説明

機能性添加剤並びに消泡剤及びレベリング剤

【課題】各種有機溶剤等に高い溶解性、分散安定性を示し、表面張力の低い材料等で構成された塗工材料などに添加した場合に、優れた消泡効果、レベリング効果を示すシリコーン系の機能性添加剤、及び該添加剤からなる消泡剤、レベリング剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)


で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを有効成分として含有することを特徴とする機能性添加剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種有機溶剤等に高い溶解性、分散安定性を示し、特に表面張力の低い材料等で構成された塗工材料などに添加した場合に、優れた消泡効果、レベリング効果を示す機能性添加剤、及び該添加剤からなる消泡剤、レベリング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料やインキをはじめ、フォトレジストに至るまで有機材料をそのままあるいは溶剤などで希釈して塗工する工程においては、消泡剤やレベリング剤といった塗膜を平滑にするための添加剤が使用されている。中でもジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンなどのシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイルコンパウンド、これらのオイルコンパウンドを界面活性剤と共に水中に分散してなるエマルジョン等のシリコーン系消泡剤は、他の消泡剤に比べて化学的に安定で、少量でも優れた効果を示す等、種々の優れた性質を有するため広く用いられている。
【0003】
しかし、これらのシリコーン系消泡剤は、水性系の材料における発泡には優れた消泡効果を発揮するが、水性系の材料に比べて表面張力が低くシリコーンの溶解性の大きい有機溶剤系の材料における発泡には、その消泡効果が極めて小さいという不利がある。そのため、有機溶剤系の材料における消泡のために、ジメチルポリシロキサンのうち特に高粘度のものを使用する方法(特公昭35−12564号公報)が提案されているが、これは必ずしも十分な消泡効果を示すものではない。パーフルオロエーテル化合物を有効成分とする消泡剤(特開昭59−22611号、同60−22907号公報)、パーフルオロアルキル基含有シロキサンを有効成分とする有機溶媒用消泡剤(特公昭35−12564号公報、米国特許第4329528号明細書)、パーフルオロエーテル基含有シロキサンを有効成分とする有機溶媒用消泡剤(特公平2−51644号公報)も提案されているが、いずれの消泡剤もその消泡効果は十分に満足できるものではない。また、ポリメチルシルセスキオキサンやアルコキシ基含有シリコーンレジンなどのシリコーン材料を含有する塗料やコーティング剤に対しても、これらの消泡剤は十分な消泡効果を発揮しない。そのため、表面張力の低い材料等で構成された塗工材料などに対し、優れた消泡効果、レベリング効果を示す添加剤の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭35−12564号公報
【特許文献2】特開昭59−22611号公報
【特許文献3】特開昭60−22907号公報
【特許文献4】特公昭35−12564号公報
【特許文献5】米国特許第4329528号明細書
【特許文献6】特公平2−51644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、各種有機溶剤等に高い溶解性、分散安定性を示し、表面張力の低い材料等で構成された塗工材料などに添加した場合に、優れた消泡効果、レベリング効果を示すシリコーン系の機能性添加剤、及び該添加剤からなる消泡剤、レベリング剤を提供することを目的とする。
なお、本発明において、機能性とは、上記塗工材料などに添加した際に、材料全体の表面張力を下げ、消泡効果、レベリング効果のいずれか一方又は両方の機能を付与し得ることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、下記一般式(1)で示される特定のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有シロキサンを主剤とする添加剤が、各種有機溶剤等に高い溶解性、分散安定性を示し、表面張力の低い材料に添加した場合でも、優れた消泡効果、レベリング効果を示すことを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、下記に示す機能性添加剤並びに消泡剤及びレベリング剤を提供する。
〔請求項1〕
下記一般式(1):
【化1】


(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基、Qは炭素数1〜12の2価の有機基、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくはアシル基であり、R1、R2は互いに独立に炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、a、b、c、dは互いに独立に0〜200の整数であり、但し、a+b+c+dは1以上であり、eは0又は1であり、p、qは互いに独立に0〜50の整数であり、但し、p+qは2以上であり、kは1〜3の整数である。)
で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを有効成分として含有することを特徴とする機能性添加剤。
〔請求項2〕
パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンが、下記一般式(2):
【化2】


