説明

止め具

【課題】 部材の紛失によって2つの物品を結合させることができない事態を招くことがない止め具を提供する。
【解決手段】
止め具1は、前後方向Bに延びる筒状部11が、筒状部の前端に向けて径方向Aの寸法が徐々に小さくなる挿入部33を備え、相手方部品である第1板部材61に形成された挿入孔63に対して挿入部33を貫通させることにより第1板部材61に取り付けることができる。筒状部11は、前端部11aから後端部11bに向かって延びる複数条のスリット36によって複数の周壁部分3A、3B、3C、3D、3E、3Fに分割されていて、それらの周壁部分が筒状部における径方向Aの内方に向かって弾性変形可能に形成してあり、周壁部分には、前端部11aと後端部11bとの間に筒状部を一周するように溝部32が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二つ以上の物品を結合させるのに好適な止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの物品を結合させるための止め具は公知である。例えば、特許文献1には、グロメットとピンとを備えるクリップである止め具が開示されている。
【0003】
グロメットは、上下方向に延びる円筒状の脚部と、脚部の上端部に形成した鍔部とを有し、脚部および鍔部には上下方向に延びるピン挿入孔が形成されている。この挿入孔の下端部には、挿入孔の内径を小さくするための爪部を形成してある。
【0004】
ピンは、挿入孔を貫通することが可能となるように、上下方向に延びるように形成してある。
【0005】
このクリップによって、二つの物品を結合させる場合、先ず、一方の物品と、もう一方の物品とに、グロメットの脚部を挿入することができる取付孔をそれぞれ形成する。
【0006】
次に、一方の物品の取付孔と、もう一方の物品の取付孔とを一致させてから、これらの取付孔にグロメットの脚部を挿入する。
【0007】
次いで、グロメットの挿入孔にピンを挿入する。すると、挿入孔の下端部に形成した爪部にピンが当接することによって脚部が拡径し、この脚部が拡径することと鍔部とによって取付孔からグロメットおよびピンが抜けることを防止して二つの物品を結合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−270525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されているクリップは、グロメットとピンとの2つの部材で形成してあるため、いずれか一方の部材を紛失した場合には、2つの物品を結合させることができない問題があった。
【0010】
そこで、この発明では、部材の紛失によって少なくとも2つの物品を結合させることができない事態を招くことがない止め具の提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、前後方向に延びる筒状部が、前記筒状部の前端に向けて径方向の寸法が徐々に小さくなる挿入部を備え、相手方物品に形成された挿入孔に対して前記挿入部を貫通させることにより前記相手方物品に取り付けることのできる止め具である。
【0012】
かかる止め具において、この発明の特徴は、次のとおりである。前記筒状部は、前記前端から後端に向かって延びる複数条のスリットによって複数の周壁部分に分割されていて、前記周壁部分が前記筒状部における径方向の内方に向かって弾性変形可能に形成してあり、前記周壁部分には、前記前端と前記後端との間に前記筒状部を一周するように溝部が形成されている。
【0013】
この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記溝部の幅は、前記相手方物品における前記挿入孔の周縁部分の厚さと同じか、前記挿入孔の周縁部分の厚さよりも大きく形成されている。
【0014】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記筒状部の径方向の外方には、前記筒状部に平行して前記後端から延びて前記前端の手前で終わる第2筒状部が形成され、前記筒状部の後端と前記第2筒状部の後端とが前記止め具の後端を形成する支持部につながり、前記スリットが前記第2筒状部に平行して延びている。
【0015】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記第2筒状部には、前記第2筒状部における前端に始まって後端に向かって延びていて前記前後方向に平行する複数条の第2スリットが形成してある。
