説明

歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システム

【課題】 複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、歌唱採点の娯楽性を高める。
【解決手段】 利用者IDに対応付けた歌唱者画像36を管理する歌唱者画像管理手段33、現にカラオケ演奏端末11にログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するログイン利用者管理手段53、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱パートに対応する歌唱区間毎に歌唱者となる利用者を利用者IDに基づき特定して、当該歌唱者の歌唱力を所定数の歌唱区間において採点する歌唱採点手段54、歌唱区間毎に特定された各歌唱者それぞれの歌唱者画像を、それぞれの採点結果に応じた比率で合成して合成歌唱者画像45bを作成する歌唱者画像合成手段55、合成歌唱者画像45bを表示部に表示させる合成歌唱者画像表示手段56を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱者の採点結果に応じて歌唱者画像を合成して表示する歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケ装置は、歌唱者の歌唱力を採点するための機能を有しているものが多い(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、伴奏音楽データに付属する歌唱パートの模範旋律データと、伴奏音楽に合わせて歌唱を行う歌唱者の歌声信号とのピッチ推移の一致度合いを逐次検出すると共に、一致度合いを集積して採点データを出力するようになっている。また、例えばデュエット曲のように、男女2名の歌唱者がそれぞれの歌唱パートを交代で歌う際に、各歌唱者の歌唱力をそれぞれ採点可能なカラオケ装置も存在する。
【0003】
また、ビデオカメラで撮影した利用者の人物映像を適宜にサンプリングして顔写真の静止画データを生成し、この顔写真の静止画データに対して歌唱採点結果に基づいた変形加工処理を加えて表示することができるカラオケ装置も存在する(特許文献2参照)。この特許文献2に記載された技術は、歌唱採点結果が高いほど顔写真の変形度を小さくし、歌唱採点結果が低いほど顔写真の変形度を大きくして、歌唱途中における歌唱採点結果を逐次表示するようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】特開2007−121917号公報
【特許文献2】特開平11−231881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に代表される従来の技術では、カラオケ楽曲の演奏が終了した時点で、歌唱者の歌唱力を数値化して表示したり、採点バトルの勝者を表示したりするのが一般的であり、このような採点結果の表示方法では、歌唱者自身や視聴者にとって、歌唱途中における歌唱力の優劣が判断できずに、カラオケ装置を用いた歌唱の面白さを充分に味わうことができない場合もあった。さらに、歌唱途中における採点結果を逐次表示したとしても、採点バトルとして盛り上がりに欠け、娯楽性に乏しいものとなってしまう。
【0006】
また、上述した特許文献2に記載された技術は、単独の歌唱者の歌唱採点結果を表示することを前提としている。したがって、デュエット曲等について採点バトルを行う際に、当該技術を応用して各歌唱者の顔写真を個別に変形して表示したとしても、各歌唱者についての歌唱力の優劣は判断できるが、いずれの歌唱者の歌唱力が優れているのかを直感的に判断することはできない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、カラオケ装置の歌唱採点機能を用いた歌唱採点の娯楽性を高めることが可能な歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムは、カラオケ楽曲を演奏する際に、歌唱者画像を表示する機能と、歌唱者の歌唱力を採点する機能とを有し、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱者の採点結果に応じて歌唱者画像を合成して表示するシステムであって、歌唱者画像管理手段と、ログイン利用者管理手段と、歌唱採点手段と、歌唱者画像合成手段と、合成歌唱者画像表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
歌唱者画像管理手段は、顧客データベースにて、利用者IDに対応付けて当該利用者を表す画像を歌唱者画像として管理するための手段である。ログイン利用者管理手段は、現にカラオケ演奏端末にログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するための手段である。歌唱採点手段は、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱パートに対応する歌唱区間毎に歌唱者となる利用者を利用者IDに基づき特定して、当該歌唱者の歌唱力を所定数の歌唱区間において採点するための手段である。歌唱者画像合成手段は、歌唱区間毎に特定された各歌唱者それぞれの歌唱者画像を、歌唱採点手段におけるそれぞれの採点結果に応じた比率で合成して合成歌唱者画像を作成するための手段である。合成歌唱者画像表示手段は、所定のタイミングで合成歌唱者画像を表示部に表示させるための手段である。
