説明

欠陥マーキングされたコイルの製造方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鋼プロセスラインにおける欠陥マーキングされたコイルの製造方法に関する。より詳しくは、鋼板表面の欠陥部にマーキングされたことにより、確実に欠陥表示でき、品質保証に寄与できる鉄鋼プロセスラインにおける欠陥マーキングされたコイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延によって製造された冷延鋼板は、品質保証のためにコイル全長にわたり表面欠陥の検査が行われる。冷延鋼板表面の欠陥検出方法として、ライン内を走行する鋼板表面をレーザー光で幅方向に走査し、この反射光をCCD素子等の光電変換素子によって電圧強度に変換し、この電圧信号から欠陥の有無、程度を判別する方法が既に確立されている(特開昭63―62825号公報等)。
【0003】通常、前記の検査結果は、欠陥の位置、欠陥名・欠陥グレードが情報としてCRT等に表示され、あるいは書類でプリントアウトされる。
【0004】全ての製品を欠陥の無い製品にするのは、製造不可能である。そのため、当該ラインでCRT等に表示された欠陥情報に基きコイルの有害欠陥部を除去し、あるいは、前記欠陥情報に基いて次工程で検査してコイルの有害欠陥部を除去した後出荷している。また、有害欠陥部を含んだままのコイルとともにプリントアウトされた前記欠陥情報を記載した書類を購入者に提出し、購入者側で有害欠陥を除去してもらっている。
【0005】当該ライン又は次工程で有害欠陥部を除去する場合、表面欠陥の有害度には明確な基準が無いので、有害欠陥部の除去は品質保証面からオーバーアクションとなっている。また見逃し及びギリギリの判別困難欠陥等での判断ミスにより有害欠陥部が除去されない場合もある。また有害欠陥部を除去することにより、コイルの単重が小さくなり、購入者がコイルを加工する際に作業能率の低下等の弊害がある。
【0006】一方、コイルの購入者は、欠陥情報を記載した書類のデータと現品とを突き合わせて確認しながら作業する必要があり、その作業が厄介で有るばかりでなく、場合によっては欠陥を見落したまま加工される恐れがある。
【0007】このようなことから、特開平4―291138号公報においては、疵検出装置で検出した鋼板の有疵部に塗料などをスプレーするマーキング装置を用いてマーキングし、購入者が有疵部を再検査する際に容易に有疵部を識別できるようにすることが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4―291138号公報のマーキング方法では、マーキングが正常になされたか否かについての確認がないため、マーキングが異常の場合は、購入者に今迄以上の迷惑を及ぼす。また、塗料などをスプレーするとマーキングに濃淡が発生し、塗料の多い場所では、塗料が乾燥後正常な部分に押し疵を発生する危険がある。また、スプレー方式の場合、鋼板が無塗油の場合は問題ないが、塗油後の鋼板の場合は、油膜上に塗料がスプレーされるため鋼板表面にマーキングが残らない。
【0009】また、有疵部に全てマーキングすると、購入者にとって無害の欠陥部にもマーキングが有るので作業が複雑になり、作業能率が低下する等の弊害が有る。
【0010】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その主の目的は、欠陥マーキングによって鋼板に疵を発生することなく、鋼板表面に防錆油等の油付着の有無にかかわらず有害欠陥を確実かつ容易に識別可能とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)表面疵を検出する表面欠陥計と欠陥位置にインクでマーキングするインクマーカー装置とが設置された鋼板の連続処理ラインにあって、表面欠陥計からの信号に基づき有害欠陥を弁別する欠陥弁別工程と、前記有害欠陥がインクマーカー装置に到達した時点で欠陥位置に、インクを染み込ませたフェルトを直接鋼板に押付けてインクを鋼板に付着させてマーキングするマーキング工程とを有することを特徴とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0012】(2)前記欠陥弁別工程