【0016】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記筒状部に形成した複数条の前記スリットと、前記第2筒状部に形成した複数条の前記第2スリットとは、前記止め具の径方向における位置が一致している。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る止め具によれば、筒状部は、前端から後端に向かって延びる複数条のスリットによって複数の周壁部分に分割されていて、周壁部分が筒状部における径方向の内方に向かって弾性変形可能に形成してあり、周壁部分には、前端と後端との間に筒状部を一周するように溝部が形成されているため、例えば、一方の物品と、もう一方の物品とが備える取付孔に挿入部を挿入すれば、挿入部が径方向の内方に向けて弾性的に縮径し、さらに、取付孔を溝部まで挿入すれば、周壁部分の弾性復元力によって挿入部を径方向に拡径することができ、取付孔から挿入部が抜けることを防止して一方の物品と、もう一方の物品とを締結することができる。しかも、弾性変形可能な材料で形成した筒状部で止め具を形成してあり、1つの部品で止め具を形成することができる。従って、部品の紛失によって一方の物品と、もう一方の物品とを締結することができない事態を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】止め具の後端側を示す斜視図。
【図2】止め具の前端側を示す斜視図。
【図3】図1のIII−III線矢視図。
【図4】図1のIV−IV線断面図。
【図5】止め具をセットした金型の断面図。
【図6】止め具を含む成形品の断面図。
【図7】止め具の使用態様を例示する成形品の断面図。
【図8】第1、第2板部材の部分断面図。
【図9】止め具の使用態様を例示する図7と同様な図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、この発明に係る止め具の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0020】
図1は、止め具1の後端側を示す斜視図であり、図2は、止め具1の前端側を示す斜視図である。図1および図2において、双頭矢印Aは止め具1の径方向を示し、双頭矢印Bは止め具1における径方向Aの中心Oを通り径方向Aに直交する前後方向を示し、双頭矢印Dは止め具1の周方向を示している。
【0021】
なお、この発明において、径方向Aにおいて中心Oに近づく方向を径方向の内方と言うことがあり、径方向Aにおいて中心Oから離れる方向を径方向の外方と言うことがある。
【0022】
この止め具1は、支持部2と、第1円筒状部11と、第2円筒状部12とを備え、中心Oを通り前後方向Bへ延びる中心線P−Pに関して対称に形成してある。
【0023】
図3は図1のIII−III線矢視図であり、図4は図3におけるIV−IV線矢視図である。
【0024】
図3,4において、止め具1では、円盤状に形成された支持部2の前面2aにおいて、第1円筒状部11の後端部11bと第2円筒状部12の後端部12bとが一体化されている。第1円筒状部11と、第1円筒状部11の径方向Aの外方に位置する第2円筒状部12とは、中心線P−Pを共有し、互いに平行して前後方向Bへ延びている。
【0025】
第1円筒状部11は、前後方向Bにおいて、前端部11aと後端部11bとを有している。第1円筒状部11の前端部11aと後端部11bとの間には、非挿入部31と挿入部33とが形成されている。非挿入部31は、前端部11aと後端部11bとの間に延びている直状の部分であって、径方向Aに直径D1を有する。挿入部33は、前後方向Bにおいて、第2円筒状部12の前端部12aから前方へ延出する部分であって、溝部32が含まれている。溝部32の直径D2は、非挿入部31の直径D1よりも小さく形成されている。挿入部33は、前後方向Bにおいて、溝部32から前方に向かって直径が徐々に小さくなるように形成されていて、溝部32に隣接する部分において直径D3を有し、前端部11aにおいて直径D4を有している。直径D3は、直径D2よりも大きく、かつ、後記第1板部材61に形成された第1挿入孔63の直径D6よりも大きく形成されている。直径D4は、直径D3よりも小さく、かつ、第1挿入孔63の直径D6よりも小さく形成されている。挿入部33は、前後方向Bに対する傾斜が急な第1挿入部33bと、前後方向Bに対する傾斜が緩やかな第2挿入部33aとを有している。
【0026】
