歩道設置型防災シェルター
【課題】落下物から身を護ることのできる歩道設置型防災シェルターを提供すること。
【解決手段】ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっている。
【解決手段】ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルター歩道設置型防災シェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
市街地に建ち並ぶビルなどの建造物は、地震の発生によりガラスやブロック片などの破壊片が落下して、それらの破壊片により下の歩道を歩く人は怪我をする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした落下対策は殆どのところで採られておらず、危険極まりないものである。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、落下物から身を護ることのできる歩道設置型防災シェルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっている。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっているので、落下物から身を護ることのできる歩道設置型防災シェルターを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明の一実施形態を図面にしたがって説明するが、ここで説明する各実施形態に含まれる個々の提案例は他の実施形態にも適用されるものとする。また、各構成部材の材質は鉄材を基本として説明するが、アルミ合金・チタン合金などの他の金属材や木材さらに樹脂など現存するすべてのものを利用し得るものとする。
【0007】
図1(図2のB−B線断面図)および図2(図1のA−A線断面図)は、図1の上側で図2の裏側に相当する側にビルなどの建造物が建ち並んでいて、地震によりそこからガラスやブロック片などの破壊片が落下してくるような場合を想定してそれに対応するように作られた歩道設置型の防災シェルターの一例を示すものである。同シェルターは、バス停の役目も兼ねているが、バス停を兼ねていない場合もある。
【0008】
40は歩道、41は車道を示し、歩道40には、複数本の支柱42…が6点配置をもって垂直に立設されている。それら支柱42…の上端間は上連結材43によりつながれているとともに、中間高さの適所にも中間連結材44が連結されている。
【0009】
上連結材43と中間連結材44、支柱42を利用して強化樹脂でなる採光可能な防護板45がビル側と車道側に嵌め込まれている。このシェルターの中には、バスを待つ人や歩道40を歩き休みたい人などが座ることのできる椅子46…がビル側に配備されており、この椅子46は、蓋47が開閉可能なもので、蓋47を開ければ椅子下ケース48内に収納しておいた非常用品類を使用できるようになっている。
【0010】
天井構造はガラス片やブロック片などの落下物を緩衝しながら受け止めるようになっている。即ち、50は天網で、天井開口を簡易に塞ぐためのものである。51は網芯材、52はクッション材で、これらをサンドイッチにした緩衝材53を上下複数層配備し天井板54の端に備えた止め具55により固定するようになっている。緩衝材53は上下間に空間を残して設けられて緩衝効果を上げるようになっているが、重合してもよい。
尚、シェルター内に霧を噴霧して夏季に涼しくするためノズル56が設けられている。この実施形態の場合、上連結材43がパイプ状であるので、その中を水が流れてノズル56から水が噴霧されるように簡易になっている。
【0011】
図3(図4のD−D線断面図)および図4(図3のC−C断面図)は他の実施形態を示す。同実施形態も図1および2の実施形態と同様の目的をもつ防災シェルターである。
60は支柱で上連結材61で互いにつながれている。そのビル側には防護板62が張られている。63は天井板で、その両端には止め具64が設けられている。シェルターの内部には椅子65が設けられる一方、その上方には非常用品入れ66が取り付けられている。この非常用品入れ66も補強メンバーになっている。
【0012】
67は網材の両端を折り曲げたクッション入れで、その中にクッション68を挟みこんで緩衝材69を形成するようになっている。これら緩衝材69の複数を前記止め具64を利用して天井板63上にセットして緩衝しながら落下物を受け止めるようになっている。
【0013】
