説明

機能性繊維製品

【課題】健康増進効果が向上した機能性繊維製品を提供すること。
【解決手段】本発明は、テラヘルツ波を吸収するネフライトの粉末を含有することを特徴とする機能性繊維製品である。好ましくは、ネフライトは、テラヘルツ波帯において、少なくとも2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収するとよい。好ましくは、ネフライトは、周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を吸収するとよい。好ましくは、ネフライトの粉末は、紡糸工程において繊維に練り込まれているとよい。好ましくは、ネフライトの粉末は、布地の表面に固着しているとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康増進機能を有する機能性繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2,及び3に示すように、従来より、ネフライトの粉末(軟玉粉)が含有された繊維製品は、提案されている。
【0003】
特許文献1では、軟玉粉を霧状に撒布して繊維面に吸着させ、ステープルファイバー不織布を製造する方法が開示されている。特許文献2では、溶融物を紡糸する直前に、軟玉粉を霧状で投入して溶融物に吸着させ、紡糸口から圧出することによって、軟玉粉をフィラメント組織内に含浸したフィラメントの製造方法が開示されている。特許文献1及び2には、得られた繊維によって、健康増進が図られることが開示されている。
【0004】
特許文献3では、軟玉粉を液体状の溶融ポリマーに投入させて、黄土粉末と混合させて、押出紡糸によって繊維を製造する方法が開示されている。特許文献3には、軟玉を粉砕して用いることによって、イオンと遠赤外線とが発生し、繊維から生じる遠赤外線によって保温性を向上させることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2724994号公報
【特許文献2】特許第2757173号公報
【特許文献3】特許第3068051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ネフライト粉末を繊維に用いれば、遠赤外線が発生し、健康増進が図られることは知られているが、遠赤外線を利用しただけでは、十分な健康促進効果が得られないことが本発明者の研究によって判明した。
【0007】
それゆえ、本発明は、健康増進効果が向上した機能性繊維製品を提供することを目的とする。さらに、本発明は、消臭効果を有する機能性繊維製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、テラヘルツ波を吸収するネフライトの粉末を含有することを特徴とする機能性繊維製品である。これにより、機能性繊維製品がテラヘルツ波を放射することが期待できるので、遠赤外線だけを放射する製品に比べ、健康増進効果が向上することとなる。また、消臭効果を有する機能性繊維製品が得られることとなる。
【0009】
好ましくは、ネフライトは、テラヘルツ波帯において、少なくとも2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収するとよい。好ましくは、ネフライトは、周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を吸収する、又は、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいてピークを有するテラヘルツ波を吸収するとよい。これにより、テラヘルツ波の放射帯域が広くなると期待でき、より多くのテラヘルツ波が放射されることとなるので、健康促進効果が増す。
【0010】
好ましくは、ネフライトの粉末は、平均粒径100μm以下0.1μm以上の粒子であるとよい。これにより、テラヘルツ波が効果的に放射されると期待できる。また、繊維への練り込みや固着が容易となる。特に、平均粒径を1μm以下0.1μm以上にすれば、紡糸工程でのネフライト粉末の練り込みが容易となる。また、シルク印刷によって機能性繊維製品を量産する場合、平均粒径を2μm以下0.1μm以上にすれば、ネフライト粉末の固着が容易となる。また、手刷りによるシルク印刷によって機能性繊維製品を製造する場合、平均粒径が44μm前後であってもよい。
【0011】
好ましくは、ネフライトの粉末は、紡糸工程において繊維に練り込まれているとよい。これにより、あらゆる繊維製品にネフライト粉末を含有させることができる。このとき、ネフライトの粉末の練り込み率は、30wt%以下であることとよい。これにより、着心地に違和感を与えることなく、ネフライト粉末を繊維に練り込むことができる。
【0012】
