機器制御装置、制御プログラム、記録媒体、機器制御方法、および機器制御システム
【課題】ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する。
【解決手段】制御装置10は、再生機器の特徴情報を生成する映像解析部123と、再生機器対応関係テーブル110を参照して、上記特徴情報に対応する機器名称を特定する機器特定部121と、該機器名称を用いて再生機器を制御する外部機器制御部120とを備えている。
【解決手段】制御装置10は、再生機器の特徴情報を生成する映像解析部123と、再生機器対応関係テーブル110を参照して、上記特徴情報に対応する機器名称を特定する機器特定部121と、該機器名称を用いて再生機器を制御する外部機器制御部120とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に対象機器を認識させ、制御させる技術に関し、より詳細には対象機器を電子機器が認識するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DLNA(Digital Living Network Alliance)規格などの普及により、ホームネットワークにてコンテンツを相手機器に提供するサーバの機能を有するサーバ機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットなど)と、上記コンテンツを再生したり、コピー・移動したりする相手機器(例えば、テレビ、オーディオ機器、録画機器などのAV機器)とをネットワーク経由で接続・連携させて利用する機会が増えている。たとえば、スマートフォンがサーバ機器となり、テレビが相手機器となり、スマートフォンが提供する写真・音楽・動画などのコンテンツをテレビで再生する機能が開発されている。
【0003】
上記サーバ機器と相手機器とを連携させる際、サーバ機器内のコンテンツをどの相手機器で再生(またはコピー、移動)するかを予め決定しておく必要がある。すなわち、予め相手機器を特定する必要がある。
【0004】
通常は、ホームネットワーク連携機能を利用する前に、相手機器を特定するための制御機器でホームネットワーク内の機器を検索し、表示されたリストから相手機器として使いたい機器を1つ選択する。
【0005】
しかしながら、ホームネットワーク連携機能が普及するに従い、家庭内に存在するネットワーク対応機器の数も増大している。よって、表示された機器の数が多くなることがある。また、表示されたリストは、通常、機器のシリアル番号や、製品番号などで表示されるため、どのシリアル番号がどの機器に対応するかはユーザにとって分かり難い。
【0006】
また、このような機器では、相手機器を登録しておくことができるが、このような登録を行ったとしても、登録されていない機器でサーバ機器のコンテンツを再生する必要が生じることがある。そして、このような場合には、やはり上記のような選択を行う必要があり、操作が煩雑となる。
【0007】
このような問題を解決する先行技術文献としては、例えば以下の特許文献1〜3が挙げられる。
【0008】
特許文献1では、ホームネットワーク機器にユーザに認識しやすい第2識別情報(別名)を与えることで、ユーザが所望の機器を特定できるようにしている。
【0009】
また、特許文献2では、バーコードを機器の筐体に貼付しておき、携帯型情報処理端末のカメラでそのバーコードを撮影することで、その機器を特定するようにしている。
【0010】
また、特許文献3では、機器のディスプレイに情報コード画像を表示し、ユーザが電子カメラでその情報コード画像を撮影することで、その機器を特定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−283524号公報(2003年10月3日公開)
【特許文献2】特開2001−142825号公報(2001年5月25日公開)
【特許文献3】特開2007−274567号公報(2007年10月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に開示された技術では、どの機器にどの別名を与えたかをユーザが忘れてしまった場合には、ユーザは所望の機器を選ぶことができないので、ユーザは別名を確実に覚えておく必要がある。また、各機器について、別名を設定する作業は多くのユーザにとって面倒な作業である。つまり、特許文献1の技術は、ユーザに対する負担が発生するという問題がある。
【0013】
また、特許文献2および特許文献3に開示された技術では、上記特許文献1のような問題は生じないが、特許文献2に開示された技術では、バーコードを機器の筐体に貼付しなければならず、機器の美観を損ねる。また、特許文献3に開示された技術は、ディスプレイを持たない機器の選択には適用できない。つまり、これらの文献の技術は、機器の外観を変化させる必要がある点に問題がある。
【0014】
このように、従来技術では、ユーザがその目の前にある機器を選択したいときであっても、その機器を電子機器に認識させることが容易でないため、機器の選択が困難であるという問題があった。
【0015】
つまり、ある対象機器があったとき、ユーザはこれを目で見て認識することができるが、電子機器はこのような認識ができないため、電子機器にこの対象機器を認識させるためには、電子機器が対象機器を識別するための識別情報をその機器に特定させる必要がある。そして、従来技術では、このような識別情報を機器に特定させるために、識別情報と機器の別名とを対応付けて、別名から機器を選択できるようにしたり(特許文献1)、識別情報を示すバーコードを貼り付けたり(特許文献2)、識別情報をディスプレイに表示したり(特許文献3)しているが、何れも上述のような問題がある。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御することのできる特定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明に係る機器制御装置は、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定手段と、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の機器制御方法は、上記課題を解決するために、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置による機器制御方法であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成ステップで生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定ステップと、上記識別情報特定ステップで特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0019】
また、本発明の機器制御システムは、上記課題を解決するために、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御システムであって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成装置と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成装置が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置とを含むことを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、対象機器を撮影した画像に基づいて対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する。そして、対応情報を参照して、生成した特徴情報に対応する識別情報を対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する。
【0021】
したがって、ユーザは、対象機器を撮影した画像を上記特定装置に入力するという極めて簡単な作業により、その対象機器の識別情報を機器制御装置に特定させることができる。また、対象機器の外観上の特徴に基づいて識別情報の特定を行うため、バーコードを貼り付ける従来技術のように対象機器の外観を損ねることもなく、ディスプレイを持たない対象機器についても識別情報の特定が可能である。
【0022】
つまり、上記の構成によれば、ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御することができるという効果を奏する。
【0023】
また、上記識別情報特定手段は、特定した識別情報を、上記画像中に上記対象機器と対応付けて表示することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、対象機器とその識別情報との対応付けをユーザに一目で認識させることができる。これにより、例えば対象機器とその識別情報との対応付けが誤っていた場合等に、ユーザにこれを気付かせることもできる。
【0025】
また、上記機器制御装置は、ユーザの入力操作を受け付ける入力部と、上記入力部が、表示されている画像中の上記対象機器に対する入力操作を受け付けたときに、上記対象機器制御手段は、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて当該対象機器を制御することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、表示されている画像中の対象機器に対する入力操作を受け付けたときに、識別情報を用いてその対象機器に対する制御を行う。したがって、ユーザは、画像中の対象機器に対して入力操作を行うという直感的な操作で、その対象機器の動作を制御することができる。
【0027】
また、上記機器制御装置は、上記識別情報特定手段が、上記特徴情報に対応する識別情報を特定できなかった場合に、上記対象機器の識別情報の候補となる識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報と、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補から選択された識別情報とを対応付けて、上記対応情報を生成する対応情報生成手段とを備えていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、生成した特徴情報に対応する識別情報を特定できなかった場合に、対象機器の識別情報の候補となる識別情報を取得する。そして、生成した特徴情報と、取得した識別情報の候補から選択された識別情報とを対応付けて対応情報を生成する。
【0029】
つまり、上記の構成によれば、対象機器が、対応情報に特徴情報と識別情報とが対応付けて登録されていない機器であった場合に、その対応情報を生成する。したがって、対応情報を生成した後は、この対象機器の画像からその識別情報を特定することが可能になる。
【0030】
また、上記機器制御装置は、機器の識別情報と該機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報と、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報とを用いて、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補の中から、当該特徴情報と対応付ける識別情報を抽出する候補抽出手段を備えていることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、機器の識別情報と該機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報と、生成した特徴情報とを用いて、取得した識別情報の候補の中から識別情報を抽出する。
【0032】
ここで、機器は、機種やメーカー、型番等に応じて、その外観を決定付ける設計上の情報(例えば形状や色など)が決まっている。このため、上記の設計情報と、特徴情報を用いることによって、識別情報の候補の中から、特徴情報に対応する機器の識別情報を抽出することができる。
【0033】
これにより、識別情報の候補のうち、対象機器に対応している可能性の高い識別情報が抽出されることになる。つまり、識別情報の候補を絞り込むことができる。したがって、ユーザは、全ての識別情報の候補の中から選択する場合と比べて、容易に識別情報を選択することができる。
【0034】
また、上記対応情報に含まれる、機器の外観上の特徴を示す情報は、対象機器と他の機器との位置関係を示す位置関係情報を含み、上記特徴情報生成手段は、上記対象機器の画像に含まれる他の機器と対象機器との位置関係を示す位置関係情報を含む特徴情報を生成し、上記識別情報特定手段は、上記対応情報において、上記特徴情報生成手段が生成した特徴情報に含まれる位置関係情報と一致する位置関係情報が対応付けられた識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定することが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、対象機器と他の機器との位置関係を示す位置関係情報を利用するので、例えば対象機器がその外観上、他の機器と明瞭に区別できるような特徴点を有していないような場合であっても、対象機器の識別情報を特定することができる。なお、上記他の機器は、上記対応情報によって、その識別情報が特定されている機器であることが好ましい。これにより、対象機器と特定の機器との位置関係に基づいて識別情報を特定することができるので、特定の精度を高めることができる。
【0036】
なお、上記機器制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記機器制御装置の各手段として動作させることにより、上記機器制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【0037】
また、上記機器制御装置を備えているテレビジョン受像機であれば、上記機器制御装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明に係る機器制御装置は、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定手段と、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御手段とを備えている構成である。
【0039】
また、本発明に係る機器制御方法は、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置による機器制御方法であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成ステップで生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定ステップと、上記識別情報特定ステップで特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御ステップとを含む構成である。
【0040】
また、本発明の機器制御システムは、上記課題を解決するために、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御システムであって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成装置と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成装置が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置とを含む構成である。
【0041】
したがって、ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、当該実施形態に係る制御機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態に係るホームネットワークのシステム構成の一例を示す図である。
【図3】上記制御機器にてサーバ機器にあるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを再生させる再生機器を選ぶときに、制御機器が表示する画面の遷移図である。
【図4】上記制御機器が初回の処理において表示する画面の遷移図である。
【図5】上記制御機器が2回目以降の処理において表示する画面の遷移図である。
【図6】上記制御機器が再生機器の識別に用いる再生機器対応関係テーブルの一例を示す図である。
【図7】上記再生機器の要部構成を示すブロック図である。