図5ないし図8は、図1ないし図4に示す歩道設置型の防災シェルターの他の実施形態を示すもので、図5は上空からみた設置の様子を示す上面図、図6は図5の左上側の1つを取り出して示す拡大上面図、図7は図6を車道側からみた正面図、図8は図7の左側面図である。
【0014】
図5の上側と下側には、車道400およびその両側の歩道401,401を挟んでビルなどの建造物402…が建ち並んでいて、地震が発生すればこれらの建造物402からガラスやブロック片などの破壊片が次々に落下してくるような場合を想定してそれに対応するように防災シェルター403を設置したものである。これらの図に示すシェルター403はバス停の役目も兼ねているが、バス停を兼ねていない場合もある。
【0015】
歩道401には、複数本の支柱405…が8点配置をもって垂直に立設されている。それら支柱405…の上端間は上連結材406によりつながれているとともに、上連結材406や支柱405で囲まれた立面の特に建造物402…側の面には、窓枠407が取付けられるとともに各窓枠407にはポリカーボネートなどの強度のある防護板408が採光可能なものとして嵌め込まれている。
【0016】
この防災シェルター403の中には、バスを待つ人や休みたい人などが座ることのできる椅子409…がビル側(車道側でもよい)に配備されており、この椅子409は、前記のように蓋を開閉可能にして椅子下ケース内に収納しておいた非常用品類を使用できるようにしてもよい。
【0017】
天井構造は、前記上連結材406の上面を介してルーフ410が図8のように設けられているとともに、同ルーフ410上には、パネル枠411と緑地枠412が受皿状をなして取付けられている。パネル枠411は、車道400側の半分を占め、緑地枠412は建造物402側の半分を占める。緑地枠412内には、自然物である草木が天井緑地413として設けられる。
【0018】
パネル枠411内には、ソーラーパネル414…が多数枚配備されている。緑地枠412とパネル枠411の境目には給水管415が設けられ、歩道のところまで延びていることにより、給水管415に明けた霧ノズルから定期的に噴霧が可能になっている。この噴霧はソーラーパネル414の向きに対してもパネル清掃の目的で行うように構成することもできる。
【0019】
ビルからの落下物は屋根部分の特にビル側において広がって設けられた天井緑地413により受け止められ、その際、緑地413であるので好適な緩衝作用をもって落下物を受け止めることができる。また、平常時には、緑地413は夏季の暑さをしのぐなど環境保全に適しさらにビル上からみても好ましい景観を提供する。ソーラーパネル414は破壊されやすいが、同パネル414は車道401側に配置しているので落下物に当たりにくい。
【0020】
尚、図6および図7に示すように、シェルター403の外部に相当する路面には、衝撃吸収質路材417を配備しておけば落下物418…が路面に落ちたあと割れてシェルター403内や他の路面上の人に損傷を与えるおそれが少ない。
また、図5に示すように、シェルター403間には網状材などによる防護連結材420を渡架しておけばシェルター403間を歩く人にも安全を与えることができる。この防護連結材420にも独自の支柱などの支持構造を構成することができる。
【0021】
図9および図10は他の実施形態を示すもので、緑地422の占有面積を広くとるようにしたもので、図9の実施形態は、ソーラーパネル423を屋根面積のうち車道424側でかつ片隅にあるようにしたもので、図10の実施形態は、ソーラーパネル423を車道424側に直線状に細長く設けて緑地422の面積を極力広くしかも落下物に対し有効に機能するようにしたものである。
尚、図9および図10の下欄に示すものはパネル防護網425で、パネル423上に離間して張設される。
【0022】
図11は他の実施形態を示すもので、前記シェルター上の緩衝受材としての構造を示し、上・中・下網状材426,427,428の3枚で受材を構成し、上の網状材426を粗目、中の網状材427を中間目、下の網状材428を細目のものとしたもので、この場合、上下間にクッション材429を挟むとより緩衝効果が上がる。この場合の枚数は限定されない。また、図1ないし図4に示す実施形態ならびに図5ないし図10の実施形態のシェルター上のいずれを対象にしてもこの網状材構造を構成することができる。例えば、プラスチック屋根以外に、緑地やパネル上をも対象として含むものである。
尚、この場合の網の材質は特に限定しないが、炭素繊維複合材のメッシュ版を使用すると強度が向上する。
【0023】
図12および図13に示す実施形態において、200は布基礎、201は土台、202は束石、203は床束、204は大引き、205は根太、206は通し柱や管柱などの柱、207は胴差、208は天井板、209は小梁、210は2階床板、211は小屋梁、212は妻梁、213は軒桁、214は小屋束、215は母屋、216は垂木、217は棟木をそれぞれ示す。
