説明

機器支持アーム

【課題】モニターその他の機器をユーザの要求する所定の位置に長く安定的に保持する。
【解決手段】このモニターアーム1では、一方のアームに、軸受に一体の固定側の位置決めガイド3を備え、他方のアームに、可動側の位置決めガイド4、押圧部材51を有するレバー6、ロック部52を備える。各アーム間を任意の回動角度に調整した後、レバー6を所定方向に回動操作することにより押圧部材51で可動側の位置決めガイド4を固定側の位置決めガイド3に向けて押圧し押圧部材51とロック部52を係合させて、各アーム間の回動角度をロックする。レバー6の反対の回動操作により、ロックが解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニター、パソコン、テレビその他各種の機器を左右方向又は上下方向に移動自在に支持する機器支持アームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、モニター、パソコン、テレビなどの各種の機器がオフィスや家庭などで、また自動車その他の車両、飛行機、船舶などで、各種の形式の機器支持アームにより設置されて使用されている。一般に、機器支持アームは、複数のアームがヒンジ装置を介して相互に回動可能にかつ各アームが任意の回動角度に保持可能に連結されており、基端側のアームが取付先に固定され、先端側のアームに各種の機器が取り付けられて、各種の機器が取付先に各アームの長さの範囲で移動自在に設置されるようになっている。この種の機器支持アームが例えば特許文献1により提案されている。この文献1の支持アームは複数のアームが回動抵抗を有する関節部(ヒンジ装置)を介して回動可能に接続され、この支持アームの先端に情報モニターが枢支されて、情報モニターを所望の方向に向けて保持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−326980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の機器支持アームでは、複数のアーム間の各関節部材が皿ばねや座金などを用いて各アーム間に摩擦抵抗作用を付与するヒンジ機構により構成され、このような皿ばねや座金などの摩擦抵抗作用のみでモニターその他各種の機器の荷重と各アームの荷重を受けるため、この関節部材の有する各アーム間の角度を保持する能力に対して荷重が大きく、この支持アームの使用後間もなくして、モニターその他各種の機器を支持する能力は次第に低下し、機器は徐々に下がり、ユーザの要求する所定の位置に長く、安定的に保持することができない、という問題がある。また、この種の機器支持アームは例えば車両などで使用される場合、振動を受けやすいため、機器が下がりやすく、ユーザが使用するのに最適な位置に長く、安定的に支持することが難しい、という問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、モニターその他各種の機器を、ユーザの要求する所定の位置に長く、安定的に保持することのできる優れた機器支持アームを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のアームを備え、前記各アームがヒンジ装置を介して相互に回動可能にかつ前記各アーム間が任意の回動角度に保持可能に連結され、基端側のアームを取付先に固定され、先端側のアームに各種の機器が取り付けられて、各種の機器を取付先に前記各アームの長さの範囲で移動自在に設置する機器支持アームにおいて、前記ヒンジ装置は、前記各アームの連結端に形成される軸受と、前記各アームの各軸受間に挿通される軸と、隣り合う前記各アームのうち、少なくとも一方のアームの軸受が略筒形に形成されてその外周面に一体的に形成され、周方向に複数の溝又は穴を有する固定側の位置決めガイド、及び他方のアームに前記固定側の位置決めガイドに向けて進退可能に配設され、かつばね手段を介して常態として前記固定側の位置決めガイドに対し引き離して配置され、前記固定側の位置決めガイドに対向する端部に前記固定側の位置決めガイドの溝又は穴に係合可能な爪又は凸起を有する可動側の位置決めガイドと、前記他方のアームに回動可能に配設され、前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに向けて押圧可能な押圧部材を有するレバーと、前記可動側の位置決めガイド又は前記他方のアームに設けられ、前記押圧部材により前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに押圧した状態で前記押圧部材又は前記レバーの他の一部が係合し前記レバーの動きを規制するロック部とを備え、前記各アームを相互に前記固定側及び可動側の各位置決めガイドの非係合状態により左右方向又は上下方向に回動して、前記各アーム間を任意の回動角度に調整し、前記各レバーを所定の方向に回動操作することにより、前記押圧部材で前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに向けて押圧するとともに、前記押圧部材又は前記レバーの他の一部と前記ロック部とを係合させて、前記各アーム間を前記任意の回動角度にロックし、前記レバーを前記所定の方向とは反対方向に回動操作することにより、前記押圧部材又は前記レバーの他の一部と前記ロック部との係合を外し、前記各アーム間のロックを解除する、ことを要旨とする。
本発明はまた、各部に次のような構成を備えることが好ましい。
(1)他方のアームの軸受は軸挿通部を有する一対の軸受部からなり、一方のアームの軸受は当該他方の一対の軸受部間に嵌合可能に略半円筒形に形成されてその軸芯上に軸挿通部を有する略半円筒形の軸受からなり、前記一方のアームの略半円筒形の軸受が前記他方のアームの一対の軸受部間に前記各軸挿通部の軸芯を合わせて嵌め込まれ、軸が前記各軸受間に前記各軸挿通部を通じて挿通される。
(2)他方のアーム内に、可動側の位置決めガイドの爪又は凸起側の一方の端部を支持するための一端側支持部及びその反対の他方の端部側を支持するための他端側支持部が設けられ、前記可動側の位置決めガイドは、前記一方の端部が前記一端側支持部に支持され、前記他方の端部が前記他端側支持部に支持され、前記他方の端部側と前記他端側支持部との間に前記可動側の位置決めガイドを前記一端側支持部側から前記他端側支持部側へ引張り付勢可能にコイルスプリングが介装されて、前記コイルスプリングにより、前記可動側の位置決めガイドが常態として固定側の位置決めガイドに対して引き離し方向に付勢される。
(3)可動側の位置決めガイドの両側面間に複合形状の開口が形成され、前記開口は前記可動側の位置決めガイドの他方の端部側から一方の端部側に向けて長い略長穴形状に形成されて、当該長穴形状の前記他方の端部側に、前記可動側の位置決めガイドを軸支するためのシャフト挿通部が設けられ、前記一方の端部側に、押圧部材を通し、当該押圧部材の押圧力を受けて前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに向けて押圧移動するための被押圧溝、及び当該被押圧溝の終端側に前記押圧部材のロック部として形成され、前記押圧部材を嵌め込みその周囲を拘束固定するためのロック溝を有する押圧部材挿通部が設けられ、レバーは、レバー本体と、前記レバー本体の枢支側端部に前記可動側の位置決めガイドの開口両側に並列配置可能に形成されて、前記シャフト挿通部及び前記押圧部材挿通部に対応するシャフト通し部及び押圧部材通し部を有する一対のレバーベースとを備え、前記一対のレバーベースが前記可動側の位置決めガイドの開口両側に配置されて、前記各押圧部材通し部間に前記可動側の位置決めガイドの押圧部材挿通部を通じて挿通配置されるローラ軸を介してローラからなる押圧部材が装着され、これら可動側の位置決めガイド及びレバーが前記他方のアームの両側面間に配置されるとともに、前記レバー本体が前記他方のアームの内部から外部に突出されて、前記他方のアームの両側面間に配置されるシャフトが前記レバーベースの各シャフト通し部及び前記可動側の位置決めガイドのシャフト挿通部に挿通されて、前記レバーが前記可動側の位置決めガイドの他方の端部と一方の端部との間を傾動可能に配置され、前記押圧部材が前記可動側の位置決めガイドの押圧部材挿通部内に前記レバーの傾動により前記被押圧溝を押圧可能にかつ前記ロック溝に嵌合可能に配置されて、前記可動側の位置決めガイドが前記他方のアーム内に前記押圧部材の押圧により、固定側の位置決めガイドに圧接可能に配置される。
(4)複数のアームは基端側のアーム、中間のアーム、先端側のアームからなり、前記基端側のアームに、アーム全体を取付先に支持固定するための固定ベースを備え、前記先端側のアームに、各種の機器を取り付けるための台座を備える。
(5)台座と先端側のアームは、前記台座の背面側に設けられる軸受と前記先端側のアームに設けられる軸受とこれら軸受間に挿通される軸とにより、前記台座が前記先端側のアームに各アーム間の回動方向に対して直交する方向に回動可能に取り付けられ、前記台座又は前記先端側のアームのいずれか一方の軸受の軸回りに略円弧状に並べて形成される複数のロック溝又はロック穴、及び他方の軸受部の軸回りに前記台座の回動とともに前記一方の軸受部の各ロック溝又は各ロック穴上を相対移動可能にかつ前記各ロック溝又は各ロック穴に対向可能に形成される少なくとも1つのガイド穴と、前記他方の軸受部のガイド穴上に前記各ロック溝又は各ロック穴に向けて進退可能に配設され、かつばね手段により常態として前記各ロック溝又は各ロック穴に向けて押圧付勢されるロックピンとを有し、前記ロックピンのスライド操作により前記ロックピンと前記各ロック溝又は各ロック穴とを係脱するロック装置により、前記台座の前記先端側のアームに対する回動角度が固定保持される。