【図8】上記制御機器が実行する、再生機器の選択から、選択した再生機器に再生を行わせるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態に係るDLNA規格に対応したホームネットワークのシステム構成例を示す図である。
【図10】上記他の実施形態にかかる制御機器が、初回の処理において表示する画面の遷移図である。
【図11】上記制御機器が再生機器の絞り込みに用いる、再生機器の外観を示す設計上の情報と機器特定情報とを対応付けた設計情報テーブルの一例を示す図である。
【図12】上記制御機器の要部構成を示すブロック図である。
【図13】上記制御機器が、再生機器の映像を取得してから、再生機器で再生するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態に係る制御機器(機器制御装置)10について、図1から図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0044】
(システム構成)
本実施形態に係る制御機器10は、ホームネットワークに接続して使用されるものであるから、ここではまず、ホームネットワークのシステム構成について、図2に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかるホームネットワークのシステム構成の一例を示す図である。
【0045】
図2に示すように、このシステムには、制御機器10と、サーバ機器20と、ルータ30と、再生機器(対象機器)40と、再生機器50と、再生機器60とが含まれる。これらの機器が互いに通信可能に接続されて、ホームネットワークが構成される。なお、ここでは、制御機器10、サーバ機器20、および再生機器40、50、60が何れもDLNA対応機器であり、DLNAによりホームネットワークを構成した例を説明する。
【0046】
制御機器10は、サーバ機器20のコンテンツ一覧を表示し、ユーザの操作によって、再生するコンテンツを決定し、再生機器を特定し、再生するコンテンツを再生機器に伝えるものである。すなわち、DLNA規格において、DMC(Digital Media Controller)と呼ばれるものである。制御機器10は、例えばスマートフォンであってもよい。
【0047】
サーバ機器20は、ホームネットワーク内の再生機器にコンテンツを送信するものである。すなわち、DLNA規格において、DMS(Digital Media Server)と呼ばれるものである。
【0048】
ルータ30は、ホームネットワークにおける通信を中継する装置であり、無線アクセスポイントとしても機能する。制御機器10はこの無線アクセスポイント機能を利用してホームネットワークに接続する。また、ルータ30は、インターネット等の異なるネットワークとホームネットワークとを接続する。
【0049】
再生機器40、50、60は、サーバ機器20からコンテンツを取得して再生するものである。すなわち、DLNA規格において、DMP(Digital Media Player)またはDMR(Digital Media Renderer)と呼ばれるものである。ここで、再生機器40および50は、何れも写真、音楽、映像を再生するものとする。これらの再生機器は、例えばテレビであってもよい。また、再生機器60は、音楽等の音声データを再生する例えばオーディオのような機器である。
【0050】
なお、図2に示した各機器については、異なる機器として実現されるものに限らず、複数の機能を備える1つの機器として実現されてもよい。1つの機器として実現される場合には、例えば、制御機器10がスマートフォンであれば、サーバ機器20としても機能させることができる。
【0051】
(ホームネットワークで行われる処理の概要)
ユーザは、サーバ機器20にあるコンテンツ(写真、音楽、映像)を再生するとき、まず、制御機器10にて、ルータ30を介して通信を行うことにより、サーバ機器20にあるコンテンツの内、再生したいコンテンツを選択する。また、選択したコンテンツを再生させる再生機器(40、50、60)を特定する。そして、制御機器10は、サーバ機器20に命令し、ユーザによって選択されたコンテンツを、ユーザが選択した再生機器に送信させ、該再生機器に再生させる。
【0052】
詳細は後述するが、制御機器10は、ユーザが再生機器の選択を極めて容易かつ確実に行うことができるという特徴点を有している。
【0053】
(制御機器の処理概要)
次に、再生機器でコンテンツを再生させる際の制御機器10の処理概要を説明する。上述のように、再生機器でコンテンツを再生させるためには、再生対象のコンテンツをサーバ機器20から選択し、このコンテンツを再生させる再生機器(再生機器40、50、60の何れか)を選択する。
【0054】
(1.コンテンツおよび再生機器を選ぶ処理)
まず、制御機器10にて、コンテンツおよび再生機器を選ぶときの処理について、図3に基づいて説明する。図3は、制御機器10にてサーバ機器20にあるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを再生させる再生機器を選ぶときに、制御機器10が表示する画面の遷移図である。
【0055】
図3に示すように、ユーザは、まず、制御機器10の画面D10にて、コンテンツのあるサーバ機器20と、コンテンツの種類とを選ぶ。ここでは、ユーザは、画面D10にて、「サーバ2」および「写真」を選んだとする。これにより、画面はD11に遷移する。
【0056】
画面D11は、コンテンツの選択画面である。ユーザは、この画面D11にて、再生したいコンテンツを選ぶ。ここでは、ユーザは「写真2」を選んだとする。コンテンツが選択されると、画面はD12に遷移する。
【0057】
画面D12では、ユーザが選択した写真を表示するとともに、「外部機器で再生する」という選択肢をユーザに提示する。ここで、ユーザが上記「外部機器で再生する」を選択した場合には、制御機器10は、画面D13を表示して、予め記憶されている再生機器のリストを表示するとともに、「カメラで選ぶ」という選択肢をユーザに提示する。
【0058】
画面D13にて、ユーザが「カメラで選ぶ」を選択した場合には、制御機器10が備えるカメラが自動的に起動する。そして、ユーザは、選びたい再生機器をカメラの撮影範囲に収める。これにより、撮影範囲に入った再生機器を制御機器10が特定するので、ユーザはこの再生機器をコンテンツの再生機器として容易に選択することができる。なお、カメラによる再生機器の特定については、以下で詳しく説明する。
【0059】
(2.再生機器を特定する処理)
次に、撮影した映像(画像)から再生機器を特定する処理について説明する。なお、制御機器10において、撮影した映像から再生機器を特定する処理は、初回の処理と2回目以降の処理とで異なっている。
【0060】
初回の処理では、撮影した再生機器の映像からその機器の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を示す特徴情報を生成する。そして、生成した特徴情報と、その再生機器を示す機器特定情報(識別情報)とを対応付ける。この処理は、これらの情報の対応付けがまだ行われていない再生機器の映像が、カメラで取得された場合に行われる。なお、ここでは機器特定情報として機器名称を用いる例を説明するが、機器特定情報は制御機器10やサーバ機器20、再生機器40、50、60等の電子機器が、当該機器を識別可能な情報であればよく、uuid等であってもよい。
【0061】
初回の処理では、カメラにより再生機器の映像を取得した後、制御機器10の画面に再生機器の機器名称のリストを表示し、映像中の再生機器に対応する機器名称をユーザに選択させる。そして、制御機器10は、選択された機器名称と、当該再生機器の特徴情報とを対応付けて後述の再生機器対応関係テーブル(対応情報、図6参照)に記憶する。
【0062】
また、2回目以降の処理とは、カメラで取得した映像中の再生機器については、その再生機器の特徴情報と、その再生機器の機器名称とが、上記初回の処理によって既に対応付けられている場合の処理である。2回目以降の処理において、ユーザがカメラで再生機器の映像を取得した後、制御機器10は、その映像から再生機器を認識する。そして、初回の処理で記憶された対応関係から、再生機器の特徴情報に対応付けられている再生機器の機器名称を読み込み、その再生機器の映像に重ねて表示する。
【0063】
以下では、初回の処理および2回目以降の処理について、図4および図5に基づいて、それぞれ詳細に説明する。図4は、初回の処理において、制御機器10が表示する画面の遷移図である。図5は、2回目以降の処理において、制御機器10が表示する画面の遷移図である。
【0064】
(2.1.初回の処理)
まず、初回の処理について説明する。ユーザは図2に示した画面D13にて、「カメラで選ぶ」を選択した場合、制御機器10が備えるカメラが起動し、映像の取得が開始される。これにより、図4に示すような画面D14が表示される。
【0065】
画面D14では、2つのテレビジョン受像機(以下、単にテレビと呼ぶ)の映像が表示されている。これは、カメラによって撮影されている映像であり、これらのテレビは再生機器である。上記2つのテレビは、いずれもその特徴情報と機器名称とが対応付けられていないため、図示のように、機器の映像とリスト(機器名称のリスト)とを対応付けることを促すメッセージが表示される。
【0066】
画面D14において、ユーザが1番のテレビを選択すると、画面D15に遷移して、ホームネットワーク内の再生機器の機器名称リストが表示される。ユーザは、画面D15において、1番のテレビに対応する機器名称を選ぶ。ここでは、「LC−20V5」を選んだとする。
【0067】
機器名称が選択されると、制御機器10は、1番のテレビの映像から、そのテレビの特徴(詳細は後述するが、例えば、サイズ、設置場所、色など)から、特徴情報を生成する。そして、生成した特徴情報と、上記ユーザによって選択された機器名称(「LC−20V5」)とを対応付けて、後述の再生機器対応関係テーブル(図6)に保存する。また、画面D16に示すように、対応付けが行われたことを示す「対応付けを保存しました」というメッセージをユーザに通知する。
【0068】
そして、2番のテレビについても、上記と同様にして、その特徴情報と機器名称「LC−60L5」とを対応付けて、後述の再生機器対応関係テーブル(図6)に保存する。これにより、画面D17に示すように、各テレビの映像に機器名称が重ねて表示される。ユーザは、この画面から再生機器を選択するので、機器名称から選ぶ場合と比べて、簡易かつ確実に所望の機器を選択することができる。
【0069】
(2.2.2回目以降の処理)
次に、図5に基づいて、2回目以降の処理について説明する。ユーザが図3に示した画面D13にて、「カメラで選ぶ」を選択すると、上述のように制御機器10の備えるカメラが起動する。このカメラの撮影範囲に再生機器が入るようにすれば、図5に示すような画面D18が表示される。
【0070】
画面D18の例では、カメラが2つのテレビの映像を取得し、当該2つのテレビが表示されている。そして、上記2つのテレビは、いずれもその特徴情報と機器名称とが対応付けられているため、テレビの映像にそのテレビの機器名称が重ねて表示されている。
【0071】
このように、対応付けが終了した後は、カメラの撮影範囲に入った機器については、カメラで取得された機器の映像に重畳してその機器の機器名称が表示される。したがって、ユーザはその機器の機器名称を確認した上で、表示されている映像に基づき、容易かつ確実に所望の機器を選択することができる。
【0072】
(制御機器の構成)
以下では、制御機器10の要部構成について、図1に基づいて説明する。
【0073】
図1は、制御機器10の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、制御機器10は、記憶部101、制御部102、映像取得部103、表示部104、入力部105、通信部106を備えている。また、図示していないが、制御機器10は、上記各部に加えて、さらに、対象物との距離を測る距離センサー、自機の位置情報を取得する位置取得装置(例えば、GPSなど)を備えてもよい。
【0074】
記憶部101は、制御機器10で使用する各種データを格納するものであり、再生機器対応関係テーブル110が格納されており、ホームネットワーク情報格納部111を含む。
【0075】
再生機器対応関係テーブル110は、上述のように、再生機器の映像に基づいて生成した特徴情報と、その再生機器を示す機器特定情報とが対応付けられた情報である。この再生機器対応関係テーブル110を参照することにより、映像中の再生機器の機器特定情報を特定することができる。つまり、再生機器対応関係テーブル110を参照することにより、制御機器10が映像中の再生機器を認識することができるようになる。
【0076】
ホームネットワーク情報格納部111は、ホームネットワークに接続される他の機器から受信した情報が格納される。具体的には、ホームネットワークにおいて接続が検出された再生機器のリストが格納される。また、ホームネットワーク内のサーバ機器20、およびそのサーバ機器20が有するコンテンツに関する情報についても、ホームネットワーク情報格納部111に格納してもよい。
【0077】
制御部102は、制御機器10の機能を統括して制御するものであり、外部機器制御部(対象機器制御手段)120、機器特定部(識別情報特定手段)121、再生機器情報管理部(識別情報取得手段、対応情報生成手段)122、映像解析部(特徴情報生成手段、特徴情報生成装置)123、表示制御部124、入力制御部125、通信制御部126を含む。
【0078】
外部機器制御部120は、制御機器10の外部の機器、より詳細にはホームネットワーク内の他の機器を制御する。具体的には、外部機器制御部120は、図2の再生機器40、50、60に命令を送信することにより、該機器にサーバ機器20からコンテンツを取得させてこれを再生させる。
【0079】
機器特定部121は、制御機器10の外部の機器の機器特定情報を特定する。具体的には、サーバ機器20が送信するコンテンツを再生させることのできる再生機器(ここでは再生機器40、50、60)のうち、映像取得部103によって映像が取得されている機器について、その機器特定情報を特定する。
【0080】
再生機器情報管理部122は、特徴情報と機器特定情報とを対応付けて対応情報を生成する。具体的には、映像解析部123が生成した特徴情報と、ユーザが選択した機器特定情報とを対応付けて再生機器対応関係テーブル110に記憶する。
【0081】
映像解析部123は、映像取得部103から入力された映像を解析し、該映像から再生機器を検出し、検出した再生機器の特徴情報を生成するものである。この特徴情報は、再生機器の外観上の特徴を示すものであり、映像中から特定の機器を識別して検出することができるものであればよい。例えば、再生機器の色を示す情報であってもよいし、形状を示す情報であってもよい。
【0082】
また、制御機器10が距離センサーを備えている場合、映像解析部123は、距離センサーによって測定された再生機器までの距離と、映像中における再生機器のサイズとに基づいて、再生機器の実際のサイズを推算し、これを特徴情報として生成してもよい。
【0083】
なお、特徴情報は、再生機器それ自体の外観的特徴を示すものに限られず、映像中における再生機器の背景に関するものであってもよい。再生機器には、テレビ等のように据え置き型のものが多く、このような機器を撮影したときの背景は概ね変化がないことが多いためである。例えば、映像取得部103が複数の再生機器の映像を取得した場合に、登録の対象となる再生機器と、その近隣(例えば、右隣、左隣など)の再生機器との位置関係を示す位置関係情報を特徴情報として生成してもよい。
【0084】
また、制御機器10が位置取得装置を備えている場合には、位置取得装置によって取得された位置情報を、特徴情報を補足するための情報として記憶しておいてもよい。これにより、例えば外観が同一の再生機器が、別の位置(例えば別の部屋)にあるような場合に、これらの機器を区別することができる。
【0085】
表示制御部124は、表示部104に画像(動画像または静止画像)を表示させるものである。また、入力制御部125は、入力部105で受け付けた入力操作の内容を示す制御情報を生成し、機器特定部121等の制御部102内の他の構成要素に送信する。そして、通信制御部126は、通信部106を介した通信を制御する。
【0086】
映像取得部103は、画像を撮影するためのものである。ここでは、映像取得部103が静止画像を撮影可能なカメラであるとして説明する。制御機器10では、映像取得部103を、選びたい再生機器の映像を取得するために利用する。
【0087】
表示部104は映像を表示するものであり、入力部105はユーザの入力操作を受け付けるものである。これらは、タッチパネルとして一体に構成されていてもよい。
【0088】