【0024】
220は外基礎で、この外基礎220は、地盤221内に埋め込まれたコンクリート基礎部222とその内部に埋め込まれた鉄筋223…および基礎部222の中央に垂直に埋め込まれ上端に座板224を備えた芯パイプ225からなっていて、図13に示す家屋内の床梁226より少し(100mm前後)偏寄した位置の仮想の立面内に対応して位置するように家屋を挟む外部に対称的に配置されている。
【0025】
230は補強フレームで、同フレーム230は、下端に取付板231を有する左右一対の垂直な支柱部232と両支柱部232間を一体につなぐ水平な横架部233とでなる。
前記取付板231は座板224にアンカー結合され、支柱部232は下部外周に補強板233を備えて補強してある。
前記脚部232は四角なスチールパイプ(あるいは丸パイプやH鋼、アングルなどでもよい)でなり、木質やアルミ合金であることもあり、また、横架部233も、四角なパイプ(あるいは丸パイプやH鋼、アングルなどでもよい)でなり、木質やアルミ合金などであることもある。
【0026】
横架部233と支柱部232とは結合板234で一体に溶接固着されているが、ボルト結合タイプによってもよい。
こうした補強フレーム230の横架部233は、図12のように外壁235に明けられた通孔236を通じて室内の天井裏内に通され、図13に示すように、床梁226の左下に相当するところに通されている。そして、同フレーム230は、床梁226に直交する間仕切り桁237の底面を通じて通されている。
【0027】
このフレーム230は、1つの方法として、図13のように通されたままとする方法があるほか、同図のようにアングルなどの連結具238により床梁226や間仕切り桁237などの躯体構成材に連結する場合がある。
また、フレーム230は、単一本に限らず、図13の仮想線のように複数列設けることもある。
さらに、図12および図14に仮想線で示すように、支柱部232,241は台形の脚片に相当するように斜状にするとより耐震補強効果が上がる。
【0028】
図14および図15は他の実施形態を示す。
同実施形態は、曲げパイプを使ってジョイント式にした点と、パイプにつなぎ方式を採用した点と、パイプを構造躯体にゴムなどの弾性を介して連結し家屋を弾性支持(免震支持)した点と、室内に設けた避難シェルターとも協働するように連結関係とした点、2階構造躯体とパイプを連結して2階の耐震も図ったなどである。
【0029】
240は補強フレームで、支柱部241と横架部242とでなる。支柱部241は、丸あるいは角などの曲げパイプでなり、その下端は取付板243により外基礎244に連結するようにしてある。横架部242は2本のパイプからなりその途中をジョイント軸245によりつなぐようにしてあるとともに。横架部242と支柱部241とはフランジ246により連結するようにしてある。
【0030】
横架部242は前記実施形態と同様に床梁226の左下で間仕切り桁237の底面を通るようにされ、これら横架部242と床梁226および間仕切り桁237はゴム質の弾性部材247により免震効果をもって連結支持するようになっている。
【0031】
249は2階連結部材で、横架部242から2階躯体まで延びて連結され2階躯体の揺れを阻止するようになっている。
尚、250は避難用シェルターで、スチールパイプなどを部屋型に組み合わせてなり、その中にベッド251を装備しておくことにより家屋が倒壊しても就寝している人が護られるようになっている。この場合のシェルター250は、床下まで床下コラム251を延ばして倒壊時に床抜けしないようにしてある。
このシェルター250に天連結材252を介して前記補強フレーム240を連結してある。このように補強フレーム240とシェルター250とを相互連結しておくことで、家屋の揺れ自体も抑制されるとともにシェルター250の安定性も向上するごとくお互いが協働し合う。
また、図14に仮想線で示す補強フレーム240からは垂直柱253を垂下して床下まで埋め込み固定するようにしてもよい。この場合、図14の右側の横架部242は省略することもできる。
【0032】
図16は補強フレーム255を外基礎256から立ち上げた外支柱257内に差し込んで支持効果を向上させるようにしたものである。この場合、右欄に示すように外基礎256はブロック258にモルタル259を打設した基礎構造であってもよい。
