説明

機能液製造装置

【課題】多種類の機能液を製造できる機能液製造装置を提供する。
【解決手段】任意の原液2が貯留される原液貯留部3を設ける。また、原液2中に溶解可能な複数のガスを発生できるガス発生部4を設ける。さらに、渦流ポンプ5を備え機能液6を生成する溶解部7を設ける。溶解部7の渦流ポンプ5は、原液貯留部3の原液2を吸込むとともにその際に発生する負圧によってガス発生部4で発生した複数のガスの中から選択されたガスを吸込む。そして、渦流ポンプ5内では、原液2に渦流が生じ原液2にガスを加圧混合溶解して機能液6を生成する。なお、原液貯留部3の原液2およびガス発生部4で発生するガスは任意で選択でき、これら原液2およびガスを任意で選択することで、多種類の機能液6を製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原液にガスを溶解して機能液を生成する機能液製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば酸素水や水素水等の多くの機能液が生活に取入れられ始めている。
【0003】
水に溶けた状態で酸素を摂取すると体内に酸素が吸収し易いと言われ、水中の酸素濃度が高い酸素水は、例えば飲料用等に用いられることで、例えば運動時の疲労回復や運動機能回復、新陳代謝の促進に伴う老化抑制や健康増進等が期待されている。
【0004】
酸素水を生成する装置としては、大気中の空気を圧縮し、この圧縮された空気から酸素を分離し、この分離された酸素が接触膜を介して水に溶解されて酸素水を生成する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、水素を摂取すると水素により活性酸素を消滅させる効果があると言われ、水中の水素濃度が高い水素水は、例えば飲料用、調理用、入浴用等に用いられることで、老化防止や健康増進等が期待されている。
【0006】
水素水を製造する装置としては、電解槽で水を電気分解して発生させた水素ガスと浴槽内の浴水とを気液混合タンクに供給し、この気液混合タンク内で前記水素ガスが前記浴水に溶解されて水素水を生成する。この際、前記浴水を前記気液混合タンクに供給する吸込管を前記電解槽の周囲に巻き付かせ、前記電解槽の電解液を加温することで、前記電解槽での電気分解の効率の向上させた装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
このように、例えば酸素水や水素水等の様々な種類の機能液があり、これらの機能液は使用者の様々な目的に応じて使用されている。
【特許文献1】特開2007−21472号公報(第3−9頁、図1)
【特許文献1】特開2006−150188号公報(第3−9頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような特許文献1の酸素水製造装置や特許文献2の水素水製造装置等では、それぞれ一種類の機能液は製造できるものの、多種類の機能液は製造できない。
【0009】
そして、多種類の機能液が製造でき、使用者の様々な目的に対応できる機能液製造装置はなかった。
【0010】
したがって、例えばスポーツジム等の施設で、使用者の様々な目的に対応するには、例えば酸素水や水素水等の機能液を生成する装置をそれぞれ設置しなければならない問題があった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、多種類の機能液を製造できる機能液製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された発明は、任意の原液が貯留される原液貯留部と、前記原液中に溶解可能な複数のガスを発生できるガス発生部と、前記原液を吸込むとともにその際に発生する負圧によって前記ガス発生部で発生した複数のガスの中から選択されたガスを吸込む渦流ポンプにより、前記原液中に前記ガスを加圧混合溶解させ機能液を生成して吐出する溶解部とを具備したものである。
【0013】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された機能液製造装置において、ガス発生部は、水を電気分解させて酸素およびオゾンの混合ガスと水素ガスとを発生させるものであり、前記ガス発生部の前記混合ガスの発生側と溶解部との間に設けられ、前記混合ガスを取込みこの混合ガスのオゾンを分解して酸素ガスのみを供給するオゾン分解器を具備したものである。