(式中、Q、R、p、q、p+q及びkは前記と同じであり、fは2〜200の整数である。)
で示されるものであることを特徴とする請求項1に記載の機能性添加剤。
〔請求項3〕
パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンの分子中のフッ素原子の質量割合が、20〜70質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性添加剤。
〔請求項4〕
更に、溶剤を含有してなる請求項1〜3のいずれか1項記載の機能性添加剤。
〔請求項5〕
パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを溶剤に0.1〜50質量%の濃度となるように溶解させてなる請求項4記載の機能性添加剤。
〔請求項6〕
更に、微粉末シリカを含有してなる請求項1〜5のいずれか1項記載の機能性添加剤。
〔請求項7〕
請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性添加剤からなる消泡剤。
〔請求項8〕
請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性添加剤からなるレベリング剤。
以下、このような特性を有する本発明の添加剤を機能性添加剤と称することとする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを有効成分として含有する機能性添加剤は、有機溶剤等への溶解性、分散安定性が良く、表面張力を下げる性能を有するため、表面張力の低い塗工材料などに添加しても優れた消泡効果、レベリング効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】合成例1で合成した化合物のIRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の機能性添加剤は、下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを有効成分として含有することを特徴とする。
【化3】

【0011】
一般式(1)において、Rfは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基である。Rf中における炭素数が上記上限値を超える場合には、パーフルオロポリエーテル鎖の柔軟性が損なわれたり、熱分解時に有害なパーフルオロオクタン酸(PFOA)などを発生したりする。
【0012】
このようなパーフルオロアルキル基Rfとしては、下記式に示される基が挙げられる。
CF3−,
CF3CF2−,
CF3CF2CF2−,
(CF32CF−,
(CF32CFCF2
【0013】
式(1)において、Qは炭素数1〜12、好ましくは炭素数3〜8の2価の有機基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、又はこれらの基の2種以上の組み合わせ(アルキレン・アリーレン基等)であってよく、或いはこれらの基にエーテル結合、アミド結合、エステル結合、ジオルガノシリレン基等から選ばれる1種又は2種以上の構造を介在させたものであってもよく、更に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子から選ばれる1種又は2種以上を含有してもよい2価の炭化水素基が挙げられる。
【0014】
このようなQとして、例えば下記式に示される基が挙げられる。
−CH2
−CH2CH2−,
−(CH2n−O−CH2−,
−OCH2−,
−CO−NH−CH2−,
−CO−N(Ph)−CH2−,
−CO−NH−CH2CH2−,
−CO−N(Ph)−CH2CH2−,
−CO−N(CH3)−CH2CH2CH2−,
−CO−O−CH2−,
−CO−N(CH3)−Ph’−,
−CO−NR3−Y’−
(式中、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基であり、nは1〜10の整数である。Y’は−CH2−又は下記式
【化4】


で表される2価の基であり、R3は水素原子又は非置換もしくは置換の、好ましくは炭素数1〜10の1価炭化水素基である。)
【0015】
式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくはアシル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。中でもメチル基、n−ブチル基、アセチル基であることが好ましい。
【0016】
式(1)において、R1、R2は、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などが挙げられる。中でも、メチル基、n−ブチル基、フェニル基であることが好ましく、特に好ましいのはメチル基である。なお、R1、R2は、R1、R2のそれぞれが同一の基であっても異種の基であってもよく、またR1とR2が同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0017】
式(1)において、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
また、式(1)において、a、b、c及びdは、互いに独立に0〜200、好ましくは20〜100の整数である。但し、a+b+c+dは1以上、好ましくは2〜200、より好ましくは3〜100、更に好ましくは5〜50である。eは0又は1であり、p、qは互いに独立に0〜50、好ましくは0〜30の整数である。但し、p+qは2以上であり、好ましくは3〜50、より好ましくは6〜40、更に好ましくは9〜30である。また、式(1)において、kは1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
【0018】
式(1)の化合物中のパーフルオロポリエーテル鎖とポリエーテル鎖は、分子中のフッ素原子の質量割合が20〜70質量%となる割合で存在することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%となる割合である。上記下限値未満では望ましい特性を得ることが困難であり、加えてパーフルオロポリエーテル鎖の特質である消泡性、レベリング性等が損なわれるおそれがある。また、上記上限値超では対象材料への分散性や分散安定性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。
【0019】
上記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンとしては、原料入手のし易さ及び製造の容易さ等の点から、下記一般式(2)で示される構造のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンが好ましい。
【化5】


