歩数計
【課題】従来の歩数計は、パソコンへの歩数などの計測データの送信を電力消費が大きい電波や赤外線を用いて行っているので、必要な電力を賄うため大きい電池が必要となりコストが高いことや、歩数計が大きくなり身体に装着する上で制約が増えるという課題あった。
【解決手段】加速度センサと処理チップと不揮発メモリと電池とを搭載した歩数測定基板10と、誘導コイルと通信チップとを搭載した通信基板20とからなり、歩数測定基板10は電池を搭載する第一の面と、加速度センサと処理チップと不揮発メモリを搭載する第二の面を有し、通信基板20は通信チップを搭載する第三の面と、誘導コイルを搭載する第四の面とを有してなり、歩数測定基板の第二の面と、通信基板の第三の面とを対向させて構成した。
【解決手段】加速度センサと処理チップと不揮発メモリと電池とを搭載した歩数測定基板10と、誘導コイルと通信チップとを搭載した通信基板20とからなり、歩数測定基板10は電池を搭載する第一の面と、加速度センサと処理チップと不揮発メモリを搭載する第二の面を有し、通信基板20は通信チップを搭載する第三の面と、誘導コイルを搭載する第四の面とを有してなり、歩数測定基板の第二の面と、通信基板の第三の面とを対向させて構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型で収納が容易であり、歩数データを記録し健康管理を行う上で使い勝手を向上した歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行は健康増進と疾病の予防及び回復に効果があるので、多くの人が日常生活の中に取り入れている。しかし歩行の効果を上げるためには、日々の歩数や消費エネルギを把握し、目標に向けて改善を行うなど、目標管理をしなくてはならない。
そのため歩数計のデータをパソコンに入力し目標達成に向けた管理活動を支援する技術が後述の特許文献1に開示されている。
【0003】
以下、添付の図6を用いて特許文献1に開示された技術を説明する。
図6は、特許文献1で開示された健康データ収集システムのブロック図である。
図6において、破線のブロック50は健康データ収集システムであり、51a〜51nは健康計測器群、52は健康データ収集装置、53はデータ処理装置である。健康計測器群51a〜51nは、歩数計、電子体温計、体重計、体脂肪計、血圧計などであり、健康データ収集装置52は、健康計測器群51a〜51nが計測した計測データを、電波や赤外線によってワイヤレスで受信し、データ処理装置53は、健康データ収集装置52が受信した計測データなどを処理して健康履歴データとして記憶し表示する。
【0004】
特許文献1の開示技術においては、使用者は毎日の歩行など運動を終えると、健康データ収集装置52に電波や赤外線によってワイヤレスで、歩数などの計測データを送信する。
健康データ収集装置52に入力された歩数データは、一週間或いは一ヶ月所定の期間でグラフ化され、使用者は目標と実績を認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−310559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の開示技術においては、歩数計などの健康計測器からパソコンへの計測データの送信は、電力消費が大きい電波や赤外線によって行われるので、必要な電力を賄うため大きい電池が必要となり、コストも高くなる。また電池が大きいので歩数計も大きくなり、身体に装着する上で制約が増える。
【0007】
また、一般家庭で歩数などのデータを管理する場合は、歩数計の所有者が限られるので、パソコンは送られたデータの識別が不要であるが、たとえばアスレチッククラブや自治体が会員や住民に歩数計を貸し出して健康管理を行う場合などでは、歩数計の所有者が変わる度に使用者リストを書き換えなくてはならず、管理が煩雑であった。
【0008】
本発明の目的は、歩数計における上記のような問題を解決し、安価でどこにでも収納可能であって、個人が健康増進を行う上でも、またアスレチッククラブや自治体が、会員や住民に貸与して健康管理を行う上でも管理が極めて容易な歩数計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係る歩数計は下記の構成を採用する。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、通信手段を備えた歩数計において、加速度センサと処理チップと不揮発メモリと電池とを搭載した歩数測定基板と、誘導コイルと通信チップとを搭載した通信基板とからなり、前記歩数測定基板は前記電池を搭載する第一の面と、前記加速度センサと前記処理チップと前記不揮発メモリとを搭載する第二の面とを有し、前記通信基板は前記通信チップを搭載する第三の面と、前記誘導コイルを搭載する第四の面とを有し、前記歩数測定基板の第二の面と前記通信基板の前記第三の面とを対向して構成したことを特徴とする歩数計である。
【0011】
この構成により、歩数計の構造は必要最小限の体積に圧縮され、歩数計全体の大きさが小さくなる。すなわち、基板の両側に部材が分散されて搭載されるので、搭載に必要な面積が小さくなるとともに、歩数測定基板の第一の面に電池が搭載されるので、電池交換が容易になり、さらに通信基板の第四の面にアンテナが配置されるので通信の効率が向上する。
【0012】
次に、請求項2に係る発明は、前記通信基板の前記通信チップは、外部通信機器が発生する通信用磁界によって前記通信基板の前記誘導コイルに誘導された誘導電流を検出し前記通信チップ自らを起動する誘導電流検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の歩数計である。
【0013】
この構成により、パソコンなどの外部通信機器が発生する通信用磁界中に歩数計を持ち込むと自動的に歩数計が起動するので、歩数計での無駄な待機中の電力消費を防ぐことができる。