は、表面欠陥計で鋼板の欠陥候補を検出し、その検出信号に基いて、欠陥グレードを演算し、さらに有害欠陥と無害欠陥とを弁別することを特徴とする(1)記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0013】(3)前記欠陥弁別工程は、有害欠陥と、判別困難欠陥と、無害欠陥とに弁別するとともに、前記マーキング工程は、有害欠陥又は判別困難欠陥がインクマーカー装置に到達した時点でマーキングすることを特徴とする(1)又は(2)記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0014】(4)有害欠陥が識別されているコイルを、インクでマーキングするインクマーカー装置を設置した鋼板の連続処理ラインに装入する装入工程と、予め識別されている有害欠陥の情報に基いて、前記有害欠陥がインクマーカー装置に到達した時点で欠陥位置に、インクを染み込ませたフェルトを直接鋼板に押付けてインクを鋼板に付着させてマーキングするマーキング工程とを有することを特徴とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0015】(5)予め表面欠陥計を備えたラインで欠陥の位置を演算し、さらに有害欠陥が識別されているコイルを、インクでマーキングするインクマーカー装置を設置した鋼板の連続処理ラインに装入する装入工程と、予め識別されている有害欠陥の情報に基いて、前記有害欠陥がインクマーカー装置に到達した時点で欠陥位置に、インクを染み込ませたフェルトを直接鋼板に押付けてインクを鋼板に付着させてマーキングするマーキング工程とを有することを特徴とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0016】(6)前記装入工程にて装入されるコイルについては、表面欠陥計で鋼板の欠陥候補が検出され、その検出信号に基いて、欠陥グレードが演算され、さらに有害欠陥と無害欠陥とが弁別されていることを特徴とする(4)又は(5)記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0017】(7)前記装入工程にて装入されるコイルについては、有害欠陥と、判別困難欠陥と、無害欠陥とに弁別されているとともに、前記マーキング工程は、有害欠陥又は判別困難欠陥がインクマーカー装置に到達した時点でマーキングすることを特徴とする(4)乃至(6)のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0018】(8)前記マーキング工程におけるマーキング長さは、欠陥部が欠陥マーキングの外に出ないように設定することを特徴とする(1)乃至(7)のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0019】(9)前記マーキング工程におけるマーキングの線幅は、3〜10mmの範囲であることを特徴とする(1)乃至(8)のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0020】(10)前記マーキング工程におけるフェルトの押付け圧は、150〜500gの範囲であることを特徴とする(1)乃至(9)のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0021】(11)インクマーカー装置の下流に欠陥マーキング検出装置を設置してマーキングの状態を確認するマーキング確認工程を有することを特徴とする(1)乃至(10)のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説明する。図1は、本発明の実施に用いる鋼板の連続処理ラインの構成例を示す図で、鋼板のコイリング設備の要部を示す。図1において、3は表面欠陥計で鋼板1の表裏に検出器2および信号処理部4を備え、5はCRT、6は集中制御盤、7は2次判定入力装置、8は欠陥マーキング装置(インクマーカー装置)、9は欠陥マーキング検出装置、10はテンションリール、11は搬送ロール、12はパルス発信機、13は鋼板搬送距離演算装置、14は外部記憶装置、15は切断機、16は検査台である。
