説明

正炭酸マグネシウム粒子及び塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法

【課題】 高純度の正炭酸マグネシウム粒子及び塩基性炭酸マグネシウム粒子を工業的に有利に製造するための方法を提供する。
【解決手段】 マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して生成した正炭酸マグネシウム粒子を水性媒体中にて加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させ、次いでその塩基性炭酸マグネシウム粒子を水性媒体中にて二酸化炭素ガスと接触させて塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程を含む高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法。塩基性炭酸マグネシウム粒子は、上記の方法により得られた高純度正炭酸マグネシウム粒子を水性媒体中にて加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させることにより製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、高純度の正炭酸マグネシウム粒子及び塩基性炭酸マグネシウム粒子を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粒状の正炭酸マグネシウム[MgCO3・3H2O]及び塩基性炭酸マグネシウム[mMgCO3・Mg(OH)2・nH2O、mは3〜5の整数、nは3〜8の整数]は、紙、ゴム、樹脂及び塗料などの充填材、あるいはマグネシウム補強用の食品添加剤として利用されている。また、高純度の正炭酸マグネシウム粒子及び塩基性炭酸マグネシウム粒子を、電子材料や光学材料用のマグネシウム化合物(例えば、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム)の原料として利用することも検討されている。
【0003】
正炭酸マグネシウム粒子の製造方法としては、塩化マグネシウムなどの水溶性マグネシウム塩の水溶液に、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩を投入して、あるいは二酸化炭素ガスを導入してマグネシウム塩を炭酸化させる方法、あるいは水酸化マグネシウム粒子の懸濁液に二酸化炭素ガスを導入して水酸化マグネシウムを炭酸化させる方法が知られている。また、塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法としては、正炭酸マグネシウム粒子を水性媒体中にて加熱することにより、塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる方法が知られている。
【0004】
特許文献1には、高純度の正炭酸マグネシウム粒子を製造する方法として、マグネシウム塩水溶液をアルカリ性に調整して、カルシウム、ケイ素、亜鉛、マンガン、ニッケル、鉄及び銅などの金属を水酸化物として析出させ、これを除去して精製し、次いで精製処理後のマグネシウム塩水溶液に炭酸塩を投入して、あるいは二酸化炭素ガスを導入する方法が記載されている。さらに、この特許文献1には、高純度の塩基性炭酸マグネシウム粒子を製造する方法として、正炭酸マグネシウム粒子を55〜95℃の温水中にて熟成させる方法が記載されている。なお、特許文献1の実施例では、精製処理後の硝酸マグネシウム水溶液に二酸化炭素ガスを導入することにより正炭酸マグネシウム粒子を製造している。
【特許文献1】特開2003−238148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載されているように、精製処理後の硝酸マグネシウムにアンモニア水を加えた後、炭酸ガスを導入することにより高純度の炭酸マグネシウム粒子を製造することは可能である。しかしながら、本発明者の検討によると、精製処理後のマグネシウム塩水溶液に炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩を投入する方法を利用して炭酸マグネシウム粒子あるいは塩基性炭酸マグネシウム粒子を製造すると、不純物としてアルカリ金属塩が混入することがあることが判明した。
従って、本発明の目的は、マグネシウム塩水溶液に炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩を投入する方法を利用しながらも、アルカリ金属塩の混入量の少ない高純度の正炭酸マグネシウム粒子及び塩基性炭酸マグネシウム粒子を工業的に有利に製造するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して正炭酸マグネシウム粒子を生成させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、そして該分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程を含む高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法にある。
上記の高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法において、マグネシウム塩水溶液は塩化マグネシウム水溶液であることが好ましい。また、アルカリ金属炭酸塩は炭酸ナトリウムであることが好ましい。
【0007】
本発明はまた、マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して正炭酸マグネシウム粒子を生成させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、そして該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程を含む高純度塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法にもある。
上記の高純度塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法において、マグネシウム塩水溶液は塩化マグネシウム水溶液であることが好ましい。また、アルカリ金属炭酸塩は炭酸ナトリウムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
