説明

正浸透膜

正浸透膜は活性層および薄膜支持層を含む。除去可能なバッキング層を含む2重層基板は従来の製造ライン上で低減された支持層厚を有する正浸透膜を処理することを可能にし得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の1つ以上の態様は浸透分離に関する。とりわけ、1つ以上の態様は工学的な浸透分離過程において有用な膜を含む。
【背景技術】
【0002】
半透膜は、その選択性のあるバリアの特質に基づき、液体に対して実質的に浸透性であり、溶質に対して実質的に不浸透性である。浸透圧駆動膜分離は通常、分離過程において用いられる膜の1つ以上の支持層を通じる、引抜(draw)溶質の移動と関連する駆動力に依存する。
【0003】
液体分離に用いられるポリマー膜は一般的に、多孔性支持構造物に選択性のあるバリアを通常持つ薄層複合材料(TFC)膜である。高選択性膜の近年の発展は、逆浸透(RO)過程に主として焦点をあててきた。逆浸透は、水圧過剰により溶液の浸透圧がひとたび圧倒されると、膜を透過する水の流束への一次抵抗が流体力学的であるという圧駆動過程である。対照的に、正浸透(FO)は拡散駆動過程である。ROおよびFO過程において水透過流束に作用する要素は異なっており、そのため最適性能に対して異なる膜の構造を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様は通常、正浸透膜および正浸透膜の製造方法に関連している。
【0005】
1つ以上の実施形態により、正浸透膜の製造方法は、少なくとも第1層および第2層を含む支持構造物の提供、膜支持層を形成するための支持構造物の第1層への材料の塗布、正浸透膜を形成するための膜支持層へのバリア材料の塗布、および支持構造物の第1層を支持構造物の第2層から分離することによる正浸透膜の取り外しから成り得る。
【0006】
実施形態によっては、支持構造物は2重層構造から成り得る。支持構造物の第1層は、フラジール(Frazier)通気度およそ50cfm/ft分以上であり得る。支持構造物の第1層に塗布される材料は、5から20g/mのコーティングで塗布され得る。正浸透膜は、全厚およそ125ミクロン以下であり得る。バリア材料は半透性材料から成り得る。少なくとも1つの実施形態において、バリア材料はポリマーから成り得る。幾つかの非限定的な実施形態においては、バリア材料はポリアミド尿素、ポリピペラジン、またはブロックコポリマーから成り得る。支持構造物はポリマー紙から成り得る。支持構造物は、PETもしくはポリプロピレンから成り得る。
【0007】
幾つかの実施形態において、その方法はさらに正浸透膜の再湿潤を含み得る。その方法はさらに、該膜の1つ以上の層への添加物の添加も含み得る。少なくとも幾つかの実施形態においては、支持構造物の第1層と第2層との分離により正浸透膜を取り外す工程は、少なくとも正浸透膜の−部分において細孔構造の変更を含み得る。その方法はさらに、支持構造物の第2層の再利用を含み得る。
【0008】
1つ以上の実施形態により、正浸透膜の製造方法は、ペーパーレス支持構造物を製造ベルトもしくはドラムに適用すること、バリア材料をペーパーレス支持構造物の上に置くこと、ペーパーレス支持構造物を正浸透膜の形成のために製造ベルトから剥離することを含み得る。
【0009】
幾つかの実施形態において、ベルトもしくはドラムは、支持構造物の一部を保持する表面を提供するために構成および配置され得る。保持された支持構造物は、ベルトもしくはドラムが1回転する前に除去され得る。
【0010】
1つ以上の実施形態により、正浸透分離操作の促進方法は、支持構造物の提供、膜支持層の形成のための支持構造物への材料の塗布、正浸透膜の形成のための膜支持層へのバリア層の塗布、および支持構造物が引抜溶液または正浸透膜分離操作間にモジュールに供給された供給溶液に対し、スペーサまたは流路を提供し得るというような正浸透膜モジュールにおける、正浸透膜の設定を含み得る。
【0011】
幾つかの実施形態において、支持構造物の提供は2重層構造の提供を含み得る。その方法はさらに引抜溶液の源を提供し得る。
【0012】
1つ以上の非限定的な実施形態により、正浸透膜はおよそ75ミクロン未満の織物層、その織物層に塗布されたおよそ50ミクロン未満の支持層、およびその支持層に塗布されたバリア層から成り得る。その正浸透膜はおよそ125ミクロン未満の全厚であり得る。
【0013】
幾つかの実施形態において、バリア層はポリアミドを含み得る。その支持層はPETを含み得る。その支持層は、全体でおよそ30g/m未満の材料を含み得る。その支持材は、およそ8〜17.5g/mのコーティングとして塗布され得る。その支持層、支持材およびバリア層全体を合わせた重量は、およそ20〜40g/mであり得る。その支持層は湿式法で製造され得る。
【0014】
幾つかの実施形態において、方法は湿潤を促進する溶質を含んだ水に浸すことによる正浸透膜の再湿潤を含み得る。その溶質は界面活性剤であり得る。他の実施形態においては、方法はさらに低表面張力溶剤を含んだ水に浸すことによる膜の再湿潤を含み得る。その溶剤は、アルコールを含み得る。幾つかの実施形態においては、溶剤はイソプロピルアルコール、エタノールまたはメタノールを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、支持構造物は親水性材料に埋め込まれている。幾つかの実施形態においては、バリア材料はポリアミドを含み得る。
【0015】
さらに他の態様、実施形態、およびこれらの代表的な態様および実施形態の利点については、以下に詳細に述べられる。さらに、前述の情報および以下の詳細な説明のいずれも、様々な態様および実施形態の単なる説明に役立つ実例にすぎず、特許請求の範囲に記載された態様および実施形態の性質、特性を理解するための概観または枠組みを提供することを意図していることを理解するべきである。添付図面は、説明や様々な態様および実施形態のさらなる理解の提供のために含められ、かつ本明細書に組み込まれその一部を構成する。本図面は、本明細書の残りの部分とともに、説明されかつ特許請求の範囲に記載された態様や実施形態の原理と動作を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
少なくとも1つの実施形態の様々な態様が、添付図面を参照して以下に述べられる。図面は、図解および説明を目的として提供され、本発明の限定を意図するものではない。
【図1】図1はポリスルホン濃度に対する関数として流束データを表す図である。
【図2】図2は膜の厚みおよび流束間の逆相関を示すデータを図示する。
【図3】図3はポリスルホン量対流束を表す図である。
【図4】図4は2つの膜を使用し収集された流束データを示す図である。
【図5】図5は本明細書に記載される2重層の技術に従って製造される膜の流束結果を単一の支持層で製造される膜と比較し示す図である。
【図6】図6は本明細書に記載の2重層技術に従って製造された膜のSEM画像を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
浸透分離過程は通常、浸透圧差に基づく半透膜を介した水透過流束の発生を含む。溶質はその膜によって拒まれ、膜の選択性のあるバリアに対して溶質を上回る水の透過性のため、どちらかの面に留められ得る。溶質は望ましくなく、従って、精製するための膜分離によって過程の流れから除去されるか、もしくは望ましく、その場合には溶質は膜分離過程によって濃縮され集められる。
【0018】