尚、前記実施形態では、横架部233,242は金属パイプ状のものとされていたが、図16に上側に示すようにワイヤ・ロープ・リンクチェーンなどの線条材260であってもよい。この場合、この線条材260は、例えば、床梁226などの躯体側に止め付けたり巻き付けたりして家屋の揺れや倒壊を阻止するようにしてもよい。
また、図16の右下欄に示すように、横架材を線条材260とするとともに同材260の両端を斜め引っ張り材(ワイヤ・ロープ・リンクチェーンなど)261,261に一体接続して家屋の揺れや倒壊を阻止するようにしてもよい。
さらに、前記支柱部232,241はゴム質でもよいし、横架部226もゴム質でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を示す図2のB−B線断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】他の実施形態を示す図4のD−D線断面図。
【図4】図3のC−C線断面図。
【図5】歩道設置型の防災シェルターの他の実施形態を示す平面図。
【図6】図5の一部を拡大して示す平面図。
【図7】図6のシェルターの正面図。
【図8】図7の左側面図。
【図9】シェルターの他の実施形態を示す平面図。
【図10】シェルターの他の実施形態を示す平面図。
【図11】緩衝用の網状材の構造を示す説明図。
【図12】他の実施形態を示す門型耐震補強装置の家屋縦断面図。
【図13】図12のE−E線拡大断面図。
【図14】他の実施形態を示す門型耐震補強装置の家屋縦断面図。
【図15】図14のF−F線断面図。
【図16】フレームの支持方式の他の実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0034】
40…歩道 42…支柱 43,44…連結材 50〜55…天井構造。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルター歩道設置型防災シェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
市街地に建ち並ぶビルなどの建造物は、地震の発生によりガラスやブロック片などの破壊片が落下して、それらの破壊片により下の歩道を歩く人は怪我をする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした落下対策は殆どのところで採られておらず、危険極まりないものである。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、落下物から身を護ることのできる歩道設置型防災シェルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっている。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっているので、落下物から身を護ることのできる歩道設置型防災シェルターを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明の一実施形態を図面にしたがって説明するが、ここで説明する各実施形態に含まれる個々の提案例は他の実施形態にも適用されるものとする。また、各構成部材の材質は鉄材を基本として説明するが、アルミ合金・チタン合金などの他の金属材や木材さらに樹脂など現存するすべてのものを利用し得るものとする。
【0007】
図1(図2のB−B線断面図)および図2(図1のA−A線断面図)は、図1の上側で図2の裏側に相当する側にビルなどの建造物が建ち並んでいて、地震によりそこからガラスやブロック片などの破壊片が落下してくるような場合を想定してそれに対応するように作られた歩道設置型の防災シェルターの一例を示すものである。同シェルターは、バス停の役目も兼ねているが、バス停を兼ねていない場合もある。
【0008】
40は歩道、41は車道を示し、歩道40には、複数本の支柱42…が6点配置をもって垂直に立設されている。それら支柱42…の上端間は上連結材43によりつながれているとともに、中間高さの適所にも中間連結材44が連結されている。
【0009】
上連結材43と中間連結材44、支柱42を利用して強化樹脂でなる採光可能な防護板45がビル側と車道側に嵌め込まれている。このシェルターの中には、バスを待つ人や歩道40を歩き休みたい人などが座ることのできる椅子46…がビル側に配備されており、この椅子46は、蓋47が開閉可能なもので、蓋47を開ければ椅子下ケース48内に収納しておいた非常用品類を使用できるようになっている。
【0010】