(式中、Q、R、p、q、p+q及びkは前記と同じである。fは2〜200、好ましくは3〜50、より好ましくは4〜40の整数である。)
【0020】
本発明のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンとして、具体的には、以下のものを例示することができる。
【化6】

【0021】
【化7】

【0022】
【化8】

【0023】
上記式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンは、下記一般式(3)で示されるビニル基含有パーフルオロポリエーテルとテトラオルガノシクロテトラシロキサンとを、好ましくは白金系触媒の存在下でヒドロシリル化反応させることによって、パーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサンとした後、該シクロテトラシロキサンと下記一般式(4)で示されるアリル基含有ポリエーテル化合物を、好ましくは白金系触媒の存在下でヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。
【0024】
即ち、上記式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを製造する方法としては、下記2段階の製造工程を有する方法が採られる。
〈第1段目の反応〉
下記一般式(3):
【化9】


(式中、Rf、X、Q、a、b、c、d、a+b+c+d及びeは前記と同じである。)
で示されるビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)中のビニル基を、下記式:
【化10】


(式中、R4は互いに独立に炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、上記R1、R2で例示したものと同様のものが例示できる。)
で示されるテトラオルガノシクロテトラシロキサン(ii)中の4個のSiH基に対して、好ましくは白金系触媒の存在下で、部分的にヒドロシリル化付加反応させることによって、1分子中にパーフルオロポリエーテル変性シロキサン単位を1〜3個、好ましくは1個又は2個有すると共に、分子中にSiH基が残存した下記一般式:
【化11】


(式中、Rf、X、Q、R1、R2、a、b、c、d、a+b+c+d、e及びkは前記と同じである。)
で示されるSiH基含有パーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサン(iii)を得る。
【0025】
〈第2段目の反応〉
次いで、得られた該シクロテトラシロキサン(iii)中の残余のSiH基と、下記一般式(4):
【0026】
【化12】