通信部106は、制御機器10が他の機器と通信するためのインターフェースである。具体的には、制御機器10は通信部106を介してホームネットワーク内の他の機器(サーバ機器20や再生機器40、50、60)と通信する。また、通信部106を介してインターネット等の外部のネットワークに接続することもできる。
【0089】
(再生機器対応関係テーブル)
次に、再生機器対応関係テーブル110について、図6を参照して説明する。図6は、再生機器対応関係テーブルの一例を示す図である。
【0090】
図6に示すように、再生機器対応関係テーブル110では、再生機器IDと、再生機器の特徴情報としてのサイズ、設置場所、色、近隣の再生機器IDとが対応付けられている。また、再生機器の機器特定情報として、識別ID(ユニークID、uuid)および機器名称が対応付けられている。
【0091】
「サイズ」は、再生機器のサイズを示す情報であり、上記初回の処理の際に、自機から再生機器までの距離と、映像中の再生機器の大きさとから算出した値が記述される。特徴情報としてサイズを用いる場合、制御機器10は、上述の距離センサーのような、対象物までの距離を特定する手段を備えている必要がある。
【0092】
「設置場所」は、再生機器の設置場所を示す情報であり、上記初回の処理の際に、GPSなどの位置取得装置から取得した制御機器10の位置情報が記述される。このように、撮影した映像以外から得られる情報を再生機器対応関係テーブル110に含めてもよい。これにより、撮影した映像から得られるのみを利用する場合と比べて、特徴情報の精度を高めることができる。なお、ユーザが再生機器の映像をカメラで取得するとき、再生機器と制御機器10とは近接した位置関係となるため、制御機器10の位置情報を再生機器の設置場所とすることは実用上問題ない。
【0093】
「色」は、再生機器の色を示す情報であり、上記初回の処理の際に、カメラで撮影されている画像を解析することにより、画像中の機器を認識し、さらにその各部の色を特定することによって得た値(例えば色コード)が記述される。
【0094】
「近隣の再生機器ID」には、画面に表示されている再生機器の近隣にある再生機器の再生機器IDが記述される。これは、再生機器の設置場所が頻繁に変わらない場合には、近隣にある再生機器との位置関係に基づいて、再生機器を特定することができるためである。なお、「近隣の再生機器ID」は、下記のようにして特定してもよい。すなわち、複数の再生機器が映像中に検出された場合、これから登録する機器以外の各機器についても特徴点を抽出して特徴情報を生成する。また、この特徴情報が再生機器対応関係テーブル110に既に登録されているか確認する。そして、登録されている場合に、その機器のIDと、その機器がこれから登録する機器に対して何れの方向に位置するかを示す情報と共に「近隣の再生機器ID」として記述する。
【0095】
「機器名称」には、ユーザが機器名称リストから選択した機器名称が記述される。また、「uuid」には、上記選択した機器名称で特定される再生機器のユニークIDが記述される。機器名称とuuidは、ホームネットワークを介した当該再生機器との通信により取得することができる。
【0096】
(再生機器の構成)
以下では、再生機器の要部構成について説明する。再生機器40、50、60は、何れも要部が共通しているため、ここでは再生機器40を例として、図7に基づいて説明する。
【0097】
図7は、再生機器40の要部構成を示すブロック図である。図7に示すように、再生機器40は、音声出力部201と、映像・音声制御部202と、表示部203と、通信部204と、通信制御部205と、記憶部206とを備えている。
【0098】
音声出力部201は、音声を出力するものであり、例えばスピーカで構成することができる。
【0099】
映像・音声制御部202は、音声出力部201に音声を出力させる制御を行うと共に、下記表示部203に映像を出力させる制御を行うものである。無論、音声の出力制御と、映像の出力制御とを別のブロックで行うようにしてもよい。
【0100】
表示部203は、映像を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成することができる。
【0101】
通信部204は、再生機器40が外部の機器と通信するためのインターフェースである。具体的には、再生機器40は、通信部204を介して制御機器10やサーバ機器20と通信を行う。
【0102】
通信制御部205は、通信部204を情報の送受信を行わせるように制御するものである。
【0103】
記憶部206は、再生機器40で使用する各種データを記憶するものであり、ホームネットワーク情報格納部207が含まれている。ホームネットワーク情報格納部207には、ホームネットワークから通信部204によって受信した情報が記憶される。例えば、ホームネットワーク情報管格納206には、サーバ機器20からダウンロードしたコンテンツが一時的に保存される。
【0104】
(処理の流れ)
図3で説明したように、コンテンツを再生機器で再生する場合、まずコンテンツの選択が行われる。そして、その後「カメラで選ぶ」が選択されたときに、カメラの撮影する映像を用いた再生機器の選択が行われる。以下では、「カメラで選ぶ」が選択された後、コンテンツを再生機器に再生させるまでの処理の流れについて、図8に基づいて説明する。図8は、再生機器の選択から、選択した再生機器に再生を行わせるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
外部機器制御部120は、「カメラで選ぶ」を選択する入力操作が行われたことを示す制御信号を入力制御部125から受信すると、機器特定部121に機器の特定を指示する。そして、この指示を受信した機器特定部121は、映像取得部103を起動して、再生機器の映像を取得する(S101)。また、映像取得部103が取得した映像は、表示制御部124によって表示部104に表示される。なお、映像取得部103の起動は、ユーザに行わせてもよい。
【0106】
続いて、機器特定部121は、映像解析部123に指示して、映像取得部103が取得した再生機器の映像を解析させる。この指示を受信した映像解析部123は、取得された映像を解析する(S102;特徴情報生成ステップ)。そして、その結果を機器特定部121通知する。具体的には、映像中の再生機器を認識して、その再生機器の特徴情報(色、サイズ、形状などを示す情報)を生成し、生成した特徴情報を機器特定部121に送信する。
【0107】
この特徴情報を受信した機器特定部121は、再生機器対応関係テーブル110を参照し、受信した特徴情報に対応する機器が登録されているか判断する(S103;識別情報特定ステップ)。具体的には、機器特定部121は、受信した特徴情報と一致する特徴情報が再生機器対応関係テーブル110に登録されているか否かを判断する。なお、これらの特徴情報の一致は、完全一致である必要はない。予め設定した基準を満たす程度に一致していれば、特徴情報が一致したと判断する。そして、特徴情報が一致した場合に、その特徴情報に対応付けられている機器名称を、その機器の機器名称として特定する。
【0108】
ここで、登録済みの機器が検出されなかったと判断した場合には(S103でNo)、機器特定部121は、当該機器を再生機器対応関係テーブル110に登録するように再生機器情報管理部122に指示する。また、このときに、映像解析部123から受信した特徴情報を再生機器情報管理部122に送信する。
【0109】
上記の指示を受信した再生機器情報管理部122は、ホームネットワーク中の再生機器のリストを取得する(S104)。ホームネットワーク中の再生機器の検出には、マルチキャスト技術を利用することができる。また、ここで取得した再生機器リストには、機器名称およびユニークID(uuid)が含まれる。
【0110】
そして、再生機器情報管理部122は、表示制御部124に指示して、S104で取得した再生機器リスト(機器名称の一覧)を表示部104に表示させる。また、映像が取得された機器と、再生機器リストに含まれるその機器の機器名称(文字列)との対応付けを促すメッセージを表示させる(S105)。
【0111】
このメッセージに従ってユーザが入力部105に入力操作を行って機器名称を選択すると、その旨の制御信号が入力制御部125から再生機器情報管理部122に送信されるので、再生機器情報管理部122これに基づいて選択された機器名称を特定する。そして、この機器名称と、映像解析部123が生成した当該機器の特徴情報とを対応付けて、再生機器対応関係テーブル110に登録する(S106)。また、この際に、S104で取得した再生機器リスト一覧からユニークIDを取得し、これについても再生機器対応関係テーブル110に登録する。そして、これらの情報に再生機器IDを付加する。これにより、図6のような再生機器対応関係テーブル110が得られる。
【0112】
登録が完了すると再生機器情報管理部122からその旨が通知されるので、この通知を受けた機器特定部121は、新たに機器が登録された再生機器対応関係テーブル110を参照して、再度機器の特定を行う。
【0113】
そして、機器特定部121は、検出された機器の機器名称を再生機器対応関係テーブル110から読み出し、表示制御部124に指示して、表示部104に表示されている再生機器に重畳して表示させる(S107)。なお、機器名称を表示させる位置は、機器名称と映像中の機器との対応がユーザに分かるような位置あればよく、必ずしも重畳させる必要はない。また、S106の後の機器の再特定は省略してS107に進み、再生機器情報管理部122が登録した機器名称を表示させてもよい。
【0114】
そして、入力部105に対して、再生機器を選択する入力操作が行われると、その旨を示す制御信号が入力制御部125から外部機器制御部120に送信される。ここで、入力部105がタッチパネルである場合、再生機器の映像に対するタッチ操作を、再生機器を選択する入力操作として検出することが好ましい。これにより、ユーザが直感的な操作で再生機器を選択することができる。
【0115】
そして、外部機器制御部120は、コンテンツの格納先を示すURLを含む再生命令を作成し、これを通信部106に送信させる(S108、対象機器制御ステップ)。なお、上記URLはサーバ機器20から取得することができる。また、ここでは図7の再生機器40が選択されたとする。
【0116】
そして、S108で送信された再生命令を受信した再生機器40において、通信制御部205の制御に従って、通信部204を介して、上記再生命令にあるURLからコンテンツを一時的にホームネットワーク情報格納部207にダウンロードする。そして、映像・音声制御部202は、コンテンツの映像を表示部203によって出力するとともに、コンテンツの音声を音声出力部201によって出力して、コンテンツを再生する(S109)。
【0117】
なお、S103では、機器特定部121は、映像中の再生機器の特徴情報が登録されていると判断した場合には(S103でYes)、直接S107に進み、映像中の再生機器にその機器名称を重畳表示する(S107)。
【0118】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、初回の処理において、登録する機器特定情報を機器特定情報(機器名称)のリストからユーザに選択させる例を説明した。しかしながら、ユーザによっては、文字列が並んだ機器名称のリストからの選択に困難を覚えることも考えられる。
【0119】
そこで、第2の実施形態では、初回の処理において、機器名称の候補を制御機器が絞り込んだ上でユーザに提示して、提示した候補の中からユーザに選択させる。このように、制御機器によって絞り込まれた候補の中から選択させることにより、ユーザによる登録を容易にすることができる。
【0120】
以下では、本発明の第2の実施形態に係る制御機器70について、図9から図13に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0121】
(システム構成)
まず、本実施形態に係るホームネットワークのシステム構成について、図9に基づいて説明する。図9は、本実施形態にかかるホームネットワークのシステム構成例を示す図である。
【0122】
図9に示すように、本実施形態に係るホームネットワークのシステム構成は、機器データベース80がインターネット上に存在する点以外は、第1の実施形態のシステム構成と同様である。
【0123】
機器データベース80は、再生機器の機器特定情報と、該再生機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報テーブル(設計情報)を保存するものである。例えば、図11に示すような設計情報テーブル(詳細は後述する)を保存する。
【0124】
(制御機器の処理概要)
次に、再生機器でコンテンツを再生させる際の制御機器70の処理概要を説明する。制御機器70においても、制御機器10と同様に、再生機器でコンテンツを再生させるために、再生対象のコンテンツをサーバ機器20から選択し、このコンテンツを再生させる再生機器(再生機器40、50、60の何れか)を選択する。
【0125】
(1.コンテンツおよび再生機器を選ぶ処理)
制御機器70にて、コンテンツおよび再生機器(対象機器)を選ぶときの処理については、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。以下では、再生機器を特定する処理を中心に説明する。
【0126】
(2.再生機器を特定する処理)
次に、再生機器を特定する処理について、図10に基づいて説明する。なお、制御機器70において、カメラで再生機器を特定する処理は、第1の実施形態に記載されたように、初回の処理と2回目以降の処理とで異なっている。2回目以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略して、本実施形態では、初回の処理について説明する。
【0127】
(2.1.初回の処理)
まず、図3のD13の画面において、「カメラで選ぶ」が選択されると、制御機器70に内蔵されたカメラで再生機器の映像を取得して、図10に示すような画面D21を表示する。図示のように、ここではカメラが2つのテレビの映像を取得し、このうち1番のテレビが選択されたとする。
【0128】
テレビが選択されると、画面D22に遷移して、1番のテレビに対応する機器名称が表示される。具体的には、制御機器70は、まず、カメラが取得した画像から1番のテレビの特徴情報を生成する。また、インターネットを介して機器データベース80に保存されている設計情報テーブル(図11を参照、詳細は後述する)を取得する。
【0129】
そして、この設計情報テーブルを参照して、生成した特徴情報に対応する情報が対応付けられている機器特定情報(ここでは機器名称)を特定して、1番のテレビの機器名称の候補となる候補名称として表示部に表示する。
【0130】
なお、カメラで取得された映像から候補名称を特定する一連の処理は、上記の例のように全て制御機器70が行ってもよいし、一部を他の機器に分担させてもよい。例えば、制御機器70は、再生機器の映像をインターネットにアップロードして、インターネット上のサービスに、アップロードされた映像からの特徴情報の生成、および機器データベース80からの候補名称の特定を行わせてもよい。そして、当該サービスから候補名称を受信してもよい。また、制御機器70が、抽出した特徴情報をインターネット上にアップロードし、インターネット上のサービスに、機器データベース80から抽出情報に対応する候補名称を特定する処理を行わせ、特定された結果を受信してもよい。この場合、映像を送信する方式と比べて、送信データ量を減らすことができる。つまり、これらの一連の処理は、ネットワーク上に分散した複数の装置によって構成されるシステムによって実現することができる。
【0131】
また、設計情報テーブルは、予め制御機器70に記憶させておいてもよい。つまり、制御機器70は、自らが記憶する設計情報テーブルを用いて、カメラで画像取得した機器の候補名称を特定してもよい。この場合、インターネットに接続する必要はない。また、例えば制御機器70と同じメーカーの再生機器についての設計情報テーブルを予め格納しておいてもよい。同じメーカーであれば機器の設計上の情報を容易に入手し、自由に使用することが可能であり、ユーザにとっては制御機器70と再生機器のメーカーを揃えることで機器の登録が容易になるというメリットがある。
【0132】
図10に戻り、画面D22において、1番のテレビの候補名称(設計情報テーブルにて特定された機器特定情報)が表示され、その候補名称が正しいか否かをユーザに選択させる。ユーザが「はい」を選択した場合、制御機器70は、1番のテレビの特徴情報と、上記候補名称とを対応付けて、図6に示すような再生機器対応関係テーブルに保存する。この後、画面D23に遷移し、「対応付けを保存しました」というメッセージをユーザに通知する。
【0133】
一方、画面D22において、ユーザが「いいえ」を選択した場合、画面D25に遷移し、家庭内の再生機器リストが表示される。このリストからの選択は、実施形態1と同様であるから説明を省略する。
