機能選択式空調コントロール装置における表示方法
【課題】機能選択式空調コントロール装置の表示方法において、選択された機能がなにであるかと、その機能に関する調節の状態がどのようであるかを分かりやすくすることである。
【解決手段】空調コントロール装置10は、空調機能を選択するプッシュノブ30と、選択された空調機能の空調調節を行うダイヤルノブ50を含む操作部11と、液晶表示部70を含んで構成される。プッシュノブ30の頭部には、プッシュマーク34、機能マーク36,38,40、選択方向マーク42,44,46が設けられる。液晶表示部70には、温度設定表示ブロック82、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84、風量設定表示ブロック86が区別して設けられる。プッシュノブ30によって選択され、ダイヤルノブ50によって調節される様子は、対応する表示ブロックを枠線で囲む表示方法によって示される。
【解決手段】空調コントロール装置10は、空調機能を選択するプッシュノブ30と、選択された空調機能の空調調節を行うダイヤルノブ50を含む操作部11と、液晶表示部70を含んで構成される。プッシュノブ30の頭部には、プッシュマーク34、機能マーク36,38,40、選択方向マーク42,44,46が設けられる。液晶表示部70には、温度設定表示ブロック82、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84、風量設定表示ブロック86が区別して設けられる。プッシュノブ30によって選択され、ダイヤルノブ50によって調節される様子は、対応する表示ブロックを枠線で囲む表示方法によって示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能選択式空調コントロール装置における表示方法に係り、特に、ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の選択と、選択された空調機能について空調調節設定とを行う機能選択式空調コントロール装置における表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室内の空調は、温度調節、風量調節、内外エア吹き出し切り替え等が行われるが、その調節のために、コントロールパネルあるいはヒータコントローラと呼ばれる空調コントロール装置の操作盤が車室内に設けられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両用のコントロールパネルとして、車両のインストルメントパネルの運転席と助手席の間の部分に配置され、エアコンディショナのオン・オフ、モード切り替えスイッチ、内外気切り替えスイッチなど多くの操作子が配置されていると述べられている。ここでは、2つのコンビネーションダイヤルに分け、第1のコンビネーションダイヤルは、内側ダイヤルが風量切り替えるブロワダイヤルで、外側ダイヤルがエアの吹き出し口を選択する吹き出し口切り替えダイヤルである。第2コンビネーションダイヤルは、内側ダイヤルが車外からの空気を取り入れるかどうかを選択する内外気切り替えダイヤルで、外側ダイヤルが目標温度を設定する温度設定ダイヤルであることが開示されている。
【0004】
そして、これらのコンビネーションダイヤルのそれぞれにおいて、内側ダイヤルの周囲で外側ダイヤルに覆われる部分には、内側ダイヤルの制御項目の動作状態にかかるマークを表示する表示板が設けられ、外側ダイヤルは透明材料で構成されてこれらの表示板のマークが正面から視認できるようになっている。また外側ダイヤルの周囲の部分には外側ダイヤルの制御項目の動作状態にかかるマークが表示されることが開示されている。
【0005】
また、最近では、図1に示すような機能選択式ヒータコントローラが用いられるようになった。図1のヒータコントローラ100は、操作スイッチ装置102と液晶表示部104とを含んで構成される。操作スイッチ装置102は、内周側に3つの押しボタン式のスイッチ106,108,110が設けられ、外周側にダイヤル112が設けられる。液晶表示部104には、温度設定と吹き出し切り替え設定と風量設定が表示される。
【0006】
スイッチ106を押すと、そのスイッチの部分にインジケータランプが点灯し、温度調節ができることが示される。その状態でダイヤル112を回転させると、その回転に応じて液晶表示部104の温度設定の数字が変化する。ユーザは、その温度設定の数字を見ながら所望の温度のところまでダイヤル112を回転することで、所望の温度設定を行うことができる。
【0007】
スイッチ108を押すと、そのスイッチの部分にインジケータランプが点灯し、エアの吹き出しモードの切り替えができることが示される。その状態でダイヤル112を回転させると、その回転に応じて、液晶表示部104の吹き出し切り替え設定の表示が、足元吹き出しの表示か、正面吹き出しの表示かで切り替わる。ユーザは、その表示切り替えを見ながら所望のエア吹き出しのところまでダイヤル112を回転することで、所望のエア吹き出し切り替え設定を行うことができる。
【0008】
スイッチ110を押すと、そのスイッチの部分にインジケータランプが点灯し、風量調節ができることが示される。その状態でダイヤル112を回転させると、その回転に応じて、液晶表示部104の風量設定の棒グラフが変化する。ユーザは、その風量を示す棒グラフを見ながら、所望の風量のところまでダイヤル112を回転することで、所望の風量設定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−236136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
車室内の空調調節については、多様な設定が考えられるので、操作盤の構成が複雑になりがちである。図1の機能選択式ヒータコントローラでは、機能選択のために3つの単独のスイッチを用い、機能選択位置が分かるようにそれぞれにインジケータランプを設けている。また、空調調節には、液晶表示部を見ながらダイヤルを回して調節を行う。このように、選択された機能が何かを見ることになるインジケータランプと、調節を行うときに見ることになる液晶表示部が別個で離れている。そのために操作が分かりにくいことが生じる。
【0011】
本発明の目的は、選択された機能が何であるかと、その機能に関する調節の状態がどのようであるかが分かりやすい機能選択式空調コントロール装置における表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る機能選択式空調コントロール装置における表示方法は、ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の内の1つを選択するプッシュボタンを操作する手順と、プッシュボタンによって選択された空調機能について、その空調調節の設定を行うダイヤルを操作する手順と、複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用い、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示する手順と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、表示部に表示する手順は、区別表示方法として、複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、プッシュボタンを操作する手順は、プッシュ操作ごとに複数の空調機能を順次選択する順次選択型スイッチであるプッシュボタンを操作することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記構成により、機能選択式空調コントロール装置における表示方法は、プッシュボタンによって複数の空調機能の内の1つを選択し、ダイヤルによって選択された空調機能についての空調調節の設定を行う。そして、複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用いて表示する。そして、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示する。
【0016】
このように、表示部に、選択された機能が何であるかの区別表示と、その機能に関する調節の状態がどのようであるかの設定内容表示を集中させたので、ユーザは、表示部のみを見て、所望の空調設定を行うことができる。したがって、ユーザにとって分かりやすく、また操作しやすいものとなる。