膜は、脱塩、排水の浄化および再利用、FOまたはPROバイオリアクター、様々な液体流の濃縮または脱水、薬剤および食品等級適用における濃縮、PROエネルギー発生および浸透熱エンジンを介したエネルギー発生といった様々な浸透駆動分離過程において用いられ得るが、それらに限られない。
【0019】
ポリマー膜は一般的に、選択性のある層に対して機械的で構造的な支持を提供する多孔性支持構造物を含む。膜は、目的とされる適用によって、らせん型、中空糸、管状および平板型のような様々な形に形成され得る。膜特性は、理想的な性能を得るためにカスタマイズされるべきであり、特定の適用間で異なり得る。例えば、FOおよびPRO適用においては、膜の厚さと蛇行性を減らすと同時に、気孔率と親水性を増すことにより、強度や脱塩率および水透過性能を犠牲にすることなく、分離過程の有効性を強化し得る。
【0020】
RO膜産業は、これまで、ポリスルホン活性コーティングを用いたポリエチレンテレフタレート(PET)支持層を標準としてきた。PET支持層は通常、坪量およそ80g/m、フラジール通気度およそ4cfm/ft/分で、およそ4ミリメートル厚である。強固であるが、PET材料は通常、最も高価な膜の原料であり、RO膜の性能に対してほとんど利点を提供しない。PETがFOや圧力遅延浸透(PRO)過程のような他の浸透分離膜において支持構造物として用いられる際、膜性能は著しく阻害される。
【0021】
それゆえ、支持構造物の厚さを減らすことは好ましいことがあり得る。支持材の厚さまたは重量を減らす試みは、しかしながら、屈曲やしわを伴わずに支持材を膜製造ラインに通すことができないといった膜の処理問題と関連し得る。深刻な場合には、製造業者に著しいコストをもたらし得る膜ウェブ破損を引き起こし得る。
【0022】
1つ以上の実施形態により、様々な工学的な浸透分離過程について、厚さを減らした膜の製造が促進され得る。少なくとも幾つかの実施形態において、膜支持構造物の厚さは低減され得る。より薄い支持構造物は、コスト削減、物質移動の強化および膜支持を通じて流量への抵抗と溶質拡散を減らすことによる膜内のより高い流動、および、分離モジュールにおいて提供される活性膜エリア量の増加と関連し得る。さらに、水質基準の強化が続くにつれ、支持構造物の厚さを減らすことは、膜に懸念されるジメチルホルムアミドやメタフェニレンジアミンといった様々な残留化学薬品の水準を減らし得る。
【0023】
1つ以上の実施形態により、2重層基板が膜製造を促進するために提供され得る。2重層基板は、最終的な膜製品の膜支持層として機能する膜支持層を含み得る。2重層基板の膜支持層は、同時に膜製造に対して全厚要件を提示し、その支持層において選択性のある層の適用および処理を含みながら、従来の膜支持層と比較して低減された厚さであり得る。幾つかの実施形態において、2重層支持体は膜支持層に加え、除去可能なバッキング層を含んで追加の厚さを提供し得る。除去可能なバッキング層は、膜製造の後に支持層から分離されることを目的とされ得る。他の実施形態においては、2重層基板は、膜製造の後に原形を保持することを目的とされたバッキング層を含み得る。少なくとも幾つかの実施形態において、バッキング層は、その支持層につながったままでかつ膜モジュールに組み込まれたままであり得る。
1つ以上の実施形態によると、2重層基板は、除去可能なバッキング層に通常装着される膜支持層を含み得る。その膜支持層は、除去可能なバッキング層が大抵、犠牲的で膜処理を促進するため支持層に増大した厚さを一時的に提供するのに対し、得られた膜の支持層であり得る。2重層構造の膜支持層は通常、従来の膜支持層と比較し、低減された厚さの軽坪量層であり得る。少なくとも1つの実施形態において、その支持層はPETであり得る。幾つかの実施形態において、その支持層およびバッキング層は同じ材料から製造され得る。他の実施形態においては、それらは異なる材料から製造され得る。2重層基板は、強度、防しわ度および膜製造過程における一般過程に関し、その2つの層を合わせて従来の標準的なPET支持層と類似の働きをさせるということを特徴とし得る。
【0024】
幾つかの非限定的な実施形態において、バッキング層は一般的におよそ2〜4ミル厚、フラジール通気度およそ6cfm/ft分未満であり得る。一番上の層、つまり最終的に本明細書中で記載される膜支持構造物となり得る層は、一般的におよそ2ミル未満厚、フラジール通気度およそ100cfm/ft以上であり得る。正浸透膜は、全厚およそ125ミクロン未満であり得る。支持層は、全体でおよそ30g/m未満の材料を含み得る。支持材は、およそ8〜17.5g/mのコーティングとして塗布され得る。支持層、支持材およびバリア層全体を合わせた重量は、およそ20〜40g/mであり得る。一番上の支持層は、湿式法、乾式法、または織物材料で製造され得る。別方法として、支持層はエレクトロスピニング法のような電界存在下での堆積によって製造され得る。材料は、PETまたは圧駆動膜支持の製造において一般的に用いられる他のポリマーを含み、さらに親水性を備えるように作られ得る。幾つかの実施形態において、支持構造物はポリマー紙のような紙であり得る。幾つかの非限定的な実施形態において、支持材は、PET、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、またはポリアミド、ポリアミド尿素、または類型のバリア層の界面重合を助けるのに適した他の多孔性ポリマーから作られ得る。親水性添加物はその支持材に導入され得る。
【0025】
選択性のある、または他の活性層は、膜製造工程中に2重層基板の支持材に適用され得る。幾つかの実施形態において、半透性の層が活性層として適用され得る。その半透性の層は、ポリマーから成り得る。特定の実施形態において、その半透性の層はポリアミド尿素、ブロックコポリマーまたはポリピペラジンといったポリアミドから成り得る。幾つかの非限定的な実施形態において、ポリスルホン層が2重層基板のPET支持層に適用され得る。多層基板は、1つ以上の実施形態によって、単層よりも基板がより頑丈で厚く、そのためしわがよったり裂けたりしにくいので、より被覆しやすい。膜処理の後、バッキング層は分離され除去されうる。2重層基板を用いることにより、厚さの低減された支持層を伴う膜が、標準的な製造装置および技術で製造され得る。幾つかの実施形態において、分離手順は活性層の適用に先立って行われ得る。
【0026】
1つ以上の実施形態によって、開示された方法は、ポリスルホンなどの活性材料のバッキング層への最小限の浸透を特徴とし、またこの浸透は分離およびバッキング層の除去を促進し得るものである。いかなる特定の理論にも限定されることを望むものではないが、多層の使用は余分なコーティング材料のバッキング層への浸透を防ぐことにより、染み出しの影響を緩和し得る。そのため、バッキング層は分離後にほぼ原型を保持し得、それによってバッキング層の再利用やリサイクルが可能となり、結果としては更に効率やコスト削減をもたらすことがある。他の実施形態において、バッキング層はほぼ犠牲的であり得る。他の実施形態において、バッキング層は回転ベルトまたはドラムなどを有する製造装置自体の内部でリサイクルされ得る。幾つかの実施形態において、バッキング層またはベルトは、バッキング材料を除去した際に支持材の細孔構造の有益な分裂が起こるよう、支持材の十分な浸透を可能にし得る。これにより多孔性支持材の基材は、この分裂を伴わない場合よりも、開いた多孔性の構造と成り得る。最適なバッキング層の特徴は、完全浸透または「染み出し」を伴わず、バッキング層が除去される際に上部のバリア層に欠陥を生じることなく細孔構造が開かれるというような、多孔性支持材の僅かな浸透を可能にし得る。