【0134】
そして、2番のテレビについても、上記と同様にして再生機器対応関係テーブル(図6)に登録する。これにより、画面D24に示すように、各テレビの映像にその機器名称が重ねて表示される。
【0135】
(3.設計情報テーブル)
次に、上記設計情報テーブルについて、図11を参照して説明する。図11は、再生機器の外観を示す設計上の情報と機器特定情報とを対応付けた設計情報テーブルの一例を示す図である。
【0136】
図11に示すように、設計情報テーブルには、機器特定情報として機器名称が記述されている。また、再生機器の外観を示す設計上の情報として、「サイズ」、「色」、および「特徴」が記述されている。
【0137】
このうち、「サイズ」および「色」は、再生機器対応関係テーブル110(図6参照)の特徴情報にも含まれる情報である。このように、設計情報テーブルには、再生機器対応関係テーブル110と同じ属性に関する情報が含まれており、設計情報テーブルを用いて候補名称を特定する差異には、同じ属性に関する情報を対比して一致するか判断する。
【0138】
また、「特徴」は、再生機器のその他の外観上の特徴を示す情報である。このような情報を用いることによって、再生機器の特定精度を上げることができる。例えば、ベゼル左下に金色のロゴマークがある再生機器には、この外観上の特徴を記述しておくことにより、その映像から同様の特徴が抽出された場合に、その機器が当該機種に属すると推定することができる。
【0139】
ここで、再生機器によっては、その動作状態に応じて外観が変化するものがある。例えば、動作状態を色で示すLEDを備えている再生機器では、動作状態に応じてLEDの色が変わる。したがって、このような再生機器について、「色」による特定の精度を上げるため、図示の例のように、特定部位について色の変化のバリエーションが存在することを示す情報を「特徴」に記述しておいてもよい。
【0140】
(制御機器の構成)
以下では、本実施形態に係る制御機器70の要部構成について、図12に基づいて説明する。
【0141】
図12は、制御機器70の要部構成を示すブロック図である。図12に示すように、制御機器70は、さらに候補抽出部(候補抽出手段)127を備えること以外は第1の実施形態に係る制御機器10と同様の構成である。
【0142】
候補抽出部127は、映像解析部123によって生成された再生機器の特徴情報に基づいて、その再生機器を推定し、推定された再生機器の機器名称を候補名称として表示する。具体的には、候補抽出部127は、通信制御部126に指示して通信部106を介してインターネット上の機器データベース80から、設計情報テーブル(図11)を取得させ、ホームネットワーク情報格納部111に保存させる。そして、候補抽出部127は、この設計情報テーブルを参照して、映像解析部123によって生成された特徴情報に対応する機器名称を抽出し、候補名称として表示する。
【0143】
(処理の流れ)
次に、コンテンツを再生機器で再生するまでの流れについて、図13に基づいて説明する。図13は、映像取得部103が再生機器の映像を取得してから、再生機器で再生するまでの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートのS201〜S204、S212〜S216は、図8のフローチャートのS101〜S109と同様の処理であるから、ここでは簡略な説明に留める。
【0144】
図13に示すように、まず、制御機器70において、カメラすなわち映像取得部103は、再生機器の映像を取得する(S201)。そして、表示制御部124は、映像取得部103が取得した再生機器の映像を表示部104に表示させる。
【0145】
次に、映像解析部123は、映像取得部103が取得した再生機器の映像を解析して、再生機器の特徴情報を生成する(S202;特徴情報生成ステップ)。そして、機器特定部121は、再生機器対応関係テーブル110を参照し、映像解析部123から受信した特徴情報に対応する機器が登録されているか判断する(S203;識別情報特定ステップ)。
【0146】
機器特定部121は、登録済みの機器が検出されなかったと判断した場合には(S203でNo)、検出された機器を再生機器対応関係テーブル110に登録するように再生機器情報管理部122に指示する。そして、この指示を受信した再生機器情報管理部122は、ホームネットワーク中の再生機器のリストを取得する(S204)。
【0147】
ここで、再生機器情報管理部122は、S202の解析により生成された特徴情報を候補抽出部127に送信し、この特徴情報に対応する候補名称の抽出を指示する。
【0148】
そして、この指示を受信した候補抽出部127は、通信制御部126および通信部106を介して、インターネット上の機器データベース80から設計情報テーブル(図11)を取得して、ホームネットワーク情報格納部111に記憶する(S205)。なお、機器データベース80から設計情報テーブルを取得するための情報(URL等)は、制御機器70の記憶部101等に予め記憶されているとする。
【0149】
次に、候補抽出部127は、上記取得された設計情報テーブルから、S202の解析により生成された特徴情報に対応する機器を検索する(S206)。この検索は、設計情報テーブルに含まれる、機器の外観を示す設計上の情報の項目と、特徴情報に含まれる項目とで、同じ属性に関する項目(サイズとサイズ、色と色など)を比較することで行われる。つまり、特徴情報と一定以上の割合で一致する情報が対応付けられた機器を検出する。
【0150】
次に、候補抽出部127は、上記の検索によって設計情報テーブルから機器が抽出されたか否かを判断する(S207)。候補抽出部127は、機器が検出されたと判断した場合には(S207でYes)、表示制御部124に指示して、検出した機器の機器名称を候補名称として表示部104に表示させる(S208)。
【0151】
ユーザは、このようにして表示された表示画面から、候補名称が映像中の機器の名称として正しいものであるか否かを選択する(図10のD22参照)。このため、候補抽出部127は、ユーザの選択操作を受け付けた入力部105および入力制御部125から受信した情報に基づいて、候補名称が正しいか否かを判断する(S209)。
【0152】
候補抽出部127は、上記候補名称が正しいと判断した場合には(S209でYes)、この候補名称を再生機器情報管理部122に送信する。そして、再生機器情報管理部122は、この候補名称を当該機器の機器名称として再生機器対応関係テーブルに保存する(S210)。
【0153】
また、候補抽出部127は、表示制御部124に指示して、上記候補名称を、映像中の再生機器に重畳表示させる(S211)。なお、上記候補名称が機器名称として登録された再生機器対応関係テーブル110を用いて機器特定部121に再特定を行わせ、これにより再生機器の映像に重畳して機器名称を表示させるようにしてもよい。
【0154】
この後、入力部105に対して、再生機器を選択する入力操作が行われると、外部機器制御部120は、コンテンツの格納先を示すURLを含む再生命令を作成し、これを通信部106に送信させる(S215、対象機器制御ステップ)。そして、S215で送信された再生命令を受信した再生機器が、上記再生命令中のURLからコンテンツをダウンロードして再生する(S216)。
【0155】
なお、S203では、機器特定部121は、映像中の再生機器の特徴情報が登録されていると判断した場合には(S203でYes)、直接S214に進み、映像中の再生機器にその機器名称を重畳表示する(S214)。
【0156】
また、S207で、機器が検出されなかったと判断した場合(S207でNo)、および、S209で候補名称が正しくないと判断した場合には(S209でNo)、候補抽出部127は、その旨を再生機器情報管理部122に通知し、処理はS212に進む。
【0157】
S212では、再生機器情報管理部122は、S204で取得した再生機器リスト(機器名称の一覧)を表示部104に表示させ、ユーザに映像との対応付けを促す(S212)。そして、ユーザが選択した機器名称と、映像解析部123が生成した特徴情報とを対応付けて、再生機器対応関係テーブル110に登録する(S213)。これにより、登録されている機器名称が映像中の再生機器に重畳表示され(S214)、この表示画面で再生機器が選択されるとS215の処理に進む。
【0158】
〔変形例〕
上記では、制御機器10、70がコンテンツの再生機器を選択する例を説明したが、選択の対象はコンテンツの再生機器に限られない。例えば、コンテンツのコピー先、移動先の選択にも用いることができる。また、単にユーザが機器の名称を知りたい場合にも利用することができる。つまり、制御機器10、70は、機器の映像からその機器の機器特定情報を特定する点、言い換えれば映像中の機器を電子機器が認識できるようにする点が主な特徴点であり、特定した機器特定情報を用いて行う処理は特に限定されない。このため、本発明の適用範囲は、ネットワーク上の機器を制御する制御機器に限られない。
【0159】
また、制御機器10、70は、スマートフォンやタブレット端末、PDAのような携帯型の機器であってもよいし、テレビのような据え置き型の機器であってもよい。近年では、インターネットを介してテレビ電話を行うためのカメラを備えたテレビも市販されているので、本発明をこのようなテレビに適用し、このカメラを利用してテレビに他の機器を認識させることも可能である。つまり、上記の制御機器10、70のような機器情報特定装置を備えるテレビジョン受像機も、本発明の範疇に含まれる。
【0160】
さらに、上記では制御機器10、70の備える映像取得部103がカメラである例を説明したが、映像取得部103は対象となる機器の映像を取得するものであればよく、これに限られない。例えば、映像取得部103は、制御機器10、70とは別体のカメラで撮影された映像を有線または無線通信で受信するものであってもよい。
【0161】
さらに、上記では再生機器をカメラの撮影範囲に収めた状態(シャッターを切っていない状態)で特徴点の抽出を行う例を示したが、特徴点の抽出対象となる画像は対象となる機器が写っているものであればよく、これに限定されない。例えば、シャッターを切って記録された静止画像から特徴点を抽出してもよいし、再生機器の動画像を撮影し、記録した動画像から特徴点を抽出してもよい。
【0162】
また、上記では、制御機器10、70が、機器特定部121および映像解析部123を備えている例を示したが、これらの構成要素をネットワーク上に分散配置してなるシステムであっても、制御機器10、70と同様の効果を奏する。つまり、機器特定部121の機能を備える機器特定装置と、映像解析部123の機能を備える特定情報生成装置とを含む機器制御システムについても本発明の範疇に含まれる。
【0163】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0164】
最後に、制御機器10、70の各ブロック、特に制御部102は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0165】
すなわち、制御機器10、70は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御機器10、70の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御機器10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0166】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0167】
また、制御機器10、70を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、相手機器を特定する機器に利用することができる。特に、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDAなどの携帯端末に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0169】
10、70 制御機器(機器制御装置)
40、50、60 再生機器(対象機器)
105 入力部
110 再生機器対応関係テーブル(対応情報)
120 外部機器制御部(対象機器制御手段)
121 機器特定部(識別情報特定手段)
122 再生機器情報管理部(識別情報取得手段、対応情報生成手段)
123 映像解析部(特徴情報生成手段、特徴情報生成装置)
127 候補抽出部(候補抽出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に対象機器を認識させ、制御させる技術に関し、より詳細には対象機器を電子機器が認識するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DLNA(Digital Living Network Alliance)規格などの普及により、ホームネットワークにてコンテンツを相手機器に提供するサーバの機能を有するサーバ機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットなど)と、上記コンテンツを再生したり、コピー・移動したりする相手機器(例えば、テレビ、オーディオ機器、録画機器などのAV機器)とをネットワーク経由で接続・連携させて利用する機会が増えている。たとえば、スマートフォンがサーバ機器となり、テレビが相手機器となり、スマートフォンが提供する写真・音楽・動画などのコンテンツをテレビで再生する機能が開発されている。
【0003】
上記サーバ機器と相手機器とを連携させる際、サーバ機器内のコンテンツをどの相手機器で再生(またはコピー、移動)するかを予め決定しておく必要がある。すなわち、予め相手機器を特定する必要がある。
【0004】
通常は、ホームネットワーク連携機能を利用する前に、相手機器を特定するための制御機器でホームネットワーク内の機器を検索し、表示されたリストから相手機器として使いたい機器を1つ選択する。
【0005】
しかしながら、ホームネットワーク連携機能が普及するに従い、家庭内に存在するネットワーク対応機器の数も増大している。よって、表示された機器の数が多くなることがある。また、表示されたリストは、通常、機器のシリアル番号や、製品番号などで表示されるため、どのシリアル番号がどの機器に対応するかはユーザにとって分かり難い。
【0006】
また、このような機器では、相手機器を登録しておくことができるが、このような登録を行ったとしても、登録されていない機器でサーバ機器のコンテンツを再生する必要が生じることがある。そして、このような場合には、やはり上記のような選択を行う必要があり、操作が煩雑となる。
【0007】
このような問題を解決する先行技術文献としては、例えば以下の特許文献1〜3が挙げられる。
【0008】
特許文献1では、ホームネットワーク機器にユーザに認識しやすい第2識別情報(別名)を与えることで、ユーザが所望の機器を特定できるようにしている。
【0009】
また、特許文献2では、バーコードを機器の筐体に貼付しておき、携帯型情報処理端末のカメラでそのバーコードを撮影することで、その機器を特定するようにしている。
【0010】
また、特許文献3では、機器のディスプレイに情報コード画像を表示し、ユーザが電子カメラでその情報コード画像を撮影することで、その機器を特定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−283524号公報(2003年10月3日公開)
【特許文献2】特開2001−142825号公報(2001年5月25日公開)
【特許文献3】特開2007−274567号公報(2007年10月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に開示された技術では、どの機器にどの別名を与えたかをユーザが忘れてしまった場合には、ユーザは所望の機器を選ぶことができないので、ユーザは別名を確実に覚えておく必要がある。また、各機器について、別名を設定する作業は多くのユーザにとって面倒な作業である。つまり、特許文献1の技術は、ユーザに対する負担が発生するという問題がある。
【0013】
また、特許文献2および特許文献3に開示された技術では、上記特許文献1のような問題は生じないが、特許文献2に開示された技術では、バーコードを機器の筐体に貼付しなければならず、機器の美観を損ねる。また、特許文献3に開示された技術は、ディスプレイを持たない機器の選択には適用できない。つまり、これらの文献の技術は、機器の外観を変化させる必要がある点に問題がある。
【0014】
このように、従来技術では、ユーザがその目の前にある機器を選択したいときであっても、その機器を電子機器に認識させることが容易でないため、機器の選択が困難であるという問題があった。
【0015】