天井構造はガラス片やブロック片などの落下物を緩衝しながら受け止めるようになっている。即ち、50は天網で、天井開口を簡易に塞ぐためのものである。51は網芯材、52はクッション材で、これらをサンドイッチにした緩衝材53を上下複数層配備し天井板54の端に備えた止め具55により固定するようになっている。緩衝材53は上下間に空間を残して設けられて緩衝効果を上げるようになっているが、重合してもよい。
尚、シェルター内に霧を噴霧して夏季に涼しくするためノズル56が設けられている。この実施形態の場合、上連結材43がパイプ状であるので、その中を水が流れてノズル56から水が噴霧されるように簡易になっている。
【0011】
図3(図4のD−D線断面図)および図4(図3のC−C断面図)は他の実施形態を示す。同実施形態も図1および2の実施形態と同様の目的をもつ防災シェルターである。
60は支柱で上連結材61で互いにつながれている。そのビル側には防護板62が張られている。63は天井板で、その両端には止め具64が設けられている。シェルターの内部には椅子65が設けられる一方、その上方には非常用品入れ66が取り付けられている。この非常用品入れ66も補強メンバーになっている。
【0012】
67は網材の両端を折り曲げたクッション入れで、その中にクッション68を挟みこんで緩衝材69を形成するようになっている。これら緩衝材69の複数を前記止め具64を利用して天井板63上にセットして緩衝しながら落下物を受け止めるようになっている。
【0013】
図5ないし図8は、図1ないし図4に示す歩道設置型の防災シェルターの他の実施形態を示すもので、図5は上空からみた設置の様子を示す上面図、図6は図5の左上側の1つを取り出して示す拡大上面図、図7は図6を車道側からみた正面図、図8は図7の左側面図である。
【0014】
図5の上側と下側には、車道400およびその両側の歩道401,401を挟んでビルなどの建造物402…が建ち並んでいて、地震が発生すればこれらの建造物402からガラスやブロック片などの破壊片が次々に落下してくるような場合を想定してそれに対応するように防災シェルター403を設置したものである。これらの図に示すシェルター403はバス停の役目も兼ねているが、バス停を兼ねていない場合もある。
【0015】
歩道401には、複数本の支柱405…が8点配置をもって垂直に立設されている。それら支柱405…の上端間は上連結材406によりつながれているとともに、上連結材406や支柱405で囲まれた立面の特に建造物402…側の面には、窓枠407が取付けられるとともに各窓枠407にはポリカーボネートなどの強度のある防護板408が採光可能なものとして嵌め込まれている。
【0016】
この防災シェルター403の中には、バスを待つ人や休みたい人などが座ることのできる椅子409…がビル側(車道側でもよい)に配備されており、この椅子409は、前記のように蓋を開閉可能にして椅子下ケース内に収納しておいた非常用品類を使用できるようにしてもよい。
【0017】
天井構造は、前記上連結材406の上面を介してルーフ410が図8のように設けられているとともに、同ルーフ410上には、パネル枠411と緑地枠412が受皿状をなして取付けられている。パネル枠411は、車道400側の半分を占め、緑地枠412は建造物402側の半分を占める。緑地枠412内には、自然物である草木が天井緑地413として設けられる。
【0018】
パネル枠411内には、ソーラーパネル414…が多数枚配備されている。緑地枠412とパネル枠411の境目には給水管415が設けられ、歩道のところまで延びていることにより、給水管415に明けた霧ノズルから定期的に噴霧が可能になっている。この噴霧はソーラーパネル414の向きに対してもパネル清掃の目的で行うように構成することもできる。
【0019】
ビルからの落下物は屋根部分の特にビル側において広がって設けられた天井緑地413により受け止められ、その際、緑地413であるので好適な緩衝作用をもって落下物を受け止めることができる。また、平常時には、緑地413は夏季の暑さをしのぐなど環境保全に適しさらにビル上からみても好ましい景観を提供する。ソーラーパネル414は破壊されやすいが、同パネル414は車道401側に配置しているので落下物に当たりにくい。
【0020】
尚、図6および図7に示すように、シェルター403の外部に相当する路面には、衝撃吸収質路材417を配備しておけば落下物418…が路面に落ちたあと割れてシェルター403内や他の路面上の人に損傷を与えるおそれが少ない。
また、図5に示すように、シェルター403間には網状材などによる防護連結材420を渡架しておけばシェルター403間を歩く人にも安全を与えることができる。この防護連結材420にも独自の支柱などの支持構造を構成することができる。
【0021】
