説明

機器

【課題】 ゴム足を機器に形成された凹部に埋設するように設置して筐体を支える構造は、コストが安く、かつ、ゴム足の高さによっては剥がれにくくできるため広く利用されている。しかしながら、ゴム足が支持する筐体の高さによって凹部の深さを調整する必要がある。同一筐体を使用しつつも剥がれにくく、かつ、より高い位置で筐体を支えることが可能な構造のゴム足、及びゴム足を装着した機器を提供する。
【解決手段】 接触面に露出したゴムよりも硬質の素材により形成された芯部を有する第1のゴム足と、第1のゴム足の装着位置に装着可能な第2のゴム足の周囲に凹部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑り止めにゴムなどの弾性体を利用したゴム足に関し、特に筐体取り付け面形成によらず、筐体の地上高に応じた形状とすることが可能なゴム足に関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品などの電子機器を例にとると、通常は設置棚といった平面上に載置されて使用されることが多い。このとき、金属等で出来た機器の筐体が直接棚に接触した状態で使用されると棚面に傷がついたり、振動により騒音が発生するなどの問題がある。このため、棚面に接する筐体面に、滑り止めや緩衝効果のあるゴムなどの弾性体を貼り付けることがある。
【0003】
たとえば、外観面に孔などを設ける必要が無く、外観面に部品が露出しないようにゴム足を取り付け・保持可能なゴム足取付構造が提案されている(特許文献1)。
【0004】
筐体面を棚面から浮かせた状態に支えるためにゴム足を用いる場合、横方向に筐体が力を受けたときでも棚面との摩擦抵抗により取り付けたゴム足が剥がれないようにする必要がある。従来手法としてはゴム足を筐体に設けた凹部に埋設することで、横方向の力を受けても貼り付け面から安易に剥離しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−304171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゴム等の弾性体で形成されたゴム足を、機器の筐体に形成された凹部に埋設するように設置して筐体を支える構造は、コストが安く、かつ、ゴム足の高さによっては剥がれにくくできるため広く利用されている。
【0007】
しかしながら、ゴム足が支持する筐体の高さによって凹部の深さを調整する必要がある。任意の高さで筐体を支えようとする場合、凹部の深さは予め掘り込まれているためにゴム足の高さには限度がある。一方、予め凹部を深く形成することは筐体厚および筐体内部の空間にまで影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
本願発明にかかるゴム足は上記問題に鑑みてなされたものであり、同一筐体を使用しつつも剥がれにくく、かつ、より高い位置で筐体を支えることが可能な構造のゴム足、及びゴム足を装着した機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明にかかるゴム足とすれば、
取り付け可能な第1のゴム足の周囲に、該ゴム足の装着面から該ゴム足の高さよりも低い第1の高さで形成された凹部を備える機器において、該ゴム足の代わりに装着可能な第2のゴム足であって、接触面に露出したゴムよりも硬質の素材により形成された芯部と、前記第1の高さの2倍を越える高さを備えていること特徴とするゴム足が提供される。
【0010】
また、本願発明にかかる装置とすれば、
接触面に露出したゴムよりも硬質の素材により形成された芯部を有する第1のゴム足と、前記第1のゴム足の装着位置に装着可能な第2のゴム足の周囲に、該第2のゴム足の装着面から該第2のゴム足の第1の高さよりも低い第2の高さで形成された凹部と、を備え、前記第1のゴム足は、前記第2の高さの2倍を越える高さを備えていること特徴とする機器が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、同一筐体を使用しつつも剥がれにくく、かつ、より高い位置で筐体を支えることが可能な構造のゴム足、及びゴム足を装着した機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ゴム足を装着した機器の一例を説明する図である。
【図2】ゴム足を装着した機器のゴム足部の拡大図である。
【図3】本実施形態にかかるゴム足の一例を示す図である。
【図4】機器と設置面の高さに応じたゴム足の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のゴム足構造について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、ゴム足を装着した機器の例を示す図である。図1には、機器100、ゴム足101及び凹部102が示されている。
【0015】
図1(a)は所定の場所に載置された機器100を見下ろしている図である。
【0016】
機器100は、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、ビデオレコーダー、PC(Personal Computer)、STB(Set Top Box)などといった機器が代表的なものである。箱型の筐体を有し、机や棚といった水平面に載置された状態で使用される機器を想定している。また、機器100は図1(b)に示すように載置される面側に複数の足を備えている。
【0017】
ゴム足101は、表面を滑り止めや緩衝性のあるゴムのような弾性体を持つ部材である。ある程度の高さのゴム足であれば、コスト効果を考え、その内部まで含めて同一の部材で構成するのが通常である。本実施形態においてもゴム足101は単一部材で出来ているものとする。また、形成本実施例の機器100では4つのゴム足101を備えている例を示しているが、本発明は筐体に付属する足についてのものであって、ゴム足100の数に関わらず適用可能である。
【0018】
