が送信したメールであることとする。通信制御部240は、受信されたメールが含む機器情報を自らが内蔵するバッファに一旦記憶させる。
【0082】
ステップS342にて、通信制御部240は、メモリ228が記憶した制御信号を表わす情報のうち、ステップS340にて受信した機器情報に対応する情報を読み出す。その情報が読み出されると、通信制御部240は、信号生成部242にその情報を出力する。信号生成部242は、その情報に基づいて、制御信号を生成する。信号生成部242は、生成された制御信号を通信制御部240に出力する。通信制御部240は、送受信部220のローカル通信部246を制御する。ローカル通信部246は、通信制御部240の制御に従い、その制御信号をパーソナルコンピュータ104などに送信する。
【0083】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、通信端末70の動作について説明する。
【0084】
[ティーチング]
ユーザは、通信端末70を持って自宅64の前に立ち、起動させようとする機器を示す情報と位置情報とを入力する。メモリ142は、それらの情報と時刻とを記憶する(ステップS300)。
【0085】
起動させようとする機器を示す情報などが記憶されると、基地局アンテナ130は、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とから、電波を受信する。測定部162は、それらの電波の強さを順次測定し、強度情報を生成する。LANアンテナ131は、最寄りのアクセスポイントから電波を受信しようとするが、電波を送信するアクセスポイントがないため、電波を受信できない(ステップS302)。
【0086】
強度情報が取得されると、メモリ142は、起動させようとする機器を示す情報などと強度情報とを対応付けて記憶させる(ステップS304)。
【0087】
強度情報などが記憶されると、ティーチング制御部184は、メモリ142に記憶された識別情報の組み合わせの中に、同一の組み合わせが2組以上存在するか否かを判断する(ステップS306)。この場合、識別情報が2組以上存在することはないとすると(ステップS306にてNO)、自宅64の前におけるティーチングが終了する。
【0088】
その後、ユーザは、コンビニエンスストア56の前に通信端末70を持って立ち、起動させようとする機器を示す情報と現在位置とを入力する。その後、ステップS300の処理を経て、基地局アンテナ130は、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とから、電波を受信する。測定部162は、それらの電波の強さを順次測定し、強度情報を生成する。LANアンテナ131は、アクセスポイントから電波を受信する。LAN復調部166は、SSIDを表わす電気信号をその電波から抽出する。これにより、識別情報をも抽出されることとなる(ステップS302)。
【0089】
強度情報や識別情報が取得されると、メモリ142は、強度情報とSSIDを示す識別情報と起動させようとする機器を示す情報と時刻と現在位置とを対応付けて記憶させる(ステップS304)。その後、ステップS306の処理が繰り返される。これにより、コンビニエンスストア56の前におけるティーチングが終了する。
【0090】
その後、ユーザは、駅54の前に通信端末70を持って立ち、起動させようとする機器を示す情報と現在位置とを入力する。その後、ステップS300からステップS304までの処理が繰り返される。ステップS304の処理が終了すると、ティーチング制御部184は、メモリ142に記憶された識別情報の組み合わせの中に、同一の組み合わせが2組以上存在するか否かを判断する(ステップS306)。この場合、最後に記憶された識別情報は、駅54に設置されたアクセスポイントが送信した情報である。この情報は、コンビニエンスストア56の前におけるティーチングの際に受信した情報の組み合わせとは異なる。これにより、メモリ142に記憶された識別情報の組み合わせの中に、同一の組み合わせが2組以上存在しないとすると(ステップS306にてNO)、駅54の前におけるティーチングが終了する。
【0091】
本実施の形態の場合、その後、ユーザは、商業ビル52の前で同様のティーチングを繰り返す。
【0092】
図9は、ティーチングが何度か実施された結果メモリ142の基準領域に記憶された情報を示す概念図である。図9から明らかなように、本実施の形態の場合、メモリ142の基準領域には、最大5箇所のアクセスポイントのSSIDと、最大5箇所の基地局の電波の強度を強度情報として記憶できる。SSIDを記憶できるアクセスポイントの数や電波の強度を記憶できる基地局の数は、これよりも多くても少なくてもよいことは言うまでもない。ただし、少なくとも3箇所の基地局からの電波の強度を記憶できることが望ましい。少なくとも3箇所の電波の強度に基づいて通信端末70ひいてはこれを所持する者の所在地を判断することで、精度よく所在地を判断できるためである。
【0093】
[機器を起動させる場合]
