説明

正6面体または8面体状のフェライトナノ粒子およびその製造方法

本発明は、正6面体または8面体状のフェライトナノ粒子およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、超常磁性またはフェリ磁性を帯びるフェライトナノキューブまたは8面体のフェライトナノ粒子、金属前駆体、界面活性剤および溶媒の混合物を加熱する段階を含む、フェライトナノキューブの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6面体または8面体状のフェライトナノ粒子およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、超常磁性またはフェリ磁性を帯びるフェライトナノキューブまたは8面体のフェライトナノ粒子、金属前駆体、界面活性剤および溶媒の混合物を加熱する段階を含む、フェライトナノキューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェライト(Ferrite)は、鉄、または鉄を主成分とする固溶体(solid solution)であって、体心立方結晶構造(body centred cubic crystal structure)を持つ。
【0003】
代表的なフェライトの一つであるマグネタイト(Fe)は、フェリ磁性を有する鉱物であって、スピネルグループに属する多様な種類の酸化鉄の1種である。マグネタイトは、地球上で天然に存在する鉱物の中では最も大きい磁性を有し、昔から羅針盤などの道具を作るのに用いられた。伝統的には水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に塩化鉄(II)(FeCl)、塩化鉄(III)(FeCl)を入れて反応させるMassart方法によって製造されてきたが、このように作られたマグネタイト粒子はサイズが不均一であるという欠点がある。
【0004】
Hou等(非特許文献1)は、鉄(II)アセチルアセトネート(iron(II) acetylacetonate)をオレイン酸(oleic acid)とオレイルアミン(oleylamine)の混合溶液で熱分解し、FeOの組成を有するウスタイト(wustite)ナノ粒子を球形または切頂8面体(truncated-octahedron)の形状に合成する方法を開示している。
【0005】
前記FeOの組成を有するウスタイトナノ粒子は、常温で反強磁性(antiferromagnetic)を示すから、磁性が弱く、化学的にも安定しない。Sun等(非特許文献2)は、鉄(II)アセチルアセトネートをオレイン酸、オレイルアミン、1,2−ヘキサデカンジオールおよびベンジルエーテルの混合溶液で熱分解して球形マグネタイト(Fe)ナノ粒子を合成する方法を開示している。
【0006】
Sun等の前記マグネタイト(magnetite)ナノ粒子は、球形であり、サイズが10nm未満なので、常温で超常磁性(superparamagnetic)を示し、磁性が弱い。また、球形ナノ粒子はキュービック形状の配列を作り難い。
【0007】
以上のように、フェライト、特にマグネタイトナノ粒子およびその製造方法に関する新しい技術が開発されているが、常温で超常磁性またはフェリ磁性を示しながら正6面体または8面体状の形状を有するフェライトナノ粒子およびこれを製造する方法が現在まで当該技術分野で公開されていない。
【0008】
超常磁性ナノ粒子の場合、磁性方向が温度によって容易に変わるから、常温で個別粒子の磁性方向が特定の方向に保たれない。これとは逆に、フェリ磁性を有するナノ粒子は、磁性方向を変えるのに必要なエネルギーが常温における熱エネルギーより高いため、個別粒子の磁性方向が常温で特定の方向を保つ。このような2種の磁性ナノ粒子は、外部磁場を用いた薬物伝達、発熱治療、磁気共鳴画像の造影剤などとして有用であることが期待される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Yanglong Hou, Zhichuan Xu, and Shouheng Sun, Controlled Synthesis and Chemical Conversions of FeO Nanoparticles, Angew. Chem., 2007, 119, 6445-6448
【非特許文献2】ShouhengSun, Hao Zeng, David B. Robinson, Simone Raoux, Philip M. Rice, Shan X. Wang, and Guanxiong Li, MonodisperseMFe2O4(M=Fe, Co, Mn)Nanoparticles, J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 273-279
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の基本的な目的は、超常磁性(superparamagnetic)またはフェリ磁性(ferrimagnetic)を示すフェライトナノキューブを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、フェリ磁性を示すフェライトナノキューブを含むキュービックアレイ(cubic array)を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、フェリ磁性を帯びる8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、金属前駆体、界面活性剤および溶媒の混合物を加熱する段階を含む、フェライトナノキューブの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した本発明の基本的な目的は、超常磁性またはフェリ磁性を示すフェライトナノキューブ(nanocube)を提供することにより達成できる。
