機器情報管理装置、機器情報管理方法
【課題】情報のセキュリティを保ちつつ、より簡易に装置個体情報を確認することができるようにし、機器の修理、点検等の効率化を図る。
【解決手段】非接触型通信機器(RFIDタグ26)に装置個体情報を記憶させる。この装置個体情報は、データ変換(コード化、暗号化)された情報とする。機器情報管理装置10では、非接触通信部13によりRFIDタグ26から情報を読み出し、逆データ変換(暗号化復号及びデコード)を行って装置個体情報を得、これを表示出力する。
【解決手段】非接触型通信機器(RFIDタグ26)に装置個体情報を記憶させる。この装置個体情報は、データ変換(コード化、暗号化)された情報とする。機器情報管理装置10では、非接触通信部13によりRFIDタグ26から情報を読み出し、逆データ変換(暗号化復号及びデコード)を行って装置個体情報を得、これを表示出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置に配置されている非接触型通信機器との通信を行い、当該外部装置の装置個体情報を読出して表示する機器情報管理装置と機器情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−327126号公報
【0003】
近年、物体認証や個人認証等を行うためにRFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれるICチップ等を利用した非接触認証技術が使用されている。このRFID技術は、タグやラベル状に加工されたアンテナ付きICチップ等を物や人に取付けて、そこに記憶された情報をリーダー・ライタと呼ばれる装置で読取るものである。
なお、以下の説明では、物や人に取付けるICチップ等のことを「RFIDタグ」として説明する。
そして、このRFID技術は、例えば、家電製品の機器個体IDや製品構成情報の管理にも利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで従来、デジタル家電製品等の機器の製品情報を管理するにあたっては、データベースサーバにて一元管理していた。ここでいう製品情報とは、例えば製品の製造年月日、形式、年式、製造工程情報、設計情報、搭載するハードウエアやソフトウエア(ファームウエア)の情報、製品検査情報、過去の修理履歴などの各種の情報であり、各装置のそれぞれに固有の情報である。本明細書では、これらを装置個体情報と呼ぶこととする。
例えばこれらの装置個体情報は、メーカーサイドで、出荷する製品のそれぞれにユニークなID(例えば製造ナンバや製品シリアルナンバ)に関連付けてデータベースに登録して管理している。
【0005】
そして例えば機器の故障の際などに、サービススタッフがその機器の情報を確認するためには、家電製品のシリアルナンバを指定して、データベースサーバにアクセスという手法が採られる。
例えば機器に取付けられているRFIDタグにシリアルナンバを記憶させておき、このシリアルナンバをリーダー・ライタで読み取る。そしてネットワーク通信端末からデータベースサーバにアクセスし、読み取ったシリアルナンバを用いて当該製品の情報を取得することになる。
【0006】
このような装置個体情報の管理により、修理等の際に各種の必要な情報が得られることになるが、次のような不便があった。
例えばサービススタッフが、ユーザの自宅等に出張して、機器の修理・調整等を行う場合、その現場においてネットワーク通信によりデータベースサーバにアクセスできる環境が必要となる。当然、場所によってはネットワーク通信ができず、サービススタッフが必要な装置個体情報を取得できないという状況も生じてしまう。
また、データベースへ接続するための機器をサービススタッフ或いはユーザが、サービスショップ等の店舗に持ち運んだとしても、故障した製品からその都度データベースにアクセスするのは利便性が悪く、スタッフにとっても製品を修理する以外にも一手間かかる、面倒な作業となることがある。
さらに、データベースサーバとして、高価な情報管理システムの導入が必要であり、そのためのコストがかかっているとともに、データベースの故障や保守点検などで、ネットワーク環境が整っているにもかかわらず、製品の情報が確認出来なくなってしまう場合もある。
【0007】
このような状況に対して、製品販売時に、装置個体情報を記載した冊子等を同梱するということも考えられるが、装置個体情報の中には、設計情報など比較的秘密性の高い情報も含まれているため、適切とはいえない。
そのため、例えば機器内部のROM等に装置個体情報を書き込んでおき、一般には用いられない専用治具を用いて機器個体情報を読み出すことができるようにするという手法も考えられるが、多数のスタッフに専用治具を持たせなければならないこと等による、サービスコストの上昇が懸念される。
【0008】
そこで本発明では、より汎用的な機器を用いつつ、装置個体情報の秘密性を確保し、さらにサービススタッフ等が容易に装置個体情報を参照できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の機器情報管理装置は、外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で非接触データ通信を行う通信部と、上記通信部によって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換処理と、少なくとも上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力処理と、を行う制御部とを備える。
【0010】
また上記制御部はさらに、上記非接触型通信機器への書込み用としての装置個体情報が入力されることに応じて、当該装置個体情報に上記所定のデータ変換を行うデータ変換処理と、当該データ変換処理で得られたデータを上記通信部により上記非接触型通信機器に書込ませる書込み制御処理とを行うようにする。
また上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化する処理であり、上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする処理を行う。
或いは上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を暗号化する処理であり、上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、暗号化されたデータ内容を復号する処理を行う。
或いは上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化し、且つ、コード化されたデータを暗号化する処理であり、上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記暗号化されたデータ内容を復号する処理を行い、且つ、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする。
【0011】
また、通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成し、上記通信装置は上記通信部を備え、上記情報端末装置は上記制御部を備えるようにする。
また通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成するとともに、上記制御部は、上記逆データ変換処理を行う第1制御部と、上記表示データ出力処理を行う第2制御部とから成り、上記通信装置は上記通信部と上記第1制御部を備え、上記情報端末装置は上記第2制御部を備えるようにする。
【0012】
本発明の機器情報管理方法は、外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で、非接触データ通信を行う通信ステップと、上記通信ステップによって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換ステップと、上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力ステップとを実行する。
【0013】
このような本発明では、非接触型通信機器に記録されている所定のデータ変換を施された装置個体情報を通信部で読取り、そして逆データ変換を行った装置個体情報を表示用のデータとして出力することができる。つまりデータベースサーバとの間の通信環境を不要とする。またコード化や暗号化により情報のセキュリティを確保する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、非接触型通信機器から読出した装置個体情報を表示することができるので、例えばサービススタッフ等が、故障した製品機器(外部装置)を修理するとき、データベースに接続して装置個体情報を確認する必要が無くなる。これにより、ネットワーク環境が整っていない状況でも、修理・調整等の作業の適切な実行が可能となるとともに作業効率が向上する。
さらに汎用的な非接触通信機器(例えばRFIDタグ)に対する読取装置(例えばリーダー・ライタ)を用いることで、特殊な専用治具は不要であり、かつコード変換によりセキュリティも保つことができる。
従って、効率的かつ利便性のよい修理点検サービスの実現や、そのためのコストの低減という効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態の機器情報管理装置を機器情報管理装置10として説明する。説明は以下の順序で行う。
[1.機器情報管理装置の外観]
[2.機器情報管理装置の構成例]
[3.装置個体情報のコード化・暗号化の説明]
[4.第1の実施の形態]
[5.第2の実施の形態]
[6.第3の実施の形態]
[7.変形例]
【0016】
[1.機器情報管理装置の外観]
図1は、機器情報管理装置10の構成例と外観を示している。
図1(a)に示す機器情報管理装置10は、リーダー・ライタ11と情報端末装置12から構成されている。
リーダー・ライタ11は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用して、図示するような機器Aに内蔵されているRFIDタグ26に記録されている機器Aの装置個体情報を読取ることができる。このRFIDタグ26は、例えば、ICチップ、通信内容のエンコード・デコード等を行う制御部、ICチップに電源を供給すると共に情報の送受信のアンテナとして機能するアンテナ部が封入されているICタグ等とする。
そして、リーダー・ライタ11は、読取った装置個体情報を情報端末装置12へ送信する。
なお、本発明においては、RFIDタグ26に記憶されている装置個体情報には、所定のデータ変換(コード化、暗号化)が施されており、リーダー・ライタ11は、データ変換が施された装置個体情報を読取ることことになる。
【0017】
情報端末装置12は、例えば図示するように、持ち運び可能なラップトップ型のパーソナルコンピュータ等であり、リーダー・ライタ11やマウス25等を接続することができる。
この情報端末装置12は、リーダー・ライタ11から送信される、コード化、暗号化が施された装置個体情報に対して逆データ変換(復号処理、デコード処理)を行う。そして復号処理、デコード処理した装置個体情報をディスプレイ22において表示する。
或いは、リーダー・ライタ11において、コード化、暗号化が施された装置個体情報に対して逆データ変換(復号処理、デコード処理)が行われるようにしてもよい。その場合、逆データ変換がされた装置個体情報が情報端末装置12に送信されると、情報端末装置12は、その装置個体情報をディスプレイ22において表示させる。
つまり、この機器情報管理装置10では、機器Aに内蔵されているRFIDタグ26に記録されている装置個体情報を機器情報管理装置10内だけで処理して、表示することが出来るものである。
【0018】
そして、図1(a)に示す機器情報管理装置10は、リーダー・ライタ11と情報端末装置12が持ち運びが出来る形態と大きさになっているので、場所を選ばずRFIDタグ26から読取った装置個体情報を情報端末装置12が備えるディスプレイ22に表示することが出来るものである。
【0019】
図1(b)は機器情報管理装置10の他の形態例を示している。これは、上記図1(a)で説明した、リーダー・ライタ11と情報端末装置12の機能を一体にした機器情報管理装置10である。
この機器情報管理装置10においても、持ち運びが容易となっており、ディスプレイ22においてRFIDタグ26から読取った機器Aの装置個体情報を表示することが出来る。
【0020】
[2.機器情報管理装置の構成例]
図2は、上記図1(a)で説明した機器情報管理装置10の内部構成例を示している。即ちリーダー・ライタ11と情報端末装置12で機器情報管理装置10が構成される例である。
まず、リーダー・ライタ11は図示するように、非接触通信部13、演算制御部14、外部インターフェイス部15を有する。
【0021】
非接触通信部13は、機器Aに取付けられているRFIDタグ26とRFID技術を利用して直接、通信を行う部位である。
このRFID技術は、既に公知の技術ではあるが、以下に本実施の形態におけるRFID技術を利用した通信手段を用いてRFIDタグ26に記録されているデータを読出す手順を説明する。
まず、リーダー・ライタ11の非接触通信部13から制御信号を含む電波を発信する。 RFIDタグ26では、非接触通信部13からの電波をアンテナ部が受信することで、アンテナの共振作用により起電力が発生し、その発生した電力により制御回路等を起動して必要な処理(データの読出し処理)を行う。そして、この処理結果を変調して搬送波に乗せRFIDタグ26のアンテナ部から送信する。