好ましくは、ネフライトの粉末は、布地の表面に固着しているとよい。好ましくは、ネフライトの粉末は、シルク印刷によって、布地に固着しているとよい。このような方法によって、容易に、ネフライト粉末を繊維製品に含有させることができる。紡糸工程でネフライト粉末を含有させるためには、紡糸機械を操作するなど大がかりな作業が必要となるが、このように布地に固着させるのであれば、比較的、簡易な機械によって、ネフライト粉末を含有した機能性繊維製品を提供することができる。
【0013】
なお、ネフライトは、軟玉と称される場合もある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、機能性繊維製品がテラヘルツ波を吸収するので、テラヘルツ波を放射すると期待でき、遠赤外線だけを放射する製品に比べ、健康増進効果が向上することとなる。また、消臭効果を有する機能性繊維製品が得られることとなる。
【0015】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、吸光度測定の結果を示すグラフである。
【図2】図2は、吸光度測定の他の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る機能性繊維製品は、ネフライト(軟玉)の粉末を含有する。ネフライト粉末の平均粒径は、特に限定されてないが、100μm以下0.1μm以上であるとよい。特に、平均粒径を1μm以下0.1μm以上にすれば、紡糸工程でのネフライト粉末の練り込みが容易となる。また、シルク印刷によって機能性繊維製品を量産する場合、平均粒径を2μm以下0.1μm以上にすれば、ネフライト粉末の固着が容易となる。また、手刷りによるシルク印刷によって機能性繊維製品を製造する場合、平均粒径が44μm前後であってもよい。ネフライト粉末の平均粒径は、ネフライト粉末を繊維に含有させる工程に応じて、適宜選択される。本実施形態で用いるネフライトの粉末は、少なくともテラヘルツ波を吸収する。好ましくは、ネフライトは、テラヘルツ波帯において、少なくとも2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収するとよい。また、ネフライトは、周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を吸収するか、又は、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいてピークを有するテラヘルツ波を吸収するとよい。このようなネフライトは、韓国などの鉱脈で採掘することが可能である。
【0018】
吸光度測定によって、周波数略3.34THz及び略4.78THzの二つのピークでテラヘルツ波を吸収することを、本発明者は、確認した。そのため、平均粒径100μm以下0.1μm以上のネフライト粒子は、周波数略3.34THz及び略4.78THzに二つのピークを有するテラヘルツ波を放射すると考えられる。このような特徴を有するネフライト粉末は、韓国の鉱脈から採取することができる。また、韓国以外の鉱脈から採取したネフライト鉱石自体は、吸光度測定によって、周波数略2.35THz及び略2.75THzの二つのピークでテラヘルツ波を吸収することを、本発明者は、確認した。そのため、ネフライトの採掘場所などによっては、吸収するテラヘルツ波の周波数は異なる可能性がある。
【0019】
したがって、本発明において、ネフライト粉末が吸収するテラヘルツ波の周波数は特に限定されるものではない。少なくとも2カ所の周波数において、テラヘルツ波の吸収のピークを有すれば、広帯域にテラヘルツ波を放射していることが期待できることになる。したがって、本発明で使用するネフライトは、テラヘルツ波帯において、2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収するとよい。
【0020】
なお、本願の出願段階において、テラヘルツ波の吸収を測定することができる器具は、一般に入手可能であった。しかし、テラヘルツ波の放射を測定することができる器具は、一般には入手困難である。しかも、放射を安定的かつ正確に測定することができる器具は未だ実用化されていないのが現実である。また、テラヘルツ波が吸収されているということは、テラヘルツ波を放射していると推定されるに過ぎず、テラヘルツ波の吸収をもってして、テラヘルツ波の放射とは断定できない状況である。しかし、本発明者は、テラヘルツ波を吸収するネフライトを用いれば、健康増進、美容増進、血行増進等が図られるは事実であり、実験によって確認している。したがって、本発明では、テラヘルツ波を吸収するネフライトとして発明を特定することとするが、テラヘルツ波を放射するネフライトを本発明に用いることを決して排除するものではない。
【0021】