【0027】
1つ以上の実施形態は、FOおよびPRO過程用の膜の製造に適用し得、またRO、精密ろ過(MF)、限外ろ過(UF)およびナノろ過(NF)といった圧駆動分離に用いられる膜の製造に対して利益をもたらし得る。
【0028】
少なくとも幾つかの実施形態において、2重層基板は、実質的に高い剥離材料の上に支持ポリマーを投じることによって形成され得、その支持ポリマーは、活性バリア層を支持ポリマー上に適用した後に支持ポリマーおよび活性膜コーティングのみが残るよう基礎材料から剥がし得る。他の実施形態において、2重層材料は膜製造過程における利用のために市販で入手され得る。
【0029】
1つ以上の実施形態によって、犠牲的またはリサイクル可能なバッキング層の除去は、その除去の前にバッキング層と結合していたポリマー支持層のベース領域において、より開いた多孔性構造を作り得る。このことは、膜を通過する流動の強化をもたらし得る。多孔性ポリマー支持体の最下部分における相対的に閉じられた多孔性構造の引き裂きや他の分裂は、多孔性の著しい強化や支持構造物の蛇行性の低減といった特長を持つ構造を作り得る。多くの場合、このようなポリマー支持体の細孔構造は、その厚さの大部分を通じて実質的に開いているが、そのポリマー相が基礎材料と相互に作用した部分においては閉じた状態になる。多孔性支持体の幾らかが基礎層に浸透すると、この層を除去することで、多孔性層全体に見られるより開いた構造が露出され、基礎の緊密な層が除去される。
【0030】
1つ以上のさらなる実施形態によって、犠牲的もしくは除去可能なバッキング層を含む2重層基板を用いるよりも、全体が得られる膜の一部になるよう作られた2重層基板が使用され得る。これらの実施形態において、支持ポリマーはトリコット編みのメッシュ支持材の片側もしくは両側に直接投じられ得る。ポリウレタンもしくは他の粘着剤が、そのメッシュ層に支持層を結合するために用いられ得る。その支持ポリマーは、特定の非限定的な実施形態においては、PETであり得る。支持トリコットなどのメッシュ支持体は、完成した膜モジュール内に流体の流れを導き得る。膜バリア層は、次に、これらの支持ポリマーコーティングの片側もしくは両側に設けられ、最終的にその基礎もしくはコアとして導水メッシュをもつ単層もしくは2重層の膜を形成し得る。
【0031】
幾つかの非限定的実施形態において、トリコット層は2重層を作るために薄いPET層に薄板状に重ねられ、次いで、従来の膜製造機械で加工され得る。膜製造の前にこれらの層を結合することによって、トリコットの強度が薄いPETの処理に用いられ、そのトリコットを含む膜はモジュール性能を向上させるため膜モジュールに直接組み込まれ得るので、得られる2重層材料は分離を必要としない。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、トリコットバッキング層は、相対的にウェブ破損を受けにくく、また標準的な4ミリメートルPETに比べ優れた強度を持つため、膜製造の効率を上げ得る。このことは、製造過程における屈曲やしわを減らし、膜の性能や生産量の向上をもたらし得る。より一層の製造効率は、従来それぞれ完成した膜モジュールに組み込まれてきたトリコット箔セット、フロースペーサ、または透過管の製造に対する必要性を除外することによる製造工程の減少を含み得る。
【0032】
1つ以上の実施形態によって、2重層基板は、支持ポリマーおよびポリマー/繊維界面の物質移動特性を改善するため、予備湿潤され得る。NMP、DMF、DMSO、トリエチルフォスフェート、ジメチルアセトアミド等の溶剤またはこれらの組合せが予備湿潤に用いられ得る。予備湿潤は、より開いた細孔構造を生み出し、ポリマー支持体内の孔の閉塞を減らし、マクロボイド形成を促すことによりポリマー多孔率を高め、細孔構造を改善し、蛇行性を減らし得る。これらの性質は、除去可能なバッキング層が使用されている場合には、その分離によって実現されさらに強化され得る。これらの性質は、例えば支持材へのポリマーの過剰浸透を防ぎ、支持トリコットメッシュやPET繊維といった分離を前提に作られていない2重層集合体を用いる場合に、特に望ましい。
【0033】
1つ以上の実施形態により、浸透圧駆動膜過程のための膜製造法は、溶剤溶液としたポリマーを堆積させる鋳造機を通して支持材の2重層シート(例えば、2層のPET紙)を運ぶための駆動方式の使用を含み得る。通常、屈曲やしわの可能性を低減するように張力を維持し得る。2重層支持材は合わせて加圧された2つの層から成り得、下の層が後に除去されるかもしくは膜流路スペーサメッシュとして最終的に使用され得る。
【0034】
2重層支持材は、溶剤(例えば、ジメチルホルムアミド)中のポリマー(例えば、ポリスルホン)の溶液を適用するポリマー圧着装置へと搬送され得る。コーティング後すぐその2重層材料は、ポリマーが2重層材料の上層へと沈殿する急冷槽に入れられ得る。急冷槽の温度は変更することができ、得られる膜の1つ以上の性質に影響を与え得る。少なくとも幾つかの好ましい非限定的な実施形態において、正浸透膜の性質の改善は、華氏100度〜110度の範囲内の急冷槽の温度と関連し得る。2重層の上層は、溶液の十分な浸透が層間剥離圧を引き起こすことを可能にするように設計され、この圧はおよそ10psigを上回り沈殿したポリマー層は2重支持材から分離する。2重層材料のバッキング層は対照的に、2つの支持材層が膜製造後に分離することを可能にするよう、ポリマー浸透を防ぐように設計される。バッキング層の主目的は、従来の膜機械が正浸透膜に求められる極薄の膜を搬送するのに必要な強度を提供することで、製造中に上層に屈曲やしわができるのを防ぐことである。膜製造の残りは、一般的な洗浄および膜鋳造装置を用いて仕上げられる。
【0035】
実装された除去可能な2重層材料は、モジュール製造の前もしくはその一部として分離され得る。2つの層の分離は、PET層の接合部分において細孔構造を開くという付加的利益を提供し得、さらに分離特性が高まる。別法として、2重層材料の下層はスペーサメッシュの役割を果たす膜モジュール構造に組み込まれ得、例としてトリコットは一般的に流体搬送媒体として膜層間に組み込まれる。
【0036】
1つ以上の実施形態において、開示された薄層複合膜の中の選択性のあるバリアは、脂肪族または芳香族ポリアミド、芳香族ポリヒドラジド、ポリ−ベンズイミダゾロン、ポリエピアミン/アミド、ポリエピアミン/尿素、ポリエチレンイミン/尿素、スルホン化ポリフラン、ポリベンズイミダゾール、ポリピペラジンイソフタルアミド、ポリエーテル、ポリエーテル−尿素、ポリエステル またはポリイミド、もしくはそれらのコポリマーもしくはそれらの混合物などの、半透性3次元高分子網目であり得る。特定の実施形態において、選択性のあるバリアはフタロイル残基の(例、イソフタロイルもしくはテレフタロイル)ハロゲン化物、トリメシルハロゲン化物、もしくはそれらの混合物のような芳香族もしくは非芳香族ポリアミドである。もう1つの例として、ポリアミドはジアミノベンゼン、トリアミノベンゼン、ポリエーテルイミド(もしくは、ポリエーテルアミン)、ピペラジンもしくはポリピペラジン残基、もしくはトリメソイルハロゲン化物残基およびジアミノベンゼン残基であり得る。選択性のあるバリアはまた、トリメソイルクロリドおよびm‐フェニレンジアミンから成り得る。さらに、選択性のあるバリアは、トリメソイルクロリドおよびm‐フェニレンジアミンの反応生成物であり得る。
【0037】
