説明

正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置

【課題】 微環境サイクルにおける材料の性能を忠実に予測し、微環境サイクル特性を忠実に再生するような、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置の最適なアプローチを提供する。
【解決手段】 制御器114に接続された発光源108、温度調整源110、湿気調整源112を含む促進耐候性試験装置100の多変量微環境サイクルの作用パラメータに試験片101を曝露することによる、正確な耐用寿命の予測方法及び装置であって:試験槽104内で再生された多変量微環境サイクルの作用パラメータに試験片を暴露し;試験片の多変量微環境サイクルへの曝露を監視し;実行時変数が前記作用パラメータに一致するように調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置に関し、より具体的には、太陽放射以外の光源を含む促進耐候性試験装置において、原位置で記録された多変量微環境サイクルの作用パラメータに試験片を曝露することにより、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、材料学の分野における科学者は、正確な耐用寿命予測(SLP)が提供できると主張される、促進手法を用いた様々な器具について、研究、設計及び試験をしてきた。材料の調合者又は製造者は、製造及び生産に投資した後そのような最終用途環境に実際に置く前に、短期間の実験室内の試験方法及び装置を用いて、特定の材料の形態が最終用途環境においてどれだけ性能があるかを予測することを望む。特定の形態における耐用寿命を予測するためには、短期間の実験室内の試験は正確に行われる必要がある。このような試験を用いると、材料学者は、低性能な材料の形態を不適格と判定し、研究及び設計の資源(時間、金銭等)を、高性能な材料の形態の候補のみに集中することができる。さらに、材料学者は、特定の最終用途のためにコストを費やして「過度に設計された」材料の形態を控えることも可能である。このように、促進された正確な耐用寿命予測方法及び装置によれば、材料学者が将来を見通すことができ、また、最終用途環境における屋外での天候曝露に材料を長期間実際に曝す前に、長期間の天候曝露による劣化過程の働きの下で材料がどのような性能を発揮するかを、材料学者が予測することが可能となる。
【0003】
今のところ、選択された又は所望の微環境サイクルにおける材料の性能を忠実に予測するような、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置を開発することは、これまで多くの科学的な試みがなされてきたにも関わらず、材料学の産業において長い間望まれつつも満たされていないニーズである。例えば、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)の耐用寿命予測の刊行物及び耐用寿命予測のコンソーシアム、先進材料製造者の研究開発の努力、ヨーロッパ及びアジアでの耐用寿命予測シンポジウムの努力等は、この主題に関する一般的な技術文献のかなり多くの部分と同様に、このニーズの証拠及び証明となる。一般的に「耐候性試験」と呼ばれる材料試験の産業もまた存在し、この材料試験の産業は、ASTM、NIST、ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(SAE)等の標準化委員会による耐用寿命予測に向けた試みで策定された曝露条件に基づいた、促進された実験室内の又は人工の天候曝露アプローチを用いた器具を生産する。さらに具体的には、米国材料試験協会米国材料試験協会(ASTM)による耐用寿命予測のための規格があり、これは促進された人工の天候曝露による耐用寿命予測のための現在の技術水準を明確に証明するものである。現在の技術水準は、耐用寿命予測のためのアプローチを幾つか提案するものの、これらのアプローチは、材料が実際に経験する、所望の又は選択された最終用途環境の再生に失敗しているため、正確さ及び適応性を著しく欠いていることが分かっている。典型的には、これらのアプローチは、定性的な又は相対的な評価(「良好予測性能」対「不良予測性能」)又は、相対的な序列(同じ最終用途環境において、形態「A」は形態「B」より高性能である)しか提供できない。そのうえ、これらのアプローチは、典型的には、幾つかの材料に対しては、限られた意味で有効であるが、他の材料に対しては有効でない。例えば、ある耐用寿命予測のアプローチは、屋外でのポリカーボネートの黄変を(ここで説明される程度に)一般的に予測するには比較的正確となり得るが、最終用途環境によるナイロンの機械的性質の変化は全く正確に予測できず、また他の多くの材料及び特性についても正確とはならない。
【0004】
これらのアプローチによりもたらされた耐用寿命予測における改善点は極めて乏しく、結局は、ほぼすべての材料について、実際の最終用途環境における耐用寿命を、未だ正確に予測できてはいない。それゆえ、正確な耐用寿命予測に対する解決策は未解明のままである。
【0005】
従来の人工の又は実験室内の耐候性試験装置は、優位な情報を提供するために、また耐用寿命予測問題を解決するために、数々のアプローチを用いている。例えば、最終用途環境での材料の劣化の多くは太陽光紫外線(UV)エネルギー劣化により引き起こされるというのが従来の知識であり、そのため材料の研究者らは、UVの放射照度レベルを高めて材料を曝露してきた。しかし、温度や湿気等、他の最終用途環境条件もまた材料劣化に影響を与える。そのため、耐候性試験装置内でUV放射照度、温度及び湿気を同時に高める試験アプローチもまた、研究者らは開発してきた。従来の技術水準における、耐用寿命予測のための天候曝露アプローチの例を、下の表に示す。
【0006】
【表1】

【0007】
ここに示す従来のアプローチによりもたらされた耐用寿命予測における改善点は極めて乏しく、結局は、ほとんどすべての材料について、実際の最終用途環境における耐用寿命を、未だ正確に予測できてはいない。それゆえ、正確な耐用寿命予測に対する解決策は未解明のままである。
【0008】
上の表から分かるとおり、従来の人工の又は実験室内の耐候性試験装置は、単一の設定点における温度、放射照度又は湿度を、周期的に監視及び維持する単純な制御アルゴリズムを有している。特定の変数の持続時間及び変数の調節点の絶対値は、典型的には、上述で参照した標準化委員会により、また当業者に知られた方法で決定される。キセノンアーク耐候性試験装置及び蛍光耐候性試験装置についてのASTMの基準は、異なる材料試験毎に、非常に単純なサイクルを提示している。例えば、ASTM G 154−06は、表X2.1において、蛍光耐候性試験装置についての数々の異なるサイクルを示しており、これらは全て、単一の放射照度及び温度での長時間にわたる曝露、並びに単一の温度での長時間にわたる凝縮を単純に禁じている。SAE J1960では、放射照度0.55W/mかつブラックスタンダード温度で70℃を40分間、試験片への散水を行いながら放射照度0.55W/mかつ70℃で20分間、同じ放射照度の光及び温度設定で60分間、そして暗所にて38℃で60分間、と続くようなサイクルが提案されている。ASTM G 26は、特定の時間持続する特定の静的な設定点を用いた、同じ曝露サイクルの原理を提示している。更なる例として、図1は、ASTM G 155サイクル8の放射照度曝露サイクルのステップ関数をグラフにより表現したものであり、図2は、ASTM G 155サイクル8の温度曝露サイクルのステップ関数をグラフにより表現したものである。これらのサイクルは、標準化委員会の合意の下で開発されたものであり、模擬を意図した最終用途環境のサイクルにはほとんど類似していない。
【0009】
これらの従来のアプローチは、従来の人工の又は実験室内の耐候性試験装置により生成されるサイクルと自然の最終用途環境が有するサイクルとが著しく異なるということを考慮していない。自然の最終用途環境で観測されるサイクルは、従来のアプローチ及び装置で用いられていたステップ関数よりむしろ、生来的にアナログである(典型的には正弦波状)。このような違いのため、二つの曝露結果(即ち人工対自然の最終用途環境)の間で良好な相関を得ることは、多くのタイプの材料及び製品について、非常に困難か不可能である。この理由は、人工の光源を有する実験室内の耐候性試験装置における従来の曝露の模擬は、最終用途環境での変わりやすい曝露サイクルの模擬が不十分であり、結果として、そのような材料や製品で最終用途環境において観測される劣化効果の模擬が不十分である点にある。したがって、標準化委員会により設定された従来の人工の耐候性試験装置のサイクルを用いた材料曝露試験では、最終用途環境サイクルに曝される材料の耐用寿命を正確に予測することができない。
【0010】
また従来の人工の天候曝露アプローチでは、材料劣化における相互作用が説明されない。低い放射照度での曝露が高レベルの放射照度とは異なる効果に帰着する時、その曝露が同じ放射エネルギーに帰着する時ですら、相互作用からの逸脱が材料にしばしば起こる。更なる説明は、米国特許出願公開第2005/0120811号A1にされており、引用することにより本明細書中に援用される。従来の人工の天候曝露アプローチ及び耐候性試験装置は、J/mUVの単位で計測された単一のレベル又はステップの放射照度と共に、UV放射エネルギーを基準とする曝露時間(UV放射強度と時間との積)を用いている。同様に、最終用途での曝露も時間が測られ、UV放射エネルギーで計測される。しかし、これは耐用寿命予測のためには誤ったアプローチである。たとえ両者の曝露が、UV放射エネルギー曝露による劣化量が同じとなるよう調整されていても、UV放射強度が変化するような自然の最終用途環境サイクルから受ける累積的な劣化効果は、人工の耐候性試験装置で観測される、単一のUV放射強度で一定の人工のサイクルから受ける累積的な劣化効果とは全く異なるからである。UV放射への曝露の総計が同じとなるよう曝露された同一の材料について、人工的な曝露か自然の曝露かに関わらず、同じ劣化結果を得ることの困難さは、従来のアプローチの大きな短所を指し示している。