【0015】
本発明において、「ナノキューブ」とは正6面体状のナノメートルサイズの粒子をいう。
【0016】
前記フェライトはマグネタイト(magnetite、Fe)、二金属性フェライト(bimetallic ferrite)、または金属がドープされたマグネタイトであってもよい。また。前記二金属性フェライトはCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeまたはBaFe1219であってもよく、前記金属がドープされたマグネタイトはCo、Mn、Ni、ZnまたはBaがドープされたマグネタイトであってもよい。
【0017】
本発明のフェライトナノキューブのサイズは10nm〜200nmであることが好ましい。
【0018】
前述した本発明の他の目的は、フェリ磁性を示すフェライトナノキューブを含むキュービックアレイ(cubic array)を提供することにより達成できる。
【0019】
本発明において、「キュービックアレイ」は、本発明のマグネタイトナノ粒子を3次元的に積層したものをいう。このように規則的なナノ粒子の配列は個別ナノ粒子に対する接近を容易にすることができる。よって、磁性を用いた記憶装置やセンサーなどの性能改善に役に立てるものと期待される。
【0020】
本発明のキュービックアレイを構成するフェライトはマグネタイト(magnetite、Fe)、二金属性フェライト(bimetallic ferrite)、または金属がドープされたマグネタイトであってもよい。また、前記二金属性フェライトはCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeまたはBaFe1219であってもよく、前記金属がドープされたマグネタイトはCo、Mn、Ni、ZnまたはBaがドープされたマグネタイトであってもよい。
【0021】
前述した本発明の別の目的は、フェリ磁性を帯びる8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子を提供することにより達成できる。8面体状のナノ粒子の場合、全ての方向に対称的な球形のナノ粒子とは異なり、特定の方向に大きい磁性を示すことができるため、ナノ粒子の磁性を測定しその磁性を用いる際にさらに様々な自由度を与えることができる。また、8面体の角部に存在する鉄原子の場合、丸い球面上に存在する鉄原子より表面エネルギーが高いため、反応性においても差異がある。
【0022】
前記8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子は、マグネタイト(Fe)、二金属性フェライト、または金属がドープされたマグネタイトナノ粒子である。また、前記二金属性フェライトはCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeまたはBaFe1219であってもよく、前記金属がドープされたマグネタイトはCo、Mn、Ni、ZnまたはBaがドープされたマグネタイトであってもよい。
【0023】
本発明の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子のサイズは10nm〜200nmであることが好ましい。
【0024】
前述した本発明の別の目的は、金属前駆体、界面活性剤および溶媒の混合物を加熱する段階を含む、フェライトナノキューブの製造方法を提供することにより達成できる。
【0025】
前記金属前駆体として鉄前駆体を使用すると、マグネタイトナノキューブを製造することができる。また、前記鉄前駆体は、好ましくは硝酸鉄(II)(Fe(NO)、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、硫酸鉄(II)(FeSO)、硫酸鉄(III)(Fe(SO)、鉄(II)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(II)アセテート(Fe(ac))、鉄(III)アセテート(Fe(ac))、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化鉄(III)(FeCl)、臭化鉄(II)(FeBr)、臭化鉄(III)(FeBr)、ヨウ化鉄(II)(FeI)、ヨウ化鉄(III)(FeI)、過塩素酸鉄(Fe(ClO)、スルファミン酸鉄(Fe(NHSO)、ステアリン酸鉄(II)((CH(CH16COO)Fe)、ステアリン酸鉄(III)((CH(CH16COO)Fe)、オレイン酸鉄(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、オレイン酸鉄(III)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、ラウリン酸鉄(II)((CH(CH10COO)Fe)、ラウリン酸鉄(III)((CH(CH10COO)Fe)、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))、ノナカルボニル二鉄(Fe(CO))、およびテトラカルボニル鉄(II)酸ナトリウム(Na[Fe(CO)])からなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0026】
また、前記金属前駆体としてコバルト前駆体、マンガン前駆体、ニッケル前駆体、亜鉛前駆体およびバリウム前駆体よりなる群から選ばれるいずれか一つと鉄前駆体との混合物を使用すると、それぞれCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeまたはBaFe1219などの二金属性フェライトナノキューブを製造することができる。
【0027】