【0017】
また、表示部において、区別表示方法として、複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯する。このようにすることで、ユーザは、1つしか表示されていない表示ブロックを見て、所望の空調設定を行うことができる。したがって、ユーザにとって一層分かりやすく、また一層操作しやすいものとなる。
【0018】
また、プッシュ操作ごとに複数の空調機能を順次選択する順次選択型スイッチであるプッシュボタンを用いる。したがって、ユーザは、表示部を見ながら、単にプッシュボタンについて押し戻しを繰り返すだけで、所望の空調機能を選択できる。これにより、分かりやすく、また操作しやすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術の機能選択式ヒータコントローラを説明する図である。
【図2】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置の外観図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図2のB−B線における断面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置のプッシュボタンとダイヤルの部分の外観図である。
【図6】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置において、温度調節を行うときの区別表示方法の様子を説明する図である。
【図7】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置について、エアの吹き出し切り替えを行うときの区別表示方法の様子を説明する図である。
【図8】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置について、風量調節を行うときの区別表示方法の様子を説明する図である。
【図9】図6とは別の区別表示方法を説明する図である。
【図10】図7とは別の区別表示方法を説明する図である。
【図11】図8とは別の区別表示方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、表示方法の対象として、車両搭載用の機能選択式空調コントロール装置を説明するが、車両搭載用でなくても、複数の空調機能を選択して、それぞれについて空調調節の設定を行うものであればよい。例えば、個室内空調調節用等であってもよい。また、以下では、選択できる空調機能の数を3として説明するが、これは説明のための例示であって、これ以上の数の空調機能を選択するものであってもよい。また、空調機能として、温度調節、エアの吹き出し切り替え、風量調節を説明するが、これらは説明のための例示であって、これら以外の空調機能の設定に関するものであってもよい。例えば、エアの室内循環と外気取り入れの切り替え等であってもよい。また、表示部として、液晶表示パネルを説明するが、これ以外の表示装置であってもよい。例えば、LED表示装置等であってもよい。
【0021】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0022】
図2は、車両に搭載される機能選択式空調コントロール装置10の外観図である。以下では、機能選択式空調コントロール装置10を、単に空調コントロール装置10として説明を続けるものとする。空調コントロール装置10は、車室内の空調状態をユーザが調節するために設けられる空調調節盤である。具体的には、ヒータ、ファン、エア吹き出し切り替え板等の動作状態を変更するための調節盤である。
【0023】
空調コントロール装置10は、パネル12に取り付けられた操作部11と液晶表示部70を含んで構成される。操作部11は、内径側に設けられる押しボタン式のプッシュノブ30と、プッシュノブ30の外周側に設けられる回転操作式のダイヤルノブ50を含んで構成される。図3は、図2のA−A線における断面図、図4は、図2のB−B線における断面図である。
【0024】
図3、図4に示されるように、空調コントロール装置10は、正面側に配置されるパネル12と、裏面側に配置されるケース14を組み合わせて、全体の筐体部を構成する。この全体の筐体部が、車両のインストルメントパネルの一部として、車両の運転席と助手席の間の部分に配置される。パネル12は、適当な樹脂成形によって所望の形状としたものを用いることができる。ケース14は、プラスチック、金属等を用いて、所望の形状に成形したものを用いることができる。
【0025】
空調コントロール装置10の筐体部以外の構成要素は、ハウジングサブアセンブリ20と、基板サブアセンブリ60とに大別できる。ハウジングサブアセンブリ20は、ハウジング22を中心として、プッシュノブリテーナ24、ダイヤルノブリテーナ26、プッシュノブ30、ダイヤルノブ50を組み付けたサブ組立体である。基板サブアセンブリ60は、基板62を中心として、タクトスイッチ64、ダイヤル用スイッチ66(図4参照)、液晶表示部70を組み付けたサブ組立体である。液晶表示部70は、液晶パネル72、液晶パネルホルダ74、表示板76を含んで構成される。
【0026】
ハウジング22は、基板62とパネル12と組み合わされて固定される部品で、プッシュノブリテーナ24を介してプッシュノブ30を押し戻しするときの案内機能を有し、また、ダイヤルノブリテーナ26を介してダイヤルノブ50を回転するときの案内機能を有する。ハウジング22は、適当な樹脂材料を用いて、所望の形状に成形したものを用いることができる。
【0027】
プッシュノブ30は、タクトスイッチ64の操作子を押すプッシュボタン、つまり、押しボタンである。プッシュノブ30は、一回タクトスイッチ64を押すと、元の位置に復帰する。つまり押し戻しを行うボタンである。元の位置に復帰するのは、図示されていない復帰バネの復元力による。タクトスイッチ64に内蔵する復帰ばねの復元力が十分大きい場合は、これを利用してもよく、その場合には特別な復帰ばねを設ける必要がない。
【0028】
プッシュノブ30の頭部は、ユーザが押し操作を行う操作部に相当するが、比較的広い押し面積とされる。この頭部の広い押し面積を利用して、複数の空調機能の種類を表示する表示板が設けられる。表示板の詳細については、図5を用いて後述する。
【0029】
タクトスイッチ64は、基板62に取り付けられ、操作子が押されることでオン信号を出力し、操作子が押されることがなくなると、内蔵する復帰ばねの復元力によって元の状態に戻ってオフ状態となるスイッチである。タクトスイッチ64は、適当な信号線を用いて、図示されていないが、基板62に搭載される表示部制御回路に接続される。もっとも、表示部制御回路を、空調コントロール装置10の外部の制御部の機能としてもよい。
【0030】
図示されていない表示部制御回路は、タクトスイッチ64から出力されるオン信号の回数を監視し、その回数に応じて、液晶表示部70の表示を切り換える。具体的には、初期状態から最初にタクトスイッチ64がオンとなると、温度設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。次にタクトスイッチ64がオンとなると、エア吹き出し切り替え設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。なお、次にタクトスイッチがオンとは、初期状態から数えて2度目のオンのことである。さらに次にタクトスイッチ64がオンとなると、風量設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。なお、さらに次にタクトスイッチがオンとは、初期状態から数えて3度目のオンのことである。もう一度タクトスイッチ64がオンとなると、再び温度設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。
【0031】
このように、表示部制御回路は、タクトスイッチ64のオンの回数に応じ、温度設定−エア吹き出し切り替え設定−風量設定−温度設定−・・・のように、循環させながら、液晶表示部70の表示切り替えを制御する。
【0032】
プッシュノブリテーナ24は、プッシュノブ30の内周側を支持し、ハウジング22に設けられたレールをスライドする円筒状部材である。プッシュノブ30が押されると、プッシュノブリテーナ24を介してレールをスライドすることで、タクトスイッチ64の操作子を押し下げる。これにより、タクトスイッチ64がオンする。