【0014】
さらに、請求項3に係る発明は、書き換え不可能な第1識別記号と、書き換え可能な第2識別記号とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歩数計である。
【0015】
この構成により歩数計を貸与する際の管理が容易になる。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、本発明に係る歩数計によれば、小型でどこでも収納でき、電池寿命が長い経済的な歩数計を提供することができる。
またパソコンが発生する通信用磁界中に設置すると、歩数計の通信機能が自動的に立ち上がるので、不要な電力消費がなく安価な環境配慮商品である。
【0017】
また、歩数計の固有の情報は、第1識別記号として保持されるので製造メーカが品質管理に有用であり、第2識別記号は、アスレチッククラブや自治体が会員や住民に貸与して健康管理を行う上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による歩数計の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による歩数計の構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明による歩数計の構造を示す平面図である。
【図4】本発明による歩数計とパソコンのシステムの構成を示す外観図である。
【図5】本発明による歩数計とパソコンの動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の健康データ収集システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る歩数計の大まかな動作は、歩数計測機能と通信機能を具備した歩数計において、歩数計測手段と通信手段を、立体的に積み重ねた構造にして体積を最小化するとともに、通信に磁気による誘導電流を検出する方式を用いることによって、消費電力を低減するものである。
【0020】
以下、図1及び図4を用いて本発明に係る歩数計の一実施形態を詳述する。
【0021】
先ず、図1及び図4に基づいて、本発明に係る歩数計の構成を説明する。
図1は歩数計1の構成を説明するブロック図であり、図4は歩数計1とパソコン40との間で、データ通信を行う際の構成を示す外観図である。
【0022】
図1において歩数計1は、歩数を検出し記憶する歩数測定基板10と、パソコン40とデータの送受信を行う通信基板20とで構成される。なお、説明のため、後述するパソコン40のリーダライタ41を破線で示してある。
図4において、1は本発明による歩数計であり、40は歩数のデータ管理を行うパソコンであり、41は歩数計1とデータ通信を行うためのリーダライタである。
【0023】
図4において歩数計1はパソコン40のリーダライタ41の近傍に、あるいはリーダライタ41の上に載せて、リーダライタ41が発生する通信用磁界Wを変調することによって、歩数に係るデータを歩数計1からパソコン40に送信し、通信に係るデータをパソコン40から歩数計1に送る。なお、リーダライタ41をパソコン40の中に内蔵することも可能である。
【0024】
図1を用いて歩数測定基板10の構成を説明する。
歩数測定基板10は加速度センサ11と処理チップ12と不揮発メモリ13と電池14とから構成される。加速度センサ11は使用者の歩行によって発生する加速度信号Ksを検出して処理チップ12に入力する。
【0025】
処理チップ12は加速度信号Ksから歩行毎に生じる歩行ステップを検出し、歩数データHsを算出し不揮発メモリ13に記憶する。不揮発メモリ13は処理チップ12から歩数データHsを入力し、図示していないが処理チップ12からのカレンダー情報とともに記憶する。
【0026】
次に、図1を用いて通信基板20の構成を説明する。通信基板20は、誘導コイル21と通信チップ22とから構成される。さらに通信チップ22は誘導電流検出手段221とデータ送受信手段222を備えている。
【0027】
図1に示すように、誘導コイル21は歩数計1をパソコン40のリーダライタ41に載せることによって、リーダライタ41が発生する約13メガヘルツの通信用磁界Wを受け、数百μAないし数mAの誘導電流Ydを発生する。
【0028】
通信チップ22の誘導電流検出手段221は、誘導コイル21が発生する誘導電流Ydを入力すると起動信号Reを出力する。
【0029】
通信チップ22のデータ送受信手段222は、誘導電流検出手段221が発生する起動信号Reを入力すると起動信号Reによって自らを起動し、通信チップ22の動作を開始させる。
【0030】
通信チップ22および通信チップ22のデータ送受信手段222は、起動信号Reによって起動し動作を開始すると、歩数測定基板10から入力される歩行データMdを入力して誘導コイル21に変調信号Hdを出力する。
【0031】
データ送受信手段222が出力する変調信号Hdは、パソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wによって、誘導コイル21に誘導された誘導電流Ydの大きさを歩行データMdなどのデータによって変化させる負荷として働く。すなわち、歩行データMdなどのデータによって生じた誘導電流Ydの変化は、リーダライタ41を通じてパソコン40で検出されるので、歩数計1からパソコン40にデータが送られる。
【0032】
以上のようにして、歩数計1がパソコン40のリーダライタ41に近づくか、またはリーダライタ41の上に載ると、歩数計1とパソコン40とが約13メガヘルツの通信用磁界Wで結合し、一方が送るべきデータで通信用磁界Wを変調し、他方が変調された約13メガヘルツの通信用磁界Wを復調してデータ通信を行う。