通信端末70を所持したユーザが、図1に示す自宅64を出て勤務先が入居する商業ビル52に向かったとする。基地局アンテナ130は、第1の基地局72と、第2の基地局74と、第3の基地局76とから、電波を受信する。測定部162は、それらの電波の強さを順次測定し、強度情報を生成する。LANアンテナ131は、最寄りのアクセスポイントから電波を受信しようとするが、電波を送信するアクセスポイントがないため、電波を受信できない(ステップS320)。
【0094】
強度情報が取得されると、選択部192は、ステップS320にて入力された強度情報の組み合わせと、メモリ142に記憶された強度情報の組み合わせとを照合する(ステップS322)。
【0095】
照合が終了すると、選択部192は、ステップS320にて入力された強度情報の組み合わせと、メモリ142に記憶された強度情報の組み合わせとが一致するか否かを判断する(ステップS324)。この場合、受信された電波の強度の組合わせとメモリ142が記憶した強度情報の組合わせとの間で、いずれの電波についても強度差が許容値の範囲内であったとすると(ステップS324にてYES)、選択部192は、次の情報を読み出す。その第1の情報は、メモリ142の基準領域に記憶された情報のうちステップS320にて入力された強度情報の組み合わせに対応する位置情報である。第2の情報は、上述した「基準となる経路を表わす情報」である。第3の情報は、通信端末70を保持したユーザがこのステップを実施している最中に辿っている経路を表わす情報である。
【0096】
この場合、第1の情報の内容は、「自宅前」という情報である。第1の情報が読み出されると、選択部192は、通信端末70を保持したユーザの経路が基準となる経路に一致するか否かを判断する(ステップS326)。この場合、まだ到着していない場所のうち、最初に到着するはずの場所は「自宅前」であり、上述した第1の情報の内容は「自宅前」なので(ステップS326にてYES)、選択部192は、メモリ142の経路領域に位置情報を追加する(ステップS328)。
【0097】
位置情報が追加されると、検出部190は、選択部192の制御に従って、時刻を検出する(ステップS330)。
【0098】
時刻が検出されると、選択部192は、ステップS324にて一致すると判断した要素情報に対応する、起動しようとする機器を示す情報をメモリ142の基準領域から読み出す。その情報が読み出されると、選択部192は、メールとして通信される情報を作成する(ステップS332)。この時にメールとして通信される情報に含まれる機器情報は「プリンタ」という情報である。メールとして通信される情報が作成されると、基地局アンテナ130と送受信部132とは、メール送信部194の制御に従って、通信を確立している基地局にサーバ128を宛先とするメールを送信する(ステップS334)。
【0099】
メールが送信されると、サーバ128の公衆通信部244は、そのメールを受信する(ステップS340)。メールが受信されると、通信制御部240は、メモリ228が記憶した制御信号を表わす情報のうち、機器情報に対応する制御信号を送受信部220のローカル通信部246に送信させる(ステップS342)。これにより、プリンタ106は起動処理を開始する。
【0100】
以上のようにして、本実施の形態に係る通信端末70は、所定の場所に到着したりその場所を通過したりすると、その場所に到着したりその場所を通過したりするまでの経路が適切な場合に限りサーバ128に対してメールを送信する。これにより、サーバ128に接続された機器は通信端末70の経路に対応する順序で起動処理を開始することとなる。そのような順序で起動処理が実施されるので、適切な場所で機器情報を送信するようにティーチングを行うと、適切なタイミングで機器を起動させることも容易にできる。適切なタイミングで機器が起動すると、その機器が待機している間の消費電力は最小限に抑制される。その結果、多くの消費電力を費やすことなく、最適なタイミングで複数の機器の使用を開始させることができる機器制御システムを提供することができる。
【0101】
また、本実施の形態に係る通信端末70は、受信した電波から抽出された識別情報が、メモリ142に記憶された識別情報と一致した場合、その識別情報に対応する機器情報を送信する。識別情報は、電波の強度に比べ、一致しているか否かが明確に判断される。これにより、通信端末70を保持する者の現実の所在地と識別情報に基づいて特定される場所とが異なる可能性はかなり小さくなる。
【0102】
また、本実施の形態に係る通信端末70は、受信した識別情報が、メモリ142に記憶された識別情報と一致した場合、基地局に対し機器情報を送信する。1台のアクセスポイントとの通信が可能な空間は1台の基地局と通信できる空間に比べて一般的に小さい。アクセスポイントに限らず、機器情報の送信に用いる電波よりも所在地の判断に用いる電波の送信元における強度が小さい場合、同様のことが言える。この場合、所在地に関する誤差は基地局を利用して判断する場合に比べ大幅に小さくなる。一方、アクセスポイントを利用してサーバ128と迅速に通信することは、基地局を利用して通信することに比べ容易ではない。ログインその他アクセスポイントを利用して通信するための手続きが必要なためである。通信端末70のように基地局を利用してメールを送信すると、迅速な通信が可能になる。その結果、精度が高い制御を迅速に実施できる機器制御システムを提供できる。