前記コバルト前駆体は、硝酸コバルト(II)(Co(NO)、硫酸コバルト(II)(CoSO)、コバルト(II)アセチルアセトネート(Co(acac))、コバルト(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Co(tfac))、コバルト(II)アセテート(Co(ac))、塩化コバルト(II)(CoCl)、臭化コバルト(II)(CoBr)、ヨウ化コバルト(II)(CoI)、スルファミン酸コバルト(Co(NHSO)、ステアリン酸コバルト(II)(CH(CH16COO)Co)、オレイン酸コバルト(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Co)、ラウリン酸コバルト(II)((CH(CH10COO)Co)またはジコバルトオクタカルボニル(Co(CO))から選択できる。
【0028】
前記マンガン前駆体は、硝酸マンガン(II)(Mn(NO)、炭酸マンガン(II)(MnCO)、硝酸マンガン(III)(Mn(NO)、硫酸マンガン(II)(MnSO)、硝酸マンガン(III)(Mn(SO)、マンガン(II)アセチルアセトネート(Mn(acac))、マンガン(III)アセチルアセトネート(Mn(acac))、マンガン(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Mn(tfac))、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、マンガン(II)アセテート(Mn(ac))、マンガン(III)アセテート(Mn(ac))、塩化マンガン(II)(MnCl)、臭化マンガン(II)(MnBr)、ヨウ化マンガン(II)(MnI)、過塩素酸マンガン(Mn(ClO)、スルファミン酸マンガン(Mn(NHSO)、ステアリン酸マンガン(II)((CH(CH16COO)Mn)、ステアリン酸マンガン(III)((CH(CH16COO)Mn)、オレイン酸マンガン(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Mn)、オレイン酸マンガン(III)((CH(CHCHCH(CHCOO)Mn)、ラウリン酸マンガン(II)((CH(CH10COO)Mn)、ラウリン酸鉄(III)((CH(CH10COO)Mn)、デカカルボニル二マンガン(Mn(CO)10)、およびマンガン(II)メトキシド(Mn(OMe))から選択できる。
【0029】
前記ニッケル前駆体は、硝酸ニッケル(II)(Ni(NO)、硫酸ニッケル(II)(NiSO))、ニッケル(II)アセチルアセトネート(Ni(acac))、ニッケル(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Ni(tfac))、ニッケル(II)アセテート(Ni(ac))、塩化ニッケル(II)(NiCl)、臭化ニッケル(II)(NiBr)、ヨウ化ニッケル(II)(NiI)、スルファミン酸ニッケル(Ni(NHSO)、ステアリン酸ニッケル(II)((CH(CH16COO)Ni)、オレイン酸ニッケル(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Ni)、ラウリン酸ニッケル(II)((CH(CH10COO)Ni)、およびニッケルテトラカルボニル(Ni(CO))から選択できる。
【0030】
前記亜鉛前駆体は、硝酸亜鉛(II)(Zn(NO)、硫酸亜鉛(II)(ZnSO)、亜鉛(II)アセチルアセトネート(Zn(acac))、亜鉛(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Zn(tfac))、亜鉛(II)アセテート(Zn(ac))、塩化亜鉛(II)(ZnCl)、臭化亜鉛(II)(ZnBr)、ヨウ化亜鉛(II)(ZnI)、スルファミン酸亜鉛(Zn(NHSO)、ステアリン酸亜鉛(II)((CH(CH16COO)Zn)、オレイン酸亜鉛(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Zn)、ラウリン酸亜鉛(II)((CH(CH10COO)Zn)、および亜鉛(II)t−ブトキシド(Zn(t−butoxide))から選択できる。
【0031】
本発明に係るフェライトナノキューブの製造方法に用いられる前記鉄前駆体は、好ましくは硝酸鉄(II)(Fe(NO)、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、硫酸鉄(II)(FeSO)、硫酸鉄(III)(Fe(SO)、鉄(II)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(II)アセトネート(Fe(ac))、鉄(III)アセテート(Fe(ac))、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化鉄(III)(FeCl)、臭化鉄(II)(FeBr)、臭化鉄(III)(FeBr)、ヨウ化鉄(II)(FeI)、ヨウ化鉄(III)(FeI)、過塩素酸鉄(Fe(ClO)、スルファミン酸鉄(Fe(NHSO)、ステアリン酸鉄(II)((CH(CH16COO)Fe)、ステアリン酸鉄(III)((CH(CH16COO)Fe)、オレイン酸鉄(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、オレイン酸鉄(III)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、ラウリン酸鉄(II)((CH(CH10COO)Fe)、ラウリン酸鉄(III)((CH(CH10COO)Fe)、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))、ノナカルボニル二鉄(Fe(CO))、およびテトラカルボニル鉄(II)酸ナトリウム(Na[Fe(CO)])よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0032】