【0011】
光強度、材料の温度及び湿気の共変量もまた、従来の人工の天候曝露アプローチと最終用途環境サイクルとで観測されるものの間で著しく異なる。材料曝露温度は、太陽光吸光度、輻射率及び材料の熱伝導率特性のような材料特性と、雰囲気温度、風速、太陽光強度、スカイ温度及び材料方向特性のような環境変数特性との複素関数である。最終用途環境の可変特性は常に変化するため、曝露を固定のステップ関数の設定点に維持するような人工の天候曝露アプローチ及び耐候性試験装置での観測結果と比べて、連続的に変化する環境変数の動的性質は、最終用途環境で観測されるものとは大きく異なる材料劣化に帰着する。例えば、反応している材料における変化しつつある温度は、化学的反応速度を変え得ることがよく知られている。したがって、動的な最終用途での温度環境は、単一の温度のステップ関数に維持するような従来の人工の実験室内の天候曝露アプローチ又は耐候性試験装置とは異なる、累積的な材料劣化を生み出すことが期待される。
【0012】
曝露温度は光強度の共変量であり、したがって、相互作用と温度に影響される化学反応速度との間にはメタレベルの相互作用の機会がある。温度及び湿気の変数もまた、拡散速度が温度により制御されるという条件の下、相互に作用する。したがって、自然の曝露における材料への湿気の侵入は、環境の湿気(雨、結露、湿度等)と材料温度との複素関数であり、同様に材料温度は、太陽放射強度と雰囲気温度その他の環境変数との複素関数である。自然の日周及び季節性の最終用途環境サイクルで起こる、材料劣化に対する低次及び高次変数の効果の増強及び相互作用は、従来の人工の耐候性試験装置や運用アプローチにおける単純な単一の設定点のステップ関数の設定では模擬できない。
【発明の概要】
【0013】
したがって、模擬を意図した自然の最終用途環境サイクルにほとんど類似しておらず;同一の材料について同じ劣化結果を得るのが困難であり;幾つかの材料に対しては、の限られた意味で有効であるが他の材料に対しては有効でなく;自然の最終用途環境サイクルで観測される累積的な劣化効果とは大きく異なる累積的な劣化効果を有し;自然の日周及び季節性の最終用途環境サイクルで起こる、材料劣化に対する低次及び高次変数の効果の増強及び相互作用が説明できず;自然の最終用途環境サイクルに関係の無い固定のステップ関数のような原始的な運用アプローチである曝露サイクルを必要とすることのない、材料の耐用寿命を正確に予測するための新規かつ自明でない方法及び装置が望まれていた。
【0014】
主題となる開示の対象は、明らかにされた全ての問題及び短所を克服するとともに、選択された又は所望の微環境サイクルにおける材料の性能を忠実に予測し、選択された又は所望の微環境サイクル特性を忠実に再生するような、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置の最適なアプローチを提供する、新規かつ自明でない改善された方法及び装置である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の開示は、全体として、提供された詳細な説明を参照して、付随する図面、図面の説明、要約、背景、開示の分野、及び関連する項目を一緒に読めば、最もよく理解されるであろう。異なる図における同一の参照符号は、同じ要素又は機能的に同等な要素を意味する。要約に挙げられた要素は参照されてはいないが、詳細な説明及び関連する開示における要素を、関連して言及している。
【0016】
【図1】従来の放射照度曝露サイクルのグラフによる表現である。
【0017】
【図2】従来の温度曝露サイクルのグラフによる表現である。
【0018】
【図3】本開示の一実施形態に沿った方法の一つを示す透視図である。
【0019】
【図4】本開示に係る方法及び装置の一実施形態に沿った促進耐候性試験装置を示す透視図である。
【0020】
【図5】本開示に係る方法及び装置の一実施形態に沿った促進耐候性試験装置を示す透視図である。
【0021】
【図6】本開示に係る方法及び装置の一実施形態に沿った促進耐候性試験装置を示す詳細図である。
【0022】
【図7】多変量微環境サイクルの作用パラメータ又は機能パラメータのグラフによる表現である。
【0023】
【図8】多変量微環境サイクルの作用パラメータ又は機能パラメータのグラフによる表現である。
【0024】
【図9】多変量微環境サイクルの作用パラメータ又は機能パラメータ、従来技術において模擬された作用パラメータ又は機能パラメータ、及び本開示に沿った試験片の曝露の実行時変数をグラフにより表現したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、ここに記載された特定の詳細な装置に限定されることはなく、また他の変更や応用をも企図するものである。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、ここに記載した装置又は方法に更なる変更を加えることができる。すなわち、上述の記載の主題は、例示として理解されることを意図したものであり、限定する意味のものではない。
【0026】
本開示の一態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法は、試験槽と、前記試験槽内に配置され、試験片を支持するためのマウントと、前記試験槽内に配置された発光源と、促進耐候性試験装置内に配置された温度調整源と、前記促進耐候性試験装置内に配置された湿気調整源とを備える前記促進耐候性試験装置の制御を含むことができる。制御器は前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続でき、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含むことができ、前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が働くよう機能する。この方法は、多変量微環境サイクルの作用パラメータを記録するステップと;前記試験槽内で、前記作用パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに前記試験片を曝露するステップと;実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視するステップと;前記実行時変数が前記作用パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するステップとを含むことができる。
【0027】
本開示の一態様において、原位置で記録された多変量微環境サイクルの作用パラメータに試験片を曝露することにより、正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置は、試験槽と;試験片を支持するためのマウントと;前記試験槽内に配置された発光源と;前記促進耐候性試験装置内に配置された温度調整源と;前記促進耐候性試験装置内に配置された湿気調整源とを含むことができる。制御器は、前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続されると共に、プログラミング命令とプロセッサーとを含むことができ、前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が、前記試験槽内で、前記作用パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに前記試験片を曝露し;実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視し;前記実行時変数が前記作用パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するよう機能する。
【0028】
本開示の他の態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法は、試験槽と、前記試験槽内に配置され、試験片を支持するためのマウントと、前記試験槽内に配置された発光源と、促進耐候性試験装置内に配置された温度調整源と、前記促進耐候性試験装置内に配置された湿気調整源とを備える前記促進耐候性試験装置の制御を含むことができる。制御器は前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続でき、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含むことができ、前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が働くよう機能する。この方法は、前記プロセッサーにより、原位置での多変量微環境サイクルをモデル化する機能パラメータを生成するステップと;前記試験槽内で前記試験片を前記機能パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに曝露するステップと;実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視するステップと;前記実行時変数が前記機能パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するステップとを含むことができる。
【0029】