1つ以上の実施形態によって、選択性のあるバリアは、望ましい脱塩率および透水性を与えるのに最適な厚さという特徴を持ち得、一般的に膜の厚さ全体を最小化する。特定の実施形態において、選択性のあるバリアは、平均しておよそ50nm〜およそ200nmの厚さを持ち得る。バリア層の厚さは、できるだけ限られ、しかしまたコーティング表面の欠陥を防ぎ得るに足る厚さであることが望ましい。圧駆動半透膜に対するポリアミド膜形成の実施は、適切なバリア膜の厚さの選択について情報を与え得る。選択性のあるバリアは、例えば界面重合といったような重合を介して、多孔性支持体の表面に形成され得る。
【0038】
多孔性支持体としての使用に適し得るポリマーは、1つ以上の実施形態によって、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エーテルスルホンケトン)、ポリ(エーテルエチルケトン)、ポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン)、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリ(フッ化ビニル)、ポリエーテルイミド、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、および三酢酸ポリアクリロニトリルを含み得る。
【0039】
1つ以上の実施形態により、支持層は、製造および使用中に、膜に支持および構造的安定を与えるのに最適な厚さという特徴を持ち得、一般的に膜の厚さ全体を最小化する。特定の実施形態において、ポリマー支持体は平均しておよそ10μm〜およそ75μmの厚さを持ち得る。通常、支持体はバリア層の界面重合に対する支持表面の品質を落とすことなく、できるだけ薄いことが望ましい。本基準において一般的に必要となる支持材の厚みは、支持層が滑らかであればある程低減される。少なくとも幾つかの好ましい実施形態において、この層はおおよそ40μmより少ない。特定の実施形態において、多孔性支持体は、第1の複数の孔を有する第1の面(活性面)および第2の複数の孔を有する第2の面(支持面)を備える。特定の実施形態において、第1の複数の孔と第2の複数の孔は流動的にお互いに結合している。ある実施形態において、高分子添加物が多孔性支持体の内部に分散する。添加物は、親水性、強度または他の望ましい性質を強化し得る。
【0040】
1つ以上の実施形態によって、薄層複合膜は、第1の複数の孔を有する第1の面、および第2の複数の孔を有する第2の面から成る多孔性支持体を含み得、その多孔性支持体の第1の複数の孔の実質上全ての平均直径は約50nm〜約500nm、第2の複数の孔の実質上全ての平均直径は約5μm〜約50μmである。その上層の目的は、界面重合もしくは他の堆積方法により高品質バリアの形成を可能にすること、および極薄バリア層への機械的支援を提供することである。残りの支持構造物の目的は、出来るだけ薄くありながら、出来るだけ開き、最小の蛇行性であることである。下部に向かう大きな孔はこの目的を果たし得る。
【0041】
1つ以上の実施形態によって、高分子添加物が多孔性支持体の中に分散され得る。この添加は、支持多孔性構造体や材料に強度、汚れ抵抗、親水性、または他の望ましい性質を付加し得る。親水性付加の場合では、極少量が添加される。例として、構造内の親水性を高めるため0.1〜1%のPVPがポリスルホンに添加され得る。半透の選択性のあるバリアは、多孔性支持体の第1面に適用され得る。
【0042】
特定の実施形態において、膜透過流束は、摂氏25度、1.5M NaCl引抜溶液およびDI供給液の動作条件下において、1日に1平方フィートにつき約15〜約25ガロンであり得る。この高い透過流束は、浸透圧の形で透過流束へ駆動力を与えるために引抜溶質の膜支持構造物への拡散抵抗の低減において、薄く開いた多孔性でかつ蛇行性の少ない支持層の有効性を現している。この高い透過流束はまた、バリア層の透水性にも起因している。
【0043】
1つ以上の実施形態によって、正浸透膜の製造法は、少なくとも第1の層および第2の層を含む支持構造物を提供すること、膜支持層を形成するためその支持構造物の第1の層に材料を塗布すること、正浸透膜を形成するためその膜支持層にバリア材料を塗布すること、およびその支持構造物の第2の層から支持構造物の第1の層を分離することにより正浸透膜を取り外すことを備え得る。
【0044】
1つ以上の実施形態によって、正浸透膜の製造法は、少なくとも1つの薄い支持層を含む支持構造物を提供すること、膜支持構造物を形成するためその支持層に材料を添加すること、その薄い層および膜構造を1つなぎとして取り外すこと、および正浸透膜を形成するためバリア材料で膜支持構造物をコーティングすることを備え得る。
【0045】
1つ以上の実施形態によって、正浸透分離操作を促進する方法は、支持構造物を提供すること、その支持構造物に薄い支持層を塗布すること、多孔性膜支持構造物を形成するためその層に支持材を塗布すること、正浸透膜を形成するためにその多孔性膜支持層にバリア層を塗布すること、および、支持構造物が引抜溶液もしくは正浸透分離作業間にモジュールに供給される供給液に対し、乱流スペーサを提供し得るように正浸透膜モジュールに正浸透膜を設定することを備え得る。
【0046】
1つ以上の実施形態によって、正浸透分離作業を促進する方法は、支持構造物を提供すること、多孔性膜支持構造物を形成するためその構造物に支持材を塗布すること、正浸透膜を形成するためその多孔性膜支持層にバリア層を塗布すること、および、支持構造物が引抜溶液もしくは正浸透分離作業間にモジュールに供給される供給液に対し、乱流スペーサを提供し得るように正浸透膜モジュールに正浸透膜を設定することを備え得る。
【0047】
1つ以上の実施形態によって、正浸透膜は、約75ミクロン未満の繊維層、その繊維層に塗布された約50ミクロン未満の支持層、およびその支持層に塗布されたバリア層を備え得る。正浸透膜は、全厚約125ミクロン未満であり得る。支持層は、全体で約30g/m未満の材料を含み得る。幾つかの実施形態において、支持材は約5〜20g/mのコーティングとして塗布され得る。幾つかの非限定的な実施形態において、そのコーティングは約8〜17.5g/mであり得る。その支持層、支持材およびバリア層全体の合わせた重量は、約20〜40g/mであり得る。その支持層は湿式法で製造され得る。
【0048】
幾つかの実施形態において、方法は、湿潤を促進する溶質を含む水への浸漬による正浸透膜の再湿潤を備え得る。その溶質は界面活性剤であり得る。他の実施形態において、方法はさらに、低表面張力溶剤を含む水への浸漬による膜の再湿潤を備え得る。その溶剤は、アルコールを含み得る。幾つかの実施形態において、溶剤はイソプロピルアルコール、エタノールもしくはメタノールを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、支持構造物は親水性材料に組み込まれ得る。幾つかの実施形態において、バリア材料はポリアミドを備え得る。
【0049】
1つ以上の実施形態によって、正浸透膜が開示される。幾つかの実施形態において、膜は複合物であり得、通常は支持層と結合した活性層を含む。使用ポリマーの質量パーセント、溶剤および/または溶液槽の温度の選択といった他のパラメータは、支持層の親水化処理や、開きもしくは多孔性の度合いに影響を与え得る。活性層は通常、膜と接触するプロセスの流れに含まれる1つ以上の標的化合物に対して、拒むか、その他の意味でバリアとして働く機能を有する他の材料も含み得る。少なくとも1つの実施形態において、活性層はポリアミドを備え得る。膜活性層として一般に使われる他の材料も、使用され得る。