【0010】
上述した構成からなる歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムでは、例えば男声パート、女声パート、及び混声パートを有するデュエット曲のように、男女2名がそれぞれの歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲について、歌唱採点手段により、各歌唱パートを歌唱する歌唱者の歌唱力を所定数の歌唱区間において採点する。ここで、所定数を「1」に設定した場合には、歌唱区間毎に採点を行い、所定数を「2」以上に設定した場合には、複数の歌唱区間にわたって採点を行う。
【0011】
そして、歌唱者画像合成手段により、男声パートを歌唱する歌唱者の歌唱者画像と、女声パートを歌唱する歌唱者の歌唱者画像とを合成して合成歌唱者画像を作成するが、この際、採点結果に応じた比率で画像合成を行う。具体的には、男声パートを歌唱する歌唱者の採点が上回った場合には、男声パートの歌唱者画像の比率が高くなり、女声パートを歌唱する歌唱者の採点が上回った場合には、女声パートの歌唱者画像の比率が高くなるように画像合成を行う。
画像合成された合成歌唱者画像は、合成歌唱者画像表示手段により、背景画像を映し出すメインモニタの表示部等に表示される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムによれば、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱者の採点結果に応じて歌唱者画像を合成して逐次表示することができるので、カラオケ装置の歌唱採点機能を用いた歌唱採点の娯楽性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムの実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムは、カラオケ楽曲を演奏する際に、歌唱者画像を表示する機能と、歌唱者の歌唱力を採点する機能とを有し、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱者の採点結果に応じて歌唱者画像を合成して表示するシステムである。
【0014】
<カラオケシステムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係る歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムを含むカラオケシステムの構成を示す説明図、図2は、カラオケ演奏端末の構成を示す説明図、図3は顧客データベースの説明図である。
【0015】
本発明の実施形態に係る歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムを含むカラオケシステムは、図1に示すように、通信ネットワーク12を介して相互に接続されたホスト装置13と複数のカラオケ演奏端末11とを備えている。通信ネットワーク12は、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であると共に、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネットにより構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0016】
<ホスト装置>
ホスト装置13は、図1に示すように、制御手段31、歌唱者画像管理手段33としての機能を有するデータ処理手段32、送受信手段34、歌唱者画像36を含む利用者情報を格納した顧客データベース35を備えている。これらの構成要素のうち、歌唱者画像管理手段33及び顧客データベース35が、カラオケ演奏端末11の構成要素であるログイン利用者管理手段53、歌唱採点手段54、歌唱者画像合成手段55、合成歌唱者画像表示手段56と共に、歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムとして機能する。
【0017】
送受信手段34は、各カラオケ演奏端末11との間でデータの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク12における通信方式の整合性を保つための通信回路やソフトウェアにより構成される。制御手段31は、ホスト装置13を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。
【0018】
<データ処理手段/顧客データベース>
データ処理手段32は、歌唱者画像管理手段33としても機能する手段であり、具体的には、顧客データベース35にアクセスして、データの抽出、変更、追加を処理するためのプログラムからなる。特に、歌唱者画像管理手段33は、顧客データベース35にて、利用者IDに対応付けて当該利用者を表す画像を歌唱者画像36として管理するためのプログラムからなる。