本開示の他の態様において、多変量微環境サイクルに試験片を曝露することにより、正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置は、試験槽と;試験片を支持するためのマウントと;前記試験槽内に配置された発光源と;前記促進耐候性試験装置内に配置された温度調整源と;前記促進耐候性試験装置内に配置された湿気調整源とを含むことができる。制御器は、前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続されると共に、プログラミング命令とプロセッサーとを含むことができ、前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が、前記プロセッサーにより、原位置での多変量微環境サイクルをモデル化する機能パラメータを生成し;前記試験槽内で前記試験片を前記機能パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに曝露し;実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視し;前記実行時変数が前記機能パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するよう機能する。
【0030】
本開示の更に他の態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置は、温度、紫外線放射照度及び湿気からなる群の中から選択された少なくとも二つである作用パラメータを含むことができる。
【0031】
本開示の更に他の態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置は、作用パラメータを記録した後、作用パラメータを編集することを含むことができる。例えば、作用パラメータを編集することは、前記多変量微環境サイクルから前記作用パラメータの重要でない期間を除去することを含み、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して作用パラメータを調整すること、複数の微環境サイクルを平均すること又は統計的に起こり得るワーストケースシナリオを生成することを含むことができる。
【0032】
本開示の他の態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置は、微環境検出器で作用パラメータを記録すること、試験槽内に曝露検出器を配置すること及び/又は微環境検出器を制御器に接続することを含むことができる。例として、微環境検出器及び曝露検出器を、両方とも共通の運用される規格に較正したり、一つの同じ装置としたり、同一の装置とすることもできる。
【0033】
本開示の更に他の態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置は、屋外微環境、屋内微環境又は実験室内生成微環境としての多変量微環境サイクルを含むことができる。
【0034】
本開示の更に他の態様において、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置は、間欠的で非連続的な変化率を含む概ね平滑で連続的な変化率を有する作用パラメータ及び/又は機能パラメータを含むことができる。
【0035】
本開示は、ここに記載された問題及び短所を克服する、新規かつ自明でない改善された方法及び装置を示すとともに、選択された若しくは所望の微環境サイクルを、又はそのサイクルの特性を忠実に再生するような、正確な耐用寿命を予測するための方法及び装置を提供する。本開示の最適な方法及び装置は、(a)全ての材料の二つの特性、(b)全ての最終用途環境の、二つの特性の二つの別個の特性の組についての基本的理解、応用と編入、及び説明に基づき、導出される。
【0036】
第一の材料特性は、材料の相互作用の挙動(又は厳密な相互作用からの逸脱)であり、すでに説明したように、米国特許出願公開第2005/0120811号A1から本明細書中に援用される。本開示に係る方法及び装置は、材料劣化の相互作用を説明するものである。相互作用からの逸脱は、本開示に係る装置及び方法で、周波数、曝露の持続時間及び順序(例えば、低い放射照度に続く高レベルの放射照度)又は他の作用パラメータ若しくは機能パラメータについて、正確に模擬することにより、説明することができる。本開示の大きな長所は、人工の若しくは実験室内の促進された曝露サイクル又は自然の最終用途での多変量の微環境曝露サイクルに曝露されても、自然の多変量微環境サイクルの正確な模擬である人工の促進耐候性試験装置内での曝露を生成すること(即ち、促進耐候性試験装置内で、自然な多変量微環境サイクルと同じ作用パラメータ又は機能パラメータに試験片を曝露すること)により、同一の材料又は試験片について同じ劣化結果が得られることである。この長所の理由の一つは、両方の曝露が同等のUV放射への曝露(KJ/mUV)に一致することにある(即ち、自然の最終用途での微環境曝露の作用パラメータ又は機能パラメータは、サイクルを通して低強度から高強度まで様々なUV強度を含み、そして人工の促進耐候性試験装置の曝露はまた、同じ周波数、持続時間及び順序での様々なUV強度を、同じ比率で含む)。相互作用のために、具体的には多くの材料で観測される相互作用からの明らかな逸脱のために、UV強度が変化する自然の最終用途での多変量微環境サイクルからの累積的な劣化効果は非常に近似して模擬され、そのため正確な累積的な劣化効果が生み出され、又は本開示に係る方法及び装置を用いた人工の又は実験室内の促進耐候性試験装置内で観測される耐用寿命予測が生み出される。従来の天候曝露アプローチ及び耐候性試験装置では、この第一の材料特性を理解し、応用し、編入し、又は説明することができなかった。
【0037】
第二の材料特性は、自明でなく直感的でない方法により異なる耐候性変数が相互作用を起こし、材料劣化率に大きく影響を及ぼすという事実である。耐候性変数の相互作用が材料劣化率に及ぼす影響の特性分析は非常に複雑であり、洗練され、統計的に設計された、特性分析のための実験的データを生み出す実験方法を必要とする。本開示に係る装置及び方法は、正確な最終用途での多変量微環境サイクルの模擬を提供するため、光強度、材料の温度及び湿気の共変量もまた、本開示の人工の促進耐候性試験装置の曝露サイクルで、正確に模擬される。本開示の人工の促進耐候性試験装置の曝露サイクルでの実行時変数(例えば温度、UV放射照度、湿気等)は、所望の又は選択された多変量微環境サイクルの作用パラメータ又は機能パラメータ(周波数、持続時間、順序等)と同様に、概ね平滑で連続的な変化率で、常時変化する。したがって、連続的に変化する実行時変数の動的な特性は、最終用途での多変量微環境サイクルの作用パラメータ又は機能パラメータで観測される、非常に似た材料の劣化に帰着する。例えば、多変量の微環境の化学反応速度についての最終用途における複雑な変動は、本開示に係る装置及び方法を用いた人工の実験室内の促進耐候性試験装置で再生可能である。例えば、所望の又は選択された多変量微環境サイクルの、記録された作用パラメータ又は生成された機能パラメータに試験片を曝露すること、実行時変数(即ち、促進耐候性試験装置内で曝露検出器により観測された曝露)を生成するような曝露を監視すること、作用パラメータ又は機能パラメータと一致するよう再生を調整すること等により再生可能であり、これらは動的な自然の最終用途での多変量微環境サイクルと同じ累積的な材料劣化を生み出すと期待される。
【0038】
温度及び湿気の作用パラメータの複雑な相互作用は、フィック(クランク・J・パーク他「測定方法」,クランク・J・パーク他著「ポリマーの拡散」1−2頁,アカデミックプレス,ニューヨーク,1968)及びアインシュタイン(ゲッツ,R.「拡散問題入門」86−87頁,ジョン・ワイリー&サンズ,ニューヨーク,1988)により説明されたように、屋外最終用途環境で記録された、又はそれを模擬するために生成された、最終用途での多変量微環境サイクルの、複素共変量の作用パラメータ又は機能パラメータを再生することにより温度により制御される拡散速度と同様に、本開示に係る装置及び方法によって正確に模擬される。本開示に係る装置及び方法を実施する人工の促進耐候性試験装置は、自然の最終用途での多変量微環境サイクルで起こる、材料劣化に対する低次及び高次変数の効果の増強及び相互作用を模擬することもできる。従来の天候曝露アプローチ及び装置では、この第二の材料特性を適切に理解し、応用し、編入し、説明することができなかった。
【0039】
第一の一般的な環境上の特性は、最終用途での多変量微環境サイクル(UV、温度、湿気等)の作用パラメータ又は機能パラメータの、概ね平滑で連続的な変化率(例えば、正弦関数、一次導関数、三角関数等)である。すなわち、最終用途での微環境天候曝露の時間軸上の何点かで、作用パラメータ又は機能パラメータのいずれもが高レベルになる一方で、最終用途での微環境天候曝露の時間軸上の何点かで、作用パラメータ又は機能パラメータのいずれもが、低レベルになる。日周及び季節性の温度サイクル又は年間の放射照度サイクルは、この特性を実証する。従来の天候曝露アプローチ及び耐候性試験装置では、この第一の一般的な環境上の特性を適切に理解し、応用し、編入し、説明することができなかった。
【0040】
第二の一般的な環境上の特性は、作用パラメータ又は機能パラメータの、間欠的で非連続的な変化率又は無秩序な性質である。例えば、UV太陽光が物質表面に到達するのを雲が遮る場合、材料曝露温度が低下する局部領域に寒冷前線が移動し、湿気のある空気がその上を移動し、風が材料の曝露温度を変化させること等が生じる。従来の天候曝露アプローチ及び耐候性試験装置では、この第二の一般的な環境上の特性を適切に理解し、応用し、編入し、説明することができなかった。
【0041】