リーダー・ライタ11では、演算制御部14の制御により、このアンテナ部から送信された電波を非接触通信部13にて受信し、必要な処理を行い、外部インターフェイス部15を介して情報端末装置12へ送信する。そして、情報端末装置12においては後述するCPU17が表示データとなるように処理を行わせる。
【0022】
また、RFID技術としては、RFIDタグ26にデータを書込ませることもできる。そのための手順としは、先ずリーダー・ライタ11は、演算制御部14の制御により、情報端末装置12から送信されてきたデータを、外部インターフェイス部15を介して非接触通信部13からデータを制御信号を含む電波として送信する。そして、RFIDタグ26では、非接触通信部13からの電波をアンテナ部が受信することで発生した電力により制御回路等を起動して必要な処理(データの書込み処理)を行う。
なお、非接触通信部13は本発明請求項でいう通信部に相当する。
【0023】
また、演算制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、リーダー・ライタ11の全体を制御する制御部とされる。この演算制御部14は内部のROM等に保持したプログラムに基づいて、各種演算処理や各部と制御信号等のやりとりを行い、各部に所要の動作を実行させる。
【0024】
外部インターフェイス部15は、例えば、シリアルポートやUSBポート等として、後述する情報端末装置12が備える外部インターフェイス部16と接続される。そして、この外部インターフェイス部15、外部インターフェイス部16を介して、リーダー・ライタ11と情報端末装置12の通信が行われる。
【0025】
続いて、情報端末装置12の内部構成について説明する。情報端末装置12は、図示するように、外部インターフェイス部16、CPU(Central Processing Unit)17、メモリ部18、HDD(Hard Disk Drive)インターフェース部19、HDD20、ディスプレイコントローラ21、ディスプレイ22、入力機器インターフェイス部23、キーボード24、マウス25を有する。
【0026】
外部インターフェイス部16は、上記した外部インターフェイス部15と同様に、例えばシリアルポートやUSBポート等とし、上記外部インターフェイス部15と接続され、リーダー・ライタ11と情報端末装置12の通信が行われる。
【0027】
CPU17は、情報端末装置12のメインコントローラであり、メモリ部18に格納されているプログラムに応じて、各種制御処理を実行する。そして、CPU17は、バスによって他の各部と相互接続されており、各部にはそれぞれ固有のメモリアドレス又はI/Oアドレスが付与されているので、CPU17は、これらアドレスによってアクセスが可能となっている。
また、CPU17としては、上述したようにリーダー・ライタ11とのデータの送受信を行うためのデータ通信制御を行い、また、受信したデータを後述するディスプレイ22に表示させるように後述するディスプレイコントローラ21を制御するデータ表示制御を行う。
なお、このCPU17と、上記リーダー・ライタ11の演算制御部14の両方又は一方が、本発明請求項でいう制御部として機能する。
【0028】
メモリ部18は揮発メモリ、不揮発性メモリの双方を含むものとして示している。例えばプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、演算ワーク領域や各種一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。
このメモリ部18には、CPU17において実行されるプログラムコードやその他の情報を格納したり、通信データのバッファ領域や実行中の作業データのワーク領域に用いられる。
【0029】
HDDインターフェース部19は、HDD20に対する書込/読出のインターフェース処理を行う。
HDD20は、周知の通り記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。通常、HDD20には、CPU17が実行すべきオペレーティングシステムのプログラムコードや、アプリケーションプログラム、デバイスドライバなどが不揮発的に格納されている。
HDD20に格納されている各種プログラムは、情報端末装置12の起動時やユーザ層に応じたアプリケーションプログラムの起動時などに、メモリ部18に展開される。CPU17はメモリ部18に展開されたプログラムに基づいた処理を行う。
【0030】
ディスプレイコントローラ21は、CPU17が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラであり、例えばSVGA(Super Video Graphic Array)又はXGA(eXtended Graphic Array)相当のビットマップ描画機能をサポートする。ディスプレイコントローラ21において処理された描画データは、例えばフレームバッファ(図示しない)に一旦書き込まれた後、ディスプレイ22に画面出力される。ディスプレイ22は、例えば、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display)などとして形成される。
【0031】
入力機器インターフェース部23は、キーボード24やマウス25などのユーザ入力機器を情報端末装置12のコンピュータシステムに接続するための装置である。
即ち情報端末装置12のユーザの操作入力がキーボード24及びマウス25を用いて行われ、その操作入力情報が、入力機器インターフェース部23を介してCPU17に供給される。
【0032】
[3.装置個体情報のコード化・暗号化の説明]
本実施の形態においては、機器Aに取付けられているRFIDタグ26から読出すデータ、または、RFIDタグ26に書込むデータにはコード化、暗号化が施されている。
データをコード化することにより、そのコードに対応したデータの対応表を保持していないとそのデータをデコードすることが出来ず、データのセキュリティとして利用することが出来る。また、データをコード化することにより、データ容量を少なくすることができるのでRFIDタグ26に多くのデータを記録することができる。
さらに、本実施の形態においては、装置個体情報のデータを暗号化することにより、この暗号化されたデータを復号するための所定の暗号鍵を用いる必要があるので、データのセキュリティの強化を図ることができる。
【0033】
そして、データのエンコード(コード化)/デコード処理、暗号化/復号化処理は演算制御部14又はCPU17において行われる。
つまり、コード化及び暗号化に関する処理は、リーダー・ライタ11の演算制御部14で行う構成例と、情報端末装置12のCPU17で行う構成例が想定される。
なお、さらに言えば、コード化と暗号化の一方を演算制御部14で行い、他方をCPU17で行うようにすることも考えられる。
【0034】
まず図3(a)には、コード化及び暗号化に関する処理をリーダー・ライタ11の演算制御部14で行う構成例を採用する場合の、演算制御部14とCPU17の機能構成例を示している。
この場合、演算制御部14では、RFIDタグ26と非接触通信部13との通信を制御する非接触通信制御機能30が設けられる。また、エンコード/デコード機能31と、暗号化/復号機能32とが設けられる。
また外部インターフェイス部15を介して情報端末装置12とのデータ通信を制御するデータ通信制御機能33が設けられる。
例えば演算制御部14では、ソフトウエアプログラムにより、これらの機能が実行されるようになされる。
【0035】
CPU17では、リーダー・ライタ11から受信したデータを表示データとし、ディスプレイ22に表示させるためのデータ表示制御機能41が設けられる。また外部インターフェイス部16を介してリーダー・ライタ11とのデータ通信を制御するデータ通信制御機能42が設けられる。
例えばCPU17では、ソフトウエアプログラムにより、これらの機能が実行されるようになされる。
【0036】
図3(b)には、コード化及び暗号化に関する処理を情報端末装置12のCPU17で行う構成例を採用する場合の、演算制御部14とCPU17の機能構成例を示している。
この場合、演算制御部14では、非接触通信制御機能30と、外部インターフェイス部15を介して情報端末装置12とのデータ通信を制御するデータ通信制御機能33が設けられる。
また、CPU17においては、エンコード/デコード機能43と、暗号化/復号機能44と、データ表示制御機能41と、データ通信制御機能42とが設けられる。
以上の図3(a)(b)の各構成例に応じた動作例については後述する。
【0037】
また、本実施の形態においては、データを暗号化する場合や、データに施された暗号化を復号化する場合、暗号鍵を用いる。
この暗号鍵や、先に説明したコードとデータの対応表は、演算制御部14又はHDD20等に登録される。そして、暗号鍵や、コードとデータの対応表は、例えば、機器情報管理装置10の製造時に登録されるものでも良いし、ユーザが登録するようにしてもよい。
【0038】
図4に示すのは、装置個体情報のデータをコード化したときの元の装置個体情報とコードとの対応表である。
図4(a)に示すのは、装置個体情報の種別とそのコードデータとの対応表である。
例えば、図示する種別コードの「CS1」は種別の「シリアル番号」に、種別コードの「CS2」は種別の「ファームウェアーVer」に対応している。このように、図4(a)に示す対応表においては、種別コードとその横に記載されている種別が対応関係にあるものである。
そして、図4(b)は、装置個体情報の内容とそのコードデータとの対応表である。この図4(b)に示すように、例えば内容コードの「CN1−250」は内容の「HDD/250G」に、内容コードの「CN2」は内容の「デジタルチューナー」に対応しているものである。この図4(b)に示す対応表においても、内容コードとその横に記載されている内容が対応関係にあるものである。
【0039】
図5に示すのは、図4において説明した対応表をもとに、コード化された装置個体情報をデコードした後の、種別と内容を対応付けた装置個体情報である。
【0040】
[4.第1の実施の形態]
このような構成の機器情報管理装置10においては、RFIDタグ26に記録されている装置個体情報を読出し、その読出した装置個体情報を表示することができる。また、RFIDタグ26に対して、装置個体情報を書込ませることができる。
RFIDタグ26には、例えば機器Aの製造メーカーにおいて出荷前などに、装置個体情報が書き込まれる。この場合、上述したコード化及び暗号化が施された状態で装置個体情報が書き込まれることになる。
機器Aの出荷後においては、このような装置個体情報を、サービススタッフ等は、機器情報管理装置10を用いて読み出すことができるものである。
また、調整や修理等に応じて、新たに装置個体情報を書き込むこともできる。例えば修理の履歴などを装置個体情報として追加できる。
これらの出荷後における機器情報管理装置10による、装置個体情報の読出し、書込み処理の際には、この装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行うことで、装置個体情報のセキュリティを確保できる。
【0041】
本実施の形態において、装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行うのは、上述したように演算制御部14又はCPU17である。
そこで、以下に、図3(a)で説明したリーダー・ライタ11が備える演算制御部14においてエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理が行われる場合の処理動作例について第1の実施の形態として図6、図7、図8で説明していく。
これら図6、図7、図8に示す処理は、演算処理部14又はCPU17が内蔵するROMに格納されるプログラムに基づいて実行するものである。特には、演算制御部14については非接触通信制御機能30、エンコード/デコード機能31、暗号化/復号機能32、データ通信制御機能33により、各処理が行われる。また、CPU17では、データ表示制御機能41、データ通信制御機能42により、各処理が行われる。
なお、装置個体情報をエンコード/デコード処理する際に必要なコードとデータの対応表については、機器情報管理装置10の製造時にリーダー・ライタ11が備える演算制御部14に格納されているものとして説明していく。
【0042】
まず図6により、暗号鍵をリーダー・ライタ11に登録する処理について説明する。
情報端末装置12のCPU17は、ステップF101においては、情報端末装置12に暗号鍵が入力されたことに応じて、暗号鍵をリーダー・ライタ11側に送信する。
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、ステップF201においては、暗号鍵の受信を確認すると、処理をステップF202に進める。そして演算制御部14は、ステップF202で、受信した暗号鍵を内部メモリに登録する。例えば演算制御部14内部の不揮発性メモリに保存すればよい。
そして演算制御部14は、ステップF203において、情報端末装置12側へ暗号鍵の登録完了を知らせるための応答を行う。
【0043】
情報端末装置12のCPU17は、ステップF102においては、応答信号の受信を待機する。そして応答信号を受信したら、ステップF103へ進む。ステップF103では、リーダー・ライタ11が暗号鍵を登録したことを確認し、一連の暗号鍵登録に関する処理を終える。
【0044】
次に図7により、RFIDタグ26へ装置個体情報を書込ませる処理について説明する。
CPU17は、ステップF301において、書き込むべき情報が入力されたか否かの判別を行っている。