【0033】
ダイヤルノブ50は、ダイヤル用スイッチ66をオン・オフさせる回転操作子である。
ダイヤル用スイッチ66は、ダイヤルノブ50の回転角度に応じた信号を出力するスイッチである。回転角度に応じた信号はアナログ信号であってもよいが、数段階の識別で十分な場合はディジタル信号とすることができる。回転角度に応じたディジタル信号を出力するには、複数のスイッチをダイヤルノブ50が回転する円周上に配置し、ダイヤルノブ50の回転角度に応じて、順次オン・オフするものとできる。ダイヤル用スイッチ66は、適当な信号線で、タクトスイッチ64のところで説明した表示部制御回路に接続される。
【0034】
表示部制御回路は、タクトスイッチ64から伝送された信号に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の意味を解釈して、液晶表示部70に、調節設定の表示を行わせる指示を出す。
【0035】
タクトスイッチ64から伝送された信号が、温度設定の機能選択であることを示すものであるときは、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が温度調節に関する情報であると解釈する。そして、予め定めたテーブル等の情報換算関係に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の情報を温度設定データに換算する。例えば、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が10段階で、情報換算関係によれば、各段階が1℃刻みで、18℃から28℃までの範囲に換算されるものとする。ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が5段階目のものであれば、温度設定は22℃であるので、液晶表示部70に温度調節設定として、22℃の表示をするように指示する。
【0036】
タクトスイッチ64から伝送された信号が、エアの吹き出し切り替え設定の機能選択であるときは、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号がエアの吹き出し切り替え調節に関する情報であると解釈する。そして、予め定めたテーブル等の情報換算関係に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の情報を、エアの吹き出し切り替え設定データに換算する。例えば、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が10段階で、情報換算関係によれば、1段階目から3段階目までが足元吹き出しであり、4段階目から6段階目までが正面吹き出しであり、7段階目から10段階目が足元吹き出しと正面吹き出しの併用であると換算されるものとする。ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が8段階目のものであれば、吹き出し切り替え設定は、足元吹き出しと正面吹き出しの併用であるので、液晶表示部70にエアの吹き出し切り替え調節設定として、足元吹き出しと正面吹き出しの併用の表示をするように指示する。
【0037】
タクトスイッチ64から伝送された信号が、風量設定の機能選択であるときは、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が風量調節に関する情報であると解釈する。そして、予め定めたテーブル等の情報換算関係に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の情報を、風量設定データに換算する。例えば、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が10段階で、情報換算関係によれば、1,2段階のときに風量1で、3,4段階のときに風量2で、5,6段階のときに風量3で、7,8段階のときに風量4で、9,10段階のときに風量5に換算されるものとする。ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が4段階目のものであれば、風量設定は、風量2であるので、液晶表示部70に風量調節設定として、風量2の表示をするように指示する。
【0038】
ダイヤルノブリテーナ26は、ダイヤルノブ50の内周側を支持し、ハウジング22上を回転する円筒状部材である。ダイヤルノブ50が回転すると、ダイヤルノブリテーナ26がハウジング22上を回転し、これにより、回転円上に設けられたダイヤル用スイッチ66がオン・オフする。
【0039】
液晶表示部70は、上記のように、液晶パネル72、液晶パネルホルダ74、表示板76を含んで構成される。液晶パネル72は、上記で説明した表示部制御回路に適当な信号線で接続される。液晶パネルホルダ74は、液晶パネル72を基板62に取り付け保持する枠部材である。表示板76は、パネル12に設けられる見切り板で、ユーザは、この表示板76を介して液晶パネル72の表示を見ることになる。以下では、表示板76の表示内容を説明するが、表示板76の表示は、実質的に液晶パネル72の表示と同じである。
【0040】
液晶パネル72は、図1に示されるように、複数の液晶表示セグメントの集合である。各液晶表示セグメントは、液晶分子を挟むように電極が設けられたもので、各液晶表示セグメントの電極にはそれぞれ、表示部制御回路から駆動信号が供給される。駆動信号が供給されないときは、液晶表示セグメントは消灯状態で、駆動信号が供給されると、その液晶表示セグメントが点灯する。ここで、液晶が消灯とは、液晶表示セグメント駆動信号が与えられずに、目視では単にバックライト色であることであり、液晶表示セグメントに駆動信号が与えられて、黒表示となることである。なお、カラー液晶であれば、所定の色表示となることである。
【0041】
液晶表示部70の表示である表示板76の表示は、図1に示されるように、複数の表示ブロックに分けられる。複数の表示ブロックは、空調機能ごとに分けられる。すなわち、温度設定のための表示ブロック、エアの吹き出し切り替え設定のための表示ブロック、風量設定のための表示ブロックのように、分けられる。各表示ブロックの内容については、後述する。
【0042】
図5は、操作部11の詳細を説明する図である。操作部11の内、ダイヤルノブ50は、外周側をユーザが回転しやすいような大きさの円筒形のダイヤルである。プッシュノブ30は、ユーザが押しやすいように、その頭部が比較的広い押し面積とされるプッシュ操作板32となっている。
【0043】
プッシュ操作板32は、円形の操作板兼表示板である。プッシュ操作板32には、3種類のマークが印刷等によって設けられる。印刷以外に、掘り込みその他の表示方法を用いてもよい。3種類のマークは、プッシュマーク34、機能マーク36,38,40、選択方向マーク42,44,46である。これらのマークは、単に設けられているだけで、全体がランプ等で明るくされることはあっても、複数のマークのうちの特定の1つがインジケータランプ等で区別されるわけではない。
【0044】
プッシュ操作板32の中央に設けられるプッシュマーク34は、ユーザにプッシュ操作を促す表示マークである。図5では「PUSH」と表示されている。プッシュマーク34の外側に設けられる3つの機能マーク36,38,40は、それぞれ、温度設定機能、エアの吹き出し切り替え設定機能、風量設定機能をそれぞれ示す表示マークである。図5では、「TEMP」で温度設定機能が、「人マークと吹き出しマークと吹き出し方向矢印」でエアの吹き出し切り替え機能が、「ファンマーク」で風量設定機能が、それぞれ表示されている。
【0045】
3つの機能マークの間に設けられる選択方向マーク42,44,46は、プッシュノブ30が押されるごとに出力されるタクトスイッチ64のオン・オフ信号に応じて、サイクリックに順次変更される空調機能の変更方向を明らかにするためのマークである。すなわち、選択方向マーク42,44,46は、プッシュノブ30押されるごとに選択される空調機能が順次切り替わる方向を示す選択方向を示すマークである。
【0046】
次に、液晶表示部70の表示板76の表示について、図6から図8を用いて説明する。これらの図に示されるように、表示板76は、5つの表示ブロック80,82,84,86,88に区分される。すなわち、空調表示ブロック80、温度設定表示ブロック82、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84、風量設定表示ブロック86、循環表示ブロック88である。