【0014】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2に記載された機能液製造装置において、原液貯留部には、原液を冷却する冷却装置が設けられたものである。
【0015】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された機能液製造装置において、溶解部の吐出側と原液貯留部との間に接続され、前記原液貯留部と前記溶解部との間で機能液を循環させる循環用流路を具備したものである。
【0016】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された機能液製造装置において、原液貯留部には、原液を脱気する脱気装置が設けられたものである。
【0017】
請求項6に記載された発明は、請求項4に記載された機能液製造装置において、ガス発生部は、オゾンガスを発生させるものであり、溶解部は、原液中に前記オゾンガスを溶解させて生成したオゾン洗浄液を原液貯留部との間で循環させるものである。
【0018】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載された機能液製造装置において、溶解部の吐出側と原液貯留部との間に接続された循環用流路中には、オゾン洗浄液を取込み、オゾンガスを分解するオゾン分解器が設けられたものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、原液貯留部の原液およびガス発生部から発生される複数のガスを任意に選択して、溶解部の渦流ポンプによって効率よく原液中にガスを溶解させることによって、多種類の機能液を製造できる。
【0020】
請求項2に記載された発明によれば、オゾン分解器を具備することで、水の電気分解で発生した酸素およびオゾンの混合ガスから、オゾンを分解して、酸素ガスのみを溶解部に供給できる。
【0021】
請求項3に記載された発明によれば、冷却装置によって原液を冷却することで、この原液にガス発生部で発生させたガスを溶解し易くでき、溶解部の渦流ポンプにおける溶解効率を向上できる。
【0022】
請求項4に記載された発明によれば、原液貯留部と溶解部との間に循環用流路を具備することで、機能液を前記原液貯留部と前記溶解部との間で循環させ、渦流ポンプで繰返しガスを溶解できるので、高濃度の機能液を生成できる。
【0023】
請求項5に記載された発明によれば、脱気装置が設けられて原液を脱気することで、この原液にガス発生部で発生されるガスを溶解し易くでき、溶解部の渦流ポンプにおける溶解効率を向上できる。
【0024】
請求項6に記載された発明によれば、水を電気分解してオゾンガスを発生させて、原液中に前記オゾンガスを溶解させてオゾン洗浄液を生成し、このオゾン洗浄液を循環させることで、機能液製造装置内の洗浄および除菌ができる。
【0025】
請求項7に記載された発明によれば、循環用流路中にオゾン分解器が設けられたことで、オゾン洗浄液のオゾンを分解してから外部へ排出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を図1または図2を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1に示されるように、機能液製造装置1は、任意の原液2が貯留される原液貯留部3と、原液2中に溶解可能な複数のガスを発生できるガス発生部4と、渦流ポンプ5によって、原液2中にガスを加圧混合溶解させ機能液6を生成して吐出する溶解部7とを具備している。
【0028】
原液貯留部3は、タンク8が設けられ、例えば飲料水、スポーツ飲料、水道水等の原液2を任意に貯留できる。
【0029】
そして、原液貯留部3と溶解部7とは、原液流路9によって接続され、溶解部7の渦流ポンプ5によって原液貯留部3のタンク8から原液2が吸込まれる。
【0030】
原液貯留部3のタンク8の形状や大きさは限定されず、例えばペットボトル等に対応可能な形状にすると、市販されている飲料を原液2としてタンク8へ貯留できる。
【0031】
また、原液貯留部3には、必要に応じて原液2を冷却する冷却装置10が設けられる。
【0032】
原液2中にガスを溶解する際には、その溶解度は温度と圧力とに影響され、温度が低い程溶解し易く、また圧力が高い程溶解し易い。
【0033】
したがって、原液貯留部3に、原液2を冷却する冷却装置10が設けられることで、冷却装置10によって原液2が冷却されて、原液2中にガスを溶解し易くなり、溶解部7の渦流ポンプ5における溶解効率を向上できるので好ましい。
