説明

機械式駐車場装置

【課題】電気自動車を搭載するトレーに設けた充電用プラグ接続部を雨滴や塵埃などから保護して常に良好な電気的な接触を保つことができるようにした機械式駐車装置を提供する。
【解決手段】電気自動車等の駐車車両を搭載して所定の格納スペースへ移動させ、駐車しながらバッテリーの充電を行うトレー1は、トレー1における側部に電気自動車の侵入方向とほぼ平行に外側起立部5を形成し、この外側起立部5上にトレー側充電用プラグ接続部9を搭載し、このトレー側充電用プラグ接続部9内に配置した電気接触部を雨滴や塵埃から保護するために保護カバーを設け、この保護カバーは電気自動車の侵入方向と平行な方向に開閉するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車車両を搭載したトレーを格納スペースに収納した状態で、駐車車両のバッテリーの充電を行うことが可能な機械式駐車場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機械式駐車装置において、駐車車両である電気自動車を搭載したトレーを格納スペースに収納した状態で、電気自動車のバッテリーの充電を行う構成が知られている(例えば、特許文献1〜4を参照)。このような機械式駐車装置では、電気自動車を搭載するトレーに、電気自動車のバッテリーに接続した給電端子と接続する充電用プラグ接続部を構成し、一方、格納スペースには電源側の固定接触部を配置し、この格納スペースへと移動して来たトレーの停止位置で、上述した充電用プラグ接続部と電源側の固定接触部間を電気的に接続して充電回路を形成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−366283号公報
【特許文献2】特開平6−57986号公報
【特許文献3】特開平6−57987号公報
【特許文献4】実開平5−62667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の機械式駐車装置では、充電回路を形成するための幾つかの電気接続部が露出する構成であったため、駐車車両によって持ち込まれた雨滴などが上方部から滴下したり塵埃が付着したりすると、電気的な接触が損なわれたり、望んでいた充電が行われないなどのトラブルが発生する可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、電気自動車を搭載するトレーに設けた充電用プラグ接続部を雨滴や塵埃などから保護して常に良好な電気的な接触を保つことができるようにした機械式駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、駐車車両の進入方向とほぼ平行に形成されて前記駐車車両の進入方向を規制する外側起立部を側方部に形成したトレーを有し、このトレー上に駐車車両を搭載した状態で格納スペースへ移動して駐車する機械式駐車装置において、前記外側起立部上に、前記駐車車両が電気自動車であるときにそのバッテリーと電源間を接続ために使用する充電用プラグを収納可能なトレー側充電プラグ接続部を取り付け、このトレー側充電プラグ接続部に、前記充電用プラグの出し入れ時に前記駐車車両の進入方向とほぼ平行に開閉する保護カバーを設けたことを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、保護カバーを開くときに駐車車両に接触したり、開き程度が妨げたりすることはなく、トレー側充電用プラグ接続部を薄型に構成してトレーの大型化を防ぎながら、充電用プラグを雨滴や塵埃などから保護することができる。従って、駐車状態を利用してバッテリーの充電が行われるものとして処置したものの、接触不良により未充電であったというような不具合を防止することができ、信頼性を一層高めることができる。
【0008】
また本発明は、前記トレー側充電プラグ接続部内に、前記充電用プラグと電気的に接触して前記電源に接続するために使用するプラグ接続部を配置し、このプラグ接続部は前記充電用プラグを下向きに挿入する差し込み口を有して構成したことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、充電用プラグを下向きにしてプラグ接続部に差し込むことになり、差し込み状況などを目視確認しながら充電用プラグの差し込みを容易に行うことができ、両者を常に良好に電気的に接続することができる。一方、プラグ接続部は上向きで雨滴や塵埃が入りやすくなるが、上述した保護カバーによってこれを阻止することができる。
【0010】
また本発明は、前記外側起立部における前記駐車車両の進入方向の端部に前記トレー側充電プラグ接続部を配置したことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、トレー側充電プラグ接続部の保護カバーを開いたとき、保護カバーの閉じ忘れを検出しやすいようにトレーの投影面から外側に突出させることが簡単にでき、それによって外側起立部の中央部にトレー側充電プラグ接続部を設置した場合に比べて保護カバーの閉じ忘れを容易に検出することができる。