(6)台座は略平面状に形成されて、その略中心に挿通される軸を介して背面側の軸受に回転可能に取り付けられ、前記背面側の軸受に前記軸の周囲で前記台座の背面を押圧可能に挿着されるねじ式のストッパーにより前記台座の回転角度が固定保持される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の機器支持アームによれば、ヒンジ装置の上記の構成により、隣り合う各アーム間に複数の溝又は穴を有する固定側の位置決めガイドと爪又は凸起を有する可動側の位置決めガイドを介在し、各アームを相互に左右方向又は上下方向の任意の回動角度に調整して、レバーを所定の方向に回動操作することにより、押圧部材で可動側の位置決めガイドの爪又は凸起を固定側の位置決めガイドの溝又は穴に向けて押圧し、押圧部材又はレバーの他の一部とロック部とを係合させて、各アーム間を任意の回動角度にロックするようにしたので、各アームを任意の角度に容易に調整し、強固に固定することができ、モニターその他の各種の機器を、ユーザの要求する所定の位置に長く、安定的に保持することができる。また、レバーを所定の方向とは反対方向に回動操作することにより、押圧部材又はレバーの他の一部とロック部との係合を外し、各アーム間のロックを解除することができるので、各アーム間の角度の変更調整も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態における機器支持アームの平面図
【図2】同機器支持アームの左側面図
【図3】同機器支持アームの正面図
【図4】同機器支持アームの底面側から見た断面図
【図5】同機器支持アームの右側から見た断面図
【図6】同機器支持アームの特に中間のアームで断面した正面側から見た断面図
【図7】同機器支持アームに採用される可動側の位置決めガイド、レバー、押圧部材、ロック部などの斜視図
【図8】同機器支持アームの動作を示し、基端側のアームに対して中間のアームを左右方向又は上下方向に回動させて、アーム全体の左右方向又は上下方向の角度を調整する状態を示す図
【図9】同機器支持アームの動作を示し、中間のアームに対して先端側のアームを左右方向又は上下方向に回動させて、台座プレートの左右方向又は上下方向の角度を調整する状態を示す図
【図10】同機器支持アームの動作を示し、先端側のアームに対して台座プレート背面の取付ブラケットを上下方向又は左右方向に回動させて、台座プレートの上下方向又は左右方向の角度を調整する状態を示す図
【図11】同機器支持アームの動作を示し、台座プレート背面の取付ブラケットに対して台座プレートを軸回りに回転させて、台座プレートの回転角度を調整する状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。なお、この実施の形態では、機器支持アームについて、特にモニターを乗用車やトラックなどの車両内に設置するための車両用のモニターアームとして例示し、以下の説明では、この機器支持アームをモニターアームと称する。
【0010】
図1乃至図6にモニターアームを示し、図7にその要部を示している。図1及び図2に示すように、モニターアーム1は複数のアーム11、12、13を備え、各アーム11、12、13がヒンジ装置2、2を介して相互に水平方向(左右方向)又は垂直方向(上下方向)に回動可能にかつ各アーム11、12、13間が任意の回動角度に保持可能に連結される。そして、基端側のアーム11に、アーム11〜13全体を取付先である車両室内(のインパネなど)に支持固定するための固定ベース14が設けられ、先端側のアーム13に、モニターを取り付けるための台座プレート15が設けられる。
このモニターアーム1の場合、複数のアーム11、12、13は、3つのアームで構成され、基端側のアーム11と、中間のアーム12と、先端側のアーム13とを備える。
また、この場合、中間のアーム12が最も長く、基端側のアーム11が最も短く、先端側のアーム13が中間のアーム12よりも短く、基端側のアーム11よりも長くなっている。
【0011】
図1及び図2に示すように、中間のアーム12は全体がアルミ板により所定の長さを有する長い略角筒形状に形成されて、上面121、下面122、及び両側面123、123を有し、先端側、基端側の各アーム13、11との連結端となる前後端面が開口され、この前後端面にそれぞれ軸受22、22が形成される。この場合、中間のアーム12は上下に2分割された断面略逆U字形及び断面U字形をなす上部側のアーム部材及び下部側のアーム部材が一体的に結合されて中空の略角筒形に構成される。上下の各面121、122は細長い矩形状に形成され、その前後両端部がそれぞれ両側面123、123の両端部よりも前後方向に略円弧状に突出され、その中心に軸挿通部220、220が貫通形成されて、先端側、基端側の各アーム13、11(の軸受23、21)が嵌合可能な一対の軸受部221,221、221,221になっている。また、上面121の後側半面の中央に後述する後側のレバー6を通すためのスリット124が前後方向に向けて形成され、下面122の前側半面の中央に後述する前側のレバー6を通すためのスリット125が前後方向に向けて形成される。両側面123、123は細長い矩形状に形成され、この両側面123、123には、上下の各面121、122のスリット124、125の前後方向中央に対応する所定の位置にそれぞれ、後述する前後の各レバー6、6を軸支するためのシャフト挿通部126,126、126,126が形成される。なお、このアーム12の上面121、下面122及び両側面123,123には適宜の位置にモニターから延びる各種のケーブルを拘束するためのクランプ127が取り付けられる。
また、図4及び図5に示すように、このアーム12の内部には、前後の各一対の軸受部221,221、221,221よりも内方で両側面123、123の各シャフト挿通部126,126、126,126の前後所定の位置にそれぞれ、後述する前後の各可動側の位置決めガイド4、4の一方の端部側を支持する一端側支持部24、24及びその反対の他方の端部側を支持する他端側支持部25、25が設けられる。この場合、一端側支持部24、24はそれぞれ全体が中間のアーム12内に嵌合可能なフレーム構造になっていて、その略中央に可動側の位置決めガイド4、4の一方の端部をスライド可能に保持可能なフレーム241、241を有し、これらの支持部24、24はそれぞれ中間のアーム12内において両端部側の所定の位置に一対の軸受部221、221に近接してねじにより取り付けられる。他端側支持部25、25はそれぞれ全体が中間のアーム12内に嵌合可能なプレート形状になっていて、その略中央に可動側の位置決めガイド4、4の他方の端部をスライド可能に挿通支持するための挿通穴250、250を有し、これらの支持部25、25はそれぞれ中間のアーム12内において中央側の所定の位置にねじにより取り付けられる。
【0012】
図1及び図2に示すように、基端側のアーム11は全体がアルミニウム合金により所定の長さを有するブロック状に形成され、中間のアーム12との連結端となる前端部に略筒形の軸受21が形成されて、その外周面に周方向に複数の溝又は穴からなる固定側の位置決めガイド3が併せて形成される。この場合、基端側のアーム11は前端部が半円筒形、後端部が角筒形の複合形状を有するブロックからなる。前端部は中間のアーム12の後端部の一対の軸受部221,221間に嵌合可能な大きさを有する半円筒形に形成され、その軸芯に軸挿通部210が貫通形成されて、半円筒形の軸受21をなす。そして、この軸受21の外周面には、図2及び図4に示すように、周方向に向けて複数の溝(縦溝)301が一体的に形成されて、軸受21の外周面がギア形状になっている。このギア形状が後述する固定側の位置決めガイド3をなす。後端部はこの軸受21の後部延長上に角筒形に形成され、後面が略矩形状の凹状に形成されて、その四隅に固定ベース取付用のねじ穴110が設けられる。
【0013】
図1及び図2に示すように、先端側のアーム13は全体がアルミニウム合金により所定の長さを有するブロック状に形成され、中間のアーム12との連結端となる後端部に略筒形の軸受23が形成されて、その外周面に周方向に複数の溝又は穴からなる固定側の位置決めガイド3が併せて形成される。この場合、先端側のアーム13は後端部が半円筒形、前端部に一対の円弧形状の平板を有する複合形状のブロックからなる。後端部は、基端側のアーム11の前端部と同様に、中間のアーム12の前端部の一対の軸受部221,221間に嵌合可能な大きさを有する略半円筒形に形成され、その軸芯に軸挿通部230が貫通形成されて、半円筒形の軸受23をなす。そして、この軸受23の外周面には、図2及び図4に示すように、周方向に向けて複数の溝(縦溝)301が一体的に形成されて、軸受23の外周面がギア形状になっている。このギア形状が後述する固定側の位置決めガイド3をなす。前端部は一対の円弧形状の平板131,131からなり、それぞれ、軸受23の外周面の前部に(これらの平板131,131の間に一定の間隔を持たせて)前方に向けて突出され、各平板131,131の中心に軸挿通部130、130が貫通形成されて、台座プレート15を取り付けるための一対の軸受部(131、131)をなす。また、この一対の軸受部の各平板131,131又はいずれか一方の平板131の軸挿通部130の回りに、この場合、円弧状の端縁部に沿って、複数の小さな溝又は穴が略円弧状に並べて形成される。これらの溝又は穴は後述するロック装置8のロック溝81(又はロック穴)をなす。