第1円筒状部11にはまた、中心線P−Pに平行して前端部11aと後端部11bとの間に延びる第1空隙35と複数条の第1スリット36とが形成されている。複数条の第1スリット36は、止め具1の周方向Dへ等ピッチで形成されていて、第1円筒状部11が6つの周壁部3A,3B,3C,3D,3E,3Fに等分割されている。このように形成されている第1円筒状部11は、挿入部33において径方向Aの外方から内方に向かって押圧力Gが作用すると、直径D3,D4が小さくなるように弾性的に変形する(図6参照)。
【0027】
第2円筒状部12は、前端部12aと後端部12bとを有し、前後方向Bに長さL4を有する。第2円筒状部12にはまた、前端部12aから後端部12bにまで延びる6条の第2スリット42が、周方向Dへ等ピッチで形成され、第2円筒状部12が6つの周壁部分4A,4B,4C,4D,4E,4Fに等分割されている。第1円筒状部11と第2円筒状部12との間には、第2空隙41が形成されている。
【0028】
図3に例示の第1円筒状部11と第2円筒状部12との形状は、中心線P−Pが通る止め具1の中心Oを対称中心とするものであり、かつ、第1円筒状部11と第2円筒状部12との間においては、第1スリット36と第2スリット42との周方向Dの幅寸法が同じである。第1スリット36と第2スリット42とはまた、止め具1の径方向Aにおける位置が一致している。
【0029】
このような止め具1は、黄銅やアルミニウム等の金属材料や熱可塑性プラスチック等のプラスチック材料等によって製作することができる。製作方法には、切削等の機械工作の他に、鋳造や射出成形等を採用することができる。なお、止め具1の製作にあたって、第1円筒状部11は、径方向Aの弾性変形が可能となるように、それに使用する材料に応じて厚さや周方向Dの寸法、前後方向Bの寸法等を決めることができる。
【0030】
図5は、止め具1の使用に先立って止め具1に施すことのできる加工の一態様を示すための金型200の断面図である。図5に示されている止め具1の形状は、図3のV−V線に沿う断面形状であって、止め具1は、溶融状態にあるプラスチック203を射出成形するための金型200にインサート用金物としてセットされている。金型200は、キャビティ側金型半体201と、コア側金型半体202とを含んでいる。キャビティ側金型半体201には、溶融状態にあるプラスチック203を充填するためのキャビティ204と、ゲート205とが含まれ、射出成形機のノズル(図示せず)から射出されて溶融状態にあるプラスチック203がゲート205を通り、キャビティ204に充填される。ただし、図5では充填されたプラスチック203の一部分のみが示されている。コア側金型半体202には、凹部206に第1円筒状部11が挿入されている。また、止め具1の第2空隙41には、コア側金型半体202の一部分202aが進入し、第2円筒状部12の内周面に密着している。キャビティ204に充填されたプラスチック203は、第2スリット42に進入しているが、第2空隙41には実質的な意味において進入していない。ここでプラスチック203が実質的な意味において進入していないということは、プラスチック203が第2空隙41に進入していることがあるとしても、その進入は止め具1の使用に支障を来たすことがない程度であることを意味している。金型200に充填された溶融状態のプラスチック203は、金型200の内部で冷却されて硬化し、プラスチック203の塊状体203a(図6参照)となる。第2スリット42に進入している塊状体203aは、止め具1が塊状体203aから抜け落ちることを防ぐように作用している。
【0031】
図6は、金型200から取り出した成形品220の断面図であるが、この図には、成形品220が使用されるときの対象となる第1板部材61の断面図も含まれている。成形品220は、止め具1と、止め具1と一体になっているプラスチック203の塊状体203aとを含んでいる。止め具1は、支持部2と第2円筒状部12とが塊状体203aに埋められた状態にあって、第2スリット42には塊状体203aが進入している。しかし、第2空隙41には塊状体203aが進入しておらず、第1円筒状部11では、挿入部33が矢印Gで示される径方向Aの内方に向かって押圧されると、周壁部3A〜3Fが径方向Aの内方に向かって弾性的に変形し、第1円筒状部11のうち主として挿入部33が縮径する。
【0032】