【0024】図1の装置において、表面欠陥計3の鋼板表裏の検出器2で鋼板1の表裏面の欠陥候補疵を検出し、検出した信号を信号処理部4に送る。信号処理部4では、ある閾値を超える信号の欠陥候補の特徴量から得た信号に基いて欠陥名、欠陥グレード、欠陥長さの演算を行う。
【0025】演算した欠陥情報をCRT5の画面に表示するとともに、欠陥発生信号と欠陥情報と欠陥位置とを集中制御盤6へ出力する。
【0026】また、鋼板1を搬送する搬送ロール11の回転数をパルス発信機12で計測し、鋼板搬送距離演算装置13で鋼板送り長さを計算し、計算結果を集中制御盤6に出力する。集中制御盤6は、前記の欠陥情報を編集し、欠陥名・欠陥グレードから有害欠陥・判別困難欠陥を弁別する。また、必要があれば、集中監視盤6で、前記で弁別した有害欠陥・判別困難欠陥について更にマーキング有無の判断を行う。
【0027】集中制御盤6は、鋼板搬送距離演算装置13から送られた鋼板送り長さに基いて欠陥位置をトラッキングし、2次判定場所(検査台)16に有害欠陥部到達の警報出力をする。また必要な場合は自動減速を行い、作業者の欠陥判定を容易にする。
【0028】欠陥部が2次判定場所(検査台)16に到達したら、作業者が目視検査して2次判定を行うとともに、表面欠陥計3の検出結果をCRT5で確認し、結果が正しいか否か比較する。結果が異なる場合は修正を行い、修正結果を2次判定入力装置7に入力し、さらに集中制御盤6へ出力する。図2は、CRT5の画面表示の一例を示す図で、既に表示されている欠陥情報は表面欠陥計3の情報、空欄は2次判定結果を入力する場所である。
【0029】集中制御盤6では、修正情報に基いて前記の欠陥情報を再編集し、欠陥名・欠陥グレードから有害欠陥・判別困難欠陥を弁別する。更に集中制御盤6は、搬送ロール11の回転数から得られる鋼板1の送り長さに基いて、前記有害欠陥・判別困難欠陥の欠陥位置(マーキング有無の判断をした場合は、マーキング有と判断したもの)のトラッキングを行い、前記欠陥部が欠陥マーキング装置8を通過時に、欠陥マーキング装置8を起動するように起動信号を出力する。
【0030】前記起動信号に基いて欠陥マーキング装置8が起動し、有害欠陥・判別困難欠陥が欠陥マーキング装置8を通過するタイミングに同期して有害欠陥部・判別困難欠陥部にマーキングが実施される。
【0031】マーキング長は、欠陥位置のトラッキング精度を考慮して、欠陥部が欠陥マーキングの外に出ないように設定する。本装置ではトラッキング精度を考慮して、集中制御盤8で弁別した欠陥長に前後にそれぞれ0.5m加算し、欠陥長より1m長くマーキングするように指令を出力し、また長さが数mm程度以下の点状欠陥の場合は、前後にそれぞれ0.25m加算してマーキングするように指令を出力する。図3は、欠陥部位置と欠陥マーキング位置の状態を示す図で、有害欠陥20は欠陥マーキング21の長さ方向の表示範囲内にある。
【0032】欠陥マーキング装置8では、マーキング指令と同時にマーキングを開始する。マーキングは、インクを染み込ませたフェルトを、直接鋼板1に押付けてインクを鋼板1に付着させて行う。塗油されたコイルであっても鋼板表面に確実にマーキングできる。また、塗料のような濃淡の問題が無いので鋼板表面に押し疵を発生することもない。フェルトは鋼板1と直接接触し摩耗するため、基準長さ以上マーングすると、集中制御盤6から警報を出力し、作業員にフェルト交換の注意を促す。
【0033】欠陥マーキング装置8は1基でもよいが、2基配設してインクを2種類用意し、欠陥グレードに応じてインクの色を変える(例えば、購入者の有害欠陥が明確な場合は赤インクでマーキングを行い、判別困難欠陥は青インクでマーキングを行う。)と、欠陥を識別して作業する上でより有益である。いずれのインクも弱アルカリ洗剤で消えるインクを選択する必要がある。
【0034】目視での検出容易性及び欠陥マーキング検出装置9での検出容易性の点から、マーキングの線幅は3〜10mmの範囲が最適である。またフェルトの摩耗及びインクの鮮明度の点からフェルトの押付け圧は150〜500gの範囲が最適である。
【0035】欠陥マーキングを検出するために、欠陥マーキング装置8と欠陥マーキング検出装置9は鋼板幅方向の同じ位置に配設される。図4は欠陥マーキング装置8と欠陥マーキング検出装置9が各1基の場合、図5は各2基配設の場合を示す図である。