つまり、ある対象機器があったとき、ユーザはこれを目で見て認識することができるが、電子機器はこのような認識ができないため、電子機器にこの対象機器を認識させるためには、電子機器が対象機器を識別するための識別情報をその機器に特定させる必要がある。そして、従来技術では、このような識別情報を機器に特定させるために、識別情報と機器の別名とを対応付けて、別名から機器を選択できるようにしたり(特許文献1)、識別情報を示すバーコードを貼り付けたり(特許文献2)、識別情報をディスプレイに表示したり(特許文献3)しているが、何れも上述のような問題がある。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御することのできる特定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明に係る機器制御装置は、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定手段と、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の機器制御方法は、上記課題を解決するために、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置による機器制御方法であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成ステップで生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定ステップと、上記識別情報特定ステップで特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0019】
また、本発明の機器制御システムは、上記課題を解決するために、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御システムであって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成装置と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成装置が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置とを含むことを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、対象機器を撮影した画像に基づいて対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する。そして、対応情報を参照して、生成した特徴情報に対応する識別情報を対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する。
【0021】
したがって、ユーザは、対象機器を撮影した画像を上記特定装置に入力するという極めて簡単な作業により、その対象機器の識別情報を機器制御装置に特定させることができる。また、対象機器の外観上の特徴に基づいて識別情報の特定を行うため、バーコードを貼り付ける従来技術のように対象機器の外観を損ねることもなく、ディスプレイを持たない対象機器についても識別情報の特定が可能である。
【0022】
つまり、上記の構成によれば、ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御することができるという効果を奏する。
【0023】
また、上記識別情報特定手段は、特定した識別情報を、上記画像中に上記対象機器と対応付けて表示することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、対象機器とその識別情報との対応付けをユーザに一目で認識させることができる。これにより、例えば対象機器とその識別情報との対応付けが誤っていた場合等に、ユーザにこれを気付かせることもできる。
【0025】
また、上記機器制御装置は、ユーザの入力操作を受け付ける入力部と、上記入力部が、表示されている画像中の上記対象機器に対する入力操作を受け付けたときに、上記対象機器制御手段は、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて当該対象機器を制御することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、表示されている画像中の対象機器に対する入力操作を受け付けたときに、識別情報を用いてその対象機器に対する制御を行う。したがって、ユーザは、画像中の対象機器に対して入力操作を行うという直感的な操作で、その対象機器の動作を制御することができる。
【0027】
また、上記機器制御装置は、上記識別情報特定手段が、上記特徴情報に対応する識別情報を特定できなかった場合に、上記対象機器の識別情報の候補となる識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報と、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補から選択された識別情報とを対応付けて、上記対応情報を生成する対応情報生成手段とを備えていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、生成した特徴情報に対応する識別情報を特定できなかった場合に、対象機器の識別情報の候補となる識別情報を取得する。そして、生成した特徴情報と、取得した識別情報の候補から選択された識別情報とを対応付けて対応情報を生成する。
【0029】
つまり、上記の構成によれば、対象機器が、対応情報に特徴情報と識別情報とが対応付けて登録されていない機器であった場合に、その対応情報を生成する。したがって、対応情報を生成した後は、この対象機器の画像からその識別情報を特定することが可能になる。
【0030】
また、上記機器制御装置は、機器の識別情報と該機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報と、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報とを用いて、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補の中から、当該特徴情報と対応付ける識別情報を抽出する候補抽出手段を備えていることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、機器の識別情報と該機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報と、生成した特徴情報とを用いて、取得した識別情報の候補の中から識別情報を抽出する。
【0032】
ここで、機器は、機種やメーカー、型番等に応じて、その外観を決定付ける設計上の情報(例えば形状や色など)が決まっている。このため、上記の設計情報と、特徴情報を用いることによって、識別情報の候補の中から、特徴情報に対応する機器の識別情報を抽出することができる。
【0033】
これにより、識別情報の候補のうち、対象機器に対応している可能性の高い識別情報が抽出されることになる。つまり、識別情報の候補を絞り込むことができる。したがって、ユーザは、全ての識別情報の候補の中から選択する場合と比べて、容易に識別情報を選択することができる。
【0034】
また、上記対応情報に含まれる、機器の外観上の特徴を示す情報は、対象機器と他の機器との位置関係を示す位置関係情報を含み、上記特徴情報生成手段は、上記対象機器の画像に含まれる他の機器と対象機器との位置関係を示す位置関係情報を含む特徴情報を生成し、上記識別情報特定手段は、上記対応情報において、上記特徴情報生成手段が生成した特徴情報に含まれる位置関係情報と一致する位置関係情報が対応付けられた識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定することが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、対象機器と他の機器との位置関係を示す位置関係情報を利用するので、例えば対象機器がその外観上、他の機器と明瞭に区別できるような特徴点を有していないような場合であっても、対象機器の識別情報を特定することができる。なお、上記他の機器は、上記対応情報によって、その識別情報が特定されている機器であることが好ましい。これにより、対象機器と特定の機器との位置関係に基づいて識別情報を特定することができるので、特定の精度を高めることができる。
【0036】
なお、上記機器制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記機器制御装置の各手段として動作させることにより、上記機器制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【0037】
また、上記機器制御装置を備えているテレビジョン受像機であれば、上記機器制御装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明に係る機器制御装置は、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定手段と、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御手段とを備えている構成である。
【0039】
また、本発明に係る機器制御方法は、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置による機器制御方法であって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成ステップで生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定ステップと、上記識別情報特定ステップで特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御ステップとを含む構成である。
【0040】
また、本発明の機器制御システムは、上記課題を解決するために、対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御システムであって、上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成装置と、上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成装置が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置とを含む構成である。
【0041】
したがって、ユーザに負担をかけず、また対象機器の外観を変化させることなく、対象機器の識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、当該実施形態に係る制御機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態に係るホームネットワークのシステム構成の一例を示す図である。
【図3】上記制御機器にてサーバ機器にあるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを再生させる再生機器を選ぶときに、制御機器が表示する画面の遷移図である。
【図4】上記制御機器が初回の処理において表示する画面の遷移図である。
【図5】上記制御機器が2回目以降の処理において表示する画面の遷移図である。
【図6】上記制御機器が再生機器の識別に用いる再生機器対応関係テーブルの一例を示す図である。
【図7】上記再生機器の要部構成を示すブロック図である。
【図8】上記制御機器が実行する、再生機器の選択から、選択した再生機器に再生を行わせるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態に係るDLNA規格に対応したホームネットワークのシステム構成例を示す図である。
【図10】上記他の実施形態にかかる制御機器が、初回の処理において表示する画面の遷移図である。
【図11】上記制御機器が再生機器の絞り込みに用いる、再生機器の外観を示す設計上の情報と機器特定情報とを対応付けた設計情報テーブルの一例を示す図である。
【図12】上記制御機器の要部構成を示すブロック図である。
【図13】上記制御機器が、再生機器の映像を取得してから、再生機器で再生するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態に係る制御機器(機器制御装置)10について、図1から図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0044】
(システム構成)
本実施形態に係る制御機器10は、ホームネットワークに接続して使用されるものであるから、ここではまず、ホームネットワークのシステム構成について、図2に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかるホームネットワークのシステム構成の一例を示す図である。
【0045】
図2に示すように、このシステムには、制御機器10と、サーバ機器20と、ルータ30と、再生機器(対象機器)40と、再生機器50と、再生機器60とが含まれる。これらの機器が互いに通信可能に接続されて、ホームネットワークが構成される。なお、ここでは、制御機器10、サーバ機器20、および再生機器40、50、60が何れもDLNA対応機器であり、DLNAによりホームネットワークを構成した例を説明する。
【0046】
制御機器10は、サーバ機器20のコンテンツ一覧を表示し、ユーザの操作によって、再生するコンテンツを決定し、再生機器を特定し、再生するコンテンツを再生機器に伝えるものである。すなわち、DLNA規格において、DMC(Digital Media Controller)と呼ばれるものである。制御機器10は、例えばスマートフォンであってもよい。
【0047】
サーバ機器20は、ホームネットワーク内の再生機器にコンテンツを送信するものである。すなわち、DLNA規格において、DMS(Digital Media Server)と呼ばれるものである。
【0048】
ルータ30は、ホームネットワークにおける通信を中継する装置であり、無線アクセスポイントとしても機能する。制御機器10はこの無線アクセスポイント機能を利用してホームネットワークに接続する。また、ルータ30は、インターネット等の異なるネットワークとホームネットワークとを接続する。
【0049】
再生機器40、50、60は、サーバ機器20からコンテンツを取得して再生するものである。すなわち、DLNA規格において、DMP(Digital Media Player)またはDMR(Digital Media Renderer)と呼ばれるものである。ここで、再生機器40および50は、何れも写真、音楽、映像を再生するものとする。これらの再生機器は、例えばテレビであってもよい。また、再生機器60は、音楽等の音声データを再生する例えばオーディオのような機器である。
【0050】
なお、図2に示した各機器については、異なる機器として実現されるものに限らず、複数の機能を備える1つの機器として実現されてもよい。1つの機器として実現される場合には、例えば、制御機器10がスマートフォンであれば、サーバ機器20としても機能させることができる。
【0051】
(ホームネットワークで行われる処理の概要)
ユーザは、サーバ機器20にあるコンテンツ(写真、音楽、映像)を再生するとき、まず、制御機器10にて、ルータ30を介して通信を行うことにより、サーバ機器20にあるコンテンツの内、再生したいコンテンツを選択する。また、選択したコンテンツを再生させる再生機器(40、50、60)を特定する。そして、制御機器10は、サーバ機器20に命令し、ユーザによって選択されたコンテンツを、ユーザが選択した再生機器に送信させ、該再生機器に再生させる。
【0052】
詳細は後述するが、制御機器10は、ユーザが再生機器の選択を極めて容易かつ確実に行うことができるという特徴点を有している。
【0053】
(制御機器の処理概要)
次に、再生機器でコンテンツを再生させる際の制御機器10の処理概要を説明する。上述のように、再生機器でコンテンツを再生させるためには、再生対象のコンテンツをサーバ機器20から選択し、このコンテンツを再生させる再生機器(再生機器40、50、60の何れか)を選択する。
【0054】
(1.コンテンツおよび再生機器を選ぶ処理)
まず、制御機器10にて、コンテンツおよび再生機器を選ぶときの処理について、図3に基づいて説明する。図3は、制御機器10にてサーバ機器20にあるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを再生させる再生機器を選ぶときに、制御機器10が表示する画面の遷移図である。