実施例ではパソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wは、周波数が約13メガヘルツの交流磁界であるが、別の周波数を使用することも可能である。
上述したように、歩数計1がリーダライタ41に近づくか、またはリーダライタ41に載っていないと、歩数計1の通信基板20は非動作状態である。
【0033】
電池14は歩数測定基板10の大きさを最小限にするため、コイン状の薄型のボタン電池を用いるのが好ましい。
【0034】
次に、図2及び図3を用いて、本発明に係る歩数計1の構造を説明する。
図2は歩数計1の構造を示す概略断面図であり、図3は内部構造を示す平面図である。図2において、歩数測定基板10はガラスエポキシ板の両面に銅箔の回路パターンを敷設し、第一の面10aには電池押さえバネ141によって薄型のボタン電池14を搭載し、第二の面10bには加速度センサ11と処理チップ12と不揮発メモリ13とを配設してある。
【0035】
実施例では加速度センサ11には一般に知られているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた3軸加速度センサを使用し、処理チップ12にはマイクロプロセッサを、また不揮発メモリ13にはフラッシュメモリを用いたが、他の部材で実現することも可能である。
【0036】
通信基板20はガラスエポキシ材の両面に銅箔の回路パターンを敷設し、第三の面20aには通信チップ22を搭載し、第四の面20bには誘導コイル21を搭載したものである。
【0037】
実施例では、通信チップ22は低消費電力型デジタルシグナルプロセッサを用い、誘導コイル21としては、通信基板20の第四の面20bに、銅箔の回路パターンをコイル状に形成したものを用いたが、細い導線をコイル状に巻いて実現することも可能である。
【0038】
図3を用いて誘導コイル21の構造を説明する。
図3は歩数計1の通信基板20の第四の面20bを示す平面図である。図3に示すように誘導コイル21は、通信基板20の第四の面20bに、銅箔の回路パターンを矩形のコイル状にして形成されている。コイルの巻き数は、図では簡略化して示しているが、5ターンないし10ターンである。
【0039】
図2において、非電磁性結合部材30は歩数測定基板10と通信基板20の間に配置し、歩数測定基板10の第二の面10bと通信基板20の第三の面20aとが対向位置するよう構成している。
また歩数測定基板10と通信基板20とは接続コネクタ16の接続電極16aによって電気的に接続される。全体は上ケース25と下ケース26によって覆われる。なお、上ケース25は電池14を着脱するための電池蓋27を備えている。実施例では上ケース25および下ケース26および電池蓋27にはプラスチックなどの非電磁性材料を用いた。
【0040】
次に、図4を用いて本発明に係る歩数計1とパソコン40との間でデータ通信を行う際のシステムの構成を説明する。図4において、歩数計1はデジタル時計程度の大きさなので、図示していないが使用者はポケットやカバンなどに収納して歩数を計測することができる。
【0041】
図4に示す様に、使用者は歩行を終えると、歩数計1をパソコン40のリーダライタ41に近づけるかまたはリーダライタ41の上に載せる。
【0042】
リーダライタ41は例えば非接触ICカードリーダライタなどの名称で一般的に知られているパソコン端末部品であり、図示していないが歩数計1の通信基板20の誘導コイル21と同等の誘導コイルを内蔵しており、パソコン40の制御でこの誘導コイルから発生した通信用磁界Wをデータで変調し、歩数計1とのデータの送受信を行う。
以下に、歩数データの送信について詳細を述べる。
【0043】
図5を中心に、図1と図4を併用して、本発明の歩数計1から歩数データをパソコン40や、あるいはパソコン経由のウェブサイトに送信する動作を説明する。
図5は歩数計1から歩数データをパソコン40に送信する際の動作フローを示しており、S1からS8までは歩数計1の動作フローを示し、S21からS28まではパソコン40の動作フローを示している。
【0044】
使用者はポケットやカバンなどに歩数計1を収納して歩数を測定し、その後歩行を終了する。(S1〜S2)
【0045】
パソコン40が起動される。(S21)
【0046】
図4において、パソコン40のリーダライタ41は通信用磁界Wを発生し、パソコン40は通信用磁界Wの変化を調べ、歩数計1がリーダライタ41に近づいたか、またはリーダライタ41の上に載せられたかを、数百ミリ秒の間隔で監視する。(S22)
【0047】
図4において、使用者は歩数計1をパソコン40のリーダライタ41に近づけるかまたはリーダライタ41の上に載せる。(S3)
【0048】
図1において、歩数計1の通信基板20の誘導コイル21には、パソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wによって誘導電流Ydが発生し、誘導コイル21の誘導電流検出手段221は、この誘導電流Ydを入力して起動信号Reを出力し、データ送受信手段222に入力する。
【0049】
図1において、歩数計1の通信基板20のデータ送受信手段222は、起動信号Reを入力すると、歩数計1がリーダライタ41に近づいたかまたはリーダライタ41に載せられた事を認識し、変調信号Hdを誘導コイル21に出力する。
【0050】
図1において、歩数計1の通信基板20の誘導コイル21は、変調信号Hdを入力すると通信用磁界Wに磁界変化△Wを発生する。
図4に示すようにパソコン40のリーダライタ41は、通信用磁界Wの磁界変化△Wを調べて、リーダライタ41に歩数計1が近づいたかまたはリーダライタ41の上に歩数計1が載せられた事を検出すると、パソコン40はリーダライタ41が発生する通信用磁界Wを認識問信号Kw1で変調することによって、認識問信号Kw1を歩数計1に送信する。(S23)