【0012】
さらに本発明は、前記保護カバーの開放状態を検出する閉じ忘れ検出装置を設けたことを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、トレー上に停止した駐車車両の停止状態がふさわしいかどうかを検出する停止位置検出装置や、類似の検出手段によって閉め忘れ検出装置を容易に構成することができ、雨滴や塵埃の付着を防止するために設けた保護カバーが閉め忘れによって新たな問題を生じさせることもない。
【発明の効果】
【0014】
本発明による機械式駐車装置によれば、トレーにおける側部に電気自動車の侵入方向と平行に形成した外側起立部に、電気自動車の侵入方向と平行な方向に開閉する保護カバーを有したトレー側充電用プラグ接続部を搭載したため、保護カバーを開くときに駐車車両に接触したり、開き程度が妨げたりすることはなく、トレー側充電用プラグ接続部を薄型に構成してトレーの大型化を防ぎながら、充電用プラグを雨滴や塵埃などから保護することができる。従って、駐車状態を利用してバッテリーの充電が行われるものとして処置したものの、接触不良により未充電であったというような不具合を防止することができ、信頼性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態による機械式駐車装置のトレーを示す正面図である。
【図2】図1に示したトレーの要部を拡大した側面図である。
【図3】図1に示したトレーの平面図である。
【図4】図2に示したトレーの要部であるトレー側充電用プラグ接続部を拡大した側面図である。
【図5】図4に示したトレー側充電用プラグ接続部の正面図である。
【図6】図1に示したトレーを使用した機械式駐車装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態による機械式駐車装置のトレーを示す正面図であり、電気自動車搭載用のトレー1は、図示しないレール上を走行する複数の車輪2を可回転的に支持したベース3を主たる構成とし、ベース3の上面には電気自動車が侵入して来るときにトレー1からはみ出すことなく案内するために上方に突出した中央側起立部4および外側起立部5を有している。中央側起立部4と外側起立部5間には、乗り込んできた電気自動車のタイヤ6の停止位置を規制する位置規制部材7を備えている。外側起立部5は、乗り込んだ電気自動車の側方に位置し、その上部に比較的狭い幅の取り付け部8を形成しており、この取り付け部7にトレー側充電用プラグ接続部9が構成されている。
【0018】
またトレー1の下部には、定常状態では保護カバー10によって覆われたトレー側接触部11が構成され、中央側起立部4および外側起立部5の下部や配管12などを利用して配置した接続用ケーブル13の一端部をトレー側接触部11に接続し、接続用ケーブル13の他端部をトレー側充電用プラグ接続部9に電気的に接続している。このトレー側接触部11は、トレー1を収納する所定位置の格納スペースに付設されて電源に接続した固定接触部と対を成しており、トレー1を所定位置の格納スペースに移動すると、保護カバー10を移動しながらトレー側接触部11を露出させると共に、そのトレー側接触部11を上述の固定接触部に接触させるように構成している。従って、トレー1を所定位置の格納スペースに格納した状態では、電源、上述の固定接触部、トレー側接触部11、接続用ケーブル13、およびトレー側充電用プラグ接続部9からなる充電回路が形成されることになる。
【0019】
図2は、上述したトレー1の平面図であり、トレー1上に搭載した電気自動車の側方に位置することになる外側起立部5は電気自動車の侵入方向に連続して形成されている。この外側起立部5における電気自動車の侵入方向の端部に上述したトレー側充電用プラグ接続部9が取り付けられている。ここでは、トレー側充電用プラグ接続部9は一台だけでるが、電気自動車のメーカーや車種によってバッテリ端子の形成位置が異なる場合があり得るので、両側に位置する一対の外側起立部5における電気自動車の侵入方向の4隅を利用して複数台配置しても良い。
【0020】
図3は、上述したトレー1の側面図であり、トレー側充電用プラグ接続部9は詳細を後述するように開閉可能な保護カバー14を有し、開いた状態の保護カバー14はトレー1の投影面から外側に突出するようにしている。つまり、電気自動車の侵入方向と平行に形成した外側起立部5上に搭載したトレー側充電用プラグ接続部9は、電気自動車の侵入方向と平行に開閉する保護カバー14を有しており、外側起立部5上の長手方向のどの位置に配置しても良いが、ここでは外側起立部5の端部に配置し、開いた状態の保護カバー14はトレー1の投影面から外側に突出するようにしている。
【0021】