図9および図10は他の実施形態を示すもので、緑地422の占有面積を広くとるようにしたもので、図9の実施形態は、ソーラーパネル423を屋根面積のうち車道424側でかつ片隅にあるようにしたもので、図10の実施形態は、ソーラーパネル423を車道424側に直線状に細長く設けて緑地422の面積を極力広くしかも落下物に対し有効に機能するようにしたものである。
尚、図9および図10の下欄に示すものはパネル防護網425で、パネル423上に離間して張設される。
【0022】
図11は他の実施形態を示すもので、前記シェルター上の緩衝受材としての構造を示し、上・中・下網状材426,427,428の3枚で受材を構成し、上の網状材426を粗目、中の網状材427を中間目、下の網状材428を細目のものとしたもので、この場合、上下間にクッション材429を挟むとより緩衝効果が上がる。この場合の枚数は限定されない。また、図1ないし図4に示す実施形態ならびに図5ないし図10の実施形態のシェルター上のいずれを対象にしてもこの網状材構造を構成することができる。例えば、プラスチック屋根以外に、緑地やパネル上をも対象として含むものである。
尚、この場合の網の材質は特に限定しないが、炭素繊維複合材のメッシュ版を使用すると強度が向上する。
【0023】
図12および図13に示す実施形態において、200は布基礎、201は土台、202は束石、203は床束、204は大引き、205は根太、206は通し柱や管柱などの柱、207は胴差、208は天井板、209は小梁、210は2階床板、211は小屋梁、212は妻梁、213は軒桁、214は小屋束、215は母屋、216は垂木、217は棟木をそれぞれ示す。
【0024】
220は外基礎で、この外基礎220は、地盤221内に埋め込まれたコンクリート基礎部222とその内部に埋め込まれた鉄筋223…および基礎部222の中央に垂直に埋め込まれ上端に座板224を備えた芯パイプ225からなっていて、図13に示す家屋内の床梁226より少し(100mm前後)偏寄した位置の仮想の立面内に対応して位置するように家屋を挟む外部に対称的に配置されている。
【0025】
230は補強フレームで、同フレーム230は、下端に取付板231を有する左右一対の垂直な支柱部232と両支柱部232間を一体につなぐ水平な横架部233とでなる。
前記取付板231は座板224にアンカー結合され、支柱部232は下部外周に補強板233を備えて補強してある。
前記脚部232は四角なスチールパイプ(あるいは丸パイプやH鋼、アングルなどでもよい)でなり、木質やアルミ合金であることもあり、また、横架部233も、四角なパイプ(あるいは丸パイプやH鋼、アングルなどでもよい)でなり、木質やアルミ合金などであることもある。
【0026】
横架部233と支柱部232とは結合板234で一体に溶接固着されているが、ボルト結合タイプによってもよい。
こうした補強フレーム230の横架部233は、図12のように外壁235に明けられた通孔236を通じて室内の天井裏内に通され、図13に示すように、床梁226の左下に相当するところに通されている。そして、同フレーム230は、床梁226に直交する間仕切り桁237の底面を通じて通されている。
【0027】
このフレーム230は、1つの方法として、図13のように通されたままとする方法があるほか、同図のようにアングルなどの連結具238により床梁226や間仕切り桁237などの躯体構成材に連結する場合がある。
また、フレーム230は、単一本に限らず、図13の仮想線のように複数列設けることもある。
さらに、図12および図14に仮想線で示すように、支柱部232,241は台形の脚片に相当するように斜状にするとより耐震補強効果が上がる。
【0028】
図14および図15は他の実施形態を示す。
同実施形態は、曲げパイプを使ってジョイント式にした点と、パイプにつなぎ方式を採用した点と、パイプを構造躯体にゴムなどの弾性を介して連結し家屋を弾性支持(免震支持)した点と、室内に設けた避難シェルターとも協働するように連結関係とした点、2階構造躯体とパイプを連結して2階の耐震も図ったなどである。
【0029】
240は補強フレームで、支柱部241と横架部242とでなる。支柱部241は、丸あるいは角などの曲げパイプでなり、その下端は取付板243により外基礎244に連結するようにしてある。横架部242は2本のパイプからなりその途中をジョイント軸245によりつなぐようにしてあるとともに。横架部242と支柱部241とはフランジ246により連結するようにしてある。
【0030】
横架部242は前記実施形態と同様に床梁226の左下で間仕切り桁237の底面を通るようにされ、これら横架部242と床梁226および間仕切り桁237はゴム質の弾性部材247により免震効果をもって連結支持するようになっている。