(式中、R、p、q及びp+qは前記と同じである。)
で示されるアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)中のアリル基とを、好ましくは白金系触媒の存在下でヒドロシリル化付加反応させることにより、一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサン(v)を得る。
【0027】
上記2段階の製造工程において、第1段目の反応であるビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)とテトラオルガノシクロテトラシロキサン(ii)との反応では、[シロキサン(ii)]/[パーフルオロポリエーテル(i)]の分子同士のモル比が2.0以上、より好ましくは3.0以上であることが望ましい。テトラオルガノシクロテトラシロキサンを過剰に(即ち、上記モル比≧2.0の比率で)用いることによって、一般式(1)で示されるk=1のパーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサンを優先的に得ることができる。このモル比の上限については特に制限はないが、製造効率(目的生成物の収率)等の点から、通常、10.0以下、特には5.0以下程度とすることが好ましい。前述したとおり、k=1というのは、本発明において特に好ましい値となり、上記式(1)で示されるポリシロキサンが、最も高い界面活性を示す構造となるものである。なお、過剰のテトラオルガノシクロテトラシロキサンは反応終了後、減圧溜去することによって容易に取り除くことができる。
【0028】
上記2段階の製造工程において、第2段目の反応であるSiH基含有パーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサン(iii)とアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)との反応では、アリル基含有ポリエーテル化合物(iv)中のアリル基に対するSiH基含有パーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサン(iii)中のSiH基のモル比(SiH/アリル比)が0.8〜1.2、特に0.9〜1.1、とりわけ0.9〜1.0で反応に付すことが好ましい。シクロテトラシロキサン中のSiH基が上記より過剰であると、他材料との親和性などを損なったり、SiH基が脱水素反応を起こして水素ガスを発生したりするおそれがある。一方、ポリエーテル化合物中のアリル基が上記より過剰であると、パーフルオロポリエーテルとしての特長を損なうおそれがある。
【0029】
また、この製造工程を2段階反応ではなく、式(3)のビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)、テトラオルガノシクロテトラシロキサン(ii)及び式(4)のアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)を一括して反応に供した場合は、ビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)とアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)のSiH基に対する反応性の違いなどによって、ビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)又はアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)のみで変性されたシクロテトラシロキサンを生成したり、ビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)とアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)の変性比の異なる化合物が何種類も生成したりするため、生成物が濁りを生ずるおそれがある。
【0030】
上記製造工程において使用する白金系触媒としては、ヒドロシリル化に用いられる従来公知のものを使用できる。一般に貴金属の化合物であり高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。このような白金化合物としては、塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコール、ビニルシロキサンとの錯体、及びシリカ、アルミナ、カーボン等に担持された金属白金を用いることができる。白金化合物以外の白金族金属触媒としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びパラジウム系化合物が使用でき、例えば、RhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh32、Pd(PPh34等(式中、Phはフェニル基である。)を用いることができる。
【0031】
白金系触媒の使用量は触媒量でよく、具体的には、ビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)とテトラオルガノシクロテトラシロキサン(ii)、又はSiH基含有パーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサン(iii)とアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)の合計質量に対し、0.1〜500ppm(白金質量換算)となる量が好ましい。
【0032】
上記ヒドロシリル化反応を行う際に、必要に応じて溶媒を用いてもよい。溶媒は、第1段目、第2段目の反応とも、各段階の反応において各反応基質の双方を溶解するものであることが望ましいが、どちらか一方のみを溶解するものであってもヒドロシリル化反応を阻害するものでなければ特に制限されない。
【0033】
このような溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、イソドデカンなどの脂肪族炭化水素系化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系化合物、トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロメタキシレンなどの含フッ素芳香族炭化水素系化合物、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル系化合物、ダイフロイル(ダイキン製)などのクロロフルオロカーボン系化合物、フォンブリン、ガルデン(ソルベイソレクシス製)、デムナム(ダイキン工業製)、クライトックス(デュポン製)などのパーフルオロポリエーテル系化合物などが挙げられる。中でも、ヘキサフルオロメタキシレンが、式(3)のビニル基含有パーフルオロポリエーテル(i)やSiH基含有パーフルオロポリエーテル変性シクロテトラシロキサン(iii)、式(4)のアリル基含有ポリエーテル化合物(iv)及び最終生成物(式(1)のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサン(v))の溶解性に優れており好適である。
【0034】
溶媒の使用量は、各反応基質の粘度や仕込み量によって適宜選定されるが、各反応基質の合計量100質量部に対して、10〜200質量部が好ましく、20〜100質量部であることが特に好ましい。
【0035】
上記製造工程における反応温度は、溶媒の量や種類により適宜決められ、第1段目、第2段目の反応とも、通常、室温(25℃)〜140℃でよく、好ましくは70〜120℃である。規定範囲以上の温度では、ポリエーテル鎖や環状シロキサン鎖が熱分解してしまうおそれがあるため好ましくない。時間は特に制約なく、個別の反応条件に応じて反応が十分に進行するようにすればよい。
【0036】
本発明に係る機能性添加剤は、上記パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを主剤とするものである。本発明に示す機能性添加剤は、該パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンのみで用いてもよいが、適宜溶剤で希釈して用いることが望ましい。好ましくは、該ポリシロキサンと溶剤との合計質量に対して該ポリシロキサンが0.1〜50質量%、特に20〜50質量%の濃度となるように溶剤に溶解させて機能性添加剤を構成することが、作業性や溶剤除去のエネルギー効率等の点から好ましい。
【0037】
このような溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、イソドデカンなどの脂肪族炭化水素系化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系化合物、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系化合物、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、γ−ブチロラクトンなどのエステル系化合物、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系化合物、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系化合物、トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロメタキシレンなどの含フッ素芳香族炭化水素系化合物、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル系化合物、ダイフロイル(ダイキン製)などのクロロフルオロカーボン系化合物などが挙げられる。中でも、イソドデカン、メチルイソブチルケトン、ヘキサフルオロメタキシレンなどが本発明のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを良好に溶解し、かつ、有機溶剤への分散性が良好なため、好適に用いられる。
【0038】
また、本発明の機能性添加剤は、従来品であるジメチルシロキサン系の消泡剤と同様に、破泡性を向上させる目的として微粉末シリカを添加してもよい。この微粉末シリカは、BET法による比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカであることが分散性の観点から望ましく、特に50〜400m2/gであることが望ましい。なお、この微粉末シリカは、フュームドシリカやコロイダルシリカなどにケイ素化合物などを用いて疎水化処理を施したものを用いると、溶剤中での分散安定性などが向上するため、特に好ましい。
微粉末シリカを添加する場合の配合量は、該ポリシロキサン100質量部に対して、通常、1〜50質量部、特には1〜30質量部程度が好ましい。微粉末シリカの配合量が多すぎると組成物の粘度が上昇して取扱い性に劣る場合があり、また、配合量が少なすぎると、上記した微粉末シリカの添加効果が十分発現しない場合がある。
【0039】
本発明の機能性添加剤は、性能向上などを目的として他の添加剤を併用してもよい。例えば、撥水撥油性付与剤、防汚性付与剤、消泡剤、レベリング剤、粘弾性調整剤、湿潤分散剤、密着性付与剤、表面調整剤、乾き防止剤、沈降防止剤、顔料分散剤、基剤湿潤剤、タレ止め剤、ブロッキング防止剤、増粘剤、潤滑剤、防腐・防黴剤などである。
【0040】
本発明の機能性添加剤は、主剤であるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンの表面張力が小さく、しかも有機溶剤への親和性に優れており、高い表面張力低下能を有するため、有機溶剤系塗工材料の発泡抑制やレベリング性に優れた効果を示す。従って、本発明の機能性添加剤は、有機溶剤で希釈された塗工材料やシリコーン系コーティング剤といった表面張力の低い塗工材料の消泡性、レベリング性を向上させるための消泡剤、レベリング剤として好適に使用し得る。
【実施例】
【0041】
以下、合成例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
[合成例1]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン96.2g、ヘキサフルオロメタキシレン105.7gを入れ、滴下漏斗に下記式(5):
【化13】