図4および図5は、上述したトレー側充電用プラグ接続部9を拡大して示す側面図および正面図である。トレー側充電用プラグ接続部9の固定側基部15には、蝶番16を使用して保護カバー14が開閉可能に取り付けられている。この保護カバー14は透明なプラスチック製でも良いし、不透明でも良く、利用者に分かり易く充電接続部のマークや文字表示などで強調しても良い。蝶番16と反対側の保護カバー14には、その開閉時に使用する握り部17と、電気自動車側から伸ばした充電用ケーブル22に取り付けた充電用プラグ18を接続した状態でも保護カバー14を開閉できるように保護カバー14の一部を切り欠いた切り欠き部19とを有している。また保護カバー14内の固定側基部15にはばね作用を有するようにく字状にした取り付け部材20の一端を固定し、取り付け部材20の他端にプラグ接続部21を取り付けている。このプラグ接続部21は、電気自動車側から伸ばした充電用プラグ18を斜め上方部から差し込み可能にするため斜め上方を向いて差し込み口を形成している。
【0022】
このような差し込み口を上方に向けて形成した構成のプラグ接続部21は、取り付け部材20のばねアクションを利用しながら充電用プラグ18との接続作業を容易に行うことができるが、差し込み口を上方に向けている故に、電気的な接続部に雨滴や埃が付着しやすく、電気的な接触トラブルの原因となり易い。しかしながら、このトレー側充電用プラグ接続部9は、プラグ接続部21を開閉可能に覆う保護カバー14を有しているため、差し込み口を上方に向けていても、電気的な接続部に雨滴や埃が付着することはなく、電気的な接触トラブルの原因を生じさせない。
【0023】
次に、電気自動車を駐車しながらバッテリー充電を行う場合について説明する。機械式駐車装置は、全てのトレー1を図1乃至図3に示したように電気自動車充電用として構成しても良いし、そのうちの複数台のみを電気自動車充電用として構成しても良い。後者の場合、係員または駐車車両の運転手等は操作ボタンなどを操作して駐車しながらバッテリー充電を行う利用であることを選択通知することによって、電気自動車充電用のトレー1を呼び出す。
【0024】
その後、図1乃至図5までに示したトレー1上に、電気自動車を搭載し所定の位置に停止させた後、その駐車中にバッテリーの充電を行うために、トレー1上の側方に位置したトレー側充電用プラグ接続部9の保護カバー14を握り部17を用いて開く。この保護カバー14は、トレー1上への電気自動車の乗り込み方向と平行な方向に開く配置構成なので、保護カバー14を開くときに電気自動車に接触したり、開き程度が妨げたりすることはない。また、トレー1上への電気自動車の侵入方向に対して直交する方向に保護カバー14を開くように構成すると、電気自動車に接触しないように距離を隔てると、トレー1を大型化してしまうが、保護カバー14を上述した方向に開くようにしているため、トレー1を小型にすることができる。
【0025】
保護カバー14の開操作に前後して、電気自動車のバッテリーに接続した充電ケーブル22を伸ばしながらその先端部の充電用プラグ18をプラグ接続部21の差し込み口内に差し込み、差し込みが完了した位置で両者の電気的接続が完成するようにしている。複数台のトレー側充電用プラグ接続部9が設置されている場合には、充電用ケーブル22の長さを考慮した位置のトレー側充電用プラグ接続部9を選択したり、使用者が操作しやすい位置のトレー側充電用プラグ接続部9を選択する。
【0026】
このとき、トレー側充電用プラグ接続部9内に配置したプラグ接続部21は上向きの差し込み口を有した構成で、充電用ケーブル22の先端部の充電用プラグ18を下向きにしてプラグ接続部21に差し込む構成であるため、充電用プラグ18は下向きに差し込むことになり、差し込み状況などを目視確認しながら充電用プラグ18の差し込みを容易に行うことができ、両者を常に良好に電気的に接続することができる。一方、プラグ接続部は上向きで雨滴や塵埃が入りやすくなるが、上述した保護カバーによってこれを阻止することができる。
【0027】
しかも、トレー側充電用プラグ接続部9内に配置したプラグ接続部21は、ばね作用を有する取り付け部材20を使用して揺動可能に支持しているため、取り付け部材20のばねアクションを利用することができるので、無理な力を外れやすい電気的な接続部等を加えることなく両者の電気的な接触作業を行うことができる。この接続作業は、トレー1が格納スペースへ案内される前であるから、トレー側充電用プラグ接続部9がまだ電源に接触されていないため、誰でも安全に行うことができる。
【0028】
充電用プラグ18とプラグ接続部21との接続を完了した後は、握り部17を用いて保護カバー14を閉じる。保護カバー14には充電用ケーブル22に対応する位置に切り欠き部19を形成しているため、接続状態の充電ケーブル22があっても切り欠き部19に対応させて保護カバー14を閉じることができる。従って、その後、長時間にわたって電気自動車を駐車しながらバッテリーの充電を行っても、充電用プラグ18とプラグ接続部21との接触部に雨滴や埃が付着することはなく、電気的接続状態を良好に保持することができる。