上述した四つの複雑な特性は:(a)異なるレベルの作用パラメータ又は機能パラメータにおける材料相互作用;(b)材料劣化速度に影響を及ぼす異なる作用パラメータ又は機能パラメータの相互作用;(c)時間軸状の異なる点において、異なる作用パラメータ又は機能パラメータが異なるレベルに帰着するという、作用パラメータ又は機能パラメータの周期的性質;(d)作用パラメータ又は機能パラメータレベルの無秩序な性質であり、全ての相互作用が、材料(即ち試験片)及び多変量の微環境特性に依存する独特の劣化特性に帰着する。現在の耐用寿命予測アプローチ及び装置は、人工の促進耐候性試験装置及び方法における、試験片の曝露時間を通じた多変量微環境サイクルのレベルの複雑さを模擬しておらず、そのため様々な材料についての正確な耐用寿命予測が達成できていない。例えば、従来のアプローチでは、現在の試験方法における、0.65W/mのUV放射照度、材料温度60℃で8時間維持するセグメントの後、次のセグメントに移るように運転することを禁じることができる。このような放射照度及び温度レベルの設定は、一般的な平均の最終用途環境における測定値を代表するものである。しかし、最終用途環境における自明でない現実は、0.65W/mのUV放射照度、材料温度60℃という定常状態が、長時間はいうに及ばず、短時間であっても(仮にあったとしても)めったに実現しないということである。日周のサイクルそれ自体は放射照度及び温度のレベルを連続的に変化させる。雲や風のような雰囲気の無秩序な影響はまた、作用パラメータ又は機能パラメータのレベルを非常に短い期間で変化させる。これらのような変化、及び作用パラメータ又は機能パラメータの付随する変化率は、現在の耐用寿命予測アプローチ及び装置によって模擬されていない。しかし、作用パラメータ又は機能パラメータの変化(そして付随する変化率)は、長期間に及ぶ最終用途での曝露での材料劣化速度に大きく影響する。
【0042】
他の例として、最終用途環境における朝の低いUV放射照度に曝露された材料は、正午ごろの高い放射照度の曝露と比べて、異なる外見的な量子的効果を有し(即ち相互作用の違い)、これは、現在の耐用寿命予測アプローチ及び装置では説明されない、長期間での材料劣化の増強への寄与が異なることに帰着する。また他の例として、冬季の非常に低温(例えば0℃)の期間における非常に高い放射照度(例えば0.65W/mUV)の曝露は、最終用途での曝露においてまさに次の日に起こり得るような、より高い温度(例えば10℃)におけるより低い放射照度(例えば0.35W/m)に比べ、放射照度及び温度の非常に異なった相互作用に帰着し、長期間での材料劣化の増強への寄与が異なることに帰着するが、これは現在の耐用寿命予測アプローチ及び装置では考慮されていない。
【0043】
更に他の例として、最終用途での曝露において太陽と物質との間で雲が通りすぎることによる、高い放射照度及び高い温度の曝露から低い放射照度及び低い温度の曝露への変則的な変化(及び付随する変化率)は、従来の人工の天候曝露による耐用寿命予測アプローチ及び耐候性試験装置において模擬されておらず、さらに長期間に及ぶ最終用途での曝露では、これらの種類の変化(及び付随する変化率)の累積的な効果は、材料の耐用寿命に顕著に影響を及ぼす。
【0044】
従来の人工の天候曝露アプローチが長期間に及ぶと、これらの模擬上の誤差は、最終用途環境において同じ材料で観測される耐用寿命とは顕著に異なる耐用寿命が予想されるという事態を引き起こす。従来の耐用寿命予測アプローチ及び装置では、最終用途での多変量微環境サイクルの変化(及び付随する変化率)を模擬できず、その代わりに、最終用途での曝露の総量を平均した値を単に代表する、明瞭な固定のステップ関数レベルの曝露に焦点を合わせているため、研究者のニーズに応えられていない。多数の作用パラメータ又は機能パラメータの同時的変化は、一次導関数(即ちそのような変化の変化率)で表されるように、最終用途での微環境サイクルにおける材料劣化の特性を決定するのに重要であるが、しかしこれは従来の耐用寿命予測アプローチ及び装置において、適切に理解し、応用し、編入し、説明されていなかった。
【0045】
限定する意図でなく例示する意図で、本開示に係る方法及び装置の一つの実施形態は、太陽光UV放射照度、温度及び湿気の曝露条件を含む(がこれらに限定されない)多変量微環境サイクルの作用パラメータを微環境検出器又はデータロガーで記録すること、そして発光源(太陽光以外)、温度調整源及び湿気調整源、フィードバック装置として試験槽内に配置された曝露検出器又はデータロガー、及び最終用途での多変量微環境サイクルの非常に正確な模擬を確実にするための制御器を内部に含む人工の促進耐候性試験装置を用い、記録された作用パラメータを再生することに向けられている。これにより、人工の促進耐候性試験装置内で、曝露される試験片の劣化を正確に模擬することができる。
【0046】
限定する意図でなく例示する意図で、本開示に係る方法及び装置の他の一つの実施形態は、UV放射照度、原位置での多変量微環境サイクルをモデル化する、温度及び湿気の曝露条件を含む(がこれらに限定されない)機能パラメータを生成すること、そして発光源(太陽光以外)、温度調整源及び湿気調整源、フィードバック装置として試験槽内に配置された曝露検出器、及び最終用途での多変量微環境サイクルの非常に正確な模擬を確実にするための制御器を内部に含む人工の促進耐候性試験装置を用い、生成された機能パラメータを再生することに向けられている。これにより、人工の促進耐候性試験装置内で、曝露される試験片の劣化を正確に模擬することができる。
【0047】
従来の耐用寿命予測アプローチ及び装置は、複雑な多変量微環境サイクルの作用パラメータを記録せず、また原位置での多変量微環境サイクルをモデル化し人工の促進耐候性試験装置の中でのそのサイクルを再生する機能パラメータを生成しない。そのサイクルの再生は;人工の促進耐候性試験装置の内部の微環境検出器を使用した後、曝露検出器を使用して、人工促進耐候性試験装置の内部の実行時変数を測定して、この実行時変数を制御し、したがって人工の促進耐候性試験装置の内部の作用パラメータ又は機能パラメータの正確な模擬を確実にし(ここで微環境検出器及び曝露検出器が一つの同じ装置である);そのようなサイクルを促進耐候性試験装置の中で再生する前に、最終用途での材料劣化の正確な模擬のための基本的な微環境サイクル特性を維持しつつ、促進試験を実現するため、作用パラメータ又は機能パラメータを編集することからなる。
【0048】
その結果、本発明の実施形態は、固定のステップ関数の設定に限定されて過度に単純化された従来のアプローチ及び装置に比べ、最終用途での微環境の材料劣化をより正確に模擬する。特定の最終用途での材料劣化又は最終用途環境で観測される破損に関連する、独特な微環境サイクルの条件を捕捉して特徴を描写し、実験室内で(即ち人工の促進耐候性試験装置で)そのような劣化や破損を引き起こすような正確な曝露条件を模擬するため、独特な微環境サイクルの曝露条件の再生が使われることになる。したがって、新しい材料の形態が生み出され、適用可能な最終用途での微環境サイクルの正確な模擬の下で、以前に最終用途環境で曝露された材料に劣化や破損を引き起こした個別の最終用途での微環境サイクルに、その新しい材料が耐えられるか否かを決定するため、試験されるようになる。
【0049】
そのうえに、その実施形態は、最終用途での多変量微環境サイクルのアナログ性(例えば、正弦関数、一次導関数、三角関数等)を、従来のアプローチ及び装置における単純な固定のステップ関数に比べ、さらにより正確に模擬し、例えば最終用途環境で観測される、日周、季節性又は年間の、放射照度、温度及び湿気の変数の正弦関数状の性質;最終用途でしばしば材料の破損を引き起こす、最終用途環境で観測される無秩序な変則を、より正確に模擬する。結果として、本開示に係る装置及び方法は、より良い多変量微環境サイクルの模擬により、材料に対する最終用途での劣化効果のより良い模擬を提供する。したがって、材料の耐用寿命予測の正確さは、従来のアプローチ及び装置に比べ、各段に改善した。
【0050】
本開示に係る装置及び方法の一態様は、従来のアプローチ及び装置で用いられてきた、極めて人工的で、過度に単純化された固定のステップ関数を平均設定とする方法を発展させるよりむしろ、微環境検出器及びデータロガーを最終用途環境に配置して、実際の多変量微環境サイクルを記録し、人工の実験室内の促進耐候性試験装置内で模擬により再生する。
【0051】
本開示に係る装置及び方法の他の態様は、従来のアプローチ及び装置で用いられてきた単純な固定のステップ関数よりむしろ、最終用途環境で観測される、概ね平滑で連続的な変化率(例えばアナログ、正弦関数状サイクル等)の関数を模擬して、実際の最終用途環境の天候曝露を人工の促進耐候性試験装置内で模擬する。
【0052】
本開示に係る装置及び方法の他の態様は、最終用途環境においては微環境検出器を、再生する間は人工の天候曝露槽の内部で曝露検出器を用いるが、これらは「同一」であり、これによって、前もって最終用途環境で記録された、又は多変量微環境サイクルをモデル化することにより生成された多変量微環境サイクルに、人工の促進耐候性試験装置内で監視された実行時変数が高度に忠実であることを保証する。「同一の」検出器についてのいくつかの好ましい実施例は、両方とも共通の運用される規格(例えばNIST等)に較正された微環境検出器及び曝露検出器を含み、これらは同一の装置であるか一つの同じ装置であり、検出器毎の小さな差異による影響が、再生に及ばないようにするためである。
【0053】