正炭酸マグネシウム粒子を水性媒体中にて塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させると、その結晶転移の際に正炭酸マグネシウム粒子内に混入したアルカリ金属塩が水性媒体に溶出して、生成した塩基性炭酸マグネシウム中のアルカリ金属塩混入量が結晶転移前の正炭酸マグネシウム粒子中のアルカリ金属塩混入量と比べて少なくなる。また、同様に、塩基性炭酸マグネシウム粒子を水性媒体中にて正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させると、生成した正炭酸マグネシウム中のアルカリ金属塩混入量が結晶転移前の塩基性炭酸マグネシウム粒子中のアルカリ金属塩混入量と比べて少なくなる。このため、本発明の方法を利用することにより、アルカリ金属塩の混入量の少ない高純度の正炭酸マグネシウム粒子あるいは塩基性炭酸マグネシウム粒子を工業的に容易に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法は、マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して正炭酸マグネシウム粒子を生成させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、そして該分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程からなる。
【0010】
正炭酸マグネシウム粒子の製造原料となるマグネシウム塩水溶液としては、塩化マグネシウム水溶液、硝酸マグネシウム水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いることができる。塩化マグネシウム水溶液が特に好ましい。マグネシウム塩水溶液の濃度は、1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。マグネシウム塩溶液の液温は50℃以下、好ましくは20〜40℃の範囲にある。
【0011】
マグネシウム塩水溶液に投入するアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムを用いることができる。炭酸ナトリウムが特に好ましい。アルカリ金属炭酸塩の投入量は、マグネシウム塩水溶液中の全てのマグネシウム塩を炭酸化させるのに必要な量の0.6〜1.2倍に相当する量であることが好ましい。アルカリ金属炭酸塩は、濃度が1〜20質量%のアルカリ金属炭酸塩水溶液としてマグネシウム塩水溶液に投入することが好ましい。
【0012】
マグネシウム塩水溶液とアルカリ金属炭酸塩との反応により得られる正炭酸マグネシウム粒子中のアルカリ金属塩の混入量は、マグネシウム塩水溶液の濃度やアルカリ金属炭酸塩の投入量などの条件によっても異なるが、通常は、アルカリ金属量として1000〜10000質量ppmの範囲にある。
【0013】
本発明の方法においては、マグネシウム塩水溶液とアルカリ金属炭酸塩との反応により生成した正炭酸マグネシウム粒子を、ろ過や遠心分離などの通常の方法を用いて水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する。正炭酸マグネシウム粒子は、水性媒体に分散させる前に水で洗浄することが好ましい。正炭酸マグネシウム粒子分散液中の粒子濃度は、5〜20質量%の範囲にあることが好ましい。
【0014】
正炭酸マグネシウム粒子分散液の水性媒体としては、水と水に相溶性を有する有機溶媒の混合物、もしくは水を用いることができる。水が特に好ましい。有機溶媒の例としては、エタノールなどのアルコール、アセトンなどのケトンを挙げることができる。水と有機溶媒の混合物は、有機溶媒の含有量が50質量%未満であることが好ましい。水性媒体は、アルカリ金属を含まないか、あるいは含んでいても100質量ppm以下である。
【0015】
上記のようにして調製された正炭酸マグネシウム粒子分散液は加熱して、正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる。加熱温度は55〜95℃の範囲にあり、好ましくは60〜90℃の範囲、さらに好ましくは70〜85℃の範囲にある。加熱時間は、30〜300分間の範囲、好ましくは30〜120分間の範囲にある。加熱は分散液を攪拌しながら行なうことが好ましい。
上記のようにして結晶転移させることにより生成する塩基性炭酸マグネシウム粒子中のアルカリ金属の混入量は、通常、結晶転移前の正炭酸マグネシウム粒子中の混入量の1/2〜1/100にまで低減する。
【0016】
本発明の方法においては、次に、上記の塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する。分離した塩基性炭酸マグネシウム粒子は、水性媒体に分散させる前に水で洗浄することが好ましい。塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液中の粒子濃度は、5〜20質量%の範囲にあることが好ましい。
【0017】
そして、上記のようにして調製した塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を二酸化炭素ガスに接触させることにより塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる。塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液の液温は50℃以下、好ましくは20〜40℃の範囲にある。二酸化炭素ガスの導入量は、塩基性炭酸マグネシウム粒子1kgに対して0.5〜10L/分の範囲、好ましくは1〜5L/分の範囲にある。二酸化炭素ガスの導入時間は、30〜300分間の範囲、好ましくは30〜120分間の範囲にある。二酸化炭素ガスの導入は、分散液を攪拌しながら行なうことが好ましい。
上記のようにして結晶転移させることにより生成する正炭酸マグネシウム粒子中のアルカリ金属の混入量は、通常、結晶転移前の塩基性炭酸マグネシウム粒子中の混入量の1/2〜1/100にまで低減する。
【0018】
上記のようにして正炭酸マグネシウム粒子が生成した分散液を、脱水、乾燥することにより高純度の正炭酸マグネシウム粒子を回収することができる。
【0019】
次に、本発明の高純度塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法について説明する。
本発明の塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法は、マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して正炭酸マグネシウム粒子を生成させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、そして該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程からなる。
【0020】
すなわち、本発明の塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法においては、前述の高純度正炭酸マグネシウムの製造方法により生成した高純度の正炭酸マグネシウム粒子を、ろ過や遠心分離などの通常の方法を用いて分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する。そして、この正炭酸マグネシウム粒子分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる。正炭酸マグネシウム粒子分散液の加熱条件は、前述の条件と同じである。