【0031】
249は2階連結部材で、横架部242から2階躯体まで延びて連結され2階躯体の揺れを阻止するようになっている。
尚、250は避難用シェルターで、スチールパイプなどを部屋型に組み合わせてなり、その中にベッド251を装備しておくことにより家屋が倒壊しても就寝している人が護られるようになっている。この場合のシェルター250は、床下まで床下コラム251を延ばして倒壊時に床抜けしないようにしてある。
このシェルター250に天連結材252を介して前記補強フレーム240を連結してある。このように補強フレーム240とシェルター250とを相互連結しておくことで、家屋の揺れ自体も抑制されるとともにシェルター250の安定性も向上するごとくお互いが協働し合う。
また、図14に仮想線で示す補強フレーム240からは垂直柱253を垂下して床下まで埋め込み固定するようにしてもよい。この場合、図14の右側の横架部242は省略することもできる。
【0032】
図16は補強フレーム255を外基礎256から立ち上げた外支柱257内に差し込んで支持効果を向上させるようにしたものである。この場合、右欄に示すように外基礎256はブロック258にモルタル259を打設した基礎構造であってもよい。
尚、前記実施形態では、横架部233,242は金属パイプ状のものとされていたが、図16に上側に示すようにワイヤ・ロープ・リンクチェーンなどの線条材260であってもよい。この場合、この線条材260は、例えば、床梁226などの躯体側に止め付けたり巻き付けたりして家屋の揺れや倒壊を阻止するようにしてもよい。
また、図16の右下欄に示すように、横架材を線条材260とするとともに同材260の両端を斜め引っ張り材(ワイヤ・ロープ・リンクチェーンなど)261,261に一体接続して家屋の揺れや倒壊を阻止するようにしてもよい。
さらに、前記支柱部232,241はゴム質でもよいし、横架部226もゴム質でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を示す図2のB−B線断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】他の実施形態を示す図4のD−D線断面図。
【図4】図3のC−C線断面図。
【図5】歩道設置型の防災シェルターの他の実施形態を示す平面図。
【図6】図5の一部を拡大して示す平面図。
【図7】図6のシェルターの正面図。
【図8】図7の左側面図。
【図9】シェルターの他の実施形態を示す平面図。
【図10】シェルターの他の実施形態を示す平面図。
【図11】緩衝用の網状材の構造を示す説明図。
【図12】他の実施形態を示す門型耐震補強装置の家屋縦断面図。
【図13】図12のE−E線拡大断面図。
【図14】他の実施形態を示す門型耐震補強装置の家屋縦断面図。
【図15】図14のF−F線断面図。
【図16】フレームの支持方式の他の実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0034】
40…歩道 42…支柱 43,44…連結材 50〜55…天井構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっている歩道設置型防災シェルター。
【請求項1】
ビルなどの建造物前の歩道に設置されて地震により建造物から落下してくるガラスやブロック片などの破壊片から歩行者を護るための歩道設置型防災シェルターであって、複数の支柱と、支柱同士をつなぐ連結材と、防護型の天井構造とを備え、内部を歩行者が通過できるようになっている歩道設置型防災シェルター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−228409(P2009−228409A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196979(P2008−196979)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【分割の表示】特願2008−175062(P2008−175062)の分割
【原出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【分割の表示】特願2008−175062(P2008−175062)の分割
【原出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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