【0103】
また、本実施の形態に係る通信端末70は、受信された電波の強度とメモリ142に記憶された電波の強度との間で、強度差が許容値の範囲内であった場合、機器情報を送信する。識別情報を表わさない電波が送信されている地域は、そのような情報を表わす電波が送信されている地域に比べ極めて広い。これにより、電波の強度に基づいて通信端末70を保持する者の所在地を判断すると、識別情報に基づいて通信端末70を保持する者の所在地を判断する場合に比べ、多種多様な場所でメッセージを送信させることができる。その結果、多種多様なタイミングで機器を制御できる機器制御システムを提供することができる。
【0104】
なお、第1の変形例として、ステップS334において、メール送信部194は、LANアンテナ131と送受信部132とを制御してもよい。この場合、インターネットを用いた擬似メールとして、選択部192が生成した、サーバ128を宛先とするメールは送信される。図10は、この変形例における機器情報と制御信号との経路を示す概念図である。図11は、この変形例に係る機器制御システムを家電機器に適用した場合の機器情報と制御信号との経路を示す概念図である。ちなみに、図11に示した変形例と同様に、図2に示した機器制御システムにおいても、赤外線信号を送信する装置にサーバ128が制御信号を送信することで、ネットワークに直接接続することができない機器を間接的に制御してもよい。この場合、赤外線を送信する装置は、サーバ128から制御信号を受信する受信装置と、赤外線信号が含むべき情報を記憶する記憶装置と、ネットワークに直接接続することができない機器に赤外線信号を送信する送信装置とを含むこととなる。
【0105】
また、第2の変形例として、通信端末70は、携帯電話その他の通信端末であってもよい。
【0106】
また、第3の変形例として、SSIDに代え、ESSID(Extended Service Set Identifier)が利用されてもよい。
【0107】
また、第4の変形例として、通信端末70は、取得された要素情報の組み合わせと、メモリ142に記憶された要素情報の組み合わせとが一致すると、それまでの通信端末70の経路の如何に関わらず、その要素情報の組み合わせに対応する、起動しようとする機器を示す情報を送信してもよい。
【0108】
また、第5の変形例として、通信端末70は、要素情報の組み合わせが一致するか否かを判断するのではなく、1種類の要素情報が一致するか否かを判断してもよい。さらに、通信端末70は、ステップS324にて説明したように要素情報が一致するか否かを判断することに代え、アクセスポイントとの接続が確立されたか否かやアクセスポイントとの接続が切断されたか否かを判断してもよい。この場合には、接続後一定時間が経過したか否かや接続の遮断後一定の時間が経過したか否かに基づいて判断が実施されてもよい。さらに、サーバ128は、1台の通信端末70から機器情報を受信したことではなく、複数代の通信端末70から機器情報を受信したことに応じて、制御信号を送信してもよい。
【0109】
また、第6の変形例として、サーバ128は、通信端末70から受信した機器情報がサーバ128自身を表わす場合、その機器情報を受信したことに応じた動作を行ってもよい。そのような動作の例として、たとえばサーバ128が記憶している情報のバックアップがある。
【0110】
また、第7の変形例として、サーバ128が担当している機能を、パーソナルコンピュータ104その他の機器が保有してもよい。この場合、通信端末70が送信したメールはそれらの機器がそれぞれ直接受信し、自分自身に宛てたメールと判断した機器が機器情報に応じた動作をその機器がそれぞれ持つ動作実行用ユニットによって実施することとなる。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本実施の形態に係る機器制御システムにおける通信を表わす概念図である。
【図2】本実施の形態に係る機器制御システムの構成を表わす図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る通信端末の構成を表わす図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るサーバの構成を表わす図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るティーチング処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る機器情報の送信処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るメールのフォーマットを表わす図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る制御信号の送信処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係るティーチングが何度か実施された結果メモリの基準領域に記憶された情報を示す概念図である。