【0055】
図3に示すように、ユーザは、まず、制御機器10の画面D10にて、コンテンツのあるサーバ機器20と、コンテンツの種類とを選ぶ。ここでは、ユーザは、画面D10にて、「サーバ2」および「写真」を選んだとする。これにより、画面はD11に遷移する。
【0056】
画面D11は、コンテンツの選択画面である。ユーザは、この画面D11にて、再生したいコンテンツを選ぶ。ここでは、ユーザは「写真2」を選んだとする。コンテンツが選択されると、画面はD12に遷移する。
【0057】
画面D12では、ユーザが選択した写真を表示するとともに、「外部機器で再生する」という選択肢をユーザに提示する。ここで、ユーザが上記「外部機器で再生する」を選択した場合には、制御機器10は、画面D13を表示して、予め記憶されている再生機器のリストを表示するとともに、「カメラで選ぶ」という選択肢をユーザに提示する。
【0058】
画面D13にて、ユーザが「カメラで選ぶ」を選択した場合には、制御機器10が備えるカメラが自動的に起動する。そして、ユーザは、選びたい再生機器をカメラの撮影範囲に収める。これにより、撮影範囲に入った再生機器を制御機器10が特定するので、ユーザはこの再生機器をコンテンツの再生機器として容易に選択することができる。なお、カメラによる再生機器の特定については、以下で詳しく説明する。
【0059】
(2.再生機器を特定する処理)
次に、撮影した映像(画像)から再生機器を特定する処理について説明する。なお、制御機器10において、撮影した映像から再生機器を特定する処理は、初回の処理と2回目以降の処理とで異なっている。
【0060】
初回の処理では、撮影した再生機器の映像からその機器の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を示す特徴情報を生成する。そして、生成した特徴情報と、その再生機器を示す機器特定情報(識別情報)とを対応付ける。この処理は、これらの情報の対応付けがまだ行われていない再生機器の映像が、カメラで取得された場合に行われる。なお、ここでは機器特定情報として機器名称を用いる例を説明するが、機器特定情報は制御機器10やサーバ機器20、再生機器40、50、60等の電子機器が、当該機器を識別可能な情報であればよく、uuid等であってもよい。
【0061】
初回の処理では、カメラにより再生機器の映像を取得した後、制御機器10の画面に再生機器の機器名称のリストを表示し、映像中の再生機器に対応する機器名称をユーザに選択させる。そして、制御機器10は、選択された機器名称と、当該再生機器の特徴情報とを対応付けて後述の再生機器対応関係テーブル(対応情報、図6参照)に記憶する。
【0062】
また、2回目以降の処理とは、カメラで取得した映像中の再生機器については、その再生機器の特徴情報と、その再生機器の機器名称とが、上記初回の処理によって既に対応付けられている場合の処理である。2回目以降の処理において、ユーザがカメラで再生機器の映像を取得した後、制御機器10は、その映像から再生機器を認識する。そして、初回の処理で記憶された対応関係から、再生機器の特徴情報に対応付けられている再生機器の機器名称を読み込み、その再生機器の映像に重ねて表示する。
【0063】
以下では、初回の処理および2回目以降の処理について、図4および図5に基づいて、それぞれ詳細に説明する。図4は、初回の処理において、制御機器10が表示する画面の遷移図である。図5は、2回目以降の処理において、制御機器10が表示する画面の遷移図である。
【0064】
(2.1.初回の処理)
まず、初回の処理について説明する。ユーザは図2に示した画面D13にて、「カメラで選ぶ」を選択した場合、制御機器10が備えるカメラが起動し、映像の取得が開始される。これにより、図4に示すような画面D14が表示される。
【0065】
画面D14では、2つのテレビジョン受像機(以下、単にテレビと呼ぶ)の映像が表示されている。これは、カメラによって撮影されている映像であり、これらのテレビは再生機器である。上記2つのテレビは、いずれもその特徴情報と機器名称とが対応付けられていないため、図示のように、機器の映像とリスト(機器名称のリスト)とを対応付けることを促すメッセージが表示される。
【0066】
画面D14において、ユーザが1番のテレビを選択すると、画面D15に遷移して、ホームネットワーク内の再生機器の機器名称リストが表示される。ユーザは、画面D15において、1番のテレビに対応する機器名称を選ぶ。ここでは、「LC−20V5」を選んだとする。
【0067】
機器名称が選択されると、制御機器10は、1番のテレビの映像から、そのテレビの特徴(詳細は後述するが、例えば、サイズ、設置場所、色など)から、特徴情報を生成する。そして、生成した特徴情報と、上記ユーザによって選択された機器名称(「LC−20V5」)とを対応付けて、後述の再生機器対応関係テーブル(図6)に保存する。また、画面D16に示すように、対応付けが行われたことを示す「対応付けを保存しました」というメッセージをユーザに通知する。
【0068】
そして、2番のテレビについても、上記と同様にして、その特徴情報と機器名称「LC−60L5」とを対応付けて、後述の再生機器対応関係テーブル(図6)に保存する。これにより、画面D17に示すように、各テレビの映像に機器名称が重ねて表示される。ユーザは、この画面から再生機器を選択するので、機器名称から選ぶ場合と比べて、簡易かつ確実に所望の機器を選択することができる。
【0069】
(2.2.2回目以降の処理)
次に、図5に基づいて、2回目以降の処理について説明する。ユーザが図3に示した画面D13にて、「カメラで選ぶ」を選択すると、上述のように制御機器10の備えるカメラが起動する。このカメラの撮影範囲に再生機器が入るようにすれば、図5に示すような画面D18が表示される。
【0070】
画面D18の例では、カメラが2つのテレビの映像を取得し、当該2つのテレビが表示されている。そして、上記2つのテレビは、いずれもその特徴情報と機器名称とが対応付けられているため、テレビの映像にそのテレビの機器名称が重ねて表示されている。
【0071】
このように、対応付けが終了した後は、カメラの撮影範囲に入った機器については、カメラで取得された機器の映像に重畳してその機器の機器名称が表示される。したがって、ユーザはその機器の機器名称を確認した上で、表示されている映像に基づき、容易かつ確実に所望の機器を選択することができる。
【0072】
(制御機器の構成)
以下では、制御機器10の要部構成について、図1に基づいて説明する。
【0073】
図1は、制御機器10の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、制御機器10は、記憶部101、制御部102、映像取得部103、表示部104、入力部105、通信部106を備えている。また、図示していないが、制御機器10は、上記各部に加えて、さらに、対象物との距離を測る距離センサー、自機の位置情報を取得する位置取得装置(例えば、GPSなど)を備えてもよい。
【0074】
記憶部101は、制御機器10で使用する各種データを格納するものであり、再生機器対応関係テーブル110が格納されており、ホームネットワーク情報格納部111を含む。
【0075】
再生機器対応関係テーブル110は、上述のように、再生機器の映像に基づいて生成した特徴情報と、その再生機器を示す機器特定情報とが対応付けられた情報である。この再生機器対応関係テーブル110を参照することにより、映像中の再生機器の機器特定情報を特定することができる。つまり、再生機器対応関係テーブル110を参照することにより、制御機器10が映像中の再生機器を認識することができるようになる。
【0076】
ホームネットワーク情報格納部111は、ホームネットワークに接続される他の機器から受信した情報が格納される。具体的には、ホームネットワークにおいて接続が検出された再生機器のリストが格納される。また、ホームネットワーク内のサーバ機器20、およびそのサーバ機器20が有するコンテンツに関する情報についても、ホームネットワーク情報格納部111に格納してもよい。
【0077】
制御部102は、制御機器10の機能を統括して制御するものであり、外部機器制御部(対象機器制御手段)120、機器特定部(識別情報特定手段)121、再生機器情報管理部(識別情報取得手段、対応情報生成手段)122、映像解析部(特徴情報生成手段、特徴情報生成装置)123、表示制御部124、入力制御部125、通信制御部126を含む。
【0078】
外部機器制御部120は、制御機器10の外部の機器、より詳細にはホームネットワーク内の他の機器を制御する。具体的には、外部機器制御部120は、図2の再生機器40、50、60に命令を送信することにより、該機器にサーバ機器20からコンテンツを取得させてこれを再生させる。
【0079】
機器特定部121は、制御機器10の外部の機器の機器特定情報を特定する。具体的には、サーバ機器20が送信するコンテンツを再生させることのできる再生機器(ここでは再生機器40、50、60)のうち、映像取得部103によって映像が取得されている機器について、その機器特定情報を特定する。
【0080】
再生機器情報管理部122は、特徴情報と機器特定情報とを対応付けて対応情報を生成する。具体的には、映像解析部123が生成した特徴情報と、ユーザが選択した機器特定情報とを対応付けて再生機器対応関係テーブル110に記憶する。
【0081】
映像解析部123は、映像取得部103から入力された映像を解析し、該映像から再生機器を検出し、検出した再生機器の特徴情報を生成するものである。この特徴情報は、再生機器の外観上の特徴を示すものであり、映像中から特定の機器を識別して検出することができるものであればよい。例えば、再生機器の色を示す情報であってもよいし、形状を示す情報であってもよい。
【0082】
また、制御機器10が距離センサーを備えている場合、映像解析部123は、距離センサーによって測定された再生機器までの距離と、映像中における再生機器のサイズとに基づいて、再生機器の実際のサイズを推算し、これを特徴情報として生成してもよい。
【0083】
なお、特徴情報は、再生機器それ自体の外観的特徴を示すものに限られず、映像中における再生機器の背景に関するものであってもよい。再生機器には、テレビ等のように据え置き型のものが多く、このような機器を撮影したときの背景は概ね変化がないことが多いためである。例えば、映像取得部103が複数の再生機器の映像を取得した場合に、登録の対象となる再生機器と、その近隣(例えば、右隣、左隣など)の再生機器との位置関係を示す位置関係情報を特徴情報として生成してもよい。
【0084】
また、制御機器10が位置取得装置を備えている場合には、位置取得装置によって取得された位置情報を、特徴情報を補足するための情報として記憶しておいてもよい。これにより、例えば外観が同一の再生機器が、別の位置(例えば別の部屋)にあるような場合に、これらの機器を区別することができる。
【0085】
表示制御部124は、表示部104に画像(動画像または静止画像)を表示させるものである。また、入力制御部125は、入力部105で受け付けた入力操作の内容を示す制御情報を生成し、機器特定部121等の制御部102内の他の構成要素に送信する。そして、通信制御部126は、通信部106を介した通信を制御する。
【0086】
映像取得部103は、画像を撮影するためのものである。ここでは、映像取得部103が静止画像を撮影可能なカメラであるとして説明する。制御機器10では、映像取得部103を、選びたい再生機器の映像を取得するために利用する。
【0087】
表示部104は映像を表示するものであり、入力部105はユーザの入力操作を受け付けるものである。これらは、タッチパネルとして一体に構成されていてもよい。
【0088】
通信部106は、制御機器10が他の機器と通信するためのインターフェースである。具体的には、制御機器10は通信部106を介してホームネットワーク内の他の機器(サーバ機器20や再生機器40、50、60)と通信する。また、通信部106を介してインターネット等の外部のネットワークに接続することもできる。
【0089】
(再生機器対応関係テーブル)
次に、再生機器対応関係テーブル110について、図6を参照して説明する。図6は、再生機器対応関係テーブルの一例を示す図である。
【0090】
図6に示すように、再生機器対応関係テーブル110では、再生機器IDと、再生機器の特徴情報としてのサイズ、設置場所、色、近隣の再生機器IDとが対応付けられている。また、再生機器の機器特定情報として、識別ID(ユニークID、uuid)および機器名称が対応付けられている。
【0091】
「サイズ」は、再生機器のサイズを示す情報であり、上記初回の処理の際に、自機から再生機器までの距離と、映像中の再生機器の大きさとから算出した値が記述される。特徴情報としてサイズを用いる場合、制御機器10は、上述の距離センサーのような、対象物までの距離を特定する手段を備えている必要がある。
【0092】
「設置場所」は、再生機器の設置場所を示す情報であり、上記初回の処理の際に、GPSなどの位置取得装置から取得した制御機器10の位置情報が記述される。このように、撮影した映像以外から得られる情報を再生機器対応関係テーブル110に含めてもよい。これにより、撮影した映像から得られるのみを利用する場合と比べて、特徴情報の精度を高めることができる。なお、ユーザが再生機器の映像をカメラで取得するとき、再生機器と制御機器10とは近接した位置関係となるため、制御機器10の位置情報を再生機器の設置場所とすることは実用上問題ない。
【0093】
「色」は、再生機器の色を示す情報であり、上記初回の処理の際に、カメラで撮影されている画像を解析することにより、画像中の機器を認識し、さらにその各部の色を特定することによって得た値(例えば色コード)が記述される。
【0094】
「近隣の再生機器ID」には、画面に表示されている再生機器の近隣にある再生機器の再生機器IDが記述される。これは、再生機器の設置場所が頻繁に変わらない場合には、近隣にある再生機器との位置関係に基づいて、再生機器を特定することができるためである。なお、「近隣の再生機器ID」は、下記のようにして特定してもよい。すなわち、複数の再生機器が映像中に検出された場合、これから登録する機器以外の各機器についても特徴点を抽出して特徴情報を生成する。また、この特徴情報が再生機器対応関係テーブル110に既に登録されているか確認する。そして、登録されている場合に、その機器のIDと、その機器がこれから登録する機器に対して何れの方向に位置するかを示す情報と共に「近隣の再生機器ID」として記述する。
【0095】
「機器名称」には、ユーザが機器名称リストから選択した機器名称が記述される。また、「uuid」には、上記選択した機器名称で特定される再生機器のユニークIDが記述される。機器名称とuuidは、ホームネットワークを介した当該再生機器との通信により取得することができる。
【0096】
(再生機器の構成)
以下では、再生機器の要部構成について説明する。再生機器40、50、60は、何れも要部が共通しているため、ここでは再生機器40を例として、図7に基づいて説明する。
【0097】
図7は、再生機器40の要部構成を示すブロック図である。図7に示すように、再生機器40は、音声出力部201と、映像・音声制御部202と、表示部203と、通信部204と、通信制御部205と、記憶部206とを備えている。
【0098】
音声出力部201は、音声を出力するものであり、例えばスピーカで構成することができる。
【0099】
映像・音声制御部202は、音声出力部201に音声を出力させる制御を行うと共に、下記表示部203に映像を出力させる制御を行うものである。無論、音声の出力制御と、映像の出力制御とを別のブロックで行うようにしてもよい。
【0100】
表示部203は、映像を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成することができる。
【0101】
通信部204は、再生機器40が外部の機器と通信するためのインターフェースである。具体的には、再生機器40は、通信部204を介して制御機器10やサーバ機器20と通信を行う。
【0102】
通信制御部205は、通信部204を情報の送受信を行わせるように制御するものである。
【0103】
記憶部206は、再生機器40で使用する各種データを記憶するものであり、ホームネットワーク情報格納部207が含まれている。ホームネットワーク情報格納部207には、ホームネットワークから通信部204によって受信した情報が記憶される。例えば、ホームネットワーク情報管格納206には、サーバ機器20からダウンロードしたコンテンツが一時的に保存される。
【0104】
(処理の流れ)