しかも、前記フェライトナノキューブの製造の際に、前記鉄前駆体の使用量に比べて前記コバルト前駆体、マンガン前駆体、ニッケル前駆体、亜鉛前駆体またはバリウム前駆体を微量使用すると、それぞれコバルトがドープされたマグネタイト、マンガンがドープされたマグネタイト、ニッケルがドープされたマグネタイト、亜鉛がドープされたマグネタイト、またはバリウムがドープされたマグネタイトを製造することができる。
【0033】
前記界面活性剤は、好ましくはカルボン酸、アルキルアミン、アルキルアルコールおよびアルキルホスフィンよりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0034】
前記カルボン酸は、好ましくはオクタン酸(octanoic acid)、デカン酸(decanoic acid)、ラウリン酸(lauric acid)、ヘキサデカン酸(hexadecanoic acid)、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(stearicacid)、安息香酸(benzoic acid)、およびビフェニルカルボン酸(biphenylcarboxylic acid)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0035】
また、前記アルキルアミンは、好ましくはオクチルアミン(octylamine)、トリオクチルアミン(trioctylamine)、デシルアミン(decylamine)、ドデシルアミン(dodecylamine)、テトラデシルアミン(tetradecylamine)、ヘキサデシルアミン(hexadecylamine)、オレイルアミン(oleylamine)、オクタデシルアミン(octadecylamine)、トリベンジルアミン(tribenzylamine)、およびトリフェニルアミン(triphenylamine)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0036】
前記アルキルアルコールは、好ましくはオクチルアルコール(octylalcohol)、デカノール(decanol)、ヘキサデカノール(hexadecanol)、ヘキサデカンジオール(hexadecandiol)、オレイルアルコール(oleyl alcohol)、およびフェノール(phenol)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0037】
また、前記アルキルホスフィンは、好ましくはトリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)およびトリオクチルホスフィン(trioctylphosphine)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0038】
前記溶媒は、沸点100℃以上および分子量100〜400の有機溶媒から選択され、好ましくはヘキサデカン(hexadecane)、ヘキサデセン(hexadecene)、オクタデカン(octadecane)、オクタデセン(octadecene)、エイコサン(eicosane)、エイコセン(eicosene)、フェナントレン(phenanthrene)、ペンタセン(pentacene)、アントラセン(anthracene)、ビフェニル(biphenyl)、フェニルエーテル(phenyl ether)、オクチルエーテル(octylether)、デシルエーテル(decyl ether)、ベンジルエーテル(benzyl ether)、およびスクアレン(squalene)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物である。
【0039】
前記加熱温度は100℃〜使用される溶媒の沸騰以下であり、前記加熱速度は0.5℃/min〜50℃/minであり、前記加熱段階の圧力は0.5気圧〜10気圧であることがそれぞれ好ましい。
【0040】
前記鉄前駆体と前記界面活性剤のモル比は1:0.1〜1:20であり、前記鉄前駆体と前記溶媒のモル比は1:1〜1:1000であることが好ましい。
【0041】
本発明に係るフェライトの製造方法において、前記加熱反応時間を著しく短くするほど8面体状のフェライトナノ粒子が多量に生成される。また、前記加熱反応時間をやや短くすると、切頂正6面体状のフェライトナノ粒子が生成される。これとは逆に、前記加熱反応時間があまり長くなると、生成されるナノ粒子の表面が粗くなる。
【発明の効果】
【0042】
20nm以上のフェライトナノ粒子は、常温でフェリ磁性の性質を有することが知られている。よって、本発明のフェライトナノ粒子の磁性方向を情報の単位として使用すると、ナノ粒子の磁性方向を調節することにより情報を記憶することができる。
【0043】
また、キュービックアレイは、横方向、縦方向の2つの移動によって、付属する全てのナノ粒子に対する接近が可能である。これとは逆に、六角形が配列されたヘキサゴナルアレイは、個別ナノ粒子に接近するために横方向の移動の他に2方向の対角線移動がさらに必要である。よって、本発明のキュービックアレイを使用することにより、ナノ粒子に接近するための経路をより簡単且つ効率的に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は本発明に係る様々な形状のマグネタイトナノ粒子の写真である。
【図2】図2は本発明に係るマグネタイトナノキューブの高解像度透過電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は本発明に係るマグネタイトナノキューブのX線回折パターンを示す図である。
【図4】図4は本発明に係るマグネタイトナノキューブのキュービックアレイを示す写真である。
【図5】図5は本発明に係る80nmサイズのマグネタイトナノキューブに対する磁化曲線である。
【図6】図6は本発明に係る25nmサイズのマグネタイトナノキューブに対する磁化曲線である。