【0051】
図4において、パソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wは、パソコン40によって認識問信号Kw1で変調され、図1に示す歩数計1の通信基板20の誘導コイル21にはこの変調された通信用磁界Wによる変調信号Hdが誘導され、通信チップ22のデータ送受信手段222に入力される。
【0052】
図1において、歩数計1の通信基板20のデータ送受信手段222は、認識問信号Kw1で変調された変調信号Hdを入力して認識問号Kw1を認識する。(S4)
【0053】
図1において、歩数計1の通信基板20のデータ送受信手段222は、認識問信号Kw1を認識した事を示す認識答信号Kw2により変調信号Hdを変調して誘導コイル21に出力する。誘導コイル21は認識答信号Kw2により、通信用磁界Wに新たな磁界変化△’Wを発生する。(S5)
【0054】
図4において、パソコン40のリーダライタ41は、通信用磁界Wの新たな磁界変化△’Wを検出して歩数計1から送られた認識答信号Kw2を認識する。(S24)
【0055】
以上、S1からS5およびS21からS24までの動作フローで、歩数計1とパソコン40は、お互いの存在を認識する。
なお、以下の説明においては、歩数計1の通信基板20の誘導コイル21と、パソコン40のリーダライタ41との通信用磁界Wの磁界変化△Wによる通信の原理的な説明は省略する。
【0056】
図4において、歩数計1は通信用磁界Wを通じてパソコン40に第1識別記号Sk1と第2識別記号Sk2を送信する。(S6)
【0057】
図4において、パソコン40は第1識別記号Sk1と第2識別記号Sk2とを受信し、第1識別記号Sk1からたとえば製造番号などの歩数計1の固有情報を認識し、第2識別記号Sk2から使用者の所属する団体を認識する。(S25)
【0058】
図4において、歩数計1は、歩数、歩行時間、運動強度を示すMets値、運動量を示すEx値、カロリーなどの運動に係るデータや身長、体重、年齢などの個人データをパソコン40に送信する。(S7)
【0059】
特に図示していないが、パソコン40は歩数計1からのデータを受信し、第2識別記号Sk2に対応した領域に記憶する。(S26)
【0060】
図4において、歩数計1はデータ終了信号をパソコン40に送信するとともに、S1に戻り歩行開始を待つ。(S8)
【0061】
図示していないが、パソコン40は歩数計1からデータ終了信号を受信すると通信を終了し、受信したデータをモニタ画面に表示するとともに、S21に戻り歩数計1がリーダライタ41に近づいたかまたはリーダライタ41の上に載せられたか、を監視する。(S27〜S28)
以上のようにして歩数計1から歩数データをパソコン40や、あるいはパソコン経由のウェブサイトに送信する。
【0062】
上述のように本発明に係る歩数計1によれば、歩数測定基板10と通信基板20を立体的に結合したので全体が小型になり収納がきわめて容易となる。また、電池が上ケース直下にあるので、電池の着脱が容易である。
さらに、通信コイルが下ケース直下にあるので、パソコン40のリーダライタ41との距離が近くなり通信の効率がきわめて良好になると共に、歩数計1は、パソコン40との通信を待機する状態では電力消費が少ないので、その分電池寿命が長くなり経済的且つ環境配慮商品となる。
【0063】
また、第1識別記号は書き換えのできない情報として保持されるので、製造メーカが品質管理を行う上で有用であり、第2識別記号は、アスレチッククラブや自治体が会員や住民に貸与する際に、その組織の会員番号を第2識別記号として使用することができるので、使用者リストを作成し定期的にメンテナンスをする等の手間が不要になり、管理の上で甚だ有利である。
【符号の説明】
【0064】
1:歩数計
10:歩数測定基板
10a:第一の面
10b:第二の面
11:加速度センサ
12:処理チップ
13:不揮発メモリ
14:電池
141:電池押さえバネ
15:回路パターン
16:接続コネクタ
16a:接続電極
20:通信基板
20a:第三の面
20b:第四の面
21:誘導コイル
22:通信チップ
221:誘導電流検出手段
222:データ送受信手段
23:接続コネクタ
25:上ケース
26:下ケース
27:電池蓋
30:非電磁性結合部材
40:パソコン
41:リーダライタ
50:健康データ収集システム
51a〜51n:健康計測器群
52:健康データ収集装置
53:データ処理装置
Ks:加速度信号
Hs:歩数データ
Md:歩行データ
Re:起動信号
Yd:誘導電流
Hd:変調信号
W:通信用磁界
△W:磁界変化
△’W:新たな磁界変化
Kw1:認識問信号
Kw2:認識答信号
Sk1:第1識別記号
Sk2:第2識別記号
【技術分野】
【0001】
本発明は小型で収納が容易であり、歩数データを記録し健康管理を行う上で使い勝手を向上した歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行は健康増進と疾病の予防及び回復に効果があるので、多くの人が日常生活の中に取り入れている。しかし歩行の効果を上げるためには、日々の歩数や消費エネルギを把握し、目標に向けて改善を行うなど、目標管理をしなくてはならない。
そのため歩数計のデータをパソコンに入力し目標達成に向けた管理活動を支援する技術が後述の特許文献1に開示されている。
【0003】
以下、添付の図6を用いて特許文献1に開示された技術を説明する。
図6は、特許文献1で開示された健康データ収集システムのブロック図である。
図6において、破線のブロック50は健康データ収集システムであり、51a〜51nは健康計測器群、52は健康データ収集装置、53はデータ処理装置である。健康計測器群51a〜51nは、歩数計、電子体温計、体重計、体脂肪計、血圧計などであり、健康データ収集装置52は、健康計測器群51a〜51nが計測した計測データを、電波や赤外線によってワイヤレスで受信し、データ処理装置53は、健康データ収集装置52が受信した計測データなどを処理して健康履歴データとして記憶し表示する。