【図10】本発明の実施の形態の第1の変形例に係る機器情報と制御信号との経路を示す第1の概念図である。
【図11】本発明の実施の形態の第1の変形例に係る機器情報と制御信号との経路を示す第2の概念図である。
【符号の説明】
【0113】
52 商業ビル、54 駅、56 コンビニエンスストア、62 図書館、64 自宅、70 通信端末、72 第1の基地局、74 第2の基地局、76 第3の基地局、80 A社の企業内アクセスポイント、82 B社の企業内アクセスポイント、84 C社の企業内アクセスポイント、86 A社の駅構内アクセスポイント、88 B社の駅構内アクセスポイント、90 C社の駅構内アクセスポイント、92 A社の店舗内アクセスポイント、94 B社の店舗内アクセスポイント、96 C社の店舗内アクセスポイント、98 A社の図書館内アクセスポイント、100 B社の図書館内アクセスポイント、102 C社の図書館内アクセスポイント、104 パーソナルコンピュータ、106 プリンタ、108 スキャナ、110 タイムレコーダ、120 PHS接続装置、122,126 市内交換機、124 中央制御局、128 サーバ、130 基地局アンテナ、131 LANアンテナ、132,220 送受信部、134,222 制御部、136,224 キー操作部、138,226 表示部、140 画像処理部、142,228 メモリ、144 カメラ、146 マイク、148 スピーカ、150,230 バス、160 基地局復調部、162 測定部、164 基地局変調部、166 LAN復調部、168 LAN変調部、182 取得制御部、184 ティーチング制御部、186 送信制御部、190 検出部、192 選択部、194 メール送信部、196 音声生成部、198 発呼部、200 音声送信部、202 遮断部、210 抽出制御部、212 測定制御部、240 通信制御部、242 信号生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を有するネットワークを介して情報を通信する通信端末と、
前記ネットワークを介して前記通信端末から機器を示す情報を受信すると前記機器に対して制御信号を送信する機器制御装置とを含む機器制御システムであって、
前記通信端末は、
アクセスポイントが送信した電波を受信するためのアクセスポイント受信手段と、
前記基地局と通信するための基地局通信手段と、
前記アクセスポイント受信手段が受信した前記電波から信号を抽出するための抽出手段と、
前記機器を示す情報を入力するための入力手段と、
前記信号が示す識別情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するための記憶手段と、
前記通信手段、前記情報取得手段、および前記記憶手段を制御するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、
前記機器を示す情報が前記入力手段に入力されると、前記機器を示す情報が入力された時に受信された前記電波に対応する前記識別情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、前記記憶手段を制御するためのティーチング制御手段と、
前記識別情報と前記機器を示す情報とが記憶された後において、前記抽出手段が前記識別情報を抽出すると、前記抽出手段が抽出した前記識別情報に対応する前記機器を示す情報を前記基地局に対し送信するように、前記基地局通信手段を制御するための送信制御手段とを含み、
前記機器制御装置は、
前記ネットワークを介して前記通信端末から前記機器を示す情報を受信するための受信手段と、
前記受信手段が前記機器を示す情報を受信すると、前記機器に対し制御信号を送信するための送信手段とを含む、機器制御システム。
【請求項2】
ネットワークを介して情報を通信する通信端末と、
前記ネットワークを介して前記通信端末から機器を示す情報を受信すると前記機器に対して制御信号を送信する機器制御装置とを含む機器制御システムであって、
前記通信端末は、
通信するための通信手段と、
前記通信手段が受信した電波から前記電波に対応する要素情報を取得するための情報取得手段と、
前記機器を示す情報を入力するための入力手段と、
前記要素情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するための記憶手段と、
前記通信手段、前記情報取得手段、および前記記憶手段を制御するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、
前記機器を示す情報が前記入力手段に入力されると、前記機器を示す情報が入力された時に受信された前記電波に対応する前記要素情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、前記記憶手段を制御するためのティーチング制御手段と、