凹部102はゴム足101を取り囲むように筐体の一部として形成されており、ほぼゴム足101の周囲形状と同一になっている。凹部102の主要な機能としては、機器100が載置された状態で横方向の力を受けたとき、ゴム足101が受ける力を受け止めることで剥がれにくくする機能が考えられる。
【0019】
図2は、ゴム足を装着した機器のゴム足部の拡大図である。図2では機器100が棚200に載置されている様子を側面から見た図を示している。
【0020】
側面から見ると、機器100はゴム足101を介して棚200と接触しているものの、凹部102は接触しない高さに形成されている。つまり凹部102の高さはゴム足101の高さよりも低く形成され、棚200とは弾性体であるゴム足101が接するように構成される。このとき、凹部102の高さをある程度確保しておくと、弾性体で構成されたるゴム足101の横方向の挙動を効果的に抑え込むことができる。適切な高さについては様々な要因が関連するものの、好適にはゴム足101の高さの半分以上あることが望ましい。
【0021】
図3は、本実施形態にかかるゴム足300の一例を示す図である。
【0022】
ゴム足300は機器100をゴム足101で支えるよりも高い位置に支持するために用いるもので、ゴム足101用に設計された凹部102の高さ等の機器100側の形状変更をせずとも強度不足等でゴム足が脱落してしまうことのない高品位な機器を提供するものである。
【0023】
図3(a)はゴム足300の斜視図の例である。表面をゴムなどの弾性体が覆う足部301と、突起部302から構成される。
【0024】
足部301は前述のゴム足101の部分に相当する。機器100が棚200に載置されたとき、足部301が棚200と接することで滑り止めや緩衝効果を発揮する。
【0025】
突起部302は足として機器100の重量を支えるものではなく、機器100に確実に取り付けるために用いられる。具体的には、たとえば凹部102に装着された状態で突起部302を機器100の筐体内に通じて内側より溶着することで、確実に固着させるために利用することができる。素材はたとえばプラスチックといった、弾性体としてのゴムよりは比較的強固な部材が用いられる。もちろん金属や硬質ラバーなどで形成されていてもかまわない。
【0026】
図3(b)はゴム足300の断面図の例である。本実施形態におけるゴム足300は2つの部材から構成される。突起部302と連続した芯部と、その芯部の足部301に相当する部分にゴムなどの弾性体が形成されている。このように構成すると、ゴム足300の強度を上げることができ、ゴム足101用に設計した機器100であっても、ゴム足が脱落するような不具合を招くことなく高さを確保することが可能となる。
【0027】
図4は、機器と設置面の高さに応じたゴム足の一例を示す図である。
【0028】
図4(a)はゴム足101用に設計された機器100にゴム足101を装着した例を側面から見た図である。このとき機器100は棚200表面と高さh1を保っている。
【0029】
このとき、図4(b)のようにh1よりも高いh2を確保しようとすると、高さh2となるような高さを備えたゴム足101aが必要となる。しかしながらゴムのような弾性体で単純に高さを合わせたゴム足101aを装着すれば、弾性体ゆえにぐらついたり凹部102の高さ不足のためにゴム足101aに過剰な横方向の力がかかり脱落する可能性が高まることは否めない。
【0030】
そこで図4(c)に示すようにh2の高さが必要な場合にはゴム足300を装着することでぐらつきを防止し、さらに突起部302を用いて機器100に溶着するように構成すれば、機器100の設計変更をすることなく脱落に抗するだけの十分な強度を確保したゴム足を提供することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施例によれば、同一筐体を使用しつつも剥がれにくく、かつ、より高い位置で筐体を支えることが可能な構造のゴム足、及びゴム足を装着した機器を提供することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0033】
100・・・機器、101・・・ゴム足、102・・・凹部、200・・・棚、300・・・ゴム足、301・・・足部、302・・・突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け可能な第1のゴム足の周囲に、該ゴム足の装着面から該ゴム足の高さよりも低い第1の高さで形成された凹部を備える機器において、該ゴム足の代わりに装着可能な第2のゴム足であって、
接触面に露出したゴムよりも硬質の素材により形成された芯部と、
前記第1の高さの2倍を越える高さを備えていること特徴とするゴム足。
【請求項2】
前記芯部はさらに、前記第2のゴム足の装着時、前記機器に設けられた穴を貫通する突起部を備え、
前記機器に前記突起部を貫通後、溶着して固定されることを特徴とする請求項1に記載のゴム足。
【請求項3】
接触面に露出したゴムよりも硬質の素材により形成された芯部を有する第1のゴム足と、
前記第1のゴム足の装着位置に装着可能な第2のゴム足の周囲に、該第2のゴム足の装着面から該第2のゴム足の第1の高さよりも低い第2の高さで形成された凹部と、
を備え、
前記第1のゴム足は、前記第2の高さの2倍を越える高さを備えている
こと特徴とする機器。
【請求項4】
前記芯部はさらに、前記第1のゴム足の装着時、前記機器に設けられた穴を貫通する突起部を備え、
前記機器に前記突起部を貫通後、前記突起部を溶着して前記第1のゴム足を固定することを特徴とする請求項3に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−258303(P2010−258303A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108349(P2009−108349)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】