説明

機器劣化判定装置

【課題】ガス燃焼機器の部品劣化を早い段階で確実に把握し、故障や事故を未然に防止することができるようにする。
【解決手段】この発明の機器劣化判定装置は、ガス燃焼機器に固有の流量パターンPt、その流量パターンから求めた流量変化特性Qtをガス燃焼機器に対応させて登録している流量テーブルTと、ガス燃焼機器に供給されるガス流量を検出するガス流量検出手段12と、そのガス流量の今回の流量変化特性を求める流量変化特性演算手段13と、今回の流量変化特性と、流量テーブルに登録されている登録流量変化特性Qtとを比較する流量特性比較手段14と、その比較の結果、今回の流量変化特性が所定割合を越えて登録流量変化特性Qtと異なっている場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する劣化判別及び報知手段15と、を備えることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガス燃焼機器の劣化を判定する機器劣化判定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、都市ガスやLPガスの供給システムにおいて、ガス供給先ではマイコンを中心として構成されたマイコンメータが使用され、検知したガス流量やガス圧力等に基づいて、使用開始されたガス燃焼機器を特定したり、使用状態を監視するようになっている(例えば下記の特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−148728号公報
【特許文献2】特開2008−180488号公報
【0004】
上記のガス燃焼機器の使用状態監視は、主に点火不良やガス漏れ等であり、それらの原因ともなりうる長期間使用による部品等の劣化は、特に監視されていない。例えば、ガスコンロの空気取入れ孔が目詰まりを起こし、ガス流入量が長期間に亘り徐々に減少したり、COガスが徐々に増加したりしても、それらは監視されず、見過ごされていた。
【0005】
しかし、これらの部品劣化による現象は、そのまま放置されていると、故障や事故の原因となるものである。このため、部品劣化を早い段階で確実に把握し、故障や事故を未然に防止するのが望ましいものの、そのような対応がなされていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上記に鑑み提案されたもので、ガス燃焼機器の部品劣化を早い段階で確実に把握し、故障や事故を未然に防止することができる機器劣化判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ガス燃焼機器の劣化を判定する機器劣化判定装置において、上記ガス燃焼機器に固有の流量パターンおよびその流量パターンから求めた流量変化特性を当該ガス燃焼機器に対応させて登録している流量テーブルと、上記ガス燃焼機器に供給されるガス流量を検出するガス流量検出手段と、上記ガス流量の今回の流量変化特性を求める流量変化特性演算手段と、上記今回の流量変化特性と、流量テーブルに登録されている登録流量変化特性とを比較する流量特性比較手段と、上記流量特性比較手段による比較の結果、今回の流量変化特性が所定割合を越えて登録流量変化特性と異なっている場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する劣化判別及び報知手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明において、上記流量変化特性を、ガス燃焼機器点火時のガス流量立ち上がりの傾きとするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明において、上記流量変化特性を、ガス燃焼機器点火時のガス流量立ち上がりの最大流量値とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明において、上記流量変化特性を、ガス燃焼機器点火時のガス流量立ち上がり後の安定域流量値とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、ガス燃焼機器の劣化を判定する機器劣化判定装置において、上記ガス燃焼機器に固有のCO濃度パターンから求めたCO濃度変化特性を当該ガス燃焼機器に対応させて登録しているCOテーブルと、上記ガス燃焼機器の燃焼時に発生する一酸化炭素(CO)の濃度を測定するCO測定手段と、上記CO濃度の今回の変化特性を求め、そのCO濃度変化特性と、COテーブルに登録されている登録CO濃度変化特性とを比較するCO特性比較手段と、上記CO特性比較手段による比較の結果、今回のCO濃度変化特性が所定割合を越えて登録CO濃度変化特性と異なっている場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する劣化判別及び報知手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明において、上記CO濃度変化特性を、ガス燃焼機器点火時のCO濃度立ち上がりの最大流量値とするものである。