【図7】図7は本発明に係るマグネタイトナノキューブのサイズによってその磁性が超常磁性からフェリ磁性に変わり、前記ナノキューブの構造が単一ドメイン(single domain)から多重ドメイン(multidomain)へ変わることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、下記の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、下記の実施例に対する説明は、本発明の具体的な実施態様を特定して説明しようとするものに過ぎず、本発明の権利範囲を限定或いは制限解析しようとするものではない。
【0046】
実施例1:80nmサイズのマグネタイトナノキューブの合成
鉄(II)アセチルアセトネート(0.706g、2mmol)をオレイン酸(1.129g)とベンジルエーテル(10.4g)との混合物に添加した。真空ポンプを用いて前記混合溶液を減圧させて残留空気を除去した。その後、前記溶液を攪拌しながら20℃/minの昇温速度で290℃まで加熱した。そして、290℃で30分間維持した。その後、100℃まで冷却した後、トルエンとヘキサン(n-hexane)との混合物で前記溶液を洗浄した。前記溶液を遠心分離して80nmサイズのマグネタイトナノ粒子を得た。
【0047】
実施例2:100nmサイズのマグネタイトナノキューブの合成
昇温速度を10℃/minとした以外は実施例1と同様にして、100nmサイズのマグネタイトナノキューブを得た。
【0048】
実施例3:20nmサイズのマグネタイトナノキューブの合成
ベンジルエーテルを20.8gとし、加熱時間を2分とした以外は実施例1と同様にして、20nmサイズのマグネタイトナノキューブを得た。
【0049】
実施例4.50nmサイズのマグネタイトナノキューブの合成
ベンジルエーテルを13gとし、加熱時間を15分とした以外は実施例1と同様にして、50nmサイズのマグネタイトナノキューブを得た。
【0050】
実施例5:130nmサイズのマグネタイトナノキューブの合成
ベンジルエーテルを7.8gとし、加熱時間を1時間とした以外は実施例1と同様にして、130nmサイズのマグネタイトナノキューブを得た。
【0051】
実施例6:160nmサイズのマグネタイトナノキューブの合成
ベンジルエーテルを5.2gとし、加熱時間を2時間とした以外は実施例1と同様にして、160nmサイズのマグネタイトナノキューブを得た。
【0052】
実施例7:マグネタイトナノ粒子の形状調節
実施例1の反応条件で添加されるオレイン酸の量を1.271gに増やすと、約70nmサイズの切頂8面体および切頂正6面体の形状を有するナノ粒子を得た。添加されるオレイン酸の量を1.412gにさらに増やすと、切頂8面体の形状を有するナノ粒子の比率が増加した。
【0053】
逆に、添加されるオレイン酸の量を0.989gに減らすと、約100nmサイズの表面がやや凸凹な正6面体状のナノ粒子を得た。添加されるオレイン酸の量を0.847gにさらに減らすと、表面が凸凹なナノ粒子の比率が増加した。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
超常磁性(superparamagnetic)またはフェリ磁性(ferrimagnetic)を示すフェライトナノキューブ(nanocube)。
【請求項2】
前記フェライトがFeであることを特徴とする、請求項1に記載のフェライトナノキューブ。
【請求項3】
前記フェライトが二金属性フェライトであることを特徴とする、請求項1に記載のフェライトナノキューブ。
【請求項4】
前記二金属性フェライトはCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeおよびBaFe1219よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載のフェライトナノキューブ。
【請求項5】
前記フェライトは金属がドープされたFeであることを特徴とする、請求項1に記載のフェライトナノキューブ。
【請求項6】
前記金属はCo、Mn、Ni、ZnまたはBaよりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載のフェライトナノキューブ。
【請求項7】
前記マグネタイトナノキューブのサイズが10nm〜200nmであることを特徴とする、請求項1に記載のフェライトナノキューブ。
【請求項8】
フェリ磁性を示すフェライトナノキューブを含むキュービックアレイ(cubic array)。
【請求項9】
前記フェライトがFeであることを特徴とする、請求項8に記載のキュービックアレイ。
【請求項10】
前記キュービックアレイが二金属性フェライトであることを特徴とする、請求項8に記載のキュービックアレイ。
【請求項11】
前記二金属性フェライトはCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeおよびBaFe1219よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項10に記載のキュービックアレイ。
【請求項12】
前記フェライトは金属がドープされたFeであることを特徴とする、請求項8に記載のキュービックアレイ。
【請求項13】
前記金属はCo、Mn、Ni、ZnまたはBaよりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項12に記載のキュービックアレイ。
【請求項14】
フェリ磁性を帯びる、8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項15】
前記フェライトがFeであることを特徴とする、請求項14に記載の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項16】