【0050】
膜のバリア特性を改善するといった目的で、活性層の内部において望ましい架橋度を達成し得る。ポリアミド層における架橋誘導は通常、脱塩または全体性能を改善するのに望ましい。1つ以上の実施形態によって、架橋は、親水性材料がその性能を減ずることなく、かつ製造および処理過程を通じて湿潤状態に維持されるように行われる。幾つかの実施形態において、架橋を促進するため温水によるアニーリングが用いられ得る。他の実施形態において、膜製造過程の1つ以上の浸漬工程において熱処理が起こり得、それは活性層の堆積もしくは形成過程の間もしくは後である。他の実施形態において、化学的処理が用いられ得る。少なくとも1つの実施形態において、オーブン乾燥といった熱乾燥は用いられない。幾つかの実施形態において、膜は水に浸漬することで敏速に再湿潤し、また幾つかの実施形態においては、膜は水と併用して湿潤剤にさらすことで再湿潤し、使用可能な状態時には十分に湿潤しているようにする。幾つかの実施形態において、膜は少なくとも99%以上の脱塩率を有することを特徴とし得る。正浸透膜は通常、比較的に薄く、高多孔性、低蛇行性および高湿潤性を特徴とし得る。膜は、浸透駆動水精製およびろ過、海水の脱塩、汚染された排水流の精製、様々な水流の分離、浸透圧発電など、様々な応用に利用され得る。
【0051】
1つ以上の実施形態によって、ポリマーもしくは他の多孔性膜材は、正浸透膜に極薄支持構造物を与えるために、位相反転などの様々な周知の技術により薄い織布もしくは不織布もしくは無機性基板の上に堆積され得る。幾つかの実施形態において、膜製造に用いられる基板は多層支持体を含み得る。限外ろ過(UF)基板は、モジュール建造の前の膜製造過程の最後に1つ以上の層が除去可能であるように、多層の織布もしくは不織の支持体上に設置され得る。少なくとも幾つかの実施形態において、基板材料の孔の大きさはUF範囲内であり、例えば約100μm〜約1μm直径であり、その表面上で適切な界面重合バリア層を形成可能にする。幾つかの非限定的な実施形態において、堆積はポリスルホンやPANなどのポリマーの位相反転を含み得る。UF基板に結合したまま残る層は、高多孔性、低蛇行性、薄さもしくはUF層への拡散を高める他の性質といった望ましい特性が得られるよう、最適化され得る。その材料は通常親水性であり得るが、これに限定されるものではない。少なくとも1つの実施形態において、1つ以上の層が、引抜溶液もしくは供給液スペーサとして機能し得る。1つの非限定的実施形態において、例として、0.5ミル紙上で100nmのポリアミド層は、0.5ミルのポリスルホン層上に堆積し得る。幾つかの実施形態において、ポリマーの位相反転を伴い、その後にバリア層の界面重合が起こるといったバリアで覆われたUF材料は、膜製造後に支持体のみが取り除かれ、モジュール内で使用されるUFとバリア材料が残るように、織布もしくは不織布支持体の上に配置され得る。幾つかの非限定的な実施形態において、UF層は堆積し、その後ポリアミドもしくはポリアミド尿素といったバリア層で覆われ得る。少なくとも1つの実施形態において、基板は意図的に分離可能に作られた支持体を含み得る。
【0052】
この支持構造物はポリマーより下にあり得るか、または部分的もしくは完全にその中に含まれ得る。幾つかの実施形態において、塩を除いて水を通過させる薄い選択性のある層の界面重合もしくは塗工が次に実施され得る。他の実施形態において、ベルトからの剥離、もしくは製造装置内での材料の取扱い性を強化するために使用され、しかし得られる膜製品の一部となることを目的としない線形可動性バッキング材料といった、除去可能材料上の多孔性支持層の堆積が、バッキングを有しないように極薄膜支持構造物を作るために使用され得る。次に、薄膜バリア層をペーパーレス支持体の表面上に堆積し得る。幾つかの実施形態において、バリア層は、支持体のベルトからの剥離の前に支持体上に堆積し得る。幾つかの実施形態において、ポリマーは支持ポリマーの表面上にコーティングされ、次の処理の有無に関わらずこの一番上の層は脱塩層として機能する。他の実施形態において、支持層はそれ自体バリア層として機能し、適用される用途に対して十分な脱塩性を有する。
【0053】
1つ以上の実施形態によって、ベルトもしくはドラムは薄膜支持体への投下を促進するために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、コンベヤーベルトもしくは類似の構造物のようなベルトが、主に膜製造装置の範囲内に残る基板代替物として使用され得る。ベルトは、支持体およびバリアコーティングの堆積を支援し得るが、最終的に除去され廃棄もしくは再利用されるよりも、製造装置内に保持され再利用され得る。幾つかの実施形態において、ベルトもしくはドラムは多孔性支持材料の一部を保持する表面を提供するよう設計され得る。多孔性支持構造物のベースは、多孔性支持材料の一部の保持に起因して、ベルトもしくはドラムから除去されたときに分裂され得る。このような分裂は有益であり得る。保持された多孔性支持材料は、材料の集積や、もしくは堆積および分裂過程の有効性が抑制されるのを防ぐために、ベルトもしくはドラムが1回転する前に除去され得る。
【0054】
幾つかの実施形態において、主に歪みによる変形に対するポリマーの抵抗性を与えることを目的として材料上もしくはその周囲にコーティングされたポリマーの位相反転は、膜支持体を作るために使用され得る。例えば、非常に開いてかつ薄い織布もしくは不織布は、ポリマーの下というよりも、ポリマーで周囲を囲まれ得る。遮断ポリマーの界面重合は、次にこの支持構造物上で実行され得る。
【0055】
1つ以上の実施形態によって、正浸透膜は織布もしくは不織布上の親水性位相反転膜であり得る。その親水性材料は、幾つかの非限定的な実施形態においてはPANであり得、単独でもしくは他のモノマーと混ぜられ得る。布層は任意の望ましい厚さであり得る。幾つかの非限定的な実施形態において、織物は約25μm厚であり得る。その正浸透膜はさらにその表面上におけるポリアミド界面重合により特徴付けられ得る。ポリアミド活性層は、任意の望ましい厚さの膜をもたらすように適用され得る。幾つかの非限定的な実施形態において、膜は約25μm厚であり得る。その正浸透膜の活性層は、引抜溶質の遮断を強化するために改変され得る。その支持薄膜は不織布で、任意の材料から作られ得るが、薄さ、高多孔性、低蛇行性および親水性が通常望ましい。支持薄膜の厚さは変わり得る。幾つかの実施形態において、支持薄膜は約100μm未満、約80μm未満、約50μm未満もしくはそれ以下であり得る。少なくとも1つの実施形態において、多孔性ポリエステル不織支持薄膜が基板として使用され得る。
【0056】
1つ以上の実施形態によって、正浸透膜はまず支持層を作ることによって形成され得る。幾つかの非限定的な実施形態において、約30μm未満の薄い織物バッキング層は、ジメチルホルムアミド中の約12.5%のポリスルホン溶液でコーティングされ得る。正浸透膜の透過流束に対するポリスルホン厚の効果は、添付図面3において説明される。添付図面1において証明されるように、より低濃度のポリスルホンは透過流束を含む正浸透膜の性質をさらに改善するために使用され得る。幾つかの実施形態において、ポリスルホンコーティングの量は通常、拡散に対する支持層の影響を最小化するため約16g/m未満であり得る。添付図面2において証明されるように、約3.9ミル厚の標準的な逆浸透繊維バッキングへの支持層の塗布は、最適な正浸透透過流束より遥かに少ない結果となり得る。
【0057】