【0036】また、図6は1基の欠陥マーキング装置を使用してマーキングした場合について欠陥部と欠陥マーキング位置の例を示し、同一のインクを使用して、有害欠陥20と判別困難欠陥22が欠陥マーキング21で表示されている。図7は2基の欠陥マーキング装置を配設し、それぞれ異なる色のインクを使用してマーキングした場合であり、有害欠陥20は欠陥マーキング21a(たとえば赤色)により、判別困難欠陥22は欠陥マーキング21b(たとえば青色)で表示されている。
【0037】欠陥マーキング検出装置9では欠陥マーキングの状態を常時監視し、マーキング長、インクカスレ、無欠陥場所にマーキングの有無等を監視し、監視結果を集中制御盤6に出力する。集中制御盤6はマーキングの良否を判断し、異常時は警報を出力し作業者に注意を喚起すると同時に、コイルの出荷を保留するように指示する。出荷を保留したコイルについては、再検査等の処置を取る。
【0038】欠陥マーキング検出装置9で監視した欠陥マーキングが正常と判断された場合、欠陥情報及び欠陥位置が外部記憶装置14に入力され、切断機15で切断された後に欠陥情報・欠陥位置を逆展開しプリントアウトする。
【0039】なお、コイルは購入者別に切断機15で切断されるため、コイルの長さ基準は切断機15での切断信号を基準とする。購入者に送付する書類は、コイル外周側を先頭に逆に展開し、購入者の活用をし易くする。
【0040】このようにして製造されたコイルは、有害欠陥部位置に明瞭なマークが付けられているので、次工程で有害欠陥部の除去あるいは購入者が加工に際して、コイル巻き戻し時に有害欠陥の有無を容易に判別することができるようになる。
【0041】前記説明では、有害欠陥の判定に作業者の目視検査を介入させたが、表面欠陥計3の欠陥検出精度が満足できるものであれば目視検査は行わなくてもよい。
【0042】図1に示した装置では、表面欠陥計3、欠陥マーキング装置8、欠陥マーキング検出装置9を同一ラインに配設した。しかし、前記したように、表面欠陥計を備えたラインで、表面欠陥計で検出した疵情報に基いて、欠陥の位置、欠陥名・欠陥グレードを演算し、この情報をCRT等に表示し、あるいは書類でプリントアウトすることが既に行われている。
【0043】したがって、表面欠陥計を備えるラインとは別のラインに欠陥マーキング装置と欠陥マーキング検出装置を設置し、前記表面欠陥計を備えたラインで有害欠陥・判別困難欠陥を識別し、この情報に基いて、前記別のラインで図1の場合と同様、欠陥位置へのマーキング、欠陥マーキングの確認を行い、その結果を書類でプリントアウトするようにしてもよい。
【0044】この場合、表面欠陥計を備えたラインで編集、弁別した有害欠陥・判別困難欠陥情報を欠陥位置情報とともに、外部記憶装置を介して別のラインの集中制御盤に出力し、別のラインで前記有害欠陥・判別困難欠陥のトラッキングを行い、欠陥マーキング装置でマーキングを行い、欠陥マーキング検出装置で欠陥マーキングの状態を監視し、監視結果を集中制御盤で再編集し、外部記憶装置に出力すればよい。
【0045】このようにすることによって、より安価な設備で欠陥マーキングされたコイルを製造できる。
【0046】この場合、別のラインの主要設備の配置例を図8〜図10に示す。図8はオイラー17を欠陥マーキング検出装置9の下流側に配設した場合、図9はオイラー17を欠陥マーキング装置8の上流側に配設した場合である。図10は、マーキング装置8の上流側にトリマー18と検査台16を配設した場合である。図10の場合、必要に応じて、図1の場合と同様にして、検査台における欠陥の目視検査の結果を2次修正することができる。
【0047】また、欠陥マーキングされたコイルの次工程の設備に欠陥マーキング検出装置を設置し、欠陥マーキング装置で検出した欠陥情報を当該設備における欠陥除去作業に反映することによって、当該設備で、より精度の良い、また能率的な欠陥除去作業を行うことが可能となる。欠陥マーキング検出装置を設置する設備は、鋼板メーカー側の設備であってもよいし、コイル購入者側の設備であってもよい。
【0048】図11は、欠陥マーキング検出装置9を備えるコイリング設備の一例であり、欠陥マーキング検出装置9で検出した欠陥情報を欠陥除去作業に反映、例えば警報を出力し、あるいは必要に応じてコイルの払い出し速度の減速等を行い、検査台16での検査精度や検査能率の向上、あるいは欠陥除去作業能率の向上を図ることができる。