前記フェライトが二金属性フェライトであることを特徴とする、請求項14に記載の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項17】
前記二金属性フェライトはCoFe、MnFe、NiFe、ZnFeおよびBaFe1219よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項16に記載の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項18】
前記フェライトは金属がドープされたFeであることを特徴とする、請求項14に記載の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項19】
前記金属はCo、Mn、Ni、ZnまたはBaよりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項18に記載の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項20】
前記フェライトナノ粒子のサイズが10nm〜200nmであることを特徴とする、請求項14に記載の8面体または切頂正6面体状のフェライトナノ粒子。
【請求項21】
金属前駆体、界面活性剤および溶媒の混合物を加熱する段階を含む、フェライトナノキューブの製造方法。
【請求項22】
前記金属前駆体が鉄前駆体であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項23】
前記鉄前駆体は、硝酸鉄(II)(Fe(NO)、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、硫酸鉄(II)(FeSO)、硫酸鉄(III)(Fe(SO)、鉄(II)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(II)アセテート(Fe(ac))、鉄(III)アセテート(Fe(ac))、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化鉄(III)(FeCl)、臭化鉄(II)(FeBr)、臭化鉄(III)(FeBr)、ヨウ化鉄(II)(FeI)、ヨウ化鉄(III)(FeI)、過塩素酸鉄(Fe(ClO)、スルファミン酸鉄(Fe(NHSO)、ステアリン酸鉄(II)((CH(CH16COO)Fe)、ステアリン酸鉄(III)((CH(CH16COO)Fe)、オレイン酸鉄(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、オレイン酸鉄(III)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、ラウリン酸鉄(II)((CH(CH10COO)Fe)、ラウリン酸鉄(III)((CH(CH10COO)Fe)、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))、ノナカルボニル二鉄(Fe(CO))、およびテトラカルボニル鉄(II)酸ナトリウム(Na[Fe(CO)])からなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項22に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項24】
前記金属前駆体はコバルト前駆体、マンガン前駆体、ニッケル前駆体、亜鉛前駆体およびバリウム前駆体よりなる群から選ばれるいずれか一つと鉄前駆体との混合物であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項25】
前記コバルト前駆体は、硝酸コバルト(II)(Co(NO)、硫酸コバルト(II)(CoSO)、コバルト(II)アセチルアセトネート(Co(acac))、コバルト(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Co(tfac))、コバルト(II)アセテート(Co(ac))、塩化コバルト(II)(Co(Cl)、臭化コバルト(II)(CoBr)、ヨウ化コバルト(II)(CoI)、スルファミン酸コバルト(Co(NHSO)、ステアリン酸コバルト(II)(CH(CH16COO)Co)、オレイン酸コバルト(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Co)、ラウリン酸コバルト(II)((CH(CH10COO)Co)、およびジコバルトオクタカルボニル(Co(CO))よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項24に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項26】
前記マンガン前駆体は、硝酸マンガン(II)(Mn(NO)、炭酸マンガン(II)(MnCO)、硝酸マンガン(III)(Mn(NO)、硫酸マンガン(II)(MnSO)、硝酸マンガン(III)(Mn(SO)、マンガン(II)アセチルアセトネート(Mn(acac))、マンガン(III)アセチルアセトネート(Mn(acac))、マンガン(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Mn(tfac))、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、マンガン(II)アセテート(Mn(ac))、マンガン(III)アセテート(Mn(ac))、塩化マンガン(II)(MnCl)、臭化マンガン(II)(MnBr)、ヨウ化マンガン(II)(MnI)、過塩素酸マンガン(Mn(ClO、スルファミン酸マンガン(Mn(NHSO)、ステアリン酸マンガン(II)((CH(CH16COO)Mn)、ステアリン酸マンガン(III)((CH(CH16COO)Mn)、オレイン酸マンガン(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Mn)、オレイン酸マンガン(III)((CH(CHCHCH(CHCOO)Mn)、ラウリン酸マンガン(II)((CH(CH10COO)Mn)、ラウリン酸鉄(III)((CH(CH10COO)Mn)、デカカルボニル二マンガン(Mn(CO)10)、およびマンガン(II)メトキシド(Mn(OMe))よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項24に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項27】