【0004】
特許文献1の開示技術においては、使用者は毎日の歩行など運動を終えると、健康データ収集装置52に電波や赤外線によってワイヤレスで、歩数などの計測データを送信する。
健康データ収集装置52に入力された歩数データは、一週間或いは一ヶ月所定の期間でグラフ化され、使用者は目標と実績を認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−310559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の開示技術においては、歩数計などの健康計測器からパソコンへの計測データの送信は、電力消費が大きい電波や赤外線によって行われるので、必要な電力を賄うため大きい電池が必要となり、コストも高くなる。また電池が大きいので歩数計も大きくなり、身体に装着する上で制約が増える。
【0007】
また、一般家庭で歩数などのデータを管理する場合は、歩数計の所有者が限られるので、パソコンは送られたデータの識別が不要であるが、たとえばアスレチッククラブや自治体が会員や住民に歩数計を貸し出して健康管理を行う場合などでは、歩数計の所有者が変わる度に使用者リストを書き換えなくてはならず、管理が煩雑であった。
【0008】
本発明の目的は、歩数計における上記のような問題を解決し、安価でどこにでも収納可能であって、個人が健康増進を行う上でも、またアスレチッククラブや自治体が、会員や住民に貸与して健康管理を行う上でも管理が極めて容易な歩数計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係る歩数計は下記の構成を採用する。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、通信手段を備えた歩数計において、加速度センサと処理チップと不揮発メモリと電池とを搭載した歩数測定基板と、誘導コイルと通信チップとを搭載した通信基板とからなり、前記歩数測定基板は前記電池を搭載する第一の面と、前記加速度センサと前記処理チップと前記不揮発メモリとを搭載する第二の面とを有し、前記通信基板は前記通信チップを搭載する第三の面と、前記誘導コイルを搭載する第四の面とを有し、前記歩数測定基板の第二の面と前記通信基板の前記第三の面とを対向して構成したことを特徴とする歩数計である。
【0011】
この構成により、歩数計の構造は必要最小限の体積に圧縮され、歩数計全体の大きさが小さくなる。すなわち、基板の両側に部材が分散されて搭載されるので、搭載に必要な面積が小さくなるとともに、歩数測定基板の第一の面に電池が搭載されるので、電池交換が容易になり、さらに通信基板の第四の面にアンテナが配置されるので通信の効率が向上する。
【0012】
次に、請求項2に係る発明は、前記通信基板の前記通信チップは、外部通信機器が発生する通信用磁界によって前記通信基板の前記誘導コイルに誘導された誘導電流を検出し前記通信チップ自らを起動する誘導電流検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の歩数計である。
【0013】
この構成により、パソコンなどの外部通信機器が発生する通信用磁界中に歩数計を持ち込むと自動的に歩数計が起動するので、歩数計での無駄な待機中の電力消費を防ぐことができる。
【0014】
さらに、請求項3に係る発明は、書き換え不可能な第1識別記号と、書き換え可能な第2識別記号とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歩数計である。
【0015】
この構成により歩数計を貸与する際の管理が容易になる。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、本発明に係る歩数計によれば、小型でどこでも収納でき、電池寿命が長い経済的な歩数計を提供することができる。
またパソコンが発生する通信用磁界中に設置すると、歩数計の通信機能が自動的に立ち上がるので、不要な電力消費がなく安価な環境配慮商品である。
【0017】
また、歩数計の固有の情報は、第1識別記号として保持されるので製造メーカが品質管理に有用であり、第2識別記号は、アスレチッククラブや自治体が会員や住民に貸与して健康管理を行う上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による歩数計の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による歩数計の構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明による歩数計の構造を示す平面図である。
【図4】本発明による歩数計とパソコンのシステムの構成を示す外観図である。
【図5】本発明による歩数計とパソコンの動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の健康データ収集システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る歩数計の大まかな動作は、歩数計測機能と通信機能を具備した歩数計において、歩数計測手段と通信手段を、立体的に積み重ねた構造にして体積を最小化するとともに、通信に磁気による誘導電流を検出する方式を用いることによって、消費電力を低減するものである。
【0020】
以下、図1及び図4を用いて本発明に係る歩数計の一実施形態を詳述する。
【0021】
先ず、図1及び図4に基づいて、本発明に係る歩数計の構成を説明する。
図1は歩数計1の構成を説明するブロック図であり、図4は歩数計1とパソコン40との間で、データ通信を行う際の構成を示す外観図である。