本開示に係る装置及び方法の他の態様は、作用パラメータ又は機能パラメータを編集して、そのような作用パラメータから重要でない期間を除去すること、促進のため作用パラメータを補うこと、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して作用パラメータを調整すること、複数の微環境サイクルを平均すること、統計的に起こり得るワーストケースシナリオを生成すること、及び変化率が概ね平滑で連続的となるよう作用パラメータを補間することである。例えば、そのような編集は、オフセットを有する同一の動的な多変量微環境サイクルを維持しつつ、多変量微環境サイクルの原動力は維持しながらも多変量微環境サイクルに定数を乗じて促進のために振幅を大きくすることを含み、又は他の公知の若しくは自明の所望の方法で多変量微環境サイクルを修正する。厳密な計算に基づいた、微分又は積分の手法が多変量微環境サイクルに適用され、制御器は、人工の促進耐候性試験装置において新規な模擬及び促進の方法を生み出すよう機能し、従来のアプローチ及び装置からの劇的な新発展を表現する。
【0054】
図3は、本開示の一実施形態に係る正確な耐用寿命予測のための方法の一態様を示す透視図であり、ここでは多変量微環境サイクルの作用パラメータが記録されている。一つの実施形態では、作用パラメータが、温度、紫外線放射照度及び湿気からなる群の中から選択された少なくとも二つである。しかし、作用パラメータは、記録できる任意の適当な微環境変数とすることができるとともに、本開示の意図する目的に関連して有用となり得るということを、当業者は認識するであろう。好ましくは、多変量微環境サイクルの作用パラメータを記録することは、ここで説明するように、促進耐候性試験装置の制御器に接続可能な微環境検出器を含む。微環境検出器は、有線又は無線で促進耐候性試験装置の制御器に接続される、任意の適当な多変量の曝露測定装置又はセンサー(例えば放射照度、温度、湿気等)を含むことができ、これにより所望の又は選択された作用パラメータのログ又は記録を取ることができる。例えば、単なる例示に過ぎないが、本開示に関連して当業者に公知のハードウェア形態又はソフトウェア形態であって、データ(即ち作用パラメータ)を格納するための単一のメモリー、複数のメモリー所在地、共有メモリー、CD、DVD、ROM、RAM、光学的記憶装置、マイクロコード、データストア、メモリー、読み出し専用メモリー、ランダムアクセスメモリー、書き換え可能ディスクメモリー、追記型メモリー、電気的電子的消去可能プログラマブルロム(EEPROM)、ホログラムメモリー、遠隔記憶メモリー、又は他の任意の不揮発性記憶メモリー装置を有する任意の適当な装置を用いることができる。多変量微環境サイクルは、屋外微環境、屋内微環境及び実験室内生成微環境からなる群の中から選択され得る。図3は、本開示の一態様の様々な実施例を図示している。微環境検出器10は、所定の材料につき所望の又は選択された微環境サイクルを記録するために、任意の想像できる場所に設置することができ、例えば、単なる例示に過ぎないが、建物20の外部表面22(例えば屋根24又は壁26)、建物20の内部表面(例えば建物20の外部窓28の枠、内部壁又は床)、建物22の構造の連続的に又は非連続的に曝露される構成要素30(例えばデッキ又はポーチの手すり)、車両40の外部表面42、車両40の内部表面44(例えばダッシュボード、座席、カーペット等)、標識50の連続的に又は非連続的に曝露される表面、又は本開示の意図する目的に応じた、他の任意の適当な又は想像できる場所に設置が可能である。更に、微環境検出器10は、促進耐候性試験装置(ここで説明される装置又は類似の装置であるが、当業者には他の類似の又は適当な装置の認識されるであろう装置)に設置することができ、ここで説明されるのと同じ方法で生成された実験室内生成微環境を、記録することができる。
【0055】
図4は促進耐候性試験装置100の透視図であり、図6は促進耐候性試験装置100の詳細図であり、両方とも本開示の、原位置で記録された作用パラメータ又は多変量微環境サイクルに試験片101を曝露することによる正確な耐用寿命予測の一実施形態に関する。促進耐候性試験装置100は、ハウジング102内に区画された試験槽104、試験槽104内に配置されたマウント106、試験槽104内に配置された発光源108、促進耐候性試験装置100内に配置され、試験槽104に連通する温度調整源110、促進耐候性試験装置100内に配置され、試験槽104に連通する湿気調整源112、発光源108、温度調整源110及び湿気調整源112に接続され、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含む制御器114を含むことができ、プログラミング命令がプロセッサーにより実行されると、制御器114が、試験槽104内で、作用パラメータに沿って多変量微環境サイクルに試験片101を曝露し;実行時変数を生成するために、試験槽104内での試験片101の多変量微環境サイクルへの曝露を監視し;実行時変数が作用パラメータに一致するようにプログラミング命令を調整するよう機能する。
【0056】
一実施形態において、発光源108は、任意の適当な人工の非太陽光の光源、例えば、単なる例示に過ぎないが、キセノンアーク、蛍光又は類似のランプ、フィルターを伴うもの又は伴わないもの、天候曝露目的の技術分野において公知で広く用いられてきた任意の他の適当な光源を含むことができ、これにより作用パラメータ又は機能パラメータに基づき、制御器114からの指令の下で、試験槽104内での放射照度の曝露を高く、低く、又は等しく調整することができる。一実施形態において、温度調整源110は、促進耐候性試験の技術分野での意図する応用に適当であるとして公知である加熱要素(例えば直接的又は間接的熱源)、冷却要素(例えば直接的又は間接的冷却)及び空気流動要素(例えばファン、ダクト、ダンパー、混合装置又は他の空気流動装置)の中から、任意に組み合わせることができ、これにより作用パラメータ又は機能パラメータに基づき、制御器114からの指令の下で、試験槽104内での温度の曝露を高く、低く、又は等しく調整することができる。一実施形態において、湿気調整源112は、促進耐候性試験の技術分野での意図する応用に適当であるとして公知である流体排出要素(例えば流体原及び排出装置)及び空気流動要素(例えばファン、ダクト、ダンパー、混合装置又は他の空気流動装置)の中から、任意に組み合わせることができ、これにより作用パラメータ又は機能パラメータに基づき、制御器114からの指令の下で、試験槽104内での湿気の曝露を高く、低く、又は等しく調整することができる。発光源108、温度調整源110及び湿気調整源112それぞれの構造及び関連する機能は、公開されている米国特許第7,038,196号;第6,946,652号;第6,872,936号;第6,720,562号;第5,646,358号;及び第5,503,032号;並びに米国特許出願公開第2010/0005911号;第2007/0295114号;及び第2005/0167580号;においてより詳細に説明されており、これらはそれぞれ独立に及び共同で引用することにより本明細書に援用される。
【0057】
一実施形態において、制御器114は、ハードウェア形態又はソフトウェア形態である任意の適当な装置であって、例えばプログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを備えるプログラマブルロジック制御器のような、入力(即ち微環境検出器10、副制御器又は編集装置)及び出力(発光源108、温度調整源110及び湿気調整源112)に通じる装置から編成することができる。他の適当な制御器として、例えば、単なる例示であり限定する意図はないが、演算の管理を容易にするためのプロセッサー及びメモリーを含むプロセッシングモジュールが用いられ得る。プロセッサーとしては、マイクロプロセッサー、中央処理装置又はマイクロ制御器、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタルシグナルプロセッサー、マイクロ制御器又は任意の他の適当な処理装置が使用できる。プロセッサーがマイクロプロセッサーの場合、「ペンティアム(登録商標)」、「パワーPC(登録商標)」又は公知となっている任意の他の適当なマイクロプロセッサー、CPU若しくはマイクロ制御器を使用することができる。メモリーは、本開示に関連して当業者に公知のハードウェア形態又はソフトウェア形態であって、データ(即ち作用パラメータ)を格納するための単一のメモリー、複数のメモリー所在地、共有メモリー、CD、DVD、ROM、RAM、光学的記憶装置、マイクロコード、データストア、メモリー、読み出し専用メモリー、ランダムアクセスメモリー、書き換え可能ディスクメモリー、追記型メモリー、電気的電子的消去可能プログラマブルロム(EEPROM)、ホログラムメモリー、遠隔記憶メモリー、又は他の任意の不揮発性記憶メモリー装置を有する、任意の適当な装置を用いることができる。一実施形態においてプロセッサーは、プログラミング命令を実行し、記憶したデータに基づき演算する能力のある、前述のものの任意の組み合わせを含む一以上の処理装置を含むことができる。メモリーは、プロセッサーにより実行可能な命令及びデータ並びにプログラミング変数、又は当業者に公知である任意の他の適当なプログラミングソースコード若しくはオブジェクトコード(これらはハードドライブ、キャッシュメモリー等のような任意の適当な形式に収録されている)を含む。一実施形態において、制御器114は、ユーザー入力装置(例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、マイク及び音声認識アプリケーション、又は制御器114のユーザーがプロセッサーに入力データを提供できるような任意の他の手段)、ディスプレイ(例えばブラウン管、フラットパネルディスプレイ、又は当業者に公知の任意の他のディスプレイ機構)、種々の入力及び出力装置(例えば微環境検出器10、曝露検出器、発光源108、温度調整源110及び湿気調整源112)と連絡するのに必要な周辺インターフェイス(例えばハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェア)、メディアドライブ(例えば磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュドライブ等、ここで説明される方法の一実施形態を実施するのに用いられる実行可能命令を記憶する記憶メディアを読み出すのに用いられ得るドライブ)又は本開示に関連して有用な任意の他の入力又は出力源(例えばハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを有する、プロセッサーが有線又は無線ネットワークを介して他の装置と通信するのを許容するような、公知のローカル又は広域、プライベート又はパブリックのネットワークインターフェイス)を含むことができる。