【0014】
図4及び図5に示すように、ヒンジ装置2、2はそれぞれ、各アーム11、12、13の連結端に形成される軸受21、22、23と、各アーム11、12、13の各軸受21、22、23間に挿通される軸212、222と、隣り合う各アーム11、12、13のうち、少なくとも一方のアーム11、13の軸受21、23が略筒形に形成されてその外周面に一体的に形成され、周方向に複数の溝301を有する固定側の位置決めガイド3、及び他方のアーム12に固定側の位置決めガイド3に向けて進退可能に配設され、かつばね手段を介して常態として固定側の位置決めガイド3に対し引き離して配置され、固定側の位置決めガイド3側の端部に固定側の位置決めガイド3の溝301に係合可能な爪401を有する可動側の位置決めガイド4と、他方のアーム12に回動可能に配設され、可動側の位置決めガイド4を固定側の位置決めガイド3に向けて押圧可能な押圧部材51を有するレバー6と、可動側の位置決めガイド4に設けられ、押圧部材51により可動側の位置決めガイド4を固定側の位置決めガイド3に押圧した状態で押圧部材51が係合しレバー6の動きを規制するロック部52とを備える。
【0015】
この場合、既述のとおり、中間のアーム12の前後の軸受22,22はそれぞれ軸挿通部220,220を有する一対の軸受部221,221からなり、基端側、先端側の各アーム11、13の軸受21、23がそれぞれ、中間のアーム12の一対の軸受部221,221間、221,221間に嵌合可能に略半円筒形に形成され、固定側の位置決めガイド3、3がそれぞれ、各軸受21、23の外周面に周方向に向けて複数の溝(縦溝)301が一体的に形成されて、各軸受21、23に一体化される。なお、この場合、各溝301は各軸受21、23の外周面に10°刻みで形成される。これら基端側、先端側のアーム11、13の軸受21、23はそれぞれ、中間のアーム12の前後の各一対の軸受部221,221間、221,221間に嵌め込まれ、これら軸受21、23の両側に各軸挿通部210、230と同芯的にワッシャ26,26、26,26が配置され、さらに、中間のアーム12の前後の各軸受部221,221、221,221の両側に各軸挿通部220、220と同芯的にワッシャ26,26、26,26、皿ばね座金27,27、27,27が順次配置されて、軸212、222が各軸受22、21間、22、23間に各軸挿通部220、210、各軸挿通部220、230を通じて挿通される。このようにして基端側、先端側のアーム11、13の軸受21、23がそれぞれ、中間のアーム12の前後の各一対の軸受部221,221間、221,221間に軸212,222を介して連結され、これらの軸受21、23に一体の固定側の位置決めガイド3、3が中間のアームの前後端部の開口に対向配置される。
【0016】
一方、中間のアーム12内には、既述のとおり、可動側の位置決めガイド4の一方の端部側を支持する一端側支持部24、24及びその反対の他方の端部側を支持する他端側支持部25、25が設けられる。そして、これらの一端側支持部24、24及び他端側支持部25、25にそれぞれ、可動側の位置決めガイド4、4が1つずつ取り付けられる。これら可動側の位置決めガイド4、4はそれぞれ、アルミニウム合金により上部又は下部に凹凸形状を有する横に長い略矩形のプレート形状に形成される。
【0017】
後側の可動側の位置決めガイド4(4R)の場合、図5及び図7に示すように、上面41の略中央より少し前端側(後側の固定側の位置決めガイド3側の端部とは反対の端部側)に係止突起411が形成される。下面42は平面状に形成される。後端面43(固定側の位置決めガイド3に向けられる一方の端面)は固定側の位置決めガイド3の各溝301に係合可能な縦方向に延びる爪401が、この場合、3つ形成される。前端面44(その反対の他方の端面)は平面状に形成される。左右両側面45、45は平面状に形成され、この両側面45、45間に切り欠き455と複合形状の開口450が形成される。切り欠き455は前端側から略中央付近まで略U字形に(この場合、略U字形の上部は前端側に、下部は中央付近に向けて横向きの略U字形に)形成され、この切り欠き455内に前端部から略中央付近に向けて延びる突状部456が設けられる。この突状部456にコイルスプリング53が装着される。開口450は可動側の位置決めガイド4の前端面44側から後端面43側に向けて長い略長穴形状に形成されて、当該長穴形状の前部側に、可動側の位置決めガイド4を軸支するシャフト7のためのシャフト挿通部451が設けられ、後部側に、押圧部材51を通し、当該押圧部材51の押圧力を受けて後側の可動側の位置決めガイド4を後側の固定側の位置決めガイド3に向けて押圧移動するための被押圧溝453、及び当該被押圧溝453の下方終端側に押圧部材51のロック部52として形成され、押圧部材51を嵌め込みその周囲を拘束固定するためのロック溝454を有する押圧部材挿通部452が設けられる。そして、この可動側の位置決めガイド4に押圧部材51がレバー6とともに取り付けられる。押圧部材51はローラ510からなる。レバー6は、レバー本体61と、レバー本体61の枢支側端部に後側の可動側の位置決めガイド4の開口450両側に並列配置可能に形成されて、可動側の位置決めガイド4のシャフト挿通部451及び押圧部材挿通部452に対応するシャフト通し部621及び押圧部材通し部622を有する一対のレバーベース62、62とを一体的に備える。この場合、レバー6は細長いレバー本体形状部と上部が矩形で下部が横に大小2つの円を合わせてなる複合形状のレバーベース形状部を有する2つのレバー基材がレバー本体形状部を接合されて形成される。そして、各レバーベース62、62の上部間に作動ピン63が挿通される。このようにしてレバー6は、図6に示すように、一対のレバーベース62、62が可動側の位置決めガイド4の開口450両側に上方から跨って配置され、各押圧部材通し部622、622間に可動側の位置決めガイド4の押圧部材挿通部452を通じて挿通配置されるローラ軸511を介して、押圧部材51のローラ510が装着され、押圧部材51がレバー6とともに可動側の位置決めガイド4に一体的に組み立てられる。
【0018】
前側の可動側の位置決めガイド4Fの場合、図5に示すように、後側の可動側の位置決めガイド4Rと同じ形状、構造を有するが、後側の可動側の位置決めガイド4Rに対して180°反転された向きに取り付けられるため、各部の向きが後側の可動側の位置決めガイド4Rとは正反対となる。すなわち、下面41の略中央より少し後端側(前側の固定側の位置決めガイド3側の端部とは反対の端部側)に係止突起411が形成される。上面42は平面状に形成される。前端面43(前側の固定側の位置決めガイド3に向けられる一方の端面)は固定側の位置決めガイド3の各溝301に係合可能な縦方向に延びる爪401が、この場合、3つ形成される。後端面44(その反対の他方の端面)は平面状に形成される。左右両側面45、45は平面状に形成され、この両側面45、45間に切り欠き455と複合形状の開口450が形成される。切り欠き455は後端側から略中央付近まで略U字形に(この場合、略U字形の上部は後端側に、下部は中央付近に向けて横向きの略U字形に)形成され、この切り欠き455内に後端部から略中央付近に向けて延びる突状部456が設けられる。この突状部456にコイルスプリング53が装着される。開口450は可動側の位置決めガイド4の後端面44側から前端面43側に向けて長い略長穴形状に形成されて、当該長穴形状の後部側に、可動側の位置決めガイド4を軸支するためのシャフト挿通部451が設けられ、前部側に、押圧部材51を通し、当該押圧部材51の押圧力を受けて前側の可動側の位置決めガイド4を前側の固定側の位置決めガイド3に向けて押圧移動するための被押圧溝453、及び当該被押圧溝453の上方終端側に押圧部材51のロック部52として形成され、押圧部材51を嵌め込みその周囲を拘束固定するためのロック溝454を有する押圧部材挿通部452が設けられる。そして、この可動側の位置決めガイド4に押圧部材51がレバー6とともに取り付けられる。押圧部材51はローラ510からなる。レバー6は、レバー本体61と、レバー本体61の枢支側端部に前側の可動側の位置決めガイド4Fの開口450両側に並列配置可能に形成されて、可動側の位置決めガイド4のシャフト挿通部451及び押圧部材挿通部452に対応するシャフト通し部621及び押圧部材通し部622を有する一対のレバーベース62、62とを一体的に備える。この場合、レバー6は細長いレバー本体形状部と下部が矩形で上部が横に大小2つの円を合わせてなる複合形状のレバーベース形状部を有する2つのレバー基材がレバー本体形状部を合わせてねじにより締結されて形成される。そして、各レバーベース52の下部間に作動ピン63が挿通される。このようにしてレバー6は、一対のレバーベース62、62が可動側の位置決めガイド4の開口450両側に下方から跨って配置され、各押圧部材通し部622、622間に可動側の位置決めガイド4の押圧部材挿通部452を通じて挿通配置されるローラ軸511を介して、押圧部材51のローラ510が装着され、押圧部材51がレバー6とともに可動側の位置決めガイド4に一体的に組み立てられる。