【0029】
ところで、機械式駐車装置では、駐車車両をトレー上に搭載するとき、その搭載状態ではみ出しなどのない適正な位置かどうかを複数対の光電管装置等の停止位置検出装置によって検出し、不適正な状態であればその旨を通知するようにしている。適切であった場合には、次に、単なる駐車か充電しながらの駐車かを判断し、後者の場合には駐車場係員または運転手等が電気自動車のバッテリー端子とトレー側充電用プラグ接続部9間を電気的に接続する。その後、操作部を操作してトレーを駆動し所定の格納スペースに移動し、電源とトレー側充電用プラグ接続部9間を電気的に接続する。これによって電源に接続された充電回路が形成されてバッテリー充電が開始される。
【0030】
上述した停止位置検出装置は、例えば、図6に示すように対向して配置した照射側24aと受光側24bとを有し、照射側24aから照射光24cを与え、受光側24bでこれを検出したかどうかによって遮蔽物の有無を判定する一つの停止位置検出装置24を構成している。他の停止位置検出装置25〜28も同一構成である。本実施の形態でこの停止位置検出装置24〜28は、トレー1上に電気自動車を停止した状態で検出を開始するようにし、正常な停止状態であれば検出を停止するようにしており、また、この検出装置の一つ、あるいは新たに付設した光電管装置等によって閉め忘れ検出装置23を構成し、正常な停止位置検出後、この閉め忘れ検出装置23を用いて充電用プラグ18とプラグ接続部21との接続後の保護カバー14の閉め忘れを検出するようにしている。
【0031】
例えば、閉め忘れ検出装置23は、一対の照射部23aと受光部23b間の照射光23cが開放した状態の保護カバー14によって遮光されるように対向配置し、かつ、閉めた状態の保護カバー14では照射光23cが遮られないように対向して配置し、電気自動車がトレー1上の正常な停止位置に停止したと判断した場合、充電用プラグ18とプラグ接続部21との接続を検出した後、閉め忘れ検出を開始するように構成する。
【0032】
このような閉め忘れ検出装置22を設けると、充電用プラグ18とプラグ接続部21との接続を検出してから閉め忘れ検出装置22を作動させ、その後も保護カバー14の閉め忘れた状態が所定時間継続した場合、または格納スペースへの移動を指示する操作が行われた場合、保護カバー14の閉め忘れと判定して、警報を発したり音声によって通知したり、トレー1の格納スペースへの移動を中止するなどの処置をとる。上述したように、電気自動車の侵入方向と平行に形成した外側起立部5上に搭載したトレー側充電用プラグ接続部9は、電気自動車の侵入方向と平行に開閉する保護カバー14を有し、しかも望ましい実施の形態では外側起立部5の同方向端部に配置しているため、トレー1上の電気自動車によって閉じ忘れ検出を妨げられることなく、開いた状態の保護カバー14を容易に検出することができる。この効果は、一対の外側起立部5における同方向の他の隅部にトレー側充電用プラグ接続部9を配置した場合も得ることができる。
【0033】
上述したように外側起立部5における駐車車両の進入方向の端部にトレー側充電プラグ接続部9を配置している。このような構成によれば、トレー側充電プラグ接続部9の保護カバー14を開いたとき、保護カバー14の閉じ忘れを検出しやすいようにトレー1の投影面から外側に突出させることが簡単にでき、それによって外側起立部5の中央部にトレー側充電プラグ接続部9を設置した場合に比べて保護カバー14の閉じ忘れを容易に検出することができる。
【0034】
従って、トレー1上に停止した駐車車両の停止状態がふさわしいかどうかを検出する光電管などを用いた停止位置検出装置25〜28や、類似の検出手段によって閉め忘れ検出装置22を容易に構成することができ、雨滴や塵埃の付着を防止するために設けた保護カバー14が閉め忘れによって新たな問題を生じさせることもない。
【0035】
上述したようにトレー側充電用プラグ接続部9を用いて充電用プラグ18とプラグ接続部21との接続を完了した後、操作部からトレー1を所定位置に格納するための操作を行うと、機械式駐車装置が作動して、このトレー1を特定の格納スペースへと移動させる。トレー1が所定の停止位置の少し手前まで移動してくると、先ず、可動側接触部12を覆っていた保護カバー10を移動させてトレー側接触部11を露出させ、そのトレー側接触部11を上述の固定接触部に接触させる。定常状態で、可動側接触部12も保護カバー10によって覆われているため、可動側接触部12にも雨滴や埃が付着することはなく、電気的に良好な状態が保持されている。トレー1を所定位置の格納スペースに格納した状態では、電源にトレー側充電用プラグ接続部9が接続され、充電用プラグ18および充電ケーブル22を介してバッテリーの充電が開始される。
【0036】