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明において、上記CO濃度変化特性を、ガス燃焼機器点火時のCO濃度立ち上がり後の安定域CO濃度値とするものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明では、ガス燃焼機器の流量変化特性が、所定割合を越えて登録流量変化特性と異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知するようにしたので、ガス燃焼機器の部品劣化を早い段階で確実に把握することができ、故障や事故を未然に防止することができる。
【0015】
また、この発明では、ガス燃焼機器のCO濃度変化特性が、所定割合を越えて登録CO濃度変化特性と異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知するようにしたので、ガス燃焼機器の部品劣化を早い段階で確実に把握することができ、故障や事故を未然に防止することができる。
【0016】
また、その部品劣化発生を集中監視センタへ通知することにより、ガス事業者にガス燃焼機器点検の必要性を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の第1の実施形態が適用されるガス供給システムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】本発明の機器劣化判定装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図3】流量変化特性比較の説明図である。
【図4】この発明の第2の実施形態が適用されるガス供給システムの構成例を概略的に示す図である。
【図5】本発明の機器劣化判定装置の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図6】CO濃度変化特性比較の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下にこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
図1はこの発明の第1の実施形態が適用されるガス供給システムの構成例を概略的に示す図である。図1において、この発明が適用されるガス供給システムは、ガス配管20と、そのガス配管20によってガスが供給されるガス供給先30と、ガス供給先30の手前でガス配管20の途中に設けられたマイコンメータ1とを備えている。ガス供給先30は、例えば一般家屋や集合住宅である。
【0020】
ガス配管20は分岐してガス供給先30で使用する種々のガス燃焼機器まで配管されている。例えば、ガス配管20は分岐して、屋外に設置されたガス給湯器31に接続され、また屋内に配置されたガスコンロ34やガスファンヒータ35に接続されている。なお、ガス給湯器31で生成された湯は、水配管を介して、屋内の浴槽給湯口32に供給され湯張りに使用される。また台所給湯栓33に供給される。
【0021】
マイコンメータ1は、検知したガス流量等に基づいてガス供給先30でのガス使用状態を管理する装置であり、制御部10、流量センサ2、遮断弁3、およびLCD表示部4を有している。
【0022】
このマイコンメータ1は、ガス供給先30毎に設けられ、その各個のマイコンメータ1は、集中監視センタ5に電話回線等で接続されており、制御部10で異常発生等の判定結果がなされると、その情報が集中監視センタ5に伝達され、集中監視センタ5ではその情報に基づいてガス供給先30に対して適切な対応を行う。
【0023】
上記の制御部10はマイクロコンピュータ(マイコン)を中心に構成され、流量センサ2で検知したガス流量、また圧力センサ(図示省略)で検知したガス圧力等に基づいて、ガス供給先30でのガス使用状態を推定し、ガス供給先30において適正にガスが使用されているか否かの判定を行う。
【0024】
例えば制御部10は、流量センサ2を用いて、マイコンメータ1内のガス配管20を通過する都市ガス或いはLPG等のガスの流量を検出する。ここで、流量センサ2は、例えばマイコンメータ1を貫通するガス配管20内に設置された超音波センサからなり、超音波を送信または受信する第1送受信器と、受信または送信する第2送受信器とが流れ方向に対抗して配置され、予め定めた周期毎に上流から下流へ、又下流から上流に向かって超音波信号を送信し、制御部10は、その信号を受けて伝搬時間を計測し、第1送受信器と第2送受信器との超音波の伝搬時間差から流路の断面積や流体の流れ状態を考慮して、瞬時流量値を求め、また積算流量値を求める。
