説明

歌唱練習用器具

【課題】 カラオケ歌唱などの練習をする際にマイクを使わず歌う場合、自分の歌声のニュアンスや発声の状態などを自分自身で確かめるには、自分の声に注意深く耳を傾けるしかなかった。しかし歌声は大気中に拡散されてしまうので、自分の歌声を自分自身で明瞭に聴き取ることは非常に困難だった。ポリバケツなどを頭にかぶって歌うことにより自分の歌声を明瞭に聴き取ることもできたが、この方法ではカラオケの伴奏音楽が聞こえにくくなったり歌詞カードを見づらくなったりした。
【解決手段】 細長く深い皿状の物を開口部に沿って湾曲させた形状を有する器具(図1)を電話の受話器のように片手に持って顔の横に当て、口と片耳だけを覆いながら歌うことによって、自分自身の歌声を明瞭に聴き取ることができるとともに、カラオケの伴奏音楽も別の耳でつぶさに聴き取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ歌唱等の練習をする際に自分自身の歌声を明瞭に聴き取るための器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、歌唱技術の上達を目指し、一人でマイクを使わず自宅などで練習する場合、自分自身の声の状態や発声の具合などを自分自身で確かめるためには、自分の声に注意深く耳を傾けるしかなかった。あるいは、ポリバケツやそれに類する物を頭にかぶって歌うなどの方法を取って上の目的を達成しようとすることもあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上述べた方法には次のような欠点があった。
(イ)自分の歌声に注意深く耳を傾けながら歌ったとしても、もとより歌声は大気中に拡散されてしまうので、歌声の微妙なニュアンスや音程の正しさなどを自分自身で確実に聴き取って評価するのは非常に困難だった。
(ロ)自分の歌声を聴き取るためにポリバケツなどを頭にかぶる場合、かなり深めのものをかぶるしかなく、肩から上の頭部全体を覆ってしまうため、カラオケの伴奏音楽が非常に聞こえにくくなった。また、歌詞カードが見づらくなったり、歌詞カードをまったく見ることができなくなったりした。加えて、大きな声で歌う際に自分自身の声が自分の耳に非常にうるさく感じられることもあった。
本発明はこれらの欠点を解消するためのものであり、非常に簡単に、効果的に自分の歌声を自分自身で明瞭に聴き取ることができる器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
細長く深い皿状の物を開口部に沿って湾曲させた器具(図1)を使用する。
本発明は、上のような形状を有する歌唱練習用器具である。
【発明の効果】
【0005】
歌唱の練習をする際、本発明の器具を、電話の受話器を持つように片手で顔の横に当て、口と片耳を覆いながら歌うことによって、自分の歌声を非常に明瞭に聴き取ることができる。
【0006】
小さい声や大きい声、高い声など、声の種類や声量などに応じて器具の位置を口や耳から自由に離したり近づけたりできるので、大きな声や高い声で歌う際には器具を口や耳から遠ざけることで、自分自身の声をうるさく感じることがない。
【0007】
この器具は片耳だけを塞ぐので、残る片方の耳にはいかなる影響も及ぼさず、カラオケの伴奏音楽を聴き取る妨げにならない。
【0008】
アパートの部屋など、周囲への騒音に配慮しなければならない場所で歌唱の練習をする場合でも、この器具を使って口を覆いながら歌うことにより、歌声が近隣へ拡散するのを著しく軽減できる。
【0009】
発声や言語表現に障害を持つ人が、正しい発声や言語表現を身に付けるための訓練を行なう際においても、この器具を使うことによって自分の声の状態を明確に聴き取ることができる。
【0010】
本発明をプラスチックやポリエチレンなどの材料を使用して制作すれば、きわめて軽量で丈夫なものを安価で作ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の斜視図
【図2】同A−A断面図
【図3】同B−B断面図
【符号の説明】
C 内面の状態
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の斜視図であり、全体の縦の長さは約27cm、横幅は約7cmを基本とする。幼児や児童を対象にした製品を別途に製作する場合は、縦の長さを約23cm、横幅を約6cmとする。
【0014】
図2はA−Aの断面図であり、ほぼ半円形に近い形状を有する。
【0015】
Cは内面の状態を示しており、この器具の内面は、滑らかな平面であるより、ざらざらしているほうが音響効果の面で無駄な反響を抑止できる。あるいは内面に数多くの小さな突起を設けることによって器具内で歌声が必要以上に反響することを防止できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自分の口から出た声を自分の片耳で明瞭に聞き取るための、細長く深い皿状の物を開口部に沿って湾曲させた形状を有する歌唱練習用器具(図1)。
【請求項2】
口から耳へ伝わる音が必要以上に反響することを防止するため、内面が滑らかでなく、粗い表面(C)を有することを特徴とする請求項1記載の歌唱練習用器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−243993(P2010−243993A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106990(P2009−106990)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(504138252)
【Fターム(参考)】