本発明者は、地球上の全てのネフライトがテラヘルツ波を吸収するか否かについて、地質学的・化学的・物理的見地から分析したわけではない。したがって、本発明を実施するためには、たとえば、入手したネフライトの鉱石自体(又は粉末にしてペレット状に固めたもの)がテラヘルツ波を吸収しているか、若しくは、少なくとも二つのピークで吸収しているかを測定し、テラヘルツ波の吸収が確認できたネフライトを粉末状にして、下記に示す製造方法で、繊維に含有させればよい。なお、テラヘルツ波の吸収は、大塚電子株式会社(大阪府枚方市招提田近3丁目26−3)製のテラヘルツ分光システムTR−1000を用いれば、確認可能である。ただし、ネフライトによるテラヘルツ波吸収の確認方法は、一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0022】
ネフライト粉末を繊維製品に含有させる方法としては、(1)紡糸工程においてネフライト粉末を繊維に練り込ませる方法と、(2)布地の表面にネフライト粉末を固着させる方法とがある。
【0023】
紡糸工程において、ネフライト粉末を繊維に練り込ませる場合、たとえば、溶融紡糸、乾式紡糸、又は湿式紡糸の工程の中で、周知のあらゆる方法によって、ネフライト粉末練り込ませることができる。たとえば、溶融紡糸の場合、ポリエステルやナイロン、ポリプロピレンなどの周知の原料を熱で溶かし、溶けた原料の中に、ネフライト粉末を含有させて、口金から押し出して、繊維状にして、フィラメントやステープルを製造することによって、ネフライト粉末を練り込んだ繊維が得られる。また、乾式紡糸の場合、アセテートやアクリル、ビニロン、ポリウレタンなど周知の原料を熱で気化する溶剤に溶かし、溶けた原料を、熱雰囲気中で口金から出して溶剤を蒸発させて、繊維状にして、フィラメントやステープルを製造することによって、ネフライト粉末を練り込んだ繊維が得られる。また、湿式紡糸の場合、レーヨンやアクリル、ビニロンなどの周知の原料を溶剤に溶かし、溶けた原料を凝固浴と呼ばれる溶液中で口金から押し出して化学反応させて固化させて、繊維状にして、フィラメントやステープルを製造することによって、ネフライト粉末を練り込んだ繊維が得られる。なお、レーヨン及びポリエステルにネフライト粉末を練り込ませることが好適であることを本発明者が実験によって確認した。また、レーヨン及びポリエステルにネフライト粉末を練り込ませる場合、1μm以下まで、ネフライトを粉砕することが好ましい。ネフライト粉末の練り込み率(原料に対するネフライト粉末の質量割合)は、30wt%以下であるとよい。なお、上記以外の紡糸工程を用いて、ネフライト粉末を繊維に練り込ませてもよい。このようにしてネフライト粉末が練り込まれた機能性繊維製品を用いて、織物や編物、不織布などの布地を製造して、ネフライト粉末を含有する機能性繊維製品が得られる。なお、本発明において、機能性繊維製品といった場合、繊維単独のことを指しても良いし、布地のことを指しても良いし、布地を加工して得られた製品のことを指しても良い。
【0024】
また、布地の表面にネフライト粉末を固着させることによっても、ネフライト粉末を含有する機能性繊維製品を提供することができる。固着の方法としては、接着剤にネフライト粉末を含有させて、当該接着剤を布地に塗布して、ネフライト粉末を布地に固着させる方法がある。接着剤としては、たとえば、酢酸ビニル系のビニロールという接着剤を用いて、布地にネフライト粉末を固着させることができる。また、固着の方法として、ネフライト粉末を含有させたインキを布地にシルク印刷(スクリーン印刷、シルクスクリーン印刷ともいう。以下同じ。)によって、印刷させることによって、ネフライト粉末を布地に固着させる方法がある。インキとしては、シルク印刷に用いられる周知のインクを用いることができる。シルク印刷によって機能性繊維製品を量産する場合、スクリーン版に目詰まりしないように、ネフライト粉末は2μm以下であるのが好ましいことを本発明者は実験によって確認した。また、手刷りによってシルク印刷を行う場合、平均粒径が44μm前後であっても、ネフライト粉末の固着させることができる。
【0025】
繊維にネフライト粉末が練り込まれている場合、得られたフィラメントやステープルから布地を製造し、当該布地から、たとえば、下記のような機能性繊維製品を製造するとよい。
シーツ、枕や布団、クッションなどのカバー、パジャマ、寝間着、寝具、肌着、靴下、ストッキング、レッグオーマー、スパッツ、下着、Tシャツ、補正下着、各種洋服、手袋、腹巻き、膝掛け、防寒用衣類、サポーター、医療用包帯、制服、ユニフォーム、術衣、白衣、カーテン、壁紙クロス、カーペット、ペット用洋服、ペット用マットなどのペット関連繊維製品など。
【0026】
また、繊維にネフライト粉末が練り込まれている場合、得られた繊維から、中綿や不織布を製造して、下記のような機能性繊維製品を製造するとよい。
布団、防寒着、肩パット、ベッドマット、マット、毛布、枕、防寒靴、手袋、帽子など。
【0027】