【0021】
本発明の方法により製造された正炭酸マグネシウム粒子及び塩基性炭酸マグネシウム粒子は、高純度であることから、食品添加剤、あるいは電子材料や光学材料用のマグネシウム化合物(例えば、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム)の原料として有利に利用することができる。
【実施例】
【0022】
[実施例1]
ジャケット付き反応槽中に水20kgと塩化マグネシウム3kgとを入れて塩化マグネシウム水溶液を調製した。次いで、この水溶液に、水10kgに炭酸ナトリウム1.565kgを溶解した炭酸ナトリウム水溶液を全量滴下した。炭酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、反応槽のジャケットに熱媒体を供給して、水溶液の水温を40℃に調節しながら60分間攪拌して、正炭酸マグネシウム粒子分散液を得た。正炭酸マグネシウム粒子分散液をろ過、乾燥して2.0kgの正炭酸マグネシウム粒子を得た。この正炭酸マグネシウム粒子中のナトリウム量と塩素量を測定したところ、ナトリウム量が3900質量ppm、塩素量が6000質量ppmであった。なお、ナトリウム量は、ICP発光分析法により定量し、塩素量は吸光光度法により測定した。
【0023】
上記の正炭酸マグネシウム粒子1.5kgを、水(アルカリ金属の含有量:0.1質量ppm)15kgを入れたジャケット付き反応槽中に投入して、正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製した。次いで、反応槽のジャケットに熱媒体を供給して、分散液温度を80℃に調節しながら60分間攪拌して、正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させた。得られた塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液をろ過、乾燥して1.0kgの塩基性炭酸マグネシウム粒子を得た。この塩基性炭酸マグネシウム粒子中のナトリウム量と塩素量を測定したところ、ナトリウム量が280質量ppm、塩素量が400質量ppmであった。
【0024】
上記の塩基性炭酸マグネシウム粒子1.0kgを、水(アルカリ金属の含有量:0.1質量ppm)10kgを入れたジャケット付き反応槽中に投入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製した。次いで、反応槽のジャケットに熱媒体を供給して、分散液温度を40℃に調節した。分散液温度を40℃に保持しつつ、分散液を攪拌しながら、該分散液に二酸化炭素ガスを2L/分の流量にて60分間導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させた。得られた正炭酸マグネシウム粒子分散液をろ過、乾燥して1.2kgの正炭酸マグネシウム粒子を得た。この正炭酸マグネシウム粒子中のナトリウム量と塩素量を測定したところ、ナトリウム量が40質量ppm、塩素量が60質量ppmであった。
【0025】
上記の正炭酸マグネシウム粒子0.5kgを、水(アルカリ金属の含有量:0.1質量ppm)5kgを入れたジャケット付き反応槽中に投入して、正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製した。次いで、反応槽のジャケットに熱媒体を供給して、分散液温度を80℃に調節しながら60分間攪拌して、正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させた。得られた塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液をろ過、乾燥して0.32kgの塩基性炭酸マグネシウム粒子を得た。この塩基性炭酸マグネシウム粒子中のナトリウム量と塩素量を測定したところ、ナトリウム量が5質量ppm以下、塩素量が10質量ppm以下であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して正炭酸マグネシウム粒子を生成させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、そして該分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程を含む高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法。
【請求項2】
マグネシウム塩水溶液が塩化マグネシウム水溶液である請求項1に記載の高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法。
【請求項3】
アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウムである請求項1に記載の高純度正炭酸マグネシウム粒子の製造方法。
【請求項4】
マグネシウム塩水溶液にアルカリ金属炭酸塩を投入して正炭酸マグネシウム粒子を生成させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を水溶液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該塩基性炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて塩基性炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、該分散液に二酸化炭素ガスを導入して、塩基性炭酸マグネシウム粒子を正炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程、該正炭酸マグネシウム粒子を分散液から分離し、次いで水性媒体に分散させて正炭酸マグネシウム粒子分散液を調製する工程、そして該分散液を加熱して正炭酸マグネシウム粒子を塩基性炭酸マグネシウム粒子に結晶転移させる工程を含む高純度塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法。
【請求項5】
マグネシウム塩水溶液が塩化マグネシウム水溶液である請求項4に記載の高純度塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法。
【請求項6】
アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウムである請求項4に記載の高純度塩基性炭酸マグネシウム粒子の製造方法。














【公開番号】特開2006−151746(P2006−151746A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344586(P2004−344586)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000119988)宇部マテリアルズ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】