つまり、情報端末装置12において、サービススタッフ等がキーボード24、マウス25を操作すること等で装置個体情報として書き込もうとする情報の入力が行われ、また入力された情報を装置個体情報としてRFIDタグ26に書込ませる旨の操作がなされたか否かを判別する。
このような入力があったら、CPU17はステップF302へ進み、上記ステップF301において入力された装置個体情報をリーダー・ライタ11へ送信する。
【0045】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、情報端末装置12から装置個体情報を受信した場合に、処理をステップF401からステップF402へ進める。
ステップF402においては、演算制御部14は、受信した装置個体情報に対して上記図4で説明したコードとデータの対応表を使用して装置個体情報をコード化する処理を行う。
また演算制御部14はステップF403で、上記ステップF402においてコード化した装置個体情報に対して、内部メモリに格納されている暗号鍵を使用して暗号化を行う。
【0046】
そして演算制御部14はステップF404で、上記ステップF403において暗号化を行った装置個体情報を、RFIDタグ26に書込ませるための非接触通信を行う。即ち非接触通信部13によって装置個体情報の書込のための通信を実行させる。
この場合、サービススタッフ等の作業者が、リーダー・ライタ11を機器Aに近接させることにより、リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間の非接触通信が成立する。
リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間で非接触通信が行われると、RFIDタグ26側では、処理がステップF501からF502に進められ、リーダー・ライタ11から送信されてくる装置個体情報の記憶(RFIDタグ26の内部メモリへの書込)を行う。
そしてステップF503で、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したことを知らせるための応答を行う。
【0047】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、このようなRFIDタグ26への書込の完了を、ステップF405での応答受信により確認する。演算制御部14は、非接触通信部13による書込通信制御を、ステップF405で応答受信がされるまで継続することになる。なお、図示していないが、RFIDタグ26からの応答が確認できず、書き込みエラーとして終了することもある。
【0048】
演算制御部14は、ステップF405でRFIDタグ26からの応答信号を受信したら、ステップF406へ進み、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したこと、つまり応答信号を受信したことを示す情報を情報端末装置12へ送信して一連の処理を終える。
【0049】
情報端末装置12のCPU17は、ステップF303で、リーダー・ライタ11からの応答信号の受信を待機しており、受信したらステップF304へ進む。
ステップF304では、CPU17はRFIDタグ26において装置個体情報を書込む処理が終了したことの確認処理を行い、一連の処理を終える。
【0050】
次に図8により、RFIDタグ26から装置個体情報を読出す処理について説明する。
ステップF601は、リーダー・ライタ11の演算制御部14の処理として、RFIDタグ26からのデータ読出のための通信制御を示している。即ち演算制御部14の制御により非接触通信部13から継続して非接触通信のための出力(読出要求)が行われており、作業者がリーダー・ライタ11を機器A(RFIDタグ26)に近接させることにより、通信が確立されることになる。
【0051】
RFIDタグ26側では、読出要求を受信したら、ステップF701からF702へ進み、受信した読出要求に応じて、RFIDタグ26内に記録されている装置個体情報の読出し処理を行い、読出した装置個体情報をリーダー・ライタ11へ送信する。
リーダー・ライタ11側では、この装置個体情報を受信することになる。
【0052】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、ステップF601での非接触通信により、RFIDタグ26から装置個体情報の受信をしたら、ステップF602で、装置個体情報に施されている暗号化を暗号鍵を使って解読する。つまり装置個体情報の復号処理を行う。
そして演算制御部14はステップF603では、上記ステップF602において復号処理が行われた装置個体情報に施されているコード化をコード表を使用して解読する。つまり、装置個体情報のデコード処理を行う。
デコード処理を終えたら、演算制御部14はステップF604で、そのデコード処理された装置個体情報を情報端末装置12へ送信する処理を行う。
【0053】
情報端末装置12側では、CPU17は、ステップF801でリーダー・ライタ11から装置個体情報を受信したか否かを監視している。
そして装置個体情報を受信した場合は、ステップF802で、装置個体情報を情報端末装置12が備えるディスプレイ22に表示させる処理を行う。つまり、装置個体情報を表示データとしてディスプレイコントローラ21に供給し、例えば上記図5に示したように、装置個体情報の種別と内容が対応した画像をディスプレイ22に表示させる。
【0054】
以上の処理が行われる第1の実施の形態においては、RFIDタグ26から読出した装置個体情報を、機器情報管理装置10においてデコード処理、復号処理を施して、ディスプレイ22に表示することができる。従って機器Aの修理・点検等を行うサービススタッフ等は、容易に装置個体情報を確認できる。つまり、従来のように装置個体情報を確認するためにデータベースに接続する必要がない。このためネットワーク通信環境は不要であり、現場での作業性の良いものとなる。また機器情報管理装置10をどこにでも持ち運ぶことができ、その場で装置個体情報を確認することが出来る。
また、サービススタッフ等は、新たに装置個体情報として追加したい情報を、機器情報管理装置10を用いて容易にRFIDタグ26に書き込ませることができる。例えば修理、点検等の作業の内容や日付などの情報を書き込むことで、後の修理・点検等の際に有用な情報を加えておくことができる。
さらにデータベースサーバ等のシステム構築も不要となり、サービスコストの低減にもつながる。
【0055】
[5.第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態においては、リーダー・ライタ11が備える演算制御部14においてエンコード(コード化)/デコード処理、暗号化/復号化処理が行われる場合の処理動作例について説明してきた。しかし図3(b)の構成例を採った場合は、装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行うのは、CPU17側で行うことになる。
そこで、以下に上記図3(b)の構成に基づく処理動作例について第2の実施の形態として図9、図10で説明する。
これら図9、図10に示す処理は、演算処理部14又は情報端末装置12内(例えばメモリ部18)に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。特には、演算制御部14については非接触通信制御機能30、データ通信制御機能33により、各処理が行われる。また、CPU17では、データ表示制御機能41、データ通信制御機能42、エンコード/デコード機能43、暗号化/復号機能44により、各処理が行われる。
【0056】
なお、装置個体情報をエンコード/デコード処理する際に必要なコードとデータの対応表については、情報端末装置12内(例えばメモリ部18)に格納されているものとなる。
また暗号鍵については、所定の手順により、情報端末装置12に入力されてメモリ部18等に保存されているものとする。
【0057】
図9により、RFIDタグ26に装置個体情報を書込ませる処理について説明する。
情報端末装置12のCPU17は、ステップF901で、装置個体情報としてRFIDタグ26に書き込むべき情報が入力されたか否かの判別を行っている。
つまり情報端末装置12において、サービススタッフ等がキーボード24、マウス25を操作すること等で装置個体情報として書き込もうとする情報の入力が行われ、また入力された情報を装置個体情報としてRFIDタグ26に書込ませる旨の操作がなされたか否かを判別する。
このような入力があったら、CPU17はステップF902へ進み、入力された装置個体情報に対して上記図4で説明したコードとデータの対応表を使用して装置個体情報をコード化する処理を行う。
そして、ステップF903では、上記ステップF902においてコード化した装置個体情報に対して、メモリ部18等に格納されている暗号鍵を使用して暗号化を行う。
【0058】
CPU17は、ステップF904では、上記ステップF903、F904においてコード化、暗号化を施した装置個体情報を、リーダー・ライタ11へ送信する。
【0059】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、情報端末装置12からコード化及び暗号化された装置個体情報を受信した場合に、処理をステップF1001からステップF1002へ進める。
そして演算制御部14はステップF1002で、装置個体情報をRFIDタグ26に書込ませるための非接触通信を行う。即ち非接触通信部13によって装置個体情報の書込のための通信を実行させる。
この場合、サービススタッフ等の作業者が、リーダー・ライタ11を機器Aに近接させることにより、リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間の非接触通信が成立する。
リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間で非接触通信が行われると、RFIDタグ26側では、処理がステップF1101からF1102に進められ、リーダー・ライタ11から送信されてくる装置個体情報の記憶(RFIDタグ26の内部メモリへの書込)を行う。
そしてステップF1103で、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したことを知らせるための応答を行う。
【0060】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、このようなRFIDタグ26への書込の完了を、ステップF1003での応答受信により確認する。演算制御部14は、非接触通信部13による書込通信制御を、ステップF1003で応答受信がされるまで継続することになる。なお、図示していないが、RFIDタグ26からの応答が確認できず、書き込みエラーとして終了することもある。
【0061】
演算制御部14は、ステップF1003でRFIDタグ26からの応答信号を受信したら、ステップF1004へ進み、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したこと、つまり応答信号を受信したことを示す情報を情報端末装置12へ送信して一連の処理を終える。
【0062】
情報端末装置12のCPU17は、ステップF905で、リーダー・ライタ11からの応答信号の受信を待機しており、受信したらステップF906へ進む。
ステップF906では、CPU17はRFIDタグ26において装置個体情報を書込む処理が終了したことの確認処理を行い、一連の処理を終える。
【0063】
次に図10により、RFIDタグ26から装置個体情報を読出す処理について説明する。
ステップF1201は、リーダー・ライタ11の演算制御部14の処理として、RFIDタグ26からのデータ読出のための通信制御を示している。即ち演算制御部14の制御により非接触通信部13から継続して非接触通信のための出力(読出要求)が行われており、作業者がリーダー・ライタ11を機器A(RFIDタグ26)に近接させることにより、通信が確立されることになる。
【0064】
RFIDタグ26側では、読出要求を受信したら、ステップF1301からF1302へ進み、受信した読出要求に応じて、RFIDタグ26内に記録されている装置個体情報の読出し処理を行い、読出した装置個体情報をリーダー・ライタ11へ送信する。
リーダー・ライタ11側では、この装置個体情報を受信することになる。
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、ステップF1201での非接触通信により、RFIDタグ26から装置個体情報の受信をしたら、ステップF1202で、その受信した装置個体情報を情報端末装置12へ送信する処理を行う。
【0065】
情報端末装置12側では、CPU17は、ステップF1401でリーダー・ライタ11から装置個体情報を受信したか否かを監視している。
そして装置個体情報を受信した場合は、ステップF1402に進む。この場合、リーダー・ライタ11から受信した装置個体情報は、RFIDタグ26から読み出したままの状態、即ち暗号化及びコード化がされている状態である。そこでCPU17はステップF1402で装置個体情報に施されている暗号化を暗号鍵を使って解読する。つまり装置個体情報の復号処理を行う。
続いてCPU17はステップF1403で、上記ステップF1402において復号処理が行われた装置個体情報に施されているコード化をコード表を使用して解読する。つまり、装置個体情報のデコード処理を行う。
そしてデコード処理を終えたら、CPU17はステップF1404で、装置個体情報を情報端末装置12が備えるディスプレイ22に表示させる処理を行う。つまり、装置個体情報を表示データとしてディスプレイコントローラ21に供給し、例えば上記図5に示したように、装置個体情報の種別と内容が対応した画像をディスプレイ22に表示させる。