また、ネフライト粉末を含有していない布地又はネフライト粉末を含有している布地に、ネフライト粉末を固着させて得られた機能性繊維製品から、下記のような機能性繊維製品を製造するとよい。
シーツ、カーテン、模様や柄が付いた衣類、車・列車・飛行機などの椅子、車の内装、靴の中敷き、マット、布団、椅子など。
【0028】
テラヘルツ波を吸収するネフライト粉末を含有した機能性繊維製品は、テラヘルツ波を放射していると期待でき、保温効果、血行促進効果、消臭効果を有する。たとえば、靴下にネフライト粉末を含有させた場合、保温効果や血行促進によって、むくみや足の疲れが軽減し、消臭効果によって清潔感が向上する。また、シーツにネフライト粉末を含有させた場合、保温効果や血行促進によって、健康が増進し、消臭効果によって、清潔感が向上する。
【0029】
テラヘルツ波は透過波長であるので、体の奥からも同時に温まると考えられる。また、テラヘルツ波は、水によく反応するため体内の水分子が活性化し、血行促進や保温効果が得られるものと考えられる。テラヘルツ波とは、ミリ波と赤外線の中間帯域にある電磁波のことをいい、一般的におおよそ0.1THz〜10THzの周波数(約30μm〜3mmの波長範囲)を有する。このように、約30μm〜3mmの波長範囲にあるテラヘルツ波を吸収するネフライトの粉末を含有させた機能性繊維製品を用いれば、テラヘルツ波を放射すると期待でき、人体の健康促進効果を得ることができる。また、消臭効果も得られる。
【実施例】
【0030】
図1は、吸光度測定の結果を示すグラフである。図1に示す測定結果では、韓国で採取した健然石(登録商標)と呼ばれるネフライトを平均粒径略4μmの粉末にし、ネフライト粉末の割合を5wt%となるようにして、ポリエチレンの粉末と混ぜて厚さ1mmの錠剤に成型し、テラヘルツ波の透過率を確認した。図1に示すグラフにおいて、横軸がテラヘルツ波の周波数を示し、縦軸が透過率(吸収率)を示す。図1に示す実験結果によって、略3.34THz及び略4.78THzに非常に強い吸収(透過)が確認できた。また、略5.17THzに若干の強い吸収(透過)が確認できた。したがって、平均粒径4μmのネフライト粉末は、吸光度測定により周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を放射していることが期待できる。この測定結果により、平均粒径が4μmになるように粉砕したときに、吸光度測定により周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するネフライト粉末を用いることが好ましいことが確認できた。よって、ネフライト粉末の好ましい平均粒径は、100μm以下0.1μm以上であると推測される。
【0031】
上記健然石(登録商標)を平均粒径2.7μmに粉砕し、得られたネフライト粉末をレーヨンに練り込み、綿70%、ネフライト粉末含有レーヨン30%の靴下を製造した。ネフライト粉末含有レーヨンにおけるネフライト粉末の練り込み率を30wt%とした(実施例1)。また、ネフライト粉末含有レーヨンにおけるネフライト粉末の練り込み率を15wt%とした(実施例2)。実施例1及び2について、測定温度25度において、遠赤外線が放射されていることが確認された。よって、上記のように、テラヘルツ波と共に、遠赤外線も放射されていることが確認された。
【0032】
実施例1の布地から、10cm×10cmのサンプルを製造し、消臭試験を行った。サンプルを5リットルテドラーバッグに入れ、悪臭成分と空気との混合ガスを3リットル注入し、所定時間後に、ガス検知管で濃度を測定した。また、洗濯0回のサンプルと、洗濯10回のサンプルと、空試験(ネフライト粉末を含有していないサンプル)とについての消臭試験の結果を表1〜5に示す。表1は、アンモニアガスの消臭試験の結果を示す。表2は、酢酸の消臭試験の結果を示す。表3は、硫化水素(トイレのにおい)の消臭試験の結果を示す。表4は、トリメチルアミン(生ゴミのにおい)の消臭試験の結果を示す。表5は、アセトアルデヒド(たばこのにおい)の消臭試験の結果を示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
【表5】

【0038】
表1〜表5に示すように、サンプルは、時間経過と共に、悪臭成分を減少させていることが確認できた。また、洗濯10回後であっても、洗濯前と変わることなく、サンプルは、悪臭成分を現象させていることが確認できた。これにより、ネフライト粉末を含有する繊維製品は、消臭効果を有することが確認された。
【0039】
実施例1の靴下を約40名に使用させたときの感想は、以下のようであった(複数回答あり)。
暖かいと感じる 6名
冷え方が違う 3名
むくまない 7名
【0040】
また、実施例1のネフライト粉末含有レーヨンをサポーターに適用して、約40名に使用させたときの感想は、以下のようであった(複数回答あり)。