上述した機械式駐車装置によれば、トレー1における側部に電気自動車の侵入方向と平行に外側起立部5を形成し、この外側起立部5上にトレー側充電用プラグ接続部9を搭載し、このトレー側充電用プラグ接続部9に電気自動車の侵入方向と平行な方向に開閉する保護カバー14を設けることによって、保護カバーを開くときに駐車車両に接触したり、開き程度が妨げたりすることはなく、トレー側充電用プラグ接続部を薄型に構成してトレーの大型化を防ぎながら、充電用プラグ18を雨滴や塵埃などから保護することができる。従って、駐車状態を利用してバッテリーの充電が行われるものとして処置したものの、接触不良により未充電であったというような不具合を防止することができ、信頼性を一層高めることができる。
【0037】
上述した機械式駐車装置では、電気自動車側にそのバッテリーと電気的に接続した充電ケーブル22と、この充電ケーブル22の先端に接続した充電用プラグ18とを有し、充電時に電気自動車側から充電ケーブル22を伸ばしてトレー側充電用プラグ接続部9に接続するものとして説明したが、電気自動車としては、そのバッテリーと接続した固定の充電用端子のみを設けた構成とし、トレー側充電用プラグ接続部9側から伸ばした充電用プラグ18を電気自動車側の固定の充電用端子に接続する構成とすることもできる。この場合、図1に示した接続用ケーブル13に充電ケーブル22の一端を接続し、図1乃至図5に示したプラグ接続部21を充電用プラグ18の絶縁保管部とした構成にすれば良く、絶縁保管部から取り出したプラグ接続部21を電気自動車側の固定の充電用端子に接続することによって充電回路を形成することができる。
【0038】
このような構成でも、トレー側充電用プラグ接続部9側の充電用プラグ18を定常状態で収納しているとき、他の駐車車両に付着した雨滴が同部に滴下したり、埃が付着する可能性があるので、同様の課題を有している。しかしながら、このような使用形態でも、トレー側充電用プラグ接続部9の設置位置や保護カバー14を同様の構成にすれば、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0039】
これらの各実施の形態の説明から分かるように、本発明は開閉可能な保護カバー14を有するトレー側充電用プラグ接続部9内に、トレー側充電用プラグ接続部9側または電気自動車側に接続した充電用プラグ18を配置する構成に適用することができ、トレー1における側部に電気自動車の侵入方向と平行に外側起立部5を形成し、この外側起立部5上にトレー側充電用プラグ接続部9を搭載し、このトレー側充電用プラグ接続部9に電気自動車の侵入方向と平行な方向に開閉する保護カバー14を設けることによって、充電用プラグ18を雨滴や塵埃などから保護し、電気的な状態を常に良好に保持することができるようになる。
【符号の説明】
【0040】
1 トレー
2 車輪
3 ベース
4 中央側起立部
5 外側起立部
6 タイヤ
7 位置規制部材
8 取り付け部
9 トレー側充電用プラグ接続部
10 保護カバー
11 トレー側接続部
12 配管
13 接続用ケーブル
14 保護カバー
15 固定側基部
16 蝶番
17 握り部
18 充電用プラグ
19 切り欠き部
20 取り付け部材
21 プラグ接続部
22 充電用ケーブル
23 閉め忘れ検出装置
24〜28 停止位置検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車車両の進入方向とほぼ平行に形成されて前記駐車車両の進入方向を規制する外側起立部を側方部に形成したトレーを有し、このトレー上に駐車車両を搭載した状態で格納スペースへ移動して駐車する機械式駐車装置において、
前記外側起立部上に、前記駐車車両が電気自動車であるときにそのバッテリーと電源間を接続ために使用する充電用プラグを収納可能なトレー側充電プラグ接続部を取り付け、このトレー側充電プラグ接続部に、前記充電用プラグの出し入れ時に前記駐車車両の進入方向とほぼ平行に開閉する保護カバーを設けたことを特徴とする機械式駐車装置。
【請求項2】
前記トレー側充電プラグ接続部内に、前記充電用プラグと電気的に接触して前記電源に接続するために使用するプラグ接続部を配置し、このプラグ接続部は前記充電用プラグを下向きに挿入する差し込み口を有して構成したことを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
前記外側起立部における前記駐車車両の進入方向の端部に前記トレー側充電プラグ接続部を配置したことを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
保護カバーの開放状態を検出する閉じ忘れ検出装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122254(P2012−122254A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273869(P2010−273869)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000227043)日精株式会社 (68)