【0049】図12は、欠陥マーキング検出装置9を備える切断設備の一例であり、欠陥マーキング検出装置9で検出した欠陥情報に基いて、ゲート切替装置23を操作して、切断機15で切断したシートを良品パイラー24と不良品パイラー25に選別可能としている。欠陥除去作業を高能率で行うことができる。
【0050】
【発明の効果】このように本発明によれば、欠陥マーキングによって鋼板に疵を発生することなく、鋼板表面に防錆油等の油付着の有無にかかわらず、有害欠陥を確実かつ容易に識別可能とする欠陥マーキングされたコイルを製造することができる。
【0051】また、鋼板表面の欠陥位置をトラッキングし有害欠陥部にマーキングされているので、購入者は欠陥部を容易に検出することができる。また有害欠陥部巻込みにより必要コイル長さで出荷可能となり、購入者の作業能率が向上する。
【0052】欠陥程度に応じてマーキング色を変更し、あるいは欠陥名や欠陥程度を考慮して不要なマーキング表示を行わない場合、作業能率の向上効果がより優れる。
【0053】また鋼板メーカーにとっても、有害欠陥部除去作業が容易となり作業能率が大幅に向上し、また判別困難欠陥についても過剰な欠陥除去作業が不要になり歩留が向上する。
【0054】また、欠陥マーキングされたコイルの次工程の設備に欠陥マーキング検出装置を設置し、欠陥マーキング装置で検出した欠陥情報を当該設備における欠陥除去作業に反映することによって、当該設備で、より精度の良い、また能率的な欠陥除去作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる鋼板の連続処理ラインの構成例を示す図で鋼板のコイリング設備の要部を示す
【図2】CRT表示画面の一例を図。
【図3】欠陥部位置と欠陥マーキング位置の状態を示す図。
【図4】欠陥マーキング装置と欠陥マーキング検出装置を各1基備える場合の設備配置置の例を示す図。
【図5】欠陥マーキング装置と欠陥マーキング検出装置を各2基備える場合の設備配置の例を示す図。
【図6】1基の欠陥マーキング装置を使用して欠陥部にマーキングした状態を示す図。
【図7】2基の欠陥マーキング装置を使用して、有害欠陥・判別困難欠陥を別々にマーキングした状態を示す図。
【図8】欠陥マーキング装置と欠陥マーキング検出装置を備えるラインの要部設備の配置例を示す図。
【図9】欠陥マーキング装置と欠陥マーキング検出装置を備える別のラインの要部設備の配置例を示す図。
【図10】欠陥マーキング装置と欠陥マーキング検出装置に加えて検査台を備えるラインの要部設備の配置例を示す図。
【図11】欠陥マーキング検出装置を備えるコイリング設備の要部設備の配置例を示す図。
【図12】欠陥マーキング検出装置を備える切断設備の要部設備の配置例を示す図。
【符号の説明】
1 鋼板
2 検出器
3 表面欠陥計
4 信号処理部
5 CRT
6 集中制御盤
7 2次判定入力装置
8、8a、8b 欠陥マーキング装置(インクマーカー装置)
9、9a、9b 欠陥マーキング検出装置
10 テンションリール
11 搬送ロール
12 パルス発信機
13 鋼板搬送距離演算装置
14 外部記憶装置
15 切断機
16 検査台
17 オイラー
18 トリマー
19 ペイオフリール
20 有害欠陥
21、21a、21b 欠陥マーキング
22 判別困難欠陥
23 ゲート切替装置
24 良品パイラー
25 不良品パイラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面疵を検出する表面欠陥計と欠陥位置にインクでマーキングするインクマーカー装置とが設置された鋼板の連続処理ラインにあって、表面欠陥計からの信号に基づき有害欠陥を弁別する欠陥弁別工程と、前記有害欠陥がインクマーカー装置に到達した時点で欠陥位置に、インクを染み込ませたフェルトを直接鋼板に押付けてインクを鋼板に付着させてマーキングするマーキング工程とを有することを特徴とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項2】 前記欠陥弁別工程は、表面欠陥計で鋼板の欠陥候補を検出し、その検出信号に基いて、欠陥グレードを演算し、さらに有害欠陥と無害欠陥とを弁別することを特徴とする請求項記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項3】 前記欠陥弁別工程は、有害欠陥と、判別困難欠陥と、無害欠陥とに弁別するとともに、前記マーキング工程は、有害欠陥又は判別困難欠陥がインクマーカー装置に到達した時点でマーキングすることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。