【0066】
このような第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、RFIDタグ26から読出した装置個体情報を、機器情報管理装置10においてデコード処理、復号処理を施して、ディスプレイ22に表示することができる。つまりサービススタッフ等は容易に装置個体情報を確認できる。そして従来のように装置個体情報を確認するためにデータベースに接続する必要がなく、ネットワーク通信環境は不要であり、現場での作業性の良いものとなる。
また、サービススタッフ等は、新たに装置個体情報として追加したい情報を、機器情報管理装置10を用いて容易にRFIDタグ26に書き込ませることができる。
【0067】
[6.第3の実施の形態]
ここまで説明してきた第1の実施の形態と第2の実施の形態は、上記図1(a)で説明した情報端末装置12とリーダー・ライタ11が分かれている機器情報管理装置10として説明してきた。しかし、機器情報管理装置10としては、上記図1(b)で説明したように、情報端末装置12とリーダー・ライタ11の機能が一体となっている機器情報管理装置10も考えられる。
【0068】
そこで、以下に情報端末装置12とリーダー・ライタ11の機能が一体となっている機器情報管理装置10において、装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行われる場合の処理動作例について第3の実施の形態として図11、図12、図13で説明していく。
【0069】
図11は機器情報管理装置10の構成例を示している。この場合、機器情報管理装置10は、非接触通信部51,演算制御部52、メモリ部53、ディスプレイコントローラ54、ディスプレイ55、操作キー56を備える。
操作キー56とは、図1(b)に示したように、装置筐体上に設けられ、使用者の操作入力を行う各種キーである。
非接触通信部51は、RFIDタグ26との間の非接触通信を行う。
演算制御部52は、CPU等から成り、全体の制御及び必要な演算処理を行う。なおこの第3の実施の形態の場合、演算制御部52は、処理機能として、図3(a)に示した非接触通信制御機能30,エンコード/デコード機能31、暗号化/復号機能32、データ表示制御機能41を備えることになる。
【0070】
メモリ部53は揮発メモリ、不揮発性メモリの双方を含むものとして示している。このメモリ部53には、演算制御部52において実行されるプログラムコードやその他の情報を格納したり、通信データのバッファ領域や実行中の作業データのワーク領域に用いられる。また、暗号鍵やコード変換の対応表データ等の格納にも用いられる。
ディスプレイコントローラ54は、演算制御部52の制御に基づき、ディスプレイ55における各種の表示についての駆動制御を行う。
【0071】
図12により、RFIDタグ26に装置個体情報を書込ませる処理について説明する。図12は演算制御部52の処理を示している。
なお、暗号鍵と、コードとデータの対応表は、メモリ部43に予め登録されていても良いし、所定の操作によりユーザ(サービススタッフ等)が入力し、登録させるものとしてもよい。
【0072】
演算制御部52は、ステップF1501では、装置個体情報としてRFIDタグ26に書き込むべき情報が入力されたか否かの判別を行っている。
つまりサービススタッフ等が操作キー56を操作して、装置個体情報として書き込もうとする情報の入力や、入力された情報を装置個体情報としてRFIDタグ26に書込ませる旨の操作がなされたか否かを判別する。
このような入力があったら、演算制御部52はステップF1502へ進み、入力された装置個体情報に対して上記図4で説明したコードとデータの対応表を使用して装置個体情報をコード化する処理を行う。
さらにステップF1503では、上記ステップF1502においてコード化した装置個体情報に対して、メモリ部53に格納されている暗号鍵を使用して暗号化を行う。
【0073】
演算制御部52は、ステップF1504で非接触通信制御を行う。即ち非接触通信部51により、装置個体情報をRFIDタグ26に書込ませるための非接触通信を実行させる。
この場合、サービススタッフ等の作業者が、機器情報管理装置10を機器Aに近接させることにより、非接触通信部51とRFIDタグ26との間の非接触通信が成立する。
この非接触通信が行われると、RFIDタグ26側では、処理がステップF1601からF1602に進められ、機器情報管理装置10から送信されてくる装置個体情報の記憶(RFIDタグ26の内部メモリへの書込)を行う。
そしてステップF1603で、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したことを知らせるための応答を行う。
【0074】
機器情報管理装置10の演算制御部52は、このようなRFIDタグ26への書込の完了を、ステップF1505での応答受信により確認する。そしてこの確認ができたら、一連の処理を終了する。
【0075】
次に図13により、RFIDタグ26から装置個体情報を読出す処理について説明する。
ステップF1701は、演算制御部52の処理として、RFIDタグ26からのデータ読出のための通信制御を示している。即ち演算制御部52の制御により非接触通信部41から継続して非接触通信のための出力(読出要求)が行われており、作業者が機器情報管理装置10を機器A(RFIDタグ26)に近接させることにより、通信が確立されることになる。
【0076】
RFIDタグ26側では、読出要求を受信したら、ステップF1801からF1802へ進み、受信した読出要求に応じて、RFIDタグ26内に記録されている装置個体情報の読出し処理を行い、読出した装置個体情報を機器情報管理装置10へ送信する。
機器情報管理装置10側では、この装置個体情報を受信する。演算制御部52は、ステップF1701での非接触通信により、RFIDタグ26から装置個体情報の受信をしたら、ステップF1702で、装置個体情報に施されている暗号化を暗号鍵を使って解読する。続いてステップF1703で、上記ステップF1702において復号処理が行われた装置個体情報に施されているコード化をコード表を使用してデコードする。
そしてデコード処理を終えたら、演算制御部52はステップF1704で、装置個体情報を表示データとしてディスプレイコントローラ54に供給し、例えば装置個体情報の種別と内容が対応した画像をディスプレイ55に表示させる。
【0077】
このような第3の実施の形態においても、上記第1、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、この場合は図1(b)からもわかるように、持ち運びや、作業時の取り回しに便利な形態となっており、作業効率の一層の向上を実現できる。
【0078】
[7.変形例]
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば、本発明での各実施の形態では、装置個体情報がコード化、暗号化されていることを前提に読出し処理を行ったり、装置個体情報をコード化、暗号化を施してRFIDタグ26に書込ませたりしている。これをコード化のみ、または、暗号化のみが施された装置個体情報の読出し処理や、コード化のみ、または、暗号化のみを装置個体情報に施してRFIDタグ26に書込ませる処理なども考えられる。
【0079】
例えば、RFIDタグ26には暗号化のみを施した装置個体情報が記憶されるものとする場合、第1の実施の形態について言えば、上記図7のステップF402、図8のステップF603の処理は不要となる。第2の実施の形態でいえば、図9のステップF902、図10のステップF1403が不要となる。第3の実施の形態でいえば、図12のステップF1502、図13のステップF1703は不要となる。
また、コードとデータの対応表は機器情報管理装置10の製造時等に記憶させる必要はない。
【0080】
また、RFIDタグ26にはコード化のみを施した装置個体情報が記憶されるものとする場合、第1の実施の形態について言えば、暗号鍵登録についての図6の処理や、図7のステップF403、図8のステップF602の処理は不要となる。第2の実施の形態でいえば、図9のステップF903、図10のステップF1402が不要となる。第3の実施の形態でいえば、図12のステップF1503、図13のステップF1702は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態における機器情報管理装置の外観の説明図である。
【図2】第1,第2の実施の形態の機器情報管理装置の内部構成のブロック図である。
【図3】第1,第2の実施の形態の演算制御部とCPUの制御機能の説明図である。
【図4】実施の形態のコードとデータの対応表の説明図である。
【図5】実施の形態の装置個体情報の説明図である。
【図6】第1の実施の形態の暗号鍵をリーダー・ライタに登録する処理のフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態のRFIDタグに装置個体情報を書込ませる処理のフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態のRFIDタグから装置個体情報を読出させる処理のフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態のRFIDタグに装置個体情報を書込ませる処理のフローチャートである。
【図10】第2実施の形態のRFIDタグから装置個体情報を読出させる処理のフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態の機器情報管理装置の内部構成のブロック図である。
【図12】第3の実施の形態のRFIDタグに装置個体情報を書込ませる処理のフローチャートである。
【図13】第3実施の形態のRFIDタグから装置個体情報を読出させる処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10 機器情報管理装置、11 リーダー・ライタ、12 情報管理装置、13,51 非接触通信部、14,52 演算制御部、15,16 外部インターフェイス部、17 CPU、18,53 メモリ部、19 HDDインターフェイス部、20 HDD、21,54 ディスプレイコントローラ、22,55 ディスプレイ、23 入力機器インターフェイス部、24 キーボード、25 マウス、26 RFIDタグ、56 操作キー
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置に配置されている非接触型通信機器との通信を行い、当該外部装置の装置個体情報を読出して表示する機器情報管理装置と機器情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−327126号公報
【0003】
近年、物体認証や個人認証等を行うためにRFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれるICチップ等を利用した非接触認証技術が使用されている。このRFID技術は、タグやラベル状に加工されたアンテナ付きICチップ等を物や人に取付けて、そこに記憶された情報をリーダー・ライタと呼ばれる装置で読取るものである。
なお、以下の説明では、物や人に取付けるICチップ等のことを「RFIDタグ」として説明する。
そして、このRFID技術は、例えば、家電製品の機器個体IDや製品構成情報の管理にも利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで従来、デジタル家電製品等の機器の製品情報を管理するにあたっては、データベースサーバにて一元管理していた。ここでいう製品情報とは、例えば製品の製造年月日、形式、年式、製造工程情報、設計情報、搭載するハードウエアやソフトウエア(ファームウエア)の情報、製品検査情報、過去の修理履歴などの各種の情報であり、各装置のそれぞれに固有の情報である。本明細書では、これらを装置個体情報と呼ぶこととする。
例えばこれらの装置個体情報は、メーカーサイドで、出荷する製品のそれぞれにユニークなID(例えば製造ナンバや製品シリアルナンバ)に関連付けてデータベースに登録して管理している。
【0005】
そして例えば機器の故障の際などに、サービススタッフがその機器の情報を確認するためには、家電製品のシリアルナンバを指定して、データベースサーバにアクセスという手法が採られる。
例えば機器に取付けられているRFIDタグにシリアルナンバを記憶させておき、このシリアルナンバをリーダー・ライタで読み取る。そしてネットワーク通信端末からデータベースサーバにアクセスし、読み取ったシリアルナンバを用いて当該製品の情報を取得することになる。
【0006】
このような装置個体情報の管理により、修理等の際に各種の必要な情報が得られることになるが、次のような不便があった。
例えばサービススタッフが、ユーザの自宅等に出張して、機器の修理・調整等を行う場合、その現場においてネットワーク通信によりデータベースサーバにアクセスできる環境が必要となる。当然、場所によってはネットワーク通信ができず、サービススタッフが必要な装置個体情報を取得できないという状況も生じてしまう。
また、データベースへ接続するための機器をサービススタッフ或いはユーザが、サービスショップ等の店舗に持ち運んだとしても、故障した製品からその都度データベースにアクセスするのは利便性が悪く、スタッフにとっても製品を修理する以外にも一手間かかる、面倒な作業となることがある。
さらに、データベースサーバとして、高価な情報管理システムの導入が必要であり、そのためのコストがかかっているとともに、データベースの故障や保守点検などで、ネットワーク環境が整っているにもかかわらず、製品の情報が確認出来なくなってしまう場合もある。