で示されるビニル基含有パーフルオロポリエーテル432.2g([シロキサン]/[パーフルオロポリエーテル]=4.0(モル比))、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.32g(白金として1.6mg含有)、及びヘキサフルオロメタキシレン52.8gを混合した溶液を仕込んだ。内温を80℃まで加熱したのち、前述の溶液を内温110℃以下で滴下した。90〜100℃で1時間加熱し、IRスペクトルでパーフルオロポリエーテル(5)のビニル基由来の吸収が消失していることを確認した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンと過剰のシクロテトラシロキサンを溜去して、下記式(6):
【化14】


で示されるパーフルオロポリエーテル変性SiH基含有シクロテトラシロキサン455.2gを得た。
【0043】
次に、還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、上記で得られたシクロテトラシロキサン(6)150.0gとヘキサフルオロメタキシレン146.9gを投入した。内温を80℃まで加熱した後、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.18g(白金として0.9mg含有)を加えて、下記式(7):
【化15】


で示されるアリル基含有ポリエーテル化合物143.8g(シロキサン(6)中のSiH基/ポリエーテル化合物(7)中のアリル基=0.95(モル比))を80〜90℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、白色ペースト状の生成物を290.8g得た。
【0044】
上記で得られた生成物を、1H−NMR及びIRスペクトルの測定により分析した結果、下記式(8):
【化16】


で示される分子中のフッ素原子の質量割合が31.7%の化合物であった。この化合物を実施例1で用いる。
【0045】
以下に、1H−NMR(日本電子(株)製、JNM−NS50)で分析した結果を示す。
1H−NMR(TMS基準、ppm):0.0−0.1(≡Si−C3、18H)、0.1−0.2(≡Si−C2−、10H)、1.0−1.3(−C3、126H)、1.5−1.7(−C2−、6H)、3.3−3.8(C3−O−、−C2−O−、−C−O−、−NC3、300H)、7.2−7.7(−C64−、4H)
化合物のIRスペクトル(KBr法、(株)堀場製作所製、FT−730)を図1に示す。
【0046】
[合成例2]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン96.2g、ヘキサフルオロメタキシレン106.1gを入れ、滴下漏斗に下記式(9):
【化17】


で示されるビニル基含有パーフルオロポリエーテル434.1g([シロキサン]/[パーフルオロポリエーテル]=4.0(モル比))、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.32g(白金として1.6mg含有)、及びヘキサフルオロメタキシレン53.0gを混合した溶液を仕込んだ。内温を80℃まで加熱したのち、前述の溶液を内温110℃以下で滴下した。90〜100℃で1時間加熱し、IRスペクトルでパーフルオロポリエーテル(9)のアリル基由来の吸収が消失していることを確認した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンと過剰のシクロテトラシロキサンを溜去して、下記式(10):
【化18】


で示されるパーフルオロポリエーテル変性SiH基含有シクロテトラシロキサン456.3gを得た。
【0047】
次に、還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、上記で得られたシクロテトラシロキサン(10)150.0gとヘキサフルオロメタキシレン112.5gを投入した。内温を80℃まで加熱した後、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.18g(白金として0.9mg含有)を加えて、下記式(11):
【化19】