【0022】
図1において歩数計1は、歩数を検出し記憶する歩数測定基板10と、パソコン40とデータの送受信を行う通信基板20とで構成される。なお、説明のため、後述するパソコン40のリーダライタ41を破線で示してある。
図4において、1は本発明による歩数計であり、40は歩数のデータ管理を行うパソコンであり、41は歩数計1とデータ通信を行うためのリーダライタである。
【0023】
図4において歩数計1はパソコン40のリーダライタ41の近傍に、あるいはリーダライタ41の上に載せて、リーダライタ41が発生する通信用磁界Wを変調することによって、歩数に係るデータを歩数計1からパソコン40に送信し、通信に係るデータをパソコン40から歩数計1に送る。なお、リーダライタ41をパソコン40の中に内蔵することも可能である。
【0024】
図1を用いて歩数測定基板10の構成を説明する。
歩数測定基板10は加速度センサ11と処理チップ12と不揮発メモリ13と電池14とから構成される。加速度センサ11は使用者の歩行によって発生する加速度信号Ksを検出して処理チップ12に入力する。
【0025】
処理チップ12は加速度信号Ksから歩行毎に生じる歩行ステップを検出し、歩数データHsを算出し不揮発メモリ13に記憶する。不揮発メモリ13は処理チップ12から歩数データHsを入力し、図示していないが処理チップ12からのカレンダー情報とともに記憶する。
【0026】
次に、図1を用いて通信基板20の構成を説明する。通信基板20は、誘導コイル21と通信チップ22とから構成される。さらに通信チップ22は誘導電流検出手段221とデータ送受信手段222を備えている。
【0027】
図1に示すように、誘導コイル21は歩数計1をパソコン40のリーダライタ41に載せることによって、リーダライタ41が発生する約13メガヘルツの通信用磁界Wを受け、数百μAないし数mAの誘導電流Ydを発生する。
【0028】
通信チップ22の誘導電流検出手段221は、誘導コイル21が発生する誘導電流Ydを入力すると起動信号Reを出力する。
【0029】
通信チップ22のデータ送受信手段222は、誘導電流検出手段221が発生する起動信号Reを入力すると起動信号Reによって自らを起動し、通信チップ22の動作を開始させる。
【0030】
通信チップ22および通信チップ22のデータ送受信手段222は、起動信号Reによって起動し動作を開始すると、歩数測定基板10から入力される歩行データMdを入力して誘導コイル21に変調信号Hdを出力する。
【0031】
データ送受信手段222が出力する変調信号Hdは、パソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wによって、誘導コイル21に誘導された誘導電流Ydの大きさを歩行データMdなどのデータによって変化させる負荷として働く。すなわち、歩行データMdなどのデータによって生じた誘導電流Ydの変化は、リーダライタ41を通じてパソコン40で検出されるので、歩数計1からパソコン40にデータが送られる。
【0032】
以上のようにして、歩数計1がパソコン40のリーダライタ41に近づくか、またはリーダライタ41の上に載ると、歩数計1とパソコン40とが約13メガヘルツの通信用磁界Wで結合し、一方が送るべきデータで通信用磁界Wを変調し、他方が変調された約13メガヘルツの通信用磁界Wを復調してデータ通信を行う。
実施例ではパソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wは、周波数が約13メガヘルツの交流磁界であるが、別の周波数を使用することも可能である。
上述したように、歩数計1がリーダライタ41に近づくか、またはリーダライタ41に載っていないと、歩数計1の通信基板20は非動作状態である。
【0033】
電池14は歩数測定基板10の大きさを最小限にするため、コイン状の薄型のボタン電池を用いるのが好ましい。
【0034】
次に、図2及び図3を用いて、本発明に係る歩数計1の構造を説明する。
図2は歩数計1の構造を示す概略断面図であり、図3は内部構造を示す平面図である。図2において、歩数測定基板10はガラスエポキシ板の両面に銅箔の回路パターンを敷設し、第一の面10aには電池押さえバネ141によって薄型のボタン電池14を搭載し、第二の面10bには加速度センサ11と処理チップ12と不揮発メモリ13とを配設してある。
【0035】
実施例では加速度センサ11には一般に知られているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた3軸加速度センサを使用し、処理チップ12にはマイクロプロセッサを、また不揮発メモリ13にはフラッシュメモリを用いたが、他の部材で実現することも可能である。
【0036】
通信基板20はガラスエポキシ材の両面に銅箔の回路パターンを敷設し、第三の面20aには通信チップ22を搭載し、第四の面20bには誘導コイル21を搭載したものである。
【0037】
実施例では、通信チップ22は低消費電力型デジタルシグナルプロセッサを用い、誘導コイル21としては、通信基板20の第四の面20bに、銅箔の回路パターンをコイル状に形成したものを用いたが、細い導線をコイル状に巻いて実現することも可能である。
【0038】
図3を用いて誘導コイル21の構造を説明する。
図3は歩数計1の通信基板20の第四の面20bを示す平面図である。図3に示すように誘導コイル21は、通信基板20の第四の面20bに、銅箔の回路パターンを矩形のコイル状にして形成されている。コイルの巻き数は、図では簡略化して示しているが、5ターンないし10ターンである。
【0039】
図2において、非電磁性結合部材30は歩数測定基板10と通信基板20の間に配置し、歩数測定基板10の第二の面10bと通信基板20の第三の面20aとが対向位置するよう構成している。