【0047】
空調表示ブロック80は、空調を行っていることの表示、自動空調運転をしていることの表示をするためのブロックである。空調表示ブロック80は、空調を行っていない場合には、液晶が消灯し、空調を行って、自動空調運転をしている場合には、液晶が点灯する。
【0048】
温度設定表示ブロック82は、温度設定機能が選択されたときに、温度調節の内容を表示するためのブロックである。図6から図8の例では、温度調節が28.5℃の状態であることが表示されていることになる。
【0049】
エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84は、エアの吹き出し切り替え設定機能が選択されたときに、切り替え設定の内容を表示するためのブロックである。図6から図8の例では、エアの吹き出し切り替え設定が、足元吹き出しと正面吹き出しの併用であることが表示されている。
【0050】
風量設定表示ブロック86は、風量設定機能が選択されたときに、風量調節の内容を表示するためのブロックである。図6から図8の例では、風量6に調節されていることが表示されている。
【0051】
循環表示ブロック88は、車室内にエアが循環していることの表示をするためのブロックである。循環表示ブロック88は、エアが循環していない場合には、液晶が消灯しエアが循環している場合には、液晶が点灯する。
【0052】
ここで、表示ブロック82,84,86については、ユーザが空調調節を行うためにダイヤルノブ50を回転操作することに応じて表示内容が変化する。その際に、どの空調機能の設定調節をしているかを一目でわかるように、プッシュノブ30によって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用いる。
【0053】
図6は、温度設定機能を選択した場合に、温度設定表示ブロック82を、他の表示ブロックと区別する様子を示す図である。ここでは、温度設定表示ブロック82を囲む枠線83が点灯する。他の表示ブロックの枠線は点灯しない。図7は、エアの吹き出し切り替え機能を選択したときに、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84を囲む枠線85のみが点灯する様子が示される。図8は、風量設定機能を選択したときに、風量設定表示ブロック86を囲む枠線87のみが点灯する様子が示される。
【0054】
このように、ユーザがプッシュノブ30を押すと、液晶表示部70の表示板76において枠線83,85,87のいずれかが点灯する。ユーザがプッシュノブ30をさらに押すことを繰り返すと、枠線83,85,87が順次切り替わる。これにより、ユーザは、プッシュノブ30の3つの機能マーク36,38,40と、選択方向マーク42,44,46とを参考にしながら、液晶表示部70の表示板76の表示を見て、所望の空調機能が選択されるように、プッシュノブ30を操作できる。そして、所望の空調機能が選択されたら、ダイヤルノブ50を回転操作し、液晶表示部70の表示板76の表示を見ながら、所望の空調調節を行うことができる。
【0055】
図9から図11は、プッシュノブ30によって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法について、別の方法を説明する図である。ここでは、複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯する。ここでは、ユーザがプッシュノブ30を押すと、液晶表示部70の表示板76において、表示ブロック82,84,86のいずれかが点灯する。
【0056】
図9は、図6に対応して、温度設定機能を選択した場合である。ここでは、温度設定表示ブロック82と、その枠線83が点灯し、他の表示ブロック84,86は点灯しない。図10は、図7に対応する図で、エアの吹き出し切り替え設定機能を選択した場合である。ここでは、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84とその枠線85が点灯し、他の表示ブロック82,86は消灯する。図11は、図8に対応する図で、風量設定機能を選択した場合である。ここでは、風量設定表示ブロック86とその枠線87が点灯し、他の表示ブロック82,84は消灯する。
【0057】
このように、空調機能が選択されると、その選択された機能に対応する表示ブロックが点灯し、選択されていない機能に対応する表示ブロックは消灯する。この選択的点灯によって空調調節の操作性がやりやすくなるが、空調調節が終われば、選択的点灯を行う必要性が低くなる。そこで、選択的点灯は、空調調節が終わった後、予め定めた時間の経過の後に止めて、全部の表示ブロックの点灯に復帰させることがよい。これによって、現在の空調調節の全体の状態が一目で分かるようになる。空調調節が終わったことは、ダイヤル用スイッチ66の出力信号が所定期間の間変化しないことの検出で行うことができる。
【0058】
また、プッシュノブ30を初期状態から1回押すだけで、あとは自動的に、図9の状態から図11の状態に変更するようにしてもよい。この方法を取るときは、プッシュノブ30を1回押すと図9の状態になり、温度設定の調節を行う状態となる。そして、ユーザがダイヤルノブ50を操作して温度調節を行い、その調節が終わると、プッシュノブ30を改めて押さなくても、自動的に図10の状態に切り替わる。そこで、ユーザは、エアの吹き出し切り替え設定の調節を行うことができる。その調節が終わると、プッシュノブ30を改めて押さなくても、自動的に図11の状態に切り替わる。そこで、ユーザは、風量設定の調節を行うことができる。その調節が終わると、全部の表示ブロック82,84,86が点灯する。このときには、破線枠83,85,87は点灯しない。
【0059】
このように、選択された表示ブロックを点灯し、選択されなかった表示ブロックを消灯するので、ユーザは、一目で、現在の空調設定と空調調節の状況が分かる。
【0060】
上記のように、図2の空調コントロール装置10を用いた表示方法は、次の手順を行うことで実行される。すなわち、ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の内の1つを選択するプッシュボタンを操作する。そして、次に、プッシュボタンによって選択された空調機能について、その空調調節の設定を行うダイヤルを操作する。そして、複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用い、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示させる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る機能選択式空調コントロール装置の表示方法は、車両搭載の空調機器の調節を行うコントロール装置に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 (機能選択式)空調コントロール装置、11 操作部、12 パネル、14 ケース、20 ハウジングサブアセンブリ、22 ハウジング、24 プッシュノブリテーナ、26 ダイヤルノブリテーナ、30 プッシュノブ、32 プッシュ操作板、34 プッシュマーク、36,38,40 機能マーク、42,44,46 選択方向マーク、50 ダイヤルノブ、60 基板サブアセンブリ、62 基板、64 タクトスイッチ、66 ダイヤル用スイッチ、70 液晶表示部、72 液晶パネル、74 液晶パネルホルダ、76 表示板、80,82,84,86,88 表示ブロック、83,85,87 枠線、100 ヒータコントローラ、102 操作スイッチ装置、104 液晶表示部、106,108,110 スイッチ、112 ダイヤル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能選択式空調コントロール装置における表示方法に係り、特に、ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の選択と、選択された空調機能について空調調節設定とを行う機能選択式空調コントロール装置における表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室内の空調は、温度調節、風量調節、内外エア吹き出し切り替え等が行われるが、その調節のために、コントロールパネルあるいはヒータコントローラと呼ばれる空調コントロール装置の操作盤が車室内に設けられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両用のコントロールパネルとして、車両のインストルメントパネルの運転席と助手席の間の部分に配置され、エアコンディショナのオン・オフ、モード切り替えスイッチ、内外気切り替えスイッチなど多くの操作子が配置されていると述べられている。ここでは、2つのコンビネーションダイヤルに分け、第1のコンビネーションダイヤルは、内側ダイヤルが風量切り替えるブロワダイヤルで、外側ダイヤルがエアの吹き出し口を選択する吹き出し口切り替えダイヤルである。第2コンビネーションダイヤルは、内側ダイヤルが車外からの空気を取り入れるかどうかを選択する内外気切り替えダイヤルで、外側ダイヤルが目標温度を設定する温度設定ダイヤルであることが開示されている。