【0019】
このようにして可動側の位置決めガイド4R、4Fはそれぞれ、中間のアーム12内で、爪401側の一方の端部が一端側支持部24のフレーム241に挿通されて支持され、他方の端部が他端側支持部25の挿通穴250に挿通されて支持され、可動側の位置決めガイド4の他方の端部側に切り欠かれて形成された突状部456に装着されたコイルスプリング53が切り欠き455の端部と他端側支持部25との間で圧縮されて、各可動側の位置決めガイド4が各固定側の位置決めガイド3に対して引き離し方向に引張り付勢される。また、これら可動側の位置決めガイド4、4の取り付けとともに、後側のレバー6のレバー本体61が中間のアーム12の内部から上面のスリット124を通じて外部に突出され、前側のレバー6のレバー本体61が中間のアーム12の内部から下面のスリット125を通じて外部に突出される。そして(図6参照)、2本のシャフト7、7がそれぞれ、中間のアーム12の両側面123、123の前後のシャフト挿通部126,126間、126,126間にそれぞれ前後の一対の各レバーベース62,62、62,62の各シャフト通し部621,621間、621,621間及び各可動側の位置決めガイド4のシャフト挿通部451、451を通じて挿通され、各レバー6、6が中間のアーム12に各可動側の位置決めガイド4、4の他方の端部と一方の端部との間を傾動可能に軸支される。このようにして各レバー6、6と各押圧部材51、51が各可動側の位置決めガイド4、4に作動連結され、各レバー6、6を各固定側の位置決めガイド3、3方向へ傾動することにより、各可動側の位置決めガイド4、4の押圧部材挿通部452、452内で各押圧部材51、51が被押圧溝453、453を押圧して各ロック溝454、454に嵌まり込み、各可動側の位置決めガイド4、4を各固定側の位置決めガイド3、3に圧接してこの状態を固定保持し、また、各レバー6、6を反対方向に傾動することにより、各レバー6、6の作動ピン63、63と各可動側の位置決めガイド4、4の係止突起411、411が係合し、各可動側の位置決めガイド4、4を引き戻して各固定側の位置決めガイド5、5から引き離すようになっている。
【0020】
図4及び図5に示すように、固定ベース14は全体が鋼材により略矩形のプレート形状に形成されて、基端側のアーム11の後面側の各ねじ穴110に対応する四隅にねじ挿通穴140が設けられ、その周囲にさらに固定ベース14を車両室内に取り付けるための複数のねじ挿通穴141が設けられる。この固定ベース14は基端側のアーム11の後面に固定ベース14の各ねじ挿通穴140からねじが挿通されてアーム11の各ねじ穴110に締結されて取り付けられる。
【0021】
図3に示すように、台座プレート15は全体が鋼材により所定の大きさを有する略矩形の平板状に形成され、その正面中央に凹部151が背面側に凸状に突出して形成され、その中心にボルト挿通穴152が穿たれる。また、図4及び図5に示すように、この台座プレート15の後部には取付ブラケット16が設けられる。この取付ブラケット16は鋼材により断面コ字形に形成され、前面161に台座プレート15を取り付けるための取付穴160が穿たれ、両側面162、162がそれぞれ前面161の左右両側に先端側のアーム13の前側の一対の軸受部131、131が嵌合可能な間隔で前面161の左右両側から後方に向けて略台形状又は略三角形状に突出され、それぞれの突出端の略中央に軸挿通部163、163が穿たれて、一対の軸受部164、164になっている。このようにして取付ブラケット16の前面161に取付穴160に同芯的にワッシャが介在配置されて台座プレート15が重ねられ、これら取付ブラケットの取付穴160と台座プレート15のボルト挿通穴152が合わせられた状態で、台座プレート15上にボルト挿通穴152に同芯的にワッシャ、皿ばね座金、平座金が順次配置されて、これらの穴160、152にボルト153が台座プレート15の前面から通され、取付ブラケット16の前面161の背面側でナット154に螺合されて、取付ブラケット16の前面161に台座プレート15がボルト153を回転中心として回転可能にかつワッシャ等による摩擦抵抗作用により任意の回転角度に保持可能に取り付けられる。
そして、この台座15の取付ブラケット16が先端側のアーム13にヒンジ結合される。この場合、取付ブラケット16の一対の軸受部164、164間に、先端側のアーム13の一対の軸受部131、131が配置され、それぞれの軸挿通部163,163、130,130が合せられる。この状態から、先端側のアーム13の各軸受部131、131の各軸挿通部130、130間に円筒状のスペーサ165が配置され、このスペーサ165上にトーションコイルスプリング166が所定方向に巻装される。この場合、トーションコイルスプリング166の一方の係止端が取付ブラケット16の前面161に係止(固定)され、他方の係止端が先端側のアーム13の前面に係止(固定)される。そして、先端側のアーム13の一対の軸受部131、131の両側に各軸挿通部130、130と同芯的にワッシャ168が配置され、取付ブラケット16の各軸受部164、164の片側一方に軸挿通部163と同芯的に平座金169、皿ばね座金170が順次配置され、片側他方に軸挿通部163と同芯的に平座金169が配置されて、取付ブラケット16及び先端側のアーム13の各軸受部164,164、131,131間に、ピン171が、この取付ブラケット16の片側一方から、各軸挿通部163,163、130,130及びスペーサ165を通して挿通され、かしめられる。このようにして取付ブラケット16の各軸受部164、164、先端側のアーム13の各軸受部131、131はともにワッシャ168、平座金169及び皿ばね座金170を介して締め付けられ、また、スペーサ165上のトーションコイルスプリング166の一方の係止端が取付ブラケット16の前面161に係止(固定)され、他方の係止端が先端側のアーム13の前面に係止(固定)されて、取付ブラケット16が先端側アーム13に対して上方に回動する方向に所定のばね力で付勢されるので、台座プレート15を上下方向に向けて回動させる場合に、ワッシャ168、平座金169及び皿ばね座金170により取付ブラケットの一対の軸受部164、164と先端側のアーム13の一対の軸受部137、137との間に発生する摩擦抵抗作用と、トーションコイルスプリング166により取付ブラケット16を先端側のアーム13に対して上方に回動付勢する力との合力により、取付ブラケット16と先端側のアーム13との間が上下方向任意の角度に保持され、台座プレート15が上下方向任意の角度に調整可能となる。
【0022】
また、この台座プレート15の取り付けでは、取付ブラケット16の一対の軸受部164、164と先端側のアーム13の一対の軸受部131、131との間にこれら一対の軸受部間の任意の回動角度をより確実に固定保持するためにロック装置8が併せて設けられる。
図1及び図4に示すように、このロック装置8は、取付ブラケット16又は先端側のアーム13のいずれか一方の軸受部の軸回りに略円弧状に並べて形成される複数のロック溝81(又はロック穴)、及び他方の軸受部の軸回りに台座プレート15の回動とともに一方の軸受部の各ロック溝81(又は各ロック穴)上を相対移動可能にかつ各ロック溝81(又は各ロック穴)に対向可能に形成される少なくとも1つのガイド穴82と、他方の軸受部のガイド穴82上に各ロック溝81(又は各ロック穴)に向けて進退可能に配設され、かつばね手段により常態として各ロック溝81(又は各ロック穴)に向けて押圧付勢されるロックピン83とを有し、ロックピン83のスライド操作によりロックピン83と各ロック溝81(又は各ロック穴)が係脱可能に構成される。