また歩数測定基板10と通信基板20とは接続コネクタ16の接続電極16aによって電気的に接続される。全体は上ケース25と下ケース26によって覆われる。なお、上ケース25は電池14を着脱するための電池蓋27を備えている。実施例では上ケース25および下ケース26および電池蓋27にはプラスチックなどの非電磁性材料を用いた。
【0040】
次に、図4を用いて本発明に係る歩数計1とパソコン40との間でデータ通信を行う際のシステムの構成を説明する。図4において、歩数計1はデジタル時計程度の大きさなので、図示していないが使用者はポケットやカバンなどに収納して歩数を計測することができる。
【0041】
図4に示す様に、使用者は歩行を終えると、歩数計1をパソコン40のリーダライタ41に近づけるかまたはリーダライタ41の上に載せる。
【0042】
リーダライタ41は例えば非接触ICカードリーダライタなどの名称で一般的に知られているパソコン端末部品であり、図示していないが歩数計1の通信基板20の誘導コイル21と同等の誘導コイルを内蔵しており、パソコン40の制御でこの誘導コイルから発生した通信用磁界Wをデータで変調し、歩数計1とのデータの送受信を行う。
以下に、歩数データの送信について詳細を述べる。
【0043】
図5を中心に、図1と図4を併用して、本発明の歩数計1から歩数データをパソコン40や、あるいはパソコン経由のウェブサイトに送信する動作を説明する。
図5は歩数計1から歩数データをパソコン40に送信する際の動作フローを示しており、S1からS8までは歩数計1の動作フローを示し、S21からS28まではパソコン40の動作フローを示している。
【0044】
使用者はポケットやカバンなどに歩数計1を収納して歩数を測定し、その後歩行を終了する。(S1〜S2)
【0045】
パソコン40が起動される。(S21)
【0046】
図4において、パソコン40のリーダライタ41は通信用磁界Wを発生し、パソコン40は通信用磁界Wの変化を調べ、歩数計1がリーダライタ41に近づいたか、またはリーダライタ41の上に載せられたかを、数百ミリ秒の間隔で監視する。(S22)
【0047】
図4において、使用者は歩数計1をパソコン40のリーダライタ41に近づけるかまたはリーダライタ41の上に載せる。(S3)
【0048】
図1において、歩数計1の通信基板20の誘導コイル21には、パソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wによって誘導電流Ydが発生し、誘導コイル21の誘導電流検出手段221は、この誘導電流Ydを入力して起動信号Reを出力し、データ送受信手段222に入力する。
【0049】
図1において、歩数計1の通信基板20のデータ送受信手段222は、起動信号Reを入力すると、歩数計1がリーダライタ41に近づいたかまたはリーダライタ41に載せられた事を認識し、変調信号Hdを誘導コイル21に出力する。
【0050】
図1において、歩数計1の通信基板20の誘導コイル21は、変調信号Hdを入力すると通信用磁界Wに磁界変化△Wを発生する。
図4に示すようにパソコン40のリーダライタ41は、通信用磁界Wの磁界変化△Wを調べて、リーダライタ41に歩数計1が近づいたかまたはリーダライタ41の上に歩数計1が載せられた事を検出すると、パソコン40はリーダライタ41が発生する通信用磁界Wを認識問信号Kw1で変調することによって、認識問信号Kw1を歩数計1に送信する。(S23)
【0051】
図4において、パソコン40のリーダライタ41が発生する通信用磁界Wは、パソコン40によって認識問信号Kw1で変調され、図1に示す歩数計1の通信基板20の誘導コイル21にはこの変調された通信用磁界Wによる変調信号Hdが誘導され、通信チップ22のデータ送受信手段222に入力される。
【0052】
図1において、歩数計1の通信基板20のデータ送受信手段222は、認識問信号Kw1で変調された変調信号Hdを入力して認識問号Kw1を認識する。(S4)
【0053】
図1において、歩数計1の通信基板20のデータ送受信手段222は、認識問信号Kw1を認識した事を示す認識答信号Kw2により変調信号Hdを変調して誘導コイル21に出力する。誘導コイル21は認識答信号Kw2により、通信用磁界Wに新たな磁界変化△’Wを発生する。(S5)
【0054】
図4において、パソコン40のリーダライタ41は、通信用磁界Wの新たな磁界変化△’Wを検出して歩数計1から送られた認識答信号Kw2を認識する。(S24)
【0055】
以上、S1からS5およびS21からS24までの動作フローで、歩数計1とパソコン40は、お互いの存在を認識する。
なお、以下の説明においては、歩数計1の通信基板20の誘導コイル21と、パソコン40のリーダライタ41との通信用磁界Wの磁界変化△Wによる通信の原理的な説明は省略する。
【0056】
図4において、歩数計1は通信用磁界Wを通じてパソコン40に第1識別記号Sk1と第2識別記号Sk2を送信する。(S6)
【0057】
図4において、パソコン40は第1識別記号Sk1と第2識別記号Sk2とを受信し、第1識別記号Sk1からたとえば製造番号などの歩数計1の固有情報を認識し、第2識別記号Sk2から使用者の所属する団体を認識する。(S25)
【0058】
図4において、歩数計1は、歩数、歩行時間、運動強度を示すMets値、運動量を示すEx値、カロリーなどの運動に係るデータや身長、体重、年齢などの個人データをパソコン40に送信する。(S7)
【0059】
特に図示していないが、パソコン40は歩数計1からのデータを受信し、第2識別記号Sk2に対応した領域に記憶する。(S26)
【0060】
図4において、歩数計1はデータ終了信号をパソコン40に送信するとともに、S1に戻り歩行開始を待つ。(S8)
【0061】