【0058】
一実施形態において、試験片101は、試験槽104内で作用パラメータに沿って多変量微環境サイクルに曝露される。例えば図7及び8は、多変量微環境サイクルの二つの作用パラメータ(図7−温度、図8−放射照度)のグラフによる表現である。制御器114は、少なくとも発光源108及び温度調整源110を、作用パラメータに沿って(即ちプログラミング命令、記憶されたデータ、インポートされた命令、微環境検出器10、ここで説明される編集装置又は副制御器からのデータ、任意の他の適当な形態の機構、装置又は技術等)操作し、試験槽104内でそのような作用パラメータを再生する。曝露検出器200は、試験槽104内のマウント106で、試験片101と同じように配置されることができ、これにより、試験槽104内での試験片101の多変量微環境サイクルへの曝露を監視することができる。微環境検出器10及び曝露検出器200は、両方とも共通の運用される規格(例えばNIST等)に較正された同一の装置又は一つの同じ装置とすることができ、これによって、検出器毎の小さな差異による影響が再生に及ばないようにすることができる。曝露検出器200は、有線又は無線接続により制御器114に接続することができ、これにより、試験槽104内で監視された多変量微環境サイクルを代表するものとして曝露検出器200により生成される実行時変数を、制御器114に送ることができる。一実施形態において、プログラミング命令は、実行時変数が作用パラメータに一致するよう調整されることができ、これにより、ここで説明される長所であるこれらの二つの間で高い忠実度を維持できる。
【0059】
図5は、本開示の一実施形態に沿った促進耐候性試験装置100の透視図である。この実施形態はここで説明したものと本質的に同じであり、副制御器300が(有線又は無線で)微環境検出器10及び制御器114に接続されている。副制御器又は編集装置300は、制御器114と同様に又は類似して、ここで説明するように(ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、パーソナルコンピュータ等を更に含むがこれらに限定されない)及び独立する装置(例えば微環境検出器10及び制御器114に、所望するように又は有利となるように有線又は無線接続で接続されている)、又は微環境検出器10若しくは制御器114に同じように統合された機能を、所望するように又は有利となるように編成することも本開示の範囲内である。一実施形態において、副制御器300は、作用パラメータの編集及び機能パラメータの生成を容易にする。編集の機能は、作用パラメータを記録した後編集することを含むことができ、機能パラメータの生成にも用いられることができる。例えば、作用パラメータを編集することは、多変量微環境サイクルから作用パラメータの重要でない期間を除去することを含むことができ、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して作用パラメータを調整すること、複数の微環境サイクルを平均すること、又は統計的に起こり得るワーストケースシナリオを生成することを含むことができる。機能パラメータはプロセッサーにより生成されて、原位置での多変量微環境サイクルを、理論的方法(例えばダフィー及びベックマン型方程式)か又は観測されたデータに基づくか、いずれかの公知の方法でモデル化することができる。
【0060】
図9は、従来の固定のステップ関数アプローチ及び促進耐候性試験装置の模擬における多変量微環境サイクルの作用パラメータと、本開示における試験片の曝露において監視された実行時変数とを、グラフにより比較したものである。当業者は、実行時変数の作用パラメータに対する高い忠実性(及び結果的に生じるここで説明されるような耐用寿命予測における優位性)を、(ここで説明した全ての短所及び予知できないことをはらむ)従来のアプローチと区別して、認識するであろう。
【0061】
前述の詳細な説明は、単に本開示のいくつかの例及び実施形態を明らかにしたものであり、趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示に沿って、開示された実施形態に多数の変更を施すことができる。したがって前述の詳細な説明は、本開示の範囲の限定を意図するものではなく、当業者が過度の負担を負うことなくこの発明を実施できるよう、十分な開示を提供するためのものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験槽と、前記試験槽内に配置され、試験片を支持するためのマウントと、前記試験槽内に配置された発光源と、促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する温度調整源と、前記促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する湿気調整源と、前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続され、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含む制御器とを備え、前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源を操作するよう機能する前記促進耐候性試験装置を制御することにより、正確な耐用寿命を予測するための方法であって、
多変量微環境サイクルの作用パラメータを記録するステップと;
前記試験槽内で、前記作用パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに前記試験片を曝露するステップと;
実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視するステップと;
前記実行時変数が前記作用パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するステップとを備える
ことを特徴とする正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項2】
前記作用パラメータが、温度、紫外線放射照度及び湿気からなる群の中から選択された少なくとも二つである
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項3】
前記作用パラメータを記録した後、前記作用パラメータを編集するステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項4】
前記作用パラメータを編集するステップが、前記多変量微環境サイクルから前記作用パラメータの重要でない期間を除去することを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項5】
前記作用パラメータを編集するステップが、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して前記作用パラメータを調整することを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項6】
前記作用パラメータを編集するステップが、複数の微環境サイクルを平均することを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項7】
前記複数の微環境サイクルを平均することが、統計的に起こり得るワーストケースシナリオを生成することを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項8】
前記作用パラメータを編集するステップが、変化率が概ね平滑で連続的となるよう前記作用パラメータを補間することを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項9】
前記作用パラメータを記録するステップが、前記制御器に接続可能な微環境検出器を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項10】
前記曝露を監視するステップが、前記制御器に接続された曝露検出器を含む
ことを特徴とする請求項9に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項11】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が両方とも、共通の運用される規格に較正される
ことを特徴とする請求項10に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項12】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、一つの同じ装置である
ことを特徴とする請求項10に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項13】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、同一の装置である
ことを特徴とする請求項10に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項14】