で示されるアリル基含有ポリエーテル化合物75.0g(シロキサン(10)中のSiH基/ポリエーテル化合物(11)中のアリル基=0.95(モル比))を80〜90℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、白色ペースト状の生成物を224.0g得た。
【0048】
上記で得られた生成物を、1H−NMR及びIRスペクトルの測定により分析した結果、下記式(12):
【化20】


で示される分子中のフッ素原子の質量割合が42.9%の化合物であった。この化合物を実施例2で用いる。
【0049】
[合成例3]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン96.2g、ヘキサフルオロメタキシレン39.9gを入れ、滴下漏斗に下記式(13):
【化21】


で示されるアリル基含有パーフルオロポリエーテル103.3g([シロキサン]/[パーフルオロポリエーテル]=4.0(モル比))、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.32g(白金として1.6mg含有)、及びヘキサフルオロメタキシレン20.0gを混合した溶液を仕込んだ。内温を80℃まで加熱したのち、前述の溶液を内温110℃以下で滴下した。90〜100℃で1時間加熱し、IRスペクトルでパーフルオロポリエーテル(13)のアリル基由来の吸収が消失していることを確認した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンと過剰のシクロテトラシロキサンを溜去して、下記式(14):
【化22】


で示されるパーフルオロポリエーテル変性SiH基含有シクロテトラシロキサン127.3gを得た。
【0050】
次に、還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、上記で得られたシクロテトラシロキサン(14)100.0gとヘキサフルオロメタキシレン109.0gを投入した。内温を80℃まで加熱した後、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.18g(白金として0.9mg含有)を加えて、下記式(15):
【化23】


で示されるアリル基含有ポリエーテル化合物118.0g(シロキサン(14)中のSiH基/ポリエーテル化合物(15)中のアリル基=0.95(モル比))を80〜90℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、淡褐色油状の生成物を216.9g得た。
【0051】
上記で得られた生成物を、1H−NMR及びIRスペクトルで分析した結果、下記式(16):
【化24】


で示される分子中のフッ素原子の質量割合が26.7%の化合物であった。この化合物を実施例3で用いる。
【0052】
[比較用合成例1]
還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、上記式(13)で示されるアリル基含有パーフルオロポリエーテル206.7g、下記式(17):
【化25】


で示されるSiH基含有ポリシロキサン67.2g([シロキサン]/[パーフルオロポリエーテル]=0.5(モル比))、及びヘキサフルオロメタキシレン54.8gを投入した。白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.45g(Pt2.3mg相当)を加えて80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、下記式(18):
【化26】


で示されるパーフルオロポリエーテル変性SiH基含有ポリシロキサン271.3gを得た。
【0053】
次に、還流冷却管と温度計を取り付けたフラスコに、上記で得られたポリシロキサン(18)100.0gとヘキサフルオロメタキシレン99.1gを投入した。内温を80℃まで加熱した後、白金/ビニルシロキサン錯体トルエン溶液0.18g(白金として0.9mg含有)を加えて、上記式(15)で示されるアリル基含有ポリエーテル化合物59.4g(シロキサン(18)中のSiH基/ポリエーテル化合物(15)中のアリル基=0.95(モル比))を80〜90℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間加熱した後、減圧下でヘキサフルオロメタキシレンを溜去し、淡黄色油状の生成物を157.5g得た。
【0054】
上記で得られた生成物を、1H−NMR及びIRスペクトルで分析した結果、下記式(19):
【化27】


で示される分子中のフッ素原子の質量割合が30.5%の化合物であった。この化合物を比較例1で用いる。
【0055】
[実施例1〜3、比較例1]
[溶剤溶解性の評価]
透明ガラス製サンプル瓶に、合成例1〜3及び比較用合成例1のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサン4.0gと表1に示す溶剤16.0gを入れてよく振盪し、室温(25℃)で1時間静置した。1時間静置後の外観を目視で確認し、以下の指標で各溶剤に対する溶解性の評価を行った。結果を表1に示す。
○…溶解し、透明になった。
△…白色半透明でポリシロキサンが均一分散している。
×…白濁、もしくはシロキサンと溶剤が二層に分離している。
【0056】
【表1】