図6において、止め具1と一体になっている塊状体203aの形状は、キャビティ204の形状を倣うように形成されるもので、図示例では円柱状に形成されている。ただし、この発明において、塊状体203aの形状に格別の規定はなく、例えば、止め具1が小さくて第1円筒状部11を指先で摘むことが容易ではない場合には、塊状体203aの形状と大きさとを摘むことが容易となるように適宜設計することができる。
【0033】
さらに図6において、第1板部材61は厚さtを有し、その第1板部材61には直径D6を有する円形の挿入孔63が形成されている。厚さtは止め具1における溝部32の幅W1(図4参照)よりも小さく、直径D6は止め具1の第1円筒状部11における直径D3よりも小さく形成されている。好ましい直径D6はまた、第1円筒状部11における直径D1よりも小さく形成されている。ただし、直径D6は、溝部32の直径D2よりも大きく形成されている。このような第1板部材61に対して使用される成形品220に含まれた止め具1の第1円筒状部11は、挿入部33を矢印Gで示す方向へ押圧して径方向Aの内方に向かって弾性変形させたときの直径D3が、直径D6よりも小さくなるように形成されている。それゆえ、成形品220の塊状体203aを摘まみ、止め具1の中心線P−Pを挿入孔63の中心にほぼ一致させながら止め具1の挿入部33を第1板部材61の挿入孔63の周縁部に押し当てると、挿入部33は、直径D3が直径D6よりも小さくなるように弾性変形して挿入孔63を通過する。
【0034】
図7は、挿入部33が挿入孔63を通過した後における成形品220と第1板部材61との断面形状を示す図である。成形品220は、挿入部33を挿入して第2円筒状部12の前端部12aが第1板部材61に当接するところまで来ると、第1円筒状部11における溝部32と第1板部材61との位置が合致して、第1円筒状部11は弾性復元力によって拡径し、そのときに溝部32と第1板部材61における挿入孔63の周縁部とが嵌合すると同時に挿入部33における直径D3は挿入孔63の直径D6よりも大きくなって、止め具1を含む成形品220が第1板部材61に取り付けられる。
【0035】
このようにして第1板部材61に取り付けられた成形品220では、挿入孔63から挿入部33が抜けることを防止することができる。それゆえ、塊状体203aがその表面のいずれかに文字や記号を有するものであり、第1板部材61が壁面を形成するものである場合には、その壁面において文字や記号を表示するための手段として成形品220を使用することができる。また、第1板部材61が何らかの持ち手を必要とするものである場合には、成形品220をその持ち手として使用することができる。また、第1板部材61が表面61aと裏面61bとを有し(図7参照)、裏面61bにおいて第1円筒状部11が長く突出することを嫌う場合には、挿入部33の長さL5(図4参照)を必要に応じて短くしても、止め具1では第1円筒状部11のうちで長さを長くすることのできる非挿入部31が挿入部33とともに径方向Aの内方へ弾性変形可能であるから、非挿入部31の長さを適宜長くするとともに、周方向Dにおける第1スリット36の寸法を適宜大きくすることで、挿入部33を径方向Aの内方に向かって容易に変形させることができる。
【0036】
すなわち、第2円筒状部12の内方にある第1円筒状部11の非挿入部31は、挿入部33とともに弾性変形することができる。よって、前後方向Bにおいて、第1円筒状部11では第2円筒状部12から突出する溝部32と挿入部33との長さL5を有する部分のみならず、長さL4を有する非挿入部31も径方向Aの内方へ弾性変形するため、長さL5が短くても、挿入部33は径方向Aの内方に向かって容易に弾性変形することができる。
【0037】
さらに、第2円筒状部12には前後方向Bに延びる第2スリット42が複数条形成してあり、その第2スリット42には塊状体203aが進入しているため、止め具1が成形品220から抜け落ちることを防ぐことができる。
【0038】
加えて、第1円筒状部11に形成した複数条の第1スリット36と第2円筒状部12に形成した複数条の第2スリット42とが同数であって、周方向Dにおける幅が同じであり、径方向Aにおける位置が互いに一致している図示例の止め具1は、それを金属製の丸棒やプラスチック製の丸棒からの削り出しによって製作することが容易である。
【0039】
図8,9において、図8は止め具1の使用対象となる第1板部材61と第2板部材72との部分断面図であり、図9は第1、第2板部材61,72に対して使用されている止め具1についての図7と同様な図である。
【0040】
図8における第1板部材61は、図6,7に例示の第1板部材61と同じものである。第2板部材72は、厚さtと第2挿入孔73とを有するもので、第2挿入孔72は直径D7を有する。直径D7の寸法は、直径D6の寸法とほぼ同じである。