暖かいと感じる 5名
膝が楽になった 3名
【0041】
このように、ネフライト粉末を含有する繊維製品は、保温効果やむくみ防止効果などの健康増進効果を有することが確認された。
【0042】
図2は、吸光度測定の他の結果を示すグラフである。図2に示す測定結果の内、矢印で示すAは、韓国以外の鉱脈から採取されたネフライトの鉱石自体のテラヘルツ波の吸収を示す。図2に示すグラフにおいて、横軸がテラヘルツ波の周波数を示し、縦軸が透過率(吸収率)を示す。図2に示すように、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいて、吸収のピークが二つ存在していることが確認できた。
【0043】
なお、本発明者は、図1の測定で用いたネフライトと、図2の測定で用いたネフライトとは、X線解析の結果、同じ結晶構造を持つことを確認している。したがって、ネフライトの採掘場所によっては、吸収するテラヘルツの波長帯は異なる可能性があるが、少なくとも、本発明において、テラヘルツ波を吸収するネフライトを用いればよく、さらに、少なくとも二つのピークでテラヘルツ波を吸収するネフライトを用いればよいことが確認できた。
【0044】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、機能性繊維製品として、産業上利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ波を吸収するネフライトの粉末を含有することを特徴とする機能性繊維製品。
【請求項2】
前記ネフライトは、テラヘルツ波帯において、少なくとも2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収することを特徴とする、請求項1に記載の機能性繊維製品。
【請求項3】
前記ネフライトは、周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を吸収する、又は、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいてピークを有するテラヘルツ波を吸収することを特徴とする、請求項2に記載の機能性繊維製品。
【請求項4】
前記ネフライトの粉末は、平均粒径100μm以下0.1μm以上の粒子であることを特徴する、請求項1〜3のいずれかに記載の機能性繊維製品。
【請求項5】
前記ネフライトの粉末は、紡糸工程において繊維に練り込まれていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の機能性繊維製品。
【請求項6】
前記ネフライトの粉末は、平均粒径1μm以下0.1μm以上の粒子であることを特徴とする、請求項5に記載の機能性繊維製品。
【請求項7】
前記ネフライトの粉末の練り込み率は、30wt%以下であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の機能性繊維製品。
【請求項8】
前記ネフライトの粉末は、布地の表面に固着していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の機能性繊維製品。
【請求項9】
前記ネフライトの粉末は、シルク印刷によって、前記布地に固着していることを特徴とする、請求項8に記載の機能性繊維製品。
【請求項10】
前記ネフライトの粉末は、平均粒径2μm以下0.1μm以上の粒子であることを特徴とする、請求項9に記載の機能性繊維製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−12753(P2012−12753A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207616(P2010−207616)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り ホームページのアドレス http://www.thz−tec.com/ http://www.thz−tec.com/business.html http://www.thz−tec.com/business−1.html http://www.thz−tec.com/business−2.html http://www.thz−tec.com/business−3.html http://www.thz−tec.com/business−4.html http://www.thz−tec.com/teraheltz.html http://www.thz−tec.com/kennenseki.html http://www.thz−tec.com/collabo.html 掲載日 平成22年3月20日
【出願人】(510146469)
【Fターム(参考)】