顧客データベース35は、利用者毎に利用者情報が登録されたデータベースであり、利用者情報の一つとして歌唱者画像36を有している。この顧客データベース35は、図3に示すように、利用者毎に、利用者ID、氏名、セカンドネーム(例えば愛称)、住所、電話番号、生年月日、性別、職業、歌唱者画像が関連付けて構成されている。なお、歌唱者画像36は、利用者の顔写真であってもよいし、利用者が選択したアバターであってもよい。また、顧客データベース35に登録する情報は、上述した情報に限られず、適宜必要な情報のみであってもよいし、他の情報を付加してもよい。
【0019】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係る歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムを適用するカラオケ演奏端末11は、図2に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、ミキシングアンプ23、スピーカ24、マイクロホン25、表示手段26を備えている。カラオケ本体21と表示手段26とは、有線方式又は無線方式により接続されている。
【0020】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21のローカル送受信手段47に対して有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっており、データの送受信を行うための回路基板及びプログラムと、楽曲検索手段22aとして機能させるためのプログラムと、楽曲索引データベース22bと、一時記憶領域であるフラッシュメモリ(図示せず)とを備えている。
【0021】
<楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aが参照する楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏端末11で演奏に供される楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。なお、楽曲索引データベース22bの内容は、カラオケ演奏端末11がホスト装置13と通信を行う際に、適宜なタイミングで最新のものに更新される。
【0022】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、バス41、ネットワーク送受信手段42、中央制御手段43、ROM44、RAM45、HDD46、ローカル送受信手段47、予約管理手段48、音楽再生制御手段49、A/Dコンバータ50、映像再生制御手段51、利用者ID取得手段52、ログイン利用者管理手段53、歌唱採点手段54、歌唱者画像合成手段55、合成歌唱者画像表示手段56を備えている。
【0023】
<中央制御手段>
中央制御手段43は、カラオケ演奏端末11を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM44等に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0024】
<ROM/RAM>
ROM44は、カラオケ演奏端末11を構成する各機器を制御するためのアプリケーションプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM45は、アプリケーションプログラムや合成歌唱者画像45b等のデータを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM45を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM45を構成してもよい。本実施形態では、RAM45に、予約待ち行列45a及び合成歌唱者画像45bが格納されている。
【0025】
<HDD>
HDD46には、楽曲データベース46a及び映像データベース46bが格納されている。また、HDD46は、ホスト装置13の顧客データベース35から取得した歌唱者画像を一時的に記憶するための歌唱者画像一時記憶部46cとしても機能する。後に詳述するが、歌唱者画像一時記憶部46cに一時的に記憶された歌唱者画像は、歌唱者画像合成手段55により歌唱者画像を合成する際に使用される。なお、HDD46に替えて、あるいはHDD46と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0026】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース46aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞テロップデータが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ格納したデータベースである。演奏データは各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞テロップデータは演奏データに同期された楽曲の歌詞文字データである。