IPA:イソプロパノール(2−プロパノール)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MIBK:メチルイソブチルケトン
【0057】
[表面張力低下能の評価]
透明ガラス製サンプル瓶に、合成例1〜3及び比較用合成例1のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを表2に示す溶剤で、1質量%及び0.1質量%の溶液を調製した。これらの溶液に関して、25℃における表面張力を協和界面科学(株)製表面張力計CBVP−A3型を用いてウィルヘルミー法により測定した。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】

【0059】
[レジスト塗布性の評価]
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとo−ナフトキシジアジド−5−スルホニルクロライドとの縮合物27質量部と、クレゾールとホルムアルデヒドとを縮合してなるノボラック樹脂100質量部を乳酸エチル(EL)400質量部に溶解して溶液を調製し、これに合成例1〜3及び比較用合成例1のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを溶液中の固形分質量に対して30ppmになるように添加し、0.1μmのPTFE製メンブレンフィルターで精密濾過してフォトレジスト組成物を調製した。このフォトレジスト組成物を直径300mmのシリコンウエハー上に、回転数3,600rpmでスピンコーティングした後、ホットプレート上にて60秒間加熱して溶媒を除去し、膜厚が1.2μmのレジスト膜を有するウエハーを得た。以上のようにして得られたレジスト膜を有するシリコンウエハーについて、塗布性の評価を行った。結果を表3に示す。
・レジスト塗布性評価基準
○…塗布むら、ハジキなどが発生しない。
△…わずかだが塗布むら、ハジキなどが発生する。
×…かなりの塗布むら、ハジキなどが発生する。
【0060】
[シリコーンコーティング剤レベリング性の評価]
室温硬化型シリコーンアルコキシオリゴマーコーティング剤(信越化学工業(株)製、製品名KR−400)10.0gをガラス瓶に秤量し、合成例1〜3及び比較用合成例1のパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンの1質量%トルエン溶液0.01g(固形分質量比100ppm)をマイクロシリンジで添加して、10分間振盪、分散させた。そのコーティング剤を予めトルエンで清拭しておいた鋼板(25×100×0.3mm)に8号刷毛(幅25mm)を用いて塗工した。温度25℃、湿度50%RHの条件下で2時間静置し、硬化後の表面を目視観察して、泡、ハジキ、刷毛目などの有無を観察した。
評価結果を表3に示す。
・レベリング性評価基準
○…泡、ハジキ、刷毛目などがほとんど見られない(2個未満/cm2)。
△…泡、ハジキ、刷毛目などが少し見られる(2個以上5個未満/cm2)。
×…泡、ハジキ、刷毛目などがかなり見られる(5個以上/cm2)。
【0061】
【表3】

【0062】
表1〜3に示す結果より、本発明のシリコーン系の機能性添加剤は、有機溶剤に対して優れた発泡抑制効果・消泡効果及びレベリング効果を示すことが明らかとなった。本発明の機能性添加剤は、各種有機溶剤等に高い溶解性、分散安定性を示し、表面張力の低い塗工材料に使用しても優れた消泡効果、レベリング効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】


(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基、Qは炭素数1〜12の2価の有機基、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくはアシル基であり、R1、R2は互いに独立に炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、a、b、c、dは互いに独立に0〜200の整数であり、但し、a+b+c+dは1以上であり、eは0又は1であり、p、qは互いに独立に0〜50の整数であり、但し、p+qは2以上であり、kは1〜3の整数である。)
で示されるパーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを有効成分として含有することを特徴とする機能性添加剤。
【請求項2】
パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンが、下記一般式(2):
【化2】


(式中、Q、R、p、q、p+q及びkは前記と同じであり、fは2〜200の整数である。)
で示されるものであることを特徴とする請求項1に記載の機能性添加剤。
【請求項3】
パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンの分子中のフッ素原子の質量割合が、20〜70質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性添加剤。
【請求項4】
更に、溶剤を含有してなる請求項1〜3のいずれか1項記載の機能性添加剤。
【請求項5】
パーフルオロポリエーテル基及びポリオキシアルキレン基含有ポリシロキサンを溶剤に0.1〜50質量%の濃度となるように溶解させてなる請求項4記載の機能性添加剤。
【請求項6】
更に、微粉末シリカを含有してなる請求項1〜5のいずれか1項記載の機能性添加剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性添加剤からなる消泡剤。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性添加剤からなるレベリング剤。

【図1】
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【公開番号】特開2012−46583(P2012−46583A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188124(P2010−188124)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】