この場合、既述のとおり、先端側のアーム13の一対の軸受部131に、円弧状の端縁部に沿って複数の小さなロック溝81が略円弧状に並べて形成され(図5参照)、取付ブラケット16の一対の軸受部164の、先端側のアーム13の各ロック溝81に対応する前部側の所定の位置に2つのロック穴82がこの軸受部164の前部中心を対称中心として対称位置に形成される。なお、この場合、複数のロック溝81は先端側のアーム13の一対の軸受部131に10°刻みで形成され、各ガイド穴82は取付ブラケット16の一対の軸受部164に複数のロック溝81のいずれか2箇所に対応可能に形成される。そして、この取付ブラケット16の一方の軸受部164の側面にピンケース85が設置固定され、ロックピン83がこのピンケース85を介して配設される。ピンケース85は、取付ブラケット16の2つのガイド穴82に対して同軸上に円筒状に延び、各ガイド穴82側の一端部側にガイド穴82よりも大径のピン挿通部851、他端部側にガイド穴82と略同径のピン挿通部852を有し、ロックピン83を各ガイド穴82に向けて案内する一対のピンガイド850(図2参照)と、これらのピンガイド850間を連結する連結部853(図2参照)と、これらのピンガイド850の一端部に各ピンガイド850を取付ブラケット16の2つのガイド穴82上に設置可能に平板状に形成され、両端にねじ挿通部を有する固定部854とからなる。ロックピン83は、先端が先細でロック溝81、ガイド穴82の内径よりも僅かに小径の円柱状にピンガイド850の長さよりも長く形成され、先端から少しだけ後端側に下がった位置にピンガイド850の大径のピン挿通部851内に配置可能なフランジ832を有し、ピンケース85の各ピンガイド850に挿通可能な一対のピン831と、この一対のピン831の基端部側にこれらのピン831間に跨ってねじなどにより取り付けられ、指先が掛かるような指先係合部を有するハンドル833(図3参照)とからなる。このロックピン83は、ハンドル833を取り付ける前に、一対のピン831が、各ピン831の周囲にコイルスプリング84が巻装されフランジ832に係止された状態で、各ピン831の基端部から、ピンケース85の各ピンガイド850に大径のピン挿通部851から通されてピンケース85に貫通装着される。そして、各ピンガイド850に貫通された各ピン831の基端部にハンドル833が取り付けられて、ロックピン83とピンケース85が組み立てられる。この組み立てにより、ロックピン83の各ピン831は各ピンガイド850内に配置される各コイルスプリング84により付勢力されて、各ピン831の先端側が各ピンガイド850の先端から突出された状態となる。このようにピンケース85に装着されたロックピン83は、各ピン831が取付ブラケット16の2つのガイド穴82に挿通されて、ピンケース85が取付ブラケット16の一方の軸受部164に設置され、固定部854のねじ挿通部に通されるねじにより一方の軸受部164に固定される。このようにしてロックピン83は取付ブラケット16の一方の軸受部164のガイド穴82上に各ロック溝81に向けて進退可能に配設され、かつコイルスプリング84の付勢力により常態として各ロック溝81に向けてスライドして各ロック溝81に係合され、ロックピン83をハンドル833の操作により引き方向にスライドさせることにより、ロックピン83が各ロック溝81から離脱されるようになっている。
【0023】
さらに、この台座プレート15の取り付けでは、取付ブラケット16の前面161の台座プレート15を任意の回転角度に確実に固定保持するために、台座プレート15の背面側にねじ式のストッパー9が併せて設けられる。
図2及び図5に示すように、ねじ式のストッパー9は、台座プレート15の背面側の取付ブラケット16の前面161でボルト153の周囲、この場合、前面161の両側に形成される一対のねじ穴90と、これらのねじ穴90に台座プレート15の背面に向けて進退可能に螺着されるねじ軸911、ねじ軸911の先端に固定され、台座プレート15の背面に面接触される摩擦係数の高い材料からなる接触部材912、及びねじ軸911の後端にねじ軸911と一体に回転可能に取り付けられるつまみ913からなる一対のストッパー本体91とを有し、一対のストッパー本体91が取付ブラケット16の前面161の両側に台座プレート15の背面を押圧可能に挿着される。このようにして各ストッパー本体91毎にねじ軸911を台座プレート15の背面に向けて送る方向につまみ913を回すことにより、接触部材912が台座プレート15の背面に押圧接触し、台座プレート15の背面を押えてその回転方向の動きを規制し、つまみ913を反対方向に回すことにより、接触部材912が台座プレート15の背面から離れて、台座プレート15の回転を許容するようになっている。
【0024】
このようにしてモニターアーム1は基端側のアーム11が固定ベース14により車両室内のインストルメンタルパネルなどに固定され、先端側のアーム13に取り付けられた台座プレート15にモニターが取り付けられて、モニターが車両室内に各アーム11、12、13の長さの範囲で移動(調整)可能に設置される。
なお、このモニターアーム1はレバー6,6を上下方向に向けて取付先に固定されることにより、中間のアーム12が基端側のアーム11に対して軸212を中心に左右方向に回動可能となり、先端側のアーム13が中間のアーム12に対して軸222を中心に左右方向に回動可能となり、台座プレート15の取付ブラケット16が先端側のアーム13に対してピン171を中心に上下方向に回動可能となり、台座プレート15が取付ブラレット16の前面161でボルト153を中心に回転可能となる。また、このモニターアーム1がレバー6,6を左右方向に向けて取付先に固定されると、中間のアーム12が基端側のアーム11に対して軸212を中心に上下方向に回動可能となり、先端側のアーム13が中間のアーム12に対して軸222を中心に上下方向に回動可能となり、台座プレート15の取付ブラケット16が先端側のアーム13に対してピン171を中心に左右方向に回動可能となり、台座プレート15が取付ブラレット16の前面161でボルト153を中心に回転可能となる。
【0025】
そして、このモニターアーム1により、モニターの位置を調整する場合、固定側及び可動側の各位置決めガイド3、4の非係合状態から、各アーム11、12、13を相互に左右方向又は上下方向に回動し、各アーム11、12、13間を任意の回動角度に調整することにより行う。
図8に基端側のアーム11に対して中間のアーム12を左右方向(又は上下方向)に回動して、アーム1全体の左右方向(又は上下方向)の角度を調整する状態を示している。図8に示すように、基端側のアーム11と中間のアーム12との間では、基端側のアーム11に中間のアーム12が軸212を介して左右方向(又は前後方向)に回動可能に結合されており、基端側のアーム11の固定側の位置決めガイド3に対して中間のアーム12の可動側の位置決めガイド4が離間されている状態で、基端側のアーム11に対して中間のアーム12を右方向若しくは左方向(又は上下方向)に回動すると、この中間のアーム12の動きとともに可動側の位置決めガイド4が固定側の位置決めガイド3の複数の溝301の回りを接触することなしに移動し、中間のアーム12の回動を停止すると、可動側の位置決めガイド4の爪401が固定側の位置決めガイド3の一部の溝301に、中間アーム12が回動を停止された位置で対向される。このようにして基端側のアーム11に対して中間アーム12を任意の方向に回動して任意の回動角度を設定する。
図9に中間のアーム12に対して先端側のアーム13を左右方向(又は上下方向)に回動して、台座プレート15の左右方向(又は上下方向)の角度を調整する状態を示している。図9に示すように、中間のアーム12と先端側のアーム13との間では、中間のアーム12に先端側のアーム13が軸222を介して左右方向(又は上下方向)に回動可能に結合されており、先端側のアーム13の固定側の位置決めガイド3に対して中間のアーム12の可動側の位置決めガイド4が離間されている状態で、中間のアーム12に対して先端側のアーム13を右方向若しくは左方向(又は上下方向)に回動すると、この先端側のアーム13の動きとともに固定側の位置決めガイド3が可動側の位置決めガイド4の爪401の回りを接触することなしに移動し、先端側のアーム13の回動を停止すると、可動側の位置決めガイド4の爪401が固定側の位置決めガイド3の一部の溝301に、先端側のアーム13が回動を停止された位置で対向される。このようにして中間のアーム12に対して先端側のアーム13を任意の方向に回動して任意の回動角度を設定する。
このような各アーム11、12、13間の角度調整により、アーム11、12、13全体を固定ベース14から正面に向けて直状に、右方向若しくは左方向(又は上下方向)に斜めに向けて直状に、右方向若しくは左方向(又は上下方向)に直角に向けて直状に延ばしたり、また、各アーム11、12、13を固定ベース14から正面に向けてジクザク状若しくはZ形に、右方向若しくは左方向(又は上下方向)に斜めに向けてジクザク状若しくはZ形に、右方向若しくは左方向(又は上下方向)に直角に向けてジクザク状若しくはZ形に折り曲げたり、さらに各アーム11、12、13を固定ベース14上に折り畳んだりすることができる。
【0026】
このようにして台座プレート15の位置(つまり、モニターの位置)が決まったら、図8及び図9に示すように、前後の各レバー6、6を所定の方向に回動操作することにより、各押圧部材51、51で各可動側の位置決めガイド4、4を各固定側の位置決めガイド3、3に向けて押圧するとともに、各押圧部材51、51と各ロック部52、52とを係合させて、各アーム11、12、13間を任意の回動角度にロックする。