得られる支持層前駆体は次に、ポリマーの位相反転を引き起こす室温の水に浸漬され得る。華氏90度以上での浸漬は、支持層の孔の大きさの特性を改善するために使用され得る。これにより、圧延および取扱いに対するポリマー強度を与える埋め込みウェブを伴う、薄く微小孔性で開いた支持構造物が生じ得る。活性層が、次に支持構造物に塗布され得る。活性層を伴うこの支持構造物コーティングの非限定例は、ポリアミドもしくは他の望ましい活性材料を含む溶液への支持体の浸漬であろう。1つの非限定的な実施形態において、支持構造物は室温水内で1‐3フェニレンジアミンの3.4%水溶液に浸漬され得る。水溶液の濃度は塗布される活性層の所望の特性に基づいて変わり得る。浸漬時間もまた変わり得る。幾つかの非限定的な実施形態において、その時間は約5分未満であり得る。1つの特定の実施形態において、浸漬時間は約2分であり得る。膜表面からの過剰な水溶液は除去され得、例えばローラーもしくはエアーナイフが用いられる。
【0058】
膜は次に、水相内のジアミンと、例えば非水相内の酸塩化物との結合によりポリアミド遮断層の重合を両相が合う支持材料の表面において誘発するために、別の溶液に短時間浸漬されうる。幾つかの非限定的な実施形態において、膜は溶液に約2分間浸漬され得る。1つの非限定的な実施形態において、室温のアイソパー(登録商標)CもしくはG内での98%3,5ベンゼントリカルボニルトリクロリドの0.15%溶液が使用され得る。膜は次に除去され、アイソパー(登録商標)は一定期間、例えば約5分未満の間、膜からの蒸発が可能とされ得る。幾つかの実施形態において、その蒸発段階の時間は約2分であり得る。幾つかの実施形態において、浸漬は、実質的にその膜の表面のみが溶液と接する処理のような浸漬被膜過程の形をとり得る。他の実施形態において、膜全体は溶液槽に浸され得る。幾つかの実施形態において、例えば一連の異なる浸漬段階といったように、これらの技術の組み合わせが使用され得る。
【0059】
1つ以上の実施形態によって、正浸透複合膜は架橋を引き起こすために遮断層を調整するよう熱処理され得、その処理はアニーリングといわれる。しかし時として膜乾燥は、空隙および細孔構造の有害な縮小を引き起こし得る。1つ以上の実施形態によって、湿潤アニーリング手順によって調整は達成され得、その手順は例えば温水浴槽への浸漬などである。望ましい架橋度および、例えば脱塩に関して所望の膜性能を得ることができる任意の温度の水槽が使用され得る。幾つかの実施形態において、可能な限り低温が望まれ得る。幾つかの非限定的実施形態において、摂氏約100度未満の水槽が使用され得る。1つの特定の非限定的な実施形態において、摂氏95度の水槽が使用され得る。水槽における時間はまた、望ましい架橋度を得るための要件と一致し得る。1つの特定の実施形態において、2分間の温水槽浸漬を行う。
【0060】
他の実施形態において、膜の熱処理は、他の目的のために意図された任意のもしくは複数の浸漬段階において発生し得、その段階は例えば活性層重合もしくは堆積段階の間もしくは後である。
【0061】
他の実施形態において、膜の熱処理は乾燥段階内でなされ、浸漬により水と交換される、水よりも低い表面張力を有する溶剤を含む溶剤交換が先行し得る。この方法において、膜性質は悪影響を受けず、かつ膜は、容易に再湿潤されるという性質を保持し得る。
【0062】
別の実施形態において、遮断層の処理は加熱の工程よりも化学処理によって実行され、その場合は、膜は処理工程中、湿潤の状態を維持する。
【0063】
幾つかの実施形態において、正浸透膜を形成するためにポリアミド層の架橋を誘導するようにポリアミド材料で膜支持層を処理することは、化学処理を含む。別の実施形態において、処理工程は温水浸漬を含み、湿潤アニーリングと呼ばれる。別の実施形態において、熱処理は、1つ以上の浸漬工程で十分な温度を維持することによって、ポリアミド位相反転中またはその後のいかなる時点でも起こる。別の実施形態において、架橋は乾燥アニーリングによって実行されるが、これは溶剤交換工程後に実行され、湿潤膜をより低い蒸気圧を有する別の溶剤を含む溶液に浸し、それによって「乾燥アニーリング」を、そのような乾燥により膜に悪影響を及ぼさないように実行可能となる。
【0064】
1つ以上の実施形態において、正浸透膜の製造方法は、約50μm未満の薄い織布または不織布繊維バッキングを提供することを含み得る。支持層およびバリア層は繊維バッキングに塗布し得る。薄い織布または不織布繊維支持層(最上層)は約100ft/ft/分を超えるフラジール通気度を特徴とし得る。薄い織布または不織布繊維バッキング層(最低層)は約10ft/ft/分未満のフラジール通気度を特徴とし得る。幾つかの非限定的な実施形態において、最低層には、約5ft/ft/分のフラジール通気度が望ましい。少なくとも幾つかの実施形態において、薄い織布または不織布繊維バッキングは約30g/m未満の坪量であり得る。繊維バッキングに塗布される支持層は約40μmの厚みであり得る。バリア層はポリマー支持層に塗布され得る。
【0065】
幾つかの実施形態において、繊維バッキング層および支持層は約13%未満のポリスルホン濃度を使用して提供され得る。幾つかの非限定的な実施形態において、支持構造物は華氏約95度を超える工程急冷温度で改変され得る。正浸透膜の支持層も、例えばポリビニルプロリドンのような親水性薬剤を有する溶液を使用し変更し得る。
【0066】
1つ以上の非限定的な実施形態において、正浸透膜は繊維バッキング、ポリスルホンまたはポリアクリロニトリルからなる約16g/m未満の支持層、およびバリア層を備える。
【0067】
1つ以上の実施形態において、正浸透膜は1.5M NaCl引抜溶液および脱イオン供給水を25℃で使用し約20gfdを超える流束を特徴とし得る。
【0068】
1つ以上の実施形態において、正浸透膜は1.5M NaCl浸透圧溶液および脱イオン供給水を使用し約99%を超える脱塩を特徴とし得る。
【0069】
1つ以上の実施形態において、約13%未満のポリアミド溶液は、正浸透膜の1つ以上の特徴を強化するために塗布され得る。例えば幾つかの非限定的な実施形態において、約16g/m未満のポリスルホンは正浸透膜の繊維バッキング層に塗布され得る。
【0070】
1つ以上の実施形態において、正浸透膜の製造方法は、支持構造物を備えること、支持構造物に対して親水性材料を塗布し膜支持層を形成すること、膜支持層に対してポリアミドを塗布すること、水に、ポリアミドが塗布された膜支持層を浸漬させること、膜の浸漬によって溶剤交換を実行すること、およびポリアミド材料と膜支持層に対して乾燥アニーリングを実行し正浸透膜を形成することを含み得る。
【0071】
1つ以上の実施形態において、正浸透膜は現在逆浸透膜の製造に使用される製造ライン上で処理され得る。
【0072】
1つ以上の実施形態において、薄膜の正浸透膜を加工する方法は機械の離散的セクションで張力を制御するために統合ドライブシステムの使用を含み得る。補足手動または自動化ウェブ誘導装置も使用し得る。幾つかの実施形態において、機械の設計は、膜のしわおよび折り畳みにつながり得る膜の過度の張力を低減するために各ゾーンにつき約10%の張力低減を越えないようにし得る。1線形インチあたり約1ポンド未満の膜張力は膜のしわを防げる。また、機械の設計は通常、支持されていない膜のフリーの範囲を、膜が水中にある領域においてウェブ幅の半分未満に制限し得る。幾つかの非限定的な実施形態において、機械設計は、膜のしわおよび折り畳みを防ぐために、ローラー幅の1線形フィートあたり約0.001インチの公差での光学位置合わせも含み得る。
【0073】