【0034】
なお、冷却装置10の種類や形状は限定されず、また、冷却装置10は必要に応じて設けるものであり、冷却装置10を設けない場合もある。
【0035】
ガス発生部4は、電解セル12が設けられて、例えば純水や食塩水等の電気分解用液体13を電気分解することで、例えば水素、酸素、オゾン、塩素等の複数のガスを発生できる。
【0036】
なお、電解セル12で電気分解する電気分解用液体13や電解セル12に用いられる電極は限定されず、発生させるガスによって適宜選択できる。
【0037】
ここで、ガスを発生させる手段は限定されないが、電解セル12による電気分解用液体13の電気分解によってガスを発生させると、電気分解に用いる電気分解用液体13および電極を替えることにより異なるガスを発生でき、例えばガスが貯蔵された圧力タンク等を何本も用意する必要がなく、省スペース化できるので好ましい。
【0038】
また、電解セル12にイオン交換膜を設けることで、電極の陽極と陰極とがイオン交換膜によって仕切ることができ、発生するガスが混じることがなく、純度の高いガスを発生できるので好ましい。
【0039】
電気分解によってガスを発生させる場合は、電極の陽極側および陰極側からそれぞれガスが発生するので、ガス発生部4と溶解部7との間には、電解セル12の陽極側と溶解部7とを接続する陽極ガス流路14および電解セル12の陰極側と溶解部7とを接続する陰極ガス流路15が設けられている。
【0040】
さらに、陽極ガス流路14および陰極ガス流路15には、原液2中に溶解するガスを選択できるように、開閉操作手段としてのバルブ16およびバルブ17が設けられている。
【0041】
ここで、開閉操作手段はバルブに限定されず、流路の開閉を操作できるものであればよい。
【0042】
そして、溶解部7の渦流ポンプ5が原液2を吸込むとともにその際に発生する負圧によって、バルブ16が開放され陽極側から発生したガスが渦流ポンプ5に吸込まれる。
【0043】
また、ガス発生部4と溶解部7との間の流路には、陽極ガス流路14と陰極ガス流路15とは別に、大気取込み用のバルブ18が設けられ、必要に応じて溶解部7の渦流ポンプ5に大気を取込むことができる。
【0044】
なお、図1では、陽極側から酸素およびオゾンの混合気体を発生させ、陰極側から水素ガスを発生させているが、発生させるガスは限定されず、目的に応じて発生できる。
【0045】
また、陽極ガス流路14のバルブ16が開放され、陰極ガス流路15のバルブ17が閉鎖されているが、目的に応じてどちらを開放または閉鎖してもよい。
【0046】
ガス発生部4で電気分解用液体としての純水13を電気分解し、酸素およびオゾンの混合ガスと水素ガスとを発生させる場合、ガス発生部4の酸素およびオゾンの混合ガス発生側と溶解部7との間の陽極ガス流路14にはオゾン分解器19が設けられる。このオゾン分解器19が設けられることで、水の電気分解によって発生した酸素およびオゾンの混合ガスから、オゾンを分解して、酸素ガスのみ供給できるので好ましい。
【0047】
オゾン分解器19の種類や形状は限定されず、例えば加熱や紫外線の照射等によりオゾンを分解する構造のオゾン分解器19が設けられる。
【0048】
なお、オゾン分解器19には、分解作用のオン・オフが切り替え可能なものを用いることで、酸素およびオゾンの混合ガスの供給とオゾンを分解させた酸素ガスのみの供給とを選択できるので好ましい。
【0049】
また、オゾン分解器19は必要に応じて設けられるものであり、設けられない場合もある。
【0050】
溶解部7は、原液2を吸込むとともにその際に発生する負圧によって複数のガスの中から選択されたガスを吸込む渦流ポンプ5により、原液2中にガスを加圧混合溶解させ機能液6を生成して吐出する。
【0051】
また、溶解部7の吐出側には機能液供給手段としてのバルブ20が設けられ、このバルブ20から機能液6が供給される。
【0052】
この溶解部7に設けられた渦流ポンプ5は、図2に示されるように、ポンプ本体21内に、外周縁に沿って径方向の小羽根22および羽根溝23が交互に形成された羽根車24が、回転軸25により回転可能に設けられている。
【0053】
また、この羽根車24に沿ってポンプ本体21内に環状に昇圧通路26が形成され、この昇圧通路26の一端に位置する入口部27と、昇圧通路26の他端に位置する出口部28とが、隔離部29を介して配置されている。
【0054】