この場合、図5に示すように、中間のアーム12の後側のレバー6を後方に向けて押し、傾動させると、このレバー6の下部に取り付けられた押圧部材51が後方に向けて回動され、後側の可動側の位置決めガイド4の被押圧溝453を後方に向けて押圧し、後側の可動側の位置決めガイド4全体を後側の固定側の位置決めガイド3に向けて押圧移動し、可動側の位置決めガイド4の爪401と固定側の位置決めガイド3の一部の溝301が強く係合される。そして、このレバー6を少し強く押して押し切ると、押圧部材51が被押圧溝453とロック溝454との間の凸部を乗り越えてロック溝454に嵌合され、押圧部材51はこのロック溝454の拘束により固定される。これにより、基端側のアーム11に対して中間のアーム12が任意の回動角度にロックされる。なお、この場合、基端側のアーム11の軸受21の外周面に複数の溝301が10°刻みで形成されているので、中間のアーム12は基端側のアーム11に対して10°刻みで角度調整が可能となる。同様に、中間のアーム12の前側のレバー6を前方に向けて押し、傾動させると、このレバー6の上部に取り付けられた押圧部材51が前方に向けて回動され、前側の可動側の位置決めガイド4の被押圧溝453を前方に向けて押圧し、前側の可動側の位置決めガイド4全体を前側の固定側の位置決めガイド3に向けて押圧移動し、可動側の位置めガイド4の爪401と固定側の位置決めガイド3の一部の溝301が強く係合される。そして、このレバー6を少し強く押して押し切ると、押圧部材51が被押圧溝453とロック溝454との間の凸部を乗り越えてロック溝454に嵌合され、押圧部材51はこのロック溝454の拘束により固定される。これにより、中間のアーム12に対して先端側のアーム13が任意の回動角度にロックされる。なお、この場合、先端側のアーム13の軸受23の外周面に複数の溝301が10°刻みで形成されているので、先端側のアーム13は中間のアーム12に対して10°刻みで角度調整が可能となる。
【0027】
また、このモニターアーム1は、台座プレート15の取付ブラケット16が先端側のアーム13に上下方向に回動可能に取り付けられた場合、図4に示すように、ワッシャー168、平座金169、皿ばね座金170により取付ブラケット16の一対の軸受部164、164と先端側のアーム13の一対の軸受部131、131との間に発生する摩擦抵抗作用と、トーションコイルスプリング166により取付ブラケット16の一対の軸受部164、164を先端側のアーム13の一対の軸受部131、131に対して上方に向けて回動付勢する力との合力により、台座プレート15の取付ブラケット16と先端側のアーム13との間が上下方向任意の角度に保持されるので、台座プレート15の(正面の)向きが上下方向任意の角度に調整可能で、任意の角度に保持される。
また、このモニターアーム1では、図10に示すように、ロック装置8が併設されており、このロック装置8により台座プレート15の回転角度をより確実に固定することができる。この場合、ロック装置8の一対のピン831が取付ブラケット16の一方の軸受部164の2箇所の各ガイド穴82上に2箇所の各ロック溝81に向けて進退可能に配設され、コイルスプリングの付勢力により常態として2箇所の各ロック溝81に係合されており、ハンドル833の操作により一対のピン831を引き方向にスライドさせることにより、一対のピン831が2箇所の各ロック溝81から離脱されるようになっているので、図10及び図11に示すように、ハンドル833を引き、一対のピン831を2箇所の各ロック溝81から離脱させた状態で、台座プレート15の回転角度を調整し、回転角度を調整したところで、ハンドル833を放せば、一対のピン831は当該回転角度に応じた位置で2箇所の各ロック溝81に挿入し、一対のピン831と2箇所の各ロック溝81との係合により、台座プレート15の回転方向の動きが規制されて、台座プレート15の回転角度が固定保持される。なお、この場合、先端側のアーム13の一対の軸受部131に複数のロック溝81が10°刻みで形成されているので、台座プレート15は10°刻みで角度調整することが可能となる。
さらに、このモニターアーム1では、図11に示すように、台座プレート15が取付ブラケットの前面でボルト153を中心に回転可能になっていて、この台座プレート15の回転角度を、図10に示すように、台座プレート15の背面側に設けられた2つのねじ式のストッパー9で固定保持することができる。この場合、各ストッパー本体91毎にねじ軸911を台座プレート15の背面に向けて送る方向につまみ913を回すことにより、接触部材912が台座プレート15の背面に押圧接触し、台座プレート15の背面を押えてその回転方向の動きを規制し、つまみ913を反対方向に回すことにより、接触部材912が台座プレート15から離れて、台座プレート15の回転を許容するようになっているので、各ストッパー9を緩めた状態から台座プレート15を任意に回転し、回転角度を決めたところで、各ストッパー9を締め込めば、その回転角度が固定保持される。
【0028】
このようにしてモニターは、このモニターアーム1により、ユーザの所望の位置に長く、安定的に維持される。また、モニターの設置位置を変える場合は、各レバー6、6を所定の方向とは反対方向に傾動操作して、各押圧部材51と各ロック部52との係合を外すことにより、各コイルスプリング53の作用により、各アーム11、12、13間のロックが自動解除されるので、あらためて、各アーム11、12、13を相互に固定側及び可動側の各位置決めガイド3、4を介して左右方向(又は上下方向)に回動し、任意の回動角度に調整した後、既述のとおり、各レバー6、6を所定の方向に傾動操作することにより、各アーム11、12、13間を任意の回動角度にロックすればよい。台座プレート15の向き、回転角度についても、ロック装置8、ストッパー9による台座プレート15の固定状態を解除して、その調整を適宜行い、その調整後、台座プレート15をロック装置8、ストッパー9により同様に固定すればよい。
【0029】
以上説明したように、このモニターアーム1では、基端側のアーム11、中間のアーム12、先端側のアーム13からなり、これらのアーム11、12、13を連結するヒンジ装置2、2がそれぞれ、各アーム11、12、13の連結端に形成される軸受21、22、23と、各アーム11、12、13の軸受21、22間、22、23間に挿通される軸212、222と、隣り合う各アームの少なくとも一方、この場合、基端側、先端側の各アーム11、13の軸受21、23が略筒形に形成されてその外周面に一体的に形成され、周方向に複数の溝301を有する固定側の位置決めガイド3、及び他方、この場合、中間のアーム12の後側及び前側にそれぞれ配設されて中間のアーム12と各固定側の位置決めガイド3、3との間に進退可能にかつばね手段を介して常態として固定側の位置決めガイド3、3に対して引き離して配置され、固定側の位置決めガイド3、3側の端部に固定側の位置決めガイド3、3の溝301、301に係合可能な爪401、401を有する可動側の位置決めガイド4、4と、中間のアーム12に回動可能に配設され、可動側の位置決めガイド4、4を固定側の位置決めガイド3、3に向けて押圧可能な押圧部材51、51を有するレバー6、6と、可動側の位置決めガイド4、4に設けられ、押圧部材51、51により可動側の位置決めガイド4、4を固定側の位置決めガイド3、3に押圧した状態で押圧部材51、51が係合しレバー6、6の動きを規制するロック部52、52とを備え、各アーム11、12、13を相互に固定側及び可動側の各位置決めガイド3、4の非係合状態により左右方向又は上下方向に回動して、各アーム11、12、13間を任意の回動角度に調整し、レバー6、6を所定の方向に傾動操作することにより、押圧部材51、51で可動側の位置決めガイド4、4を固定側の位置決めガイド3、3に向けて押圧し、押圧部材51、51とロック部52、52とを係合させて、各アーム11、12、13間を任意の回動角度にロックするようにしたので、各アーム11、12、13を任意の角度に調整し、強固に固定することができ、振動を受けやすい車室内でも、モニターを、ユーザの要求する所定の位置に長く、安定的に保持することができる。また、レバー6、6を所定の方向とは反対方向に回動操作することにより、押圧部材51、51とロック部52、52との係合を外し、各コイルスプリング53の作用により、各アーム11、12、13間のロックを自動解除することができるので、各アーム11、12、13間の角度の変更調整も容易に行うことができる。
【0030】
また、このモニターアーム1では、さらに次のような効果を奏する。
(1)中間のアーム12の軸受22は軸挿通部220,220を有する一対の軸受部221,221からなり、基端側、先端側の各アーム11、13の軸受21、23はそれぞれ、中間のアーム12の一対の軸受部221,221間に嵌合可能に略半円筒形に形成されてその軸芯上に軸挿通部210、230を有する略半円筒形の軸受からなり、基端側、先端側の各アーム11、13の各軸受21、23が中間のアーム12の一対の軸受部221,221間、221,221間に各軸挿通部210,220、230,220の軸芯を合わせて嵌め込まれ、軸212、222が各軸受22,21間、22,23間に各軸挿通部220,210、220,230を通じて挿通されるようになっていて、固定側の位置決めガイド3、3はそれぞれ、基端側、先端側の各アーム11、13の各軸受21、23の外周面に一体的に形成されるので、基端側、中間、先端側の各アーム11、12、13の連結とともに固定側の位置決めガイド3、3を簡易に組み込むことができる。