【0007】
このような状況に対して、製品販売時に、装置個体情報を記載した冊子等を同梱するということも考えられるが、装置個体情報の中には、設計情報など比較的秘密性の高い情報も含まれているため、適切とはいえない。
そのため、例えば機器内部のROM等に装置個体情報を書き込んでおき、一般には用いられない専用治具を用いて機器個体情報を読み出すことができるようにするという手法も考えられるが、多数のスタッフに専用治具を持たせなければならないこと等による、サービスコストの上昇が懸念される。
【0008】
そこで本発明では、より汎用的な機器を用いつつ、装置個体情報の秘密性を確保し、さらにサービススタッフ等が容易に装置個体情報を参照できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の機器情報管理装置は、外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で非接触データ通信を行う通信部と、上記通信部によって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換処理と、少なくとも上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力処理と、を行う制御部とを備える。
【0010】
また上記制御部はさらに、上記非接触型通信機器への書込み用としての装置個体情報が入力されることに応じて、当該装置個体情報に上記所定のデータ変換を行うデータ変換処理と、当該データ変換処理で得られたデータを上記通信部により上記非接触型通信機器に書込ませる書込み制御処理とを行うようにする。
また上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化する処理であり、上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする処理を行う。
或いは上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を暗号化する処理であり、上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、暗号化されたデータ内容を復号する処理を行う。
或いは上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化し、且つ、コード化されたデータを暗号化する処理であり、上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記暗号化されたデータ内容を復号する処理を行い、且つ、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする。
【0011】
また、通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成し、上記通信装置は上記通信部を備え、上記情報端末装置は上記制御部を備えるようにする。
また通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成するとともに、上記制御部は、上記逆データ変換処理を行う第1制御部と、上記表示データ出力処理を行う第2制御部とから成り、上記通信装置は上記通信部と上記第1制御部を備え、上記情報端末装置は上記第2制御部を備えるようにする。
【0012】
本発明の機器情報管理方法は、外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で、非接触データ通信を行う通信ステップと、上記通信ステップによって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換ステップと、上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力ステップとを実行する。
【0013】
このような本発明では、非接触型通信機器に記録されている所定のデータ変換を施された装置個体情報を通信部で読取り、そして逆データ変換を行った装置個体情報を表示用のデータとして出力することができる。つまりデータベースサーバとの間の通信環境を不要とする。またコード化や暗号化により情報のセキュリティを確保する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、非接触型通信機器から読出した装置個体情報を表示することができるので、例えばサービススタッフ等が、故障した製品機器(外部装置)を修理するとき、データベースに接続して装置個体情報を確認する必要が無くなる。これにより、ネットワーク環境が整っていない状況でも、修理・調整等の作業の適切な実行が可能となるとともに作業効率が向上する。
さらに汎用的な非接触通信機器(例えばRFIDタグ)に対する読取装置(例えばリーダー・ライタ)を用いることで、特殊な専用治具は不要であり、かつコード変換によりセキュリティも保つことができる。
従って、効率的かつ利便性のよい修理点検サービスの実現や、そのためのコストの低減という効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態の機器情報管理装置を機器情報管理装置10として説明する。説明は以下の順序で行う。
[1.機器情報管理装置の外観]
[2.機器情報管理装置の構成例]
[3.装置個体情報のコード化・暗号化の説明]
[4.第1の実施の形態]
[5.第2の実施の形態]
[6.第3の実施の形態]
[7.変形例]
【0016】
[1.機器情報管理装置の外観]
図1は、機器情報管理装置10の構成例と外観を示している。
図1(a)に示す機器情報管理装置10は、リーダー・ライタ11と情報端末装置12から構成されている。
リーダー・ライタ11は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用して、図示するような機器Aに内蔵されているRFIDタグ26に記録されている機器Aの装置個体情報を読取ることができる。このRFIDタグ26は、例えば、ICチップ、通信内容のエンコード・デコード等を行う制御部、ICチップに電源を供給すると共に情報の送受信のアンテナとして機能するアンテナ部が封入されているICタグ等とする。
そして、リーダー・ライタ11は、読取った装置個体情報を情報端末装置12へ送信する。
なお、本発明においては、RFIDタグ26に記憶されている装置個体情報には、所定のデータ変換(コード化、暗号化)が施されており、リーダー・ライタ11は、データ変換が施された装置個体情報を読取ることことになる。
【0017】
情報端末装置12は、例えば図示するように、持ち運び可能なラップトップ型のパーソナルコンピュータ等であり、リーダー・ライタ11やマウス25等を接続することができる。
この情報端末装置12は、リーダー・ライタ11から送信される、コード化、暗号化が施された装置個体情報に対して逆データ変換(復号処理、デコード処理)を行う。そして復号処理、デコード処理した装置個体情報をディスプレイ22において表示する。
或いは、リーダー・ライタ11において、コード化、暗号化が施された装置個体情報に対して逆データ変換(復号処理、デコード処理)が行われるようにしてもよい。その場合、逆データ変換がされた装置個体情報が情報端末装置12に送信されると、情報端末装置12は、その装置個体情報をディスプレイ22において表示させる。
つまり、この機器情報管理装置10では、機器Aに内蔵されているRFIDタグ26に記録されている装置個体情報を機器情報管理装置10内だけで処理して、表示することが出来るものである。
【0018】
そして、図1(a)に示す機器情報管理装置10は、リーダー・ライタ11と情報端末装置12が持ち運びが出来る形態と大きさになっているので、場所を選ばずRFIDタグ26から読取った装置個体情報を情報端末装置12が備えるディスプレイ22に表示することが出来るものである。
【0019】
図1(b)は機器情報管理装置10の他の形態例を示している。これは、上記図1(a)で説明した、リーダー・ライタ11と情報端末装置12の機能を一体にした機器情報管理装置10である。
この機器情報管理装置10においても、持ち運びが容易となっており、ディスプレイ22においてRFIDタグ26から読取った機器Aの装置個体情報を表示することが出来る。
【0020】
[2.機器情報管理装置の構成例]
図2は、上記図1(a)で説明した機器情報管理装置10の内部構成例を示している。即ちリーダー・ライタ11と情報端末装置12で機器情報管理装置10が構成される例である。
まず、リーダー・ライタ11は図示するように、非接触通信部13、演算制御部14、外部インターフェイス部15を有する。
【0021】
非接触通信部13は、機器Aに取付けられているRFIDタグ26とRFID技術を利用して直接、通信を行う部位である。
このRFID技術は、既に公知の技術ではあるが、以下に本実施の形態におけるRFID技術を利用した通信手段を用いてRFIDタグ26に記録されているデータを読出す手順を説明する。
まず、リーダー・ライタ11の非接触通信部13から制御信号を含む電波を発信する。 RFIDタグ26では、非接触通信部13からの電波をアンテナ部が受信することで、アンテナの共振作用により起電力が発生し、その発生した電力により制御回路等を起動して必要な処理(データの読出し処理)を行う。そして、この処理結果を変調して搬送波に乗せRFIDタグ26のアンテナ部から送信する。
リーダー・ライタ11では、演算制御部14の制御により、このアンテナ部から送信された電波を非接触通信部13にて受信し、必要な処理を行い、外部インターフェイス部15を介して情報端末装置12へ送信する。そして、情報端末装置12においては後述するCPU17が表示データとなるように処理を行わせる。
【0022】
また、RFID技術としては、RFIDタグ26にデータを書込ませることもできる。そのための手順としは、先ずリーダー・ライタ11は、演算制御部14の制御により、情報端末装置12から送信されてきたデータを、外部インターフェイス部15を介して非接触通信部13からデータを制御信号を含む電波として送信する。そして、RFIDタグ26では、非接触通信部13からの電波をアンテナ部が受信することで発生した電力により制御回路等を起動して必要な処理(データの書込み処理)を行う。
なお、非接触通信部13は本発明請求項でいう通信部に相当する。
【0023】
また、演算制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、リーダー・ライタ11の全体を制御する制御部とされる。この演算制御部14は内部のROM等に保持したプログラムに基づいて、各種演算処理や各部と制御信号等のやりとりを行い、各部に所要の動作を実行させる。
【0024】
外部インターフェイス部15は、例えば、シリアルポートやUSBポート等として、後述する情報端末装置12が備える外部インターフェイス部16と接続される。そして、この外部インターフェイス部15、外部インターフェイス部16を介して、リーダー・ライタ11と情報端末装置12の通信が行われる。
【0025】
続いて、情報端末装置12の内部構成について説明する。情報端末装置12は、図示するように、外部インターフェイス部16、CPU(Central Processing Unit)17、メモリ部18、HDD(Hard Disk Drive)インターフェース部19、HDD20、ディスプレイコントローラ21、ディスプレイ22、入力機器インターフェイス部23、キーボード24、マウス25を有する。
【0026】
外部インターフェイス部16は、上記した外部インターフェイス部15と同様に、例えばシリアルポートやUSBポート等とし、上記外部インターフェイス部15と接続され、リーダー・ライタ11と情報端末装置12の通信が行われる。
【0027】
CPU17は、情報端末装置12のメインコントローラであり、メモリ部18に格納されているプログラムに応じて、各種制御処理を実行する。そして、CPU17は、バスによって他の各部と相互接続されており、各部にはそれぞれ固有のメモリアドレス又はI/Oアドレスが付与されているので、CPU17は、これらアドレスによってアクセスが可能となっている。
また、CPU17としては、上述したようにリーダー・ライタ11とのデータの送受信を行うためのデータ通信制御を行い、また、受信したデータを後述するディスプレイ22に表示させるように後述するディスプレイコントローラ21を制御するデータ表示制御を行う。
なお、このCPU17と、上記リーダー・ライタ11の演算制御部14の両方又は一方が、本発明請求項でいう制御部として機能する。
【0028】
メモリ部18は揮発メモリ、不揮発性メモリの双方を含むものとして示している。例えばプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、演算ワーク領域や各種一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。
このメモリ部18には、CPU17において実行されるプログラムコードやその他の情報を格納したり、通信データのバッファ領域や実行中の作業データのワーク領域に用いられる。
【0029】
HDDインターフェース部19は、HDD20に対する書込/読出のインターフェース処理を行う。
HDD20は、周知の通り記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。通常、HDD20には、CPU17が実行すべきオペレーティングシステムのプログラムコードや、アプリケーションプログラム、デバイスドライバなどが不揮発的に格納されている。