前記曝露を監視するステップが、曝露検出器を前記制御器に接続することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項15】
前記多変量微環境サイクルが、屋外微環境、屋内微環境及び実験室内生成微環境からなる群の中から選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項16】
前記試験片を曝露するステップが、概ね平滑で連続的な変化率を有する前記作用パラメータを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項17】
前記概ね平滑で連続的な変化率が、間欠的で非連続的な変化率を含む
ことを特徴とする請求項16に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項18】
前記試験片を曝露するステップが、微環境検出器を前記制御器に接続することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項19】
原位置で記録された多変量微環境サイクルの作用パラメータに試験片を曝露することにより、正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置であって、
試験槽と;
前記試験槽内に配置され、試験片を支持するためのマウントと;
前記試験槽内に配置された発光源と;
前記促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する温度調整源と;
前記促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する湿気調整源と;
前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続され、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含む制御器とを備え、
前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が、
前記試験槽内で、前記作用パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに前記試験片を曝露し;
実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視し;
前記実行時変数が前記作用パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するよう機能する
ことを特徴とする正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項20】
前記作用パラメータが、温度、紫外線放射照度及び湿気からなる群の中から選択された少なくとも二つである
ことを特徴とする請求項19に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項21】
前記作用パラメータが、記録された後編集される
ことを特徴とする請求項19に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項22】
前記多変量微環境サイクルから前記作用パラメータの重要でない期間が除去される
ことを特徴とする請求項21に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項23】
前記作用パラメータが、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して調整される
ことを特徴とする請求項21に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項24】
複数の微環境サイクルが平均される
ことを特徴とする請求項21に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項25】
前記平均により、統計的に起こり得るワーストケースシナリオが生成される
ことを特徴とする請求項24に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項26】
変化率が概ね平滑で連続的となるよう前記作用パラメータが補間される
ことを特徴とする請求項21に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項27】
原位置で前記作用パラメータを記録するため、前記制御器に接続可能な微環境検出器をさらに備える
ことを特徴とする請求項19に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項28】
前記曝露の監視が、前記制御器に接続された、前記試験槽内の曝露検出器を含む
ことを特徴とする請求項27に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項29】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が両方とも、共通の運用される規格に較正される
ことを特徴とする請求項28に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項30】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、一つの同じ装置である
ことを特徴とする請求項28に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項31】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、同一の装置である
ことを特徴とする請求項28に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項32】
前記制御器に接続された、前記試験槽内の曝露検出器を更に備える
ことを特徴とする請求項19に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項33】
前記多変量微環境サイクルが、屋外微環境、屋内微環境及び実験室内生成微環境からなる群の中から選択される
ことを特徴とする請求項19に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項34】
前記試験片の曝露が、概ね平滑で連続的な変化率を有する前記作用パラメータを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項35】
前記概ね平滑で連続的な変化率が、間欠的で非連続的な変化率を含む
ことを特徴とする請求項34に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項36】
試験槽と、前記試験槽内に配置され、試験片を支持するためのマウントと、前記試験槽内に配置された発光源と、促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する温度調整源と、前記促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する湿気調整源と、前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続され、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含む制御器とを備え、前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源を操作するよう機能する前記促進耐候性試験装置を制御することにより、正確な耐用寿命を予測するための方法であって、
前記プロセッサーにより、原位置での多変量微環境サイクルをモデル化する機能パラメータを生成するステップと;
前記試験槽内で前記試験片を前記機能パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに曝露するステップと;
実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視するステップと;
前記実行時変数が前記機能パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するステップとを備える
ことを特徴とする正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項37】
前記機能パラメータが、温度、紫外線放射照度及び湿気からなる群の中から選択された少なくとも二つである
ことを特徴とする請求項36に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項38】
前記機能パラメータを生成するステップが、前記多変量微環境サイクルの作用パラメータを原位置で記録することを含む
ことを特徴とする請求項36に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項39】
前記作用パラメータを記録した後、前記作用パラメータを編集するステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項38に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項40】
前記作用パラメータを編集するステップが、前記多変量微環境サイクルから前記作用パラメータの重要でない期間を除去することを含む
ことを特徴とする請求項39に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項41】