(2)中間のアーム12内の後側及び前側のそれぞれに、前後の可動側の位置決めガイド4、4の爪401、401側の一方の端部を支持するための一端側支持部24、24及びその反対の他方の端部側を支持するための他端側支持部25、25が設けられ、中間のアーム12内に前後の各可動側の位置決めガイド4、4が取り付けられるようになっていて、これに対して、前後の可動側の位置決めガイド4、4はそれぞれ一方の端部が一端側支持部24、24のフレーム241、241に挿通支持され、他方の端部が他端側支持部25、25の挿通穴250、250に挿通支持され、他方の端部側と他端側支持部25、25との間に可動側の位置決めガイド4、4を一端側支持部24、24側から他端側支持部25、25側へ引張り付勢可能にコイルスプリング53、53が介装されて、これらコイルスプリング53、53により、可動側の位置決めガイド4、4が常態として固定側の位置決めガイド3、3に対して引き離し方向に付勢されるので、中間のアーム12内に可動側の位置決めガイド4、4を簡易に組み込むことができ、可動側の位置決めガイド4、4を常態として固定側の位置決めガイド3、3に対して引き離し方向に確実に引張り付勢することができる。
(3)前後の各可動側の位置決めガイド4、4はそれぞれ、両側面45,45間、45,45間に複合形状の開口450、450が形成され、この開口450、450は各可動側の位置決めガイド4、4の他方の端部側から一方の端部側に向けて長い略長穴形状に形成されて、当該長穴形状の他方の端部側に、可動側の位置決めガイド4、4を軸支するためのシャフト挿通部451、451が設けられ、一方の端部側に、押圧部材51、51を通し、当該押圧部材51、51の押圧力を受けて可動側の位置決めガイド4、4を固定側の位置決めガイド3、3に向けて押圧移動するための被押圧溝453、453、及び当該被押圧溝453、453の終端側に押圧部材のロック部52、52として形成され、押圧部材51、51を嵌め込みその周囲を拘束固定するためのロック溝454、454を有する押圧部材挿通部452、452が設けられている。これに対して、レバー6、6はそれぞれ、レバー本体61、61と、レバー本体61、61の枢支側端部に可動側の位置決めガイド4、4の開口450、450両側に並列配置可能に形成されて、シャフト挿通部451、451及び押圧部材挿通部452、452に対応するシャフト通し部621、621及び押圧部材通し部622、622を有する一対のレバーベース62,62、62,62とを備え、一対のレバーベース62,62、62,62が可動側の位置決めガイド4、4の開口450、450両側に配置されて、押圧部材挿通部452,452間、452,452間に可動側の位置決めガイド4、4の押圧部材通し部622、622を通じて挿通配置されるローラ軸511、511を介してローラ510、510からなる押圧部材51、51が装着される。このようにしてこれら可動側の位置決めガイド4、4及びレバー6、6が中間のアーム12の両側面123、123間に配置されるとともに、レバー本体61、61が中間のアーム12の内部から外部に突出されて、中間のアーム12の両側面123、123間に配置されるシャフト7、7が各一対のレバーベース62,62、62,62の各シャフト通し部621,621間、621,621間及び可動側の位置決めガイド4、4のシャフト挿通部451、451に挿通されて、レバー6、6が可動側の位置決めガイド4、4の他方の端部と一方の端部との間を傾動可能に配置され、押圧部材51、51が可動側の位置決めガイド4、4の押圧部材挿通部452、452内にレバー6、6の傾動により被押圧溝453、453を押圧可能にかつロック溝454、454に嵌合可能に配置され、可動側の位置決めガイド4、4が中間のアーム12内で押圧部材51、51の押圧により、固定側の位置決めガイド3、3に圧接可能に配置されるので、可動側の位置決めガイド4、4とレバー6、6を簡易に作動連結し、レバー6、6の操作により、可動側の位置決めガイド4、4を固定側の位置決めガイド3、3に向けて簡単かつ確実に押圧して、その押圧位置で可動側の位置決めガイド4、4を確実に固定することができる。
(4)台座プレート15と先端側のアーム13は、台座プレート15の背面側に設けられる一対の軸受部164,164と先端側のアーム13に設けられる一対の軸受部131,131とこれらの軸受部164,164、131,131間に挿通されるピン171とにより、台座プレート15が先端側のアーム13に各アーム11、12、13間の回動方向に対して直交する方向に回動可能に取り付けられ、台座プレート15の一対の軸受部164,164又は先端側のアームの一対の軸受部131,131のいずれか一方の軸回り、この場合、先端側のアーム13の一対の軸受部131,131に略円弧状に並べて形成される複数のロック溝81(又はロック穴)、及び他方の軸回り、この場合、台座プレート15の一対の軸受部164,164に台座プレート15の回動とともに先端側のアーム13の各ロック溝81(又は各ロック穴)上を相対移動可能にかつ各ロック溝81(又は各ロック穴)に対向可能に形成される、この場合、2つのガイド穴82と、台座プレート15の一対の軸受部164,164の各ガイド穴82上に各ロック溝81(又は各ロック穴)に向けて進退可能に配設され、かつばね手段により常態として各ロック溝81(又は各ロック穴)に向けて押圧付勢されるロックピン83とを有し、ロックピン83のスライド操作によりロックピン83と各ロック溝81(又は各ロック穴)とを係脱するロック装置8により、台座プレート15の先端側のアーム13に対する回動角度が固定保持されるので、このロック装置8のロックピン83によるクサビ作用によって、台座プレート15の取付ブラケット16と先端側のアーム13との間の任意の回動角度を完全に固定することができ、これにより、台座レート15を上下方向任意の角度に向け、これを確実に固定することができる。
(5)台座プレート15は略平面状に形成され、その略中心に挿通されるボルト153を介して背面側の取付ブラケット16の前面161に回転可能に取り付けられ、この取付ブラケット16にボルト153の周囲で台座プレート15の背面を押圧可能に挿着されるねじ式のストッパー9により台座プレート15の回転角度が固定保持されるので、台座プレート15を任意の回転角度に調整し確実に固定することができる。
【0031】
なお、この実施の形態では、ヒンジ装置2において、固定側の位置決めガイド3の端部に溝301を設け、可動側の位置決めガイド4の端部に爪401を設けたが、これに代えて、固定側の位置決めガイド3の端部に穴を設け、可動側の位置決めガイド4の端部に当該穴に係合可能な凸起を設けてもよく、このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、このヒンジ装置2では、押圧部材51の可動側の位置決めガイド4に対する押圧状態を固定するため、可動側の位置決めガイド4に押圧部材51を嵌合し拘束可能なロック溝454を設けたが、このようなロック形状部を中間のアーム12側に形成してもよい。また、この押圧部材51の可動側の位置決めガイド4に対する押圧状態を固定するために、レバー6の一部が係合し、ロック可能なロック部を可動側の位置決めガイド4又はアーム12に設けてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
また、この実施の形態では、機器支持アーム1を基端側のアーム11、中間のアーム12、先端側のアーム13により構成したが、基端側のアーム及び先端側のアームの2アームにより構成してもよく、また、中間アームを複数のアームにより構成してもよく、この場合でも、各アーム間をヒンジ装置2により連結することにより、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
さらに、この実施の形態では、ロック装置8を設置するため、先端側のアーム13の一対の軸受部131、131の端部に略円弧状に複数のロック穴81を形成し、台座プレート15の取付ブラケット16の一対の軸受部164、164の側面で先端側のアーム13の各軸受部131、131の端部に対応する所定の位置にガイド穴82を形成したが、取付ブラケット16の一対の軸受部164、164は先端側のアーム13の一対の軸受部131、131内に配置してもよく、この場合は、取付ブラケット16の各軸受部164、164の端部に略円弧状に複数のロック穴を形成し、先端側のアーム13の各軸受部131、131の両側面で取付ブラケット16の各軸受部164、164の端部に対応する所定の位置にガイド穴を形成してもよい。また、複数の穴81は複数の溝に代えてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
またさらに、この実施の形態では、機器支持アーム1を、特にモニターを乗用車やトラックなどの車両内に設置するための車両用のモニターアームとして例示したが、この機器支持アーム1は、モニターの他、パソコンやテレビなどの各種の機器をオフィスや家庭などに設置したり、また自動車その他の車両の他、飛行機や船舶などに設置したりする場合にも、同様に使用することができ、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 モニターアーム(機器支持アーム)
11 基端側のアーム
110 ねじ穴
12 中間のアーム
121 上面
122 下面
123 側面
124 スリット
125 スリット
126 シャフト挿通部
127 クランプ
13 先端側のアーム
130 軸挿通部
131 円弧状の平板(軸受部)
14 固定ベース
140 ねじ挿通穴
141 ねじ挿通穴
15 台座プレート(台座)
151 凹部
152 ボルト挿通穴
153 ボルト(軸)
154 ナット
155 ワッシャ
16 取付ブラケット