HDD20に格納されている各種プログラムは、情報端末装置12の起動時やユーザ層に応じたアプリケーションプログラムの起動時などに、メモリ部18に展開される。CPU17はメモリ部18に展開されたプログラムに基づいた処理を行う。
【0030】
ディスプレイコントローラ21は、CPU17が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラであり、例えばSVGA(Super Video Graphic Array)又はXGA(eXtended Graphic Array)相当のビットマップ描画機能をサポートする。ディスプレイコントローラ21において処理された描画データは、例えばフレームバッファ(図示しない)に一旦書き込まれた後、ディスプレイ22に画面出力される。ディスプレイ22は、例えば、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display)などとして形成される。
【0031】
入力機器インターフェース部23は、キーボード24やマウス25などのユーザ入力機器を情報端末装置12のコンピュータシステムに接続するための装置である。
即ち情報端末装置12のユーザの操作入力がキーボード24及びマウス25を用いて行われ、その操作入力情報が、入力機器インターフェース部23を介してCPU17に供給される。
【0032】
[3.装置個体情報のコード化・暗号化の説明]
本実施の形態においては、機器Aに取付けられているRFIDタグ26から読出すデータ、または、RFIDタグ26に書込むデータにはコード化、暗号化が施されている。
データをコード化することにより、そのコードに対応したデータの対応表を保持していないとそのデータをデコードすることが出来ず、データのセキュリティとして利用することが出来る。また、データをコード化することにより、データ容量を少なくすることができるのでRFIDタグ26に多くのデータを記録することができる。
さらに、本実施の形態においては、装置個体情報のデータを暗号化することにより、この暗号化されたデータを復号するための所定の暗号鍵を用いる必要があるので、データのセキュリティの強化を図ることができる。
【0033】
そして、データのエンコード(コード化)/デコード処理、暗号化/復号化処理は演算制御部14又はCPU17において行われる。
つまり、コード化及び暗号化に関する処理は、リーダー・ライタ11の演算制御部14で行う構成例と、情報端末装置12のCPU17で行う構成例が想定される。
なお、さらに言えば、コード化と暗号化の一方を演算制御部14で行い、他方をCPU17で行うようにすることも考えられる。
【0034】
まず図3(a)には、コード化及び暗号化に関する処理をリーダー・ライタ11の演算制御部14で行う構成例を採用する場合の、演算制御部14とCPU17の機能構成例を示している。
この場合、演算制御部14では、RFIDタグ26と非接触通信部13との通信を制御する非接触通信制御機能30が設けられる。また、エンコード/デコード機能31と、暗号化/復号機能32とが設けられる。
また外部インターフェイス部15を介して情報端末装置12とのデータ通信を制御するデータ通信制御機能33が設けられる。
例えば演算制御部14では、ソフトウエアプログラムにより、これらの機能が実行されるようになされる。
【0035】
CPU17では、リーダー・ライタ11から受信したデータを表示データとし、ディスプレイ22に表示させるためのデータ表示制御機能41が設けられる。また外部インターフェイス部16を介してリーダー・ライタ11とのデータ通信を制御するデータ通信制御機能42が設けられる。
例えばCPU17では、ソフトウエアプログラムにより、これらの機能が実行されるようになされる。
【0036】
図3(b)には、コード化及び暗号化に関する処理を情報端末装置12のCPU17で行う構成例を採用する場合の、演算制御部14とCPU17の機能構成例を示している。
この場合、演算制御部14では、非接触通信制御機能30と、外部インターフェイス部15を介して情報端末装置12とのデータ通信を制御するデータ通信制御機能33が設けられる。
また、CPU17においては、エンコード/デコード機能43と、暗号化/復号機能44と、データ表示制御機能41と、データ通信制御機能42とが設けられる。
以上の図3(a)(b)の各構成例に応じた動作例については後述する。
【0037】
また、本実施の形態においては、データを暗号化する場合や、データに施された暗号化を復号化する場合、暗号鍵を用いる。
この暗号鍵や、先に説明したコードとデータの対応表は、演算制御部14又はHDD20等に登録される。そして、暗号鍵や、コードとデータの対応表は、例えば、機器情報管理装置10の製造時に登録されるものでも良いし、ユーザが登録するようにしてもよい。
【0038】
図4に示すのは、装置個体情報のデータをコード化したときの元の装置個体情報とコードとの対応表である。
図4(a)に示すのは、装置個体情報の種別とそのコードデータとの対応表である。
例えば、図示する種別コードの「CS1」は種別の「シリアル番号」に、種別コードの「CS2」は種別の「ファームウェアーVer」に対応している。このように、図4(a)に示す対応表においては、種別コードとその横に記載されている種別が対応関係にあるものである。
そして、図4(b)は、装置個体情報の内容とそのコードデータとの対応表である。この図4(b)に示すように、例えば内容コードの「CN1−250」は内容の「HDD/250G」に、内容コードの「CN2」は内容の「デジタルチューナー」に対応しているものである。この図4(b)に示す対応表においても、内容コードとその横に記載されている内容が対応関係にあるものである。
【0039】
図5に示すのは、図4において説明した対応表をもとに、コード化された装置個体情報をデコードした後の、種別と内容を対応付けた装置個体情報である。
【0040】
[4.第1の実施の形態]
このような構成の機器情報管理装置10においては、RFIDタグ26に記録されている装置個体情報を読出し、その読出した装置個体情報を表示することができる。また、RFIDタグ26に対して、装置個体情報を書込ませることができる。
RFIDタグ26には、例えば機器Aの製造メーカーにおいて出荷前などに、装置個体情報が書き込まれる。この場合、上述したコード化及び暗号化が施された状態で装置個体情報が書き込まれることになる。
機器Aの出荷後においては、このような装置個体情報を、サービススタッフ等は、機器情報管理装置10を用いて読み出すことができるものである。
また、調整や修理等に応じて、新たに装置個体情報を書き込むこともできる。例えば修理の履歴などを装置個体情報として追加できる。
これらの出荷後における機器情報管理装置10による、装置個体情報の読出し、書込み処理の際には、この装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行うことで、装置個体情報のセキュリティを確保できる。
【0041】
本実施の形態において、装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行うのは、上述したように演算制御部14又はCPU17である。
そこで、以下に、図3(a)で説明したリーダー・ライタ11が備える演算制御部14においてエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理が行われる場合の処理動作例について第1の実施の形態として図6、図7、図8で説明していく。
これら図6、図7、図8に示す処理は、演算処理部14又はCPU17が内蔵するROMに格納されるプログラムに基づいて実行するものである。特には、演算制御部14については非接触通信制御機能30、エンコード/デコード機能31、暗号化/復号機能32、データ通信制御機能33により、各処理が行われる。また、CPU17では、データ表示制御機能41、データ通信制御機能42により、各処理が行われる。
なお、装置個体情報をエンコード/デコード処理する際に必要なコードとデータの対応表については、機器情報管理装置10の製造時にリーダー・ライタ11が備える演算制御部14に格納されているものとして説明していく。
【0042】
まず図6により、暗号鍵をリーダー・ライタ11に登録する処理について説明する。
情報端末装置12のCPU17は、ステップF101においては、情報端末装置12に暗号鍵が入力されたことに応じて、暗号鍵をリーダー・ライタ11側に送信する。
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、ステップF201においては、暗号鍵の受信を確認すると、処理をステップF202に進める。そして演算制御部14は、ステップF202で、受信した暗号鍵を内部メモリに登録する。例えば演算制御部14内部の不揮発性メモリに保存すればよい。
そして演算制御部14は、ステップF203において、情報端末装置12側へ暗号鍵の登録完了を知らせるための応答を行う。
【0043】
情報端末装置12のCPU17は、ステップF102においては、応答信号の受信を待機する。そして応答信号を受信したら、ステップF103へ進む。ステップF103では、リーダー・ライタ11が暗号鍵を登録したことを確認し、一連の暗号鍵登録に関する処理を終える。
【0044】
次に図7により、RFIDタグ26へ装置個体情報を書込ませる処理について説明する。
CPU17は、ステップF301において、書き込むべき情報が入力されたか否かの判別を行っている。
つまり、情報端末装置12において、サービススタッフ等がキーボード24、マウス25を操作すること等で装置個体情報として書き込もうとする情報の入力が行われ、また入力された情報を装置個体情報としてRFIDタグ26に書込ませる旨の操作がなされたか否かを判別する。
このような入力があったら、CPU17はステップF302へ進み、上記ステップF301において入力された装置個体情報をリーダー・ライタ11へ送信する。
【0045】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、情報端末装置12から装置個体情報を受信した場合に、処理をステップF401からステップF402へ進める。
ステップF402においては、演算制御部14は、受信した装置個体情報に対して上記図4で説明したコードとデータの対応表を使用して装置個体情報をコード化する処理を行う。
また演算制御部14はステップF403で、上記ステップF402においてコード化した装置個体情報に対して、内部メモリに格納されている暗号鍵を使用して暗号化を行う。
【0046】
そして演算制御部14はステップF404で、上記ステップF403において暗号化を行った装置個体情報を、RFIDタグ26に書込ませるための非接触通信を行う。即ち非接触通信部13によって装置個体情報の書込のための通信を実行させる。
この場合、サービススタッフ等の作業者が、リーダー・ライタ11を機器Aに近接させることにより、リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間の非接触通信が成立する。
リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間で非接触通信が行われると、RFIDタグ26側では、処理がステップF501からF502に進められ、リーダー・ライタ11から送信されてくる装置個体情報の記憶(RFIDタグ26の内部メモリへの書込)を行う。
そしてステップF503で、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したことを知らせるための応答を行う。
【0047】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、このようなRFIDタグ26への書込の完了を、ステップF405での応答受信により確認する。演算制御部14は、非接触通信部13による書込通信制御を、ステップF405で応答受信がされるまで継続することになる。なお、図示していないが、RFIDタグ26からの応答が確認できず、書き込みエラーとして終了することもある。
【0048】
演算制御部14は、ステップF405でRFIDタグ26からの応答信号を受信したら、ステップF406へ進み、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したこと、つまり応答信号を受信したことを示す情報を情報端末装置12へ送信して一連の処理を終える。
【0049】
情報端末装置12のCPU17は、ステップF303で、リーダー・ライタ11からの応答信号の受信を待機しており、受信したらステップF304へ進む。
ステップF304では、CPU17はRFIDタグ26において装置個体情報を書込む処理が終了したことの確認処理を行い、一連の処理を終える。
【0050】
次に図8により、RFIDタグ26から装置個体情報を読出す処理について説明する。
ステップF601は、リーダー・ライタ11の演算制御部14の処理として、RFIDタグ26からのデータ読出のための通信制御を示している。即ち演算制御部14の制御により非接触通信部13から継続して非接触通信のための出力(読出要求)が行われており、作業者がリーダー・ライタ11を機器A(RFIDタグ26)に近接させることにより、通信が確立されることになる。
【0051】
RFIDタグ26側では、読出要求を受信したら、ステップF701からF702へ進み、受信した読出要求に応じて、RFIDタグ26内に記録されている装置個体情報の読出し処理を行い、読出した装置個体情報をリーダー・ライタ11へ送信する。
リーダー・ライタ11側では、この装置個体情報を受信することになる。