映像データベース46bは、演奏される楽曲に対応した背景映像を、当該楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0027】
<利用者ID取得手段>
利用者ID取得手段52は、利用者がカラオケ演奏端末11を利用する際に、利用者が所持するID媒体61から利用者IDを取得するための電子回路及びプログラムからなる。利用者ID取得手段52で取得した利用者IDは、RAM45に一時的に記憶され、ログイン利用者管理手段53で管理される。ID媒体61は、例えば、非接触型のICカード、携帯電話、携帯情報端末等からなり、利用者IDを記憶して、利用者ID取得手段52との間でデータの送受信を行うことができるようになっている。
【0028】
<ログイン利用者管理手段>
ログイン利用者管理手段53は、現に当該カラオケ演奏端末11にログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するためのプログラムからなる。すなわち、ログイン利用者管理手段53では、利用者ID取得手段52により利用者IDが取得された場合に、この利用者IDに基づいてカラオケ演奏端末11にログインしている利用者を特定して管理する。
【0029】
<歌唱採点手段>
歌唱採点手段54は、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱パートに対応する歌唱区間毎に歌唱者となる利用者を利用者IDに基づき特定して、当該歌唱者の歌唱力を所定数の歌唱区間において採点するためのプログラムからなる。カラオケ楽曲には、前奏区間、間奏区間、後奏区間のように歌唱者が歌唱しない非歌唱区間と、実際に歌唱者が歌唱する歌唱区間とがある。歌唱採点手段54では、例えば、男声パート、女声パート、混声パートのように複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱パートにそれぞれ対応する歌唱区間毎に歌唱者となる利用者を利用者IDに基づき特定する。そして、所定数の歌唱区間において、分類された歌唱パート別に採点を行うようになっている。
【0030】
歌唱採点では、マイクロホン25より入力された歌唱者の音声信号から、音程、声量、テンポ等の歌唱評価データを抽出すると共に、この歌唱評価データと演奏楽曲の主旋律等のリファレンス情報とを比較して採点を行う。このような歌唱採点方法については、特開2007−121917号公報等に詳細に記載されている。
【0031】
<歌唱者画像合成手段>
歌唱者画像合成手段55は、歌唱区間毎に特定された各歌唱者それぞれの歌唱者画像を、歌唱採点手段54におけるそれぞれの採点結果に応じた比率で合成して合成歌唱者画像45bを作成するためのプログラムからなる。作成された合成歌唱者画像45bは、RAM45に一時的に記憶される。歌唱者画像合成手段55では、例えば、目、眉毛、耳、鼻、口、顎、髪型等の部分をそれぞれ抽出して合成したり、モーフィング技術を用いて画像合成を行ったりする。合成に際しては、特に顔の表情に影響を与える部分のポイントを高く設定する等、顔の各部分に重み付けを行うことにより、採点結果に応じて最適な合成歌唱者画像45bを作成することができる。
歌唱者画像合成手段55における画像合成技術は、どのような方法であってもよく、例えば、特開2004−5265号公報等に記載されている画像合成技術を用いることができる。
【0032】
<合成歌唱者画像表示手段>
合成歌唱者画像表示手段56は、歌唱者画像合成手段55により合成され、RAM45に一時的に記憶された合成歌唱者画像45bを表示手段26の表示部に表示させるためのプログラムからなる。合成歌唱者画像表示手段56おける合成歌唱者画像45bの表示方法はどのようなものであってもよいが、例えば、既に表示されていた合成歌唱者画像45bをフェードアウトして、新たな合成歌唱者画像45bをフェードインしたり、モーフィング技術を用いて、既に表示されていた合成歌唱者画像45bを連続的に変化させて、新たな合成歌唱者画像45bを表示したりすることができる。
【0033】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段49は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース46aから抽出された演奏データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ23に出力するための電子回路である。ミキシングアンプ23は、マイクロホン25から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段49から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ24より出力させるための装置である。なお、マイクロホン25の数は1本に限られず、2本以上であってもよい。
また、マイクロホン25は、A/Dコンバータ50を介してバス41に接続されており、マイクロホン25から入力された音声信号が歌唱採点手段54における歌唱採点に使用される。