前記要素情報と前記機器を示す情報とが記憶された後において、前記情報取得手段が前記要素情報を取得すると、前記情報取得手段が取得した前記要素情報に対応する前記機器を示す情報を前記ネットワークを介して送信するように、前記通信手段を制御するための送信制御手段とを含み、
前記機器制御装置は、
前記ネットワークを介して前記通信端末から前記機器を示す情報を受信するための受信手段と、
前記受信手段が前記機器を示す情報を受信すると、前記機器に対し制御信号を送信するための送信手段とを含む、機器制御システム。
【請求項3】
前記情報取得手段は、前記通信手段が受信した電波から信号を抽出するための抽出手段を含み、
前記記憶手段は、前記信号が示す識別情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するための手段を含み、
前記ティーチング制御手段は、前記識別情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、前記記憶手段を制御するための手段を含み、
前記送信制御手段は、前記識別情報と前記機器を示す情報とが記憶された後において、前記抽出手段が前記識別情報を抽出すると、前記抽出手段が抽出した前記識別情報に対応する前記機器を示す情報を前記ネットワークを介して送信するように、前記通信手段を制御するための手段を含む、請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記ネットワークは、基地局を有するネットワークを含み、
前記通信手段は、
アクセスポイントが送信した電波を受信するためのアクセスポイント受信手段と、
前記基地局と通信するための基地局通信手段とを含み、
前記抽出手段は、前記アクセスポイント受信手段が受信した前記電波から前記信号を抽出するための手段を含み、
前記送信制御手段は、前記抽出手段が抽出した前記識別情報に対応する前記機器を示す情報を前記基地局に対し送信するように、前記基地局通信手段を制御するための手段を含む、請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記情報取得手段は、
前記通信手段が受信した電波から信号を抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段が前記信号を抽出すると、前記抽出手段が抽出した信号に基づいて前記電波の強度を測定し、前記電波の強度を表わす強度情報を生成するための測定手段とを含み、
前記記憶手段は、前記強度情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するための手段を含み、
前記ティーチング制御手段は、前記機器を示す情報が入力された時に受信された前記電波に対応する前記強度情報と前記機器を示す情報とを対応付けて記憶するように、前記記憶手段を制御するための手段を含み、
前記送信制御手段は、前記強度情報と前記機器を示す情報とが記憶された後において、前記測定手段が前記強度情報を生成すると、前記測定手段が生成した前記強度情報に対応する前記機器を示す情報を前記ネットワークを介して送信するように、前記通信手段を制御するための手段を含む、請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記送信制御手段は、
前記強度情報と前記機器を示す情報とが記憶された後において、前記測定手段が生成した前記強度情報に基づき、前記記憶手段が記憶した前記強度情報のいずれかを選択するための選択手段と、
前記記憶手段が記憶した前記強度情報の生成順序の少なくとも一部に前記選択手段による選択の順序が一致すると、前記選択手段が選択した前記強度情報に対応する前記機器を示す情報を、前記強度情報の生成順序に従って前記ネットワークを介して送信するように、前記通信手段を制御するための手段とを含む、請求項5に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記要素情報と前記機器を示す情報とを前記要素情報の取得順序に対応付けて記憶するための手段を含み、
前記ティーチング制御手段は、前記要素情報と前記機器を示す情報とを前記要素情報の取得順序に対応付けて記憶するように、前記記憶手段を制御するための手段を含み、
前記送信制御手段は、前記要素情報と前記機器を示す情報とが記憶された後において、前記情報取得手段が前記要素情報を取得し、かつ前記記憶手段が記憶した前記要素情報の取得順序の少なくとも一部に前記通信手段が受信した前記電波に対応する前記要素情報の取得順序が一致すると、前記情報取得手段が取得した前記要素情報に対応する前記機器を示す情報を、前記要素情報の取得順序に従って前記ネットワークを介して送信するように、前記通信手段を制御するための手段を含む、請求項2に記載の機器制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−141512(P2008−141512A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326042(P2006−326042)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】