【0004】
そして、これらのコンビネーションダイヤルのそれぞれにおいて、内側ダイヤルの周囲で外側ダイヤルに覆われる部分には、内側ダイヤルの制御項目の動作状態にかかるマークを表示する表示板が設けられ、外側ダイヤルは透明材料で構成されてこれらの表示板のマークが正面から視認できるようになっている。また外側ダイヤルの周囲の部分には外側ダイヤルの制御項目の動作状態にかかるマークが表示されることが開示されている。
【0005】
また、最近では、図1に示すような機能選択式ヒータコントローラが用いられるようになった。図1のヒータコントローラ100は、操作スイッチ装置102と液晶表示部104とを含んで構成される。操作スイッチ装置102は、内周側に3つの押しボタン式のスイッチ106,108,110が設けられ、外周側にダイヤル112が設けられる。液晶表示部104には、温度設定と吹き出し切り替え設定と風量設定が表示される。
【0006】
スイッチ106を押すと、そのスイッチの部分にインジケータランプが点灯し、温度調節ができることが示される。その状態でダイヤル112を回転させると、その回転に応じて液晶表示部104の温度設定の数字が変化する。ユーザは、その温度設定の数字を見ながら所望の温度のところまでダイヤル112を回転することで、所望の温度設定を行うことができる。
【0007】
スイッチ108を押すと、そのスイッチの部分にインジケータランプが点灯し、エアの吹き出しモードの切り替えができることが示される。その状態でダイヤル112を回転させると、その回転に応じて、液晶表示部104の吹き出し切り替え設定の表示が、足元吹き出しの表示か、正面吹き出しの表示かで切り替わる。ユーザは、その表示切り替えを見ながら所望のエア吹き出しのところまでダイヤル112を回転することで、所望のエア吹き出し切り替え設定を行うことができる。
【0008】
スイッチ110を押すと、そのスイッチの部分にインジケータランプが点灯し、風量調節ができることが示される。その状態でダイヤル112を回転させると、その回転に応じて、液晶表示部104の風量設定の棒グラフが変化する。ユーザは、その風量を示す棒グラフを見ながら、所望の風量のところまでダイヤル112を回転することで、所望の風量設定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−236136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
車室内の空調調節については、多様な設定が考えられるので、操作盤の構成が複雑になりがちである。図1の機能選択式ヒータコントローラでは、機能選択のために3つの単独のスイッチを用い、機能選択位置が分かるようにそれぞれにインジケータランプを設けている。また、空調調節には、液晶表示部を見ながらダイヤルを回して調節を行う。このように、選択された機能が何かを見ることになるインジケータランプと、調節を行うときに見ることになる液晶表示部が別個で離れている。そのために操作が分かりにくいことが生じる。
【0011】
本発明の目的は、選択された機能が何であるかと、その機能に関する調節の状態がどのようであるかが分かりやすい機能選択式空調コントロール装置における表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る機能選択式空調コントロール装置における表示方法は、ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の内の1つを選択するプッシュボタンを操作する手順と、プッシュボタンによって選択された空調機能について、その空調調節の設定を行うダイヤルを操作する手順と、複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用い、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示する手順と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、表示部に表示する手順は、区別表示方法として、複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、プッシュボタンを操作する手順は、プッシュ操作ごとに複数の空調機能を順次選択する順次選択型スイッチであるプッシュボタンを操作することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記構成により、機能選択式空調コントロール装置における表示方法は、プッシュボタンによって複数の空調機能の内の1つを選択し、ダイヤルによって選択された空調機能についての空調調節の設定を行う。そして、複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用いて表示する。そして、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示する。
【0016】
このように、表示部に、選択された機能が何であるかの区別表示と、その機能に関する調節の状態がどのようであるかの設定内容表示を集中させたので、ユーザは、表示部のみを見て、所望の空調設定を行うことができる。したがって、ユーザにとって分かりやすく、また操作しやすいものとなる。
【0017】
また、表示部において、区別表示方法として、複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯する。このようにすることで、ユーザは、1つしか表示されていない表示ブロックを見て、所望の空調設定を行うことができる。したがって、ユーザにとって一層分かりやすく、また一層操作しやすいものとなる。
【0018】
また、プッシュ操作ごとに複数の空調機能を順次選択する順次選択型スイッチであるプッシュボタンを用いる。したがって、ユーザは、表示部を見ながら、単にプッシュボタンについて押し戻しを繰り返すだけで、所望の空調機能を選択できる。これにより、分かりやすく、また操作しやすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術の機能選択式ヒータコントローラを説明する図である。
【図2】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置の外観図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図2のB−B線における断面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置のプッシュボタンとダイヤルの部分の外観図である。
【図6】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置において、温度調節を行うときの区別表示方法の様子を説明する図である。
【図7】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置について、エアの吹き出し切り替えを行うときの区別表示方法の様子を説明する図である。
【図8】本発明に係る実施の形態において用いられる機能選択式空調コントロール装置について、風量調節を行うときの区別表示方法の様子を説明する図である。
【図9】図6とは別の区別表示方法を説明する図である。
【図10】図7とは別の区別表示方法を説明する図である。