【0025】
また、制御部10は、ガス供給先30でのガス使用状態を推定し、ガス供給先30においてガス漏れ等の異常が発生していると判定した場合、遮断弁3に制御信号を出力して遮断弁3を閉じガス供給を遮断する。
【0026】
LCD表示部4は、制御部10で求められたガス流量の積算値を表示したり、制御部10でなされた各種判定結果を表示し、ガスユーザに通知する。
【0027】
本発明の第1の実施形態における機器劣化判定装置は、制御部10のマイコンを中心に構成され、ROMに記憶された本発明に係るプログラムに従ってCPUが動作するソフトウェアの機能を含むものとなっている。
【0028】
図2は本発明の機器劣化判定装置の第1の実施形態を示すブロック図である。図2に示すように、本発明の機器劣化判定装置100は、ガス燃焼機器の劣化を判定するものであり、使用機器特定手段11、ガス流量検出手段12、流量変化特性演算手段13、流量特性比較手段14、劣化判別及び報知手段15、および流量テーブルTから構成されている。
【0029】
流量テーブルTには、複数のガス燃焼機器(31,34,35等)の各々に固有の流量パターンPtおよびその流量パターンPtから求めた流量変化特性Qtが、当該ガス燃焼機器に対応させて予め登録されている。
【0030】
ガス供給先30のガス燃焼機器が点火され使用が開始されると、ガス流量検出手段12は、流量センサ2からの信号に基づいて、そのガス燃焼機器に供給されるガスの流量を検出する。
【0031】
使用機器特定手段11は、ガス流量検出手段12によって検出された、今回使用開始されたガス燃焼機器のガス流量の変化を求め、そのガス流量変化と流量テーブルTに登録されている登録流量パターンPtとを比較し、今回のガス流量変化に一致する登録流量パターンPtを持つ登録ガス燃焼機器が、今回使用開始されたとして、燃焼器群の中から特定する。今回のガス流量変化と登録流量パターンPtとの一致、不一致は、任意のパターンマッチング方法に従って判定することができる。
【0032】
次に、流量変化特性演算手段13が、ガス流量の今回の流量変化特性を求める。続いて、流量特性比較手段14が、今回の流量変化特性と、流量テーブルTに登録されている登録流量変化特性Qtとを比較する。そして、劣化判別及び報知手段15は、流量特性比較手段14による比較の結果、今回の流量変化特性が所定割合を越えて登録流量変化特性Qtと異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する。この報知は、例えばLCD表示部4への表示や、集中監視センタ5への通知により行われる。以下に、流量変化特性の比較について、図3を用いてより具体的に説明する。
【0033】
図3は流量変化特性比較の説明図である。図3において、横軸は点火されてからの経過時間、縦軸はガス流量である。図中、変化曲線Ptは、流量テーブルTに登録されている、ある特定のガス燃焼機器(ここではガスファンヒータ)の流量パターンである。点火がなされると、ガス流量が傾きαtで急激に立ち上がり、最大流量mtに達し、その後減少に転じ安定した流量htとなる。流量パターンPtの傾きαt、最大流量mt、安定域流量htは、流量テーブルTに登録されている登録流量変化特性Qtに相当する。
【0034】
流量パターンPtを有するガス燃焼機器が点火され、図中、変化曲線P1に沿ってガス流量が変化したとする。流量変化特性演算手段13は、この変化曲線P1の流量変化特性として、傾きα1、最大流量m1、安定域流量h1の少なくとも1つを求める。
【0035】
流量特性比較手段14は、今回の流量変化特性と、流量テーブルTに登録されている登録流量変化特性Qtとを比較する。例えば今回の点火によりガス流量が変化曲線P2に沿って変化したとすると、今回得られた流量変化特性は、傾きα2、最大流量m2、安定域流量h2であり、α2とαtとの比較、m2とmtとの比較、あるいはh2とhtの比較の少なくとも何れか1つの比較を行う。
【0036】
そして、この比較の結果、今回の流量変化特性が所定割合を越えて登録流量変化特性Qtと異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する。例えば傾きα2が10%を越えてαtと異なっている、最大流量m2が20%を越えてmtと異なっている場合、また安定域流量h2が5%を越えてhtと異なっている場合の、少なくともその何れかの場合が成立すると、長期間の使用によりガスファンヒータの空気取入れ口で目詰まりが発生していると判別しその旨を報知する。
【0037】
このように、この発明の第1の実施形態では、ガス燃焼機器の流量変化特性が、所定割合を越えて登録流量変化特性と異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知するようにしたので、ガス燃焼機器の部品劣化を早い段階で確実に把握することができ、故障や事故を未然に防止することができる。