前記ニッケル前駆体は、硝酸ニッケル(II)(Ni(NO)、硫酸ニッケル(II)(NiSO)、ニッケル(II)アセチルアセトネート(Ni(acac))、ニッケル(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Ni(tfac))、ニッケル(II)アセテート(Ni(ac))、塩化ニッケル(II)(NiCl)、臭化ニッケル(II)(NiBr)、ヨウ化ニッケル(II)(NiI)、スルファミン酸ニッケル(Ni(NHSO)、ステアリン酸ニッケル(II)((CH(CH16COO)Ni)、オレイン酸ニッケル(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Ni)、ラウリン酸ニッケル(II)((CH(CH10COO)Ni)、およびニッケルテトラカルボニル(Ni(CO))よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項24に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項28】
前記亜鉛前駆体は、硝酸亜鉛(II)(Zn(NO)、硫酸亜鉛(II)(ZnSO)、亜鉛(II)アセチルアセトネート(Zn(acac))、亜鉛(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Zn(tfac))、亜鉛(II)アセテート(Zn(ac))、塩化亜鉛(II)(ZnCl)、臭化亜鉛(II)(ZnBr))、ヨウ化亜鉛(II)(ZnI)、スルファミン酸亜鉛(Zn(NHSO)、ステアリン酸亜鉛(II)((CH(CH16COO)Zn)、オレイン酸亜鉛(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Zn)、ラウリン酸亜鉛(II)((CH(CH10COO)Zn)、および亜鉛(II)t−ブトキシド(Zn(t−butoxide))よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項24に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項29】
前記バリウム前駆体は、硝酸バリウム(II)(Ba(NO)、硫酸バリウム(II)(BaSO)、バリウム(II)アセチルアセトネート(Ba(acac))、バリウム(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Ba(tfac))、バリウム(II)アセトネート(Ba(ac))、塩化バリウム(II)(BaCl)、臭化バリウム(II)(BaBr)、ヨウ化バリウム(II)(BaI)、スルファミン酸バリウム(Ba(NHSO)、ステアリン酸バリウム(II)((CH(CH16COO)Ba)、オレイン酸バリウム(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Ba)、ラウリン酸バリウム(II)((CH(CH10COO)Co)、およびバリウム(II)イソプロポキシド(Ba(i−Pr))よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項24に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項30】
前記鉄前駆体は、硝酸鉄(II)(Fe(NO)、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、硫酸鉄(II)(FeSO)、硫酸鉄(III)(Fe(SO)、鉄(II)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac))、鉄(II)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート(Fe(tfac))、鉄(II)アセトネート(Fe(ac))、鉄(III)アセテート(Fe(ac))、 塩化鉄(II)(FeCl)、塩化鉄(III)(FeCl)、臭化鉄(II)(FeBr)、臭化鉄(III)(FeBr)、ヨウ化鉄(II)(FeI)、ヨウ化鉄(III)(FeI)、過塩素酸鉄(Fe(ClO)、スルファミン酸鉄(Fe(NHSO)、ステアリン酸鉄(II)((CH(CH16COO)Fe)、ステアリン酸鉄(III)((CH(CH16COO)Fe)、オレイン酸鉄(II)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、オレイン酸鉄(III)((CH(CHCHCH(CHCOO)Fe)、ラウリン酸鉄(II)((CH(CH10COO)Fe)、ラウリン酸鉄(III)((CH(CH10COO)Fe)、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))、ノナカルボニル二鉄(Fe(CO))、およびテトラカルボニル鉄(II)酸ナトリウム(Na[Fe(CO)])からなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項24に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項31】