【図11】図8とは別の区別表示方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、表示方法の対象として、車両搭載用の機能選択式空調コントロール装置を説明するが、車両搭載用でなくても、複数の空調機能を選択して、それぞれについて空調調節の設定を行うものであればよい。例えば、個室内空調調節用等であってもよい。また、以下では、選択できる空調機能の数を3として説明するが、これは説明のための例示であって、これ以上の数の空調機能を選択するものであってもよい。また、空調機能として、温度調節、エアの吹き出し切り替え、風量調節を説明するが、これらは説明のための例示であって、これら以外の空調機能の設定に関するものであってもよい。例えば、エアの室内循環と外気取り入れの切り替え等であってもよい。また、表示部として、液晶表示パネルを説明するが、これ以外の表示装置であってもよい。例えば、LED表示装置等であってもよい。
【0021】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0022】
図2は、車両に搭載される機能選択式空調コントロール装置10の外観図である。以下では、機能選択式空調コントロール装置10を、単に空調コントロール装置10として説明を続けるものとする。空調コントロール装置10は、車室内の空調状態をユーザが調節するために設けられる空調調節盤である。具体的には、ヒータ、ファン、エア吹き出し切り替え板等の動作状態を変更するための調節盤である。
【0023】
空調コントロール装置10は、パネル12に取り付けられた操作部11と液晶表示部70を含んで構成される。操作部11は、内径側に設けられる押しボタン式のプッシュノブ30と、プッシュノブ30の外周側に設けられる回転操作式のダイヤルノブ50を含んで構成される。図3は、図2のA−A線における断面図、図4は、図2のB−B線における断面図である。
【0024】
図3、図4に示されるように、空調コントロール装置10は、正面側に配置されるパネル12と、裏面側に配置されるケース14を組み合わせて、全体の筐体部を構成する。この全体の筐体部が、車両のインストルメントパネルの一部として、車両の運転席と助手席の間の部分に配置される。パネル12は、適当な樹脂成形によって所望の形状としたものを用いることができる。ケース14は、プラスチック、金属等を用いて、所望の形状に成形したものを用いることができる。
【0025】
空調コントロール装置10の筐体部以外の構成要素は、ハウジングサブアセンブリ20と、基板サブアセンブリ60とに大別できる。ハウジングサブアセンブリ20は、ハウジング22を中心として、プッシュノブリテーナ24、ダイヤルノブリテーナ26、プッシュノブ30、ダイヤルノブ50を組み付けたサブ組立体である。基板サブアセンブリ60は、基板62を中心として、タクトスイッチ64、ダイヤル用スイッチ66(図4参照)、液晶表示部70を組み付けたサブ組立体である。液晶表示部70は、液晶パネル72、液晶パネルホルダ74、表示板76を含んで構成される。
【0026】
ハウジング22は、基板62とパネル12と組み合わされて固定される部品で、プッシュノブリテーナ24を介してプッシュノブ30を押し戻しするときの案内機能を有し、また、ダイヤルノブリテーナ26を介してダイヤルノブ50を回転するときの案内機能を有する。ハウジング22は、適当な樹脂材料を用いて、所望の形状に成形したものを用いることができる。
【0027】
プッシュノブ30は、タクトスイッチ64の操作子を押すプッシュボタン、つまり、押しボタンである。プッシュノブ30は、一回タクトスイッチ64を押すと、元の位置に復帰する。つまり押し戻しを行うボタンである。元の位置に復帰するのは、図示されていない復帰バネの復元力による。タクトスイッチ64に内蔵する復帰ばねの復元力が十分大きい場合は、これを利用してもよく、その場合には特別な復帰ばねを設ける必要がない。
【0028】
プッシュノブ30の頭部は、ユーザが押し操作を行う操作部に相当するが、比較的広い押し面積とされる。この頭部の広い押し面積を利用して、複数の空調機能の種類を表示する表示板が設けられる。表示板の詳細については、図5を用いて後述する。
【0029】
タクトスイッチ64は、基板62に取り付けられ、操作子が押されることでオン信号を出力し、操作子が押されることがなくなると、内蔵する復帰ばねの復元力によって元の状態に戻ってオフ状態となるスイッチである。タクトスイッチ64は、適当な信号線を用いて、図示されていないが、基板62に搭載される表示部制御回路に接続される。もっとも、表示部制御回路を、空調コントロール装置10の外部の制御部の機能としてもよい。
【0030】
図示されていない表示部制御回路は、タクトスイッチ64から出力されるオン信号の回数を監視し、その回数に応じて、液晶表示部70の表示を切り換える。具体的には、初期状態から最初にタクトスイッチ64がオンとなると、温度設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。次にタクトスイッチ64がオンとなると、エア吹き出し切り替え設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。なお、次にタクトスイッチがオンとは、初期状態から数えて2度目のオンのことである。さらに次にタクトスイッチ64がオンとなると、風量設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。なお、さらに次にタクトスイッチがオンとは、初期状態から数えて3度目のオンのことである。もう一度タクトスイッチ64がオンとなると、再び温度設定の表示をするように液晶表示部70を制御する。
【0031】
このように、表示部制御回路は、タクトスイッチ64のオンの回数に応じ、温度設定−エア吹き出し切り替え設定−風量設定−温度設定−・・・のように、循環させながら、液晶表示部70の表示切り替えを制御する。
【0032】
プッシュノブリテーナ24は、プッシュノブ30の内周側を支持し、ハウジング22に設けられたレールをスライドする円筒状部材である。プッシュノブ30が押されると、プッシュノブリテーナ24を介してレールをスライドすることで、タクトスイッチ64の操作子を押し下げる。これにより、タクトスイッチ64がオンする。
【0033】
ダイヤルノブ50は、ダイヤル用スイッチ66をオン・オフさせる回転操作子である。
ダイヤル用スイッチ66は、ダイヤルノブ50の回転角度に応じた信号を出力するスイッチである。回転角度に応じた信号はアナログ信号であってもよいが、数段階の識別で十分な場合はディジタル信号とすることができる。回転角度に応じたディジタル信号を出力するには、複数のスイッチをダイヤルノブ50が回転する円周上に配置し、ダイヤルノブ50の回転角度に応じて、順次オン・オフするものとできる。ダイヤル用スイッチ66は、適当な信号線で、タクトスイッチ64のところで説明した表示部制御回路に接続される。
【0034】
表示部制御回路は、タクトスイッチ64から伝送された信号に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の意味を解釈して、液晶表示部70に、調節設定の表示を行わせる指示を出す。
【0035】
タクトスイッチ64から伝送された信号が、温度設定の機能選択であることを示すものであるときは、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が温度調節に関する情報であると解釈する。そして、予め定めたテーブル等の情報換算関係に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の情報を温度設定データに換算する。例えば、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が10段階で、情報換算関係によれば、各段階が1℃刻みで、18℃から28℃までの範囲に換算されるものとする。ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が5段階目のものであれば、温度設定は22℃であるので、液晶表示部70に温度調節設定として、22℃の表示をするように指示する。
【0036】