【0038】
また、その部品劣化発生を集中監視センタ5へ通知することにより、ガス事業者にガス燃焼機器点検の必要性を知らせることができる。
【0039】
図4はこの発明の第2の実施形態が適用されるガス供給システムの構成例を概略的に示す図である。図4において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。図4に示すガス供給システムが、図1に示す第1の実施形態のガス供給システムと相違しているのは、ガス供給先30の家屋内にCOセンサ36を設けた点である。このCOセンサ36は、ガス燃焼機器を使用したときの家屋内のCO濃度を測定し、その測定信号をマイコンメータ1の制御部10に出力している。COセンサ36は必要に応じて家屋内に複数設けるようにしてもよい。
【0040】
本発明の第2の実施形態における機器劣化判定装置は、上記の第1の実施形態における機器劣化判定装置100と同様に、制御部10のマイコンを中心に構成され、ROMに記憶された本発明に係るプログラムに従ってCPUが動作するソフトウェアの機能を含むものとなっている。
【0041】
図5は本発明の機器劣化判定装置の第2の実施形態を示すブロック図である。図5において、図2と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本発明の第2の実施形態における機器劣化判定装置101は、使用機器特定手段11、ガス流量検出手段12、CO測定手段16、CO変化特性演算手段17、CO特性比較手段18、劣化判別及び報知手段19、流量テーブルT、およびCOテーブルTCから構成されている。
【0043】
COテーブルTCには、複数のガス燃焼機器(31,34,35等)の各々に固有のCO濃度パターンRtおよびそのCO濃度パターンRtから求めたCO濃度変化特性Ctが、当該ガス燃焼機器に対応させて予め登録されている。
【0044】
ガス供給先30のガス燃焼機器が点火され使用が開始されると、CO測定手段16は、COセンサ36からの信号に基づいて、そのガス燃焼機器の燃焼時に発生する一酸化炭素(CO)濃度を測定する。
【0045】
CO変化特性演算手段17は、CO濃度の今回の変化特性を求め、続いてCO特性比較手段18が、今回のCO濃度変化特性と、COテーブルTCに登録されている登録CO濃度変化特性Ctとを比較する。なお、今回使用開始されたガス燃焼機器は、使用機器特定手段11によって予め特定されており、登録CO濃度変化特性Ctは、その特定されたガス燃焼機器に対応して設定されたものである。
【0046】
そして、劣化判別及び報知手段19は、CO特性比較手段18による比較の結果、今回のCO濃度変化特性が所定割合を越えて登録CO濃度変化特性Ctと異なっている場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する。この報知は、例えばLCD表示部4への表示や、集中監視センタ5への通知により行われる。以下に、CO濃度変化特性の比較について、図6を用いてより具体的に説明する。
【0047】
図6はCO濃度変化特性比較の説明図である。図6において、横軸は点火されてからの経過時間、縦軸はCO濃度である。図中、変化曲線Rtは、COテーブルTCに登録されている、ある特定のガス燃焼機器(ここではガスコンロ)のCO濃度パターンである。点火がなされると、CO濃度が急激に立ち上がり、最大濃度dtに達し、その後減少に転じ安定した濃度ftとなる。登録濃度パターンRtの最大濃度dt、安定域濃度ftは、COテーブルTCに登録されている登録CO濃度変化特性Ctに相当する。
【0048】
登録CO濃度パターンRtを有するガス燃焼機器が点火され、図中、変化曲線R1に沿ってCO濃度が変化したとする。CO変化特性演算手段17は、この変化曲線R1のCO濃度変化特性として、最大濃度d1、安定域濃度f1の少なくとも何れか一方を求める。
【0049】
CO特性比較手段18は、今回のCO濃度変化特性と、COテーブルTCに登録されている登録CO濃度変化特性Ctとを比較する。例えば今回の点火によりCO濃度が変化曲線R1に沿って変化したとすると、今回得られたCO濃度変化特性は、最大濃度d1、安定域濃度f1であり、d1とdtとの比較、あるいはf1とftとの比較の少なくとも何れか一方の比較を行う。
【0050】
そして、この比較の結果、今回のCO濃度変化特性が所定割合を越えて登録CO濃度変化特性Ctと異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する。例えば最大濃度d1が20%を越えてdtと異なっている場合、また安定域濃度f1が25%を越えてftと異なっている場合の、少なくともその何れかの場合が成立すると、長期間の使用によりガスコンロの空気取入れ口で目詰まりが発生し不完全燃焼が発生している等と判別しその旨を報知する。
