説明

機能性下着

【課題】本発明は、機能性下着に関し、特に保湿性能を向上させた機能性下着を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る機能性下着は、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を下着に施すことによって、下着の装着部のみならず下着の装着していない部分に対しても肌の水分保持量を増加させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性下着に関し、特に保湿性能を向上させた機能性下着に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に示すように、活性化鉱水については公知である。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、絹タンパク質(シルクプロテイン)加工を施した保湿サポータは従来から開発されており、保湿効果が認められている。
【特許文献1】特開平3−106494号公報
【特許文献2】特開2004−332128号公報 特殊活性化鉱水とは水を数種類のミネラル原料やゲルマニウム粉末などに加圧状態で接触させ、24時間圧縮、膨張、曝気を繰り返し、ミネラル等の有効成分を効率的に溶出させた特殊な水である。そのため、特殊活性化鉱水はミネラルを中心とした有用成分を多く含み、酸素濃度が高く、微生物の増殖を抑制し、その状態を維持できる特性を有する。
【0004】
特殊活性化鉱水により樹脂や金属などさまざまな素材を加工し、エネルギー特性を持たせる加工技術はMICA加工とも呼ばれ、加工された物質は、分子運動が活発になり、接触する物質(気体・液体・固体)に、運動エネルギーを伝える。その加工製品は食品、繊維、日用品などに幅広く利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工とはシルクのタンパク質成分であるフィブロインを特殊活性化鉱水で繊維ひとつひとつにコーティングする加工技術であり、シルクプロテイン加工の技術の中では最も持続性があり、高度な技術である。この活性シルクプロテイン加工技術を下着に応用した例は未だない。
【0006】
本発明者は、下着おける保湿性能を改善すべく、従来より他の分野において採用されている特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を下着に施せば、下着の装着部のみならず下着の装着していない部分に対しても肌の水分保持量を増加させる可能性があるとの知見に基づき、鋭意研究を重ねた結果、保湿機能を向上させた機能性下着の開発に成功した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る機能性下着は、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施したことにより肌保湿機能を持たせたものである。
【0008】
また、本発明に係る機能性下着は、体型を補正する構成を備えた下着において、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施したことにより体型補正機能と肌保湿機能とを持たせたものである。
【発明の効果】
【0009】
特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を下着に用いる繊維に施すことにより、装着している部分だけでなく、下着を装着していない部位での肌の水分量の増加を達成することができた。
【0010】
肌に優しい肌触り、優れた吸湿性と通気性というシルクの特徴を持つだけでなく、特にシルクのタンパク質成分であるフィブロインを、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工することで、人の肌に近いアミノ酸を大量に含み、お肌の弱い方に対する刺激を和らげると考えられる。
【0011】
また、前述のシルクやフィブロインの特徴を兼ね備えているだけでなく、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工製品は、1)マイナスイオンの増加、2)血流バランスの改善、3)静菌作用が期待できると考えられる。
【0012】
特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工製品は、空中のマイナスイオン量が未加工品の2.2倍増加したというデータが確認されている。マイナスイオンは経皮吸収により最も効率よく吸収できるため、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工製品を身に付けることで、エネルギーが伝わり、癒し効果、ストレス解消、細胞活性化、リラクゼーション、精神安定作用が期待できる。
【0013】
特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工製品を20分間身に装着することで、連鎖や集積がみられた赤血球の分離、分散状態が確認されている。赤血球は酸素を体内に供給する働きがあり、連鎖や集積を生じると、酸素供給が妨げられる。この状態を改善するには、人体の水分を活性化させ、赤血球を分離・分散させる必要がある。特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工製品にはその効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施したセミロングガードルとブラジャー・ウエストニッパー・ガーターベルト一体型の下着(以下、「加工品」という)を作成し、以下の実施例を行った。
【実施例1】
【0015】
上記加工品と、前記加工品と同型であって特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施していないセミロングガードルとブラジャー・ウエストニッパー・ガーターベルト一体型の体型補正用下着(以下、「比較品」という)とを用意し、以下の測定を行った。
【0016】
20代女性2名に対し、着用前の初期値として23±2℃、40±2%RHの環境下で20分間安静状態を保ち、腹部、背部、大腿部(前・後)の角質水分量を測定した。
【0017】
次に、20代女性2名それぞれに加工品を15日間着用させ、下着着用15日目に23±2℃、40±2%RHの環境下で20分間安静状態を保ち、下着を脱着後すぐに腹部、背部、大腿部(前・後)の角質水分量を測定した。
【0018】
引き続き、20代女性2名それぞれに比較品を15日間着用させ、下着着用15日目に23±2℃、40±2%RHの環境下で20分間安静状態を保ち、下着を脱着後すぐに腹部、背部、大腿部(前・後)の角質水分量を測定した。
【0019】
その結果を表1に示す。
【表1】

【0020】
上記表1に示すように、いずれの部位についても、加工品を着用した状態の前半15日間経過した時点においては、角質水分量が上昇しており、その後比較品に着替えた状態の後半15日間経過した時点においては、角質水分量が加工品着用時での測定値よりも低下している。このことから、加工品着用により角質水分量が顕著に増加したことが明らかである。
【0021】
したがって、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施した下着を着用すれば、皮膚の角質層の水分量は明らかに上昇し、保湿バランスの改善が期待でき、発汗、体温の上昇の負担もなく、肌のハリやうるおいの保持、乾燥肌の予防等の効果が期待できる。
【0022】
以上のように、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施した下着は、遠赤外線効果のある下着などのように外部からの熱エネルギー等を利用するのではなく、本実施例から特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工製品は、本来、体内にもっているエネルギーを利用すると考えられるので、マイナスイオンの増加による細胞の働きの活性化、活性単分子水の働きによる血流バランスの調整により、下着を装着している部位だけでなく、装着していない部位(背部)でも角質水分の上昇が認められたと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施したことにより肌保湿機能を持たせたことを特徴とする機能性下着。
【請求項2】
体型を補正する構成を備えた下着において、特殊活性化鉱水を用いたシルクプロテイン加工を施したことにより体型補正機能と肌保湿機能とを持たせたことを特徴とする機能性下着。

【公開番号】特開2007−138306(P2007−138306A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329437(P2005−329437)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(300003525)株式会社ブルームフォーラム (6)
【Fターム(参考)】