タクトスイッチ64から伝送された信号が、エアの吹き出し切り替え設定の機能選択であるときは、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号がエアの吹き出し切り替え調節に関する情報であると解釈する。そして、予め定めたテーブル等の情報換算関係に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の情報を、エアの吹き出し切り替え設定データに換算する。例えば、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が10段階で、情報換算関係によれば、1段階目から3段階目までが足元吹き出しであり、4段階目から6段階目までが正面吹き出しであり、7段階目から10段階目が足元吹き出しと正面吹き出しの併用であると換算されるものとする。ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が8段階目のものであれば、吹き出し切り替え設定は、足元吹き出しと正面吹き出しの併用であるので、液晶表示部70にエアの吹き出し切り替え調節設定として、足元吹き出しと正面吹き出しの併用の表示をするように指示する。
【0037】
タクトスイッチ64から伝送された信号が、風量設定の機能選択であるときは、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が風量調節に関する情報であると解釈する。そして、予め定めたテーブル等の情報換算関係に基づいて、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号の情報を、風量設定データに換算する。例えば、ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が10段階で、情報換算関係によれば、1,2段階のときに風量1で、3,4段階のときに風量2で、5,6段階のときに風量3で、7,8段階のときに風量4で、9,10段階のときに風量5に換算されるものとする。ダイヤル用スイッチ66のオン・オフ信号が4段階目のものであれば、風量設定は、風量2であるので、液晶表示部70に風量調節設定として、風量2の表示をするように指示する。
【0038】
ダイヤルノブリテーナ26は、ダイヤルノブ50の内周側を支持し、ハウジング22上を回転する円筒状部材である。ダイヤルノブ50が回転すると、ダイヤルノブリテーナ26がハウジング22上を回転し、これにより、回転円上に設けられたダイヤル用スイッチ66がオン・オフする。
【0039】
液晶表示部70は、上記のように、液晶パネル72、液晶パネルホルダ74、表示板76を含んで構成される。液晶パネル72は、上記で説明した表示部制御回路に適当な信号線で接続される。液晶パネルホルダ74は、液晶パネル72を基板62に取り付け保持する枠部材である。表示板76は、パネル12に設けられる見切り板で、ユーザは、この表示板76を介して液晶パネル72の表示を見ることになる。以下では、表示板76の表示内容を説明するが、表示板76の表示は、実質的に液晶パネル72の表示と同じである。
【0040】
液晶パネル72は、図1に示されるように、複数の液晶表示セグメントの集合である。各液晶表示セグメントは、液晶分子を挟むように電極が設けられたもので、各液晶表示セグメントの電極にはそれぞれ、表示部制御回路から駆動信号が供給される。駆動信号が供給されないときは、液晶表示セグメントは消灯状態で、駆動信号が供給されると、その液晶表示セグメントが点灯する。ここで、液晶が消灯とは、液晶表示セグメント駆動信号が与えられずに、目視では単にバックライト色であることであり、液晶表示セグメントに駆動信号が与えられて、黒表示となることである。なお、カラー液晶であれば、所定の色表示となることである。
【0041】
液晶表示部70の表示である表示板76の表示は、図1に示されるように、複数の表示ブロックに分けられる。複数の表示ブロックは、空調機能ごとに分けられる。すなわち、温度設定のための表示ブロック、エアの吹き出し切り替え設定のための表示ブロック、風量設定のための表示ブロックのように、分けられる。各表示ブロックの内容については、後述する。
【0042】
図5は、操作部11の詳細を説明する図である。操作部11の内、ダイヤルノブ50は、外周側をユーザが回転しやすいような大きさの円筒形のダイヤルである。プッシュノブ30は、ユーザが押しやすいように、その頭部が比較的広い押し面積とされるプッシュ操作板32となっている。
【0043】
プッシュ操作板32は、円形の操作板兼表示板である。プッシュ操作板32には、3種類のマークが印刷等によって設けられる。印刷以外に、掘り込みその他の表示方法を用いてもよい。3種類のマークは、プッシュマーク34、機能マーク36,38,40、選択方向マーク42,44,46である。これらのマークは、単に設けられているだけで、全体がランプ等で明るくされることはあっても、複数のマークのうちの特定の1つがインジケータランプ等で区別されるわけではない。
【0044】
プッシュ操作板32の中央に設けられるプッシュマーク34は、ユーザにプッシュ操作を促す表示マークである。図5では「PUSH」と表示されている。プッシュマーク34の外側に設けられる3つの機能マーク36,38,40は、それぞれ、温度設定機能、エアの吹き出し切り替え設定機能、風量設定機能をそれぞれ示す表示マークである。図5では、「TEMP」で温度設定機能が、「人マークと吹き出しマークと吹き出し方向矢印」でエアの吹き出し切り替え機能が、「ファンマーク」で風量設定機能が、それぞれ表示されている。
【0045】
3つの機能マークの間に設けられる選択方向マーク42,44,46は、プッシュノブ30が押されるごとに出力されるタクトスイッチ64のオン・オフ信号に応じて、サイクリックに順次変更される空調機能の変更方向を明らかにするためのマークである。すなわち、選択方向マーク42,44,46は、プッシュノブ30押されるごとに選択される空調機能が順次切り替わる方向を示す選択方向を示すマークである。
【0046】
次に、液晶表示部70の表示板76の表示について、図6から図8を用いて説明する。これらの図に示されるように、表示板76は、5つの表示ブロック80,82,84,86,88に区分される。すなわち、空調表示ブロック80、温度設定表示ブロック82、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84、風量設定表示ブロック86、循環表示ブロック88である。
【0047】
空調表示ブロック80は、空調を行っていることの表示、自動空調運転をしていることの表示をするためのブロックである。空調表示ブロック80は、空調を行っていない場合には、液晶が消灯し、空調を行って、自動空調運転をしている場合には、液晶が点灯する。
【0048】
温度設定表示ブロック82は、温度設定機能が選択されたときに、温度調節の内容を表示するためのブロックである。図6から図8の例では、温度調節が28.5℃の状態であることが表示されていることになる。
【0049】
エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84は、エアの吹き出し切り替え設定機能が選択されたときに、切り替え設定の内容を表示するためのブロックである。図6から図8の例では、エアの吹き出し切り替え設定が、足元吹き出しと正面吹き出しの併用であることが表示されている。
【0050】
風量設定表示ブロック86は、風量設定機能が選択されたときに、風量調節の内容を表示するためのブロックである。図6から図8の例では、風量6に調節されていることが表示されている。
【0051】
循環表示ブロック88は、車室内にエアが循環していることの表示をするためのブロックである。循環表示ブロック88は、エアが循環していない場合には、液晶が消灯しエアが循環している場合には、液晶が点灯する。
【0052】
ここで、表示ブロック82,84,86については、ユーザが空調調節を行うためにダイヤルノブ50を回転操作することに応じて表示内容が変化する。その際に、どの空調機能の設定調節をしているかを一目でわかるように、プッシュノブ30によって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用いる。
【0053】
図6は、温度設定機能を選択した場合に、温度設定表示ブロック82を、他の表示ブロックと区別する様子を示す図である。ここでは、温度設定表示ブロック82を囲む枠線83が点灯する。他の表示ブロックの枠線は点灯しない。図7は、エアの吹き出し切り替え機能を選択したときに、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84を囲む枠線85のみが点灯する様子が示される。図8は、風量設定機能を選択したときに、風量設定表示ブロック86を囲む枠線87のみが点灯する様子が示される。
【0054】