図3で説明したように、コンテンツを再生機器で再生する場合、まずコンテンツの選択が行われる。そして、その後「カメラで選ぶ」が選択されたときに、カメラの撮影する映像を用いた再生機器の選択が行われる。以下では、「カメラで選ぶ」が選択された後、コンテンツを再生機器に再生させるまでの処理の流れについて、図8に基づいて説明する。図8は、再生機器の選択から、選択した再生機器に再生を行わせるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
外部機器制御部120は、「カメラで選ぶ」を選択する入力操作が行われたことを示す制御信号を入力制御部125から受信すると、機器特定部121に機器の特定を指示する。そして、この指示を受信した機器特定部121は、映像取得部103を起動して、再生機器の映像を取得する(S101)。また、映像取得部103が取得した映像は、表示制御部124によって表示部104に表示される。なお、映像取得部103の起動は、ユーザに行わせてもよい。
【0106】
続いて、機器特定部121は、映像解析部123に指示して、映像取得部103が取得した再生機器の映像を解析させる。この指示を受信した映像解析部123は、取得された映像を解析する(S102;特徴情報生成ステップ)。そして、その結果を機器特定部121通知する。具体的には、映像中の再生機器を認識して、その再生機器の特徴情報(色、サイズ、形状などを示す情報)を生成し、生成した特徴情報を機器特定部121に送信する。
【0107】
この特徴情報を受信した機器特定部121は、再生機器対応関係テーブル110を参照し、受信した特徴情報に対応する機器が登録されているか判断する(S103;識別情報特定ステップ)。具体的には、機器特定部121は、受信した特徴情報と一致する特徴情報が再生機器対応関係テーブル110に登録されているか否かを判断する。なお、これらの特徴情報の一致は、完全一致である必要はない。予め設定した基準を満たす程度に一致していれば、特徴情報が一致したと判断する。そして、特徴情報が一致した場合に、その特徴情報に対応付けられている機器名称を、その機器の機器名称として特定する。
【0108】
ここで、登録済みの機器が検出されなかったと判断した場合には(S103でNo)、機器特定部121は、当該機器を再生機器対応関係テーブル110に登録するように再生機器情報管理部122に指示する。また、このときに、映像解析部123から受信した特徴情報を再生機器情報管理部122に送信する。
【0109】
上記の指示を受信した再生機器情報管理部122は、ホームネットワーク中の再生機器のリストを取得する(S104)。ホームネットワーク中の再生機器の検出には、マルチキャスト技術を利用することができる。また、ここで取得した再生機器リストには、機器名称およびユニークID(uuid)が含まれる。
【0110】
そして、再生機器情報管理部122は、表示制御部124に指示して、S104で取得した再生機器リスト(機器名称の一覧)を表示部104に表示させる。また、映像が取得された機器と、再生機器リストに含まれるその機器の機器名称(文字列)との対応付けを促すメッセージを表示させる(S105)。
【0111】
このメッセージに従ってユーザが入力部105に入力操作を行って機器名称を選択すると、その旨の制御信号が入力制御部125から再生機器情報管理部122に送信されるので、再生機器情報管理部122これに基づいて選択された機器名称を特定する。そして、この機器名称と、映像解析部123が生成した当該機器の特徴情報とを対応付けて、再生機器対応関係テーブル110に登録する(S106)。また、この際に、S104で取得した再生機器リスト一覧からユニークIDを取得し、これについても再生機器対応関係テーブル110に登録する。そして、これらの情報に再生機器IDを付加する。これにより、図6のような再生機器対応関係テーブル110が得られる。
【0112】
登録が完了すると再生機器情報管理部122からその旨が通知されるので、この通知を受けた機器特定部121は、新たに機器が登録された再生機器対応関係テーブル110を参照して、再度機器の特定を行う。
【0113】
そして、機器特定部121は、検出された機器の機器名称を再生機器対応関係テーブル110から読み出し、表示制御部124に指示して、表示部104に表示されている再生機器に重畳して表示させる(S107)。なお、機器名称を表示させる位置は、機器名称と映像中の機器との対応がユーザに分かるような位置あればよく、必ずしも重畳させる必要はない。また、S106の後の機器の再特定は省略してS107に進み、再生機器情報管理部122が登録した機器名称を表示させてもよい。
【0114】
そして、入力部105に対して、再生機器を選択する入力操作が行われると、その旨を示す制御信号が入力制御部125から外部機器制御部120に送信される。ここで、入力部105がタッチパネルである場合、再生機器の映像に対するタッチ操作を、再生機器を選択する入力操作として検出することが好ましい。これにより、ユーザが直感的な操作で再生機器を選択することができる。
【0115】
そして、外部機器制御部120は、コンテンツの格納先を示すURLを含む再生命令を作成し、これを通信部106に送信させる(S108、対象機器制御ステップ)。なお、上記URLはサーバ機器20から取得することができる。また、ここでは図7の再生機器40が選択されたとする。
【0116】
そして、S108で送信された再生命令を受信した再生機器40において、通信制御部205の制御に従って、通信部204を介して、上記再生命令にあるURLからコンテンツを一時的にホームネットワーク情報格納部207にダウンロードする。そして、映像・音声制御部202は、コンテンツの映像を表示部203によって出力するとともに、コンテンツの音声を音声出力部201によって出力して、コンテンツを再生する(S109)。
【0117】
なお、S103では、機器特定部121は、映像中の再生機器の特徴情報が登録されていると判断した場合には(S103でYes)、直接S107に進み、映像中の再生機器にその機器名称を重畳表示する(S107)。
【0118】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、初回の処理において、登録する機器特定情報を機器特定情報(機器名称)のリストからユーザに選択させる例を説明した。しかしながら、ユーザによっては、文字列が並んだ機器名称のリストからの選択に困難を覚えることも考えられる。
【0119】
そこで、第2の実施形態では、初回の処理において、機器名称の候補を制御機器が絞り込んだ上でユーザに提示して、提示した候補の中からユーザに選択させる。このように、制御機器によって絞り込まれた候補の中から選択させることにより、ユーザによる登録を容易にすることができる。
【0120】
以下では、本発明の第2の実施形態に係る制御機器70について、図9から図13に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0121】
(システム構成)
まず、本実施形態に係るホームネットワークのシステム構成について、図9に基づいて説明する。図9は、本実施形態にかかるホームネットワークのシステム構成例を示す図である。
【0122】
図9に示すように、本実施形態に係るホームネットワークのシステム構成は、機器データベース80がインターネット上に存在する点以外は、第1の実施形態のシステム構成と同様である。
【0123】
機器データベース80は、再生機器の機器特定情報と、該再生機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報テーブル(設計情報)を保存するものである。例えば、図11に示すような設計情報テーブル(詳細は後述する)を保存する。
【0124】
(制御機器の処理概要)
次に、再生機器でコンテンツを再生させる際の制御機器70の処理概要を説明する。制御機器70においても、制御機器10と同様に、再生機器でコンテンツを再生させるために、再生対象のコンテンツをサーバ機器20から選択し、このコンテンツを再生させる再生機器(再生機器40、50、60の何れか)を選択する。
【0125】
(1.コンテンツおよび再生機器を選ぶ処理)
制御機器70にて、コンテンツおよび再生機器(対象機器)を選ぶときの処理については、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。以下では、再生機器を特定する処理を中心に説明する。
【0126】
(2.再生機器を特定する処理)
次に、再生機器を特定する処理について、図10に基づいて説明する。なお、制御機器70において、カメラで再生機器を特定する処理は、第1の実施形態に記載されたように、初回の処理と2回目以降の処理とで異なっている。2回目以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略して、本実施形態では、初回の処理について説明する。
【0127】
(2.1.初回の処理)
まず、図3のD13の画面において、「カメラで選ぶ」が選択されると、制御機器70に内蔵されたカメラで再生機器の映像を取得して、図10に示すような画面D21を表示する。図示のように、ここではカメラが2つのテレビの映像を取得し、このうち1番のテレビが選択されたとする。
【0128】
テレビが選択されると、画面D22に遷移して、1番のテレビに対応する機器名称が表示される。具体的には、制御機器70は、まず、カメラが取得した画像から1番のテレビの特徴情報を生成する。また、インターネットを介して機器データベース80に保存されている設計情報テーブル(図11を参照、詳細は後述する)を取得する。
【0129】
そして、この設計情報テーブルを参照して、生成した特徴情報に対応する情報が対応付けられている機器特定情報(ここでは機器名称)を特定して、1番のテレビの機器名称の候補となる候補名称として表示部に表示する。
【0130】
なお、カメラで取得された映像から候補名称を特定する一連の処理は、上記の例のように全て制御機器70が行ってもよいし、一部を他の機器に分担させてもよい。例えば、制御機器70は、再生機器の映像をインターネットにアップロードして、インターネット上のサービスに、アップロードされた映像からの特徴情報の生成、および機器データベース80からの候補名称の特定を行わせてもよい。そして、当該サービスから候補名称を受信してもよい。また、制御機器70が、抽出した特徴情報をインターネット上にアップロードし、インターネット上のサービスに、機器データベース80から抽出情報に対応する候補名称を特定する処理を行わせ、特定された結果を受信してもよい。この場合、映像を送信する方式と比べて、送信データ量を減らすことができる。つまり、これらの一連の処理は、ネットワーク上に分散した複数の装置によって構成されるシステムによって実現することができる。
【0131】
また、設計情報テーブルは、予め制御機器70に記憶させておいてもよい。つまり、制御機器70は、自らが記憶する設計情報テーブルを用いて、カメラで画像取得した機器の候補名称を特定してもよい。この場合、インターネットに接続する必要はない。また、例えば制御機器70と同じメーカーの再生機器についての設計情報テーブルを予め格納しておいてもよい。同じメーカーであれば機器の設計上の情報を容易に入手し、自由に使用することが可能であり、ユーザにとっては制御機器70と再生機器のメーカーを揃えることで機器の登録が容易になるというメリットがある。
【0132】
図10に戻り、画面D22において、1番のテレビの候補名称(設計情報テーブルにて特定された機器特定情報)が表示され、その候補名称が正しいか否かをユーザに選択させる。ユーザが「はい」を選択した場合、制御機器70は、1番のテレビの特徴情報と、上記候補名称とを対応付けて、図6に示すような再生機器対応関係テーブルに保存する。この後、画面D23に遷移し、「対応付けを保存しました」というメッセージをユーザに通知する。
【0133】
一方、画面D22において、ユーザが「いいえ」を選択した場合、画面D25に遷移し、家庭内の再生機器リストが表示される。このリストからの選択は、実施形態1と同様であるから説明を省略する。
【0134】
そして、2番のテレビについても、上記と同様にして再生機器対応関係テーブル(図6)に登録する。これにより、画面D24に示すように、各テレビの映像にその機器名称が重ねて表示される。
【0135】
(3.設計情報テーブル)
次に、上記設計情報テーブルについて、図11を参照して説明する。図11は、再生機器の外観を示す設計上の情報と機器特定情報とを対応付けた設計情報テーブルの一例を示す図である。
【0136】
図11に示すように、設計情報テーブルには、機器特定情報として機器名称が記述されている。また、再生機器の外観を示す設計上の情報として、「サイズ」、「色」、および「特徴」が記述されている。
【0137】
このうち、「サイズ」および「色」は、再生機器対応関係テーブル110(図6参照)の特徴情報にも含まれる情報である。このように、設計情報テーブルには、再生機器対応関係テーブル110と同じ属性に関する情報が含まれており、設計情報テーブルを用いて候補名称を特定する差異には、同じ属性に関する情報を対比して一致するか判断する。
【0138】
また、「特徴」は、再生機器のその他の外観上の特徴を示す情報である。このような情報を用いることによって、再生機器の特定精度を上げることができる。例えば、ベゼル左下に金色のロゴマークがある再生機器には、この外観上の特徴を記述しておくことにより、その映像から同様の特徴が抽出された場合に、その機器が当該機種に属すると推定することができる。
【0139】
ここで、再生機器によっては、その動作状態に応じて外観が変化するものがある。例えば、動作状態を色で示すLEDを備えている再生機器では、動作状態に応じてLEDの色が変わる。したがって、このような再生機器について、「色」による特定の精度を上げるため、図示の例のように、特定部位について色の変化のバリエーションが存在することを示す情報を「特徴」に記述しておいてもよい。
【0140】
(制御機器の構成)
以下では、本実施形態に係る制御機器70の要部構成について、図12に基づいて説明する。
【0141】
図12は、制御機器70の要部構成を示すブロック図である。図12に示すように、制御機器70は、さらに候補抽出部(候補抽出手段)127を備えること以外は第1の実施形態に係る制御機器10と同様の構成である。
【0142】
候補抽出部127は、映像解析部123によって生成された再生機器の特徴情報に基づいて、その再生機器を推定し、推定された再生機器の機器名称を候補名称として表示する。具体的には、候補抽出部127は、通信制御部126に指示して通信部106を介してインターネット上の機器データベース80から、設計情報テーブル(図11)を取得させ、ホームネットワーク情報格納部111に保存させる。そして、候補抽出部127は、この設計情報テーブルを参照して、映像解析部123によって生成された特徴情報に対応する機器名称を抽出し、候補名称として表示する。
【0143】
(処理の流れ)
次に、コンテンツを再生機器で再生するまでの流れについて、図13に基づいて説明する。図13は、映像取得部103が再生機器の映像を取得してから、再生機器で再生するまでの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートのS201〜S204、S212〜S216は、図8のフローチャートのS101〜S109と同様の処理であるから、ここでは簡略な説明に留める。
【0144】
図13に示すように、まず、制御機器70において、カメラすなわち映像取得部103は、再生機器の映像を取得する(S201)。そして、表示制御部124は、映像取得部103が取得した再生機器の映像を表示部104に表示させる。
【0145】
次に、映像解析部123は、映像取得部103が取得した再生機器の映像を解析して、再生機器の特徴情報を生成する(S202;特徴情報生成ステップ)。そして、機器特定部121は、再生機器対応関係テーブル110を参照し、映像解析部123から受信した特徴情報に対応する機器が登録されているか判断する(S203;識別情報特定ステップ)。
【0146】
機器特定部121は、登録済みの機器が検出されなかったと判断した場合には(S203でNo)、検出された機器を再生機器対応関係テーブル110に登録するように再生機器情報管理部122に指示する。そして、この指示を受信した再生機器情報管理部122は、ホームネットワーク中の再生機器のリストを取得する(S204)。
【0147】
ここで、再生機器情報管理部122は、S202の解析により生成された特徴情報を候補抽出部127に送信し、この特徴情報に対応する候補名称の抽出を指示する。
【0148】
そして、この指示を受信した候補抽出部127は、通信制御部126および通信部106を介して、インターネット上の機器データベース80から設計情報テーブル(図11)を取得して、ホームネットワーク情報格納部111に記憶する(S205)。なお、機器データベース80から設計情報テーブルを取得するための情報(URL等)は、制御機器70の記憶部101等に予め記憶されているとする。
【0149】