【0052】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、ステップF601での非接触通信により、RFIDタグ26から装置個体情報の受信をしたら、ステップF602で、装置個体情報に施されている暗号化を暗号鍵を使って解読する。つまり装置個体情報の復号処理を行う。
そして演算制御部14はステップF603では、上記ステップF602において復号処理が行われた装置個体情報に施されているコード化をコード表を使用して解読する。つまり、装置個体情報のデコード処理を行う。
デコード処理を終えたら、演算制御部14はステップF604で、そのデコード処理された装置個体情報を情報端末装置12へ送信する処理を行う。
【0053】
情報端末装置12側では、CPU17は、ステップF801でリーダー・ライタ11から装置個体情報を受信したか否かを監視している。
そして装置個体情報を受信した場合は、ステップF802で、装置個体情報を情報端末装置12が備えるディスプレイ22に表示させる処理を行う。つまり、装置個体情報を表示データとしてディスプレイコントローラ21に供給し、例えば上記図5に示したように、装置個体情報の種別と内容が対応した画像をディスプレイ22に表示させる。
【0054】
以上の処理が行われる第1の実施の形態においては、RFIDタグ26から読出した装置個体情報を、機器情報管理装置10においてデコード処理、復号処理を施して、ディスプレイ22に表示することができる。従って機器Aの修理・点検等を行うサービススタッフ等は、容易に装置個体情報を確認できる。つまり、従来のように装置個体情報を確認するためにデータベースに接続する必要がない。このためネットワーク通信環境は不要であり、現場での作業性の良いものとなる。また機器情報管理装置10をどこにでも持ち運ぶことができ、その場で装置個体情報を確認することが出来る。
また、サービススタッフ等は、新たに装置個体情報として追加したい情報を、機器情報管理装置10を用いて容易にRFIDタグ26に書き込ませることができる。例えば修理、点検等の作業の内容や日付などの情報を書き込むことで、後の修理・点検等の際に有用な情報を加えておくことができる。
さらにデータベースサーバ等のシステム構築も不要となり、サービスコストの低減にもつながる。
【0055】
[5.第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態においては、リーダー・ライタ11が備える演算制御部14においてエンコード(コード化)/デコード処理、暗号化/復号化処理が行われる場合の処理動作例について説明してきた。しかし図3(b)の構成例を採った場合は、装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行うのは、CPU17側で行うことになる。
そこで、以下に上記図3(b)の構成に基づく処理動作例について第2の実施の形態として図9、図10で説明する。
これら図9、図10に示す処理は、演算処理部14又は情報端末装置12内(例えばメモリ部18)に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。特には、演算制御部14については非接触通信制御機能30、データ通信制御機能33により、各処理が行われる。また、CPU17では、データ表示制御機能41、データ通信制御機能42、エンコード/デコード機能43、暗号化/復号機能44により、各処理が行われる。
【0056】
なお、装置個体情報をエンコード/デコード処理する際に必要なコードとデータの対応表については、情報端末装置12内(例えばメモリ部18)に格納されているものとなる。
また暗号鍵については、所定の手順により、情報端末装置12に入力されてメモリ部18等に保存されているものとする。
【0057】
図9により、RFIDタグ26に装置個体情報を書込ませる処理について説明する。
情報端末装置12のCPU17は、ステップF901で、装置個体情報としてRFIDタグ26に書き込むべき情報が入力されたか否かの判別を行っている。
つまり情報端末装置12において、サービススタッフ等がキーボード24、マウス25を操作すること等で装置個体情報として書き込もうとする情報の入力が行われ、また入力された情報を装置個体情報としてRFIDタグ26に書込ませる旨の操作がなされたか否かを判別する。
このような入力があったら、CPU17はステップF902へ進み、入力された装置個体情報に対して上記図4で説明したコードとデータの対応表を使用して装置個体情報をコード化する処理を行う。
そして、ステップF903では、上記ステップF902においてコード化した装置個体情報に対して、メモリ部18等に格納されている暗号鍵を使用して暗号化を行う。
【0058】
CPU17は、ステップF904では、上記ステップF903、F904においてコード化、暗号化を施した装置個体情報を、リーダー・ライタ11へ送信する。
【0059】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、情報端末装置12からコード化及び暗号化された装置個体情報を受信した場合に、処理をステップF1001からステップF1002へ進める。
そして演算制御部14はステップF1002で、装置個体情報をRFIDタグ26に書込ませるための非接触通信を行う。即ち非接触通信部13によって装置個体情報の書込のための通信を実行させる。
この場合、サービススタッフ等の作業者が、リーダー・ライタ11を機器Aに近接させることにより、リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間の非接触通信が成立する。
リーダー・ライタ11とRFIDタグ26との間で非接触通信が行われると、RFIDタグ26側では、処理がステップF1101からF1102に進められ、リーダー・ライタ11から送信されてくる装置個体情報の記憶(RFIDタグ26の内部メモリへの書込)を行う。
そしてステップF1103で、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したことを知らせるための応答を行う。
【0060】
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、このようなRFIDタグ26への書込の完了を、ステップF1003での応答受信により確認する。演算制御部14は、非接触通信部13による書込通信制御を、ステップF1003で応答受信がされるまで継続することになる。なお、図示していないが、RFIDタグ26からの応答が確認できず、書き込みエラーとして終了することもある。
【0061】
演算制御部14は、ステップF1003でRFIDタグ26からの応答信号を受信したら、ステップF1004へ進み、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したこと、つまり応答信号を受信したことを示す情報を情報端末装置12へ送信して一連の処理を終える。
【0062】
情報端末装置12のCPU17は、ステップF905で、リーダー・ライタ11からの応答信号の受信を待機しており、受信したらステップF906へ進む。
ステップF906では、CPU17はRFIDタグ26において装置個体情報を書込む処理が終了したことの確認処理を行い、一連の処理を終える。
【0063】
次に図10により、RFIDタグ26から装置個体情報を読出す処理について説明する。
ステップF1201は、リーダー・ライタ11の演算制御部14の処理として、RFIDタグ26からのデータ読出のための通信制御を示している。即ち演算制御部14の制御により非接触通信部13から継続して非接触通信のための出力(読出要求)が行われており、作業者がリーダー・ライタ11を機器A(RFIDタグ26)に近接させることにより、通信が確立されることになる。
【0064】
RFIDタグ26側では、読出要求を受信したら、ステップF1301からF1302へ進み、受信した読出要求に応じて、RFIDタグ26内に記録されている装置個体情報の読出し処理を行い、読出した装置個体情報をリーダー・ライタ11へ送信する。
リーダー・ライタ11側では、この装置個体情報を受信することになる。
リーダー・ライタ11の演算制御部14は、ステップF1201での非接触通信により、RFIDタグ26から装置個体情報の受信をしたら、ステップF1202で、その受信した装置個体情報を情報端末装置12へ送信する処理を行う。
【0065】
情報端末装置12側では、CPU17は、ステップF1401でリーダー・ライタ11から装置個体情報を受信したか否かを監視している。
そして装置個体情報を受信した場合は、ステップF1402に進む。この場合、リーダー・ライタ11から受信した装置個体情報は、RFIDタグ26から読み出したままの状態、即ち暗号化及びコード化がされている状態である。そこでCPU17はステップF1402で装置個体情報に施されている暗号化を暗号鍵を使って解読する。つまり装置個体情報の復号処理を行う。
続いてCPU17はステップF1403で、上記ステップF1402において復号処理が行われた装置個体情報に施されているコード化をコード表を使用して解読する。つまり、装置個体情報のデコード処理を行う。
そしてデコード処理を終えたら、CPU17はステップF1404で、装置個体情報を情報端末装置12が備えるディスプレイ22に表示させる処理を行う。つまり、装置個体情報を表示データとしてディスプレイコントローラ21に供給し、例えば上記図5に示したように、装置個体情報の種別と内容が対応した画像をディスプレイ22に表示させる。
【0066】
このような第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、RFIDタグ26から読出した装置個体情報を、機器情報管理装置10においてデコード処理、復号処理を施して、ディスプレイ22に表示することができる。つまりサービススタッフ等は容易に装置個体情報を確認できる。そして従来のように装置個体情報を確認するためにデータベースに接続する必要がなく、ネットワーク通信環境は不要であり、現場での作業性の良いものとなる。
また、サービススタッフ等は、新たに装置個体情報として追加したい情報を、機器情報管理装置10を用いて容易にRFIDタグ26に書き込ませることができる。
【0067】
[6.第3の実施の形態]
ここまで説明してきた第1の実施の形態と第2の実施の形態は、上記図1(a)で説明した情報端末装置12とリーダー・ライタ11が分かれている機器情報管理装置10として説明してきた。しかし、機器情報管理装置10としては、上記図1(b)で説明したように、情報端末装置12とリーダー・ライタ11の機能が一体となっている機器情報管理装置10も考えられる。
【0068】
そこで、以下に情報端末装置12とリーダー・ライタ11の機能が一体となっている機器情報管理装置10において、装置個体情報をエンコード/デコード処理、暗号化/復号化処理を行われる場合の処理動作例について第3の実施の形態として図11、図12、図13で説明していく。
【0069】
図11は機器情報管理装置10の構成例を示している。この場合、機器情報管理装置10は、非接触通信部51,演算制御部52、メモリ部53、ディスプレイコントローラ54、ディスプレイ55、操作キー56を備える。
操作キー56とは、図1(b)に示したように、装置筐体上に設けられ、使用者の操作入力を行う各種キーである。
非接触通信部51は、RFIDタグ26との間の非接触通信を行う。
演算制御部52は、CPU等から成り、全体の制御及び必要な演算処理を行う。なおこの第3の実施の形態の場合、演算制御部52は、処理機能として、図3(a)に示した非接触通信制御機能30,エンコード/デコード機能31、暗号化/復号機能32、データ表示制御機能41を備えることになる。
【0070】
メモリ部53は揮発メモリ、不揮発性メモリの双方を含むものとして示している。このメモリ部53には、演算制御部52において実行されるプログラムコードやその他の情報を格納したり、通信データのバッファ領域や実行中の作業データのワーク領域に用いられる。また、暗号鍵やコード変換の対応表データ等の格納にも用いられる。
ディスプレイコントローラ54は、演算制御部52の制御に基づき、ディスプレイ55における各種の表示についての駆動制御を行う。
【0071】
図12により、RFIDタグ26に装置個体情報を書込ませる処理について説明する。図12は演算制御部52の処理を示している。
なお、暗号鍵と、コードとデータの対応表は、メモリ部43に予め登録されていても良いし、所定の操作によりユーザ(サービススタッフ等)が入力し、登録させるものとしてもよい。
【0072】
演算制御部52は、ステップF1501では、装置個体情報としてRFIDタグ26に書き込むべき情報が入力されたか否かの判別を行っている。
つまりサービススタッフ等が操作キー56を操作して、装置個体情報として書き込もうとする情報の入力や、入力された情報を装置個体情報としてRFIDタグ26に書込ませる旨の操作がなされたか否かを判別する。
このような入力があったら、演算制御部52はステップF1502へ進み、入力された装置個体情報に対して上記図4で説明したコードとデータの対応表を使用して装置個体情報をコード化する処理を行う。
さらにステップF1503では、上記ステップF1502においてコード化した装置個体情報に対して、メモリ部53に格納されている暗号鍵を使用して暗号化を行う。
【0073】
演算制御部52は、ステップF1504で非接触通信制御を行う。即ち非接触通信部51により、装置個体情報をRFIDタグ26に書込ませるための非接触通信を実行させる。
この場合、サービススタッフ等の作業者が、機器情報管理装置10を機器Aに近接させることにより、非接触通信部51とRFIDタグ26との間の非接触通信が成立する。