【請求項4】 有害欠陥が識別されているコイルを、イ
ンクでマーキングするインクマーカー装置を設置した鋼板の連続処理ラインに装入する装入工程と、予め識別されている有害欠陥の情報に基いて、前記有害欠陥がインクマーカー装置に到達した時点で欠陥位置に、インクを染み込ませたフェルトを直接鋼板に押付けてインクを鋼板に付着させてマーキングするマーキング工程とを有することを特徴とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項5】 予め表面欠陥計を備えたラインで欠陥の
位置を演算し、さらに有害欠陥が識別されているコイルを、インクでマーキングするインクマーカー装置を設置した鋼板の連続処理ラインに装入する装入工程と、予め識別されている有害欠陥の情報に基いて、前記有害欠陥がインクマーカー装置に到達した時点で欠陥位置に、インクを染み込ませたフェルトを直接鋼板に押付けてインクを鋼板に付着させてマーキングするマーキング工程とを有することを特徴とする欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項6】 前記装入工程にて装入されるコイルにつ
いては、表面欠陥計で鋼板の欠陥候補が検出され、その検出信号に基いて、欠陥グレードが演算され、さらに有害欠陥と無害欠陥とが弁別されていることを特徴とする請求項4又は5記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項7】 前記装入工程にて装入されるコイルにつ
いては、有害欠陥と、判別困難欠陥と、無害欠陥とに弁別されているとともに、前記マーキング工程は、有害欠陥又は判別困難欠陥がインクマーカー装置に到達した時点でマーキングすることを特徴とする請求項4乃至6のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項8】 前記マーキング工程におけるマーキング長さは、欠陥部が欠陥マーキングの外に出ないように設定することを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項9】 前記マーキング工程におけるマーキングの線幅は、3〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項10】 前記マーキング工程におけるフェルトの押付け圧は、150〜500gの範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。
【請求項11】 インクマーカー装置の下流に欠陥マーキング検出装置を設置してマーキングの状態を確認するマーキング確認工程を有することを特徴とする請求項乃至10のうち何れか一項に記載の欠陥マーキングされたコイルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【特許番号】特許第3374848号(P3374848)
【登録日】平成14年11月29日(2002.11.29)
【発行日】平成15年2月10日(2003.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−73345(P2001−73345)
【分割の表示】特願平10−125594の分割
【出願日】平成10年5月8日(1998.5.8)
【公開番号】特開2001−311695(P2001−311695A)
【公開日】平成13年11月9日(2001.11.9)
【審査請求日】平成14年6月6日(2002.6.6)
【早期審査対象出願】早期審査対象出願
【出願人】(000004123)日本鋼管株式会社 (1,044)
【参考文献】
【文献】特開2001−293520(JP,A)