前記界面活性剤はカルボン酸、アルキルアミン、アルキルアルコールおよびアルキルホスフィンよりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項32】
前記カルボン酸はオクタン酸(octanoic acid)、デカン酸(decanoic acid)、ラウリン酸(lauric acid)、ヘキサデカン酸(hexadecanoic acid)、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、安息香酸(benzoic acid)、およびビフェニルカルボン酸(biphenylcarboxylic acid)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項31に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項33】
前記アルキルアミンはオクチルアミン(octylamine)、トリオクチルアミン(trioctylamine)、デシルアミン(decylamine)、ドデシルアミン(dodecylamine)、テトラデシルアミン(tetradecylamine)、ヘキサデシルアミン(hexadecylamine)、オレイルアミン(oleylamine)、オクタデシルアミン(octadecylamine)、トリベンジルアミン(tribenzylamine)、およびトリフェニルアミン(triphenylamine)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項31に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項34】
前記アルキルアルコールはオクチルアルコール(octylalcohol)、デカノール(decanol)、ヘキサデカノール(hexadecanol)、ヘキサデカンジオール(hexadecandiol)、オレイルアルコール(oleyl alcohol)、およびフェノール(phenol)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項31に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項35】
前記アルキルホスフィンは、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)およびトリオクチルホスフィン(trioctylphosphine)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項31に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項36】
前記溶媒は沸点100℃以上および分子量100〜400の有機溶媒であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項37】
前記溶媒はヘキサデカン(hexadecane)、ヘキサデセン(hexadecene)、オクタデカン(octadecane)、オクタデセン(octadecene)、エイコサン(eicosane)、エイコセン(eicosene)、フェナントレン(phenanthrene)、ペンタセン(pentacene)、アントラセン(anthracene)、ビフェニル(biphenyl)、フェニルエーテル(phenyl ether)、オクチルエーテル(octyl ether)、デシルエーテル(decyl ether)、ベンジルエーテル(benzyl ether)、およびスクアレン(squalene)よりなる群から選ばれるいずれか一つまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項36に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項38】
前記加熱温度は100℃〜使用される溶媒の沸点以下であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項39】
前記加熱速度は0.5℃/min〜50℃/minであることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項40】
前記加熱段階の圧力は0.5気圧〜10気圧であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項41】
前記金属前駆体と前記界面活性剤のモル比が1:0.1〜1:20であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。
【請求項42】
前記金属前駆体と前記溶媒のモル比が1:1〜1:1000であることを特徴とする、請求項21に記載のフェライトナノキューブの製造方法。



【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−511495(P2012−511495A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540596(P2011−540596)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005478
【国際公開番号】WO2010/067951
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(511092011)
【氏名又は名称原語表記】SNU R&DB FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】San 56−1, Sillim−dong, Gwanak−gu, Seoul 151−742 Republic of Korea
【Fターム(参考)】