1つ以上の実施形態において、本明細書に開示された様々な技術は正浸透膜用途用の膜を製造するために使用されることが可能である。1つ以上の実施形態において、本明細書に開示された様々な技術は圧力遅延浸透を含む用途用に膜を製造するために使用し得る。幾つかの実施形態において、圧力遅延浸透は一般に、例えば濃厚引抜溶液および希薄作動流体などの2つの溶液間の塩分差異から浸透圧力または塩分勾配エネルギーを得ることに関するものであり得る。圧力遅延浸透膜において、膜の第1の側にある圧力チャンバーに引抜溶液を導入し得る。幾つかの実施形態において、引抜溶液の少なくとも一部は引抜溶液と希薄作動流体との間の浸透圧差異に基づいて圧力がかかる。希薄作動流体は膜の第2の側に導入し得る。希薄作動流体は一般に浸透により膜を通して移動し得、それによって膜の加圧引抜溶液側の容量を増加する。圧力が埋め合わされるとき、タービンが回転して電気を発生することが可能である。得られる希薄引抜溶液は再利用のために処理され、例えば分離される。幾つかの実施形態において、より低い温度の熱源、例えば産業廃棄物熱は圧力遅延浸透システムまたは過程に使用されるか、またはそれを容易にする。
【0074】
これらの実施形態および他の実施形態の機能および利点は以下の実施例からより完全に理解されるであろう。実施例は例示的であり、本明細書に記載されたシステムおよび方法の範囲を制限すると見なされるべきではない。
【実施例】
【0075】
開示された方法は従来の40インチ膜生成機械で、1.7ミルの最上のPETのみ、またはそれに加えて後に除去される2.3ミルバッキング材料を使用して実証された。単一層の支持体を使用する技術は本明細書において一般にGen 1と呼ばれ、一方2重層の態様を使用する技術は一般にGen 2と呼ばれる。
【0076】
図1はポリスルホン濃度に対する関数として流束データを表す。流束は、他のパラメータを固定しながら様々なポリスルホン濃度で測定された。実質的に逆の相関によって、ポリスルホン濃度が低下するに伴い流束は向上した。実験データは、約9%〜約13%のポリスルホン濃度の範囲では向上された正浸透膜流束を示した。使用された膜はGen 1であったが、より厚い4ミルPETを使用した。
【0077】
図2は膜の厚みおよび流束間の逆相関を示すデータを図示する。流束は、膜の厚みが高くなればなるほど低下し、一般的に薄膜が望ましいことを示した。他のパラメータは固定された。流束はまた、他のパラメータを一定に維持して様々なポリスルホン量に対しても測定された。使用された膜はGen 1であった。
【0078】
図3は、図1と同様に、流束はポリスルホン量が増加するほど低下することを示す。使用された膜はGen 1であった。
【0079】
図4は、低減されたPS濃度、低減されたPS(ポリスルホン)量、向上された孔性を使用し、2重層製造技術を使用しなかった、単一の支持層で製造された膜(Gen 1)から収集された流束データと比較した、低減されたPS濃度、低減されたPS量、向上された孔性、本明細書において開示された2重層の態様に従って製造された2つの膜(Gen 2AおよびGen 2Bとして示される)を使用して収集された流束データを示す。かかる試験方法は膜の支持側で1.5M NaCl引抜溶液を使用し、供給側では脱イオン水または0.5M NaClを使用した。流束は経時的な引抜溶液の質量変化として測定された。示されるように、開示された2重層技術は低減された厚みおよび他のパラメータ、ならびに本明細書に開示された2重層技術に関連する特徴に起因する優れた流束結果に繋がった。具体的に全てのこれらのパラメータは共同し優れた結果を生み出した。図示されないが、低減されたPS濃度、低減されたPS量および向上された孔性を活用せず2重層技術を使用し製造された膜を使用した実験を行い、ここに示されたGen 2AおよびGen 2B試料より大幅に少ない流束を生成した。他にも図示されていないが、圧力駆動半浸膜製造に使用される技術により製造された膜を使用すると、超低流束が生成した。本実験においては従来のRO膜は1GFD未満の流束を生成した。
【0080】
図5は本明細書に記載される2重層の技術に従って製造される膜の流束結果を、単一の支持層で製造される膜と比較して示す。最高の流束を生成する膜は、先ずPETの2つの層を組み合わせて製造された。PETの最上層は厚み1.5ミルで1平方メートルあたり15gの坪量であり、厚み2.3ミルで1平方メートルあたり49グラムの坪量のバッキングPETと組み合わせられた。PETのより薄い最上層はポリスルホンおよびジメチルホルムアミドの12.5%溶液でコーティングされ、1平方メートルあたり21グラムのポリスルホンコーティング重量が得られた。記載された支持体は、正浸透ポリアミド膜を生成するために酸塩化物およびアミンの膜化学を使用して処理された。膜形成に次いで、PETの最低層は、モジュール製造以前に除去された。得られた膜および支持体は、1平方メートルあたり約35グラムの坪量および95ミクロンの合計厚みを有した。
【0081】
試験方法は、膜の支持側で6Mアンモニウム塩引抜溶液を、供給側で様々な濃度のNaCl溶液を50℃の温度で使用することであった。流束は経時的な引抜溶液の質量変化として測定された。示されるように、開示された2重層の技術は、低減された厚みおよび他のパラメータならびに本明細書において開示された2重層の技術に関連する特徴により、優れた流束結果に繋がるものである。具体的にこれは、本明細書に記載される膜製造技術の利点のために、過去に不可能であった方法で膜を使用し超高塩分供給液を処理する能力を例証する。0.5M供給液に関するデータ点は実験結果であり、残りのデータは受け入れられたモデル技術を使用する外挿を表す。圧力駆動半透膜製造に使用される技術によって製造された膜で得られる超低流束は図示されない。従来のRO膜は超高塩分供給状況においてごくわずかな流束しか生成しない。
【0082】
図6は1つ以上の、本明細書に記載の2重層技術に従って製造された膜のSEM画像を提供する。細孔構造は、除去の前にバッキング層と接合されていたポリマー支持層のベース領域で実質的に開いている。ポリアミドバリア層、多孔性支持層、最上部のPET、およびバッキングPETが全て示される。
【0083】
幾つかの例示的な実施形態を説明したが、当業者には明らかなように、上述のものはただ例示的だけであり、制限されず、例として挙げられるに過ぎない。多数の変更および他の実施形態は当業者には自明であり、本発明の範囲内と見なされる。具体的に、本明細書において記載された多くの例が方法手順またはシステムの要素の特定の組み合せを含むが、それらの手順およびそれらの要素が他の方法で組み合わせられることによって同一の目的を達成することができると理解するべきである。
【0084】
本明細書において説明される装置、システムおよび方法の実施形態が次の説明に記載されるまたは添付図面に図示される構造の詳細および部分の配置に、用途として制限されないことを理解するべきである。その装置、システムおよび方法は、他の実施形態でも実装でき、様々な方法で実践するまたは実行することが可能である。特定の実装の例は、図示するために本明細書において提供され、制限されるつもりではない。具体的に、1つ以上のいかなる実施形態に関しても説明される行為、要素および特徴は他のいかなる実施形態でも類似の役割から除外されるつもりではない。
【0085】
当業者は本明細書において説明されるパラメータおよび構成は例示的であり、実際のパラメータおよび/または構成は、本発明のシステムおよび技術を使用する特定の用途に異存する。当業者は通常の実験しか使用されず本発明の特定の実施形態の同等品を認識するまたは確認することができる。そのため、本明細書に記載される実施形態は、例としてしか挙げられず、また添付される請求項およびその同等品の範囲内で本発明は具体的に明記される方法以外でも実現可能であると理解されるであろう。