【0034】
<映像再生制御手段/表示手段>
映像再生制御手段51は、カラオケ演奏中に、映像データベース46bから抽出した映像データ、及び楽曲データベース46aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を当該楽曲の演奏データに同期させて表示手段26に出力するための電子回路である。さらに、映像再生制御手段51は、カラオケリモコン装置22を介した利用者からの操作指示による予約楽曲リストの表示等を表示手段26に表示させる機能も有している。
表示手段26は、カラオケ演奏時の映像、歌詞テロップ、合成歌唱者画像45b等を表示するための装置で、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等により構成される。
【0035】
<予約管理手段>
予約管理手段48は、利用者によりカラオケリモコン装置22における楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲され、ローカル送受信手段47を介して送信された当該選曲者の利用者情報(例えば利用者ID)及び選曲された楽曲IDを対応付けて予約待ち行列45aとしてRAM45に格納し、管理するためのプログラムである。なお、楽曲選択の表示や予約待ち行列45aの表示は、カラオケリモコン装置22の入出力用表示部及び表示手段26のいずれか一方、あるいは双方で行うことができる。
【0036】
<送受信手段>
ローカル送受信手段47は、カラオケリモコン装置22との間でデータの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。ネットワーク送受信手段42は、通信ネットワーク12を介してホスト装置13との間でデータの送受信を行う際に、通信ネットワーク12における通信方式の整合性を保つための電子回路及びプログラムからなる。
【0037】
<歌唱採点値の比較と合成画像の作成>
図4を参照して、本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムにおける歌唱採点値の比較と合成画像の作成について説明する。図4は、歌唱採点値の比較と合成画像の作成の手順を示す説明図である。また、図5〜図7は、カラオケ楽曲の演奏進行に伴って表示される合成歌唱者画像の一例を示す説明図である。
【0038】
本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムでは、カラオケ演奏端末11で演奏される楽曲を非歌唱区間と歌唱区間とに区別する。図4に示す例は、デュエット曲を演奏する場合であって、歌唱区間を男声パート、女声パート、混声パートに区別している。なお、男性2人が歌唱するデュオ曲や女性2人が歌唱するデュオ曲の場合には、各歌唱者のパート及び混声パートに区別すればよい。さらに、トリオ曲やカルテット曲等のように3人以上の歌唱者が歌唱する楽曲についても、同様に歌唱パートを区別すればよい。
【0039】
カラオケリモコン装置22を用いて選曲を行う際に、選曲者の利用者IDを入力することにより、各歌唱パート(歌唱区間)を歌唱する歌唱者が特定される。また、顧客データベース35に格納された利用者情報には性別データが含まれているため、男女2人が歌唱を行うデュエット曲の場合には、取得した利用者の性別情報に基づいて、各歌唱パートを歌唱する歌唱者を特定してもよい。この際、2本以上のマイクロホン25を用意し、各歌唱パート(歌唱区間)とマイクロホン25とを対応付けてもよい。
【0040】
カラオケ楽曲の演奏が開始されると、まず初めに、図5に示すような開始画像が表示される。歌唱採点は、所定数の歌唱区間において行われる。図4に示す例では、歌唱採点手段54により、まず、男声パート(M1)と女声パート(F1)についてそれぞれ歌唱採点を行い、歌唱者画像合成手段55により、歌唱者の採点結果を比較し、比較結果に応じた比率で、男声パートの歌唱者画像と女声パートの歌唱者画像とを合成し、合成歌唱者画像45bとしてRAM45に一時的に記憶する。ここで、例えば、男声パートの歌唱採点結果が60点で、女声パートの歌唱採点結果が80点であったとすると、男声パートの歌唱者画像と女声パートの歌唱者画像とが60:80の割合で合成される。歌唱者画像の合成では、歌唱採点結果に応じて、例えば、目、眉毛、耳、鼻、口、顎、髪型等の部分をそれぞれ抽出して画像合成が行われる。そして、男声パート(M1)及び女声パート(F1)に続く混声パート(MF1)と、その後の間奏区間で、合成歌唱者画像表示手段56により、合成歌唱者画像45bの表示が行われる。この際に表示される合成歌唱者画像45bは、図6に示すようになる。
【0041】
同様にして、男声パート(M2)と女声パート(F2)についてそれぞれ歌唱採点を行い、歌唱採点の比較結果に応じた比率で、男声パートの歌唱者画像と女声パートの歌唱者画像とを合成し、男声パート(M2)及び女声パート(F2)に続く混声パート(MF2)と、その後の間奏区間で、合成歌唱者画像45bの表示が行われる。ここで、例えば、男声パートの歌唱採点結果が75点で、女声パートの歌唱採点結果が68点であったとすると、男声パートの歌唱者画像と女声パートの歌唱者画像とが75:68の割合で合成される。この際に表示される合成歌唱者画像45bは、図7に示すようになる。