次に、候補抽出部127は、上記取得された設計情報テーブルから、S202の解析により生成された特徴情報に対応する機器を検索する(S206)。この検索は、設計情報テーブルに含まれる、機器の外観を示す設計上の情報の項目と、特徴情報に含まれる項目とで、同じ属性に関する項目(サイズとサイズ、色と色など)を比較することで行われる。つまり、特徴情報と一定以上の割合で一致する情報が対応付けられた機器を検出する。
【0150】
次に、候補抽出部127は、上記の検索によって設計情報テーブルから機器が抽出されたか否かを判断する(S207)。候補抽出部127は、機器が検出されたと判断した場合には(S207でYes)、表示制御部124に指示して、検出した機器の機器名称を候補名称として表示部104に表示させる(S208)。
【0151】
ユーザは、このようにして表示された表示画面から、候補名称が映像中の機器の名称として正しいものであるか否かを選択する(図10のD22参照)。このため、候補抽出部127は、ユーザの選択操作を受け付けた入力部105および入力制御部125から受信した情報に基づいて、候補名称が正しいか否かを判断する(S209)。
【0152】
候補抽出部127は、上記候補名称が正しいと判断した場合には(S209でYes)、この候補名称を再生機器情報管理部122に送信する。そして、再生機器情報管理部122は、この候補名称を当該機器の機器名称として再生機器対応関係テーブルに保存する(S210)。
【0153】
また、候補抽出部127は、表示制御部124に指示して、上記候補名称を、映像中の再生機器に重畳表示させる(S211)。なお、上記候補名称が機器名称として登録された再生機器対応関係テーブル110を用いて機器特定部121に再特定を行わせ、これにより再生機器の映像に重畳して機器名称を表示させるようにしてもよい。
【0154】
この後、入力部105に対して、再生機器を選択する入力操作が行われると、外部機器制御部120は、コンテンツの格納先を示すURLを含む再生命令を作成し、これを通信部106に送信させる(S215、対象機器制御ステップ)。そして、S215で送信された再生命令を受信した再生機器が、上記再生命令中のURLからコンテンツをダウンロードして再生する(S216)。
【0155】
なお、S203では、機器特定部121は、映像中の再生機器の特徴情報が登録されていると判断した場合には(S203でYes)、直接S214に進み、映像中の再生機器にその機器名称を重畳表示する(S214)。
【0156】
また、S207で、機器が検出されなかったと判断した場合(S207でNo)、および、S209で候補名称が正しくないと判断した場合には(S209でNo)、候補抽出部127は、その旨を再生機器情報管理部122に通知し、処理はS212に進む。
【0157】
S212では、再生機器情報管理部122は、S204で取得した再生機器リスト(機器名称の一覧)を表示部104に表示させ、ユーザに映像との対応付けを促す(S212)。そして、ユーザが選択した機器名称と、映像解析部123が生成した特徴情報とを対応付けて、再生機器対応関係テーブル110に登録する(S213)。これにより、登録されている機器名称が映像中の再生機器に重畳表示され(S214)、この表示画面で再生機器が選択されるとS215の処理に進む。
【0158】
〔変形例〕
上記では、制御機器10、70がコンテンツの再生機器を選択する例を説明したが、選択の対象はコンテンツの再生機器に限られない。例えば、コンテンツのコピー先、移動先の選択にも用いることができる。また、単にユーザが機器の名称を知りたい場合にも利用することができる。つまり、制御機器10、70は、機器の映像からその機器の機器特定情報を特定する点、言い換えれば映像中の機器を電子機器が認識できるようにする点が主な特徴点であり、特定した機器特定情報を用いて行う処理は特に限定されない。このため、本発明の適用範囲は、ネットワーク上の機器を制御する制御機器に限られない。
【0159】
また、制御機器10、70は、スマートフォンやタブレット端末、PDAのような携帯型の機器であってもよいし、テレビのような据え置き型の機器であってもよい。近年では、インターネットを介してテレビ電話を行うためのカメラを備えたテレビも市販されているので、本発明をこのようなテレビに適用し、このカメラを利用してテレビに他の機器を認識させることも可能である。つまり、上記の制御機器10、70のような機器情報特定装置を備えるテレビジョン受像機も、本発明の範疇に含まれる。
【0160】
さらに、上記では制御機器10、70の備える映像取得部103がカメラである例を説明したが、映像取得部103は対象となる機器の映像を取得するものであればよく、これに限られない。例えば、映像取得部103は、制御機器10、70とは別体のカメラで撮影された映像を有線または無線通信で受信するものであってもよい。
【0161】
さらに、上記では再生機器をカメラの撮影範囲に収めた状態(シャッターを切っていない状態)で特徴点の抽出を行う例を示したが、特徴点の抽出対象となる画像は対象となる機器が写っているものであればよく、これに限定されない。例えば、シャッターを切って記録された静止画像から特徴点を抽出してもよいし、再生機器の動画像を撮影し、記録した動画像から特徴点を抽出してもよい。
【0162】
また、上記では、制御機器10、70が、機器特定部121および映像解析部123を備えている例を示したが、これらの構成要素をネットワーク上に分散配置してなるシステムであっても、制御機器10、70と同様の効果を奏する。つまり、機器特定部121の機能を備える機器特定装置と、映像解析部123の機能を備える特定情報生成装置とを含む機器制御システムについても本発明の範疇に含まれる。
【0163】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0164】
最後に、制御機器10、70の各ブロック、特に制御部102は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0165】
すなわち、制御機器10、70は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御機器10、70の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御機器10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0166】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0167】
また、制御機器10、70を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、相手機器を特定する機器に利用することができる。特に、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDAなどの携帯端末に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0169】
10、70 制御機器(機器制御装置)
40、50、60 再生機器(対象機器)
105 入力部
110 再生機器対応関係テーブル(対応情報)
120 外部機器制御部(対象機器制御手段)
121 機器特定部(識別情報特定手段)
122 再生機器情報管理部(識別情報取得手段、対応情報生成手段)
123 映像解析部(特徴情報生成手段、特徴情報生成装置)
127 候補抽出部(候補抽出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置であって、
上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、
上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定手段と、
上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御手段とを備えていることを特徴とする機器制御装置。
【請求項2】
上記識別情報特定手段は、特定した識別情報を、上記画像中に上記対象機器と対応付けて表示することを特徴とする請求項1に記載の機器制御装置。
【請求項3】
ユーザの入力操作を受け付ける入力部を備え、
上記入力部が、表示されている画像中の上記対象機器に対する入力操作を受け付けたときに、上記対象機器制御手段は、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて当該対象機器を制御することを特徴とする請求項2に記載の機器制御装置。
【請求項4】
上記識別情報特定手段が、上記特徴情報に対応する識別情報を特定できなかった場合に、上記対象機器の識別情報の候補となる識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報と、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補から選択された識別情報とを対応付けて、上記対応情報を生成する対応情報生成手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の機器制御装置。
【請求項5】
機器の識別情報と該機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報と、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報とを用いて、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補の中から、当該特徴情報と対応付ける識別情報を抽出する候補抽出手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の機器制御装置。
【請求項6】
上記対応情報に含まれる、機器の外観上の特徴を示す情報は、対象機器と他の機器との位置関係を示す位置関係情報を含み、
上記特徴情報生成手段は、上記対象機器の画像に含まれる他の機器と対象機器との位置関係を示す位置関係情報を含む特徴情報を生成し、
上記識別情報特定手段は、上記対応情報において、上記特徴情報生成手段が生成した特徴情報に含まれる位置関係情報と一致する位置関係情報が対応付けられた識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の機器制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の機器制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置による機器制御方法であって、
上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、
上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成ステップで生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定ステップと、
上記識別情報特定ステップで特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御ステップとを含むことを特徴とする機器制御方法。
【請求項10】
対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御システムであって、
上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成装置と、
上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成装置が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置とを含むことを特徴とする機器制御システム。
【請求項11】
請求項1から6のいずれか1項に記載の機器制御装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項1】
対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置であって、
上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、
上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定手段と、
上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御手段とを備えていることを特徴とする機器制御装置。
【請求項2】
上記識別情報特定手段は、特定した識別情報を、上記画像中に上記対象機器と対応付けて表示することを特徴とする請求項1に記載の機器制御装置。
【請求項3】
ユーザの入力操作を受け付ける入力部を備え、
上記入力部が、表示されている画像中の上記対象機器に対する入力操作を受け付けたときに、上記対象機器制御手段は、上記識別情報特定手段が特定した識別情報を用いて当該対象機器を制御することを特徴とする請求項2に記載の機器制御装置。
【請求項4】
上記識別情報特定手段が、上記特徴情報に対応する識別情報を特定できなかった場合に、上記対象機器の識別情報の候補となる識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報と、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補から選択された識別情報とを対応付けて、上記対応情報を生成する対応情報生成手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の機器制御装置。
【請求項5】
機器の識別情報と該機器の外観を示す設計上の情報とが対応付けられた設計情報と、上記特徴情報生成手段が生成した上記特徴情報とを用いて、上記識別情報取得手段が取得した識別情報の候補の中から、当該特徴情報と対応付ける識別情報を抽出する候補抽出手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の機器制御装置。
【請求項6】
上記対応情報に含まれる、機器の外観上の特徴を示す情報は、対象機器と他の機器との位置関係を示す位置関係情報を含み、
上記特徴情報生成手段は、上記対象機器の画像に含まれる他の機器と対象機器との位置関係を示す位置関係情報を含む特徴情報を生成し、
上記識別情報特定手段は、上記対応情報において、上記特徴情報生成手段が生成した特徴情報に含まれる位置関係情報と一致する位置関係情報が対応付けられた識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の機器制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の機器制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置による機器制御方法であって、
上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、
上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成ステップで生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定する識別情報特定ステップと、
上記識別情報特定ステップで特定した識別情報を用いて上記対象機器を制御する対象機器制御ステップとを含むことを特徴とする機器制御方法。
【請求項10】
対象機器について、電子機器が該対象機器を識別するための識別情報を特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御システムであって、
上記対象機器を撮影した画像に基づいて、当該対象機器の外観上の特徴を示す特徴情報を生成する特徴情報生成装置と、
上記識別情報の候補ごとに、機器の外観上の特徴を示す情報が対応付けられた対応情報を参照して、上記特徴情報生成装置が生成した上記特徴情報に対応する識別情報を、上記対象機器の識別情報として特定し、該識別情報を用いて該対象機器を制御する機器制御装置とを含むことを特徴とする機器制御システム。
【請求項11】
請求項1から6のいずれか1項に記載の機器制御装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−106156(P2013−106156A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248000(P2011−248000)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]