図示していないが、パソコン40は歩数計1からデータ終了信号を受信すると通信を終了し、受信したデータをモニタ画面に表示するとともに、S21に戻り歩数計1がリーダライタ41に近づいたかまたはリーダライタ41の上に載せられたか、を監視する。(S27〜S28)
以上のようにして歩数計1から歩数データをパソコン40や、あるいはパソコン経由のウェブサイトに送信する。
【0062】
上述のように本発明に係る歩数計1によれば、歩数測定基板10と通信基板20を立体的に結合したので全体が小型になり収納がきわめて容易となる。また、電池が上ケース直下にあるので、電池の着脱が容易である。
さらに、通信コイルが下ケース直下にあるので、パソコン40のリーダライタ41との距離が近くなり通信の効率がきわめて良好になると共に、歩数計1は、パソコン40との通信を待機する状態では電力消費が少ないので、その分電池寿命が長くなり経済的且つ環境配慮商品となる。
【0063】
また、第1識別記号は書き換えのできない情報として保持されるので、製造メーカが品質管理を行う上で有用であり、第2識別記号は、アスレチッククラブや自治体が会員や住民に貸与する際に、その組織の会員番号を第2識別記号として使用することができるので、使用者リストを作成し定期的にメンテナンスをする等の手間が不要になり、管理の上で甚だ有利である。
【符号の説明】
【0064】
1:歩数計
10:歩数測定基板
10a:第一の面
10b:第二の面
11:加速度センサ
12:処理チップ
13:不揮発メモリ
14:電池
141:電池押さえバネ
15:回路パターン
16:接続コネクタ
16a:接続電極
20:通信基板
20a:第三の面
20b:第四の面
21:誘導コイル
22:通信チップ
221:誘導電流検出手段
222:データ送受信手段
23:接続コネクタ
25:上ケース
26:下ケース
27:電池蓋
30:非電磁性結合部材
40:パソコン
41:リーダライタ
50:健康データ収集システム
51a〜51n:健康計測器群
52:健康データ収集装置
53:データ処理装置
Ks:加速度信号
Hs:歩数データ
Md:歩行データ
Re:起動信号
Yd:誘導電流
Hd:変調信号
W:通信用磁界
△W:磁界変化
△’W:新たな磁界変化
Kw1:認識問信号
Kw2:認識答信号
Sk1:第1識別記号
Sk2:第2識別記号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を備えた歩数計において、
加速度センサと処理チップと不揮発メモリと電池とを搭載した歩数測定基板と、
誘導コイルと通信チップとを搭載した通信基板とからなり、
前記歩数測定基板は前記電池を搭載する第一の面と、前記加速度センサと前記処理チップと前記不揮発メモリとを搭載する第二の面とを有し、
前記通信基板は前記通信チップを搭載する第三の面と、前記誘導コイルを搭載する第四の面とを有し、
前記歩数測定基板の前記第二の面と前記通信基板の前記第三の面とを対向して構成したことを特徴とする歩数計。
【請求項2】
前記通信基板の前記通信チップは、
外部通信機器が発生する通信用磁界よって前記通信基板の前記誘導コイルに誘導された誘導電流を検出し前記通信チップ自らを起動する誘導電流検出手段を
備えたことを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
【請求項3】
前記歩数計は、
書き換え不可能な第1識別記号と、
書き換え可能な第2識別記号と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の歩数計。
【請求項1】
通信手段を備えた歩数計において、
加速度センサと処理チップと不揮発メモリと電池とを搭載した歩数測定基板と、
誘導コイルと通信チップとを搭載した通信基板とからなり、
前記歩数測定基板は前記電池を搭載する第一の面と、前記加速度センサと前記処理チップと前記不揮発メモリとを搭載する第二の面とを有し、
前記通信基板は前記通信チップを搭載する第三の面と、前記誘導コイルを搭載する第四の面とを有し、
前記歩数測定基板の前記第二の面と前記通信基板の前記第三の面とを対向して構成したことを特徴とする歩数計。
【請求項2】
前記通信基板の前記通信チップは、
外部通信機器が発生する通信用磁界よって前記通信基板の前記誘導コイルに誘導された誘導電流を検出し前記通信チップ自らを起動する誘導電流検出手段を
備えたことを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
【請求項3】
前記歩数計は、
書き換え不可能な第1識別記号と、
書き換え可能な第2識別記号と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の歩数計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−58862(P2012−58862A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199438(P2010−199438)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔博覧会名〕 第12回 ICカード・ICタグ総合展 IC CARD WORLD 2010 〔主催者名〕 日本経済新聞社 〔開催日〕 平成22年3月9日〜平成22年3月12日
【出願人】(596033303)株式会社アコーズ (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔博覧会名〕 第12回 ICカード・ICタグ総合展 IC CARD WORLD 2010 〔主催者名〕 日本経済新聞社 〔開催日〕 平成22年3月9日〜平成22年3月12日
【出願人】(596033303)株式会社アコーズ (7)
【Fターム(参考)】
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