【0042】
さらに同様にして、男声パート(M3)と女声パート(F3)についてそれぞれ歌唱採点を行い、歌唱採点の比較結果に応じた比率で、男声パートの歌唱者画像と女声パートの歌唱者画像とを合成し、男声パート(M3)及び女声パート(F3)に続く混声パート(MF3)と、その後の間奏区間で、合成歌唱者画像45bの表示が行われる。
【0043】
そして、後奏区間が終了すると、各歌唱パートにおける採点結果を総合した総合評価に応じた比率で、男声パートの歌唱者画像と女声パートの歌唱者画像とを合成して合成歌唱者画像45bを作成し、次の楽曲の演奏が開始するまでの所定期間、当該合成歌唱者画像45bの表示が行われる。
【0044】
<他の実施形態>
本発明の歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、歌唱者画像合成表示システム及びカラオケシステムの利用目的等に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【0045】
また、カラオケ演奏端末11をネットワークに接続せずに、スタンドアロンで動作させてもよい。この場合、ホスト装置13の構成要素である歌唱者画像管理手段33及び顧客データベース35は、ローカルなカラオケ装置の構成要素となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムを含むカラオケシステムの構成を示す説明図。
【図2】カラオケ演奏端末の構成を示す説明図。
【図3】顧客データベースの説明図。
【図4】歌唱採点値の比較と合成画像の作成の手順を示す説明図。
【図5】カラオケ楽曲の演奏進行に伴って表示される合成歌唱者画像の一例を示す説明図。
【図6】カラオケ楽曲の演奏進行に伴って表示される合成歌唱者画像の一例を示す説明図。
【図7】カラオケ楽曲の演奏進行に伴って表示される合成歌唱者画像の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0047】
11 カラオケ演奏端末
12 通信ネットワーク
13 ホスト装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 ミキシングアンプ
24 スピーカ
25 マイクロホン
26 表示手段
31 制御手段
32 データ処理手段
33 歌唱者画像管理手段
34 送受信手段
35 顧客データベース
41 バス
42 ネットワーク送受信手段
43 中央制御手段
44 ROM
45 RAM
45a 予約待ち行列
45b 合成歌唱者画像
46 HDD
46a 楽曲データベース
46b 映像データベース
46c 歌唱者画像一時記憶部
47 ローカル送受信手段
48 予約管理手段
49 音楽再生制御手段
50 A/Dコンバータ
51 映像再生制御手段
52 利用者ID取得手段
53 ログイン利用者管理手段
54 歌唱採点手段
55 歌唱者画像合成手段
56 合成歌唱者画像表示手段
61 ID媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲を演奏する際に、歌唱者画像を表示する機能と、歌唱者の歌唱力を採点する機能とを有し、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱者の採点結果に応じて歌唱者画像を合成して表示する歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システムであって、
歌唱者画像管理手段と、ログイン利用者管理手段と、歌唱採点手段と、歌唱者画像合成手段と、合成歌唱者画像表示手段と、を備え、
前記歌唱者画像管理手段は、顧客データベースにて、利用者IDに対応付けて当該利用者を表す画像を歌唱者画像として管理し、
前記ログイン利用者管理手段は、現にカラオケ演奏端末にログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理し、
前記歌唱採点手段は、複数の歌唱パートを有するカラオケ楽曲について、各歌唱パートに対応する歌唱区間毎に歌唱者となる利用者を利用者IDに基づき特定して、当該歌唱者の歌唱力を所定数の歌唱区間において採点し、
前記歌唱者画像合成手段は、歌唱区間毎に特定された各歌唱者それぞれの歌唱者画像を、前記歌唱採点手段におけるそれぞれの採点結果に応じた比率で合成して合成歌唱者画像を作成し、
前記合成歌唱者画像表示手段は、所定のタイミングで前記合成歌唱者画像を表示部に表示させる、
ことを特徴とする歌唱採点結果に応じた歌唱者画像合成表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−265541(P2009−265541A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118071(P2008−118071)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】