前記作用パラメータを編集するステップが、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して前記作用パラメータを調整することを含む
ことを特徴とする請求項39に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項42】
前記作用パラメータを編集するステップが、複数の微環境サイクルを平均することを含む
ことを特徴とする請求項39に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項43】
前記複数の微環境サイクルを平均することが、統計的に起こり得るワーストケースシナリオを生成することを含む
ことを特徴とする請求項42に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項44】
前記作用パラメータを編集するステップが、変化率が概ね平滑で連続的となるよう前記作用パラメータを補間することを含む
ことを特徴とする請求項39に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項45】
前記作用パラメータを記録するステップが、前記制御器に接続可能な微環境検出器を含む
ことを特徴とする請求項38に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項46】
前記曝露を監視するステップが、前記制御器に接続された曝露検出器を含む
ことを特徴とする請求項45に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項47】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が両方とも、共通の運用される規格に較正される
ことを特徴とする請求項46に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項48】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、一つの同じ装置である
ことを特徴とする請求項46に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項49】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、同一の装置である
ことを特徴とする請求項46に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項50】
前記曝露を監視するステップが、曝露検出器を前記制御器に接続することを含む
ことを特徴とする請求項36に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項51】
前記多変量微環境サイクルが、屋外微環境、屋内微環境及び実験室内生成微環境からなる群の中から選択される
ことを特徴とする請求項36に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項52】
前記試験片を曝露するステップが、概ね平滑で連続的な変化率を有する前記機能パラメータを含む
ことを特徴とする請求項36に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項53】
前記概ね平滑で連続的な変化率が、間欠的で非連続的な変化率を含む
ことを特徴とする請求項52に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項54】
前記試験片を曝露するステップが、微環境検出器を前記制御器に接続することを含む
ことを特徴とする請求項36に記載の正確な耐用寿命を予測するための方法。
【請求項55】
多変量微環境サイクルに試験片を曝露することにより、正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置であって、
試験槽と;
前記試験槽内に配置され、試験片を支持するためのマウントと;
前記試験槽内に配置された発光源と;
前記促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する温度調整源と;
前記促進耐候性試験装置内に配置され、前記試験槽に連通する湿気調整源と;
前記発光源、前記温度調整源及び前記湿気調整源に接続され、プログラミング命令を記憶するメモリー及びプロセッサーを含む制御器とを備え、
前記プログラミング命令が前記プロセッサーにより実行されると、前記制御器が、
前記プロセッサーにより、原位置での多変量微環境サイクルをモデル化する機能パラメータを生成し;
前記試験槽内で前記試験片を前記機能パラメータに沿って前記多変量微環境サイクルに曝露し;
実行時変数を生成するために、前記試験槽内での前記試験片の前記多変量微環境サイクルへの曝露を監視し;
前記実行時変数が前記機能パラメータに一致するように前記プログラミング命令を調整するよう機能する
ことを特徴とする正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項56】
前記機能パラメータが、温度、紫外線放射照度及び湿気からなる群の中から選択された少なくとも二つである
ことを特徴とする請求項55に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項57】
前記機能パラメータが、原位置で記録された前記多変量微環境サイクルの作用パラメータを含む
ことを特徴とする請求項55に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項58】
前記多変量微環境サイクルから前記作用パラメータの重要でない期間が除去される
ことを特徴とする請求項57に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項59】
前記作用パラメータが、周波数、持続時間及び順序からなる群の中の一つに関して調整される
ことを特徴とする請求項57に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項60】
複数の微環境サイクルが平均される
ことを特徴とする請求項57に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項61】
前記平均により、統計的に起こり得るワーストケースシナリオが生成される
ことを特徴とする請求項60に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項62】
変化率が概ね平滑で連続的となるよう前記作用パラメータが補間される
ことを特徴とする請求項57に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項63】
原位置で前記作用パラメータを記録するため、前記制御器に接続可能な微環境検出器をさらに備える
ことを特徴とする請求項55に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項64】
前記曝露の監視が、前記制御器に接続された、前記試験槽内の曝露検出器を含む
ことを特徴とする請求項63に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項65】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が両方とも、共通の運用される規格に較正される
ことを特徴とする請求項64に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項66】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、一つの同じ装置である
ことを特徴とする請求項64に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項67】
前記微環境検出器及び前記曝露検出器が、同一の装置である
ことを特徴とする請求項64に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項68】
前記制御器に接続された、前記試験槽内の曝露検出器を更に備える
ことを特徴とする請求項55に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項69】
前記多変量微環境サイクルが、屋外微環境、屋内微環境及び実験室内生成微環境からなる群の中から選択される
ことを特徴とする請求項55に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項70】
前記試験片の曝露が、概ね平滑で連続的な変化率を有する前記機能パラメータを含む
ことを特徴とする請求項55に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。
【請求項71】
前記概ね平滑で連続的な変化率が、間欠的で非連続的な変化率を含む
ことを特徴とする請求項70に記載の正確な耐用寿命を予測するための促進耐候性試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−185940(P2011−185940A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−53572(P2011−53572)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(502117583)アトラス・マテリアル・テスティング・テクノロジー・エル・エル・シー (10)
【Fターム(参考)】