【0086】
また、本発明は、本明細書に記載の各特徴、システム、サブシステムまたは技術に関し、本明細書に記載される2つ以上の特徴、システム、サブシステムまたは技術のいかなる組み合せでも、そして本明細書に記載される2つ以上の特徴、システム、サブシステムおよび/または方法のいかなる組み合せでも、その特徴、システム、サブシステムおよび技術が相互に統一されていなければ、請求項に体化されるように本発明の範囲にあると見なされる。また、一実施形態だけに関し説明される行為、要素および特徴は他の実施形態においては同様な役割から除外するつもりがないと理解されるであろう。
【0087】
本明細書において使用される言い回しおよび用語は説明を目的とし制限としては見なされるべきではない。本明細書において使用されるように「複数」という用語は2つ以上の品目および部分。「備える」、「含む」、「運ぶ」、「有する」、「含有する」および「関わる」という用語は、明細書に記載されるか、または請求項等に記載されるかを問わず非限定的な用語であり、つまり「含むがそれに限らない」を意味する。従って、そのような用語の利用は、そこ以下に列挙される品目と、それらに同等するものと、更なる品目を網羅することを意図される。「構成される」および「本質的に構成される」という移行句のみ、それぞれに請求項に対して閉鎖または半閉鎖移行句である。請求項の要素を変更するために請求項において「第1の」、「第2の」、「第3の」等の序数用語の利用は、それだけで1つの請求項要素に対してもう1つの要素のいかなる優先、先行または順番でも、あるいは方法の行為の時間的な順番を伝わらず、むしろ請求項要素を差別するために、ある名称を有する1つの請求項要素を、同一の名称を有するもう1つの要素(序数用語の使用以外は)から差別するためのラベルとして利用されるに過ぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正浸透膜の製造方法であって、
少なくとも第1の層および第2の層を含む支持構造物を提供することと、
前記支持構造物の第1の層に材料を塗布して膜支持層を形成することと、
前記膜支持層にバリア材料を塗布して正浸透膜を形成することと、
前記支持構造物の第1の層を前記支持構造物の第2の層から分離させることによって正浸透膜を取り外すことと、を含む正浸透膜の製造方法。
【請求項2】
前記支持構造物は2重層構造を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持構造物の第1の層は約50cfm/ft分を越えるフラジール通気度を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記支持構造物の第1の層に塗布される材料は約5〜20g/mのコーティングとして塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記正浸透膜は約125ミクロン未満の全厚を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バリア材料は半透性材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バリア材料はポリマーを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記バリア材料はポリアミド尿素、ポリピペラジンまたはブロックコポリマーを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記支持構造物はポリマー紙を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記支持構造物はPETまたはポリプロピレンを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
正浸透膜を再湿潤することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
膜の1つ以上の層に添加物を付加することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
支持構造物の第1および第2の層を分離することによって正浸透膜を取り外す工程は正浸透膜の少なくとも1つの部分で細孔構造を変更することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
支持構造物の第2の層を再使用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
正浸透膜を製造する方法であって、
ペーパーレス支持構造物を製造ベルトもしくはドラムに適用することと、
バリア材料をペーパーレス支持構造物の上に堆積させることと、
ペーパーレス支持構造物を正浸透膜の形成のために製造ベルトから剥離することと
を含む正浸透膜を製造する方法。
【請求項16】
ベルトもしくはドラムは、支持構造物の一部を保持する表面を提供するために構成および配置される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
保持された支持構造物は、ベルトもしくはドラムが1回転する前に除去される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
正浸透分離操作の促進方法であって、
支持構造物の提供と、
膜支持層の形成のための支持構造物への材料の塗布と、
正浸透膜の形成のための該膜支持層へのバリア層の塗布と、
支持構造物が正浸透膜分離操作間にモジュールに供給された供給水溶液または浸透圧溶液に対し、スペーサまたは流路を提供し得るというような正浸透膜モジュールにおける正浸透膜の設定とを含む方法。
【請求項19】
前記支持構造物の提供は2重層構造の提供を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
浸透圧溶液の源の提供を更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
正浸透膜であって、
およそ75ミクロン未満の織物層と、
その織物層に塗布されたおよそ50ミクロン未満の支持層と、
その支持層に塗布されたバリア層とを含み、
前記正浸透膜はおよそ125ミクロン未満の全厚である正浸透膜。
【請求項22】
前記バリア層はポリアミドを含む請求項21に記載の膜。
【請求項23】
前記支持層はPETを含む請求項21に記載の膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−502323(P2013−502323A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526925(P2012−526925)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/046521
【国際公開番号】WO2011/028541
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511133509)オアシス ウォーター,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】