昇圧通路26の入口部27には、羽根車24の回転により原液貯留部3のタンク8内から原液2を吸込む液吸込口30が連通され、昇圧通路26の出口部28には、羽根車24の回転によりポンプ本体21内で昇圧された液体を外部へ吐出する液吐出口31が連通される。
【0055】
また、液吸込口30には原液2を吸込むことによる負圧によってガス発生部4からガスをポンプ本体21内に吸込むガス吸込管32が挿入され、このガス吸込管32の先端は入口部27にて開口されている。
【0056】
この渦流ポンプ5は、外部に設けられた図示しないモータによって、羽根車24の中心に嵌着された回転軸25が回動すると、羽根車24の小羽根22および羽根溝23が、羽根車24と同心円の昇圧通路26内を回転する。
【0057】
そして、原液貯留部3のタンク8からポンプ本体21の液吸込口30に吸込まれた原液2は、羽根車24とともに昇圧通路26を移動しながら、羽根車24の各羽根溝23内と昇圧通路26との間で渦流となり、原液2に渦流が生じてガス吸込管32から吸込まれるガスを加圧混合溶解し、機能液6が生成される。
【0058】
このような機能液6の生成が各羽根溝23で同時に行われながら昇圧通路26内を進み、昇圧通路26を進むにつれて昇圧されて、液吐出口31から機能液6が吐出される。
【0059】
次に、上記第1の実施の形態の作用および効果を説明する。
【0060】
機能液製造装置1は、ガス発生部4と原液貯留部3と溶解部7とを具備し、機能液6の生成に際しては、原液貯留部3に貯留された原液2が、溶解部7に設けられた渦流ポンプ5によって吸込まれ、この原液2が吸込まれた際の負圧によって、ガス発生部4で発生された複数のガスの中から選択されたガスが渦流ポンプ5に吸込まれ、渦流ポンプ5のポンプ本体21内で、原液2中にガスが加圧混合溶解され機能液6が生成されて吐出される。
【0061】
そして、溶解部7に設けられたバルブ20によって機能液6が供給される。
【0062】
このような、機能液製造装置1では、原液貯留部3の原液2およびガス発生部4から発生される複数のガスを任意に選択して、溶解部7に渦流ポンプによって効率よく原液2中にガスを溶解させることによって、例えば酸素水、水素水、オゾン水等の多種類の機能液6を製造できる。
【0063】
また、ガス発生部4に電解セル12を設け、電解セル12による電気分解用液体13の電気分解によってガスを発生させると、電解セル12の電気分解用液体13および電極を替えることにより異なるガスを発生でき、例えばガスを貯蔵する圧力タンク等を何本も用意する必要がなく、省スペース化できる。
【0064】
溶解部7に渦流ポンプ5が設けられることで、渦流ポンプ5が原液2を吸込むとともにその際に発生する負圧によってガスを吸込むことができるので、ガス用の吸込み装置が必要ない。
【0065】
また、渦流ポンプ5のポンプ本体21内では、吸込まれた原液2に渦流が生じ、ガスを加圧混合溶解するので、効率よく原液2中にガスを溶解できる。
【0066】
ガス発生部4で、水を電気分解し、酸素およびオゾンの混合ガスと水素ガスとを発生させる場合に、ガス発生部4における酸素およびオゾンの混合ガスの発生側と溶解部7との間の陽極ガス流路14にオゾン分解器19を設けることで、酸素およびオゾンの混合ガスから、オゾンを分解して、酸素ガスのみを溶解部7に供給できる。
【0067】
原液2を貯留する原液貯留部3に冷却装置10が設けられたことで、冷却装置10によって原液2を冷却して、原液2中にガス発生部4で発生されるガスを溶解し易くでき、溶解部7の渦流ポンプ5における溶解効率を向上できるので、より高濃度な機能液6を生成できる。
【0068】
そして、他の構成および作用は、前記図1の実施の形態と同一である。
【0069】
次に、第2の実施の形態を図3を参照して説明する。なお、上記の実施の形態と同一の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0070】
図3に示されるように、原液貯留部3には、原液2を貯留するタンク8が二基設けられており、これら二基のタンク8には異なる原液2が貯留される。
【0071】
また、タンク8それぞれと溶解部7との間には原液流路9が設けられ、原液流路9それぞれにはバルブ16が設けられて溶解部7に吸込まれる原液2を選択できるようになっている。
【0072】
このように、原液貯留部3に二基のタンク8が設けられたことで、これら二基のタンク8から選択的に原液2を溶解部7の渦流ポンプ5に吸込ませることができ、一種類のガスから二種類の機能液6を選択的に生成できる。
【0073】