【0051】
このように、この発明の第2の実施形態では、ガス燃焼機器のCO濃度変化特性が、所定割合を越えて登録CO濃度変化特性と異なっていると判別した場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知するようにしたので、第1の実施形態の場合と同様に、ガス燃焼機器の部品劣化を早い段階で確実に把握することができ、故障や事故を未然に防止することができる。
【0052】
また、その部品劣化発生を集中監視センタ5へ通知することにより、ガス事業者にガス燃焼機器点検の必要性を知らせることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 マイコンメータ
2 流量センサ
3 遮断弁
4 LCD表示部
5 集中監視センタ
10 制御部
11 使用機器特定手段
12 ガス流量検出手段
13 流量変化特性演算手段
14 流量特性比較手段
15 劣化判別及び報知手段
16 CO測定手段
17 CO変化特性演算手段
18 CO特性比較手段
19 劣化判別及び報知手段
20 ガス配管
30 ガス供給先
31 ガス給湯器
32 浴槽給湯口
33 台所給湯栓
34 ガスコンロ
35 ガスファンヒータ
36 COセンサ
100 機器劣化判定装置
101 機器劣化判定装置
Ct 登録CO濃度変化特性
Pt 登録流量パターン
Qt 登録流量変化特性
Rt 登録CO濃度パターン
T 流量テーブル
TC COテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃焼機器の劣化を判定する機器劣化判定装置において、
上記ガス燃焼機器に固有の流量パターンおよびその流量パターンから求めた流量変化特性を当該ガス燃焼機器に対応させて登録している流量テーブルと、
上記ガス燃焼機器に供給されるガス流量を検出するガス流量検出手段と、
上記ガス流量の今回の流量変化特性を求める流量変化特性演算手段と、
上記今回の流量変化特性と、流量テーブルに登録されている登録流量変化特性とを比較する流量特性比較手段と、
上記流量特性比較手段による比較の結果、今回の流量変化特性が所定割合を越えて登録流量変化特性と異なっている場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する劣化判別及び報知手段と、
を備えることを特徴とする機器劣化判定装置。
【請求項2】
上記流量変化特性は、ガス燃焼機器点火時のガス流量立ち上がりの傾きである、請求項1に記載の機器劣化判定装置。
【請求項3】
上記流量変化特性は、ガス燃焼機器点火時のガス流量立ち上がりの最大流量値である、請求項1に記載の機器劣化判定装置。
【請求項4】
上記流量変化特性は、ガス燃焼機器点火時のガス流量立ち上がり後の安定域流量値である、請求項1に記載の機器劣化判定装置。
【請求項5】
ガス燃焼機器の劣化を判定する機器劣化判定装置において、
上記ガス燃焼機器に固有の一酸化炭素(CO)濃度パターンから求めたCO濃度変化特性を当該ガス燃焼機器に対応させて登録しているCOテーブルと、
上記ガス燃焼機器の燃焼時に発生するCOの濃度を測定するCO測定手段と、
上記CO濃度の今回の変化特性を求め、そのCO濃度変化特性と、COテーブルに登録されている登録CO濃度変化特性とを比較するCO特性比較手段と、
上記CO特性比較手段による比較の結果、今回のCO濃度変化特性が所定割合を越えて登録CO濃度変化特性と異なっている場合、ガス燃焼機器が劣化し異常が発生していると判別し報知する劣化判別及び報知手段と、
を備えることを特徴とする機器劣化判定装置。
【請求項6】
上記CO濃度変化特性は、ガス燃焼機器点火時のCO濃度立ち上がりの最大流量値である、請求項5に記載の機器劣化判定装置。
【請求項7】
上記CO濃度変化特性は、ガス燃焼機器点火時のCO濃度立ち上がり後の安定域CO濃度値である、請求項5に記載の機器劣化判定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−163702(P2011−163702A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28767(P2010−28767)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、経済産業省原子力安全・保安院、石油ガス供給事業安全管理技術開発等事業(集中監視による液化石油ガス燃焼器自動識別システムの開発)に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000168643)高圧ガス保安協会 (92)
【Fターム(参考)】