このように、ユーザがプッシュノブ30を押すと、液晶表示部70の表示板76において枠線83,85,87のいずれかが点灯する。ユーザがプッシュノブ30をさらに押すことを繰り返すと、枠線83,85,87が順次切り替わる。これにより、ユーザは、プッシュノブ30の3つの機能マーク36,38,40と、選択方向マーク42,44,46とを参考にしながら、液晶表示部70の表示板76の表示を見て、所望の空調機能が選択されるように、プッシュノブ30を操作できる。そして、所望の空調機能が選択されたら、ダイヤルノブ50を回転操作し、液晶表示部70の表示板76の表示を見ながら、所望の空調調節を行うことができる。
【0055】
図9から図11は、プッシュノブ30によって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法について、別の方法を説明する図である。ここでは、複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯する。ここでは、ユーザがプッシュノブ30を押すと、液晶表示部70の表示板76において、表示ブロック82,84,86のいずれかが点灯する。
【0056】
図9は、図6に対応して、温度設定機能を選択した場合である。ここでは、温度設定表示ブロック82と、その枠線83が点灯し、他の表示ブロック84,86は点灯しない。図10は、図7に対応する図で、エアの吹き出し切り替え設定機能を選択した場合である。ここでは、エアの吹き出し切り替え設定表示ブロック84とその枠線85が点灯し、他の表示ブロック82,86は消灯する。図11は、図8に対応する図で、風量設定機能を選択した場合である。ここでは、風量設定表示ブロック86とその枠線87が点灯し、他の表示ブロック82,84は消灯する。
【0057】
このように、空調機能が選択されると、その選択された機能に対応する表示ブロックが点灯し、選択されていない機能に対応する表示ブロックは消灯する。この選択的点灯によって空調調節の操作性がやりやすくなるが、空調調節が終われば、選択的点灯を行う必要性が低くなる。そこで、選択的点灯は、空調調節が終わった後、予め定めた時間の経過の後に止めて、全部の表示ブロックの点灯に復帰させることがよい。これによって、現在の空調調節の全体の状態が一目で分かるようになる。空調調節が終わったことは、ダイヤル用スイッチ66の出力信号が所定期間の間変化しないことの検出で行うことができる。
【0058】
また、プッシュノブ30を初期状態から1回押すだけで、あとは自動的に、図9の状態から図11の状態に変更するようにしてもよい。この方法を取るときは、プッシュノブ30を1回押すと図9の状態になり、温度設定の調節を行う状態となる。そして、ユーザがダイヤルノブ50を操作して温度調節を行い、その調節が終わると、プッシュノブ30を改めて押さなくても、自動的に図10の状態に切り替わる。そこで、ユーザは、エアの吹き出し切り替え設定の調節を行うことができる。その調節が終わると、プッシュノブ30を改めて押さなくても、自動的に図11の状態に切り替わる。そこで、ユーザは、風量設定の調節を行うことができる。その調節が終わると、全部の表示ブロック82,84,86が点灯する。このときには、破線枠83,85,87は点灯しない。
【0059】
このように、選択された表示ブロックを点灯し、選択されなかった表示ブロックを消灯するので、ユーザは、一目で、現在の空調設定と空調調節の状況が分かる。
【0060】
上記のように、図2の空調コントロール装置10を用いた表示方法は、次の手順を行うことで実行される。すなわち、ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の内の1つを選択するプッシュボタンを操作する。そして、次に、プッシュボタンによって選択された空調機能について、その空調調節の設定を行うダイヤルを操作する。そして、複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用い、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示させる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る機能選択式空調コントロール装置の表示方法は、車両搭載の空調機器の調節を行うコントロール装置に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 (機能選択式)空調コントロール装置、11 操作部、12 パネル、14 ケース、20 ハウジングサブアセンブリ、22 ハウジング、24 プッシュノブリテーナ、26 ダイヤルノブリテーナ、30 プッシュノブ、32 プッシュ操作板、34 プッシュマーク、36,38,40 機能マーク、42,44,46 選択方向マーク、50 ダイヤルノブ、60 基板サブアセンブリ、62 基板、64 タクトスイッチ、66 ダイヤル用スイッチ、70 液晶表示部、72 液晶パネル、74 液晶パネルホルダ、76 表示板、80,82,84,86,88 表示ブロック、83,85,87 枠線、100 ヒータコントローラ、102 操作スイッチ装置、104 液晶表示部、106,108,110 スイッチ、112 ダイヤル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の内の1つを選択するプッシュボタンを操作する手順と、
プッシュボタンによって選択された空調機能について、その空調調節の設定を行うダイヤルを操作する手順と、
複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用い、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示する手順と、
を備えることを特徴とする機能選択式空調コントロール装置における表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、
表示部に表示する手順は、区別表示方法として、
複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯することを特徴とする機能選択式空調コントロール装置における表示方法。
【請求項3】
請求項1に記載の機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、
プッシュボタンを操作する手順は、プッシュ操作ごとに複数の空調機能を順次選択する順次選択型スイッチであるプッシュボタンを操作することを特徴とする機能選択式空調コントロール装置における表示方法。
【請求項1】
ヒータを含む空調機器の複数の空調機能の内の1つを選択するプッシュボタンを操作する手順と、
プッシュボタンによって選択された空調機能について、その空調調節の設定を行うダイヤルを操作する手順と、
複数の空調機能に対応する複数の表示ブロックを有する表示部において、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを他の表示ブロックと区別する区別表示方法を用い、区別された表示ブロックについてダイヤルによって設定される空調調節の設定内容を表示する手順と、
を備えることを特徴とする機能選択式空調コントロール装置における表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、
表示部に表示する手順は、区別表示方法として、
複数の表示ブロックの内、プッシュボタンによって選択された空調機能に対応する表示ブロックを点灯表示し、選択されていない空調機能に対応する表示ブロックの表示を消灯することを特徴とする機能選択式空調コントロール装置における表示方法。
【請求項3】
請求項1に記載の機能選択式空調コントロール装置における表示方法において、
プッシュボタンを操作する手順は、プッシュ操作ごとに複数の空調機能を順次選択する順次選択型スイッチであるプッシュボタンを操作することを特徴とする機能選択式空調コントロール装置における表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−166665(P2012−166665A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28600(P2011−28600)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
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