なお、この実施の形態では、原液貯留部3に二基のタンク8が設けられているが、二基に限定されず、複数であれば同様の効果が得られる。
【0074】
そして、他の構成および作用は、前記図1の実施の形態と同一である。
【0075】
次に、第3の実施の形態を図4を参照して説明する。なお、上記の実施の形態と同一の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図4に示されるように、溶解部7の吐出側と原液貯留部3との間には、原液貯留部3と溶解部7との間で機能液6を循環させる循環用流路33が設けられている。
【0077】
このように、循環用流路33が設けられることで、バルブ20を閉鎖し機能液6を原液貯留部3と溶解部7との間で循環させて、渦流ポンプ5によって機能液6にガスを繰返し溶解できるので、より高濃度の機能液6を生成できる。
【0078】
また、循環させた機能液6を再び原液貯留部3のタンク8に貯留できるので、高濃度の機能液6をいつでも供給できる。
【0079】
なお、循環用流路33にはバルブ34が設けられており、機能液6を循環させる必要がない場合は、バルブ34を閉鎖する。
【0080】
さらに、図示しないが原液貯留部3に複数のタンク8が設けられ、溶解部7の吐出側と複数のタンク8それぞれとの間に循環用流路33が設けられると、複数のタンク8それぞれと溶解部7との間で機能液6を循環でき、この循環させた機能液6をそれぞれのタンク8に貯留できる。
【0081】
そして、他の構成および作用は、前記図1の実施の形態と同一である。
【0082】
次に、第4の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記の実施の形態と同一の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】
図5に示されるように、原液貯留部3には、原液2を脱気する脱気装置35が設けられている。
【0084】
図5では、原液貯留部3にタンク8とは別体のタンク36を設け、これらタンク8とタンク36との間を脱気流路37で接続し、この脱気流路37中に脱気装置35を設けてられ、タンク36からタンク8へ原液2を供給しながら原液2が脱気される。
【0085】
なお、脱気装置35は、原液2を脱気できるものであれば、その種類や形状や構成は限定されず、例えば加熱器等が設けられて原液2を脱気する構成が考えられる。
【0086】
このように、原液貯留部3に原液2を脱気する脱気装置35が設けられたことで、原液2を沸点近傍まで加熱し、原液2中に含まれる気体を取除き、原液2中にガス発生部4で発生されるガスを溶解し易くでき、溶解部7の渦流ポンプ5における溶解効率を向上できるので、より高濃度な機能液6を生成できる。
【0087】
そして、他の構成および作用は、前記図1の実施の形態と同一である。
【0088】
次に、第5の実施の形態を図6または図7を参照して説明する。なお、上記の実施の形態と同一の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0089】
図6に示されるように、原液貯留部3に原液として例えば水道水等の水2を貯留させ、ガス発生部4で電気分解用液体として純水13を電気分解して酸素およびオゾンの混合ガスと水素ガスとを発生させ、陽極ガス流路14のバルブ16を開放し、陰極ガス流路15のバルブ17を閉鎖して、溶解部7によって水2中に酸素およびオゾンの混合ガスを溶解させると、機能液としてオゾン洗浄液6を生成できる。
【0090】
さらに、溶解部7の吐出側と原液貯留部3との間に循環用流路33を設け、オゾン洗浄液6を原液貯留部3と溶解部7との間で循環させることで、機能液製造装置1内の洗浄および除菌ができる。
【0091】
したがって、この機能液製造装置1は、機能液としてオゾン洗浄液6を生成でき、さらに、このオゾン洗浄液6によって機能液製造装置1内を洗浄および除菌できるので衛生的に良好である。
【0092】
また、図7(a)は機能液製造装置1内のオゾン洗浄後にオゾン洗浄液6のオゾンを分解している状態を示すが、原液貯留部3と溶解部7との間の循環用流路33中にオゾン分解器39が設けられ、このオゾン分解器39によってオゾン洗浄後のオゾン洗浄液6からオゾンが分解される。
【0093】
オゾン洗浄液6からオゾンを分解する際には、ガス発生部4と溶解部7との間の陽極ガス流路14のバルブ16および陰極ガス流路15のバルブ17を閉鎖し、オゾン分解器39を起動させる。
【0094】