160 取付穴
161 前面
162 側面
163 軸挿通部
164 軸受部(軸受)
165 スペーサ
166 トーションスプリング
168 ワッシャ
169 平座金
170 皿ばね座金
171 ピン(軸)
2 ヒンジ装置
21 軸受
210 軸挿通部
212 軸
22 軸受
220 軸挿通部
221 軸受部
222 軸
23 軸受
230 軸挿通部
24 一端側支持部
241 フレーム
25 他端側支持部
250 挿通穴
26 ワッシャ
27 皿ばね座金
3 固定側の位置決めガイド
301 溝
4 可動側の位置決めガイド
401 爪
4F 前側の可動側の位置決めガイド
4R 後側の可動側の位置決めガイド
41 上面(下面)
411 係止突起
42 下面(上面)
43 後端面(前端面)
44 前端面(後端面)
45 側面
450 開口
451 シャフト挿通部
452 押圧部材挿通部
453 被押圧溝
454 ロック溝
455 切り欠き
456 突状部
51 押圧部材
510 ローラ
511 ローラ軸
52 ロック部
53 コイルスプリング
6 レバー
61 レバー本体
62 レバーベース
621 シャフト通し部
622 押圧部材通し部
63 作動ピン
7 シャフト
8 ロック装置
81 ロック溝(又はロック穴)
82 ガイド穴
83 ロックピン
831 ピン
832 フランジ
833 ハンドル
84 コイルスプリング
85 ピンケース
850 ピンガイド
851 ピン挿通部
852 ピン挿通部
853 連結部
854 固定部
9 ねじ式のストッパー
90 ねじ穴
91 ストッパー本体
911 ねじ軸
912 接触部材
913 つまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアームを備え、前記各アームがヒンジ装置を介して相互に回動可能にかつ前記各アーム間が任意の回動角度に保持可能に連結され、基端側のアームを取付先に固定され、先端側のアームに各種の機器が取り付けられて、各種の機器を取付先に前記各アームの長さの範囲で移動自在に設置する機器支持アームにおいて、
前記ヒンジ装置は、
前記各アームの連結端に形成される軸受と、
前記各アームの各軸受間に挿通される軸と、
隣り合う前記各アームのうち、少なくとも一方のアームの軸受が略筒形に形成されてその外周面に一体的に形成され、周方向に複数の溝又は穴を有する固定側の位置決めガイド、及び他方のアームに前記固定側の位置決めガイドに向けて進退可能に配設され、かつばね手段を介して常態として前記固定側の位置決めガイドに対し引き離して配置され、前記固定側の位置決めガイドに対向する端部に前記固定側の位置決めガイドの溝又は穴に係合可能な爪又は凸起を有する可動側の位置決めガイドと、
前記他方のアームに回動可能に配設され、前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに向けて押圧可能な押圧部材を有するレバーと、
前記可動側の位置決めガイド又は前記他方のアームに設けられ、前記押圧部材により前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに押圧した状態で前記押圧部材又は前記レバーの他の一部が係合し前記レバーの動きを規制するロック部と、
を備え、
前記各アームを相互に前記固定側及び可動側の各位置決めガイドの非係合状態により左右方向又は上下方向に回動して、前記各アーム間を任意の回動角度に調整し、
前記各レバーを所定の方向に回動操作することにより、前記押圧部材で前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに向けて押圧するとともに、前記押圧部材又は前記レバーの他の一部と前記ロック部とを係合させて、前記各アーム間を前記任意の回動角度にロックし、
前記レバーを前記所定の方向とは反対方向に回動操作することにより、前記押圧部材又は前記レバーの他の一部と前記ロック部との係合を外し、前記各アーム間のロックを解除する、
ことを特徴とする機器支持アーム。
【請求項2】
他方のアームの軸受は軸挿通部を有する一対の軸受部からなり、一方のアームの軸受は当該他方の一対の軸受部間に嵌合可能に略半円筒形に形成されてその軸芯上に軸挿通部を有する略半円筒形の軸受からなり、前記一方のアームの略半円筒形の軸受が前記他方のアームの一対の軸受部間に前記各軸挿通部の軸芯を合わせて嵌め込まれ、軸が前記各軸受間に前記各軸挿通部を通じて挿通される請求項1に記載の機器支持アーム。
【請求項3】
他方のアーム内に、可動側の位置決めガイドの爪又は凸起側の一方の端部を支持するための一端側支持部及びその反対の他方の端部側を支持するための他端側支持部が設けられ、前記可動側の位置決めガイドは、前記一方の端部が前記一端側支持部に支持され、前記他方の端部が前記他端側支持部に支持され、前記他方の端部側と前記他端側支持部との間に前記可動側の位置決めガイドを前記一端側支持部側から前記他端側支持部側へ引張り付勢可能にコイルスプリングが介装されて、前記コイルスプリングにより、前記可動側の位置決めガイドが常態として固定側の位置決めガイドに対して引き離し方向に付勢される請求項1又は2に記載の機器支持アーム。
【請求項4】
可動側の位置決めガイドの両側面間に複合形状の開口が形成され、前記開口は前記可動側の位置決めガイドの他方の端部側から一方の端部側に向けて長い略長穴形状に形成されて、当該長穴形状の前記他方の端部側に、前記可動側の位置決めガイドを軸支するためのシャフト挿通部が設けられ、前記一方の端部側に、押圧部材を通し、当該押圧部材の押圧力を受けて前記可動側の位置決めガイドを前記固定側の位置決めガイドに向けて押圧移動するための被押圧溝、及び当該被押圧溝の終端側に前記押圧部材のロック部として形成され、前記押圧部材を嵌め込みその周囲を拘束固定するためのロック溝を有する押圧部材挿通部が設けられ、レバーは、レバー本体と、前記レバー本体の枢支側端部に前記可動側の位置決めガイドの開口両側に並列配置可能に形成されて、前記シャフト挿通部及び前記押圧部材挿通部に対応するシャフト通し部及び押圧部材通し部を有する一対のレバーベースとを備え、前記一対のレバーベースが前記可動側の位置決めガイドの開口両側に配置されて、前記各押圧部材通し部間に前記可動側の位置決めガイドの押圧部材挿通部を通じて挿通配置されるローラ軸を介してローラからなる押圧部材が装着され、これら可動側の位置決めガイド及びレバーが前記他方のアームの両側面間に配置されるとともに、前記レバー本体が前記他方のアームの内部から外部に突出されて、前記他方のアームの両側面間に配置されるシャフトが前記レバーベースの各シャフト通し部及び前記可動側の位置決めガイドのシャフト挿通部に挿通されて、前記レバーが前記可動側の位置決めガイドの他方の端部と一方の端部との間を傾動可能に配置され、前記押圧部材が前記可動側の位置決めガイドの押圧部材挿通部内に前記レバーの傾動により前記被押圧溝を押圧可能にかつ前記ロック溝に嵌合可能に配置されて、前記可動側の位置決めガイドが前記他方のアーム内に前記押圧部材の押圧により、固定側の位置決めガイドに圧接可能に配置される請求項1乃至3のいずれかに記載の機器支持アーム。
【請求項5】
複数のアームは基端側のアーム、中間のアーム、先端側のアームからなり、前記基端側のアームに、アーム全体を取付先に支持固定するための固定ベースを備え、前記先端側のアームに、各種の機器を取り付けるための台座を備える請求項1乃至4のいずれかに記載の機器支持アーム。
【請求項6】
台座と先端側のアームは、前記台座の背面側に設けられる軸受と前記先端側のアームに設けられる軸受とこれら軸受間に挿通される軸とにより、前記台座が前記先端側のアームに各アーム間の回動方向に対して直交する方向に回動可能に取り付けられ、前記台座又は前記先端側のアームのいずれか一方の軸受の軸回りに略円弧状に並べて形成される複数のロック溝又はロック穴、及び他方の軸受部の軸回りに前記台座の回動とともに前記一方の軸受部の各ロック溝又は各ロック穴上を相対移動可能にかつ前記各ロック溝又は各ロック穴に対向可能に形成される少なくとも1つのガイド穴と、前記他方の軸受部のガイド穴上に前記各ロック溝又は各ロック穴に向けて進退可能に配設され、かつばね手段により常態として前記各ロック溝又は各ロック穴に向けて押圧付勢されるロックピンとを有し、前記ロックピンのスライド操作により前記ロックピンと前記各ロック溝又は各ロック穴とを係脱するロック装置により、前記台座の前記先端側のアームに対する回動角度が固定保持される請求項5に記載の機器支持アーム。
【請求項7】
台座は略平面状に形成されて、その略中心に挿通される軸を介して背面側の軸受に回転可能に取り付けられ、前記背面側の軸受に前記軸の周囲で前記台座の背面を押圧可能に挿着されるねじ式のストッパーにより前記台座の回転角度が固定保持される請求項5又は6に記載の機器支持アーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−19440(P2013−19440A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152046(P2011−152046)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【Fターム(参考)】