この非接触通信が行われると、RFIDタグ26側では、処理がステップF1601からF1602に進められ、機器情報管理装置10から送信されてくる装置個体情報の記憶(RFIDタグ26の内部メモリへの書込)を行う。
そしてステップF1603で、RFIDタグ26に装置個体情報を書込む処理が終了したことを知らせるための応答を行う。
【0074】
機器情報管理装置10の演算制御部52は、このようなRFIDタグ26への書込の完了を、ステップF1505での応答受信により確認する。そしてこの確認ができたら、一連の処理を終了する。
【0075】
次に図13により、RFIDタグ26から装置個体情報を読出す処理について説明する。
ステップF1701は、演算制御部52の処理として、RFIDタグ26からのデータ読出のための通信制御を示している。即ち演算制御部52の制御により非接触通信部41から継続して非接触通信のための出力(読出要求)が行われており、作業者が機器情報管理装置10を機器A(RFIDタグ26)に近接させることにより、通信が確立されることになる。
【0076】
RFIDタグ26側では、読出要求を受信したら、ステップF1801からF1802へ進み、受信した読出要求に応じて、RFIDタグ26内に記録されている装置個体情報の読出し処理を行い、読出した装置個体情報を機器情報管理装置10へ送信する。
機器情報管理装置10側では、この装置個体情報を受信する。演算制御部52は、ステップF1701での非接触通信により、RFIDタグ26から装置個体情報の受信をしたら、ステップF1702で、装置個体情報に施されている暗号化を暗号鍵を使って解読する。続いてステップF1703で、上記ステップF1702において復号処理が行われた装置個体情報に施されているコード化をコード表を使用してデコードする。
そしてデコード処理を終えたら、演算制御部52はステップF1704で、装置個体情報を表示データとしてディスプレイコントローラ54に供給し、例えば装置個体情報の種別と内容が対応した画像をディスプレイ55に表示させる。
【0077】
このような第3の実施の形態においても、上記第1、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、この場合は図1(b)からもわかるように、持ち運びや、作業時の取り回しに便利な形態となっており、作業効率の一層の向上を実現できる。
【0078】
[7.変形例]
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば、本発明での各実施の形態では、装置個体情報がコード化、暗号化されていることを前提に読出し処理を行ったり、装置個体情報をコード化、暗号化を施してRFIDタグ26に書込ませたりしている。これをコード化のみ、または、暗号化のみが施された装置個体情報の読出し処理や、コード化のみ、または、暗号化のみを装置個体情報に施してRFIDタグ26に書込ませる処理なども考えられる。
【0079】
例えば、RFIDタグ26には暗号化のみを施した装置個体情報が記憶されるものとする場合、第1の実施の形態について言えば、上記図7のステップF402、図8のステップF603の処理は不要となる。第2の実施の形態でいえば、図9のステップF902、図10のステップF1403が不要となる。第3の実施の形態でいえば、図12のステップF1502、図13のステップF1703は不要となる。
また、コードとデータの対応表は機器情報管理装置10の製造時等に記憶させる必要はない。
【0080】
また、RFIDタグ26にはコード化のみを施した装置個体情報が記憶されるものとする場合、第1の実施の形態について言えば、暗号鍵登録についての図6の処理や、図7のステップF403、図8のステップF602の処理は不要となる。第2の実施の形態でいえば、図9のステップF903、図10のステップF1402が不要となる。第3の実施の形態でいえば、図12のステップF1503、図13のステップF1702は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態における機器情報管理装置の外観の説明図である。
【図2】第1,第2の実施の形態の機器情報管理装置の内部構成のブロック図である。
【図3】第1,第2の実施の形態の演算制御部とCPUの制御機能の説明図である。
【図4】実施の形態のコードとデータの対応表の説明図である。
【図5】実施の形態の装置個体情報の説明図である。
【図6】第1の実施の形態の暗号鍵をリーダー・ライタに登録する処理のフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態のRFIDタグに装置個体情報を書込ませる処理のフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態のRFIDタグから装置個体情報を読出させる処理のフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態のRFIDタグに装置個体情報を書込ませる処理のフローチャートである。
【図10】第2実施の形態のRFIDタグから装置個体情報を読出させる処理のフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態の機器情報管理装置の内部構成のブロック図である。
【図12】第3の実施の形態のRFIDタグに装置個体情報を書込ませる処理のフローチャートである。
【図13】第3実施の形態のRFIDタグから装置個体情報を読出させる処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10 機器情報管理装置、11 リーダー・ライタ、12 情報管理装置、13,51 非接触通信部、14,52 演算制御部、15,16 外部インターフェイス部、17 CPU、18,53 メモリ部、19 HDDインターフェイス部、20 HDD、21,54 ディスプレイコントローラ、22,55 ディスプレイ、23 入力機器インターフェイス部、24 キーボード、25 マウス、26 RFIDタグ、56 操作キー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で非接触データ通信を行う通信部と、
上記通信部によって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換処理と、少なくとも上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力処理と、を行う制御部と、
を備える機器情報管理装置。
【請求項2】
上記制御部はさらに、
上記非接触型通信機器への書込み用としての装置個体情報が入力されることに応じて、当該装置個体情報に上記所定のデータ変換を行うデータ変換処理と、当該データ変換処理で得られたデータを上記通信部により上記非接触型通信機器に書込ませる書込み制御処理と、を行う請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項3】
上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化する処理であり、
上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする処理を行う請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項4】
上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を暗号化する処理であり、
上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、暗号化されたデータ内容を復号する処理を行う請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項5】
上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化し、且つ、コード化されたデータを暗号化する処理であり、
上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記暗号化されたデータ内容を復号する処理を行い、且つ、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項6】
通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成し、
上記通信装置は上記通信部を備え、上記情報端末装置は上記制御部を備える請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項7】
通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成するとともに、
上記制御部は、上記逆データ変換処理を行う第1制御部と、上記表示データ出力処理を行う第2制御部とから成り、
上記通信装置は上記通信部と上記第1制御部を備え、上記情報端末装置は上記第2制御部を備える請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項8】
外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で、非接触データ通信を行う通信ステップと、
上記通信ステップによって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換ステップと、
上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力ステップと、
を実行する機器情報管理方法。
【請求項1】
外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で非接触データ通信を行う通信部と、
上記通信部によって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換処理と、少なくとも上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力処理と、を行う制御部と、
を備える機器情報管理装置。
【請求項2】
上記制御部はさらに、
上記非接触型通信機器への書込み用としての装置個体情報が入力されることに応じて、当該装置個体情報に上記所定のデータ変換を行うデータ変換処理と、当該データ変換処理で得られたデータを上記通信部により上記非接触型通信機器に書込ませる書込み制御処理と、を行う請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項3】
上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化する処理であり、
上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする処理を行う請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項4】
上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を暗号化する処理であり、
上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、暗号化されたデータ内容を復号する処理を行う請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項5】
上記所定のデータ変換とは、装置個体情報としてのデータ内容を予め設定されたコード変換情報に従ってコード化し、且つ、コード化されたデータを暗号化する処理であり、
上記制御部は、上記逆データ変換処理として、上記非接触型通信機器から読出されたデータに対し、上記暗号化されたデータ内容を復号する処理を行い、且つ、上記コード変換情報を用いてコード化されたデータ内容をデコードする請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項6】
通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成し、
上記通信装置は上記通信部を備え、上記情報端末装置は上記制御部を備える請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項7】
通信装置と情報端末装置とで上記機器情報管理装置を構成するとともに、
上記制御部は、上記逆データ変換処理を行う第1制御部と、上記表示データ出力処理を行う第2制御部とから成り、
上記通信装置は上記通信部と上記第1制御部を備え、上記情報端末装置は上記第2制御部を備える請求項1に記載の機器情報管理装置。
【請求項8】
外部装置内に配置され、当該外部装置の装置個体情報が所定のデータ変換を施されて記録されている非接触型通信機器との間で、非接触データ通信を行う通信ステップと、
上記通信ステップによって上記非接触型通信機器から読出されたデータに対して、上記所定のデータ変換に対する逆データ変換を行う逆データ変換ステップと、
上記逆データ変換処理で得られた装置個体情報を表示用のデータとして出力する表示データ出力ステップと、
を実行する機器情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−39818(P2010−39818A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202891(P2008−202891)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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