そして、オゾン洗浄後のオゾン洗浄液6を原液貯留部3と溶解部7との間で循環させながら、オゾン分解器39によりオゾンを分解する。
【0095】
なお、オゾン分解器39はオゾン分解器19と同様に、その種類や形状は限定されず、また、分解作用のオン・オフが切り替え可能なもの用いることが好ましい。
【0096】
さらに、図7の(b)は、オゾン洗浄液6のオゾン分解後の排出状態を示すが、オゾン洗浄液6からオゾンを分解した後は、循環用流路33に設けられたバルブ34を閉鎖し、溶解部7の渦流ポンプ5によって原液貯留部3からオゾン分解後のオゾン洗浄液6を吸込み排出手段としてのバルブ40から排出される。
【0097】
このように排出することで、オゾン洗浄液6からオゾンを分解し、水およびその他の残留物として外部へ排出できるので好ましい。
【0098】
そして、他の構成および作用は、前記図1の実施の形態と同一である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能液製造装置を示す配管図である。
【図2】同上機能液製造装置における渦流ポンプの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の機能液製造装置を示す配管図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の機能液製造装置を示す配管図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の機能液製造装置を示す配管図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の機能液製造装置を示す配管図である。
【図7】(a)(b)は、同上機能液製造装置のオゾン洗浄後を示す配管図である。
【符号の説明】
【0100】
1 機能液製造装置
2 原液
3 原液貯留部
4 ガス発生部
5 渦流ポンプ
6 機能液
7 溶解部
10 冷却装置
19 オゾン分解器
33 循環用流路
35 脱気装置
39 オゾン分解器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の原液が貯留される原液貯留部と、
前記原液中に溶解可能な複数のガスを発生できるガス発生部と、
前記原液を吸込むとともにその際に発生する負圧によって前記ガス発生部で発生した複数のガスの中から選択されたガスを吸込む渦流ポンプにより、前記原液中に前記ガスを加圧混合溶解させ機能液を生成して吐出する溶解部と
を具備したことを特徴とする機能液製造装置。
【請求項2】
ガス発生部は、水を電気分解させて酸素およびオゾンの混合ガスと水素ガスとを発生させるものであり、
前記ガス発生部の前記混合ガスの発生側と溶解部との間に設けられ、前記混合ガスを取込みこの混合ガスのオゾンを分解して酸素ガスのみを供給するオゾン分解器
を具備したことを特徴とする請求項1記載の機能液製造装置。
【請求項3】
原液貯留部には、原液を冷却する冷却装置が設けられた
ことを特徴とする請求項1または2記載の機能液製造装置。
【請求項4】
溶解部の吐出側と原液貯留部との間に接続され、前記原液貯留部と前記溶解部との間で機能液を循環させる循環用流路
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の機能液製造装置。
【請求項5】
原液貯留部には、原液を脱気する脱気装置が設けられた
ことを特徴とした請求項1乃至4のいずれか記載の機能液製造装置。
【請求項6】
ガス発生部は、オゾンガスを発生させるものであり、
溶解部は、原液中に前記オゾンガスを溶解させて生成したオゾン洗浄液を原液貯留部との間で循環させるものである
ことを特徴とした請求項4記載の機能液製造装置。
【請求項7】
溶解部の吐出側と原液貯留部との間に接続された循環用流路中には、オゾン洗浄液を取込み、オゾンガスを分解するオゾン分解器が設けられた
ことを特徴とした請求項6記載の機能液製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−61379(P2009−61379A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230568(P2007−230568)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000226002)株式会社ニクニ (25)
【Fターム(参考)】