【0041】
図9における止め具1は、図4に示されている止め具1と同様な形状を有しているが、溝部32の幅W1は、厚さtとtとの和よりも僅かに大きく、したがってまた、図4の止め具1の幅W1よりも大きい。
【0042】
このような止め具1は、重ね合わせた第1、第2板部材61,72の第1、第2挿入孔63,73に対して挿入部33を径方向Aの内方へ弾性変形させながら挿入することによって図9の状態になる。すなわち、重ね合わせた第1板部材61と第2板部材72とは、第1、第2挿入孔63,73の周縁部が止め具1の溝部32に嵌合することによって、重ね合わせた状態が維持される。
【0043】
図9から明らかなように、止め具1は、図7の如き成形品220の形態をとることなく、単体で使用することができる。また、止め具1は、図7の使用態様とは異なり、重ね合わせた少なくとも二つの物品を結合させるための手段として使用することができる。もちろん、三つ以上の物品を結合させることもできる。単体で使用するときの止め具1では、第2スリット42の形成されていない第2円筒状部12を採用することもできる。
さらには、第1スリット36の幅と第2スリット42の幅とが異なる態様や、径方向Aにおいて第1スリット36の位置と第2スリット42の位置とが一致していない態様、第1スリット36と第2スリット42との条数が異なる態様でこの発明を実施することも可能である。
さらにはまた、第1円筒状部11のみが形成され、第2円筒状部12が形成されていない態様の止め具1でこの発明を実施することも可能である。
さらには、円筒状部11、12は、円筒状ではなく、多角形の筒状に形成してもよい。
また、溝部32の幅W1は、第1板部材61の挿入孔63の周縁部分の厚さt1と同じでもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 止め具
2 支持部
11 第1円筒状部(筒状部)
12 第2円筒状部(第2筒状部)
31 非挿入部
32 溝部
33 挿入部
35 第1空隙
36 第1スリット(スリット)
41 第2空隙
42 第2スリット
61 第1板部材(相手方物品)
63 挿入孔(第1挿入孔)
71 第2板部材(相手方物品)
73 第2挿入孔
A 径方向
B 前後方向
D 周方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる筒状部が、前記筒状部の前端に向けて径方向の寸法が徐々に小さくなる挿入部を備え、相手方物品に形成された挿入孔に対して前記挿入部を貫通させることにより前記相手方物品に取り付けることのできる止め具において、
前記筒状部は、前記前端から後端に向かって延びる複数条のスリットによって複数の周壁部分に分割されていて、前記周壁部分が前記筒状部における径方向の内方に向かって弾性変形可能に形成してあり、前記周壁部分には、前記前端と前記後端との間に前記筒状部を一周するように溝部が形成されていることを特徴とする前記止め具。
【請求項2】
前記溝部の幅は、前記相手方物品における前記挿入孔の周縁部分の厚さと同じか、前記挿入孔の周縁部分の厚さよりも大きく形成されている請求項1に記載の止め具。
【請求項3】
前記筒状部の径方向の外方には、前記筒状部に平行して前記後端から延びて前記前端の手前で終わる第2筒状部が形成され、前記筒状部の後端と前記第2筒状部の後端とが前記止め具の後端を形成する支持部につながり、前記スリットが前記第2筒状部に平行して延びている請求項1または2に記載の止め具。
【請求項4】
前記第2筒状部には、前記第2筒状部における前端に始まって後端に向かって延びていて前記前後方向に平行する複数条の第2スリットが形成してある請求項3に記載の止め具。
【請求項5】
前記筒状部に形成した複数条の前記スリットと、前記第2筒状部に形成した複数条の前記第2スリットとは、前記止め具の径方向における位置が一致している請求項4に記載の止め具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−62954(P2012−62954A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207317(P2010−207317)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000152169)株式会社栃木屋 (50)
【Fターム(参考)】